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昨日、印旛沼でヨシゴイを観察しました。雄個体が時間あたり29回の出現するのを目撃。その後、ウーッウーッと鳴き声が聞こえました。しばらくすると、その光景は見られなくなり、何もなかったように静けさに戻りました。鳴き声はどんな意味あいを持つのかと鳥友から質問をもらいました。(オス同士の追い払い行動と鳴き声)上田(1996)が、埼玉県での調査結果を報告しています。その中で「渡来当初、アシやヒメガマの群落に定着したヨシゴイは、特に夕方から早朝、「ウ-ッ,ウ-ッ」という低い声で鳴き続けている。この声は配偶者を引き寄せる意味に加えて、オス同士の,巣を中心としたなわばり宣言にももちいられているものと思われる。事実,はじめにアシ原やヒメガマの特定の場所に定着したオスが、近づくほかのオスを追払う行動がよく観察された」と記しています。印旛沼での頻繁に葦原の上を飛翔する姿は、オス同士の追い払う行動ではないかと思います。一枚目の写真は、昨日葦原の上に移動した後、喉を膨らませて鳴いていた時の様子です。(擬態)ヨシゴイは擬態を行うことが知られています。蒲谷(1996)が、敵が近づくと首を上に伸ばし枯れた葦が風にそよぐように体を振ると述べているもの、佐原(2013)が警戒時にヨシゴイがとる体をまっすぐ立ててクチバシを上に向けヨシに擬態すると記している報告があります。二枚目、三枚目の写真は、印旛沼で観察したヨシゴイの擬態です。いずれも嘴は上には向けていませんが、ヨシと同化しているように見えました。(引用)上田恵介.1996.ヨシゴイはなぜ集団で繁殖するのか:巣場所選びと繁殖成功.Strix.第14巻.pp. 55-63.(財)日本野鳥の会.蒲谷鶴彦.1996.日本野鳥大鑑.上巻.p34.小学館.佐原雄二.2013.ヨシゴイ 警戒態勢.Bird Research News Vol.10 No.1.p4-5.(写真)2024年5月30日、2021年6月26日、2022年7月7日いずれも印旛沼で撮影
2024.05.31
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夏鳥のヨシゴイと出会える時期となりましたので、印旛沼沿岸を訪ねました。葦原を南東の風が吹き抜け、探索にはつらい条件でした。それでも5羽前後のヨシゴイが13時から14時の時間帯に29回/1h登場してくれました。2羽で広大な葦原を追いかけっこをしているように飛翔するもの、沼の縁で捕獲してきた獲物を巣の雌にプレゼントするものと実にいろいろでした。このほか、沼の入り江で巣をつくり座り込んでいたアオサギ、葦原のあちこちでテリトリー争いや宣言をしているオオヨシキリの姿、葦原の中からヒクイナの鳴き声が聞こえたり楽しい時間を過ごしました。(写真)2024年5月30日撮影(ヨシゴイの写真はすべて雄。頭上が濃紺、雨覆が黄褐色、上面が茶褐色)
2024.05.30
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未明までの雨と強風がなくなり快晴の朝となりました。ササゴイを観察するため都内に出かけました。到着して北側エリアにササゴイ似のサギ科の鳥が羽をやすめているのを発見。虹彩が赤く、頭上と背が藍色のように見え、体下面が白く、顔、頚が白色で、ゴイサギ第二回夏羽と思われました。さて、お目当てのササゴイは、巣のあるエリアの高い木の枝に止まっていた後、餌を探しに池の工作物に移動したり、杭にとまり喉を膨らませてゴウという声を何回も出していました。ペアリングの時に出す声と思われました。ペア誕生後、巣作り、産卵、子育てがスタートするものと思います。ゴイサギ、ササゴイのほか、カイツブリの親子、バンの姿も観察できました。(写真)2024年5月29日撮影
2024.05.29
