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なんでこないおもろいん。一穂ミチって関西の人なんや。本屋大賞ノミネートで話題になった「光のとこにいてね」を読んで、食い足りない(読み足りない)気がして、有名な(?)「スモールワールズ」を読んでも何だかなと思い、直木賞受賞作「ツミデミック」もピンとこなかったけれど、この「パラソルでパラシュート」はおもろい。めっちゃはまった。大阪の29歳の契約社員。30歳の定年(?)を前に生活を考える。(以下、Amazonより)”29歳、流されるままの人生の中で、売れないお笑い芸人と出会った。なんてことない毎日がきらめきだす、ちょっとへんてこな恋愛小説。結婚には興味がないし、仕事も食べていけるだけの収入があれば十分。受付嬢として働く柳生美雨が三十歳の契約終了を前に出会ったのは、売れないお笑い芸人の矢崎亨だった。亨や相方の弓彦、シェアハウスの芸人たちと遊んで過ごす中で訪れる「嵐」。周りに合わせて生きてきた美雨が見つける、初めての希望とは?掌編「夜間降下」を特別収録!”(以上、Amazonより)お笑い芸人たちの悲喜こもごも、受付嬢の悲哀を描いて秀逸。家族とお笑いを描き、はかないつながりに温かみを見せる。大げさに言えばチャップリン映画にあるペーソスを感じさせる。そないな本。ああ、大阪はおもうろうて哀しき人情の町。ごっつぁんでした。パラソルでパラシュート (講談社文庫) [ 一穂 ミチ ]
2025.11.27
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(C)2021 STUDIOCANAL SAS - CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATIONつまらない映画に思えた。原題の“The Electrical Life of Louis Wain”からするとディズニー・ランドのエレクトリカル・パレードのような光り輝く(人生)のようなものを想像したが、そうではなくルイス・ウェインの生涯は寡婦の母と妹5人を養うべくイラストを描きまくる孤軍奮闘の大変な生活であった。妹の一人が、統合失調症で精神病院に収容されたこと、また、ルイス自身が晩年統合失調症で収容されたことを思えば神経過敏な家系だったといえよう。“Electrical Life”をググってみると機械的耐久性(機械的寿命)に対する電気的耐久性(電気的寿命)というものであり、通電することによりそのものの寿命が短くなるということ。電気負荷がかかるという意味で、察するにルイスの人生は多くの家族を扶養してとても負荷のかかるものであったということなのだろう。ゆえに神経を病み、貧乏であった。著名な猫のイラストレーターであった彼の人生が、これほど圧迫されたものでありながら、大好きな猫を描くという幸せを享受しながら生き抜いたという話である。著名ではあるが成功者ではなく、また苦労に絶えない人生であった。見てみても面白くも楽しくもない作品であるが、彼に興味を持った人が彼の人生を知り得るものとして見るべきものであるのかもしれない。U-NEXT にて2021年/イギリス/111分/G監督:ウィル・シャープ原案:サイモン・スティーブンソン脚本:サイモン・スティーブンソン、ウィル・シャープ出演:ベネディクト・カンバーバッチ、クレア・フォイ、アンドレア・ライズボロー、トビー・ジョーンズ、タイカ・ワイティティ、ニック・ケイブ原題:The Electrical Life of Louis Wain(「ルイス・ウェインの電気的耐久性(電気的寿命)」)お薦め度「ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ」★★★(60%)
2025.11.26
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Champagne Problems (2025)「そして恋にはシャンパンを」とは意味不明な題名である。原題の”Champagne Problems ”(シャンパン問題)というのも何か国際情勢のような雰囲気であるけれど、企業買収におけるディーラーの課題だと思えば納得のいく題名である。さて、物語はFilmarksによると”あらすじシドニー・プライス(ミンカ・ケリー)は、強い意志を持った新進気鋭の幹部社員。そんな彼女はついに、大型買収を主導するチャンスを得る。ターゲットはシャンパーニュ地方の中心部にある老舗シャンパンメーカー、シャトー・カッセル。その交渉の一環として、クリスマスの季節にフランスに派遣されたシドニーは、契約をまとめるため、希望に満ちた心で光の都・パリにやって来る。クリスマス間近の魅力あふれるパリの街で一晩だけ休暇を取ることにしたシドニーは、偶然出会ったチャーミングなアンリ・カッセル(トム・ウォズニチカ)と特別な夜を過ごすことに。ところが、一夜にして芽生えた恋心は、実はその相手が彼女が買収しようとしている会社の創業者の息子であると判明して、あっという間に一変する。それでも、創業者ユーゴ・カッセル(ティボール・ド・モンタレンベール)によってカッセル家のブドウ園に招集されたバイヤー候補たちとの穏やかな競争が繰り広げられる中でさえ、シドニーとアンリはお互いにどうしようもなく引かれ合い、芽生え始めた感情を抑えることができないと気づく。Netflixで2025年11月19日から配信開始”とある。軽いタッチの作品なので気休めに見るにはいいかもしれない。(愛憎の深みは感じられない)2025年/アメリカ/99分/監督:マーク・スティーブン・ジョンソン脚本:マーク・スティーブン・ジョンソン出演:ミンカ・ケリー、トム・ウォズニチカ、ティボール・ド・モンタレンベール、ショーン・アムシング、フルーラ・ボルク、アストリッド・ホウェットノールゼイビア・サミュエル原題:Champagne Problems(「シャンパン問題」) お薦め度「そして恋にはシャンパンを」★★★(60%)
2025.11.24
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氷雪の門 -樺太1945年 夏- - 映画チラシカタログブログもっとよく調べれば良かった。配信ではなかったし、全国上映をソ連の横槍で中止となったから幻の作品だと思い、YouTubeで見られることを発見し、見てしまった。今、映画.comを見たら”全国公開直前に急遽公開が中止され、その後北海道など一部地域での短縮版での限定公開となる。2010年にデジタルリマスター版(DV/119分)が製作され初の全国公開となった。オリジナル全長版は153分。”とある。YouTubeは短縮版である。日本の敗戦が濃厚というかほぼ決まってからソ連は参戦を決め、敗戦見込みとなった時点で日ソ不可侵条約を一歩的に破り、宣戦布告もなく侵攻してきた。無条件降伏受諾後も国際法を無視し、樺太全土を手中に収めるまで攻撃、侵攻はやめなかったようである。それにしても終戦ののちに降伏した兵を撃ち殺し、民間人を銃殺するとはあまりにひどい。当時の通信の最たるものとしての電話を維持するために電話交換手の担い手であった若き女性たちが通信網が途絶えるまで力尽くした。そして、無差別攻撃を続けるソ連兵に蹂躙されることを拒んで9人が自決した。その物語である。ソ連兵たちが非道者に描かれているけれど、侵略された敗戦国からすれば、描かれる以上に恐怖であったと思われる。まして、終戦後なのに疎開船を撃沈されていたのだから。主役の二木てるみは名を知るくらいしか見たことがない女優であるが活躍した女優である。他にも岡田可愛、木内みどり、藤田弓子、南田洋子、赤城春恵と見知った女優が出演していて、男優陣も局長の千秋実をはじめ、若林豪、岸田森、島田正吾、丹波哲郎、黒沢年雄、田村高広、浜田光夫と見知ったそうそうたる顔ぶれである。大作だったのだなぁと知れる。チラシは全国公開のもののようだが、中止になったのだから幻のチラシともいえよう。九州に匹敵する大きな島を失って80年。ロシアは返す気はないと思える。電話交換手の彼女たちが自決しなければならなかった状況に惨憺たる思いである。お薦め度「樺太1945年夏 氷雪の門」★★★★(80%)
2025.11.23
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(C)2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会とても良かった。キムタク効果か山田洋次監督だからか東京国際映画祭センター・ピース作品だからなのか、ほぼ満席。原作を改変する山田洋二監督なので、日本風松竹風にしっとりと仕上げている。小ネタの(笑)もある。電話でワンシーンずつ声だけで出演する明石家さんまと大竹しのぶ。上下に離れてクレジットされたことも微笑ましい。「パリタクシー」では自宅玄関で出会うが本作では柴又帝釈天前だ。松竹だな、山田監督だなと思わせた。「パリタクシー」では登場しない家族が本作では登場。妻を優香、娘を中島瑠菜が演じる。芸達者というか演技巧者が集う中で微妙に感じた。優香の演技には隙が、中島瑠菜はつたなく感じた。ググると二人とも出演作は多く、それは単に私が二人を見慣れないせいかもしれない。キム・ヨンギ役のイ・ジュニョンにも違和感を持った。韓国なまりの日本語を話す在日二世はいなかった。生粋の日本人のような日本語を話してた。あとの出演者はみな素晴らしかった。倍賞千恵子もキムタクももちろん、蒼井優もういうことなし、迫田孝也も存分に演じていたし、神野美鈴もマキタスポーツも笹野高史も小林稔侍も良かった。東京大空襲に触れ、変わらない下町と変わってしまった千住と雷門や渋谷スクランブル交差点や秋葉原や東京スカイツリーや外苑銀杏並木や不忍池の池や都庁などなど各所を巡った風景であった。クライマックス、終盤の出来事については忘れていて、衝撃を受けると共にグワンッと感動した。涙した。いい映画である。2025年/日本/103分/G監督:山田洋次脚本:山田洋次、朝原雄三原作映画「パリタクシー」監督:クリスチャン・カリオン出演:倍賞千恵子、木村拓哉、蒼井優、迫田孝也、優香、中島瑠菜、神野三鈴、イ・ジュニョン、マキタスポーツ、北山雅康、木村優来、小林稔侍、笹野高史佐田(声)明石家さんま、圭子(声)大竹しのぶお薦め度「TOKYOタクシー」★★★★☆(90%)
2025.11.22
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(C)2025 スタジオ地図期待はずれ、そう思ってしまった。復讐に命を懸ける王女の話と思っていた。確かにそうなのだが、描かれる世界はあの世とこの世の狭間。地獄門の手前。三途の川を渡る、渡らない世界。荒涼とした原野だったり、砂漠だったりでラクダの一団が盗賊たちに襲われる状況をよく理解できない。死後の世界も現世のように階級や生活レベルの差がそのままにあるのだろうか。納得のいかない設定で生前の場所はデンマークだと知る。シェイクスピアのハムレットをもじっているのかアムレットという王をはじめ、似た設定なのか?「ハムレット」を把握していないのでよくわからない。仇敵を狙う、アムレット王の仇討ちを果たさんとするスカーレットであるが、生死の狭間で徒歩で荒野を歩く。そこに、現代日本の救命士が突如、現れる。ただひとり、何ゆえに?そして、なぜか渋谷スクランブル交差点でのダンスシーンもあったりして、戸惑う。見終えてしまえば、理解充分とは言えない解決。隣国との融和、安寧を願い貧しい人々を救おうとする。頭では理解できても感情が納得しない作品に思える。「サマーウォーズ」「時をかける少女」「そばかすの姫」といった傑作を世にはなっているのに、「バケモノの子」や「おおかみこどもの雨と雪」や「未来のミライ」のように納得できない作品に思える。これは監督の表現力が足りなかったのか、表現を間違ったのか。作品の内容としては成功したものとは思えないけれど、配役キャスティングは素晴らしくて、著名俳優が名を連ねる。兄王・アムレット(声:市村正親)、弟王・クローディアス(声:役所広司)という大御所が演じ、スカーレットは芦田愛菜。彼女の正義感みなぎる声は役柄と合っていると思えた。加えて歌も素晴らしい。エンディングの歌唱は見事であった。救命士・聖の声は岡田将生。終盤に登場する少女はこどもの声と感じたが演じたのは白山乃愛である。東宝シンデレラ・グランプリの将来期待の女優である。ときおり見かけるドラマではどれも素晴らしい演技だ。本編の評価は高くないと思えるがクレジットでの芦田愛菜の歌声は有終の美である。2025年/日本/111分/G監督:細田守原作:細田守脚本:細田守声の出演:芦田愛菜、岡田将生、山路和弘、柄本時生、青木崇高、染谷将太、白山乃愛、白石加代子、吉田鋼太郎、斉藤由貴、松重豊、市村正親、役所広司、宮野真守、津田健次郎、羽佐間道夫、古川登志夫、波岡一喜、内山昂輝、斎藤志郎、上田麗奈、種﨑敦美お薦め度「果てしなきスカーレット」★★★☆(70%)
