全22件 (22件中 1-22件目)
1

観たいなあと思って、ベルサイユのばらを観に来ました。圧巻の一言に尽きました。原作を2時間でまとめるのは無理があるよなあと思いましたが、要所要所しっかりまとめるところはまとめていて、かつオスカル様とアンドレ、フェルゼンとマリーアントワネットの物語として仕上がっていました。音楽と作画が良かったし、沢城みゆきさん演じるオスカル様も、とっしー演じるアンドレをはじめとするキャストの皆さんも良かった。ティルリー宮殿とバスティーユのシーンは泣きそうになりました。劇場版だけではもったいないから、テレビアニメ版も作って欲しいです。観て良かったです。特典のカードです。天界で幸せになる2人。わがままなことを言えば、転生して幸せになってほしいですね。
2025年02月26日
コメント(4)

今日も沢山働いたので、お昼に久しぶりにフードコート内のケンタッキーへ。チーズにおぼれるフィレバーガー、チェダーチーズ味を食べました。チェダーチーズがしっかり入っていて、美味しかったです。平日だったので、フードコートの席はすぐに取れて良かったです。また機会があったらカマンベール味の方も食べてみようと思います。
2025年02月25日
コメント(2)

「相棒」「火宵の月」二次小説です。作者様・出版社様・出演者様とは一切関係ありません。二次創作・BLが苦手な方はご注意ください。時は平安。人と妖が混在した時代。(朔の夜か・・)陰陽師・大河内春樹は、仄かに部屋を照らす高灯台の灯りを頼りに、暦を作っていた。この陰陽寮に籍を置いて早十年になるが、初めて陰陽寮に出仕した日の事を、今でも憶えている。(あの日も、こんな夜だった。)春樹は元服してすぐ、陰陽寮に出仕したが、そこで待っていたのは嫉妬と悪意の視線だった。土御門家にも勝るとも劣らない陰陽道の大家・大河内家の嫡子として生を享けながらも、春樹には見鬼の才があったが、その力は並程度のものだった。―情けない・・―学があるのに、あれじゃぁねぇ・・―大河内家はもう終わりね。周囲の心無い声に傷つきながらも、春樹は黙々と己の仕事をこなす日々を送っていた。そんな中、弘徽殿で梅見の宴が開かれた。紅白の梅が咲き誇る弘徽殿には、美しき衣を纏った女房達が鈴を転がすかのような声で時折笑いながら、宴を楽しんでいた。「春樹、来たか。来ないのかと思っていたぞ。」「は、はぁ・・」晴れがましい場所を余り好まない春樹だったが、遠縁の従兄にあたる帝直々の誘いを断る事は出来なかった。「今宵の梅は、匂いもいいし、闇夜を照らす程の美しさであろう?」「えぇ。」「相変わらずつれないな。そんな調子じゃ、所帯を持つのは夢のまた夢だな。」「はは・・」春樹が乾いた笑みを口元に貼り付けていると、突然宴に集まっていた貴族達がどよめき出した。彼らの視線の先に居たのは、一人の青年だった。肌は雪のように白く、きめ細かかった。艶やかな黒髪は結い上げられ、切れ長の碧みがかった黒い瞳は美しい光を湛えていた。「おぉ、そなたが来るなど珍しいな、有匡。」「義父からこの宴に出席せよと、うるさく言われたので、仕方なく。」そう言った青年と、有匡の視線が一瞬絡み合った。「春樹は有匡と会うのが初めてであったな?有匡、この者は余の遠縁の従弟にあたる、大河内春樹だ。春樹よ、この者は余が信頼しておる土御門有匡だ。」「土御門有匡です、以後お見知りおきを。」「こちらこそ。」春樹と有匡が互いに素っ気ない挨拶を交わした時、一人の白拍子が舞台に上がり、静かに楽の音に合わせて舞い始めた。目尻に赤い紅を引き、切れ長の瞳を際立たせたその白拍子は、横目で春樹の方を見ると、微かに口元を弛ませた。(何だ、今のは?)「主上、あの白拍子は?」「余の最近のお気に入りでな、確か信太の出だとか。」「信太?」「そう。名は、葛の葉という。」「珍しい名ですね。」「何だ、あやつに惚れたのか?」「そのようなことは・・」「葛の葉、こちらへ来い。」「はい。」サラリと美しい黒髪をなびかせながら、白拍子―葛の葉が春樹達の前に現れた。「主上、そちらの素敵な殿方は?」「余の遠縁の従弟の、春樹だ。余よりも年下なのに、女を知らぬときている。葛の葉、誰かこやつにいい女を紹介してくれ。」「可愛いお方、どのような方がお好み?」「主上、わたしはこれで失礼致します。」春樹はそう言うと、宴席から去っていった。「つれない御方。でも、わたくしの好みですわ。」「そうか?意外だな、そなたのような者なら、あのような堅物なぞ興味を持たぬだろうに。」「堅物だからこそ、落とし甲斐があるというもの。」「つくづく悪い女だな、そなたは。」「お褒めに預かり、光栄です。」人前で憚らずイチャつき合う二人の姿を見て、有匡は渋面を浮かべていた。「主上、わたしはこれで失礼致します。」「有匡、今宵は来てくれてありがとう。」(下らん宴だった。全く、あのような者を傍に置くなど、主上は一体何を考えているのか・・)有匡がそんな事を考えながら後宮を後にしようとした時、彼の前を、布を咥えた一匹の猫が横切った。「お願い、待って!」衣擦れの音と共に、一人の少女が有匡の前に現れた。美しい金色の髪をなびかせた彼女は、血の如き真紅の瞳で有匡を見つめた。「あ・・」「この猫が、そなたの探し物か?」「ありがとうございます・・」その時、一陣の風が二人の間に吹いた。「あの、お名前は・・」「土御門有匡だ。そなたは?」「火月と申します・・」有匡と少女―火月が暫く見つめ合っていると、何処からか火月を呼ぶ声が聞こえて来た。「僕は、これで失礼致します。」(不思議な娘だったな・・)有匡がそんな事を思いながら後宮を出た頃、陰陽寮へと戻った春樹は、酒を飲み過ぎた所為でいつの間にか眠ってしまった。目を覚ましたのは、己の鼻先をくすぐる女の髪の感触だった。「ん・・」「おや、起きてしまいましたか?」クスクスと笑いながら春樹を見下ろしたのは、葛の葉だった。「貴様、何故ここに?」「あなたに興味を持ちました。大丈夫、わたしに全て身を委ねて。」「やめろ・・」「ふふ、可愛い方。」葛の葉の全身から、甘い梅の香りがした。「すべては、梅の所為にしてしまえばいいのです。」葛の葉に唇を塞がれた後、春樹は意識を闇へと堕とした。(あれは夢だったのか?)二日酔いに苦しみながら春樹が翌朝出仕すると、陰陽寮では何やら人がざわめく声が聞こえて来た。「有匡殿、おはようございます。」「おはようございます、春樹殿。」「何やら向こうが騒がしいようですが、何かあったのですか?」「それが、今日から出仕する者がおりまして・・その者が、あの白拍子と似ているのです。」「白拍子に?」有匡と春樹がそんな話をしていると、そこへ一人の青年がやって来た。「あなた達が、僕の先輩方ですか。初めまして、こちらで本日からお世話になる、神戸尊と申します。」そう有匡と春樹に挨拶した青年は、葛の葉と瓜二つの顔をしていた。「お前は、あの時の・・」「嫌だなぁ~、誰かと間違っちゃってます?確か、あなたと僕は初対面の筈ですよね?」そう言った青年は、狐のように目を細めて笑った。にほんブログ村二次小説ランキング
2025年02月24日
コメント(0)

桃味のワッフル、美味しかったです。癖がなく、チーズの旨味が引き出されたラーメンでした。
2025年02月24日
コメント(0)

