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NHK BSシネマで放送される映画の中からおすすめ作品を紹介します。12月おすすめ作品は「はじまりのうた」12/2、「フィラデルフィア」12/3、「ダウントン・アビー」12/11、「隠し砦の三悪人」12/12、「コーダ あいのうた」12/16、「用心棒」12/19、「墓石と決闘」12/20、「ボヘミアン・ラプソディー」12/24、「椿三十郎」12/26、「許されざる者」12/27、「エディット・ピアフ 愛の讃歌」12/31、「七人の侍」12/31、この作品の中から選んだ2作品はこれら。未見の「ダウントン・アビー」、紹介済みの「はじまりのうた」「フィラデルフィア」「コーダ あいのうた」「用心棒」「墓石と決闘」「ボヘミアン・ラプソディー」「椿三十郎」「エディット・ピアフ 愛の讃歌」「七人の侍」を省く。、(チラシ画像の下のリンクは画像の出展元を掲載)映画ポスター 騎兵隊 公開当初オリジナル B2ポスター 1959年 ジョン・フォード ジョン・ウェイン アメリカ映画 西部劇 ポスター d581の落札情報詳細 - Yahoo!オークション落札価格検索 オークフリー「騎兵隊」2024年12月13日(金)午後1時00分~The Horse Soldiers 1959 アメリカ 115分ジョン・ウェインとウィリアム・ホールデンで贈る傑作西部劇。子供の時に見て大感動。お薦め度★★★★☆(90%)映画感想「許されざる者」 | 大TOKYOしみじみ散歩日記「許されざる者」2024年12月27日(金)午後1時00分~The Unforgiven 1960 アメリカ 125分オードリー・ヘップバーン唯一の西部劇。彼女の引退前、最後の作品。人種差別を描いており西部劇でありながら社会はドラマであった。お薦め度★★★★(80%)
2024.12.01
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女性の長い黒髪にも見えた表紙の絵。墨なのだろうか。タレント作家の本を読むこと、エッセイではなくて小説を読むことに抵抗を感じて、評価されている加藤シゲアキの本を手に取ったことはこれまでなかった。直木賞候補である。読み始めてみると、手練れとも思える導入部。文章に重厚感が感じられる。ミステリーかと思わせるはじまりは興味をそそられた。その後も読み進むうちに作家としての確かな力量が感じられた。展開も楽しみであった。作者自身が馴染みのあるテレビ局を取り上げて、事件性のある展開。男女交際も巧みに取り入れて読者の気を惹く。「たった一枚の展覧会」を企画しようとしたことによって秋田という土地、日本最後の空襲といわれる秋田の土崎空襲まで行きつく。戦中・戦後という時代をさかのぼり、さぐりつつ、行方不明である無名の画家を探し出そうとする。テレビ局の社内政治、秋田の地元の秘密など秘匿されたものをあばくという一面を通して、傷つき翻弄されていく主人公たち。読んでいて圧倒された。しかし、主人公は誰なのか。守谷なのか吾妻なのか、読み進めていくうちに二人とはかけ離れたところで捜査(?)が展開していく。守谷と交際している女性キャスターの関係も気になるが最低限しか描かれない。枝葉末節なことであるが気になってしかたなかった。内包している問題はいくつもあり、重要と思える。それらを絡み合わせながらあるべき終着へとたどり着く。納得できる結末ではありながら、秘密は暴いても解決されていない、解決されない事柄があるように思える。なれのはて [ 加藤 シゲアキ ]
2024.12.01
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Paris Christmas Waltz (2023)きらびやかで輝く美しいパリのクリスマス風景。パリ市内、くっきりとそびえたつエッフェル塔は孤立、超然として存在していた。思えば東京タワーが出来た昭和の時代。東京タワーもエッフェル塔よろしく超然として存在していた。それが高層ビル群に埋もれてテレビ電波塔の役目を果たせなくなってスカイツリーにとってかわられた。町の景観を考えるフランスの見事さよ。さて、この作品は社交ダンスに魅せられた経理ウーマンが新天地を求めて退職したことからすべては始まる。思いもよらぬ競技ダンスへの参加。そのためニューヨークからパリへと渡る。海外旅行が初めての彼女、エマにはパリの町は夢の世界であった。そのパリの輝きが映像に映し出される。泊まるホテルも小粋ではあるけれど、クリスマス感満載のベッドルーム。まるでディズニーホテルのようだ。プロのダンサーの相手役のアマチュアとして抜擢された彼女の踊りはダンス歴1年のレベルではなく、相当な熟練者の踊りであった。ペアを組むことで彼との化学反応を最重要視している彼の恩師の振付師の老人。仲良く進歩していくに思えたペアだが彼の元ダンスパートナーの横槍によりぎくしゃくしてしまう。このままダンスは踊れるのか?恋の先行きは……。海外旅行のウキウキ感、恋のトキメキ。舞い上がってしまう内容に見ているこちらもテンションが上がる。ロマンスと恋の予感が、気持ちと態度の裏腹さに見ながらハラハラしてしまう。クライマックスのダンスは素晴らしく、得も言われぬ心持に連れていってくれるが、競技ダンスというよりはコンテンポラリーと思える振り付けに疑問も残る。とはいえ、素敵な映画であった。長さ的にテレビ映画ではないかと思ったけれど、やはりテレビ映画だった。Netflixにて2023年/アメリカ/85分/監督:マイケル・ダミアン脚本:ジャニーン・ダミアン、マイケル・ダミアン出演:ジェン・リリー、マシュー・モリソン、ジェイド・ユウェン、ジャッキー・ディーソン、ポール・フリーマン原題:Paris Christmas Waltz(「パリ・クリスマス・ワルツ」)お薦め度「クリスマスワルツはパリで」★★★★(80%)
2024.11.30
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The Merry Gentlemen (2024)軽快なコメディ。人生の岐路に立って、夢か恋か、都会か田舎か。たぶん若ければ夢と都会を選ぶんだろうけれど、夢に挑戦し、恋の経験も経た大人となっては、思い悩むけれども決断を下すことになるのは、ある種、経験を経た者には理解できる。この作品を見た若者はそうじゃないだろう、と思うかもしれないけれど、主人公たちと同様、経験を積んだ大人になれば、夢がついえたあとのこととしてこれからの人生を考えられるのではないかと、人生の最終コーナーを曲がってしまった私は考える。男性ストリップ(?)ショーがこんなに容易く成功するとは思えないけれど、そこはご愛嬌として、クリスマスの娯楽として大いに楽しめばよい、と思える作品であった。Netflixにて2024年/アメリカ/87分/監督:ピーター・サリバン原案:ジェフリー・シェンク、ピーター・サリバン脚本:マーラ・ソコロフ出演:ブリット・ロバートソン、チャド・マイケル・マーレイ、マーラ・ソコロフ、マイケル・グロス、ベス・ブロデリック、マックスウェル・コールフィールド、マリア・カナルス=バレッラ、コルト・プラッツ、ヘクター・デビッド・Jr.、マーク・アンソニー・サミュエル原題:The Merry Gentlemen(「陽気な紳士たち」)お薦め度「ザ・メリー・ジェントルメン」★★★☆(70%)
2024.11.24
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作家・村山早紀のファンタジー・ワールドでは良い作品なのだろう。”だろう”というのも、私にはピンとこない物語であったからだ。猫が登場するお話が5話あるけれど、猫好き、あるいは猫の飼い主でなければわからないこと、気づかないことを巧みに文章化されていて、その点、興味深い。しかし、ファンタジーの世界は遠い向こうにあり、その世界に入り込めなかった。一番しっかりと読んだのはあとがきである。あとがきには作者・村山早紀さんの本音が書かれているように思われ、同学年・同年齢の私は”あと10年”という思いも共有できる。ゆえに、とても心に響いた。街角ファンタジア [ 村山 早紀 ]街角ファンタジア【電子書籍】[ 村山早紀 ]
2024.11.20