2025.11.22
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なんという物語だ。これが恋愛小説?男女関係について書かれてはあるが、無機質ともいえる感情がただ流れている。(以下、Amazonより)”〈あなた〉と〈私〉……名前すら必要としない2人の、密室のような恋——幼い頃から自分を大事にできなかった主人公が、恋を通して知った生きるための欲望。西加奈子さん絶賛他話題騒然、至上の恋愛小説。”(以上、Amazonより)2人の関係を、というか3人の関係を、いや4人の関係を規定して見れば図式は明白となるだろうが。それぞれ、どのような人であり、どのような関係であるかはあまりはっきりと書かれていない。〈私〉と年の離れた〈あなた〉。〈私〉の彼と〈あなた〉の彼女、そして〈私〉のシングルマザーの母。〈あなた〉の友がいて、ほぼこれらが登場人物。愛しているというような言葉は出ず、生きていくことも生きていることも停滞しているのか亀の歩みで進んでいるのか。激情があっても激情に駆られることなく、とはいえ極端な行動に出る。負の感情に覆われる気がするが正の感情があるとも思える。ふかといえるものは、不可、付加、どちらもありそうで、私がダメージを受けるには異質なものなのかもしれない。あられもない祈り【電子書籍】[ 島本理生 ]あられもない祈り (河出文庫) [ 島本 理生 ]
2025.11.20
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初めて電子図書館で本を読んだ。瀬尾まい子の本だ。自身の身の回りに起こったことを参照して、心に響く作品を書いている。なぜ主人公の女の子は小さいのかと思った。それは作者の瀬尾まい子が小柄だということなのかもしれない。作者自身に起こったことなのか、身近な人に起こったことなのか。わからないけれど風変わりな家族の日々を描写して、読者にわかると思わせる作品になっている。衝撃的な出来事に主人公同様におおきなショックを受けるが、これも生きる、生きているということなのだろう。幸福な食卓 (講談社文庫) [ 瀬尾 まいこ ]
2025.11.19
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事件とはいえない事件から始まる。今から10年前の作品。恋愛小説を描いて秀逸な島本理生からするとちょっと異質な作品。純文学、私小説と評するブログもあったりする。島本理生「夏の裁断」 - 杉本純のブログ私も読んでいて、作家が実体験したことや見聞きしたことが反映されている気がした。大人の男たちに翻弄される少女の心。他人、男とどう接していいかわからない女性。大人になっても少女のままの心である。というか子供の時に背負った負の感情というものはなかなか払しょくされるものではない。それゆえ、男に対して恐怖を感じて何事も受け入れてしまうというか、跳ね返せない。拒絶できない。しかし、気持ちは反発する。制御できないときに攻撃的な行動をするが、それとて腰砕け。さて、私は島本理生が好きだと公言してきたが、この本の彼女は、わからない。本を受け入れるには負の感情がうずまき抵抗する。恋愛の感情、心を描いてすぐれた作家が恋愛に至らない男女の行動を無機質に描く。薄気味悪い感じがする。こういったことが過去あったんだなぁと思い、それを本にしたかった、公言したかった彼女の心持はいったい何を求めていたのだろうか。夏の裁断 (文春文庫) [ 島本 理生 ]
2025.11.18
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不思議な物語を読んだ。どこからともなく現れるタクシー。乗ったのはいいけれど、料金が加算されていくのではなくて、運気ポイントが減っていく。主人公は中年のおっさん。保険の外交員。一度に大口のキャンセルがあったことから退職するしかないかなと考え始める。そんな時に乗り合わせた運命のタクシー。必然と思えるところに届けてくれる運転者であるが、何かを支持するわけではない。「プラス思考で誰よりも笑おう」という。そんなことで人生が好転すればいいけれど。悔やんでいてもしょうがない。とりあえず、誰よりも笑おうか。運転者 未来を変える過去からの使者 (喜多川 泰シリーズ) [ 喜多川 泰 ]
2025.11.16
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(C)2025「ブルーボーイ事件」製作委員会何も前情報を知らず映画館で予告編を見た時から見たいと思った。現代の話だと思っていたが、見始めて昭和37年の新聞が映し出されて次々と新聞が上書きされて昭和40年1965年となった。男女と蔑まれた「ブルーボーイ」と呼ばれた性転換手術を施した者たちにその手術を施した医者の裁判ものである。といっても被告である医者はほとんど出ず、証人証言者となる「ブルーボーイ」を描いた作品である。(以下、映画.com)”主人公・サチ役のキャスティングにあたってはトランスジェンダー女性を集めたオーディションを実施。ドキュメンタリー映画「女になる」に出演経験はあるが演技は初挑戦の中川未悠を、主演に抜てきした。サチのかつての同僚たちをドラァグクイーンのイズミ・セクシーとシンガーソングライター・俳優の中村中、弁護士・狩野を錦戸亮が演じた。監督は「フタリノセカイ」などトランスジェンダー男性というアイデンティティを反映させた作風で国内外から注目を集める飯塚花笑。”(以上、映画.com)主役はトランスジェンダーの中川未悠である。演技未経験者である未熟さぶりが感じられるけれども心、気持ちが十分伝わってくるものであった。アー子役のイズミ・セクシーはドラァグクイーンというだけあって男を感じさせるものがあったし、シンガーの中村中はメイ役で女性と見まごう女性っぷりが板についていた。アンミカを彷彿した。演技巧者よりも存在重視と思える中で弁護士を演じた錦戸亮もなかなかの出来であったが中川未悠の相手役で足の悪い婚約者を演じた前原滉がとても良かったと思う。そして、何よりその母役、梅沢昌代が最良だった。年老いた母を見事に演じ、田舎者であること、ただただ息子の幸せを願って多くは言えない老婆の胸中をセリフにすることなくふとんを挟んで息子の彼女に頭を下げるhシーンに涙がにじんだ。その後、裁判を含むいりいりなシーンで気づくと私は泣いていた。涙が両眼から伝っていた。泣いていたのは私だけかもしれない。男とか女とかではなく私自身をその存在を感じさせてくれたサチ(中川未悠)の弁論は最高だった。2025年/日本/106分/G監督:飯塚花笑脚本:三浦毎生、加藤結子、飯塚花笑出演:中川未悠、前原滉、中村中、イズミ・セクシー、真田怜臣、六川裕史、泰平、渋川清彦、井上肇、安藤聖、岩谷健司、梅沢昌代、山中崇、安井順平、、錦戸亮お薦め度「ブルーボーイ事件」★★★★☆(90%)
2025.11.15
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(C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.一押しの女優エル・ファニングが出演している。”プレデター”は見たことがない。評判も上々。これは見るべきだ。見るしかない。で、見に行った。ストーリーの良し悪しはまぁまぁ。これまでの話と特につながりがあるとも思えず、この作品のみで田あのしめると思う。けれど、そもそもプレデタアーって何?となっちゃうとダメかも。小柄で弱いプレデターが強くなろうと最強の怪物を狩りに行く話。その狩りに行くまでが父親と兄とでひと悶着あり、いわく付きの遠征となる。目当てとする怪物を探していると瀕死のアンドロイドに出会う。このアンドロイドがエル・ファニングで同型のアンドロイドと二役を演じる。いろいろな動植物怪獣が現れて危機一髪が続くが、背負ったアンドロイドに助けられ、最強の怪物とも対峙する。そこへ怪物採集にやってきたアンドロイドたち……。銃撃戦などバトルは見物。多少の感傷を交えて、スペクタクルに描く。ストーリーはともかく、見ごたえはあると言える。2025年/アメリカ/107分/G監督:ダン・トラクテンバーグキャラクター創造:ジム・トーマス、ジョン・トーマス原案:ダン・トラクテンバーグ、パトリック・アイソン脚本:パトリック・アイソン、ブライアン・ダフィールド出演:エル・ファニング、ディミトリアス・シュスター=コローマタンギ原題:Predator: Badlands(「捕食者:荒地」)お薦め度「プレデター バッドランド」★★★★(80%)字幕翻訳:尊子
2025.11.15
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マスカレードシリーズ4作目と思っていたら5作目だった。書き下ろし。(以下、Amazonより)”ホテル・コルテシア東京で開催されることになった、『日本推理小説新人賞』の選考会。当日、文学賞受賞の候補者として、ある死体遺棄事件の重要参考人が会場に現れる!?警視庁を辞め、コルテシア東京の保安課長となった新田浩介が、お客様の安全確保を第一に新たな活躍をみせる!”(以上、Amazonより)2024.03.17読書レビュー「マスカレード・イブ」東野圭吾:著 集英社文庫2024.03.02読書レビュー「マスカレード・ホテル」東野圭吾:著 集英社文庫2024.04.07読書レビュー「マスカレード・ナイト」東野圭吾:著 集英社文庫2024.05.06読書レビュー「マスカレード・ゲーム」東野圭吾:著 集英社映画の方も見てる。2024.03.28映画レビュー prime video「マスカレード・ホテル」2024.04.08映画レビュー prime video「マスカレード・ナイト」その後、「マスカレード・ゲーム」は映画化されるのだろうか。木村拓哉と長澤まさみの共演となると、どちらも映画、テレビに忙しくスケジュールがなかなかとれないのだろう。スケジュールがとれたら、「マスカレード・ゲーム」と「マスカレード・ライフ」を続けて撮影したほうが良いかもしれない。原作を読む前から2人の顔は頭にあったが、映画を見てからは2人の存在は確実となり今回「マスカレード・ライフ」を読むに当たり、新田浩介は木村拓哉、山岸尚美は長澤まさみとして、ありありとあった。【ゲーム】【ライフ】に登場する捜査一課係長(警部)の梓 真尋(あずさ まひろ)であるが、非常に優秀な女性刑事であり、今たまたまテレビドラマを見ていて「新東京水上警察」の警視庁捜査一課殺人犯捜査第10係篠宮班 班長で警部の篠宮多江を演じる野波麻帆が適任に思える。「マスカレード・ライフ」では出版社主催の新人賞の選考会が描かれており、作者・東野圭吾の直木賞を始めとする選考委員になった経験が生かされていると思えた。新人賞受賞の最有力候補者が事件の重要参考人となっており、その居所・正体がわからないというミステリー。並走する30年前の殺人事件の関係者のいざこざもあり読者はハラハラしながら、また楽しみながら読める。私は大いに楽しみながらサクサク読んだ。映画も見たいものである。マスカレード・ライフ (マスカレードシリーズ) [ 東野 圭吾 ]
2025.11.14
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(以下、Amazonより)“”第15回『このミステリーがすごい! 』大賞・優秀賞受賞作!“歩く一人諜報組織"=《クルス機関》の異名を持つ神奈川県警外事課の来栖惟臣(くるすこれおみ)は、日本に潜入している北朝鮮の工作員が大規模テロを企てているという情報を得る。違法な囮捜査を駆使して工作員を追う来栖。一方そのころ、北の関係者と目される者たちが口封じのため次々と暗殺されていた。暗殺者の名は、呉宗秀(オ・ジョンス)。日本社会に溶け込み、冷酷に殺戮を重ねる呉だったが、彼の元に謎の女子高生が現れてから、歯車が狂い始め――。桜木町、福富町、寿町、石川町――横浜を舞台に、神奈川県警・公安のエースと孤高の工作員が静かに火花を散らす。“”(以上、Amazonより)刑事の一匹狼、その意味で「新宿鮫」を彷彿とさせる作品であった。舞台は横浜。後書きにもあるが第15回『このミステリーがすごい! 』大賞の選考で最後まで争った作品とのこと。そして、「新宿鮫」の「毒猿」に似ているともあった。壮大なスケール、台湾と日本・新宿における捜査・闘い、が「新宿鮫」。北朝鮮と日本・横浜における捜査・闘い、が「クルス機関」。考えることすらできない構造で描かれる深く入り組んだ犯罪と組織。来栖という規格外の公安刑事の捜査、行動が逸脱しながらも成果を上げていき、対する工作員も次々と任務をこなす。水面下に潜っているはずの工作員が徐々に浮かび上がってくる。先を読みたいという気持ちで読み進んだ。北朝鮮だけでなくCIAのアメリカと日本の政府、はては中国まで巻き込んだ陰謀とテロ。クライマックスは壮絶で驚きであった。シリーズ三作まで出版されている。もちろん、読むぜ。県警外事課 クルス機関【電子書籍】[ 柏木伸介 ]
