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2024.02.22
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2月終わりから春先にかけて千葉県銚子市周辺でクロサギを見かけるようになります。
クロサギは、黒色型と白色型が存在していて、南西諸島以南で白色型(永井2014)または南へ行くほど白色型が多くなる(叶内2020)と図鑑類に説明が記載されています。
くわえて、石田(2015)が北方では黒っぽい岩礁に、南方では白い砂浜にそれぞれの環境に適応しているからという説があると記しています。
クロサギの黒色型と白色型の両方が生息している沖縄では割合がどうなっているのか、
北方では黒っぽい岩礁に、南方では白い砂浜に適応しているからとの点について、文献を参照してみました。すると、沖縄県立辺土名高等学校の皆さんが沖縄県での調査報告をしているのを見つけました。内容の一部を紹介します。
(黒色型と白色型の割合)
沖縄島は繁殖期前の第1期(2016年3月19日~4月4日)と繁殖期後の第2期(2016年8月21日~ 31日)の2回、宮古島(2016年8月28日~30日)、石垣島(2016年11月2日~4日)、西表島(2016年11月5日)について各1回の調査結果をつぎのように報告しています。
沖縄島第1期調査:確認された全個体数139羽のうち黒色型が89羽、白色型が50羽で、割合は黒体色64%、白色型36%
沖縄島第2期調査:確認された全個体数258羽のうち黒色型が158羽、白色型が100羽、
黒色:白色=61%:39%の割合。
宮古島調査:確認された全個体数30羽のうち黒色型が17羽、白色型が13羽で、
割合が黒色型57%、白色型43%。
西表島:確認個体数14羽のうち黒色型が9羽、白色型が5羽で黒色型64%、白色型36%。
(沖縄島、石垣島、西表島では黒色型が多く、宮古島では白色型が多い要因)
黒色型の方が明らかに発見しにくく、白色型は岩場や護岸、木の上などでは遠い距離からでも見つけやすい。白色型は目立つことから外敵に捕食される確率が高いのではないか、沖縄島周辺では近年増えているといわれるカラスによる捕食の影響が黒色型の割合が高くなった要因の1つではないかと報告しています。これに対して、カラスが少ない宮古島においては白色型の割合が高くなっている点を指摘しています。
(南へ行くと白色型が増えるのは環境によるものか、遺伝的要因か)
緯度や環境の違う島々においても黒色型と白色型の割合が、6:4や5:5に保たれているのであれば、体色を決定する要因は、環境による影響より遺伝的要素が強いと記しています。
(引用)
沖縄県立辺土名高等学校.2017.白黒はっきりさせようじゃないか
~クロサギの体色(黒色型と白色型)の割合についての研究Ⅱ~.
第39回沖縄青少年科学作品展 作品集.p297-313.沖縄電力株式会社.
(写真)









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最終更新日  2024.02.22 11:47:58
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