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(C)2024 UNIVERSAL STUDIOS,WARNER BROS.ENT.& AMBLIN ENTERTAINMENT,INC.衝撃的な始まりだった。四半世紀前に見た映画「ツイスター」は人気で大ヒットした。主役を演じたヘレン・ハントは一躍有名スターとなり「恋愛小説家」「ハート・オブ・ウーマン」「ペイ・フォワード 可能の王国」「キャスト・アウェイ」でジャック・ニコルソン、メル・ギブソン、ケビン・スペイシー、トム・ハンクスといった名だたるハリウッド・スターと共演し、続々とヒットを飛ばした。今回の主役デイジー・エドガー=ジョーンズは奇しくも「ツイスター」が製作された年に生まれた。瞳がくっきりと愛くるしい明眸皓歯な彼女が「ザリガニの鳴くところ」の主役カイアを演じたその人だとはまったく気づかなかった。このブログを書くためにチェックして気づいた。それゆえ大スターとなっていくのかわからない。さて、この映画、衝撃的な始まりだった。”ツイスターズ”と複数形になっているのは何を意味するのか。竜巻を追いかけるチームが二組あることなのか、双子の竜巻の事なのか。劇中でも複数の竜巻発生が映し出されている。竜巻への対策、人々が被害に遭わないように、竜巻を胡散霧消するために奮闘するケイト(デイジー・エドガー=ジョーンズ)は成功するのだろうか……。竜巻の猛威を映し出してスペクタクルな醍醐味のある映画であった。巨大竜巻に立ち向かう人間模様を描く大作である。U-NEXTにて2024年/アメリカ/122分/G監督:リー・アイザック・チョンキャラクター創造:マイケル・クライトン、アン=マリー・マーティン原案:ジョセフ・コジンスキー脚本:マーク・L・スミス出演:デイジー・エドガー=ジョーンズ、グレン・パウエル。アンソニー・ラモス。ブランドン・ペレア、キーナン・シプカ、デビッド・コレンスウェット、モーラ・ティアニー、サッシャ・レイン、ハリー・ハッデン=パットン、ダリル・マコーマック、トゥンデ・アデビンペ、ケイティ・オブライアン、ニック・ドダーニ、ポール・シェアー原題:Twisters(「巨大竜巻」)お薦め度「ツイスターズ」★★★★(80%)
2024.11.17
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直木賞受賞作品「ともぐい」。この表題である”ともぐい”は雄熊同士の一騎打ち以外、はっきりと認識できるものはなかった。多少、近いものはあったけれど。さて、主人公は熊猟師である。アイヌの爺さんに育てられた日本人の男。生まれながら見様見真似で猟を覚え、山奥深く小屋で暮らす。一匹の猟犬といえるのか、犬がいる。男は猟をし、山菜などを獲り、山を下りて近隣の村の大店に売りに行く。いや、買い取ってもらう。そこで見た盲目の女。日露戦争目前の北海道で俗世とは縁を切り猟師として生き、猟師となくなって生きた男の障害が合描かれている。読みごたえは十分。ともぐい [ 河崎 秋子 ]
2024.11.17
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(C)2024 PARAMOUNT PICTURES.冒頭の海にそり立った城壁に挑む海洋の船、船、船……。この戦闘シーンが最も激しく最も熾烈であった。飛び出す火の玉に飛び散る兵たち。雨のように降り注ぐ弓矢。肉弾戦ともなった合戦、斬りあいはみごと。これと対照的なクライマックスであった。さて、ルシアスを演じるポール・メスカルは一作目のラッセル・クロウと比べて、また今作登場する他のグラディエーターたちと比べても小粒な感じがする。機転や奇策で勝ち残るのはいいけれど、単に腕っぷしでも強力さを感じる、いで立ちであったらなぁ、と思えた。ルシアスの生い立ちやアカシウス(ペドロ・パスカル)の思いや過去の描き方ほどマクリヌス(デンゼル・ワシントン)の生い立ちについては言及も少なく映像もない。マクリヌスについてその来歴を丁寧に描いていればクライマックス、ルシアスとマクリヌスの対峙はより鮮明に、より感情移入して見られたかもしれない。壮大なスケール、その広大さはスクリーンで見てこそ感じられる。2024年/アメリカ/148分/R15+監督:リドリー・スコットキャラクター創造:デビッド・フランゾーニ原案:ピーター・クレイグ デビッド・スカルパ脚本:デビッド・スカルパ出演:ポール・メスカル、ペドロ・パスカル、ジョセフ・クイン、フレッド・ヘッキンジャー、リオル・ラズ、デレク・ジャコビ、コニー・ニールセン、デンゼル・ワシントン原題:Gladiator II(「グラディエーター2」)お薦め度「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」★★★☆(70%)字幕翻訳:戸田奈津子字幕監修:本村 凌二、大清水裕
2024.11.16
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(C)2018 NOLITA CINEMA - LES FILMS DU MONSIEUR - TF1 DROITS AUDIOVISUELS - FRANCE 2 CINEMAこれが現在のフランスなのかも。三度目の結婚式を挙げる長兄48歳(かな)。末の妹35歳(かな)が次兄に電話するもつながらない。次兄47歳(かな)はなかなか来ない。二時間遅れで到着。三度目となる兄に離婚を蒸し返すお祝いの言葉を話してしまう次兄。そして、三人目の妻の名を覚えていない……。両親の月命日に兄妹三人で参集し墓参する習慣があるが、いつも墓前でけんかとなる。三人三様の個人的問題を抱えて、しっちゃかめっちゃか。家族について考えるとき、養子縁組が国際的である。やや気づまりで息苦しい感じのするドラマであるが、最後まで見ると、ほっとする。言葉は辛辣であるが、なかなか本当のことが言い出せない心優しい人たちであった。U-NEXTにて2021年/フランス/105分/PG12監督:ジャン=ポール・ルーブ脚本:ダビド・フェンキノス、ジャン=ポール・ルーブ出演:リュディビーヌ・サニエ、ジョゼ・ガルシア、ジャン=ポール・ルーブ、ラムジー・ベディア、ポーリーヌ・クレマン、フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー、フラン・ブリュノー、ガブリエル・ナカーシュ原題:Lola et ses freres(「ローラと彼女の兄たち」)お薦め度「ローラと二人の兄」★★★☆(70%)
2024.11.14
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”第九代将軍・徳川家重を描く傑作時代小説”とあるが、たしかに読み応えのある本である。家重の父である第八代将軍・吉宗に関しては社会の授業にも出て来るし、テレビドラマ「暴れん坊将軍」で身近に感じるのでよく知っている気がする。そして、その町奉行である大岡忠相も大岡越前守として知られこれまたテレビドラマ「大岡越前」で見知っている。この本の主人公は、大岡越前のはとこの息子・大岡忠光である。小児麻痺だったとも言われる家重は半身が不自由で言語不明瞭。音声は発すれど、言葉にはならない。その言葉をただ一人聞き分けたのが大岡忠光とのこと。そして忠光が家重につかえ、家重の口となって将軍となり治世を行う涙ぐましい日々を描いた大作である。読むにつれて郡上一揆や田沼意次のことなども出てきて、興味深い。続編ではないようだが、(以下、幻冬舎HPより)”まいまいつぶろ 御庭番耳目抄青名半四郎。又の名を、万里。徳川吉宗・家重の将軍二代に仕えた御庭番は、江戸城の深奥で、何を見、何を聞いたのか?隠密秘話に胸熱くなる、『まいまいつぶろ』完結編。”(以下、幻冬舎HPより)「まいまいつぶろ 御庭番耳目抄」という本がある。読みたいと思う。まいまいつぶろ [ 村木 嵐 ]まいまいつぶろ 御庭番耳目抄 [ 村木 嵐 ]
2024.11.13
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(C)2023 UNIVERSAL STUDIOS. ALL Rights Reserved.監督をチェックして見たらデビット・リーチ。よく知らないなと思ったけれど「ブラック・トレイン」の監督であると知り、納得。とんでもなくハチャメチャでありながら壮絶な死闘を描きスペクタクル映画である。すごい監督だ。「ジョン・ウィック」シリーズも「ケイト」もかかわっていて「ワイルド・スピード スーパーコンボ」も監督している。スタントマン出身とのことで本作のスタントシーン、カーアクションなどすべてお手の物といったところかもしれない。とにかくすごかった。ストーリーは良く練られていてややこしいところがあったりするけれど、破綻するようなところはなくて見どころ多い。しかし、練りすぎて観客の理解が追いつかないかなと思える気がしないでもない。内容が充実しているせいかライアン・ゴズリング、エミリー・ブラントという有名スターが主役ではあるけれど、もっとスターを使ってもいいのかも。トム・ライダー役のアーロン・テイラー=ジョンソンは私は知らなかった。彼の代わりに終了間際、超有名スターがキャスティングされていた点はニンマリできた。(笑)U-NEXTにて2024年/アメリカ/127分/G監督:デビッド・リーチ原案:グレン・アルバート・ラーソン脚本:ドリュー・ピアース出演:イアン・ゴズリング、エミリー・ブラント、ウィンストン・デューク、アーロン・テイラー=ジョンソン、ハンナ・ワディンガム、テリーサ・パーマー、ステファニー・スー原題:The Fall Guy(「身代わり」)お薦め度「フォールガイ」★★★★(80%)
2024.11.10
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秋季大会は春のセンバツ高校野球、甲子園出場をかけた大切な試合である。その秋季大会途中で……事故。ショックな展開である。野球の試合よりも、そのほかのことで勝ち進むことが阻害される。なんともいえず、嫌だなぁと思うしかない。早く23が読みたい。
2024.11.10