2025.11.13
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Ballad of a Small Player (2025)この不毛な作品の感想を述べようと思うとかなりとんでもない作品なのでまとまらない。と思ったらいい得て妙、とてもよくまとめられているサイトがありましたので、よければ参考にしてください。『端くれ賭博人のバラード』結末の謎を考察!ダオミンは幽霊?金を燃やした理由と原作との違いを徹底解説【ネタバレ】 | YOSHIKIのMOVIE SELECTION′Sと、このサイトを参考にしつつ私自身考察してみると、というか考察するほどのことではないのだけれど、運のないギャンブラーがミステリー世界にはまるまでは出来損ないの大手作品を見ているようで理解しながら眺めていた。ところが、そばにいた女が存在しない。幽霊か魂か精霊か、とにかくこの世のものではないということがわかった時点から煙に巻かれたように夢想の世界に入り込まざるを得なかった。見終えてしまえば、現実の世界だったのか?という不確かな結末を受け入れるしかない。道理のない意味不明な世界。良否は見た人の感性にゆだねるしかないのだろう。Netflixにて2025年10月29日から配信。2025年/イギリス・ドイツ/102分/監督:エドワード・ベルガー原作:ローレンス・オズボーン脚本:ローワン・ジョフィ出演:コリン・ファレル、ファラ・チェン、ディニー・イップ、アレックス・ジェニングス、アンソニー・ウォン、ティルダ・スウィントン原題:Ballad of a Small Player(「小者の歌」) お薦め度「端くれ賭博人のバラード」★★★(60%)
2025.11.12
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AMAZONによると(以下、Amazonより)“最高到達点!!!著者単行本売上第1位(弊社調べ)本屋大賞ノミネート作品!超話題沸騰!!ミステリ界が唖然、呆然、絶賛!島田荘司「これを超える作が現れることはないだろう」綾辻行人「ああびっくりした」有栖川有栖「まるで本格ミステリのテーマパーク」法月綸太郎「綱渡りのどんでん返し」560ページ一気読み!ミステリファン必読の書!!雪深き森で、燦然と輝く、硝子の塔。ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、ゲストたちが招かれた。この館で惨劇が起こる……。館の主人が毒殺。ダイニングでは血塗れの遺体。血文字で記された十三年前の事件。名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬が謎を追う。散りばめられた伏線、読者への挑戦状、驚愕のどんでん返し。2022年本屋大賞ノミネート作であり、知念実希人史上、最大ベストセラー作!”(以上、AMAZONより)となるがこれは文庫本から拝借。読んだものは単行本である。2025年10月3日、実業之日本社文庫にて文庫化。とある。さて、大ベストセラーとして人気の本作。読んでみてミステリーファンなら読まずにはいられないのだろう。しかし、ミステリファンが狂喜乱舞するような設定もオタクあるあるも私の読書熱を高めることはなく、逆に冷めた目で読み進めることになる。500ページを超える長編ゆえに読むには時間がかかったが、密室としたトリックやどんでん返しのどんでん返しは驚きはすれど感心したくらいかな。感動までいかないところで激賞するような作品ではないと考える。とはいえ、なかなかの工夫が施されてあり、読んで損はない。殺人が殺人でなく、また殺人が行われたという点も“へぇ”と思ったほどである。犯行動機が希薄に感じた。それが私がはまらなかった点なのかもしれない。硝子の塔の殺人 (実業之日本社文庫) [ 知念 実希人 ]
2025.11.10
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(C)2024 CHAPTER 2 – PATHE FILMS – M6 FILMS – FARGO FILMS2025年・第50回セザール賞にて同年度最多の14部門にノミネートされ、美術賞と衣装デザイン賞を受賞した。巌窟王としての名は知っており、幼児期に漫画で読んだかもしれない。しかし、小説で読んだことはなく、その筋書きもまったく知らない。見てみて驚いたのは復讐劇であるということ。正義感の強い男が邪な男たちに嵌められて長年投獄されてしまうという理不尽さ。この理不尽さに憤りを感じ主人公に同情する。モンテ・クリスト伯ことエドモンが被る覆面がどこまで精巧なのか、あの時代にあそこまでの覆面が作られるのかと疑問を持つけれど、それはさておき、全体としてのつくりは素晴らしく登場する女性たちが気になった。男は悪い奴ばかり、女は翻弄されるばかり。その役割は単純に思えるが19世紀の話のせいなのかもしれない。とても見ごたえのある復讐劇を見せてもらった。しかし、これでモンテ・クリスト伯は憂さ晴らし、恨みをはらせたのだろうか。エデ役のアナマリア・バルトロメイがとても良かった。「ヴィオレッタ」という少女ヌード事件の映画に10歳でタイトルロールを演じた。この映画と2021年・第78回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した「あのこと」の主人公アンヌで彼女を見ている。しかし、注目したのはこのエデ役が初めて。復讐と恋心の狭間に苦悶する女性をよく演じていた。メルセデスを演じたアナイス・ドゥムースティエも良かった。エドモンを恋していた女性をよく演じている。「彼は秘密の女ともだち」が印象に残っている。あと、ヴィルフォールの妹役、冒頭で海に投げ出されエドモンに救出される女優もよかったな。この女優、なんという名だろうか。2024年/フランス/178分/G監督:アレクサンドル・ド・ラ・パトリエール、マチュー・デラポルト製作:ディミトリー・ラッサム原作:アレクサンドル・デュマ脚本:アレクサンドル・ド・ラ・パトリエール、マチュー・デラポルト撮影:ニコラ・ボルデュク美術:ステファーヌ・タイヤッソン衣装:ティエリー・ドゥレトル出演:ピエール・ニネ、バスティアン・ブイヨン、 アナイス・ドゥムースティエ、アナマリア・ヴァルトロメイ、 ロラン・ラフィット、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、パトリック・ミル、ヴァシリ・シュナイダー、ジュリアン・ドゥ・サン・ジャン 原題: Le Comte de Monte-Cristo (「モンテ・クリスト伯」)お薦め度「モンテ・クリスト伯」★★★★☆(90%)字幕翻訳:手束紀子
2025.11.09
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(C)呉勝浩/講談社 2025映画「爆弾」製作委員会原作ものは映画化されて落胆することが多い。それは原作通りの内容になっていないことが原因であることが多い。映像化できないと思えるものを矮小化したり代替品で済ませようとするからだ。内容を変えてしまってはそもそもの原作が意味をなさない。それゆえ極端なものは原作とせず、原案などとうそぶいたりしている。さてこの「爆弾」は映画化に関し、落胆することがなく題字の絵が素晴らしかった。観客を見る気にさせる題字であった。そして内容に関しても原作を忠実に再現していると思え、後半の記憶がないのでクライマックスから終盤は断言することができないけれど、原作を読んだものを落乱させることなく、原作を凌駕するがごとくスゴイ作品となっている。映画化が発表されて類家を山田裕貴が演じるということに少々不満に感じて、スズキタゴサクが佐藤二朗と知り、どうなのだろう?と疑問を持った。しかし、映画を見始めると、等々力役に染谷将太という灰汁の強い人俳優がキャスティングされ、その彼を上回る類家という灰汁の強い役を山田裕貴は良く演じていた。驚愕すべき程の名演技を見せたのはスズキタゴサク役の佐藤二朗である。ビデオで早口でしゃべる彼は取りつかれた犯人のようであり、取調室で見せた激怒する常軌を逸したスズキタゴサクは圧巻であった。頭脳と頭脳のぶつかり合いが力業のように剛力で見る者は固唾を飲むばかりである。爆破シーンも大勢の人々のシーンも圧巻でスペクタクルであった。圧倒されたとしか言いようのない映画化に万歳をおくる。2025年/日本/137分/PG12監督:永井聡原作:呉勝浩脚本:八津弘幸、山浦雅大出演:山田裕貴、伊藤沙莉、染谷将太、坂東龍汰、寛一郎、片岡千之助、中田青渚、加藤雅也、正名僕蔵、夏川結衣、渡部篤郎、佐藤二朗お薦め度「爆弾」★★★★☆(90%)
2025.11.08
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注目の夜ドラであった。私の注目は出演者、翌期の朝ドラ「風、薫る」のヒロインの一人、上坂樹里(こさかじゅり)である。「御上先生」を見て気になった2005年7月生まれの20歳。主要キャスト4人のうちの一人・日比野ひかりを演じる森田望智の高校生時代を演じる。このドラマ、良さげな内容ではあるが、キャスティングの見た目のちぐはぐさが視聴者の脳に混乱を引き起こす。主演・望月飛鳥演じる木竜麻生の高校時代を演じる田牧そらと取り違えてしまうのである。見た目では上坂樹里→木竜麻生、田牧そら→森田望智の方がしっくりくる。細面顔の上坂樹里・木竜麻生、どちらかというと丸顔の田牧そら・森田望智の組み合わせである。他の二人、長身の水原周演じる白倉碧空と片山友希、めがねのポニーテールの山下桐里と伊藤万理華がしっくりするほど似ていたのでその違いに脳内バグが発生する。理解してもなかなか視覚的に慣れなかった。初めてみる主演の木竜麻生(きりゅうまい)は数多い出演作にもかかわらず見たことがなく、こんな女優がいたのかと驚いた。さて、ドラマは高校時代に天文部を作った四人が30歳を過ぎて再開し、天文部発案者の日比野ひかり(森田望智)に振り回されるように自分たちの人工衛星を打ち上げるというプロジェクトに巻き込まれる。そんな中、高校時代に発症したガンが再発し、途中退場となる日比野ひかり。彼女の遺志を継いで自分たちの人工衛星打ち上げに奔走する3人。そして、ついには……。という、ある種、なぜ生きるかの問いに答えるような作品である。とても良かった。
2025.11.06
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(C)2025「おーい、応為」製作委員会応為を演じる主演・長澤まさみの絵筆さばき、人生を演じることを期待して見に行った。また、NHKドラマで宮﨑あおいがお栄(応為)を演じた 「眩(くらら)~北斎の娘」を超える作品を期待していた。しかし、映画「おーい、応為」は応為の絵筆も生き様も描くことなくほぼ北斎を捉えることに終始していた。映画「おーい、応為」で鉄蔵/葛飾北斎を演じる永瀬正敏は怪演といえるほど変幻自在に年老いていく老匠を演じている。変わっていく鉄蔵の容貌もすさまじく親父のような風貌から徐々に禿げていき、一度は総白髪になり、また坊主になっていく。手のしわも、顔のしわも刻まれていき、ついには原型をとどめないほどまでに老けてしまった鉄蔵のすさまじさは驚異であり讃えるべき出来栄えであった。その彼に対峙する長澤まさみのお栄(応為)は勝ち気で威勢の良さが男、いや武士顔負けのすごさであったが全編それしかなく一辺倒な演技といえるものであった。物語のテンポ、音楽はつまらなさ、たいくつさを助長するがごとく弱く静かな感じがした。いま、これを書こうとして原作を確認してみたところNHKドラマ「眩(くらら)~北斎の娘」は朝井まかてが書いた葛飾北斎の娘で「江戸のレンブラント」とも称される天才女絵師・葛飾応為の知られざる生涯を描いたものであったのに対し、映画「おーい、応為」は飯島虚心の「葛飾北斎伝」、杉浦日向子「百日紅」(北斎を中心とした漫画)とどちらも北斎が中心のものであるようだ。よって北斎の映画となってしまってもしかたなく、応為を描くものとはならなかった一因は手本にした原作にも遠因があるのかもしれない。映画となった応為はドラマより闊達に先鋭にみずみずしい存在感を現してほしかったと思う。2025年/日本/122分/G監督:大森立嗣原作:飯島虚心、杉浦日向子脚本:大森立嗣出演:長澤まさみ、髙橋海人、大谷亮平、篠井英介、奥野瑛太、寺島しのぶ、永瀬正敏、和田光沙、吉岡睦雄お薦め度「おーい、応為」★★★(60%)
2025.11.03