「火宵の月」二次小説です。作者様・出版者様とは関係ありません。二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。一部性描写が含まれます、苦手な方はご注意ください。“彼女”―三条高子は、そう言うとカウンター越しに有匡を睨みつけた。 彼女とは前世からの深い因縁で繋がっていた。「この前、貴方様のインタビュー記事を雑誌で拝読しましたわ。」 高子はそう言うと、有匡の手を見つめ、次の言葉を継いだ。「血に塗れた手でも、美しい物を作れるんですのね、あなたは。」「先生、冷凍庫のチョコ、在庫がなくなりそうです。」 火月がそう言って厨房から店内へと向かった時、有匡と謎の少女が対峙している事に気づいた。「あなたが・・あの・・」 少女はそう言うと、店から出て行った。「先生、どうしたんですか?」「すまない、考え事をしていた。どうかしたのか、火月?」「チョコレートの在庫が切れそうなんですが、発注お願いできますか?」「あぁ。」「さっきの子・・先生のお知り合いなんですか?」「それをお前が知ってどうする?」「え・・」「女房気取りはよせ。」 有匡はそう言って火月を冷たく突き放した後、自室に引き籠もってしまった。「アリマサがひきこもりぃ!?何で急にそんな事になってんの!?」「僕もわからないよ。昨日、店に先生の知り合いが来たんだ。」「そいつ、男?女?」「女の子だよ、名門お嬢様学校の制服を着ていたなぁ。その子が来てから、先生の様子が少しおかしくなっちゃって・・」「もしかして、有匡の愛人じゃねぇの?」 琥龍の言葉を聞いた禍蛇は、すかさず彼の顔面に拳を叩き込んだ。「お前は黙ってろ!」「先生、あの子と会った時、何処か辛そうな顔をしていた。まるで、自分を責めているような・・」「もしかして、前世絡みだったりする?だとしたら、アリマサの方から火月に話してくれるまで、そっとしておいた方がいいんじゃない?」「そうかもね・・」 そう禍蛇に話した火月だったが、有匡とあの少女の事が気になって仕方が無かった。 だから、彼女に会いに行った。(ここ、か・・) カトリック系のお嬢様学校、S高の正門前で、火月は只管あの少女が出て来るのを待った。 だが、幾ら待っても少女は出て来なかった。(無謀だったかな・・) 火月がそう思いながらS高を後にしようとした時、一人の少女が彼女に近づいて来た。「初めまして。あなたが、有匡様の北の方様ね?わたくしは、三条高子、あなたの背の君様に家族を殺された女よ。」 そう言った少女―高子は、火月を睨んだ。「どうして、先生があなたのご家族を・・」「殺したかですって?ここは人目があるから、何処か静かな所でお話ししましょう。」 高子に火月が連れられたのは、こぢんまりとした雰囲気のカフェだった。「コーヒーをふたつ、お願い。」「かしこまりました。」 高子は、店員に飲み物を注文した後、火月の方に向き直った。「それで?あなたは何故、わたくしの家族が有匡様に殺されたのかを知りたいのでしょう?」「は、はい・・」「これをご覧なさい。」 高子がそう言って火月に見せたのは、血に汚れた勾玉だった。「これは・・」「有匡様は、呪詛をかけられたわたくしを救って下さったの。でも・・あの方は、わたくしの家族を殺したのよ・・まるで虫けらのようにね!」(先生が、そんな事をする訳がない。先生が・・)「火月・・火月!」「え、あ、すいませんっ!考え事をしていて・・」「お前なぁ、そういった仕返しは止せ。」 その日の夜、有匡と火月は厨房でテンパリングをしていた。 温度調節が命のテンパリング作業中に火月は気が散ってしまい、失敗してしまった。「すいません・・」「さてと、わたしの分は出来たから、お前の分をどうするかだな。」「え、捨てるんじゃないんですか?」「浴室で待ってろ。」「は、はい・・」(先生、何をするつもりなんだろう?) 浴室で裸になった火月がそんな事を思いながら有匡を待っていると、彼はチョコレートが入ったボウルとヘラを持って浴室に入って来た。「あの、先生、それは?」「あぁ。これは、こうするのさ。」 有匡はそう言うと、チョコレートを火月の肌に塗り始めた。「あ・・」「どうした、感じたのか?」「先生が、こんなプレイをするなんて・・」「意外か?」 有匡はいたずらっぽく笑うと、火月の肌に塗ったチョコレートを舌で舐め取った。「駄目、おかしくなっちゃうっ!」「お前の、そんな顔を見たかった。」 有匡は火月の胸から下腹にかけて塗ったチョコレートを、天鵞絨のような舌で時間を掛けてゆっくりと舐め取った。「あっ、あっ!」 執拗に有匡に舌で愛撫され、甘い嬌声を上げている火月を満足気に見ながら、有匡は残り少ないチョコレートを、火月の陰部に塗りたくり、長い指で彼女の膣と陰核を愛撫した。「お前の躰は、何処もかしこも甘いな。」「やぁぁっ、先生・・」「二人きりで居る時は、名前で呼べ。」「あ、有匡様・・」「辛いなら、やめようか?」「やめないで・・」「良い子だ。」 有匡は火月を四つん這いにさせ、避妊具を己のものに装着すると、うつ伏せのまま彼女を奥まで貫いた。「あぁ~!」「火月、愛している・・」 有匡は火月の最奥で爆ぜると、意識を手放した。―やめて、来ないで! 舞い散る雪の中で、赤く染まった血だけが鮮やかに有匡の目に映った。 逃げ惑う者達を、彼は太刀で容赦なく斬り伏せていった。―いやぁ~! 少女が最期に見たものは、禍々しくも美しい、有匡の紅い髪だった。「先生?」「う・・」有匡が低く呻いて目を開けると、そこが見慣れた自分の部屋だという事に気づいて安堵の溜息を吐いた。「酷く、うなされていましたよ。手も、冷たいですし・・」「昔の―前世の夢を見ていた。」「前世の?」「いつまでも隠しておく訳にはいくまい。お前には、あの娘との関係を話してやろう。」 有匡はそう言うと、火月に自分と高子の因縁について話し始めた。有匡と三条高子は、三条家で行われた管弦の宴で出会った。 土御門家の養父の顔を立てるだけの、“形だけ”のものだったが、高子は次第に有匡に惹かれていった。 しかし、有匡には既に火月が居た。 火月への嫉妬に駆られた高子は、彼女を亡き者にするよう有匡の義兄達をけしかけた。 その結果、火月を手にかけて“力”が暴走してしまった有匡によって、高子は家族諸共殺された。「それは、彼女の逆恨みじゃ・・」「あぁ。だが彼女は、自分の所為で家族が死んでしまったという現実から目を背け、わたしに対する恨みだけを抱えて再会した。」「何とか、ならないんですか?」「無理だな。こちらが彼女との接触をせぬ限り、彼女は何もして来ないだろうよ。」 有匡はそう言うと、溜息を吐いた。 翌朝、店のドアを激しく叩く音で、有匡と火月は目覚めた。「おい有匡、これ見ろよ!」 琥龍がそう言って有匡にタブレットを見せた。 そこには、有匡が過去に殺人罪で服役していたという、事実無根の誹謗中傷記事が表示されていた。「何これ・・」「もしかして、あの子が・・」 火月がそう言った時、店の窓ガラスが何者かに投げた石によって粉々に砕け散った。「火月、怪我は無いか?」「はい・・」 有匡が店内に転がった石に包まれた紙を見ると、そこには“人殺し”と書かれていた。「暫く、店は休む。こんな記事が出た後では、仕事にならんからな。」「先生、あの・・」「火月、お前は何の心配もせずに学校へ行け。」「は、はい・・」(先生、大丈夫かな?あの人、昔から動揺している時ほど人に悟られないようにするから・・) 昼休み、火月がそんな事を思いながら教室で弁当を広げていると、そこへ一人の男が入って来た。「おや、こんな所で会うとは・・わたしの事を憶えていますか?文観という名を。」 そう言って笑った男の額には、痣があった。(あれは、先生が・・)「どうやら、思い出してくれたようですね。」「どうして、あなたがここへ?」「この学校では講師を務めているのですよ。有匡殿は・・義兄上は、お元気でいらっしゃいますか?」男―有匡の因縁の相手・殊音文観は、そう言うと笑った。「もしかして、あんたがあの記事を・・」「わたしはあのような卑怯な真似はしませんよ。義兄上にお伝え下さい、今晩八時にこの場所でお待ちしていますと。」 文観はそう言って火月に一枚のカードを手渡すと、教室から去っていった。「暫く店を閉めんの?閉めて何処行くの?」「パリだ。初心に戻って一から修業し直す。」「カゲツは?あいつも一緒に連れて行くんでしょ?」「火月は置いていく。あいつは、やはりわたしの元へ来るべきではなかった。だから・・」 有匡が神官とそんな話をしていると、店のドアベルと共に火月が店の中に入って来た。「嫌です、僕も一緒にパリへ行きます!だから・・」「わたしと居ると、お前は幸せになれない。」「離れる位なら、死んだ方がいい!」 涙を流しながら火月は有匡に強引にキスをした後、店から出て行った。(先生はいつもそうだ、一人で考えこんで・・) 火月がそんな事を思いながら公園でブランコを漕いでいると、そこへ数人の男達がやって来た。「漸く会えたな、化猫。」「嫌だ、離してっ!」(先生、助けて・・)にほんブログ村二次小説ランキング
2025年02月21日
コメント(0)

※BGMと共にお楽しみください。「火宵の月」二次小説です。作者様・出版社様とは関係ありません。二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。“僕、あなたの子供を産みたいんです。”鎌倉で戦が始まり、瀕死の重傷を負った有匡は、火月の中に眠る邪気を制し、別次元へ―自分達が再会した瞬間へと戻った。雌となり、火月は望み通り有匡との間に男女の双子を産み、有匡は家族に囲まれた幸せな生活を送った。しかし、時を歪ませてしまった代償は、余りにも大きかった。幸せな時は、長く続かなかった。有匡が出張から帰って来ると、邸には土御門家の者達に殺された双子達の遺体が血の海の中に転がっていた。『火月、どこだ!?』有匡が火月の姿を捜すと、彼女は義兄達に捕らえられていた。『お前の所為で、土御門家は没落した!これ以上、お前達を生かしてはおけぬ!』『先生、逃げて・・』有匡が義兄と斬り合っていると、美しい金色の波が有匡の視界を覆った。彼女の手には、母の懐剣が握られていた。白い雪が、火月の血で赤く染まった。『しっかりしろ、火月!』『先生、泣かないで・・』火月は、血に塗れた手でそっと有匡の頬を撫でると、眠るように息絶えた。有匡は、火月と双子の遺体と共に枕を並べた後、邸に火を放ち、自害した。自害した者の魂は、輪廻の輪から外れるのだが、地獄で彼を待っていた獄卒は、こう言った。「あなたには、一度だけチャンスをあげましょう。輪廻転生し、再び愛を見つけなさい。」こうして有匡は転生を果たしたが、火月を捜そうとしなかった。自分の手は、血で汚れている。この世で―いいや、前世で愛した者の命をこの手で奪った罪は消えない。だから、決めたのだ。火月を愛さないと。そう決めた後、有匡が学校から自宅へと戻ろうとした時、公園のブランコで遊んでいる金髪の少女の姿を見つけた。(まさか、な・・)早足でその場から離れようとした時、少女は泣き出しそうな顔をしながら、自分に向かって叫んだ。『先生!』(火月、済まない。)有匡は唇を噛み、火月を睨みつけた後、こう言った。「お前、誰?僕は、お前なんて知らない。」これでいい。これで、もう二度と火月を傷つけずに済む。そう思い、安心していた有匡だったが、火月は再び自分の前に現れた。まるで、誰かが自分達を操っているかのように。有匡は、朝の仕込みを終えた後、ベッドに入って泥のように眠った。『うわぁ、綺麗!』『紅い月、母様の瞳みたい!』双子がはしゃぎながら、空に浮かぶ紅い月と母の真紅の瞳を見比べていた。『父様と母様はね、紅い月の晩に再会ったのよ。紅い月には魔力があってね、願い事を何でも叶えてくれるんだって。』『本当~!?』『本当だよ。ねぇ、先生?』(何故、わたしにこんな夢を見せる?)朝起きた時、有匡は頬を伝う涙を乱暴に手の甲で拭うと、寝室から出て厨房へと向かった。「うわ~、美味しそう!」「ここの店のガトーショコラ、絶品なんだって~!」「しかも、オーナーのパティシエが超イケメンなんだって!」そう言いながら女子高生達が店の前を通りかかった後、一人の少女がその店の前に立った。「へぇ~、ここがアリマサの店かぁ。」少女が店の中に入ると、丁度有匡が商品をショーケースに並べている所だった。「いらっしゃいませ。」「ふ~ん、今は占い師じゃなくてパティシエやってるのかぁ。ま、アリマサは手先が器用だから何でも出来るよね。」「何しに来た、神官?」「あはっ、憶えていてくれたんだ、神官の事。ま、その様子だとカゲツの事を憶えているみたいだね。」有匡は、神官の言葉を聞いて渋面を浮かべた。「昨日、火月がここに来た。」「ふ~ん、それで?」「冷たく彼女を突き放して、店から追い出した。」「はぁ、何で!?アリマサにとってカゲツは大切な存在だったんじゃ・・」「だからこそ、だ。わたしと居ると、火月は不幸になる。わたしは、彼女を愛してはいけない。」「まだ、そんな事を言ってんの?」神官はそう言うと、有匡を睨んだ。「アリマサ、昔はカッコよかったのに。」「用が無いなら帰れ。」「言われなくても帰るよ。」神官が店から出て行った後、有匡は「準備中」の札を「開店」の札へと変えた。すると、店内はたちまち女性客で混雑した。地獄のような忙しさがなくなったのは、昼の二時過ぎだった。(このままだと、わたしの体力がもたないな・・)そう思いながら有匡が店の裏口で煙草を吸っていると、そこへ一人の少年が通りかかった。「お久し振りですね、土御門有匡さん。」「あなたは・・」少年は、あの時の獄卒だった。「そのご様子だと、“彼女”とは会えたようですね。」「ええ。ですが、わたしは・・」「あなたは、未だ前世の罪に囚われているのですね。」「わたしは、この手で妻を殺してしまった。」有匡の脳裏に、“あの日”の光景が浮かんで来た。「わたしは・・」「いいですか、有匡さん。あなたの奥さんは、あなたの事を恨んでいませんでしたよ。」少年は、そう言って有匡に、火月が地獄に来た時の事を話した。「本当に、先生ともう一度会えるんですか?」火月は転生して有匡と再会える事を知り、涙を流して喜んだ。「実は、先生に一番伝えたい事があるんです。僕は、生まれ変わったら、先生に沢山大好きだと言いたいんです。」「そんな事を、彼女が?」「ええ。これからどうするのかは、あなたが決めて下さい。」少年は、有匡に微笑んだ後、雑踏の中へと消えていった。(わたしは、今まで・・)火月を、妻をこの手で殺してしまった事による己の罪故に、有匡は彼女を遠ざけた。もう二度と、彼女を傷つけないように。だが、それは自分の独りよがりな考えに過ぎなかったのだ。(火月・・)今まで会おうとしなかった火月に、有匡は無性に会いたくなった。(あれ程冷たく彼女を拒絶したのだから、もう火月は来ぬだろう。)そんな事を想いながら有匡が裏口から店の中へと戻ると、そこには火月の姿があった。「すいません、昨日はご迷惑をおかけしてしまいました。それを謝りたくて・・」「謝るのは、わたしの方だ。」「え?」「腹が減っているだろう。サンドイッチでも作ってやるから、そこへ座れ。」「は、はい・・」昨日の態度と一変して、自分に対して優しい態度を取って来た有匡に火月は戸惑いながらも、彼が淹れてくれたぬるめのコーヒーを飲んだ。「先生、あの・・」「火月、ひとつだけ聞きたい事がある。お前は、わたしを恨んでいたのか?“あの時”、わたしはこの手でお前を・・」「僕は、先生を恨んでいません。」火月はそう言って椅子から立ち上がると、有匡を抱き締めた。「“あの時”、僕は先生を守りたかった。それだけだったのに、先生を苦しめてしまった。」「火月、わたしは・・」「もう自分を責めないで下さい、先生。」―あなたには、一度だけチャンスをあげましょう。「大好きです、先生。今も、昔も。」―輪廻転生し、再び愛を見つけなさい。「わたしもだ、火月。」嗚呼、そうだ。もう、過去を振り返るのはやめよう。これからは、未来へ向かって歩いていくのだ―火月と一緒に。「火月、今お前は何処に住んでいる?」「会社の独身寮です。家賃が安いので、助かっていますけど。」「そうか。」「本当は専門学校に行きたかったんですけれど、事情があって行けなくて・・今勤めている会社で事務員をしながら、何とか生活しています。」「今からでも、専門学校へ行ったらどうだ?学費はわたしが援助するし、お前さえ良ければ、ここに住んでもいい。」「でも、それじゃ先生にご迷惑が・・」「何を今更。」有匡はそう言うと、火月の唇を塞いだ。「こうして再会えたんだ。世話くらい焼かせてくれ。」「先生・・」有匡と会った後、火月が会社の独身寮に戻ると、彼女の部屋の前には以前火月にしつこく言い寄って来た同僚が立っていた。「あ、火月ちゃんお帰りぃ。余りにも帰りが遅いから、心配したよぉ~」「どうして、ここに居るんですか?帰ってください!」「冷たい事言わないでさ~、俺今日カミさんから家を追い出されちゃって、行く所がないんだよ~」そう言って馴れ馴れしく火月の胸を揉んで来た同僚の手を、火月は邪険に振り払った。「嫌、僕に触らないで!」「うるせぇ、俺の気持ちを弄んだ癖に!」火月が慌てて部屋の中に入ろうとした時、同僚は彼女を玄関先で押し倒し、彼女が着ていたブラウスを容赦なく引き裂いた。「嫌ぁ~!」「うるさい、黙れ!」(先生、助けて・・)「その汚い手で、わたしの妻に触れるな。」頭上で氷のような冷たい声が聞こえ、火月は同僚の肩越しに、彼に向けて刃を突きつけている有匡の姿を見て、安堵の涙を流した。「ひぃっ!」「火月、大丈夫か?」「はい・・」有匡は泣きじゃくる火月に自分のコートを羽織らせると、彼女を自分の車に乗せた。翌日、火月は会社を退職し、有匡と共に暮らす事になった。「へぇ~、良かったじゃん!またあいつと夫婦になれるんだね!」「ありがとう、禍蛇。」火月は有匡に学費を援助して貰いながら、製菓専門学校に通い始めた。 全てが順調だと思っていた。“彼女”が現れるまでは。「漸くお会い出来ましたわね、有匡様。」にほんブログ村二次小説ランキング
2025年02月21日
コメント(0)