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望月歩「何をやるにしても嫌な部分がない」柔軟性が魅力の21歳、ドラマに映画に大活躍 - シネマ写真ニュース : 日刊スポーツドラマ「マイダイアリー」第2話を見て和田虎之介を演じる望月歩に注目した。縦横無尽に軽妙に演じる彼にコメディアン(喜劇役者)としての才能を感じ、見入った。家族にはなすと、子供のころから注目していたとのこと、子役からのたたき上げだと知り、ググってみた。ググってみたところ彼の作品を見ていることは少ないのだが、それでもWikipediaによると「サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻 」第5話(2018年11月3日、BSテレ東)「3年A組-今から皆さんは、人質です」(2019年1月6日 - 3月10日、日本テレビ)連続テレビ小説(NHK)「エール 」第3週 - 最終週(2020年4月13日 - 11月27日)連続テレビ小説(NHK)「虎に翼」(2024年7月15日 - ) 大河ドラマ 「麒麟がくる」 第40回 - 最終回(2021年1月10日 - 2月7日、NHK)「石子と羽男-そんなコトで訴えます?」 第9話・最終話(2022年9月9日・16日、TBS)映画「ラストスマイル」を見ている。思い出してはっきりと認識できるのは「虎に翼」の彼だけ。役所の事務員を演じていた。その彼に今回注目したのは第2回の主役と言える登場だったし、優しさで寄り添う各柄がコミカルでよかったから。演技巧者といえる素晴らしさであった。画像の日刊スポーツを見ると前々から注目された若手であったようである。今後は私も注目していきたい。
2024.11.10
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Fair Play フェアプレー : ポスター画像どぎつい作品だった。聡明で美しくもある理想のカップルがこのような形で破綻するとは。競争の過酷なヘッジファンド会社で同僚として働く恋人同士のエミリーとルークは、婚約するが、同僚と男女交際することは会社ではご法度。誰にも言えない……。上席がクビになり、マネージャーに昇格したのは女性のエミリーだった。彼女の昇進により二人の関係はぎくしゃくしていく。エミリーは彼、ルークを出世させたいと思うけれど、車内ではリストラ候補であった、そして……。生き馬の目の抜くごとくヘッジファンドの売買は大きく損失するし大儲けもする。制御できない仕事に忙殺され二人の関係は崩れていく……。女性が出世していく難局、男が自滅していき狂気の沙汰に到達するこの作品はラストまで衝撃体であった。圧倒された。Netflixにて2023年/アメリカ/115分/PG12監督:クロエ・ドモント脚本:クロエ・ドモント出演:フィービー・ディネバー、オールデン・エアエンライク、エディ・マーサン、リッチ・ソマー、セバスチャン・デ・ソウザ、パトリック・フィッシュラー、ジェラルディン・ソマービル原題:Fair Play(「公正な扱い」)お薦め度「Fair Play フェアプレー」★★★★(80%)
2024.11.10
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(C)2019 Dadi Century (Tianjin) Co., Ltd. Beijing Lajin Film Co., Ltd. Emperor Film Production Company Limited Shanghai Yeah! Media Co., Ltd. All Rights Reserved.香港で火鍋店主の父が死んだ。その時、娘は……。父の知らざる過去。台湾と中国にそれぞれ娘がいる。つまり腹違いの妹がいる。父の店を閉めようにも賃貸契約が1年残っていて解約できない。解約するには違約金を払わなければならない。父の葬儀を儒教でしたら、父は仏教とのこと。家を省みない父について何一つ知らなかった娘は妹たちと出会い、やむなく火鍋店を続ける……。血のつながりはあるものの……親子の断絶、感情の行き違いを描いた作品である。U-NEXTにて2019年/香港/118分/監督:ヘイワード・マック脚本:ヘイワード・マック音楽:波多野裕介出演:サミー・チェン、メーガン・ライ、リ・シャオフェン、リウ・ルイチー、ウー・イエンシュー、リッチー・レン、ケニー・ビー、アンディ・ラウ原題:花椒之味 (「花椒の味」)英語題名:Fagara(「イヌザンショウ」)お薦め度「花椒(ホアジャオ)の味」★★★☆(75%)
2024.11.09
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(C)藤本タツキ/集英社 (C)2024「ルックバック」製作委員会話題になっていたアニメ「ルックバック」、早くもamazon prime videoにて配信。見始めるとLOOKBACKと題字が出て英語をしゃべりだした!?ままよ!?と焦って、字幕と音声の設定が”007”を見たままで同じ適用らしく、あわてて日本語音声にかえて初めから見るとルックバックと表示された。(安堵)凄いなAmazon、もちろんNetflixは世界各国語を選べると知っていたけれど、日本アニメに英語がつくなんてAmazonに驚いた。予備知識ゼロで見たところ、不登校のまま卒業したり、卒業証書が他学級の生徒が持参という変だと思えるところはあるけれど、漫画家になっていく、そしてその後の展開は驚異の世界であった。それだけでなく時空を超えてしまった……。どう解釈すれば良いのか……。一度は見るべき、かと。amazon prime video にて2024年/日本/58分/G監督:押山清高原作:藤本タツキ脚本:押山清高声の出演:河合優実、吉田美月喜、斉藤陽一郎、岡幸太、牧紅葉、吉橋航也、宮島岳史、高橋大輔、森川智之、坂本真綾お薦め度「ルックバック」★★★★☆(90%)
2024.11.09
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「海の見える街」で強烈に心酔した私は”畑野智美の新たな代表作”という謳い文句に釣られて、即座に買った。読み始めるまでに時間がかかったが、無事、読み終えた。この本は「海の見える街」とは違って、心酔するものがない。今時の話で、誰かを好きになることなどなく、性欲もないという男性が主人公である。感情の起伏があまりなく、とはいえ、まわりのことは過敏に感じる。繊細なとても繊細な心の持ち主である。激烈な死の淵までついていく、くらいの恋愛に興味のある私からすれば、なんと希薄な心持なのか、と思える。主人公の気持ちがわからないわけではない。よくわかる。よくわかるが、共感できるかといわれれば、共感できない。異性にも恋にも性にも興味のある男性として、同じ立ち位置に立てないだけである。それゆえ、読後感もわかるけれど平静といったもの。しかし、この平静こそがこの本の真骨頂なのかもしれない。世界のすべて [ 畑野智美 ]
2024.11.07
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誰がこうなることを予想しただろう。バイデン大統領が立候補を取りやめた時、かわってカマラ・ハリス副大統領が立候補者となった。副大統領就任時がピークと思える人気だった彼女、この立候補によりたちまち大人気ぶりをみせた。つぎつぎとハリス氏を応援する有名人が続出!!暗殺未遂で生きながらえたトランプ氏を政治的に抹殺できるほどの勢いだった。しかし、テレビ討論会を終えて、真っ向勝負はできないと知ったトランプ氏はハリス氏とは勝負せず、支持を広げていくことにした。一番の味方はイーロン・マスク氏だろう。4年前はフェイク・ニュースやTwitterでの虚偽を問題視されたのだけれど、Twitterを買い取りXとしたマスク氏は自らが虚偽かと思える投稿をし、1億ドル以上を提供したとされる。選挙民へのばら撒き、実弾(お金)を配った。日本だと選挙違反と思える行為は人気を呼び、トランプ支持者を増やしたと思える。もしトラの時には大いに驚いたが、弁が立つと思われたハリス氏が演説することで墓穴を掘り、人気を失くしていった。それは日本の総裁選での小泉進次郎氏のようである。しゃべると無知や不勉強、不適切発言をし、支持者を減らしていった。小泉氏に元首は無理だと思われた。同様にハリス氏も失言があり、ニュースになるほどだった。演説によって選挙民を魅了し得票につなげなければならないのに。接戦が予想された結果はトランプ氏優位のまま決着がつき、またトラとなった。これは民主党、アメリカにとって残念な結果であるが、4年後を考えれば前向きになれよう。なぜなら再選されたトランプ氏に5年目はないのだから。共和党にトランプほど悪態をつく強敵はいなくなり、民主党はカマラ・ハリス氏でない候補者を選べることになる。
2024.11.07