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NHK BSシネマで放送される映画の中からおすすめ作品を紹介します。11月おすすめ作品は「エレファント・マン」11/1、「或る夜の出来事」、「英国王のスピーチ」11/4、「暗くなるまで待って」11/5、「エルヴィス」11/6、「黄色いリボン」11/7、「八甲田山」11/10、「ワーロック」11/14、「ボーン・アイデンティティー」11/15、「タクシードライバー」11/18、「ボーン・スプレマシー」11/22、「波止場」11/24、「ブレードランナー ファイナル・カット4K版」11/24、「ジャッカルの日」11/26、「西部戦線異状なし 完全版」11/27、「荒野の用心棒」11/28、「ドクトル・ジバゴ」11/29、「ボーン・アルティメイタム」11/29、(題名の後の日付は放送日)、この作品の中から選んだ5作品はこれら。紹介済みの「英国王のスピーチ」「暗くなるまで待って」「ボーン・アイデンティティー」「タクシードライバー」「ブレードランナー ファイナル・カット」「ドクトル・ジバゴ」を省く。(チラシ画像の下のリンクは画像の出展元を掲載)Yahoo!オークション - 洋画チラシ【エレファント・マン (1980)】A デヴ...「エレファント・マン」2025年11月1日(土)午後9時00分~The Elephant Man 1980 アメリカ・イギリス 124分 マスクの下の主体は!?その素顔を見ることだけで話題になった傑作。お薦め度★★★★(80%)映画.com3.9/Filmarks3.8チラシの手帖: 或る夜の出来事(77R)「或る夜の出来事」2025年11月3日(月)午後2時30分~It Happened One Night 1934 アメリカ 105分 名画座で見た時の衝撃。素晴らしく素敵なラブストーリー。ロマンチック・コメディの素晴らしさ。クラーク・ゲイブルの存在感を大いに感じた。お薦め度★★★★☆(90%)映画.com4.3/Filmarks4.0波止場【1973年再公開版】 | 映画チラシ・フライヤー・パンフレット販売 大辞典「波止場」2025年11月24日(月)午前9時30分~On the Waterfront 1954 アメリカ 108分 名匠エリア・カザン監督とマーロン・ブランドが再タッグを組み、1955年・第27回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞など8部門に輝いた社会派ドラマ。私が映画を見始めた頃には過去の映画スターとなっていたマーロン・ブランド。その彼が全盛期の話題作。名画座で鑑賞。お薦め度★★★☆(70%)映画.com3.5/Filmarks3.7 映画チラシサイト:ジャッカルの日「ジャッカルの日」2025年11月26日(水)午後1時00分~The Day of the Jackal 1973 イギリス・フランス 142分 フランスのドゴール大統領暗殺を請け負った孤高の殺し屋ジャッカルと、それを阻止しようとする警察を描いた社会派サスペンス。テレビでしか見ていないけれど、その衝撃はジャッカル演じるエドワード・フォックスの顔と名を脳裏に刻み付けた。お薦め度★★★★☆(90%)映画.com4.0/Filmarks3.8蔵臼金助・『荒野の用心棒』&マカロニウエスタン連載コラム 最終回: 荒野の用心棒 完全版 製作50周年 Blu-rayコレクターズ・エディション 公式ブログ「荒野の用心棒」2025年11月28日(金)午後1時00分~Il magnifico straniero 1964 イタリア・スペイン・西ドイツ 99分 見たという記録はなく見たという記憶が残る遠い昔。クリント・イーストウッドをスターにしたマカロニ・ウエスタンの傑作。お薦め度★★★★(80%)映画.com3.8/Filmarks3.7
2025.11.02
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(C)武田綾乃/講談社 (C)2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会(以下、Amazonより)”大学生の宮田陽彩は浪費家の母親に代わって学費と家計を稼ぐため、学校以外のほとんどの時間をコンビニでのアルバイトに費やしている。母親からは暴力も暴言もないが「愛している」という言葉で縛られ、緩やかな絶望のなかで人生に期待することなく生きてきた。そんなある日、同じコンビニで働く派手な見た目の同級生・江永雅の父親が殺人犯だという噂を耳にする。他の誰かと普通の関係を築けないと思っていた陽彩と雅の出会いは、それぞれの人生を大きく変えていく。”(以上、Amazonより)武田綾乃・原作であること、注目している馬場ふみかが出演していることで映画館に見に行こうと思ったけれど、他の映画作品を優先して見逃していた。見てみて、これほど不幸でこれほど暗くてこれほど愛に恵まれなくてこれほどどうしようもない若者たちの物語。人を信頼することはできないけれどよりどころとなる人がいて良かった。見て気分が良くなる話ではないけれど落ち込まなくて良かった。これも人生。2025年/日本/109分/監督:井樫彩原作:武田綾乃脚本井樫彩、イ・ナウォン出演:南沙良、馬場ふみか、本田望結、基俊介、伊島空、池津祥子、河井青葉お薦め度「愛されなくても別に」★★★☆(70%)
2025.11.02
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(C)2025「てっぺんの向こうにあなたがいる」製作委員会吉永小百合主演映画というのになぜこんなに観客が少ないのだろうか。エベレストに女性で初登頂した田部井淳子の話なのに、「南極物語」や「植村直己物語」となにが違うんだろうと思いながら見ていた。「南極物語」は犬のタロー、ジローの物語であり高倉健主演で大いに喧伝されたいた。「植村直己物語」は遭難した植村直己が大々的に取り上げられて、その興奮が冷めやらぬ中での映画製作で話題をよんだと記憶する。さて、今作「てっぺんの向こうにあなたがいる」は文章が題名となっていて田部井淳子物語としていない。モデルとしただけでフィクションの部分が多かったのか。とも思ったので田部井淳子さんのWikipediaを見ると七大陸最高峰への登頂までもやりとげたすごい人ではないか。映画ではそのことを描かず、エベレスト登頂とその後の癌と併存した生活にスポットを当てている。若い時はのんが演じ、後半生は吉永小百合が演じる。後半生の場面ではことあるごとに私は涙した。泣きながら見ていたといってもいい。いい映画にいい作品に出演されて良かったな、と思った。若い時ののんの見かけは良くて歳をとると吉永小百合の感じになるなと思えたし、夫の工藤阿須加は適役であった。後年の夫役の佐藤浩市は工藤程似合ってはいなかったが、いつもの強面を引っ込めて妻を支える献身的な部分をよく演じていた。新聞記者の北山悦子(青年期)茅島みずき、(後半生)天海祐希も良かった。若い時と後半生を行きつ戻りつするので理解するにはしっかりと見ていなくてはならない。ラストシーンにひと言いいたい気もするが、泣きながら見ていい作品だと思えるので、コメントしないでおこう。いい映画でした。2025年/日本/130分/G監督:阪本順治原案:田部井淳子脚本:坂口理子出演:吉永小百合、のん、木村文乃、若葉竜也、工藤阿須加、茅島みずき、和田光沙、円井わん、安藤輪子、中井千聖、長内映里香三浦誠己、金井勇太、カトウシンスケ、森優作、濱田マリ、浅見小四郎、天海祐希、佐藤浩市お薦め度「てっぺんの向こうにあなたがいる」★★★★(80%)
2025.11.01
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まただ、島本理生の本を読むと「好きだ」という感情が芽吹く。文体が好きなのか、書かれている話が好きなのか、作家本人がすきなのか。よにかく読み始めるとエモーショナルに好きモードが爆上げする。こんな作家は彼女一人である。相当、好きなのであろう。短編の羅列か、と思うほど短い物語が23篇おさめられている。当初、無関係かなと思った物語は繋がっていた。あとがきでLUMINEの広告として連載していたショートストリーだと知る。ゆえにこれほど短く、これほど多くあった。美男美女も登場するが都会に生息する片田舎のシングルマザーもいたりして、なかなかの戦々恐々とした状況の時もあった。スタイリッシュなのか、エモーショナルなのか。多くを語らずとしても多くを感じさせる内容にしびれた。私はやはりとても島本理生の本が好きなようである。週末は彼女たちのもの (幻冬舎文庫) [ 島本 理生 ]
2025.11.01
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(以下、Amazonより)”同僚三人が近頃欠勤を繰り返すのが気に入らない私は、その一人の先輩女性下村さんに、彼らの三角関係を知らされる。恋人を取られた下村さんの気ままな言動に翻弄される私の日々を描く、新潮新人賞受賞&芥川賞候補作。”(以上。Amazonより)なんだかなぁ、不思議な感覚。親密なわけでも仲が良いわけでもなく、空気読めない人として職場で仕事にいそしむ主人公。責任者一人と同僚3人。全員で5人の部署で、結婚している上司(責任者)を除き、4人のうち3人が休んだ。男1は女1と同棲していたが、女2と恋仲になり、好きな人がで出来たと女1と別れ家を出て、女2の部屋に転がり込む。そんな三角関係になっていたことをまったく知らない主人公20代の女。その職場での話。そして、その後。ありがちではあるけれど不思議な状況にキツネにつままれたような感覚で読んだ。ふむ、こういう小説もあるのか、みたいに思う。芥川賞候補作らしい語りであった。
2025.10.30
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(以下、『クロエとオオエ』(有川 ひろ)|講談社より)”お待たせいたしました、ド直球のお仕事ラブコメです。恋と宝石。「宝石の価値ってそんなに重要?」思いがけない彼女の言葉がぼくを心地よく壊す。当たり前を超えていけ「いや、ごめん要らないわ、これ」「は!?い、要らないってお前……嵌めてみもせずに!?」横浜で三大続いた宝石商(ジュエラー)の嫡男・大江頼任と、彫金を家業とする職人の娘・黒江彩。最初のデートで頼任が贈ったリングを突き返してから、二人の関係は「メシ友」と「恋人」の間で謎のまま。頼任の店のお得意様のブライダルジュエリーのオーダーを皮切りに、クロエがジュエリーデザインを引き受けるようになってから、二人の関係性が変わっていく。宝石をのぞくと見える美しい別世界。これを表現できるのは彼女だけ。”(以上、『クロエとオオエ』(有川 ひろ)|講談社より)これモデルがいるのか…あんまりなこと書けないね。といってもこの本が良くないという話ではない。そこそこ良かった。そこそこである。何が良くなかったかといえば、王道を全否定したことかなぁ。もとよりジュエリーには関心ないし、よく知らない。小説に出て来る斬新なデザインも斜め上のスタイルも理解はすれど感心しない、って感じかな。宝石関係なく台座などのデザインに凝れば、しかも安価なものは1万円前後となれば、それはもうジュエリーでなくアクセサリーなのではと思えるからである。宝石を一番輝かせることこそジュエリーたるものだと思えるのだが……。といった点もあるけれど、話の本筋としては煮え切らない主人公というか煮えているのに沸騰しない恋愛未経験(?)の御曹司の気持ち、行動がよくわからない。それにもまして、相手となるクロエの気持ちなんてもっとよくわからない。彼女の美的感覚、デザイン性を熟知することなどできず、王道のジュエリーに心を寄せてしまうゆえか、さっぱりチンプンカンプン。愛する相手よりもジュエリーをとるようなそぶりは自分自身至上主義にも思えて、なかなか同調できなかった。その意味では元カノの関西女性が一番しっくりと納得できたかもしれない。さて、皆さんはどう読んだでしょうか?クロエとオオエ [ 有川 ひろ ]
2025.10.29
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ハウス・オブ・ダイナマイト : ポスター画像これはある種現代のアメリカ、もしくは近未来のアメリカを描いているのかもしれない。敵国からの核ミサイルのおびえる米国を描き出したと言える。迎撃ミサイルが100%迎撃できるものと思っている観客に成功率61%というコイントスのような確率を提示し恐怖をあおる。恐怖、そう恐怖なのだ。アメリカは安泰であるということが言えなくなった現代が投影されている作品である。アメリカのシカゴに飛翔してきた核弾頭ミサイルが炸裂したのかどうか。アメリカは対抗手段にでるのか。緊迫の1秒1秒を映し出す。核弾頭ミサイルの発射位置が不明ということだが、衛星でキャッチできなかったとしても、防犯カメラ、ドライブレコーダー、スマホなど位置を特定できる手段はいくらでもあると思う。ゆえに映画の嘘として理解しておこうと思う。この核弾頭ミサイルが着弾したかどうかは描かれなかったけれど、描けない、描いてはいけないという判断なのだと思う。緊迫した映画だった。Netflixにて2025年/アメリカ/112分/G監督:キャスリン・ビグロー脚本:ノア・オッペンハイム出演:イドリス・エルバ、レベッカ・ファーガソン、ガブリエル・バッソ、ジャレッド・ハリス、トレイシー・レッツ、アンソニー・ラモス、モーゼス・イングラム、ジョナ・ハウアー=キング、グレタ・リー、ジェイソン・クラーク、マラカイ・ビーズリー、ブライアン・ティー、ブリタニー・オグレイディ、ベンガ・アキナベ、ウィラ・フィッツジェラルド、レネイ・エリース・ゴールズベリイ、カイル・アレン、ケイトリン・デバー原題:A House of Dynamite(「ダイナマイトの家」) お薦め度「ハウス・オブ・ダイナマイト」★★★☆(70%)