「火宵の月」二次小説です。作者様・出版社様とは関係ありません。二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。「頼もう!」 閑静な住宅街の一角に、少女の声が高らかに響いた。(誰だ、こんな朝早くに・・) 土御門有匡は、大量のチョコレートをガトーショコラにしながら、突然響いた少女の声に驚いてしまい、思わず手元が狂い、ケーキを飾るアイシングのハートが崩れてしまった。「頼―」「うるさい、近所迷惑だろうが!」 有匡が厨房から店の外へと出ると、店の前には一人の少女が立っていた。 長い金髪をポニーテールにし、セーターにデニム姿の彼女は、紅玉を思わせるかのような美しい真紅の瞳を輝かせながら、有匡に向かってこう尋ねた。「土御門有匡様ですよね?」「あぁ、そうだが・・」「僕を、弟子にして下さい!」「・・耳元で喚くな。」「す、すいません・・」「それと、わたしは、弟子は取っていない。」 有匡がそう言って店の中へと戻ろうとすると、少女が突然ドアの隙間に足を挟んで有匡にドアを閉じさせないようにした。「何処でそんな事を覚えた?」「弟子にして下さい!」 暫くすると、近所の住民達が何事かと彼らの方を時折指さしながら見始めた。 中には、スマートフォンを二人に向ける者も居た。「入れ、話だけなら聞いてやる。」「ありがとうございます!」 有匡は素早く少女を店の中に入れた後、中を覗かれないよう、レースのカーテンを閉めた。「わぁ、ここが先生のお店なんですね。雑誌で見た事はありますけれど、直接この目で見た方が、素敵なお店だってわかります。」 突然有匡の前に現れた少女は、そう言うと有匡の“城”である店内を興味深そうに見ていた。(一体何なんだ、こいつは?)「お前、名前くらい名乗れ。」「僕、高原火月と申します。あの、今日は僕、先生にお願いがあって来たんです。」「弟子は取らぬと、先程言った筈だが?」「僕、あなたの子供が産みたいんです。」 早朝に突然押しかけて来て、その上自分の子どもを産みたいなど―彼女は、正気じゃない。「早朝に弟子にしろと押しかけて来た上に、わたしの子を産みたいだと?これ以上おかしな事を言うと、警察を呼ぶぞ。」「違うんです、僕は・・」「さっさと出て行け!」 有匡は少女―火月を店から追い出し、ガトーショコラ作りを再開した。「火月、どうだった?」「惨敗・・というか、僕の事、先生は憶えていないみたい。」 有匡に店から追い出され、火月は幼馴染である琥龍が営むラーメン屋「紅牙」のカウンター席でそう彼と彼の婚約者・禍蛇に愚痴った。 三人の共通点―それは、前世の記憶を持っている事。 火月が二人と再会したのは、火月が7歳の時だった。『火月、やっと会えた!』『琥龍、禍蛇!』 二人と再会した時、火月は前世の記憶を取り戻した。 そして、火月は自分の伴侶―有匡が自分の隣に居ない事に気づいた。(先生に、会いたい・・)「火月、有匡に会いたいよね?」「うん・・」 公園のブランコを漕ぎながら、火月と禍蛇がそんな事を話していると、一人の少年が公園の前に通りかかった。 “火月” その少年は、有匡だった。 髪は短くなったものの、切れ長の碧みがかった黒い瞳は転生しても忘れられなかった。「先生、先生!」「火月、待って!」 突然火月がブランコから降りて走り出したのを見た禍蛇は、慌てて彼女を止めた。「どうしたの?」「先生・・」「お前、誰?僕は、お前なんて知らない。」(どうして・・) あぁ神様。 どうして、このような残酷な事をなさるのですか? 僕はただ、愛しい人に会いたかっただけなのに。「ねぇ火月、諦めたら?有匡が“何も”憶えていないのは、きっと理由があるからだよ。」「そうかな・・」「今日は、ゆっくり休みなよ。」「うん・・」(ごめん、禍蛇、僕先生の事を諦められないよ。だって・・) 僕の居場所は、いつだって―生まれ変わっても先生の傍だから。『先生、待って!』 あの時、自分を必死に追い掛ける少女が、前世で心の底から、魂の底から愛した妻だと、有匡は気づいた。 だが、彼は火月を冷たく拒絶した。(わたしは、お前を愛してはいけない・・わたしは・・) 今朝店の前に現れた火月を見て、本当は彼女を抱き締めて愛の言葉を囁きたかった。 だが、有匡にはそれが出来なかった。 何故なら、自分の手は血で汚れてしまっているから。(済まぬ、火月。わたしは、お前を愛してはいけない。わたしは、お前を傷つけてしまう・・) 有匡が煙草を吸いながら空を見上げると、そこには紅い月が浮かんでいた。にほんブログ村二次小説ランキング
2025年02月21日
コメント(0)

最近SNSで見かけたコーナークリップ。6色展開で、使いやすくてデザインが可愛いです。ノートの角にも手軽に挟めるのでいいですね。大切に使います。あと、文鎮代わりにもなります。母がイオンで買って来てくれた、チョコひなあられ。ひな祭りには早いですが、美味しかったです。
2025年02月21日
コメント(2)

