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2024.10.30
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昨日、吉川美南でハシビロガモの水面採食を観察しました。
以前、探鳥会リーダーが「ハシビロガモは水面採餌ガモ類でも濾過機能の優れた嘴を持っていて、表層水を濾過し動物プランクトンを主に採餌します」とガイドしてくれたことを思い出しました。
石田(2015)をはじめとする文献が、ハシビロガモについて「群れでくるくる回って水面採食する行動がみられる。集団で渦をつくってプランクトンや植物の種子などを渦の中に集め効率的に採食する行動で渦巻き採食と呼ばれる」と述べていることが背景にあるものと思われます。
しかし、消化器官から動物プランクトンが検出された事例はほとんどないとされます。
それは、文献をふりかえってみました。
松原(1992)は、ハシビロガモの摂食行動と飛来する湖沼の動物プランクトンの季節変動などの関連はどうか等の食性を再検討する目的で調査を行い、結果を報告しています。
調査は1991年3月1日から31日の期間で行われ、捕獲から消化器官の内容物摘出までの処理を行ったものと述べています。
捕獲した7羽のうち、羽の胃内容はほとんど橈脚類(ききゃくるい:浮遊生物ケンミジンコ)によって占められており、その他の3羽からも橈脚類の断片が多数検出され、輪虫類(ワムシと呼ばれる水中の微小動物)、線虫類(長さ0.2から5mm程度の線形の小さな動物)に属すると思われるものが検出されたと記されています。また、植物性のものでは付着性の糸状緑藻が4羽から検出されたと報告しています。
(消化器官から動物プランクトンが検出された事例はほとんどない要因)
(1)捕獲対象の群れが採餌を開始して間もない群れで餌が食道内に蓄積されなかった
(2)動物プランクトンの密度が低く摂取されたものがすぐに消化されてしまっていた
(引用)
松原健司.1992.手賀沼におけるハシビロガモの消化管内容物.
日本陸水学雑誌 53巻.p373-377.
石田光史.2015.野鳥図鑑.p44.ナツメ社.
(写真)
1枚目:2024年10月29日吉川市吉川美南
2枚目:2015年1月10日、3枚目2019年2月28日、4枚目:2022年1月30日いずれも成田市













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最終更新日  2024.10.30 10:34:28
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