2025.10.26
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菅田将暉 - Wikipedia 第37回東京国際映画祭にて(2024年)菅田将暉は芸名だとは思ったが、本名が菅生 大将(すごう たいしょう)だとは思わなかった。大将ってすごくない?大将ってトップということなんだから、すごいね。この本名を用いずに将暉(まさき)という名にしたのはなぜなのだろう。スカウトされたことがきっかけでオーディションを受けて、それきっかけでトップコートに所属して、あいさつ回りで東映の本社に行ったときに見初められて2009年9月より『仮面ライダーW』にて主人公の1人・フィリップ役で俳優デビューしたときく。連続ドラマで1年間、アクションも演技も教えられたことが糧となったと思う。スカウトされるだけの華があったんだよね。有名になった彼を初めて見たのが2017年NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』での若武者ぶり。直虎を前に膝をつき平伏する姿が印象的だった。キラキラと輝いて見えた。演技者としての彼に惚れたけれど歌手としてアーティスト活動するのはなぁと横目で見ていた。彼の歌を見ることはなかった。それがNetflix配信ドラマ「グラスハート」で真崎桐哉役を見た時は驚いた。アーティスト活動はここに活きていた。圧巻。出演作の多い彼を見ていないものは多く、見たものでも気に入らないものはある。気に入らないのは作品の内容であって彼の演技にではない。NHK朝ドラに出ていたようだが「ごちそうさん」も「まんぷく」の彼の記憶はない。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の記憶もない。ファンだと公言しておきながら、なんてざまだ。「3年A組-今から皆さんは、人質です」ではなぜこの先生役をと思ったが、終わってみれば良いと思えるドラマだった。「ミステリと言う勿れ」のパーマぐりぐり頭は、なんだかなぁと思って見た。映画は「糸」「花束みたいな恋をした」「キネマの神様」しか見ていないことを思えば、お気に入りの割にはまったく追っかけていない。今期テレビドラマ「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」で訳の分からない役で主演しているが興味を持って傍若無人ぶりを見ている。これからも期待したい。
2025.10.26
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もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう - フジテレビ三谷幸喜、やってしまったな。という感じ。とんでもなく猥雑で混沌としてわけがわからない内容。それを整理することもなく、ダダ洩れ状態でオールスターキャストをちりばめた初回だった。もうこのドラマいいやと脱落した人が多いだろう。本来なら私も脱落したのだが、主演は推し俳優の菅田将暉。物語がどうの、内容がどうのというよりも孤立無援で尋常じゃない芝居を過激に演じる彼を見逃すわけにはいかない。この奇妙奇天烈なドラマをある種の恍惚を持って演じる菅田将暉。その姿を見るだけで、見るべきドラマである。思えば三谷幸喜は映画「スオミの話をしよう」は良くなかった。とんでもない内容の作品だった。しかし、三谷幸喜のファンに救われていて大ヒットというわけにはいかないが、こけたという数字(興行収入)にはなっていない。将来的には三谷幸喜の埋もれた作品のひとつとなると思えるが主演の長澤まさみの人気もこけなかった要因かもしれない。さて、ドラマ「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」は題名が示す通り“楽屋はどこにあるのだろう”と思いながら見ている。出演者は一線級というか超一流をはじめとして著名俳優、有名俳優、名の知られていない俳優がいないのではと思えるキャスティング。そして、出演俳優のすべてが芝居巧者と思える。芝居巧者と思えない人はキャラが立っていて当て書きと思えるその人自身のキャラで存在する。キャストは菅田将暉をはじめ二階堂ふみ、神木隆之介、浜辺美波、戸塚純貴、アンミカ、秋元才加、野添義弘、長野里美、富田望生、西村瑞樹(バイきんぐ)、大水洋介(ラバーガール)、小澤雄太、福井夏、ひょうろく、松田慎也、佳久創、俵山峻(スクールゾーン)、佐藤大空、野間口徹、シルビア・グラブ、菊地凛子、小池栄子、市原隼人、井上順、坂東彌十郎、小林薫。私としては知らない俳優もいるが、それなりの俳優なのだろう。そして、菅田将暉の狂気に似た偏執狂的振る舞いは回りの人間を不安に陥れつつも羨望も集める。舞台は1980年代の渋谷。三谷幸喜の青春時代を妄想のごとく作り出している。シェイクスピアを持ち出しているのは映画監督・黒澤明の影響か。「真夏の夜の夢」を持ち出しているのは演劇あるあると思える。演劇に造詣があることはもちろん、「真夏の夜の夢」を知り尽くしていないと皆目わからないかもしれない妙味を含むので作品内容を理解できるか否かは最終回を見るまではわからない。ゆえに最後まで付き合おうと思う。それは一心不乱に菅田将暉の狂った演技を見たいためでもある。というわけで、ビデオ鑑賞なので遅ればせながら昨夜第四話を見た。演出がそうなのか個人が際立つ回であった。血沸き肉躍る演技を見せる菅田将暉に負けるとも劣らない演技を見せたのが秋元才加である。担任教師に詰め寄られ論破するがごときに言い放った彼女。気迫のこもった演技であった。同時に見過ごされがちだが、その芝居を受ける面々も大事。児童に寄りそう立場でしっかりと自身の意見を述べていた担任教師も良かったと思う。見知らぬ女優なのでググって調べたところ。関谷春子という女優らしい。実力者とお見受けする。さて、秋元才加の芝居に圧倒されているとWS劇場に久部三成(菅田将暉)を追い出した劇団「天上天下」の面々が盗まれたライトを取り戻しにやってくる。ゲネプロの劇場内にまで入り込んだ時の天上天下の主宰者黒崎(小澤雄太)も見どころだったし、乱入者にもろともせず舞台上で芝居を続けた面々(二階堂ふみ・他)の芝居も見どころだった。”ショー・マスト・ゴー・オン”である。個々人のキャストが見せ場・見せどころで堂々と演じ見どころを作り上げる。これはもうライブ(舞台)であった。このゲネプロ舞台での丁々発止の罵詈雑言の言い合いの中、”つかこうへい”の名が出て来る。今、この文章を書いていて、ふと、三谷幸喜はシェイクスピアでなくつかこうへいで描きたかったのではないだろうか、と思えた。というのも演技が芝居がつかこうへいだからである。時代設定はまさしく”つかこうへい”が席巻していた時期だと思えるから。そして、著作権等の関係で”つかこうへい”は持ち出せなくて、著作権を気にしなくていいシェイクスピアを持ち出したのではないだろうか。舞台は1984年、私が上京した1986年には”つかこうへい”時代(第二世代)は過ぎていて、野田秀樹、鴻上尚史、横内謙介ら「第三世代」が主流であった。野田秀樹、鴻上尚史は成功者となり、横内謙介は成功者にならんとする時期だった。ゆえにつかこうへいも野田秀樹も舞台は見ていない。鴻上尚史は思い出したように紀ノ国屋で再上演したのをわざわざ見に行ったくらいだ。横内謙介の善人会議は自転車キンクリートともにブームの只中でとても良く見たが年齢的に私が入団できるものではなかった。”つかこうへい”から離れた加藤健一の舞台(加藤健一事務所)もよく見に行った。この少し後(1989年)になるが、転々と演技養成所で芝居を学んでいた時、その養成所の先輩で小林隆が東京サンシャインボーイズのチケットを公演の度に売りに来ていた。三谷幸喜を知らなかったので、見に行かなかったことを後悔することになる。話を戻して、この「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」は役者を見るだけで楽しい。今後、ますます面白くなっていくであろう。俳優たちの気迫せまる演技、魂の芝居を期待している。
2025.10.26
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(以下、Amazonより)”40年前、ビルの屋上で見つかった〈行旅死亡人〉は何者か――?イラストレーターの想一は、高校からの友人でノンフィクション作家のミヤビから、彼女が受けた依頼の手伝いを頼まれる。それは40年前、六本木のビルの屋上で遺体となって見つかった男性を調べることだった。当時の警察は事件性なしと判断し、身許不明の「行旅死亡人」として処理。依頼人の正体も目的も分からぬまま、想一とミヤビは、男性が何者で、なぜひっそりとそこで亡くなったのかを調査し始める。かつてのビルの住人に当たるうち、2人はある奇妙な人物に行き着くが――。過去と現在が交錯する、ノンストップ・エンタメ長編!”(以上、Amazonより)大沢在昌らしいと思える作品。楽しみながら読んだ。しかし、結末がこれか……。”リペアラー”(修復者)の正体がこれとは、謎の死体が誰なのかを探る過程は面白かっただけにこのような種(正体)だったのは、やや残念。終幕までは興味深く楽しみながら読んだ。
2025.10.25
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今年数えて映画ファン歴50年となった。つまり来年で満50年を迎える。50年間、テレビ、映画館で映画を見続け、ビデオ、DVD、ケーブル、配信と新たな媒体でも見るようになり、ついにはスマホでも見るようになった。昔に比べれば、安易に映画に触れられるようになったと思う。また、フィルムからビデオでも撮影できるようになり、スマホで撮っても普通の画像は映画に見劣りしないものが撮れるようになった。良いことだ。さて、長らく映画鑑賞してきたが、この先、長生きすれば別だが、平均寿命ではあと20年足らずしか映画を見られない。なるべく駄作にあたることなく良作ばかり見たいものである。とはいえ、晩年になるであろう映画人の作品は見続けようかと思う。倍賞千恵子と木村拓哉が実写映画初共演 山田洋次監督『TOKYOタクシー』11月21日公開へ|Real Sound|リアルサウンド 映画部二人いる。一人は、今や古き良き映画全盛期を知る著名映画監督、山田洋次監督である。1931年生まれの94歳。最新作は「TOKYOタクシー」。これはヒットしたフランス映画「パリタクシー」を原作としており、山田監督が翻案して映画化。「パリタクシー」が素敵な良い作品だったので、リメイクものは見たくないのだが、山田監督があと何本映画を撮れるのか。黒澤明監督が83歳での遺作「まあだだよ」を映画館で見逃したまま、いまだに見ていない。そんなことのないように映画館で「TOKYOタクシー」を見たいと思う。吉永小百合、天海祐希からの500文字メールに励まされる 主演映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」合同会見今一人は吉永小百合。1945年生まれの80歳。とても80歳の役をするようには思えない。先人の田中絹代をお手本に生涯現役を標榜し、映画出演を続けている。新作「てっぺんの向こうにあなたがいる」は見てみたい作品である。彼女のスター性からなかなか現在の実年齢に近いおばあさんの役を演じることはないけれど、かくしゃくとした老人を演じる彼女はどのようなものか気になる。あと10年は見られるだろうか。すでに老齢であり、いつ映画に幕を下ろすかもしれない。この二人の作品は今後見に行こうと考えている。
2025.10.25