「火宵の月」二次小説です。作者様・出版社様・制作会社様とは一切関係ありません。二次創作・BLが苦手な方はご注意ください。―先生・・ 誰かが、呼んでいる。 有匡が目を開けると、そこには涙を流して自分を見つめている最愛の妻の姿があった。(泣くな、また・・会えるから。) 意識が遠のく中、有匡の耳に微かに聴こえたのは、妻の、ある言葉だった。―僕も、すぐに会いに来ますから。「ん・・」 不思議な夢を見た後、有匡は低く呻くとベッドから起き上がった。「おはようございます、有匡様。」「おはよう。」 執事に挨拶を済ませた後、有匡は浴室に入り、冷たいシャワーを頭から浴びた。「本日のご予定ですが、朝はT物産とのオンライン会議、夜は帝国ホテルにて龍崎財閥創立百周年記念パーティーです。」「パーティーか・・」 社交家の父とは対照的に、有匡は人嫌いで社交嫌いであるが、副社長という立場故、そういった集まりを無視する事が出来ない。「そういえば、四条家の高子様から、昨夜ご連絡がありました。」「そうか・・」 一度見合いしただけの、吐いて捨てる程の女は、どうやら有匡の事を気に入ったようで、しつこく連絡してくる。 いい加減、彼女に直接言わなくては。 お前とは、結婚出来ないと。「本日の朝食は如何なさいますか?」「要らない。」「かしこまりました。」 身支度を済ませ、有匡が運転手付きの車で会社へと向かっている頃、火月は緊張した面持ちで秘書課のフロアがある七階へと向かっていた。 今までして来た仕事と言えば、飲食店やコンビニのアルバイトくらいだ。(あ~、どうしよう・・) 火月がそんな事を思っている内に、エレベーターは七階に着いてしまった。「すいません、本日からお世話になります・・」「火月ちゃん!」「火月ちゃんじゃない、久し振り~!」 火月が秘書課のドアを開けると、二人の女性達が彼女に駆け寄って来た。 彼女達の顔を見た火月は、思わずこう叫んでしまった。「式神の、お姉さん達なの!?」「いやぁ、まさか火月ちゃんが殿の専属秘書になるなんてねぇ~」「世間って、案外狭いもんよねぇ~!」 元式神シスターズ、種香と小里は、そう言いながらフラペチーノに口をつけた。 彼女達は有匡の専属秘書として社内で辣腕をふるっている。「ねぇ火月ちゃん、ひとつ質問していいかしら?」「は、はい・・」「殿とは、もう寝たのかしら?」 火月は小里の言葉を聞いて、思わず飲んでいたフラペチーノを噴き出しそうになった。「え、寝、寝たって・・」「いやぁ~、今も昔も殿のフィンガーテクは健在だからさぁ~、火月ちゃんを専属秘書としてスカウトしたのも、そうなのかなぁ~って。」「バッカ、火月ちゃんをスカウトしたのは大殿様よ~、あの人思いついたらすぐにやる人だからね。」「そうね。」 種香と小里がそんな事を話していると、カフェに有匡が入って来た。「あら、珍しいわね。殿がこんな所に来るなんて。」「いつも出社なさったら副社長室に籠もりきりなのにね。」 有匡はカウンターでコーヒーとサンドイッチを注文すると、そのまま火月達が居るテラス席へと向かった。「あら殿、お珍しいですわね。」「お前達、どうしてここに居る?」「火月ちゃんと、少しお話していましたの。あ、もうこんな時間だわ、急がないと!」「火月ちゃん、後はお二人で楽しんでね~!」「え、お、お姉さん達~!」 急に有匡と二人きりにされ、火月は暫く有匡と目を合わさないようにした。「おい、そんなに怯える事はないだろう?何も取って食ったりはしないから、こっちへ来い。」「は、はい・・」 火月が恐る恐る有匡の隣に座ると、彼はサンドイッチを一口かじってそれをゴミ箱に捨てた。「あの、それで栄養足りてます?」「余計なお世話だ、秘書だからと言って女房気取りはよせ。」「す、すいません・・」「ったく、調子が狂う・・」 有匡はそう言って火月に背を向けて、カフェから出て行った。「あら殿、お早いお帰りです事。」「火月ちゃんとのデートは、如何でしたの?」「うるさい。」 不機嫌な様子の主を見て、元式神シスターズは互いの顔を見合わせながらこんな話をしていた。「昔の殿も塩対応だったけれど、今の殿はかなり・・」「なんか、精製前の粗塩っぽいわね~」「本当に素直じゃないんだから。」「すいません、土御門有匡様はいらっしゃるかしら?」「まぁ、四条様・・」 有匡の見合い相手・四条高子が秘書課に現れ、周囲は暫し騒然となった。「お姉さん達、どうしたの?」「あ、丁度良いわ、コーヒー、殿に持って行って。」「え?」「よろしくね~」 火月が渋々副社長室へと向かうと、中から男女が言い争うような声が聞こえて来た。「どうして、わたくしと結婚出来ないのです!」「先程から申し上げているように、わたしはまだ結婚などを考えておりません。」「嘘です、心に決めた方がいらっしゃるのでしょう!」 高子が粘着質な女である事は以前からわかっていたが、いくら有匡が彼女に結婚出来ない事を話しても、中々理解して貰えない。 一体、どうしたものか―有匡がそう思っていると、控え目なノックの音が聞こえて来た。「失礼致します、コーヒーをお持ち致しました。」 火月が副社長室に入ると、そこには一人の美女と対峙している有匡の姿があった。「そこへ置いておけ。」「は、はい・・」「もしかして、そちらの方が・・」「ええ、彼女がわたしの・・婚約者です。」 揉め事に巻き込まれたくなかった火月が副社長室から出ようとした時、突然彼女は有匡に抱き寄せられた上に唇を塞がれた。(えっ、これは・・)ファーストキスを奪われてしまったのだろうか。「キエエ~!」 高子は怒りの猿叫を上げ、早口の薩摩弁で有匡に向かって何かを捲し立てた後、副社長室から出て行った。「あの、追い掛けなくてもいいんですか?」「いい。」「え、僕が今夜のパーティーに?」「そうよぉ~、何たって火月ちゃんは、殿の婚約者だもの~」「そ、それは成り行きで・・」「成り行きでも、いいじゃな~い!さぁ、おめかししましょ、おめかし!」 種香と小里によって火月は銀座の高級ブティックへと連行され、更に高級エステへと連れて行かれた。「そんなにしなくてもいいのに・・」「だぁめ、殿の為に綺麗にならなくちゃ!」「そうそう!」 帝国ホテルで行われた、龍崎財閥創立百周年記念パーティーは、政財界の名士などが出席している、華やかなものだった。「火月ちゃん、素敵~!」「わたしのヘアメイク術はダテじゃないわ。」 真紅のAラインの膝丈ドレスの火月は、慣れないハイヒールを履いて覚束ない足取りで歩いていた。「ホラ、背中丸めないの!」「でも・・」「あら、殿だわ!」 火月達が有匡の方を見ると、彼の隣にはマーメイドラインのドレスを着た黒髪の美女が立っていた。(わかっているよ、副社長には、あぁいう人が似合うって。) 有匡とあの美女が並んでいる姿は、まるで一幅の絵画のように美しかった。(場違いなんだろうな・・) 火月はそんな事を思いながらシャンパンを飲んでいると、そこへ一人の男がやって来た。「ねぇ君、可愛いね。」「あの、えっと・・」「この後、二人きりで飲まない?」「わたしの婚約者に何か用か?」 火月が男からの誘いをどう断ろうかと思っていると、そこへ有匡がやって来た。「す、すいません・・」「謝るな。ったく、お前は昔から放っておけないな。」「え?」(先生、今何て・・)「あの、先・・」 火月が有匡の手を握ろうとした時、突然視界が霞んだ。「おい、どうした?」「急に、躰が・・」「歩けるか?」 有匡の問いに、火月は静かに頷いた。「あら殿、どちらへ?」「厄介な事が起きた。」 そう言った有匡の息が、少し荒い事に種香は気づいた。「わかりました、後はわたし達にお任せ下さいな。」「頼んだ。」 有匡は火月の身体を支えながら、予約していたスイートルームへと入った。「先生・・どうしたんですか?」「どうやら、わたし達はいつの間にか媚薬入りの酒を飲まされていたらしい。」「あの、大丈夫なんですか?」「大丈夫じゃない。今、お前を抱き潰して、壊したい衝動に駆られている。だから、お前はさっさと・・」 火月は、有匡に抱きつくとこう言った。「お願い、抱いて下さい。」「お前は・・」 有匡の中で、理性を保っていた“何か”が切れる音がした。「本当に、いいんだな?」「はい。」「途中でやめろと言われても、やめないからな。」「はい・・」 有匡は、ネクタイを緩めた後、それを乱暴に外して火月の目を覆い隠した。 欲望に負けた、醜い己の顔を火月に見せたくなかったから。にほんブログ村二次小説ランキング
2025年02月20日
コメント(0)

「火宵の月」二次小説です。作者様・出版社様・制作会社様とは一切関係ありません。二次創作・BLが苦手な方はご注意ください。 子供の頃、『シンデレラ』が好きだった。 義理の母と姉達から虐げられたシンデレラが、優しい魔女によってお城の舞踏会に行き、王子様と結ばれるストーリーが、子供の頃の自分にとっては憧れそのものだった。 だが、成長するにつれて、あれはただのお伽話だったのだと、火月は気づいてしまった。 現実は、お伽話のように、優しい魔女も、魔法も存在しない。「火月、元気でな。」「神父様も、お元気で。」 18歳の誕生日を迎え、火月は長年暮らした孤児院を“卒業”した。 幼い頃、両親を交通事故で亡くし、この日まで孤児院のシスターや神父達、そして自分と同じ境遇の子供達と共に”家族“のように育った。「辛い事があったら、いつでも来なさい。」「はい・・」 身寄りがない火月にとって、アパートの部屋を借りる事や、就職活動は困難を極めた。 しかし、火月は諦めずに前を向き、就職活動に励んだ。 その結果、大手アパレル企業に就職が決まった。「火月、おめでとう!」「ありがとう、禍蛇。」「お~し、今夜はとことん飲むぞ~!」 火月の就職が決まり、彼女は孤児院時代の友人が経営するバーで、火月の親友・禍蛇と、その彼氏である琥龍と一晩飲み明かした。 その結果、火月は出勤初日に遅刻した。「うわ、やばい!」 履き慣れないハイヒールで、全速力で駅まで火月が走っていると、一台のロールスロイスと彼女はぶつかりそうになった。「何処を見て歩いているんだ!」「す、すいません!」 ロールスロイスの運転手から怒鳴られ、委縮した火月の前に現れたのは、長身の美男子だった。「怪我は無いか?」「は、はい・・」「そうか。」 刹那、男の切れ長の瞳と、火月は目が合った。「お前は・・」「若様、急ぎませんと。」「あぁ、わかった。」(何だったんだろう、あの人?) 火月は慣れない仕事に奮闘しながら、今朝会った謎の美男子の事を思い出していた。「ねぇ、今日副社長がいらっしゃるんですって。」「まぁ、そうなの!?」「お珍しいわね。」 周りに居た社員達が少しはしゃいでいるのを見た火月は、近くに居た同僚にこう尋ねた。「副社長って、どんな方なんですか?」「あぁ、あなたはまだここに入って間もないから、副社長の事を知らないのね。副社長は、この会社の社長のご子息で、家柄良し、血筋良し、顔良しの三拍子揃ったとても優秀な方なのよ。」「へぇ、そうなんですか。」「あら、噂をしていたらいらしたわ。」キャァァッ!と、まるでアイドルのコンサート会場でしか聞いたことがないような黄色い悲鳴が響く中、“彼”は現れた。 艶やかで美しい黒髪、一流のテーラーによって仕立てられたスーツを包む長身。 そして、何よりも火月の心を深く惹きつけたのは、切れ長の、碧みがかった黒い瞳だった。―火月・・ 最近、夢に現れる“誰か”の姿に、“彼”が重なったような気がした。「高原さん、どうしたの?」「いいえ、何でもありません。」(あ~、疲れたなぁ。) 仕事が定時で終わり、火月が更衣室で制服から私服へと着替え、そのまま退勤しようとした時、一人の社員が彼女の元へと息を切らしながら駆け寄って来た。「高原さん、秘書課の真田です、大至急社長室に僕と来てください!」「え、あの・・」 訳が判らず、火月は真田と共に社長室へと向かった。「社長、高原さんをお連れしました。」「ご苦労様、君はもう下がっていいよ。」「は、はい!」 社長室に入った火月は、そこに“彼”と、“彼”と瓜二つの顔をしている男が立っている事に気づいた。「高原火月さんだね?初めまして、わたしはA&Sの社長を務める、土御門有仁だ。そして、わたしの隣に立っているのが、一人息子の有匡だ。」「は、はぁ・・」「急な話で悪いんだが、高原君、明日から君はこの有匡の専属秘書になって貰いたい!」「え・・」「父上、何を勝手な事をおっしゃるのですか!?」“彼”―A&S副社長・土御門有匡はそう叫ぶと、隣に立っている父を睨んだ。「有匡、お前は仕事は完璧だが、周りに厳し過ぎる。高原さん、息子をよろしく頼むよ。」「社長、専属秘書って何をすればいいんですか?僕、社会人経験ないので・・」「あぁ、それなら安心し給え。仕事なら有匡が教えてくれるから。」 有仁は、そう言ってこめかみに青筋を立てている有匡を見て笑った。(これから、面白くなりそうだな。)にほんブログ村二次小説ランキング
2025年02月20日
コメント(0)