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Zhou chu chu san hai (2023)過激だ―!!!!!原題は「周處除三害」でこれには意味がある。その意味が分からないので、台湾映画『周處除三害(邦題:我、邪で邪を制す)』 - Shinonの部屋 ~Shinon's room~を参照”周處除三害とは?この映画のタイトル『周處除三害(三悪を排除する)』の意味が良く分からなかったので、香港出身の老公に聞くと中国の古文でこういう意味なんだ、とざっくり教えてくれました。非常~に興味深かったので、中国語の維基百科(Wikipedia)でちょっと調べてみました。昔昔、魏・呉・蜀~晋の時代、中国の吳郡(現在の江蘇省宜興市)に、周處(236-297年)という裕福な役人の息子さんがいました。周處は幼いころに父親を亡くし、乗馬や狩りが好きで、色と欲に溺れ、皆から避けられる、悪名高き人物でした。自分が嫌われているのを知っていた周處は、彼らの考えを変えたいと思い、村の長老達に何に苦しんでいることがあるか尋ねました。長老たちは、『三悪を無くさなければ、我々は幸せになれない。三悪とは、虎と龍とあなたです』と答えました。(あなたです、って本人に向かって言う?・・・ホントかな?(笑))だったら、それらを私が退治しよう、と言うと、長老たちは喜びました。周處は三日三晩かけて龍を殺し、長旅をしてついに虎をも殺しました。そして、村人たちのために力を尽くして戦った周處が村に戻って来ると、何と、周處がしばらく帰って来ないので死んだと思い、それを皆で祝っている彼らを目にします。その様子を見て、みじめに思った周處は、考えを改め、勤勉になり、正義に忠実になり、出世をしたことで、自分を含む三悪を無くしたのです。なるほど。これを聞くと、題名は内容を暗示していることが分かります。この映画の中での三悪は、「The Pig, The Snake and The Pigeon」の英題通り、豚、蛇、鳩なのです。これを意識して見ると、この映画ももっと味わい深くなると思います。”とのこと。さて、概ね似たような流れになる物語ではある。とはいえ、内容な見てのお楽しみ。そうか、と納得できればいい。いろいろと賞を獲った作品らしい。私の感想とすると、ちょっといただけないなぁ、と。そこに正義はないから。ヒールだけというわけでもないけれど、衝撃の展開が待っているんだけれど、それを知った時のショックは大きい。大きすぎて、人間不信に堕ちてしまう。結末は……。圧倒されて見終った。これがいいとは人には勧められん……。Netflixにて2023年/台湾/134分監督:ウォン・ジンポー脚本:ウォン・ジンポー出演:イーサン・ルアン、ベン・ユエン、チェン・イーウェン、ワン・ジン、シエ・チョンシュアン、リー・リーレン原題:周處除三害(「あらゆる場所で三悪を排除せよ」)英語題:The Pig, the Snake and the Pigeon(「豚と蛇と鳩」)お薦め度「我、邪で邪を制す」★★★☆(70%)
2024.11.06
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「夜刑事」ヨルデカはヨルシカと一字違いだな、なんてことに気づく。新作の新キャラクターの刑事であるのに、読み始めて新宿鮫と混同してしまった。鮫(サメ)ではなく岬(サキ)と呼ばれる刑事。ヴァンパイヤ・ウィルスに感染した唯一の刑事。荒唐無稽な設定だがコロナ禍のパンデミックを体験した経験があると、この不可思議極まりない特異なウィルスに関してリアリティが感じられる。起こったことがないことは絵空事として排除されるが、起こってしまったことに関しては絵空事が絵空事でなくなる。現実味を帯びるのだ。大沢在昌のアップデートに驚く。出て来る外国人がもはや中国人でなくベトナム人なのだ。犯罪に加担する人種も違っている。そしてリサーチしたのだろう、土地に関しても詳しい。さて、ウィルスに対するワクチン研究というものも描きながらドンパチのある展開、からむ女スパイ、興味を惹く仕掛けはいろいろとあった。よく考えた作品であるけれど新宿鮫と比べると練度と歴史がちがうというか慣れ親しさの深度も違い、新宿鮫のほうが痛快な気がする。とはいえ、ウィルスというめずらしいものを題材にした刑事小説。シリーズ化なるか、注目したい。夜刑事 [ 大沢 在昌 ]
2024.11.05
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こんな人がいたのか。最後の侍と著者自身が評しているが、終戦時内蒙古からの内地への撤退に際し、無条件降伏という条件の武装解除を行わず、終戦直前突如宣戦布告してきたソ連に対し徹底抗戦した陸軍中将・根本博。ソ連の日本人捕虜シベリア抑留は良く知られたことであるが、これは関東軍が武装解除したがゆえにソ連の暴挙を許したものであるらしい。元日本陸軍北支那方面軍司令官・根本博中将は前書きの”はじめに”の文によると”終戦後の昭和二十年八月二十日、内蒙古の在留邦人四万の命を助けるために敢然と武装解除を拒絶し、ソ連軍と激戦を展開、そしてその後、支那派遣軍の将兵や在留邦人を内地に帰国させるために奔走した人物である。”内蒙古にいた将兵と在留邦人は万里の長城を目指し、国民党軍(中華民国)に対し武装解除を行う。そして生き残った者は無事、内地へ帰国させる。その時の恩義、決死の覚悟で死地を脱した根本博は蒋介石、国民党軍への恩返しをと密航にて台湾へ渡る。共産党軍に連敗し敗走する国民党軍に身を投じるため。根本博の作戦により金門島を守り切り台湾を死守したとのことである。それらの事柄が書かれてあるが日本国内でのニュース、台湾での歴史からの抹消といったことも書かれていて、なお、その後の著者の調査にも触れられていて、根本博の痕跡を探し出すことの困難さがわかる。この本を読むまで根本博中将のことは知らず、武装解除をしなかったがために内蒙古の日本人が助かったということも知らなかった。このことをこの本だけでなく広く現代の日本人に知ってもらいたいと思えた。この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡 (角川文庫) [ 門田 隆将 ]
2024.11.03
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(C)2024「八犬伝」FILM PARTNERS.これは「南総里見八犬伝」ではなく山田風太郎「八犬伝」が原作である。Wikipediaには”『南総里見八犬伝』をモチーフに、『南総里見八犬伝』の作者・滝沢馬琴と葛飾北斎との交流を描いた「実の世界」と、『南総里見八犬伝』の「虚の世界」の2つの世界を交錯させながら描く。”とある。1983年に書籍化された新聞小説を今なぜ映画化するのか、皆目わからない。独自の視線でファンタジーを描く山田風太郎の描き方はユニークであるが、人物像としての滝沢馬琴物語にするか、エンタメとして八犬伝物語として描く方が入り込みやする楽しめると思う。映画として見るならば1983年公開の薬師丸ひろ子主演の「里見八犬伝」のリメイクでもよかったんじゃないかと思う。そうではなくて滝沢馬琴を描きたかったのだろう、か。キャスティングは素晴らしいと思う。皆、役に溶け込み、役そのもののように登場してくる。滝沢(曲亭)馬琴の役所広司と葛飾北斎の内野聖陽はじいさんの作り込みも面白く大げさにしない芝居が良い。妻のお百の寺島しのぶは申し分のない女房を演じるし、嫁のお路の黒木華もぴったりといえる。見事なのはあ玉梓の栗山千明であろう。怨念を持った女として彼女の眼光はするどく尖った鼻はと尖った顎は申し分ない。歌舞伎のシーンは誰が誰かわからないけれど歌舞伎役者が演じているであることは見て取れ、当然というか正しく歌舞伎であった。八剣士は八剣士で作り込みが甚だしく俳優がだれなのか見分けがつかない(笑)。犬塚信乃の渡邊圭祐がしっかりとわかるくらいで、身長のない板垣李光人ははっきりと認識できるくらい。あとはごつい3人と若手3人で見分けがつかない(笑)。板垣李光人はとても美しく美女を演じてお似合いだった。見どころのある鶴屋南北・立川談春の芝居もあるが、コントにも見えてしまう殿様・里見義実の小木茂光の天守閣のシーンもあった。丶大法師(ちゅだいほうし)となった丸山智己の坊主頭がやや大きいことが気になった。もう少し小さくできなかったものか(CGで削るとか)。南総里見八犬伝を知っている者であればいいと思うが、知らない者は八犬伝を理解できたのだろうか。2024年/日本/149分/G監督:曽利文彦原作:山田風太郎脚本:曽利文彦出演:役所広司、内野聖陽、土屋太鳳、渡邊圭祐、鈴木仁、板垣李光人、水上恒司、松岡広大、佳久創、藤岡真威人、上杉柊平、河合優実、小木茂光、丸山智己、真飛聖、忍成修吾、塩野瑛久、神尾佑、栗山千明、中村獅童、尾上右近、磯村勇斗、立川談春、黒木華、寺島しのぶお薦め度「八犬伝」★★★☆(70%)
2024.11.03