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今シーズン、手賀沼・印旛沼沿岸の水田地帯や茨城県南部の水田地帯でサギ科アマサギの姿をほとんど見かけません。なにかの要因で飛来が遅れているのか、それとも採餌環境が悪化して他地域に滞在地を移したのか、気をもんでいます。かつて、2001年春までは手賀沼沿岸の水田地帯で100羽前後の群れ、2008年8月に63羽の群れが見られていましたが、以降2011年から2019年の間は姿が見られず、2020年以降最も多かった2022年6月でも20羽前後の群れが観察されるのみと減少しています。バードリサーチ(2021)が、全国鳥類繁殖分布調査の結果から、アマサギ、コサギ、ゴイサギは、1970年代から1990年代にかけて確認メッシュ数が増加したがその後減少したと報告しています。減少の原因について、バードリサーチ(2019)は、湿地など開けた環境の悪化、食物の減少(畑の昆虫が減少)、大型のサギ類が増加し,小型のサギが減っている傾向があことからコロニーでの巣場所を巡る競争で小型のサギ類が大型のサギ類に負けてしまっていたなどが要因として考えられると指摘しています。(写真)1枚目:2014年4月20日印西市(夏羽:頭から胸にかけて橙黄色で背にも橙黄色の飾り羽があります)2枚目:2018年6月16日手賀沼沿岸(右側の個体が夏羽、左側の個体は頭が白色なので若鳥と思われますが、嘴が朱赤色になっていて婚姻色となっています)3枚目:2020年6月21日茨城県土浦市(頭にオレンジ色がまだらにあり、胸が橙黄色を帯びており、成鳥冬羽が夏羽に換羽中の個体と思われます)4枚目2018年6月16日手賀沼沿岸(嘴の色は成鳥に比べて淡く額にオレンジ色がないことから若鳥と思われます)5枚目:2019年9月14日印西市(頭から胸にかけての橙黄色と背の橙黄色が色あせてきており、夏羽から冬羽に換羽中の個体)
2024.05.28
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鳥友からカイツブリは双眼鏡を向けるとすぐに潜水してしまう。環境によって観察しやすいフィールドがあるのかと質問をもらいました。都内の公園でも釣人が多く見られるところとそうでないところでは潜水に違いがあります。釣人が多いところでは釣り糸に接近する動きが見られたり、水面をゆったり移動しているように感じます。この件で、文献を調べてみました。前田(2017)が滋賀県で行ったカイツブリの個体数や子育て、行動に関する調査結果を報告しています。その中で、「調査の結果からカイツブリには「人見知りが強いタイプ」と「わりあい人に慣れたタイプ」の 2 タイプがあることが見えてきました。人の近くで生息するカイツブリは、人の各種の行為が自分に利害を及ぼすものかどうかを学習するのではないでしょうか。「 釣り人の竿先から 10 mほどのところに近づき、そこで潜って採餌をした。釣り針付近に魚がいることを承知して、意図的に近づいているように見えた」という報告からカイツブリが人を利用している様子が伝わってきました」と記しています。報告の終わりに「調査地で地元の人に話しかけるとほぼすべての人がカイツブリという鳥を知って いて 、どこにいるか までご存知の方が 結構 いらっしゃいました。春から夏にかけては鳴き声が聞こえてくるからでしょうが、 漁業者や農家 の人 釣り人水辺に住む人 など 、普段自然に接する機会が多い方たちの目には留まっているということです」とむすんでいる点が印象的でした。(引用)前田雅子.2017.琵琶湖博物館フィールドレポーター2017年第1回調査「カイツブリに会いに行こう 」調査報告.pp22.滋賀県琵琶湖博物館.(写真)2021年8月5日柏の葉キャンパス駅近郊、2020年9月19日同左、2023年6月13日都内で撮影
2024.05.27
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ツミのペアの様子を見に林に立ち寄りました。ブランドから観察していると、巣には雌が座り込んでいました。時折、雌が鳴き声を出すと瞬時に雄が抱卵を担当する光景が見られます。今シーズンのペアは雄が巣の近くで雌の合図を聞き漏らさないように待機しているのが特徴です。抱卵を雄が担当した後、再び雌に交代すると、今度は雄が巣を見下ろす近くの木の枝に止まり、外敵などを監視するポジションについていました。成鳥雄の姿を観察していると、喉に1本の縦斑があるのに気づきました。若鳥の喉に縦斑があるのは観察していましたが、あらたな発見でした。くわえて、魅了されるのが雄の虹彩の暗赤色、鋭い爪。(写真)2024年5月26日撮影
2024.05.26