・この小説は、平井摩利先生の「火宵の月」ヴィク勇パラレルです。・原作と若干違う設定にしております。・オリジナルキャラ多めです。・勇利が両性具有設定です。作者様・出版社様・制作会社様とは一切関係ありません。注意事項を無視して読んで気分が悪くなった等の苦情は一切受け付けませんので、ご了承ください。「うわぁ、綺麗な直衣!どうしたの、これ?」ヴィクトルと勇利が唐土から帰国して一月が経ったある日、勇利はヴィクトルの部屋の衣桁に掛けられている美しい直衣を見て歓声を上げた。「土御門家からの贈り物よ。これを着て京に来いっていうメッセージでしょ。」「勇利ちゃん達が唐土に行っている間、文やら贈り物やら、プレゼント攻撃がしつこくてね。」「鎌倉を捨てて朝廷側につけって事でしょ?家督ごときでヴィクトル様が動くと思っているのかしら?」「ヴィクトル様は、どう思っているんだろう。」「さぁね。肝心の本人は忙しくてそれどころじゃないみたい。昨夜も職場の方に泊まられたようだし。」「仕事中毒、再発中ね。」式神達の話を聞いた勇利は、溜息を吐いた。―おい、あれ・・―ヴィクトル=土御門=ニキフォロフだ。―あぁ、執権様ご執心の・・―あんな女みたいな顔をして、鬼神が操れるのかねぇ?―さぁな。ただ、あいつには、白狐の血が流れているというからな。「ヴィクトル、最近鎌倉を騒がしている雑鬼騒ぎの原因は判ったか?」「いいえ。」「それよりお前が山に籠もり山伏の真似事をしていたとは、驚いたぞ。」「はぁ・・」(俺と式神の見分けもつかないなんて、馬鹿な男。)その執権の愚鈍さに、ヴィクトルは救われているのだが。「そういえば、京の土御門家の使者から、お前宛の文を預かったぞ。」「はぁ・・」「元は朝廷側だったお前が、幕府側についた事が気に喰わぬのだろう。どうした?」「いえ・・わたしはこれで、失礼します。」執権から文を受け取ったヴィクトルは、彼の屋敷から去った。結っていた髪を解き、ヴィクトルは土御門家からの文を読んだ。(京と、鎌倉か・・)ヴィクトルが帰宅すると、いつも自分に飛びついて来る勇利の姿がなかった。「ユウリが?」「ええ、最近勇利様はお美しくなられましたわ。ついこの間までは少年のようだったのに、今では少女のような、何処か華やいだ美しさがありますわ。」「へぇ・・ユウリは何処に?」「海ですわ。何でも一人で考えたい事があるとかで。」「そう。」ヴィクトルは屋敷から出て、海へと向かった。―ねぇ、本当なの、勇利が・・―あぁ・・―可哀想、折角ヴィクトルと結合したのに、雌になれなかったなんて・・何処からか、懐かしい声が聞こえて来た。―大丈夫だよ、勇利。勇利なら、きっと雌になれる。その時、勇利は波の音を聞いて目を覚ました。(いけない、うたた寝しちゃった!)勢い良く起き上がった際、勇利は左耳につけていた紅玉の耳飾りが外れた事に気づき、慌ててそれを拾った。(早く帰らないと・・)「ちょっと目を離したら、俺に隠れて家出かい?この不良猫。」「ヴィクトル様、お帰りなさい・・」「お帰りになってないっ!俺が見つけたからいいものの、こんな時間までほっつき歩いて、盗賊のカモになったらどうするつもりだったの?」「ごめんなさい・・」「本当に、お前は放っておけないな。もう帰るよ、ユウリ。」ヴィクトルはそう言って立ち上がろうとしたが、海藻を踏んでしまい、頭から海の中へと入ってしまった。「もういいですから、僕一人で・・」「暴れるな!」海で濡れた勇利とヴィクトルは、一緒に風呂に入った。「ヴィクトル様、京に行くんですか?」「行く訳ないだろう。」「そうですか・・」ヴィクトルの言葉に、勇利は安心した。だが―「ヴィクトル様、土御門家の使者が・・」「くどい。俺は京には行かぬと伝えて、追い返せ。」「ですが、土御門家のお義父様がお倒れになられたと・・」「義父が?」(不味い事になったな・・)ヴィクトルは嫌な予感がしたが、それが的中したのは翌日の事だった。「土御門家の使者が、このようなものを持って来た。」執権がそう言ってヴィクトルに見せたものは、起請文だった。(一体、どういうつもりだ?)その起請文を見た時、ヴィクトルの脳裏にある映像が浮かんで来た。西から流れる妖星。そして、その先には―「ヴィクトル?」「承りました、上洛いたします。」ヴィクトルが上洛する事を知り、勇利は彼についていくと言って聞かなかった。彼は勇利の強情さに折れ、勇利と共に上洛する事になった。「キャ~、勇利ちゃん可愛い!」「ふふ、あたしのメイク術がいいからねぇ。」「まぁ、いつも地味だからねぇ。」「ちょっと、どういう意味、それ!?」牛車の中ではしゃぐ勇利達に苛立ったヴィクトルが乱暴に牛車の御簾を捲ると、そこには美しく着飾った勇利の姿があった。「あの、ヴィクトル様・・」「随分と化けたね。前髪、少し伸びた?」ヴィクトルがそう言って勇利の前髪を搔き上げると、勇利は顔を赤くして俯いた。ヴィクトル達が京へ向かっている頃、醍醐寺では帝が僧侶に詰め寄っていた。「オタベックが法力を失っただと、それはまことか!?」「はい・・」「オタベックを呼べ!」「それが、僧正は法力を失ってからは寺に籠もりきりで、最近は額の傷を隠す為に剃髪すら拒む始末・・」「たわけ!あやつがヴィクトルから式神返しを受けたのは半年前の事であろう!早くあやつには法力を取り戻し、計画に加わって貰わねば・・」「ヴィクトルといえば・・」オタベックの部下は、帝にヴィクトルが上洛した事を話した。「ここが羅城門、都の入口だよ。」「え、大きい・・」「別にどうってことない、ただの町だよ。」ヴィクトルはそう言うと、渋面を浮かべた。(京に入った途端、ヴィクトル様不機嫌になっちゃった・・)ヴィクトルには、自分が知らない過去を抱えているのだろうか―そんな事を勇利が思っていると、突然身体が熱くなった。「どうしたの、ユウリ?」「躰、熱い・・」(魔除けの結界・・屋敷の敷地内に入ったか・・)ヴィクトルは祭文を唱え、急ごしらえの護符を作り、護符を施した衣を勇利に被せた。「あ・・」「急場しのぎの護符だよ。それを俺がいいよと言うまで脱がないでね、わかった?」二人を乗せた牛車は、ヴィクトルの実家である土御門家の敷地内に入った。「お帰りなさいませ、ヴィクトル様。」「義父上は?」「寝殿にてお待ちです、どうぞこちらへ。」土御門家の女房と共に寝殿へ向かうヴィクトルの姿が、勇利には少し遠く見えた。にほんブログ村二次小説ランキング
2025年02月19日
コメント(2)

表紙素材は、装丁カフェからお借りしました。「相棒」「名探偵コナン」「火宵の月」の二次創作小説です。作者様・出版社様・出演者様とは一切関係ありません。二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。「杉下さん、ここに居たんですか、随分と捜しましたよ!」そう言いながら息を切らして杉下右京の元へとやって来たのは、彼の部下である神戸尊だった。二人は、米花町の外れにある神社に居た。そこの宮司が、何者かによって殺害されたのだが、全身に獣に噛まれたような痕があり、“狗神の祟り”だと、周辺の住民が騒いでいるという。「“狗神の祟り”ねぇ・・今時、“祟り”なんて存在するんでしょうかね?」「するかもしれませんよ。今でも都市伝説がネット上に溢れているじゃありませんか。」「はは、そうですね・・」(あ~、また始まったよ・・)尊は、右京が大のオカルト好きである事を忘れていた。「さぁ、あそこですよ。」「はいはい、わかりましたよ・・」事件現場となった神社の境内へと二人が向かうと、そこには野次馬と鑑識班が集まっていた。「米沢さん!」「二人共、お久し振りです。お二人と最後に会ったのは、あの村での事件以来ですな。」「えぇ、そうですね。早速遺体を拝見しても?」「こちらです、どうぞ。」境内の近くに張られたブルーシートの中で、右京と尊は宮司の遺体を初めて見た。「死因は撲殺ですね。凶器は鈍器のようなもの。まぁそれは、検死してみなければわかりませんがね。あ、神戸さん、どちらへ?」「少し、外の空気を吸いに・・」尊はそう言うと、口元をハンカチで覆いながら、ブルーシートの中から出て行った。(暫く戻って来ないでしょうね・・)尊はホラー映画や、死体が苦手なのだ。右京が屈んで宮司の遺体を観察していると、確かにその全身には獣の噛み痕のようなものがあった。右京が興味を惹かれたのはそれではなく、遺体が右手に握っている、“何か”だった。「米沢さん、遺体の右手を開いて下さい。」「わかりました。」死後硬直した遺体の右手を傷つけぬよう開いた米沢は、握られていた物を右京に見せた。それは、涙型の紅玉の耳飾りだった。「この紅玉の純度の高さを見ると、高級品のようですね。近年、ダイヤモンドよりも蒼玉やエメラルド、そして紅玉などの所謂“カラーストーン”の方が市場価値が高いと言いますからねぇ。ところで米沢さん、遺体の第一発見者の方はどちらに?」「実は、病院に先程搬送されました。出血が酷く、意識不明の重体だそうです。」「そうですか。だそうですよ、神戸君。」「わかりました・・」尊の運転で、右京は遺体の第一発見者である男が搬送された病院へと向かった。そこには、既に先客が居た。「おやおや、あなたが警視庁のシャーロック・ホームズですか。初めまして、僕は降谷零と申します。」「公安の方がこちらにいらっしゃるという事は、この事件には何らかのテロ組織が絡んでいるのでしょうか?」「それはいくらあなた方でもお教えする事は出来ませんね。」「手厳しいですねぇ。神戸君、主治医の先生に話を聞きに行きましょう。」「はい。」右京と尊は、男の主治医・宮田から話を聞いた。「この耳飾りに、見覚えはありませんか?」「いいえ。ですが、あの人がここに運ばれて来た時、彼は誰かを捜しているようでした。」「誰かを捜しているようだった?」「はい。彼は、“カゲツ”と、女性の名前らしきものを呼んでいて・・恐らく、彼の奥さんの名前だと思います。」「我々の為に時間を割いて下さって、ありがとうございました。何か彼に変化があったら、こちらの方に連絡して下さい。」「わかりました。」米花中央病院から二人が出た時、もう昼の十二時を回っていた。「もうこんな時間ですね。ここら辺でお昼でも食べます?」「そうしましょう。おや、あそこのお店、中々良さそうな雰囲気がしますねぇ。」「そうですか。」二人が、『喫茶・ポアロ』に入ると、金髪碧眼の店員が彼らを出迎えた。「いらっしゃいませ~」「おや、また会えましたね。」「奥のテーブル席へどうぞ。ご注文がお決まりになられましたらこちらのベルでお呼び下さい。」「右京さん、どうしたんですか?」「いいえ、何でもありませんよ。」(降谷さんに、似ていると思ったんですがねぇ・・)にほんブログ村二次小説ランキング
2025年02月18日
コメント(0)

ヤマザキの生ドーナツ、オールドファッション。しっとりとした美味しさでした。カスタードクリームの味わいが、チョコの濃厚な味と合わさって良かったです。こちらは生フレンチクルーラー。中のクリームと、ホワイトチョココーティングのパリッとした食感が相性抜群で美味しかったです。
2025年02月18日
コメント(0)
![]()
佐保彦が登場。これから怒涛の展開がまっているのかと思うと、続きが楽しみです!
2025年02月16日
コメント(0)