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高市内閣発足、初の女性首相 自維連立、物価高対策を指示へ:東京新聞デジタル高市早苗…奈良県第2区。当選10回。64歳。なぜこの人を総理大臣にしたのだろう?なったからには、ご自身がやりたいこと、成したいことよりも日本国の安全と平和を希求し、そのために万難を排して尽力していただきたい。内閣官房長官・木原稔…熊本県第1区。当選6回。56歳。内閣総理大臣臨時代理就任順位第1順位外務大臣・茂木敏充…栃木5区。当選11回。70歳。内閣総理大臣臨時代理就任順位第2順位総務大臣・林芳正…山口3区。当選2回。(参議院山口選挙区当選5回)。64歳。内閣総理大臣臨時代理就任順位第3順位。参院から鞍替えして総理の座を狙う姿勢が好ましくない。国土交通大臣・金子恭之…熊本県第4区。当選9回。64歳。選挙に圧倒的に強いようだ、なぜ?内閣総理大臣臨時代理就任順位第4順位。経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)赤沢亮正…鳥取県第2区。当選7回。64歳。内閣総理大臣臨時代理就任順位第5順位。郵政民営化時の刺客だったのか。地方は自民党が強いから。法務大臣・平口洋…広島県第2区。当選6回。77歳。後期高齢者には大臣をやってもらいたくない。財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)・片山さつき・・・参議院比例区当選3回。(衆議院で1回)。66歳。参議院議員だとは知らなかった。個人では選挙に勝てなかったのか…。大蔵省出身ということで注目。活躍に期待したい。文部科学大臣・松本洋平・・・東京19区。当選6回ながら直近2回は比例復活。競合する立憲民主党・末松義規に勝てなかった。52歳。銀行出身。なぜ文科省の大臣なのか?厚生労働大臣・上野賢一郎…滋賀県第2区。当選6回(初回のみ第1区)。60歳。なぜ大臣なのか?農林水産大臣・鈴木憲和…山形県第2区。当選5回。43歳。農林水産省出身。2023年9月には第2次岸田第2次改造内閣で農林水産副大臣に就任。この経歴であれば、農林水産大臣に抜擢もわからないでもない。環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)・石原宏高…東京3区。当選6回。61歳。2019年、環境副大臣兼内閣府副大臣(第4次安倍第2次改造内閣)。2020年10月、衆議院環境委員長に就任。原子力発電を温存するために担当大臣を指名されたのなら残念。防衛大臣・小泉進次郎…神奈川11区。当選6回。44歳。何故の防衛大臣なのか。大臣を歴任することはいいのかもしれないけれど……。デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障)・松本尚・・・千葉13区。当選2回。63歳。日本医科大学特任教授。専門は救急医学、外傷外科学、消化器外科学、災害医学。医師である。ゆえに厚生労働大臣の方が適任と思える。本年、ランサムウェアにより大企業が大いなる被害を被っている。サイバー攻撃から国を守ることは現代社会では最重要課題である。デジタル通信に詳しい50代、40代の大臣の起用を求める。復興大臣・牧野京夫…参議院静岡選挙区当選4回。66歳。なぜ大臣なのか?国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣・(防災)・(海洋政策)・赤間二郎…神奈川14区当選6回。麻生派元プロボクサー。Wikipediaによると“大学卒業後、渡英しマンチェスター大学大学院にて社会政策を学び、ディプロマを取得している。帰国後、当時神奈川県議会議員であった父の赤間一之を手伝う傍ら、知的障がい者地域作業所の運営に協力している。現在も保護司として活動している。”とあり期待が持てる。内閣府特命担当大臣・(沖縄及び北方対策)・(消費者及び食品安全)・(こども政策)・(少子化対策)・(若者活躍)・(男女共同参画)・(地方創生)・(アイヌ施策)・(共生・共助)・黄川田仁志…埼玉県第3区当選5回。55歳。下記のような問題発言をするような人は表舞台に立ってはいけない。なのに、沖縄や少子化などセンシティブな問題を担当させるなど、もってのほかである。即刻、やめていただきたい。もし、重用したいほど有能であるならば裏方として尽力させればよい。大臣という役職も表舞台に出ることも必要ない。Wikipediaによると“高市早苗の記者会見で司会を務めた際の問題発言2025年9月19日、高市早苗が自民党総裁選への立候補表明の記者会見を国会内で開いた。司会を務めた黄川田は質疑応答で記者を指名する際、「顔が濃い方」と発言した [注 3]。 高市は「なんてことを言うの。すいません」と謝罪したが、黄川田はその直後に、別の記者を「顔が白い、濃くない方」と指名した。高市はそれを聞いて再び謝罪した。黄川田は記者会見後、埼玉県越谷市で記者団の取材に応じ「不適切な表現だった。不快に思われた皆さまに謝罪を申し上げたい」と述べた“とある。内閣府特命担当大臣・(経済財政政策)・(規制改革)・城内実…静岡県第7区当選7回。60歳。郵政民営化法案に反対し無所属で立候補し刺客に敗れる。その次の選挙も無所属で立候補し当選。自民党復党した。気骨ある人だと思う。とはいえ、眞鍋かをりの写真を選挙ポスターに掲載してトラブルになったこともあり、一長一短ある。ドイツ語堪能なので外務大臣も良いかと思えるが経済財政の立て直しに期待したい。内閣府特命担当大臣・(クールジャパン戦略)・(知的財産戦略)・(科学技術政策)・(宇宙政策)・(人工知能戦略)・(経済安全保障)・小野田紀美…参議院岡山選挙区当選2回。42歳。なぜ彼女が大臣かと不思議に思うが、“2025年10月4日に行われた自民党総裁選では高市早苗陣営「チーム・サナエ」のキャプテンを務めた”(Wikipediaによる)とあるので、論功行賞なのだろう。過去、“(二重国籍問題において)知識不足でアメリカ国内での手続きが完了できていなかったことについて謝罪し” (Wikipediaによる)とあるが、知識不足でクールジャパン戦略等の特命を遂行できないことのないようにしてもらいたい。
2025.10.25
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U-NEXTで配信されていた書籍なのか。(以下、Amazonより)”「アーティストであって、アイドルじゃない」5人組ダンスグループGAME BREAKERSに所属する成瀬愛生(通称:アッキー)はそんなプライドを持っている。しかしファンから聞こえてくる声は、イケメンであるとか、メンバー同士のカップリングを楽しむものとか。ある日、メンバーの灰人が噂レベルのゴシップで炎上すると、より一層、推されることの現実と理想のちがいに悩むことに。そんな折、自宅近くのコンビニに勤める青木マユと知り合い、素のまま付き合える彼女に徐々に惹かれていき…。”(以上、Amazonより)ライトな小説と思い、軽い感じで雑誌でも読むように読んでいた。マジでポップな恋愛小説だと思っていたのだが、結末は!!!騙されたというか裏切られたというか、この終わり方に残念。マジな小説であってほしかった。コンビニエンス・ラブ [ 吉川 トリコ ]
2025.10.23
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ずっと気になっていた「1リットルの涙」。沢尻エリカのドラマで見知っていたけれど、ドラマは見逃していたので、いつか本を読もうと思っていた。この度、ようやく読んだ。読み始めて気づいたが、これは小説でもノンフィクション本でもなく、(ノンフィクションであるが)病魔とともに生きた患者、木藤亜也の日記である。その日記で徐々に読めない、つまり判読不能の文字を母親が解読し、出版までこぎつけた。木藤亜也自身がつけた日記を読むのは明るく前向きな性格を反映してか苦しみや悲しみよりも喜びや希望を感じながら読めた。しかし、病気と年月は過酷である。決して治らないだけでなく、日々、悪化していく状態。歩けていたのに、倒れ込み、次に、ふらふらとしか歩けなくなり、立てなくなる。車イスを使うようになり、這って進む。そして、ついには寝たきりに。その状況、状態を本人は日記にしたためる。事実だけを書き記すような日記。わたしはひたすら読んだ。彼女が永眠したときのことははきとは書いていない。母親が、感謝をこめて告げているだけだ。これほど難儀な日々を書き綴っていた物語ではあったが淡々と読み終えた。と、思った。続いて主治医である女医の文章があった。不覚にも大きく感情が揺さぶられ涙を禁じ得なかった。読み進めることが出来ず、一旦、本を置いた。何があっても読み終えるように夜に再度、読み進めると、不思議にそのまま読み終えた。彼女は何のために生きたのか。彼女自身が問うた。彼女の生きた証がここにある。この本にある。精一杯生きた彼女を讃えたい。ご冥福をお祈りいたします。1リットルの涙 難病と闘い続ける少女亜也の日記 (幻冬舎文庫) [ 木藤 亜也 ]こ
2025.10.22
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(C)2025「ストロベリームーン」製作委員会誰の意向でこのような内容になってしまったのか。原作の設定だけを借り、大幅に内容変更されてしまった。人間関係まで変えられてしまえば、もはや原作とは言えないのではないか。原案というのさえはばかる内容変更に思える。この映画を見た人は映画だけを見ていれば納得できるし、感動できるのかもしれない。しかし、原作を読んだ者にとっては何一つ納得いかないし憤慨する作品である。こんなにされてしまえば原作「ストロベリームーン」はズタボロとなり、続編「コールドムーン」も存在しえない。この小説の映画化を知った時、キャスティングを見て、桜井萌の當真あみ、佐藤日向の齋藤潤に疑問をもった。原作のイメージと違うからだ。しかし、映画作品を見るまでは何も言わなかった。映像を見て判断をするつもりだった。映画は原作とは関係のない人物が造成されていた。ゆえに原作の桜井萌に當真あみが寄せる、あるいは引き付けるということはなくて、また、佐藤日向に齋藤潤を近づけるということもなく。それぞれ新たに作られた桜井萌と佐藤日向として存在するという形になったので、全くの別人格であった。映画「映画ビリギャル」で見せた有村架純が工藤さやかにみごとに変身したように、當真あみが桜井萌に変身することを期待したが、物語の改変によって、そのようなことは一切行われなかった。こんな物語ならば、見なければよかった。原作を汚された思いは私だけだろうか。原作では元気な佐藤日向の母親は死亡とされ、原作では佐藤日向の親友たちとは近づかなかった高遠麗はどっぷり仲良くなり、原作では3軒ほど離れた日向と麗の家の距離が遠く離され、原作では商売を営んでいない日向と麗の家が自営業をしている。原作との相違をあげれば枚挙にいとまがない。どうしてこれほどの改変をしたのだろう。私はただ原作の映画化を見たかった。こんなに陳腐にこねくり回された作品を見たいわけではない。原作重視であれば大人のシーンは全くいらない。残念、あまりに残念。ただ、原作を知らなければ、それなりに感動できる作品なのかもしれない。2025年/日本/127分/G監督:酒井麻衣原作:芥川なお脚本:岡田惠和出演:當真あみ、齋藤潤、杉野遥亮、中条あやみ、池端杏慈、黒崎煌代、吉澤要人、伊藤健太郎、泉澤祐希、黒島結菜、池津祥子、橋本じゅん、田中麗奈、ユースケ・サンタマリアお薦め度「ストロベリームーン」★★★(60%)
2025.10.19
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(以下、Amazonより)”クイズ番組の決勝で、僕の対戦相手は1文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たす。彼はなぜ正答できたのか? 推理作家協会賞受賞&本屋大賞6位、圧巻のエンターテインメント。文庫化に際し短編小説「僕のクイズ」を収録! 解説は田村正資氏。”(以上、Amazonより)文庫本が出版された時、書店の玄関のある一面をこの「君のクイズ」で飾っていたものを見た。見た目、色鮮やかなので模様のような壁面であった。とても印象的だったと記憶している。その本をついに読む。読むまでなんと惹きのない題名なのかと思っていた。読後はなるほど確かに「君のクイズ」という本である。名は体を表すというが、正しく、名は体を表していた。内容も素晴らしく、現実世界ではありえないゼロ押し回答が正解であった疑問をつぶさに検証し、腑に落ちる説明がなされている。他の箇所についても同様に正答と誤答の裏どりがされて、犯罪捜査で解明していくように、主人公が道理に沿って解明していく。その内容に非の打ちどころがなく、伏線を回収するかのごとく、みごとな手際の良さである。対戦相手がクイズの予習ではなくて対戦相手を研究したという見当違いの対策もその理由が当然と思えるものとして開示されて目を見張った。素晴らしい本である。クイズ好きは言うまでもなくミステリー好きにも嗜好される、とても上質で素敵な物語である。「君のクイズ」に僕は感嘆した。文庫本に収納された「僕のクイズ」も舌を巻くほど素晴らしい。これほど緻密で明晰な謎解きをしたクイズショーを描いた「君のクイズ」に心底、感心した。君のクイズ (朝日文庫) [ 小川哲 ]