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かつて水戸街道の宿場町として賑わった街の橋梁で長年チョウゲンボウが営巣・子育てをしています。様子を見に出かけました。東南東の風が強く吹き抜け、橋梁の穴に入り抱卵している関係で姿は見られませんでした。30分ほど経過した時、雄がフックのような場所にとまり羽づくろいをはじめました。このほか、かなり離れたところに別ペアの雌が強風を避けて羽を休めているのを発見。その後、多くのペアが巣として使っている横方向の穴ではなく、上方向に空いている穴から一羽の雄が姿を現しました。その飛翔、ホバリングをする姿を観察。いくらホバリング(*)の名手である鳥でも縦方向に上昇し穴に入るのは至難の技なはずです。風上に向かってはばたいて、尾を制御しながら上方向への揚力を得るのかしらと頭の中で想像。今日はかなわなかったのですが、次回の宿題となりました。(*)ホバリングチョウゲンボウは、風上に向かってはばたき、速度を得ながら翼のまわりに空気の流れをつくるウィンドホバリングを行い揚力を得ています。1点にとまっているような動きとするために尾を使い制御します。(写真)2024年5月25日撮影
2024.05.25
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茨城県桜川市の雨引山の林道を探索しに出かけました。複数のホトトギスが鳴きながらと移動する姿、複数のキビタキの囀り、アカゲラ、アオゲラ、そしてお目当てのサンコウチョウも複数が鳴きながら移動していきました。そのあと、約5キロほど離れた山麓にある建物に営巣しているコシアカツバメに会いに移動。到着直後は、コシアカツバメが補強した巣、スズメに乗っ取られた巣(*)を見かけたのでは心配しましたが、ほどなくコシアカツバメが帰還し、既存の巣を使っている個体はその中に、新しく造巣している個体は壁面に唾液と土をミックスして貼り付けている光景を観察しました。(*)コシアカツバメの巣は出入り口が細長いとっくり型はスズメにとって好みのタイプのようで乗っ取っている数が多い傾向でした。カラスなどの外敵に襲撃されにくいので好まれているようです。(写真)2024年5月24日撮影コシアカツバメの営巣場所は、撮影者が殺到すると市民の方に支障があることから地名などは非公開とさらてもらいます。
2024.05.24
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ツミのペアが暮らす林を訪ねました。造巣してしばらくは雌雄交代で巣に座り込む光景が観察されましたが、16日以降は雌のみが座り込んでいます。時折、座っている方向をかえたりしているのがブランドから垣間見ることができます。一方、雄は巣を見下ろすことができる少し離れた枝から営巣木の枝から監視をしています。カラスなどの巣に接近した場合猛スピードで降下し追い払っています。外敵が接近しない時間帯は、尾羽単独または翼と尾羽を同時に広げたり、重なりを整えたり、ほつれを直したりする行動が見られます。限られた時間内で観察の楽しみ。今朝は、ツミの様子を観察した後、近郊の砂利が敷いてある駐車場で営巣しているコチドリの様子を見に立ち寄りました。駐車が入ってくると警戒して巣を離れますが、それ以外は抱卵している模様です。こちらも長時間の居候ができませんが、見守りを続けています。(写真)2024年5月23日撮影(4枚目、5枚目のツミが翼を広げた2枚は昨年5月撮影)
2024.05.23
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手賀沼沿岸ではサシバが飛来している谷津田が複数あります。このうち、餌さがしで止まる場所が最も多いエリアを訪ねました。到着直後、すでに電柱のてっぺんに成鳥雄の姿があり、田んぼに視線を向けていました。草丈がまだ低いので、カエルや小動物の動きを目で追いかけてしました。小首をかしげる表情に愛らしさを感じます。最終的には田んぼに降り立ち餌を捕食し、巣のある林に移動していきました。しばらく待機していると、さっきとは違う電線にとまり、餌の動きをリサーチ。動きを察知すると素早く移動し捕獲。今度は、自分のための餌だったようで、電信柱の上に移動しパッと一飲み。これから草丈が高くなると、採食場所が谷津田から林縁部など変化していきます。また、斜面林に餌動物が登場し、捕獲する光景を目撃できるので楽しみです。帰り道、沿岸の水田地帯でダイサギ、チュウサギ、コサギの姿を発見。ダイサギは眼先が緑青色に対して、チュウサギは眼先は黄色。また、頸はチュウサギのほうが短いなどのポイントを楽しみました。(写真)2024年5月22日撮影
2024.05.22