素材は、このはな様からお借りしました。「火宵の月」の二次創作小説です。作者様・出版社様とは一切関係ありません。二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。「あの、ここは?」「神官の店だよ。まぁ、そこそこ繁盛しているよ。」「そ、そうなんですか・・」「今お水持って来るから、待ってて。」神官はそう言うと、店の奥へと消えてしまった。「先生、僕何か悪い事を・・」「気にするな。それよりも火月、無事で良かった。」「迷惑を掛けてしまって、すいません・・」「謝るな。学校の方には、暫く病気で休むと、連絡しておいた。」「ありがとうございます。」「失礼致します。」カフェーのドアベルが鳴り、一人の男性が店に入って来た。「お客さん、まだ準備中で・・なんだ、またあんたか。」男性の顔を見た神官は、そう言うと男にそっぽを向いた。「久しいですね、義兄上。」「文観、ここへ何しに来た?」「妻に会いに。」「嘘吐け、本当はアリマサに会いに来たんだろ。」「おや、バレてしまいましたか。」男性―文観はそう言って笑うと、有匡に一枚の書類を手渡した。「これは?」「安倍光春についての調査報告です。」「ありがとう。」「では、わたしはこれで。」文観はそう言うと、店から出た。「全く、相変わらず気色悪い奴。」神官は、そう言うと火月に水を手渡した。「ありがとうございます。」「ここで暫く身体を休めな。」「は、はい・・」「まぁ、ここに居る間、家事をしてくれればいいから。店には出さないから、安心しな。」こうして、火月は神官の元で療養する事になった。カフェーは夜から営業を始めるので、日中火月は店の清掃と家事を終わらせ、店の二階にある部屋で勉強をする日々を送るようになった。神官はそんな彼女に対して何も言わなかった。「ちょっと、いい?」「は、はい・・」火月が神官の後をついていくと、彼女は二階の部屋へと火月を案内した。そこには、沢山の種類の本が本棚に詰まっていた。「ここは?」「アリマサが時々、仕事をする為の部屋さ。ここなら沢山本があるから、勉強が捗ると思うよ。」「ありがとうございます!」「礼は要らないよ。」神官は素っ気ない口調でそう言うと、部屋から出て行った。火月が神官の店で療養生活を送ってから、一週間が過ぎた。「そうか、わかった・・」有匡はそう言った後、溜息を吐いて受話器を下ろした。「隊長、失礼致します。」「入れ。」部屋に入って来た部下は、ある事を報告した。「わかった、すぐに現場に急行しろ。」「はっ!」有匡達が向かったのは、有沢邸だった。「有匡様、ようこそいらっしゃいました。」そう言って有匡達を出迎えた百合乃の顔は、何処か病的なまでに蒼褪めていた。「百合乃様、この度は妹さんのお悔やみを申し上げます。」「お気遣い、ありがとうございます。」「酷い顔をされていますね、少し休まれた方がいいのでは?」「有匡様、お気遣いして下さってありがとうございます。」百合乃は、有匡に頭を下げた後、覚束ない足取りで自室へと戻っていった。「やはり、憔悴なさってますね。」「そりゃぁ、妹さんがあんな死に方をされたら、正気ではいられないだろう。」「そこ、私語を慎め。」「すいませんっ!」「それよりも、有沢さんは一体何処に・・」「旦那様でしたら、外出しております。」「何処へ?」「それは、わたし達にもわかりません・・」有沢家の女中は、そう言うと気まずそうな様子で有匡から去っていった。(何か、隠しているな・・知られたくない事を・・)「隊長?」「ここには何もない、引き上げるぞ。」「はい・・」有匡達が有沢邸を後にしようとした時、二階の窓の方から殺意に満ちた視線を感じて有匡が振り向くと、そこには蒼褪めた顔をした百合乃が彼を睨みつけていた。百合乃の背後に、‟何か”の影が動いていた。(あれは・・)「隊長、もう行きましょう。」「わかった。」その日の夜、百合乃の遺体が有沢邸の中庭で発見された。彼女は、首を掻っ切られていた。―何て事かしら、百合乃様が・・―紫子様が・・百合乃の訃報を受けた火月は、彼女の死が信じられなかった。(どうして、百合乃さんが・・)「火月、わたしだ、入るぞ。」「どうぞ・・」火月は、涙をハンカチで拭いながら自室に有匡を迎え入れると、彼は何も言わずに火月を抱き締めた。「百合乃殿の仇は、必ず取る。」「はい・・」「今は、ゆっくりとここで身体を休めろ。学校側にはわたしが話しておく。」「わかりました。」有匡が火月を慰めている頃、菊野女学校では百合乃の死について、ある噂が飛び交っていた。それは、百合乃が紫子を殺したのではないのかという事だった。―まさか、そんな事ないわ。―でも、百合乃様はいつも、紫子様の愚痴を吐いていたではないの。―確かに・・百合子と紫子は、余り仲が良くない姉妹だった。二人は、異母姉妹であり、百合乃の実母は有沢の正妻で、紫子の母は有沢の妾だった。美しくて賢い百合乃と比較され、紫子が己が妾の娘であるいう負い目の上に、何かと自分が目の敵にしていた火月と百合乃が親しくなっているのを見て、彼女の中で百合乃に対する憎しみが湧き上がってくるようになった。(どうして姉様は、あの女を・・)その憎しみは徐々に膨れ上がり、あの舞踏会の夜に、それは爆発した。だが百合乃に向けられる筈だったそれは、紫子自身にはね返ってしまった。実際に紫子を殺したのは妖だったが、その妖を呼び寄せたのは紫子の負の感情だった。(何とも、残酷な真実だな・・)一連の事件の報告書を纏めながら、有匡は百合乃の日記帳を見た。それは、百合乃の死後、有匡に有沢家の女中から手渡された物だった。「何故、これをわたしに?」「どうか、百合乃お嬢様の魂を救って下さい。」女中は有匡に日記帳を渡した後、涙をハンカチで拭い、次の言葉を継いだ。「紫子お嬢様が、百合乃お嬢様の魂をとらえているのです。」「それは一体、どういう意味ですか?」「申し訳ございません、わたしはそろそろ戻らないといけませんので・・」その時、彼女が何かに怯えた様な顔をしていた事に、有匡は気づいたが、それ以上彼女を追求する事は無かった。(この日記帳には、何が隠されている?)「お帰りなさい、父様。母様からお手紙が届いております。」「ありがとう。」帰宅した有匡は、火月から自分に宛てた手紙に目を通した。そこには、来週から女学校に復学する事が書かれていた。有匡は百合乃の日記帳を途中まで読み、封筒を栞代わりに挟むと、火月の手紙に対する返事を書き始めた。「父様、中々下りて来ないわ・・」「父上の事は放っておいて、先に僕達だけで食事を済ませよう。」「そうね。」雛はそう言った後、ダイニングルームで仁達と共に食前の祈りを捧げた。「雛達は?」「お二人共、お休みになられましたわ。まぁ、それは火月ちゃんからの手紙ですの?」「あぁ。」「まめに火月ちゃんからのお手紙を書かれるなんて、愛されておいでなのね。」「うるさい、お前達、早く寝ろ。」「お休みなさいませ、殿。」種香達がそれぞれ自分達の部屋へと戻ってゆくのを見た有匡は溜息を吐いた。(まったく、あいつらは相変わらずだな・・)自分ももう寝よう―そう思った有匡は、ランプの灯りを消して執務室から出ると、寝室へと入っていった。その日の夜、彼は奇妙な夢を見た。―有匡様・・何処からか、誰かが自分を呼ぶ声がした。有匡が周囲を見渡すと、そこは黒い沼の中だった、―やっと、お会い出来た・・沼の中を有匡が彷徨っていると、彼の前に紫子が現れた。紫子が有匡にそう言って笑った時、彼女の両目がドロリと溶け落ち、空洞となった穴から蛆虫が這い出て来た。(あの夢は、一体・・)「おはようございます、父様。」「おはよう、雛。」「どうしたの、父様?顔色が悪いわよ?」「少し、変な夢を見てな・・」「変な夢?」「あぁ、それが・・」「殿、西田さんがいらっしゃいましたわ。」「西田が?」朝から部下が自宅を訪ねに来るなど珍しい―そう思いながら有匡が玄関ホールへと向かうと、そこには何処か慌てたような表情を浮かべた西田が立っていた。「隊長、大変です!有沢様の家が・・」「すぐ行く。」「殿、行ってらっしゃいませ。」「行って来る。」種香達に見送られながら、有匡は西田と共に有沢邸へと向かった。有沢邸は、紅蓮の炎に包まれていた。「有沢さんは!?」「有沢さんは・・あっ、あそこに!」西田が指した先には、炎に包まれる有沢邸の二階のバルコニーに居る有沢の姿に気づいた。彼は何処か呆けたような表情を浮かべながら、子守唄を歌っていた。彼の背後に、黒い影のようなものがまとわりついている事に、有匡はその時気づいた。(あれは・・)―お父様・・―お父様・・「あぁ百合乃、紫子、ずっと一緒だ・・」有沢はそう呟くと、バルコニーから炎の中へと身を投じた。「不気味な事件でしたね・・」「ええ、本当に・・」有沢家の事件は新聞で大きく報道され、社交界中に衝撃が走った。そんな中、火月は菊野女学校に復学した。「火月さん、お帰りなさい!」「綾子さん、ただいま。」「百合乃さんの事、残念だったわね。」「ええ・・」「今日、放課後にお時間があったら、映画に行きませんこと?」「まぁ、映画?僕一度も観た事がなくて・・」「それなら、行きましょうよ!」「えぇ。」女学校に復学した火月は、勉学に励みながらも、友人達と過ごす日々を大切にしていた。そんな中、有匡が菊野女学校にやって来た。「先生、どうして・・」「お前の様子が見たくてな。そうだ、勉強は進んでいるか?」「はい。実は、みんな有沢家の事件を知って動揺していて・・無理もないですよね、有沢家の皆さんがこんな事になってしまって・・」「その事なんだが、有沢様が亡くなる時、彼の周りに黒い影のようなものがまとわりついていた。」「黒い影?」「それは、もしかしたら百合乃殿と紫子殿の残留思念のようなものなのかもしれん。」「そうですか・・」「まぁ、もう終わった事だから気にするな。」「は、はい・・」「それよりも、わたし達の婚儀についてだが・・」「え、婚儀って、結婚式ですか!?」「あぁ。前の世では婚儀すら挙げられなかったから、今更だが挙げようと思ってな、嫌か?」「い、いえ・・」火月はそう言うと、俯いた。「また来る。」有匡は火月の左耳につけている耳飾りに口づけると、菊野女学校を後にした。(先生、どうしたんだろう?少し、様子がおかしかったな・・)その日の夜、寮の部屋で火月がベッドに入っている時、鎌倉の土御門邸では、有匡が祭文を唱えながら百合乃の日記帳を燃やしていた。(さようなら、百合乃殿・・)百合乃の日記帳に囚われた彼女の魂は、天に昇っていった。「そうですか、百合乃お嬢様の魂を救って下さったのですね。ありがとうございます。」有沢家の女中は、そう言って有匡に頭を下げた。「ただいま。」「お帰りなさいませ。」「父様、お帰りなさい。」「何か変わった事はありましたか?」「いいえ。」「そうか。」「それよりも父様、仁が最近、変な女に付きまとわれているみたいなの。」「変な女?」雛の話によると、仁の職場に毎日喪服姿の女が押しかけて来て、仁に呪いの言葉を吐くのだという。「仁は気にしていないようだけど・・」「わかった、一度様子を見てみる事にしよう。」「ありがとう、父様。」結婚式の準備と並行して、有匡は仁の様子を時折彼の職場に見に行った。喪服姿の女は、仁に向かって毎日意味不明な言葉を喚き散らしていたが、仁は女を完全に無視していた。やがて喪服姿の女は、何処かへ行ってしまった。「仁、大丈夫か?」「父上。」有匡に気づいた仁は、安堵の溜息を吐いた。「あの女は何故、あんな真似を?」「さぁ、わかりません。まぁ、相手にしたら負けなので、完全に視界に入れないようにしています。それよりも父上、結婚式の準備は進んでいますか?」「あぁ。種香達が火月よりも盛り上がっていてな。今日も朝早く買い物だのドレスの試着だの、色々と忙しくしている。」「まぁ、母上も楽しんでいるのなら、いいのではないですか?」「そうだな・・さてと、わたしはそろそろ仕事に戻るとするか。」「今日もこちらに立ち寄って下さってありがとうございます、父上。」「困った事があったら言え。」有匡と警察庁の前で別れた仁が庁内に戻ろうとした時、一人の少年に仁は呼び止められた。「すいません、あなたは土御門有仁様ですか?」「そうだけれど、君は?」「これを、あなたに渡して欲しいと言われまして・・」少年はそう言うと、仁にある物を手渡した後足早に去っていった。それは、女物の手鏡だった。その中に、“誰か”の影が映ったような気がしたが、それはすぐに消えた。(何だ?)「どうした、その手鏡?」「さぁ・・気味が悪いので、父に見て貰います。」「そうして貰え。」仁は手鏡を持って退庁しようとした時、彼の前にあの喪服姿の女が現れた。彼女はいつものように意味不明な言葉を喚き散らしていたが、彼女は仁が持っている手鏡に気づくと、唸り声を上げてそれを仁から奪おうとした。「おい貴様、そこで何をしている!?」「これは、お嬢様のものだ~!」「おい、この女を牢屋に放り込んでおけ!」喪服姿の女は警官達に連行されるまで、仁の手から手鏡を奪い取ろうとしていた。「災難だったな。今日はゆっくり休め。」「はい・・」帰宅した仁は、彼の顔に引っかき傷がある事に気づいて悲鳴を上げた。「どうしたの、その顔!?」「例の女に襲われた。これの所為だよ。」仁が雛に手鏡を渡すと、そこには黒い靄のようなものが映っていた。「仁、雛、そこから離れろ!」有匡はそう叫ぶと、仁の手から手鏡を奪い、それを叩き割った。「父上・・」「それを、何処で手に入れた?」「それが・・」仁は、手鏡を謎の少年から手渡された事を有匡に話した。「これは、怨念が籠った呪物だ。わたしの方で処分しておくから、この事は忘れろ、いいな?」「はい・・」「それよりも父様、母様との結婚式の準備は進んでいるの?」「あぁ。招待状を書くのが大変でな、手伝ってくれるか?」「はい!」火月と有匡の結婚式は、快晴の日に行われた。「キャ~、火月ちゃん綺麗!」「ふふ、やっぱりあたしが選んだだけあるわね。」「何言うの、小里。あたしのメイク術の方が・・」「キィ~、何ですって!?」「お前達、うるさい!」中々新婦控室から出て来ない火月達に苛立った有匡がノックをして部屋の中に入ると、そこには美しい花嫁姿の火月が立っていた。「あの‥先生・・僕、変ですか?」「変じゃない。」有匡はそう言った後、火月の唇を塞いだ。「惚れ直した。」結婚式には火月の女学校の友人達、有匡の職場の上司、部下などが集まり、賑やかなものとなった。「本当、父様と母様の子に産まれて良かったね。」「姉上・・」「仁、そんな顔をしてどうしたの?」「別に・・」両親の結婚式を楽しみながらも、仁はあの喪服姿の女の姿が頭から離れなかった。「仁、後で時間あるか?」「はい。」結婚式の後、仁は有匡の書斎に呼ばれた。「あの手鏡と、お前に付きまとっていた喪服姿の女の因果関係が判った。」「え・・」「あの女は、ある大名家に仕えていた。手鏡は、その家の女の物だった。」「だから、あの女は・・」「その家の娘は、嫁入り前に数人の男達に乱暴された後、殺された。あの女は主であった‟お嬢様“の死を境に錯乱していった。」「それはわかるのですが、何故あの女は僕を目の敵にしていたのでしょう?」「似ていたそうだ、あの女が仕えていた主と、お前が。」「へぇ、そうですか。それで父上、あの手鏡は何処に?」「わたしが燃やして捨てた。もうあの女も、お前に手出しする事も、お前の元に現れる事もないだろう。だから、安心しろ。」「わかりました・・」「それよりも、今朝お前の元にこんな手紙が届いた。」「え・・」仁が有匡から手紙を受け取り、それを目に通すと、溜息を吐いた。「どうした?」「いえ・・妖狐界のお祖母様からです。今度妖狐族の集まりがあるので、それに出席するようにとだけ書いていました。」「そうか。わたしは仕事で忙しいから、その集まりに顔を出すといい。」「え、いいのですか?」「妖狐族の事も、少しは知っておいた方が良い。」「わかりました。」こうして仁は、妖狐族の集まりに出席する事になった。「大丈夫なの?」「すぐに戻って来るから大丈夫さ。」すぐに人間界へと戻れると思った仁だったが、それは大きな間違いだった事に気づいたのは、彼が妖狐族の王宮に着いた日の夜に開かれた宴の時だった。「よく来たな、仁。」「お久し振りです、お祖母様。」妖狐族を束ねる女王となったスウリヤは、美しく成長した仁の姿に目を細めた。「有匡達は息災か?」「はい。」「そうか。そなたはまだ独り身か?」「はい。」「ならば、この王宮で嫁を探せばよい。」「恐れながら、わたしは・・」「まぁ、焦らずとも、ゆっくりと探せばよい。」「え、あの、お祖母様・・」「では仁、また後でな。」スウリヤが大広間から去った後、妖狐族の娘達が一斉に群がって来た。その時間が悪い事に、楽団が音楽を奏で始めたので、彼女達は仁にダンスを誘って貰おうと、ギラギラとした目で彼を見つめていた。(あぁ、こんな事になるんだったら集まりに出るんじゃなかった・・)仁がそんな事を思っていると、そこへ一人の男が彼の前にやって来た。「一緒に、踊ってくださいませんか?」「は、はい・・」突然自分の前に現れた男に誘われるがまま、仁は彼とワルツを踊った。「あ、あの・・」「ごめんなさい、あなたが困っているのを見て、放っておけなくて。」そう言った男は、蒼い瞳で仁を見つめた。「あの、僕の顔に何かついていますか?」「いえ・・不思議な色の瞳をされているなと思ってしまって・・」「よく言われます。父も、同じ瞳なので・・」「そうなのですか。」「あの、さっきは助けて下さり、ありがとうございました。」「いいえ。」ワルツを仁と踊り終わった後、男はどこかへと去ってしまった。(素敵な人だったな・・)「仁、どうした?先程から上の空のようだが・・」「申し訳ございません、お祖母様。」「謝るな。」妖狐族の集まりに出席した翌日、仁はスウリヤ達と共に狐狩りに来ていた。「あの、お祖母様、ひとつおききしても?」「何だ?」「何故、妖狐族なのに狐狩りを?」「ここには、我等にも人間にも害を与える狐が居る。」スウリヤはそう言うと、矢を番え、弓を引き絞り、一匹の狐を射った。「おぉ!」「流石スウリヤ様、お見事!」「この狐の首元を見ろ、仁。」「え?」スウリヤが射った狐の首元を見た仁は、そこに黒い痣のようなものがある事に気づいた。「この狐は、野狐。我らの世界では害を与える存在よ。故に、狩らねばならぬ。」「はぁ・・」「そなたは人間界で人間として暮らしているが、人間界は人間界の、妖狐界には妖狐界の掟がある。郷に入っては郷に従え、だ。」「わかりました。」スウリヤ達と共に狐狩りをしていた仁だったが、途中で彼女達をはぐれてしまい、途方に暮れてしまった。「お~い!」広大な森の中で仁は何度も大声で叫んだが、それに応える声はなかった。「困ったなぁ・・」「おや、また会いましたね。」仁が森の中で彷徨っていると、そこへ自分とワルツを踊った金髪の男が白馬に乗って現れた。「道に迷ってしまって・・」「王宮まででしたら、わたしが案内しましょう。」「は、はぁ・・」男に案内され、仁は無事、王宮に帰る事が出来た。「仁、お前が途中でいなくなって心配したぞ。」「申し訳ありません、お祖母様。」「まぁ、お前が無事でよかった。」スウリヤはそう言うと、仁から金髪の男へと視線を移した。「そなたは?」「お初にお目にかかります。わたくしはユリウスと申します。」「誰かと思ったら、西方の民か。族長である父上は息災か?」「はい。陛下、折り入ってお話がございます。」「わかった、聞こう。」―蛮族の者が・・―礼儀知らずなところは、父親に似ているわね。ヒソヒソとそう囁く周囲の声に、仁は彼が何者であるのかをまだ気づいていなかった。「仁様、お召し替えを。」「さっきお祖母様と話ししていた人は誰?」「それは、仁様がお知りにならなくてもいい事です。」「わかった・・」にほんブログ村二次小説ランキング
2025年02月15日
コメント(0)