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読みやすい。それはこの作品が私に合っているからかもしれない。表題作は直木賞受賞作である。これと「十二月の都大路上下(カケ)ル」が掲載されている。「十二月の都大路上下(カケ)ル」は青春小説である。リアルである。その熱情に私は感動した。ゆえに同じような作品が続くと思いしが、「八月の御所グラウンド」はリアルでない。ファンタジーである。そして、結末、クライマックスは読者にゆだねる。試合の結果はどうなったのか、を。どちらかというとリアルが好みの私からすると「十二月の都大路上下(カケ)ル」が断然よかったのだけれど、直木賞選考員の一人は「十二月の都大路上下(カケ)ル」は不要と断じているようである。とはいえ、大いに魂揺さぶられ、感動した「十二月の都大路上下(カケ)ル」を推したい気持ちである。直木賞の「八月の御所グラウンド」はファンタジーであるということを理解するのに戸惑った(笑)「八月の御所グラウンド」は素敵な作品であった。(Amazon.co.jp: 八月の御所グラウンド (文春e-book) eBook : 万城目 学: Kindleストア)より”京都が生んだ、やさしい奇跡。ホルモー・シリーズ以来16年ぶり京都×青春感動作女子全国高校駅伝――都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。謎の草野球大会――借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する羽目になった大学生。京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとは――。今度のマキメは、じんわり優しく、少し切ない人生の、愛しく、ほろ苦い味わいを綴る傑作2篇。 大学時代を京都で過ごした万城目学さんが『鴨川ホルモー』でデビューしたのは2006年。その後も『鹿男あをによし』『プリンセス・トヨトミ』など、独自の世界観と鮮烈な感性で私たちを驚かせ続けてきましたが、意外にも京都を舞台にしたのは『ホルモー六景』(2007年)が最後でした。 その万城目さんが16年ぶりに京都に帰って来ます。収められた2篇はそれぞれ、女子高校生と男子大学生を主人公としたド直球の青春小説。まさに「ホルモー」シリーズの万城目学、再来!とも言えますが、「ホルモー」が途轍もない勢いを感じさせる作品だとしたら、本書は瑞々しい感性はそのままに、しかしどこか成熟の匂いがします。 京都で起こる奇跡のようなフシギな出来事が、私たちの心の中にじんわりと優しく、同時になんとも切ない感情を呼び起こすのです。青春とは、人生とは、こうしたものかもしれない、そういう名状しがたい感動が心に拡がります。もしかすると、これまでのどの万城目作品にもなかった読後感かもしれません。”(以上、Amazon)八月の御所グラウンド [ 万城目 学 ]
2024.11.03
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007/ダイヤモンドは永遠に : ポスター画像ふーむ、一度降板したショーン・コネリーが復活。必然なのか、いたしかたなくなのか、「女王陛下の007」でジェームズ・ボンドを演じたジョージ・レーゼンビーが俺様王様の態度が災いしてか1作のみでの出演辞退(降板)となったがため。内容が壮大なスケールの割には中途半端な設定に思えるところが散見され、ジェームズ・ボンドを待ち受ける敵が家の中で水着姿の女性という必然性のない衣装に失笑してしまった。主たるボンド・ガールのジル・セント・ジョンが演じるティファニーとの関係も意味やもつれがありなGら希薄な点が内容が薄い印象を与える。カー・チェイスもアクションもそれだけ楽しめば面白いかもしれないが、クライマックスで失態を演じるブロフェルド(チャールズ・グレイ)のお粗末さは残念というほかない。1971年/アメリカ/120分/監督:ガイ・ハミルトン原作:イアン・フレミング脚本:トム・マンキウィッツ出演:ショーン・コネリー、ジル・セント・ジョン、チャールズ・グレイ、ラナ・ウッド、ブルース・クアボット、ジミー・ジェーン原題:Diamonds Are Forever(「ダイヤモンドは永遠に」)お薦め度「007/ダイヤモンドは永遠に」★★★(60%)
2024.11.02
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ケイコバ de エコーVol.2『ワーニャ伯父さん』 | 劇団テアトル・エコーアントン・チェーホフの「ワーニャ伯父さん」の舞台を見に行った、つもりだった。どうも様子が違う。上演時間1時間半……、カットされているんだろうか。見終えてみると、こんな不条理な、いや理不尽な扱いをされているワーニャ伯父さんをみて心を痛め、シンパシーも感じてしまった。若くして見ていたらロシアの田舎の日常をつまらなく暮らす様を漫然と見ただけだったかもしれないと思えた。年老いて見てわかったわけではなく経験がないと痛切に感じられない内容なのだと思えた。チェーホフのすごさに驚き、原作を読んで見たいと思った。本公演作品はチェーホフ台本を脚色したものであるそうだ。場面転換のシーンは微笑ましく見た。苦しくても生きていかなくてはというソーニャの言葉は響いた。
2024.11.01
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NHK BSシネマで放送される映画の中からおすすめ作品を紹介します。11月おすすめ作品は「植村直己物語」11/4、「北北西に進路を取れ」11/5、「シコふんじゃった」11/6、「駅STATION」11/7、「南極物語」11/9、「海峡」11/11,「恋人までの距離(ディスタンス)」11/12、「ナバロンの要塞」11/13、「ゴジラ」11/14、「ビフォア・サンセット」11/18、「スピード」11/20、「エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事」11/26、「博士と彼女のセオリー」11/27、「秋刀魚の味」11/28、「ロイ・ビーン」11/29となり(題名の後の日付は放送日)、この作品の中から選んだ5作品はこれら。未見の「シコふんじゃった」、紹介済みの「植村直己物語」を省く。(チラシ画像の下のリンクは画像の出展元を掲載)南極物語(1983) : ポスター画像「南極物語」2024年11月9日(土)午後8時29分~1983年 日本 145分タロとジロの姿を見た時、泣けるねぇ…。大ヒット作品。お薦め度★★★★(80%)スピード : ポスター画像「スピード」2024年11月20日(水)午後1時00分~Speed 1994 アメリカ 116分ヤン・デ・ボン監督の世界的大ヒット作品。キアヌ・リーブスもサンドラ・ブロックも大人気者になった。止まらぬバスのカー・アクションは見物。お薦め度★★★★(80%)映画.com ALL TIME BEST「スピード」エイジ・オブ・イノセンス ポスター - 検索「エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事」2024年11月26日(火)午後1時00分~The Age of Innocence 1993 アメリカ 139分私にとっての名作。大感動作。ミシェル・ファイファーはあまりに美しく妖艶であった。お薦め度★★★★☆(90%)(C)UNIVERSAL PICTURES「博士と彼女のセオリー」2024年11月27日(水)午後1時00分~The Theory of Everything 2014 イギリス 124分ALSという難病を抱えたホーキング博士と妻の実話映画化。エディ・レッドメインがまさしく博士に見えて、名演し、アカデミー主演男優賞に輝いた。マイライフ・マイシネマアルカディア「博士と彼女のセオリー」お薦め度★★★★☆(90%)映画.com ALL TIME BEST「博士と彼女のセオリー」ロイ・ビーン 映画 ポスター - 検索 画像「ロイ・ビーン」2024年11月29日(金)午後1時00分~The Life and Times of Judge Roy Bean 1972 アメリカ 120分名匠ジョン・ヒューストン監督が西部にいた実在の判事ロイ・ビーンを描く・ポール・ニューマンが最高にユニークで楽しめた。お薦め度★★★★(80%)
2024.10.31
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BIOGRAPHY - ファーストサマーウイカ - UNIVERSAL MUSIC JAPAN「光る君へ」第38回の清少納言(ききょう/演・ファーストサマーウイカ)と藤式部(まひろ/演・吉高由里子)の話し合いがすごかったですね。久々にまみえた二人。藤式部は見かけなくなった清少納言との再会を嬉しく思い、「源氏物語」を読み評価してくれることも喜んだ。しかし、また参内してほしいという藤式部の言葉に対して、清少納言が「私は腹を立てておりますのよ、まひろさまに!」「『源氏物語』を恨んでおりますの」と言い切ったことに藤式部は言葉を失くした。みごと!しびれる言い回しであった。この時、清少納言を演じたファーストサマーウイカの演技力にも感嘆した。脚本家が素晴らしい場面、セリフを書こうともそれを体現できるかが役者の力量である。女優、ファーストサマーウイカここにあり!と感じさせてくれた名場面であった。ファーストサマーウイカ、大河出演のために改名辞さず…目の手術も敢行のWEBに”さらに、ウイカは高校生の頃から芸能界を志しており、周囲の友人らが耳にピアスホールを開けた際、「私も開けようかな」と母親に言ったところ、「あんた、時代劇に出たいんやったら、ピアス開けたらアカンのちゃう?」と言われて納得。「そこからずっと開けてないんですよね」と話す。”とあり、高校生で女優を目指すだけでなく、大河ドラマ出演のためピアスホールを開けなかったというのは、エライ!と思えたし、出演のためには改名も辞さず、そして、近眼のコンタクトレンズがアップになった時に映っては嫌だと目に関しては眼内コンタクトレンズを目に挿入するICL手術を受けたという気合がハンパない。意気込み充分で目を引く鬼気迫る清少納言を見事に演じたファーストサマーウイカに注目したい。【光る君へ】ファーストサマーウイカさんに聞く 「清少納言、私の感覚にとても近い人」「同世代の天才、吉高さん、高畑さんと共演できる自分は幸せ者」ファーストサマーウイカ 公式ウェブサイト - First Summer ...