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中世以前から稲作地帯として発展してきた町に隣接する河川沿いにサギのコロニーが作られ、毎年営巣・産卵・子育てが繰り広げられています。今シーズンは、ゴイサギ、アマサギ、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギがコロニーで羽を休めていました。まだペアになって間もない様子で全体の個体数も100羽以下で、平年の400羽前後と比べると少なめです。ただし、昨シーズンまではゴイサギも一緒のコロニーで過ごしていましたが、今期は対岸の人家近くの木に複数が営巣していました。巣を見ると、カラスのものを強奪した模様で巣の一部に金属ハンガーが使われています。クリーニング業界でプラスチック製ハンガーから金属製に切り替えていますが、きちんとリサイクルされていれば巣材に使われることはないと思いますが、家庭からゴミとして排出されたものをカラスが運んだものと思われます。帰り道、越谷レイクタウン駅近くを散策すると、調整池にコアジサシ夏羽(嘴の先端が黒色)、駅前広場にイソヒヨドリ成鳥雄が朗らかな声で囀っていました。(写真)2024年5月21日撮影
2024.05.21
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朝から雨でしたので、夏鳥の画像や鳴き声などを予習。そのうち、長野県戸隠、飯縄高原、白馬、福島県五色沼などで堪能したノジコについて観察したフィールドは、いずれも豪雪地帯として知られる場所であることに気づきました。どうしてと思い文献を調べてみました。出口(2017)が、ノジコの分布や生息環境などについて知見を整理し報告しているのを見つけました。日本では冬にはいないが、繁殖地は豪雪地帯の新潟県と重なっていることを紹介しています。そして、ノジコが多雪地特有の低木を中心とする雪崩植生が存在し、豊富な雪解け水により湿潤な環境が形成されやすいという点が可能性として考えられると記しています。あわせて、残雪のある頃に繁殖地に渡来し、限られた利用可能な環境でつがい形成を行った後に雪解けによる利用可能環境の拡大に伴ってなわばり分散を行うのではないかと報告しています。雪解け水による湿潤な環境があるかどうか、フィールドに出かけた折、注目してみようと思います。(引用)出口翔大.2017.ノジコ 雪国育ち.Bird Research News Vol.14 No.6.p1-2.(写真)2020年7月2日長野県戸隠で撮影
2024.05.20
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5日に造巣したポイントに雌が座り込み、10日には雌が長時間座り込んだ姿を観察。今日、ブランドの中から観察していると、到着直後は雄が巣に座り込んでいました。雌の姿を探すと巣の高さの3倍程度の少し離れた木の枝で巣を凝視していました。その後、鳴き声がしたと思ったら今度は雌が巣に移動し、今度は雄が雌が止まっていた枝に移動し見張り役を担当していました。体に小さい雄がしっかり体を伏せており、雌も深く巣に腰をおろし、抱卵しているものと思われます。今シーズンのペアは、ピョーピョーという尻上がりの捕食者への威嚇の声はほとんど出さず、ペア間で餌をねだったり、巣の交代の時にクウクウとコミュニケーションをとる声のみです。(雌雄の虹彩の違いなど)雌の虹彩は黄色、雄の虹彩は暗赤色です。また、アイリングの黄色は雄のほうがはっきりとしている印象があります。(写真)2024年5月19日撮影
2024.05.19
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野田市生まれのヤマト(雄)と渡良瀬生まれのひなた(雌)が野田市に造巣、営巣、抱卵しジュニア2羽が誕生し、順調に成長しています。その様子を見に出かけました。到着した13時頃は、高温と日光が容赦なくヒナたちの降り注いでいました。ヒナは渡良瀬生まれのひなた(雌)に体の影に隠れるようにしていました。30分ほど経過した時、北北西方向から1羽のコウノトリ(雄ヤマト)が登場し、巣に帰還。帰還した途端、雌のひたなが巣を離れ上空を旋回後、北北東方向に渡去。ヤマトはひなた同様に体の影でヒナたちをガード。はじめて観察した光景はその後。地面に降り立ち田んぼの水を飲むような仕草が見られたので暑いから水を飲んでいるのだろうと思ったのですが、巣に帰還すると、ヒナの頭のあたりから水をかけている光景を観察しました。はじめて見る光景に目を見張るとともにヒナに対する心配りに感服。なお、コウノトリの巣の近くにはアオサギも営巣し、ヒナが誕生しています。コウノトリ親鳥はそうした周りの鳥たちの動向も注視したり、ヒナに目配りしたり多忙です。帰り道、近くの三堀自然公園内を探索。キビタキ、フクロウの声を耳にしたり、初夏の一日を楽しみました。(写真)2024年5月18日撮影
