ナースのつぶやき

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足澤華乃

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2005年10月26日
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カテゴリ: まじめなつぶやき



 彼女は、筋金入りの 「リハビリ嫌い」。

 正確には、
 「苦労したくない」 
 「しんどいのはイヤ」 
 「楽をしたい」  
 「わたしの言う事は何でも聞いてくれなくちゃイヤ」
 という性格。

 たまたま、彼女とは家族ぐるみのお付き合い・・という別の患者さんが
「箱入り娘」 だったらしい。

 箱入り娘といえば響きはいいが、その駄々っ子ぶりには誰もが手を焼き、
 お見舞いに来た人は呆れてかえって行くといった様子だった。

 でも、彼女はそんな自分自身が不憫でならない。

どうして、わたしがこんな目にあうの・・・?

 それが、彼女の中に渦巻いていた言葉だったようだ。
 時々、そうつぶやいては涙ぐんでいた。
 脳梗塞による右上下肢の麻痺。
 実はうちの病院にはリハビリ目的で転院してきたのだが、彼女にはさっぱり
 リハビリに対する意欲が無い。

夫が面倒を見てくれるからいい。
 夫が面倒を見れないなら、家政婦を雇えばいい。



 リハビリを勧める人は、「冷たい、意地悪な人」
 何でもやってくれる人は、「やさしい、親切な人」

 う~ん、手ごわい。

 そうこうしているうちに、彼女の「何もしたくない」気持ちは


「ご飯を噛むのがめんどくさい」

 とのことで、食事は常食→軟菜→刻みとなり、本人は全く噛む必要のない
 流動食まで希望した。
 (おやつはおせんべいでも何でも食べてましたが・・)

 最終的には、彼女の訴えにだんなさんが折れた。
 ある日突然転院するという話しがでた。
 なんでも、知り合いの口利きで、
「寝たきり大歓迎」
 「何から何までお世話します」


 という病院を、自宅近くに見つけてきたというのだ。

 彼女は大喜びした。

 でもそれって、
 もう自宅には帰れないって言う事だよ。
 寝たきりになるって、楽なことじゃないよ。
 夜中に目が覚めて、寝返りを打とうと思っても動けない。
 あそこのジュースを取ろうと思っても、届かない。
 ちょっと前までできていた事が、どう頑張ってもできなくなる・・

 リハビリをしなかったら・・
 わずかな時間であっという間に筋肉が落ち、
 関節が硬縮し、動けなくなるんだよ・・・。

 彼女の転院の日。嬉しそうな彼女とは裏腹に、
 わたしの頭の中には「ドナドナ」が流れていた。

 「人間の体は、動くために作られている」

 決して、横たわり続けるようには、設計されていない緻密な構造。
 だから、「動かない事」で思いも寄らない、様々な弊害が
 どんどん生じる。

 脳も、消化器も、呼吸器も、筋肉も、神経も、
 「運動」という刺激を欲しがっている。
 そう感じる事がある。
 そして、それが生きるっていう事なのかなぁ・・とも思う。

 小さく産まれて、そして努力して様々な「能力」を獲得していく。
 動くこと、歩くこと、話すこと、食べること・・。
 当たり前のことのようで、それは当たり前じゃない。
 「努力」して「獲得」した「能力」なんだ。

 それをいかに維持していくか。
 障害を受けたときに、いかにして回復へと導くか。

 「元気になりたい!」
 「頑張ろう!」

 そう思ってもらうのがまずは出発点。
 でも、それが一番むずかしかったりする・・・・。





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最終更新日  2005年10月26日 09時24分24秒
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