2024.10.30
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自民党が負けたといわれる今回の衆院選2024だが、負けたには負けたが惨敗とまではいかない。“裏金議員”といわれる人が一掃されれば当然と言えそうだが、裏金議員でも当選した議員がいる。自民党よりも惨敗と言えるのが公明党であろう、前回の32議席から8議席を減らし24議席。関西で日本維新の会に負けたところが多かった。さらに、党首である石井啓一氏が落選とのこと。いままで比例でしか出ていなかったのに党首になったがために選挙区のみにしたのかな。重複していれば受かったかもしれないのに…。かたや立憲民主党が躍進したように思えるが、自民党のオウンゴールで議席を伸ばしたようなもの。国民民主党が比例の人数が足りずに3つも他党に渡してしまった。なぜ、国民民主がこれほど人気を集めたのかわからないけれど、選挙区でも圧勝のところがあり、驚くばかりだ。負けたとはいえ自民党が与党であることにかわりなく、野党は今後どうするのか、議員を5割増しにした立憲民主党がどうなるのか、注目する
2024.10.29
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映画チラシサイト:女王陛下の007なかなか入り込んだ中身の作品である。一見しただけでは、その内容を理解できないのではないだろうか。事前予習が必須な作品とも思える。もちろん原作ファンは予習などすでに読書しているのだから必要ないけれど。筋書きを知らない観客は、一作目からの仇敵、犯罪組織のスペクターの黒幕であるブロフェルドが今回の究極の敵となることを理解しなければならない。アルプスでのスキーアクション。雪山の雪崩やカー・レースでのぶつかり合いなど見どころはたくさんあるし、終盤での結婚式も見ものである。ボンドが女性に愛を誓った作品があったとは今日見るまで知らなかった。ボンドにしては男くささも洗練さも足りないけれど、アクションが出来るモデルで当時CMによってみんなに知られていた存在だったそうである。撮影中に本人が一作限りでの降板を申し出たとのこと。はてさて何があったのやら。1969年/イギリス/142分/監督:ピーター・ハント原作:イアン・フレミング脚本:リチャード・メイボーム、サイモン・レイブン出演:ジョージ・レーゼンビー、ダイアナ・リグ、テリー・サバラス、ガブリエル・フェルゼッティ、イルゼ・ステッパット、アンジェラ・スコーラー、ロイス・マクスウェル、カトリーヌ・シェル、ジョージ・ベイカー、バーナード・リー、バーナード・ホースフォール、デズモンド・ルウェリン、ユーリ・ボリエンコ、バージニア・ノース原題:On Her Majesty's Secret Service(「女王陛下のシークレット・サービスとして」)お薦め度「女王陛下の007」★★★☆(70%)
2024.10.27
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東野圭吾が描く犯罪心理。表題の「白鳥とコウモリ」は本文の中で一度だけ出て来る。”白鳥”と”コウモリ”は共に飛べるのだろう、か。(白鳥とコウモリ | 東野 圭吾 |本 | 通販 | Amazon)より”遺体で発見された善良な弁護士。一人の男が殺害を自供し事件は解決――のはずだった。「すべて、私がやりました。すべての事件の犯人は私です」2017年東京、1984年愛知を繋ぐ、ある男の"告白"、その絶望――そして希望。「罪と罰の問題はとても難しくて、簡単に答えを出せるものじゃない」私たちは未知なる迷宮に引き込まれる――。”不可思議な事件は真相が不明瞭で、ゆえに突然巻き込まれた家族は身内である父親の心情からして”白鳥”の親も”コウモリ”の親もこの事件にかかわる状況が違ったものに思えて仕方なかった。そして、その子供たちのより明らかになっていく真相。読み進めるうちに真相はこうではないかと予想がつく。予想がつく通りの結末となるのであるが、それは素直な書き方であったがためだ。しかし、予想だにしない真相が描かれているのも恐怖である。その予測できる内容と予想しえない内容の温かさと冷たさがこの小説に奥行きを与えている。主人公たちの交流がどのようなものになるかわからないが、幸せであってほしいと思える。白鳥とコウモリ(上)(下)セット [ 東野 圭吾 ]
2024.10.26
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2018年5月11日、旭日小綬章伝達式(Wikipedia)西田敏行さんが亡くなった。西田さんとは青年座でお会いしたことがある。私は西田さんの作品を見ているようで見ていない。見ていないようで見ている。というのも西田さんで思い出すのは「池中玄太80キロ」ばかりである。「西遊記」は見ていないし、その後の作品を見ていても印象として「池中玄太80キロ」を超えるものはない。「釣りバカ日誌」のハマちゃんは最高だけれど。「池中玄太80キロ」は面白かった。良子ちゃん(坂口良子)も三浦洋一も良かったし、三姉妹(杉田かおる、有馬加奈子、安孫子里香)は最高。とはいってもパート2までしか見ていないかも。「もしもピアノが弾けたなら」は良かった。西田さんの歌が良かった。西田さんの作品で見ているものを列挙すると(参照:Wikipedia)テレビドラマ大河ドラマ(NHK総合)・国盗り物語(1973年) - 弥八 役・おんな太閤記(1981年) - 豊臣秀吉 役・功名が辻(2006年) - 徳川家康 役・八重の桜(2013年) - 西郷頼母 役・鎌倉殿の13人(2022年) - 後白河法皇 役連続テレビ小説(NHK総合)・瞳(2008年4月 - 9月) - 一本木勝太郎 役・三男三女婿一匹(1976年、TBS) - 野中和之 役・池中玄太80キロ(1980年4月 - 6月、日本テレビ) - 池中玄太 役・池中玄太80キロ パートII(1981年4月 - 8月、日本テレビ)- 池中玄太 役・白虎隊(1986年、日本テレビ) - 萱野権兵衛 役・白い巨塔(2003年、フジテレビ「木曜劇場」) - 財前又一 役・スペシャルドラマ「坂の上の雲」(2009年 - 2011年、NHK総合) - 高橋是清 役・ドクターX〜外科医・大門未知子~ 第7シリーズ(2021年10月 - 12月)(テレビ朝日) - 蛭間重勝(蛭間十一郎) 役映画・植村直己物語(1986年、監督:佐藤純彌) - 主演・植村直己 役 お薦め度★★★★・敦煌(1988年、監督:佐藤純彌) - 主演・朱王礼 役 お薦め度★★★・釣りバカ日誌(1988年、シリーズ1作目)お薦め度★★★★・釣りバカ日誌2(1989年)お薦め度★★★☆・釣りバカ日誌3(1990年)お薦め度★★★☆・釣りバカ日誌4(1991年)お薦め度★★★☆・釣りバカ日誌9(1997年)お薦め度★★★☆・釣りバカ日誌13 ハマちゃん危機一髪!(2002年)お薦め度★★★★・釣りバカ日誌14 お遍路大パニック!(2003年)お薦め度★★★☆・おろしや国酔夢譚(1992年、監督:佐藤純彌) - 庄蔵 役 お薦め度★★★★・ゲロッパ!(2003年、監督:井筒和幸) - 主演・羽原大介 役 お薦め度★★★・半落ち(2003年、監督:佐々部清) - 小国鼎 役 お薦め度★★★★・四日間の奇蹟(2005年、監督:佐々部清) - 倉野順次 役 お薦め度★★☆・THE 有頂天ホテル(2006年、監督:三谷幸喜) - 徳川膳武 役 お薦め度★★★★・陰日向に咲く(2008年、監督:平川雄一朗) - モーゼ 役 お薦め度★★★・ザ・マジックアワー(2008年、監督:三谷幸喜) - 天塩幸之助 役 お薦め度★★★★・SPACE BATTLESHIP ヤマト(2010年、監督:山崎貴) - 徳川彦左衛門 役 お薦め度★★★☆・ステキな金縛り(2011年、監督:三谷幸喜) - 主演・更科六兵衛 役(深津絵里とダブル主演) お薦め度★★★★・清須会議(2013年、監督:三谷幸喜) - 更科六兵衛 役 お薦め度★★★☆・マエストロ!(2015年、監督:小林聖太郎) - 天道 役 お薦め度★★★・ナミヤ雑貨店の奇蹟(2017年9月23日、監督:廣木隆一) - 浪矢雄治 役 お薦め度★★★☆・いのちの停車場(2021年5月21日、監督:成島出) - 仙川徹 役 お薦め度★★★☆であろうか。西田敏行さんのご冥福をお祈りいたします。