エアリアルのバター味、ダイソーで買いました。濃厚なバターの味わいが口の中に広がって美味しかったです。YBCのノアール。昔のやつより、少し小さくなったかなあ?と思ってしまいました。Campus50周年記念デザインのシャーペン。使いやすいし、デザインが可愛いので気に入りました。
2025年02月14日
コメント(0)

久しぶりに買った、湖池屋クワトロチーズ味。濃厚な味をたっぷり味わえて大満足でした。職場の方からバレンタインチョコレートを頂きました。GODIVAとリンドールのチョコレート、どちらも美味しかったです。
2025年02月11日
コメント(4)
![]()
まさかの続編!杏とGackt様のツーショットがいい!関西をいじられて腹立つのに何故か笑ってしまうw特にあの某映画のパロディにも笑ったw面白かった!
2025年02月10日
コメント(0)

素材は、黒獅様からお借りしました。「黒執事」の二次小説です。作者様・出版社様とは一切関係ありません。※シエルが女装しています、苦手な方はご注意ください。「このまま夜通し馬車で移動するのは得策ではありませんから、何処かで一泊致しましょう。」「わかった。」土砂降りの雨の中、シエルとセバスチャンは町外れの宿へと向かった。「いらっしゃい。」「部屋はありますか?」「はい。」「では、これで最上級の部屋を用意して下さい。」セバスチャンはそう言うと宿の女将に、金貨が詰まった袋を手渡した。「こちらです。」女将に二人が案内されたのは、宿の中でも最も高価な部屋だった。内装も美しく、家具や調度品も高級品ばかりだった。「ここで暫く休みましょう。」「あぁ、わかった。」シエルは疲れてしまったのか、寝台の中に入ってそのまま眠ってしまった。セバスチャンは馬車に積んだ荷物の中から、男物の服を取り出した。雨はまだ、止みそうにない。「畜生、よくも俺を馬鹿にしやがったな!」「ヘンリク様、どうか落ち着いて下さい。」「うるさい、あいつら二人共見つけ出して八つ裂きにしてやる!」自分の結婚式で大恥を掻かされ、ヘンリクは荒れた。「ヘンリク様のご様子は?」「それが・・」「S国の次期国王と我が国は同盟を結ばなくても良かったのかもしれないね。」「父上、シエルは何処に?」「あの子の事は心配するな、ジェイド。シエルなら、元気にしているさ。」「そう・・」ヴィンセントからそう言われても、ジェイドは納得できなかった。「ジェイド様、お呼びでしょうか?」「シエルの消息を探れ。」「かしこまりました。」(シエル、どうか無事で・・)「シエル様、起きて下さい。」「ん・・」「そろそろこの町を出ましょう。下で朝食を済ませる前に、この服に着替えて下さい。」「わかった・・」シエルはセバスチャンから渡された男物の服に着替えようとしたが、上手く着る事が出来なかった。「どうかなさいましたか?」「この服は、どうやって着るんだ?」「着替えを手伝いましょう。」今まで女物の服しか着て来なかったシエルの着替えを、セバスチャンは手伝った。「男の服は、コルセットを締める手間がないのだな。」「ええ。それよりも、身に着けていたドレスや宝石はいかがなさいますか?」「宝石は旅費の足しになるだろうから売れ、ドレスもだ。」「わかりました。」着替えを済ませたシエルは、セバスチャンと共に宿の一階にある食堂へと向かった。そこには、髪と髭を伸ばした数人の男達が、朝から酒を飲んでいた。「さぁ、食事を済ませたらここを出ましょう。」「わかった。」「おい兄ちゃん、えらい可愛い子ちゃんを連れているじゃねぇか?」「あんたの稚児かい?」「少し、外でお話ししましょうか?」そう言って男達を見たセバスチャンの目は、笑っていなかった。「お客さん、余り騒がないでおくれよ。」宿の女将はこういった騒ぎには慣れているらしく、溜息を吐いて厨房の奥へと消えていった。「おい、セバスチャン。」「ご心配なさらず、すぐに終わりますので。」セバスチャンはシエルに微笑み、ごろつき達と共に宿の外へと出た。セバスチャンは、すぐに戻って来た。「あいつらは?」「地面に転がしておきました。」「そうか。」セバスチャンは宿の女将に迷惑料を払い、シエルと共に町を出た。「次の町へは船で移動するので、これをお飲みください。」船着き場でセバスチャンはそう言うと、シエルに酔い止めの薬を手渡した。「わかった。」シエルはそう言って酔い止めの薬を飲み、セバスチャンと共に船に乗った。「こちらです。」「悪くないな。」船員に案内された船室を見たシエルは、そう言うと船室の二段ベッドの下の段のベッドに寝た。「僕はもう寝る。」「お休みなさい、坊っちゃん。」にほんブログ村二次小説ランキング
2025年02月10日
コメント(0)
![]()
原作未読ですが、Gackt様の麗しさと、二階堂ふみの男装がいいし、白鵬堂学院の宝塚チックな雰囲気もいいし、有名人の出身地対決も面白い!観て良かった!
2025年02月09日
コメント(2)