2025.10.19
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Lost Girls (2020)気になっていた「ロストガールズ」をNetflixで見た。実話ネタである。”実在の未解決事件「ロングアイランドの連続殺人鬼」を題材に、失踪した娘を探す母親が真実と正義を求めて闘う姿を描いたミステリードラマ。”(映画.com)とある。警察の不手際は言うまでもないが、訴えでなければ捜索もしてもらえない、いや訴えても捜索してもらえないもどかしさも描いている。貧しく派遣娼婦となって100キロ以上離れた遠路の私有地住宅まで届けられた娘が消息を絶つ。母親が必死になって訴えるも……。警察犬のウンチきっかけで人気のない海岸線に4つの遺体が発見される。その中に娘はいない。娘は……。こういった実話ネタを作り上げるのに配信(Netflix)は適しているように思える。Netflixにて2020年/アメリカ/95分/監督:リズ・ガルバス原作:ロバート・コルカー脚本:マアイケル・ワーウィー出演:エイミー・ライアン、トーマシン・マッケンジー、ローラ・カーク、ウーナ・ローレンス、ディーン・ウィンタース、ミリアム・ショア、リード・バーニー、ケビン・コリガン、スタン・カープ、ガブリエル・バーン原題:Lost Girls(「消えた女たち」) お薦め度「ロストガールズ」★★★☆(70%)
2025.10.18
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(R), TM & (C) 2024 Lions Gate Ent. Inc. Borderlands is a trademark of Gearbox. All Rights Reserved.映画館へ見に行こうと思った作品だからprime video で見つけたので見てみた。ケイト・ブランシェットとジェイミー・リー・カーティスが出演していたので、どれほどのものかと期待したが、それほどのいい作品ではなかった。賞金稼ぎが出て来るドンパチものとして割り切ってみればそれなりに楽しめたのかもしれない。また、原作(?)がアメリカのビデオゲーム「Borderlands」ということで知名度、人気は申し分なかったのだろう。出来栄えがそこそこというのは仕方のないことなのだろうか。さて、物語は娘が誘拐された父親が賞金稼ぎの手を借りて娘奪還に動くという話であったが、実は娘は組織再生されたクローンで暗黒の世界に立ち入る鍵を持っているので娘を作り上げた男(父親)が兵隊を投入してまで取り戻そうとしているということであった。娘を拉致したもの、賞金稼ぎが仲間となって父親に対抗するようになるがクライマックスの予想外の展開に驚くことになる。映画館で見れば銃撃戦などスペクタクルに目を見張り楽しめたかもしれない。amazon prime video にて2024年/アメリカ/101分/監督:イーライ・ロス原案:イーライ・ロス脚本:イーライ・ロス、ジョー・クロンビー出演:ケイト・ブランシェット、ケビン・ハート、(声)ジャック・ブラック、エドガー・ラミレス、アリアナ・グリーンブラット、フロリアン・ムンテアヌ、ジャニナ・ガバンカー、ジーナ・ガーション、ジェイミー・リー・カーティス原題:Borderlands(「どっちつかずの境界点たち」)お薦め度「ボーダーランズ」★★★☆(70%)
2025.10.18
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(以下、Amazonより)”史上初!山本周五郎賞&JRA賞馬事文化賞W受賞作!継承される血と野望。届かなかった夢のため――子は、親をこえられるのか? 成り上がった男が最後に求めたのは、馬主としての栄光。だが絶対王者が、望みを打ち砕く。誰もが言った。もう無理だ、と。しかし、夢は血とともに子へ継承される。馬主として、あの親の子として。誇りを力に変えるため。諦めることは、もう忘れた――。圧倒的なリアリティと驚異のリーダビリティ。誰もが待ち望んだエンタメ巨編、誕生。”(以上、Amazonより)テレビドラマの日曜劇場でブッキー(妻夫木聡)主演で放映されると知った時、ドラマが始まる前に読もうと思った。図書館での順番待ちでようやく手元にきたのは先週。ドラマはスタートしてしまったが、追いつけるように心して読んだ。読み始めて思ったことだが、それほどおもしろい本だとは思えなかった。それは、丁寧な語り口調の主人公のせいなのか、揺さぶられるほどの感動すべき出来事があっても俯瞰で見てるように描いているせいなのか。外から眺めているように、本の世界にどっぷりとはまるということはなかった。時系列に沿って淡々と語られる”ロイヤルファミリー”との1年は馬主として社長が苦しい日々を過ごしてきたことが綴られており、楽しんで読むということはできなかった。後半の四季(春・夏・秋・冬)で新たな展開を見せるも血統の呪縛に苦しんでいるように思えた。ゆえにエンタテイメントも何もハッピーに感じることはできず、なんとも言えないという感想になってしまった。とはいえ後半で”ロイヤルファミリー”のダブルミーニングを感じ取った時、無性におもしろく思えた。ドラマはスタートしている。ドラマを見て原作との違いなど、またしたためてみたい。ザ・ロイヤルファミリー (新潮文庫) [ 早見 和真 ]
2025.10.16
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Flinch (2021)原題の”FLINCH”は”怯む”(ひるむ)ということらしい。”THE GIRL WHO DIDN'T”は”しなかった女”となるらしい。彼女は何をしなかったのか。すご腕の暗殺者ジョーイは大きな仕事をやり終えて休みたいのだが元締めの大親分から待ったなしの仕事をねじ込まれ、やむなくとりかかり内偵していた。ターゲットは議員だった。その秘書に秋元才加似のスレンダー美女がいた。ジョーイの目にハートの灯がともる。ちょっとした不注意で議員に不意打ちを食らったジョーイはなんとか凌ぐが、その現場を見た彼女、ミア・ローズを捕縛することになり……。女を殺すか殺さないか、そのあたり、ジョーイの心の揺れ、捕縛されたミア・ローズの抵抗など、次々と展開していく中、異常なことが起こり、ジョーイとミアの心は触れ合う(?)その後の展開もスピーディで予測不可。驚天動地の出来事にジョーイと同様、度肝を抜かれ、震え慄く。どうする?どうする!?って、これ、すごい映画だった。掘り出し物といえる一品!!痛快!!U-NEXT にて2021年/アメリカ/102分/監督:キャメロン・バン・ホイ脚本:キャメロン・バン・ホイ出演:ダニエル・ゾバット、ティルダ・コブハム=ハーベイ、キャシー・モリアーティ、トム・セグラ、バディ・デュレス原題:Flinch(「怯む」)お薦め度「ヒットマン ザ・プロフェッショナル」★★★★☆(90%)
2025.10.15
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(C)2024 / JERICO - ONE WORLD FILMS - STUDIOCANAL - FRANCE 3 CINEMA実話ネタ。”フランスの双子ピアニスト、プレネ姉妹をモデルに、難病によって夢を絶たれた双子の天才ピアニストの苦難と成功を描いた音楽ドラマ。”(映画.com)とのこと。遺伝によるものとのことだが、95%の確率で発症するって恐ろしい。そして、このような状況になってからもピアノを捨てられなかった思いというのは拘りなのか、執念なのか。映画的にドラマチックに描いていて噓っぽくなるのはいかがなものかと思えた。一例をあげれば、演奏会の前にリハーサルもあるだろうし、その時点で指揮者のOKがなければ突然のデュオ、ダブル演奏というわけにはいかないだろう。そこは現実的に描いてほしかった。ピアノの演奏の優劣がわかるように見分ける、いや聴き分けるシーンは見ているこちらも理解できるものだった。それを表現として映像に出来る洋画は素晴らしいと思う。U-NEXT にて2024年/フランス/109分/G監督:フレデリック・ポティエ、バランタン・ポティエ脚本:フレデリック・ポティエ、バランタン・ポティエ、サビーヌ・ダバディ、クレール・ルマレシャル出演:カミーユ・ラザ、メラニー・ロベール、フランク・デュボスク、イザベル・カレ、エリザ・ダウティ原題:Prodigieuses(「驚異的な人たち」)お薦め度「デュオ 1/2のピアニスト」★★★☆(70%)
2025.10.13
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(C)AW Movie Production Ltd 2024晩年、それも最晩年といえる年齢の女性たちが亡父の遺した瞬時若返りのウィスキーを飲み、一時的に(6時間ほど)若返り、若さを謳歌しつつも、人生を振り返りいまを生きることを選ぶという作品。それにしても終わりは突然やってくる。ダイアン・キートンの訃報でこの作品の存在を知り、見た。ダイアン・キートンのご冥福をお祈りいたします。合掌。U-NEXT にて2024年/イギリス/95分/G監督:スティーブン・クックソン原案:ジュリア・スチュアート、スティーブン・クックソン脚本:アレクシス・ゼガーマン出演:ダイアン・キートン、パトリシア・ホッジ、ルル、アディル・レイ、リンダジェネビーブ・ゴーント、ハンナ・ホーランド、エスメ・ロンズデール、ビル・パターソン、ローレンス・チェイニー、トム・ストートン、ジェイミー・ウィンストン、ヘイリー・ミルズ、ハルデビッド・ヘアウッド、ボーイ・ジョージ原題:Arthur's Whisky(「アーサーのウィスキー」)お薦め度「アーサーズ・ウィスキー」★★★☆(70%)
2025.10.13
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The Woman in Cabin 10 (2025)注目の「第10客室の女」である。キーラ・ナイトレイ主演。キーラは笑顔の口元が良くない、彼女独特のドラキュラが牙を見せ笑ったような感じに思うのは私だけだろうか。敏腕記者でスクープをあげた女性が富豪が主催するチャリティ船旅に招待される。深夜、眠りについていると隣の部屋で大きな物音。それに気づいて目覚めるといさかいの音のようだ。気になりベランダに出ると誰かが海に落ち、仕切りの壁には血のりが!慌てて「誰かが落ちた!」と船員たちに知らせる。ところが……。いなくなった人はいないというミステリーから始まり、あれこれ捜索する行く手を阻むように命まで狙われる始末。その後‥‥・。予期しない出来事で次の展開が読めず、主人公のハラハラ、ドキドキ、イライラが手に取るようにわかり見ている者に伝染する。なかなかのサスペンスである。不審な事件とその内実がわかるようになるとクライマックスはどうなるのか、と。充分に楽しめる作品であった。Netflixにて2025年/アメリカ/92分/監督:サイモン・ストーン原作:ルース・ウェア脚本:ジョー・シュラップネル、アナ・ウォーターハウス、サイモン・ストーン出演:キーラ・ナイトレイ、ガイ・ピアース、ハンナ・ワディンガム、デビッド・アヤラ、ギッテ・ビット、アート・マリック、ダニエル・イングス、デビッド・モリッシー、クリストファー・ライ、ポール・ケイ、カヤ・スコデラーリオ、リーサ・ローベン・コングスリ、ググ・バサ=ロー原題:The Woman in Cabin 10(「客室10にいる女」) お薦め度「第10客室の女」★★★★(80%)
2025.10.12