2024.10.24
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岸惠子さんにお会いしたい。昨年、彼女のトークショーを見に行きたかったが仕事で行けず、拝見できなかった。凛としてスクっとまっすぐな姿勢にほれぼれする美しさ。彼女の著書を読むにつれてもっと早く知り、一人芝居も見てみたかったと思う。背骨を折ったとも書かれていたので、表舞台に出ることはあまりないのではないだろうか。さてこの本、問わず語りに綴ったエッセイで過去の本と重複するところもあり、なにより字が大きめで行間も開いていて、本の価格に見合う文字数ではないのかもしれないと思えた。とはいえ過去、交流のあった方々の印象を書き連ねてあって、楽しんで読んだ。Z世代という現代の若者にとっては見も知らあぬ往年のスターであろう。そのことは岸惠子自身も自覚しているようである。健康を回復され気力が満ちたら、ぜひまたトークショーを開催してほしいものだ。一目お会いしたいと思う。91歳5か月 いま想うあの人 あのこと [ 岸 惠子 ]
2024.10.24
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作者・小池真理子がバッハの「マタイ受難曲」の中の美しいアリアから拝借したというタイトル『神よ憐れみたまえ』。彼女が思慕すると思える表題は読者にどれほど伝わるのであろうか。彼女の代表作「恋」を読み、その恋に震えおののき、とてつもなくショックを受けた記憶から、本書がものすごい本であると推察された。いま、この文を書こうとして小説「恋」についてググるとWikipediaに“1993年から1994年にかけて何を書いても納得できない状態にあった小池が、1994年12月のある日、バッハの『マタイ受難曲』を聴いていた時に、本作の構想やテーマ、登場人物の造形が「嵐のように脳髄を突き抜けてい」き、「神が降りた」感覚のもと書き上げたもので、「作家人生の転機となったとても大切な作品」「生まれて初めて小説を書いて満足し、もういつ死んでもいいと思った作品」であると述べている。”とあった。「マタイ受難曲」は両作品に、作家・小池真理子に多大なる影響を及ぼした曲である。さて、「神よ憐れみたまえ」は新潮社のWEB紹介では“昭和三十八年、三井三池炭鉱の爆発と国鉄事故が同日に発生。「魔の土曜日」と言われたその夜、十二歳の黒沢百々子は何者かに両親を惨殺された。なに不自由のない家庭に生まれ育ち、母ゆずりの美貌で音楽家をめざしていた百々子だが、事件は重く立ちはだかり、暗く歪んだ悪夢が待ち構えていた……。著者畢生の書下ろし大河ミステリ。”とある。昭和38年の大事故の日に美少女・黒沢百々子の両親が自宅で惨殺された。お菓子メーカーの御曹司の愛娘として何不自由のない暮らしを12年過ごしてきた百々子は迷宮入りとなってしまう夫婦殺害事件で好奇の目にさらされ人目につくことをはばかる生活を強いられることになる。導入部分から前半を読むとミステリーの事件物と思えるが、読み進むにつれてこれは不幸な事件にあった女性が紆余曲折を経て健気に生きていく物語となっていくことに気づく。ゆえにミステリーファンは興味を失くし離れていくのではないだろうか。前半、主人公と思った者が主人公でなくなり、百々子が主体となってしまうと終局はどうなってしまうかと考えてしまう。最後まで読み終えると百々子という一人の女性の生き様を描いた作品だとわかる。感じ入るものはあるけれど、無情を感じてしまう小説であった。神よ憐れみたまえ (新潮文庫) [ 小池 真理子 ]
2024.10.23
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映画チラシサイト:散り椿原作と映画が違うことは致し方のないところではあるが、映像的制約とは別に映画化に際しての足し算や引き算が効率的だけでなく意図的に変容されてしまうことは残念である。この映画でも兄と弟(殿様)の確執が兄(殿様)と弟にかえられ年齢による屈辱がなくなってしまっている。また、物語のキモである上意も小説では格別に意味のある事であったのに対し、映画ではほぼ意味をなさない。伏魔殿のように思える老中たちの影の仕業が映画では十分な説明も映像もなく、これで伝わるのかと思えたし、篠原三右衛門(緒形直人)の死の意味もまったく違ったのものなってしまっていた。小説の真髄を映像化できなかった点においてとても残念である。しかし、このように書き換えた台本で映画化した意図なり意味はあるのだろう。ただ、それが私にはわからない、伝わってこなかった。映像となりあらためて気づいた点。肉付きの良い美女であるとされた瓜生篠が麻生久美子であり、似た妹の坂下里美が黒木華であった。両人とも演技巧者であるけれど、藩内随一ともてはやされた美人であるから一目瞭然、そう思える女優であればと思えた。また、人相風体が小説と違っていることは仕方ないにしても瓜生新兵衛の剣の構え方が真摯で実直である武士であるならば、すくっと立ち姿が美しい構えがよかったのではないだろうか。かがんで腰を落とした構えは不細工で正当な剣の達人には見えなかった。U-NEXTにて2018年/日本/112分/G監督:木村大作原作:葉室麟脚本:小泉堯史、木村大作出演:岡田准一、西島秀俊、黒木華、池松壮亮、麻生久美子、緒形直人、新井浩文、柳楽優弥、芳根京子、駿河太郎、渡辺大、石橋蓮司、富司純子、奥田瑛二、柄本時生、矢島健一、螢雪次朗お薦め度「散り椿」★★★(60%)
2024.10.20
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Woman of the Hour (2023)アナ・ヘンドリックスが出演しているので見てみた。彼女主演とは思えなかったので、見終って監督とプロデユーサーを兼任していることに驚き。これは家出少女など、女性一人を狙った写真家を装ったサイコ・キラーである多くの女性を殺害した男の実話が元となっている。時系列が前後するので全体を把握しにくい。最後まで見てわかるが、この犯罪者に対し無策だった警察や司法が残念に思えた。見て気分がすぐれないのであまりおすすめはしない。Netflixにて2023年/アメリカ/95分監督:アナ・ケンドリックス脚本:イアン・マカリスター・マクドナルド出演:アナ・ケンドリック、トニー・ヘイル、ダニエル・ゾバット、ニコレット・ロビンソン、ピート・ホームズ、オータム・ベスト、キャサリン・ギャラガー、ケリー・ジェイクル原題:Woman of the Hour(「時の女性」)お薦め度「アイズ・オン・ユー」★★☆(50%)
2024.10.20
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L'étudiante et Monsieur Henri (2015)めでたしめでたしで終わるフィクションではなくて、現実としてこんなものかもしれないと思える首尾一貫した主人公女性の有り様に違和感ながら納得。フランス映画的なのかわからないがシビアだよね。U-NEXTにて2015年/フランス/98分/G監督:イバン・カルベラック脚本:イバン・カルベラック出演:クロード・ブラッスール、ギョーム・デュ・トンケデック、ノエミ・シュミッド原題:L'etudiante et Monsieur Henri(「女学生とアンリ氏」)お薦め度「ムッシュ・アンリと私の秘密」★★★☆(70%)
2024.10.20