2024.05.18
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茨城県稲敷市浮島にコジュリン、オオセッカ、シギ・チドリを探索しに出かけました。湿原のあちこちでオオヨシキリ行々子と鳴き声をあげテリトリー争い、オオセッカもジュクジュクと鳴き声を出して垂直に舞い上がる姿を複数見かけました。また、お目当てのコジュリンは少し遠くの草原の上にその姿があり、囀りを披露。また、近郊の蓮田にセイタカシギ7羽の姿を見つけました。片足を羽の中に収納し人間でいうと寝落ちしている印象のある2羽、成鳥、若鳥などじつにいろいろな羽色でした。このほか、県道沿いの水田にチュウシャクシギの群れが休んでいたり、蓮田の上をオオタカが飛翔したり、楽しい時間でした。(写真)2024年5月17日撮影
2024.05.17
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今朝もツミのペアが飛来している林に出かけました。到着直後は造巣しているスポットに雌の姿がなかったのですが、雄が雌を呼ぶクゥクゥという声がしたと思ったら雄と雌が同じ枝にとまり餌の受け渡しを行った模様です。その後、雌は造巣場所に移動し座り込みました。昨日も雄から餌を受領した後、座り込んでいましたので産卵した可能性もあります。造巣場所周辺は複数のオナガが巣材をくわえて移動する光景も見かけたり、地面に降りて餌を物色する姿を見かけたり、生き物の暮らしを垣間見る時間となっています。(写真)2024年5月16日撮影なお、ツミの巣の写真は、ブランド内から撮影したものです。
2024.05.16
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今春はムナグロの姿を観察していなかったことから、鳥友から教えてもらった茨城県取手市の水田地帯を訪ねてました。広大な水田地帯を丹念に探索して回りました。一角で上面の色が黄金色のムナグロを発見。目を凝らしてみると、ダイゼン似の羽色をした個体、冬羽から夏羽に換羽中の個体、背や翼に黄色味のある幼羽と実にいろいろ。ムナグロに夢中になつていたら、すぐ近くのコチドリが鳴きながら脚をひきずるようにして少しずつ移動する姿を見せつける擬傷行動。近くに巣またはヒナが存在するのでしょう。気づかずにごめん。ムナグロの近くには、20羽前後のチュウシャクシギの姿がありました。上面の各羽は黒褐色の軸斑と淡い褐色の羽縁の夏羽個体が大半を占めていました。くわえて、上面が灰褐色で胸と脇に波状の横斑があるキアシシギの姿も発見。また、帰り道にはダイサギの目先が青緑色の婚姻色個体と出会いました。時間を忘れて楽しい時間を過ごしました。(写真)2024年5月15日撮影
2024.05.15
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手賀沼沿岸の水田地帯をシギ・チドリの姿を求めて探索しました。チュウシャクシギ、コチドリ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、オオヨシキリ、セッカ、ホオジロなどの姿を目撃しました。シギ・チドリは遅い年でも5月下旬には渡去してしまいますので、今週から来週がラストチャンスです。なお、チュウシャクシギのうち1羽は、喉の部分に褐色味があり縞模様のように見えました。かつてチュウシャクシギは50羽以上が採餌する光景が見られましたが、2006年以降20羽未満の個体が見られるだけで年々減少傾向にあります。渡辺(2006)が述べているように、チュウシャクシギは小動物やアメリカザリガニを捕獲します。あわせて、アメリカザリガニが存在していないところでは小動物を採餌することを紹介しています。手賀沼沿岸の水田では圃場整備がすすめられてきたのでその影響があるのかもしれません。(引用)渡辺朝一.2006.春期の関東平野水田におけるチュウシャクシギの採食行動.我孫子市鳥の博物館調査研究報告.第14巻.p65-69.(写真)2024年5月14日撮影