表紙素材は、ヨシュケイ様からお借りしました。「相棒」「黒執事」「天上の愛地上の恋」二次小説です。作者様・出版社様とは一切関係ありません。一部残酷描写が含まれます、苦手な方はご注意ください。二次創作・BLが苦手な方はご注意ください。「おやおや、あなた達も居たのですか。」「当然でしょう!」”トリオ・ザ・捜一”の一人、伊丹はそう叫ぶと、溜息を吐きながら、『立ち入り禁止』と書かれたロープを跨ぎ、瓦礫の中へと入っていった。事件現場となったホールは、煙と人が焼けた肉の臭いが充満し、伊丹はマスクを着けて良かったと思いながら、ホールの奥に飾られているある物に気づいた。それは、一人の女性の肖像画だった。団体のシンボルカラーである純白のドレスを身に纏い、その女性は何処か憂いを含んだ笑みを浮かべていた。「こりゃ、一体・・」「彼女は、シュテファニー=フォン=ベルギエン、十九世紀のベルギー国王・レオポルド二世の娘であり、あの『うたかたの恋』で有名なルドルフ皇太子の妃です。しかし、彼女の肖像画が何故このような極東の島国にある宗教施設に飾られているのか、気になりますねぇ。」「ちょっと、気配を殺して背後に立たないで貰えませんかねぇ!?」「おや、これは失敬。さてと、これから僕は施設内を探検しようと思います。」右京はそう言うと、そのままホールから出て行ってしまった。「さてと、ここですね・・」焼かれ、瓦礫の山と化したホールとは対照的に、団体の信者達が住む建物は炎に焼かれておらず、廃墟とは思えない程綺麗だった。「右京さん、こんな所に居ましたか・・」「あぁ神戸君、丁度いい所に。実は事件現場でひとつ、気になる事がありましてねぇ。」「気になる事?」「この団体の信者名簿に、小学三年生位の少女の名前があるのですが、現場には子供の遺体がありませんでした。」「それで、その子がここに隠れていると?」「確か、彼女の部屋は三階にありますね。」右京はそう言うと、階段を上り始めた。「ここですね。」「右京さん、勝手に入って良いんですか?」「失礼します。」右京がそう言って少女の部屋に入ると、そこには勉強机と二段ベッドが置かれていた。「彼女の所持品らしきものは見当たりませんね。」右京はそう言うと、勉強机の上に置かれている写真立ての存在に気づいた。そこには、笑顔で真新しいランドセルを背負っている少女が写っていた。右京は写真立ての中からその写真を引き抜き、写真の裏にある書き込みがされている事に気づいた。『絵里、入学式。』「右京さん、そろそろ・・」「お邪魔しました。」右京は、そう言って尊と共に部屋から出た。「あの部屋に居た子は、一体何処に居るんでしょうね?」「彼女は、まだ生きていると思いますよ。」二人は現場を後にしようとした時、運悪く大雨に見舞われ、足止めを喰らってしまった。「運が悪いですねぇ。まぁ、泊まる所がすぐに見つかって良かったです。」「ええ・・」二人が泊まる場所は、事件現場の近くの、国道沿いにあるビジネスホテルだった。本当は駅前にあるビジネスホテルに泊まる予定だったのだが、その近辺にある道路が陥没し、その復旧工事の為に工事関係者が宿泊し、満室となっていたので、急遽現場近くのビジネスホテルに泊まる事になったのだった。市街地から離れて居る所為か、ロビーに居た客は右京達と、現場で見かけた謎めいた少年と男の二人組だけだった。『またお会いしましたね。』『ええ。あなた方も、こちらにお泊りですか?』『はい。実はこちらもあなた方と会った後、すぐに離れようと思っていたのですが、この大雨で電車が停まりましてね。』『それは災難でしたねぇ。』『ええ。』『セバスチャン、腹が減った。』『坊ちゃん、レストランが開くのはチェックインの後ですから、少し我慢しましょう。』『わかった。』少年はぶすっとした顔をした後、視線を携帯ゲームの画面へと戻した。「あなたは、あの子の執事ですか?」「はい。坊ちゃんは、日本で新規事業開発の為に来日されたのですが、こちらに本社がある製菓メーカーを訪問した所、先方が日付を間違えられたようで、一週間後にアポイントメントの約束を取り付け、後日こちらへ向かおうとしていた所に・・」「失礼ですが、彼の名前を教えて頂いてもよろしいでしょうか?」「坊ちゃんはシエル=ファントムハイヴ、英国老舗の玩具・製菓メーカーファントム社の社長でもあります。」「ほぉ、あの年で・・」「坊ちゃんは、三年前に両親と双子のお兄様を事故で亡くされ、わたしが坊ちゃんの片腕として、執事としてお仕えしております。」「色々とご苦労があるのでしょうね。」「ええ、坊っちゃんはあの通りわがままな方でいらっしゃいますから・・」『おい、聞こえているぞ。』『では、わたくし達はこれで。』『また、お会い出来ると良いですね。』『ええ。』謎めいた二人組―セバスチャンとシエルは、チェックインした後エレベーターの中へと消えていった。「やっと休める。」「なんて格好をしているんです、坊っちゃん。」部屋に入った途端、着替えもせずにベッドの上に寝転ぶシエルの姿を見て、セバスチャンは溜息を吐いた。「今日は色々と疲れた。」「そうですね、レストランで早く食事を済ませましょう。」「あぁ、そうだな。」ホテルの一階にあるレストランは、メインの肉料理以外、前菜・サラダ・パスタ・デザートなどはビュッフェ形式の店だった。「悪くないな。」「確かに。サラダ類もスープ類も美味しいですね。ピザとパスタも味付けがさっぱりして食べやすいです。」セバスチャンはそう言うと、紅茶を一口飲んだ。「坊ちゃん、これからどうなさいますか?」「いちいち東京とこの町を行き来するのは面倒だ。暫くこの町に滞在しよう。」「はい。」セバスチャンとシエルがS町に滞在している頃、‟浄化“される前に謎の男達によって救出された少女・絵里は、彼らと共に東京に居た。「ルドルフ様、これからどうなさいますか?」「さぁな。」絵里は、そっとホテルの部屋のドアの隙間から、黒髪の天使様と、金髪の王子様が廊下で何かを話している姿を見ていた。「彼女を親元に戻した方が一番良いと思いますが・・」「それは駄目だ。借金のカタに、子供をあんな連中に売り飛ばした奴らだぞ。」「彼女に一度、聞いてみましょう。」「そうだな。」絵里は、団体に預けられた日の事を急に思い出し、胸が苦しくなった。「エリちゃん、どうしたの?」「胸が・・苦しい・・」「少し疲れた?ベッドに横になろうか?」「うん・・」絵里はベッドに横になりながら、あの日―団体に預けられた日の事を思い出した。『元気でね。』父親はギャンブル依存症で、団体が運営するカジノで多額の借金を背負ってしまい、絵里の両親は離婚し、彼女は母親と共に団体に身を寄せたが、母親は一月後に失踪した。母親に失踪してから、絵里の生活は一変した。学校には通わせて貰ったが、いつも汚い服ばかり着ていたので、虐められていた。それに、満足な食事を与えられなかったので、絵里はいつも腹を空かせていた。ある日、空腹に耐えかねた彼女は、教祖様が飼っていた猫の餌を盗み食いし、信者達から激しい折檻を受けた。『お前は悪魔だ!』絵里は、只管地獄のような日々に耐えた。そして、‟浄化“されそうになった。「エリちゃん、落ち着いた?」「うん・・」「そう。」絵里は、黒髪の天使様と共に、母親が住んでいる町へと向かった。母親は、絵里をあの地獄のような場所に置き去りにして、再婚し新しい家庭を築いていた。新しい家族と幸せに暮らしている母親の姿を見た絵里は、母親に捨てられたと思った。「天使様、もう帰ろう。」「わかった。」黒髪の天使様と、金髪の王子様と過ごした日々は、楽しかった。だが、楽しい時間はあっという間に終わってしまった。「元気でね。」「もう、会えないの?」「君が望めば、会えるよ。」金髪の王子様は、そう言って絵里の首にメダイのネックレスをかけてくれた。「さよなら。」絵里は天使様達と別れを告げ、新しい家で暮らす事になった。「信者の少女が見つかりましたよ。」「え?」右京と尊が捜していた絵里は、カトリック教会が運営する児童養護施設で暮らしていた。「あの子は、ここに来た時はいつも誰かを恋しがって泣いてばかりいましたが、今はお友達と遊んで笑うようになりました。」『愛の家』のシスターは、右京達を絵里の部屋へと案内した。絵里は、画用紙に何かを描いていた。「こんにちは。何を描いていらっしゃるのですか?」「黒髪の天使様と、金髪の王子様。わたしを地獄から助けてくれた人。」「見ても、よろしいですか?」「どうぞ。」右京が見たのは、黒髪の男性と金髪の男性と手を繋いでいる絵里の絵だった。「どうも、ありがとう。」「右京さん、もしかしてですが、あの二人が・・」「それはまだ詳しく調べてみないとわかりませんね。」二人が『愛の家』を後にした頃、黒髪の天使ことアルフレートと、金髪の王子様ことルドルフは、東北の山奥にあるロッジで暮らしていた。「ここは、何処かマイヤーリンクに似ているな?」「そうでしょうか?」「アルフレート、これからどうするつもりだ?」「さぁ・・」アルフレートは火掻き棒で暖炉の中にある薪を掻き混ぜながら、今後の事を考えていた。「ここには春まで居て、それまで静かに暮らそう。」「はい・・」ロッジの周りの森が夜の闇に包まれた頃、一人の男が、二人が居るロッジの前に現れた。「見つけたぞ・・」にほんブログ村二次小説ランキング
2025年02月06日
コメント(0)
2007年から初めて、続けてきたこのブログ、まさかこんなに続くとは思いませんでした。紙の日記は三日坊主になるのに、ブログとなると何故か18年も続くなんてwただ単に、好きな漫画やアニメ、小説の二次小説を書いているだけなのですが、250万HITを迎えて嬉しいです。これからも二次小説、妄想が湧く限り続けていこうと思いますので、宜しくお願い致します。
2025年02月03日
コメント(4)
全22件 (22件中 1-22件目)
1