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ところで、唐突。
ここは、あるひなびた海岸通りの街。夕食までにと、全く人通りのない街を歩いている。
寂れ、うらびれた街並みの、どのお店からだろう。ちあきなおみさんの「喝采」が流れてくる。
これは朝には、似合わない歌である。黄昏にぴったしの唄だ。
この唄は、かって晴れやかな喝采を浴びた歌手が人生の盛りが過ぎ、どさまわりに転じている日々。
あるいは華やかなスポットを浴びる舞台でのダンサーの寂しげな姿・・・・・・
そうした人生、人の持つ光と影、
黄昏、悲哀といったものを見事に映し出している。
私は、名歌の一つと思う。
唄は刹那的。そして彼女が消えて久しいが、
今も私の耳に残るのは、余韻。
この唄が、自分の人生と重なるからであろうか。
ところで、今歩いているこの街。
この街の高度化・近代化事業が完成し、
華々しい喝采を受けてテープカットの風景が、
TVで放映されたのは18年前の今の時期。
借り入れ返済終了まで6年を残して、
今この街は、まさに黄昏どき。
やがて、明けることのない闇に入る。
人生も、事物も、黄昏となれば
哀しいものだ、寂しいものだ。
東シナ海の遠くの海に、日が落ちる。
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