2024.05.14
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11日に渡良瀬近郊で観察したアオバズクについて鳥友から質問をもらいました。あるwebページにアオバズクの雄には喉袋があるので鳴くが、雌には喉袋がないので鳴かないと記されていた。鳥類の発声の仕組みから考えると妥当なのかとの内容でした。(鳥類の発声機構)小西(1994)が小鳥の発声器は肺から出た二本の気管支炎が気管につながる鳴管という部分にあります。鳴管は気管支炎の上端と気管の下端の骨環を含んだ部分からなっており、音の発生源は鼓形膜という一対の膜です。(アオバズクの鳴き声)11日に観察したアオバズクは、嘴から喉の下あたりの部分を膨らませて鳴き声を出していました。鳥類の喉袋は、下嘴の付け根から首にかけて皮膚が露出している部位のことなので、喉袋があるから鳴くのではないと思います。小西(1994)が米国の研究者の気管や気管支炎の中の空気の流れを実験した内容を紹介しています。それによると、鳥の肺の中にある気嚢の中に蓄えた空気を気管支炎に流して鳴いていることが判明したと記されています。この点から、気管支炎に空気が流れている時にアオバズクの喉周辺が膨らんだと考えるのが妥当と思っています。(雌雄の鳴き声)ホッホッとの鳴き声は雄のみなのか、夜行性がゆえに検証できておらず、今後の宿題です。(アオバズク雌が喉を膨らます)青木(1991)が雄が雌に求愛給餌で雌が餌を受け取る際に喉を膨らませ餌をとることを紹介しています。(引用)青木 進.1991.青葉の頃、日本を訪ねる アオバズク.朝日百科 動物たちの地球.25号..p14小西正一.1994.小鳥はなぜ歌うのか.p117-126.(写真)2024年5月11日渡良瀬近郊で撮影鳴き声を出した時、アオバズクが少し上方向を向き、鳴き始め2枚目の写真の時が一番大きな声が出ていました。
2024.05.13
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昨日に引き続き南南西の強風が吹き抜ける一日となりました。先週まで巣作りをしていた場所が雌には気に入らなかったようで場所を変更した模様です。このためか雄が小鳥を捕獲して帰還してククッと鳴き声を出して雌に餌を持ってきたよと読んでも雌は登場せず。なんだ君はいないのかと雄が地団駄を踏むような仕草をした後、わしわしと食べ始めました。午後、所用で同地を通過した際に雌がムクドリを捕獲し足にぶらさげて林に帰還する姿を目撃。(写真)2024年5月12日撮影
2024.05.12
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渡良瀬遊水池周辺のフクロウとアオバズクの飛来地を複数訪ねました。うち、アオバズクが飛来しているポイントでは到着直後は寝込んでいたものの、薄目をあけその後片目をあけたと思ったらホッホッ、ホッホッと10声ほど鳴き声を披露。喉のあたりが襟巻状になっているのもはじめて観察できました。(写真)2024年5月11日撮影
2024.05.11
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ツミが造巣している林を訪ねました。到着直後、雄の鳴き声がしたとおもったら雌が登場しペアリングを目撃しました。その後、雄は林の外に渡去、雌は造巣した場所に座り込み一時間以上そのまま静止。ペアリングを目撃後、約1時間をした時、雄が足に小鳥をぶら下げて帰還しました。何度か雄が鳴き声をあげ雌に合図。雄は周辺にいたハシブトガラスを追い払い、雌に餌を渡したようでした。雌が巣に帰還するまでの時間を使い、営巣木周辺の地面を確認すると、キジバトの羽が複数散在しているのを発見しました。昨日までの天気がよくなかった際、周辺にいたキジバトを捕食したものと思われました。(写真)2024年5月10日撮影(雌が座り込んでいる光景はブラインドから撮影したもの)
2024.05.10