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(C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.映画「トロン」を1982年9月20日梅田スカラ座にて見ている。評価は60点。大注目で評判だった割に評価は低い。それゆえか大ヒットどころかヒットもしなかったように思う。内容が最先端、構想が異次元すぎて映画としての完成度、感動に欠けたと思う。ゆえにコケた感じもあって続編が作られると思ってもみなかった。しかし、2010年に28年ぶりに続編「トロン:レガシー」が作られる。知ってはいたが足を運ぶほどの興味を持っていなかったのか見に行っていない。そして今回、三作目として「トロン:アレス」が作られる。テレビで宣伝するほどだから入れ込みようがわかる。このところ何かと実写に力を入れているDisney配給である。ギリシャ神話の神アレスやアテナを持ち出し欧米らしさを感じさせるものの韓国移民の娘でロサンゼルス生まれのグレタ・リーを相手役にしたりアテナがジャマイカ人を両親に持つイギリス生まれのジョディ・ターナー=スミスとDEI【ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包括性)】に配慮したキャスティングであった。さて、作品は”トロン”といえばオートバイとでも言いたいのか、オートバイをキメキメに使っていた。オートバイ・チェイスが見ものである。オレンジの壁を引いていくものがどういうものかわからなかったけれど興味深くはあった。理解が追いつかない有機体を伝送することや3Dプリンターのごとく電子から造成したものに意志・意識がある(コンピューターを内蔵している)こと、すなわちコンピューターなのかアンドロイドなのか、はたまた人間なのか。29分で壊れてしまうというところも理解できない点ではある。その29分の壁を越えるために無制限キーを手にするものは……なんのなか(AIや機械であり生物体ではない)深いところは疑問だらけだけれどチェイスと戦闘シーンをみるだけでも映画館に足を運んでいいかも。「X-ファイル」「英国総督 最後の家」のジリアン・アンダーソンが出演していたのは嬉しかったなぁ。2025年/アメリカ/119分/G監督:ヨアアヒム・ローニング原案:デビッド・ディジリオ ジェシー・ウィガトウ脚本:ジェシー・ウィガトウ出演:ジャレッド・レト、グレタ・リー、エバン・ピーターズ、ジョディ・ターナー=スミス、ハサン・ミンハジ、アルトゥーロ・カストロ、ジリアン・アンダーソン、ジェフ・ブリッジス 原題:Tron: Ares(「トロン・アレス」)お薦め度「トロン・アレス」★★★☆(70%)字幕翻訳:川嶋加奈子
2025.10.12
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映画チラシサイト:ゴッドファーザー PARTIIよくわからない新作を見るよりは、見逃している著名旧作を見るかと思い、この作品を選んだ。1より2の方が評価が高い「ターミネーター」や「エイリアン」のように「ゴッドファーザーPARTII」はいいのかなと思っていたが、映画館で観ていないせいか記憶も朧気となった1の方が良かった気がする。その1もテレビ放映でしか見ていないので、なんともいえないが。終わり近くに真珠湾攻撃の日のビト・コルレオーネの誕生日の兄弟たちが映し出される。これを見て、ソニーという兄がいたな、ではフレドは二番目で、マイケルは三男じゃないかと気づき、マイケルと父ビトーの時代を交互に描く中で、ビトーの娘と息子という描写は違っているのではないかと思ったが、見間違いか?目には目を、歯には歯を、と復讐以上に命をとるまであきらめないマイケルの非情さは暗黒世界である。この暗黒を描いたことが評価されたのだろうけれど、マフィアに傾倒していくビトーも身内でさえも殺害していくマイケルも共感することはできなかった。公開当時、人気の中、見ていれば印象も変わったかもしれない。Netflixにて1974年/アメリカ/202分/監督:フランシス・フォード・コッポラ原作:マリオ・プーゾ脚本:フランシス・フォード・コッポラ、マリオ・プーゾ出演:アル・パチーノ、ロバート・デュバル、ダイアン・キートン、ロバート・デ・ニーロ、タリア・シャイア、ジョン・カザール、マリアンナ・ヒル、マイケル・ビンセント・ガッツォー、G・D・スプラドリン、リチャード・ブライト、ハリー・ディーン・スタントン、ダニー・アイエロ、ジェームズ・カーン原題:The Godfather: Part II(「ゴッドファーザー:パート2」) お薦め度「ゴッドファーザーPARTII」★★★☆(70%)
2025.10.11
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映画化されることを知り、原作本として手に取った。(以下、Amazonより)慎太郎、あんたの人生は、奇跡だったよ!!阪神タイガース38年ぶり日本一の年、28歳で生涯を終えた元選手がいた。母の目線で描く、もうひとつの「奇跡のバックホーム」――感動のノンフィクションストーリー。阪神タイガース18年ぶり優勝の歓喜に沸くなか、「背番号24」のユニフォームが仲間たちの手で宙を舞った。その2か月前、7月18日に28歳で亡くなった横田慎太郎選手のユニフォームだった。2019年、脳腫瘍の後遺症で視界がぼやけるなか引退試合で見せたプレーは「奇跡のバックホーム」と呼ばれ、多くの人に感動をもたらした。引退後、再発・転移と入院を繰り返しながらも「生きたい」と願った横田選手。3度にわたる闘病を支えたのは、病室でともに寝泊まりしながら看病を続けた母・横田まなみさんをはじめとする家族だった。本書は映画『20歳のソウル』の脚本を務めた中井由梨子氏が、まなみさんと対話を繰り返し、まなみさんに成り代わって横田選手とのかけがえのない日々を描いた、感動のノンフィクションストーリーである。もうひとつの「奇跡のバックホーム」がここにある。『「阪神の優勝、見たいな」そう言った慎太郎の想いを、チームの皆さん、ファンの皆さんが温かく抱きしめてくださいました。優勝決定後には岩崎選手と共に、慎太郎の24番のユニフォームを胴上げしてくださいました。私には、ユニフォームを着た笑顔の慎太郎が、両手を大きく広げて宙を舞っているように見えました。いくつもの時を越えて。慎太郎も私も、ようやく、この日に辿り着きました。』 ――本文より(以上、Amazonより)筆者が横田慎太郎の母になりかわって紡いだ軌跡。彼の野球人生。病気の発見や闘病生活など母目線から書いた物語であったがノンフィクション・ストーリーというだけあって事実を伝えようとしていると思えた。それでも胸にせまるところはあり、終盤、大いに泣ていしまった。甲子園出場はかなわなかったが、ドラフト2位で阪神タイガースのプロ野球選手になった有言実行の男である。父を母を姉をプロ野球球場へ連れて行った。ストイックに元気に日々、鍛練していた。感無量である。映画を見ようと思う。栄光のバックホーム 横田慎太郎、永遠の背番号24 [ 中井 由梨子 ]栄光のバックホーム 横田慎太郎、永遠の背番号24 (幻冬舎文庫) [ 中井由梨子 ]
2025.10.11
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素敵な本だ。(以下、Amazonより)たった一人になった。でも、ひとりきりじゃなかった。両親を亡くし、大学をやめた二十歳の秋。見えなくなった未来に光が射したのは、コロッケを一個、譲った時だった――。激しく胸を打つ、青さ弾ける傑作青春小説!母の故郷の鳥取で店を開くも失敗、交通事故死した調理師の父。女手ひとつ、学食で働きながら一人っ子の僕を東京の大学に進ませてくれた母。――その母が急死した。柏木聖輔は二十歳の秋、たった一人になった。全財産は百五十万円、奨学金を返せる自信はなく、大学は中退。仕事を探さなければと思いつつ、動き出せない日々が続いた。そんなある日の午後、空腹に負けて吸い寄せられた商店街の総菜屋で、買おうとしていた最後に残った五十円コロッケを見知らぬお婆さんに譲った。それが運命を変えるとも知らずに……。そんな君を見ている人が、きっといる――。(以上、Amazonより)主人公・柏木聖輔の気持ちがいい。人の動きを見て、ゆずる精神。私も常にできるわけではないが、聖輔のような気持ち、行動をとるときがある。共感した。ゆえに、青葉の考え、思い、気持ち、行動もわかる。共感した。慶応の彼の行動や考えはわからない。ただ、聖輔にひと言、言いたかった気持ちはわかる。総菜屋の店主・田野倉の気持ちもいい。バンド仲間の川岸の母の気持ちもいい。母のいとこの基志という良くない人も出て来るが、そこは社会、いろんな人がいる。いいひとばかりでないところも現実っぽく感じられた。不幸な生い立ちとなった柏木聖輔が何かと考え、いろいろと思い、まわりの人に気兼ねしながらも自立していく姿勢は驚きと感心を得た。とてもいい、素敵な本だ。ひと (祥伝社文庫) [ 小野寺史宜 ]
2025.10.10
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木曜ドラマ『推しの殺人』|読売テレビどこかで聞いたような、見たような題名。見始めて、原作小説を読んだことを思い出した。2025.06.18「推しの殺人」遠藤かたる:著 宝島社文庫確かドラマ化されることを知って、その前にと原作を読んだ気がする。いつもなら全話見終えてからブログを書くのだが、ちょっと書く。原作はまぁおもしろかった。地下アイドルということでということで、人気落ち目のという設定なのでそれなりに地味なキャステイング。いや、地味に見せているのか?書いたブログに記載があるけれど、原作では主人公ルイが22歳、元センターのテルマ19歳と現センターのイズミ19歳の3人グループ。ルイ演じる田辺桃子は26歳、テルマ演じる横田真悠は26歳、イズミ演じる林芽亜里は19歳。田辺桃子は「五十嵐夫妻は偽装他人」「対岸の家事~これが、私の生きる道!~」で見ていて、横田真悠は「世界の果てまでイッテQ!」の出川ガールとしてしか知らないけれどドラマ出演は結構しているようだ。林芽亜里はほぼ初見。深夜枠なのに城田優、増田貴久、加藤ローサ、なえなの、坪倉由幸、ドラウデン直美と有名な出演者が名を連ねているので気合の入ったドラマなのかもしれない。第1回はほぼ原作通りの導入部で変に改変していないのがよかった。城田優が大きすぎてイメージ違うなぁと思えるけれど、それも慣れていくだろう。おもしろいドラマになってくれればと期待する。
2025.10.08
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The Wrong Paris (2025)Netflixであまりにお薦めされるものだから、つい見てしまった。ラブコメだから、と思ったんだけれど、見始めて”恋愛リアリティショー”を映し出す内容だったので落胆した。”ねるとん”や”お見合いパーティー”のショーは好きなんだけれど、”バチェラー”みたいにたった一人に複数人が立候補というのは好きじゃない。だから、内容を把握した時には失敗したなと思って途中で視聴中止しようかと思った。とはいえ、乗り掛かった舟、いまさら他の作品を見るのも視聴完了できなさそうなのでしぶしぶ続けてみることにした。途中で、起承転結の転で思わぬ方向へ展開し、ラストのクライマックスも紆余曲折の結果で思わず泣いてしまった。こんな安易な作品で泣いてしまっていいのかと自身の不甲斐なさに呆れつつも感情を伝播してくれたことに感動しつつ、見て無駄じゃなかったと思った。見終えてみるとそこそこおもしろい作品であった。Netflixにて2025年/アメリカ/107分/監督:ジャニーン・ダミアン脚本:ニコル・ヘーンリヒ出演:ミランダ・コスグローブ、ピアソン・フォード、マディソン・ペティス、マデリン・アーサー、フランシス・フィッシャー、イボンヌ・オージ、トランス・クームズ、クリスティン・パーク、エミリヤ・バラナック、ハンナ・ストッキング原題:The Wrong Paris(「違うパリ」) お薦め度「パリス?で恋に落ちる方法」★★★☆(70%)
2025.10.08
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このブログで2021.05.15「思い出トランプ」向田邦子:著 新潮文庫 テーマ:読書で一念発起して改めて本を読み始め、図書館に通うようになり読書量が増えた。以来、通勤の行き帰り、就寝前など寸暇を見つけては読んでいる。どのような本を読むか。小説であるが、選書に迷い、芥川賞や直木賞、本屋大賞やミステリ大賞など受賞作品を中心に選び、時として話題作、注目作を読んできた。この「湖上の空」の著者:今村翔吾に関しても直木賞受賞作「塞王の楯」で初めて読むことになる。(2023.06.24読書レビュー 「塞王の盾」今村翔吾:著 集英社)。大作であり、おもしろく読んだ。人生をかけた仕事に恋を絡めたエンタメな時代小説であった。ゆえに他の作品を読もうと思い、以後、2023.09.18「イクサガミ 天」今村翔吾:著 講談社文庫2023.12.16「イクサガミ 地」今村翔吾:著 講談社文庫2024.02.03「ひゃっか!」今村翔吾:著 ハルキ文庫2025.03.13「イクサガミ 人」今村翔吾:著 講談社文庫2024.06.15「海を破る者」」今村翔吾:著 文芸春秋2025.09.11「人よ、花よ、」今村翔吾:著 朝日新聞出版社と読んでいる。本作「湖上の空」はエッセイ集であり、今村翔吾の生い立ちや作家を目指したことなどが書かれていて、本人の思いや考えを吐露している。エッセイゆえさらっと読めていいと思いながらさらさらと読み進めたところ、直木賞受賞について書かれたもので心揺さぶられ不覚にも涙してしまった。エッセイで泣くとは……。彼の初期の作品は読んでいないがデビュー作「火喰鳥 羽州ぼろ鳶組」がシリーズとなるほどの作品ではあるのだが敬遠していた。本作のエッセイを読み、いまさらながら読んで見ようと思った。読んで感心したエッセイであった。湖上の空 [ 今村 翔吾 ]
2025.10.08
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