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大潮で干潮が12時前後と絶好の条件の習志野市谷津干潟を訪ねました。お目当てはオオソリハシシギ、トウネンの夏羽です。その姿は、京成バラ園前の干潟にありました。オオソリハシシギは顔から腹が赤褐色の雄夏羽、上面の各羽の羽軸と羽縁の色の差が明瞭な雌、背や翼の羽縁が白っぽい幼羽の姿を観察できました。また、トウネンは津田沼高校前の干潟の一角で寝込んでいましたがちようど起きてくれた瞬間を観察できました。頭部と上面の赤褐色には目をみはるばかりでした。その近くには、チュウシャクシギの姿、顔から胸にかけて白っぽいハマシギ夏羽、大好きなゴカイ類の探すのに歩き回るメダイチドリ、走り回って採餌していたキアシシギの姿がありました。(写真)2024年5月9日撮影
2024.05.09
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アカアシシギが渡来したと便りをもらったのと夏鳥たちが立ち寄る時期なので葛西臨海公園に出かけました。アカアシシギの姿があったと聞いていた下の池にまず立ち寄りました。コチドリ、チュウシャクシギを観察できたのみでしたが、対岸の林の中でサンコウチョウ、キビタキの囀りを聞くことができました。このほか、上の池では浮巣をつくる場所探しをしていたカイツブリペアも観察。その後、東渚を一望できるエリアに移動し、ススガモの雄生殖羽、雌、耳羽にパッチが出ている雄個体が夏羽の換羽がはじまった個体を観察できました。くわえて、干潟が露出しており、そこで餌探しに余念のないキアシシギ、イソシギ、ソリハシシギの姿を楽しみました。(写真)2024年5月8日撮影
2024.05.08
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日本三鳴鳥にあげられているオオルリは、雄だけでなく雌も囀ります。フィールドで録音したデータと蒲谷鶴彦さん録音の囀りデータを復習。(雄の囀り)(1)一般的に聞かれる囀りピーリーリー、ホイヒーピピ、ジッジッと聞こえる尻下がりの声でゆっくりとした節回しで囀ります。フィーの声は35-40db程度、ジジとの声は10db程度の声紋です。(2)他の鳥の声を取り入れた囀り蒲谷(1996)がキビタキ、ヒガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、カワラヒワ、ヤマガラ、ホオジロ、クロツグミ、ジュウイチなどの声を取り入れた例を紹介しています。このうち、キビタキとオオルリの違いについては、キビタキの声の質は金属的で同じ節回しを何回も繰り返す点が異なり、クロツグミは声の質が低く太い声であると記しています。(雌の囀り)蒲谷(1995)は、雄の囀りのやや抑揚のないもののように聞こえ、囀りの合間にクワックワッと地鳴きを何回もはさむことが特徴と報告しています。また、雄のように高いところで囀らずブッシュの低い場所で鳴くと興味深い内容を紹介しています。さらに、雌の囀りは5kHz前後の周波数で振幅はかなり強弱があることを紹介しています。徐(2018)は、メスの鳴き声の機能はほとんど研究されていないが、メスがヒナに注意を促す信号ではないかと考えていると興味深いことを指摘しています。ヒナがまだ小さい時期には人が巣に近づいてもメスはほとんど鳴かなかったが、ヒナが孵化後7日目くらいから巣立ち後の家族期にはヒナの日齢が増加するほどメスの鳴き声が強くなる傾向が見られたと報告しています。子供が心配なのは人間も鳥も一緒なのですね。(引用)蒲谷鶴彦.1995.日本野鳥大鑑333.下巻.p84-85.徐 敬善.2018.オオルリ 雌の鳴き声.Bird Research News Vol.15 No.7.p1-2.(写真)2014年7月24日長野県佐久穂市、2014年5月18日栃木県日光市で撮影
2024.05.07
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南南西の風が強く吹き抜ける朝となりました。ツミのペアが飛来しているフィールドに出かけました。今朝も雄が木の枝を頻繁に運搬し造巣しているのは間違えありません。雌はどうにいるのかと営巣木に注目していると同じ木の少し高い場所の姿を見つけました。但し、造巣中の位置は、地上から3m前後で、従来観察した造巣の高さに比べて低いのです。宮崎(1987)が「帰巣する時、林の中を縫って飛ぶことはめったになく、上空からダイレクトに入ることが多い。そのためかツミの巣はオオタカやハイタカよりずっと背の高い大木に作られる」と報告していることをずっとバイブルとしてきましたので、新たな発見です。フィールドでの出会いは、いつも新しいことを教えてくれるものです。(写真)2024年5月6日撮影(引用)宮崎学.1987.鷲鷹ひとり旅.p42.平凡社.
2024.05.06
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野田市生まれのヤマト(雄)と渡良瀬生まれのひなた(雌)が野田市に造巣、営巣、抱卵しジュニア2羽が誕生しました。その様子を見にコウノトリの里を訪ねました。真夏のような高温と直射日光が照りつける中、ひなたが翼で日陰をつくり、雛が暑くないようにしているしているのを見て子育てははじめてなのにすごいなあと感心。コウノトリのほか、コチドリ数羽が鳴きながら移動している光景、キジの雌雄が水田の脇を移動している姿を観察できました。帰り道には柏の葉キャンパス駅近郊の調整池に立ち寄り、タシギ、ハシビロガモ、オカヨシガモ、ダイサギ、アオサギ、オオヨシキリとの出会いを楽しみました。(写真)2024年5月5日撮影
2024.05.05
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4月13日に3羽のツミが飛翔する姿を目撃して以来、消息が把握できないままでしたが、とうとう雌雄ペアが造巣をスタートさせている光景に出会えました。雄が木の枝を運び込み、キィキィと鳴くと雌が登場して巣の座り心地を確認するような仕草をみせていました。このまま造巣、産卵となってくれるかはまだ不明ですが、見守りをスタートします。(写真)2024年5月5日撮影
2024.05.05
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空一杯の青空が広がる朝となりました。手賀沼沿岸の谷津田にサシバの様子を観察しに出かけました。到着直後、後ろ姿で電柱のステップにとまる猛禽を発見しました。シルエット、嘴の形状などサシバと思われました。待機して行動をしばらく見守ることにしました。すると、今度は電柱のステップに飛来。数度、地面や林縁部の草むらに降りて餌動物をゲットすると電柱のてっぺんに移動。餌を食べると、再び電柱のステップへ移動。餌動物との距離をできるだけ縮めようとする戦略なのかもしれません。抱卵期に入っているので、雌の姿を目撃できませんが、次回以降のお楽しみです。(写真)2024年5月4日撮影
2024.05.04
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昨日、下総台地のフクロウを観察しに出かけた帰り道、手賀沼沿岸の道路を移動していたら、電柱の上に後頸が褐色で肩羽がベージュ色のノスリ若鳥が止まっていました。若鳥個体を見かけたのは2021年7月に続いて2回目です。冬、同じ地域で越冬していた複数のノスリはすでに姿がありませんが、若鳥が移動していく途中に立ち寄ったものなのかどうか、それとも滞在するのか注目したいと思います。(観察個体の特徴)・頭頂に褐色の軸斑がありました。・肩羽がベージュ色、上面が白っぽく見えました。・腹や脛の褐色味は弱い印象でした。・嘴は褐色味がありました。・虹彩は黄色味を帯びていました。・電柱にとまり、時折地面に降りて小動物を捕獲していました。(2021年7月に見かけた個体)・頭頂には軸斑は見えませんでした。・上面は昨日観察した個体に比べると、褐色味が強く印象でした。・腹や脛の褐色味は薄い。(写真)2024年5月2日(四枚目は2021年7月18日撮影)
2024.05.03
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毎年見守っている下総台地の一角にある街で誕生したフクロウを見に出かけました。ふわふわの幼綿羽に覆われている幼鳥2羽の姿を観察できました。巣立ち直後でも趾の頑丈さと大きさは迫力がありました。これから親鳥からの給餌を受けて飛翔能力に磨きをかけ成長していくものと思われます。(参考)フクロウは孵化後30日前後を巣内で過ごし、飛翔能力が不十分な状態で巣から離れるとされています。また、3か月程度は孵化した林で過ごすともされています。(写真)2024年5月2日撮影
2024.05.02
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サギ科の鳥たちがコロニーを形成する頃、夕方、ゴイサギがクワックワッと鳴きながら餌場に向かう光景を見かけます。ところが、6月になると、その光景を昼間に目撃するようになります。ゴイサギは、日中はコロニーでねぐらをとり、日没後餌場に出かけて夜通し採餌すると言われています。ところが、繁殖期は日中も採食するようになり、特に育雛期は何度もコロニーと餌場を往復する光景を見かけます。遠藤(2005)は、青森県で行った調査結果を整理し報告しています。その中で「青森県津軽平野では、繁殖地から10km以上離れた場所でも採食していることが観察され、数日から数ヶ月にわたって同じエサ場を使い続けることがわかった。採食場所を替える際には,繁殖地からの飛去方向は概ね変わらず、それまでのエサ場と同方向で新たな採食場所を探す」と報告しています。また、複数のエサ場で短時間(10~30分間)の採食を行い,最終的にその中の1箇所で夜を通して採食するという行動が観察されたこともあったと報告し、より良いエサ場を選択するためのエサ場間の質の違いを比較するサンプリング行動であると考えられると記しています。(引用)遠藤菜緒子.2005.ゴイサギ 採食場所は慎重に選ぶ.Bird Research News Vol.2 No.8.p4-5.(写真)1枚目:2020年6月21日土浦市、2枚目:同左、3枚目:2018年6月30日土浦市、4枚目:2018年6月30日土浦市、5枚目:2020年6月21日土浦市、6枚目と7枚目:2018年7月22日都内で撮影
2024.05.01
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