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「さわらびの譜」を読んでとても感銘した記憶があり、葉室麟を読みたくなって手に取った。2016.02.08「さわらびの譜」葉室麟:著 角川文庫かつて四天王と呼ばれた道場の4人が一人は浪人となり、一人は家老として出世していた。浪人の妻は家老の元許嫁、過去の出来事が現在にも及び、藩の実権を独り占めしようとする輩と対峙しお家騒動にならんとするが‥‥‥。心苦しくいろいろと難問山積なところが現実社会のようであり、深い思いがあると思えた。映画化されて主人公・瓜生新兵衛を岡田准一が演じているが、イメージはもっと強面なんだよね。内野聖陽とか平山祐介といった豪傑のような感じがする。散り椿 (角川文庫) [ 葉室 麟 ]
2024.10.19
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Daglicht (2013) (imdb.com)見ごたえのあるスリルとサスペンスのある作品。ただ見終ってみると脚本の瑕疵に気づき、見ている途中でも、なぜ警察を呼ばないのか?と不審に思う点も多かった。とはいえ弁護士の女性が探索する過去の事件が自閉症の兄(?)に関することで、母(?)を始め、多くの人が黙秘をする。その謎、過去の事件の真相を知りたくて、孤軍奮闘するが、危険な目にも次から次へと遭う。映画としては展開につれて興味が深まっていって惹きつけられる。ただ、同じく自閉症の7歳の子供を連れて回るというのが気にはなる。2013年/オランダ/107分/テレビ映画監督:ディエデリック・ファン・ローイェン原作:マリオン・ポー脚本:フィリップ・デルマール、マリオン・ポー、ディエデリック・ファン・ローイェン、サイモン・コム・ヴァン出演:フェジャ・ファン・ウエ、マッテオ・ファン・デル・グリル、デレク・デ・リント、モニーク・ファン・デ・ヴェン、アンジェラ・シフ、ビクター・レーヴ、マールチェ・ファン・デ・ウェタリング、マイク・レウス、ティース・レーマー、ヤープ・スパイカース、マリー・ルイーズ・ステインズ、アストリッド・ファン・エック、リック・ニコレット、アリ・ベン・ホースティング、エルンスト・デッカーズ原題:Daglicht(英語:Daylight「夜明け」)お薦め度「光」★★★☆(70%)ダグリヒト (2013) - IMDb<自動翻訳によるストーリー>弁護士のアイリス・ボーレンスは、軽度の自閉症の息子アーロンと問題を抱え始めます。息子が1週間の停学処分を受けたため、アイリスは母親のエイジースにその時間を家で過ごす許可を求める。水族館の世話をするために立ち寄る水槽の専門家は、アーロンが兄のレイを思い出させると何気なく言います。アイリスはユニークな子供であるため、この事実について話すのをためらう母親は、ストレスを感じている弁護士の矛盾した出来事のセットを解き放ちます。アイリスは、自堕落な息子に対して行われた児童ポルノ映画製作者の告発を調査するために、ベンショップ企業の裕福な女性オーナーに雇われました。アイリスは母親のオフィスで兄レイの本当の存在を発見します。彼女はインターネットを通じて、彼が仲間のロジータと彼女の赤ん坊のアンナを殺した罪で有罪と宣言されたという事実に気づきました。レイは自閉症の男性で、不十分な公式調査と裁判官の誤った決定の後、矯正精神保健施設で20年の刑を宣告されました。赤ん坊の遺体は見つからなかった。アイリスは法医学クリニックの兄を訪ね、事件の再開を得る。それは彼女が調査を放棄するように殺害の脅迫を受け始めたときです。何者かが彼女とアーロンを殺そうと、彼らの車を川の崖の上に押し出しました。アイリスは、レイのケースが自分たちの母親の陰謀であるエイジースの産物であることを発見する。彼女はずっと、億万長者のトワン・ベンショップの秘密の恋人でした。ロジータの母ディナを通じて、アイリスはエイジートがかつてレイとロジータに赤ん坊と一緒に会ったことを知る。エイジースはレイが売春婦と関係を持つことを否定し、娘アンナの父性を疑った。偶然、沸騰したお湯がアンナに落ち、彼女の泣き声と彼自身の絶望に、レイは彼の母親に電話した。アギースは息子のアパートに来て、状況をコントロールしました。彼女は、赤ちゃんをすぐに世話しなければならないことに気づきました。アギースは焼け焦げたアンナと一緒にドアにたどり着きました。彼女が去るとき、ロジータは彼女の意図を誤解し、包丁でエイジースを刺そうとしました。その後の戦いで、ロジータは重傷を負う。—ボブ・バッキンガム
2024.10.17
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(C)2024映画「陰陽師0」製作委員会何たる作品、期待外れでした。今や押しも押されもせぬ映画スター・山崎賢人が主演で陰陽師・安倍晴明を演じる。これを見ずして、何を見る。と思って映画館まで足を運ぼうとさえ思っていたのに、今一歩踏み出せず見逃していた。期待大の映画であった。佐藤嗣麻子という映像作家が脚本・監督をしているが、企画・構想したものを具現化・映像化できなかったのではないだろう。視覚的に龍のSFXはとても良かったが、そのほかは見るべきところがない。徽子女王役の奈緒がことのほかかわいく映っていたのが意外というか驚きであった。日本映画を支える俳優陣が大挙出演しているにもかかわらず、内容に乏しい作品となったことは残念である。村上虹郎が悪役として絡んでくるかと思えど早々に消えて、敵役としての安藤政信も敵としては対峙しなかった。どのように安倍晴明を描きたかったのか、いまひとつ要領を得ず、すっきりとしたイケメンで登場した染谷将太の印象だけが残っている。U-NEXTにて2024年/日本/113分/G監督:佐藤嗣麻子原作:夢枕獏脚本:佐藤嗣麻子出演:山崎賢人、染谷将太、奈緒、安藤政信、村上虹郎、板垣李光人、國村隼、北村一輝、小林薫お薦め度「陰陽師0」★★☆(50%)
2024.10.17
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錦秋十月大歌舞伎|歌舞伎座|歌舞伎美人 (kabuki-bito.jp)「錦秋十月大歌舞伎」夜の部を見てきた。一、婦系図 本郷薬師縁日 柳橋柏屋 湯島境内ニ、源氏物語 六条御息所の巻坂東彌十郎がどちらにも出演していて、嬉しかった。仁左衛門と玉三郎のゴールデンコンビに期待したが、今回の婦系図は覇気のないものに感じられた。もともとそういう芝居ではないのかもしれない。ここでは掏摸役の亀鶴が良かった。「六条御息所の巻」では染五郎に期待した。花道からの登場はいいけれど、声にハリはあるけれど、しわぶき声に聞こえイケメンボイスでないのが残念。発声のし過ぎなのか、地声なのか。セットが盆で前後替わりしたのが良く、また豪華で煌びやかなセットが良かった。玉三郎が美しかったし、恐かった。その六条御息所の玉三郎と対峙する葵の上の中村時蔵が特段に良かった。素晴らしい操られよう。このシーンに登場する僧侶たちの群れも良かった。このシーンが見どころ!初めての歌舞伎座での観劇でした。
2024.10.16
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(C)2024未来映画社すごい真剣勝負。こんな役者さんいたかなーと思う人から、見たことない出演者が多数。失礼を承知で言うと有名俳優は一人も出ていない。とはいえ、芸歴長く、映像の世界で生きてきた俳優たちが主要な役を演じているから見ごたえ見どころのあるシーンが続く。素晴らしく素敵な映画。まず脚本が素晴らしい、そして、演出も素晴らしく、ここそこに映画的手法を取り入れていて、監督インタビューを読むとオマージュというかパクリというか名作映画、名監督を意識していろいろと工夫をしたようだ。スゴイなぁ。無音のシーンを見ていて、「コーダ あいのうた」「ドライブ・マイ・カー」など無音のシーンの作品があるからその流れかと思って見ていたけれど、監督によると「椿三十郎」のオマージュに端を発しているらしい。このシーンに感嘆する。一番感心した役者は住職の妻である紅萬子である。しゃべり(セリフ)がバッチ・グー。2024年/日本/131分/G監督:安田淳一脚本:安田淳一出演:山口馬木也、冨家ノリマサ、沙倉ゆうの、峰蘭太郎、庄野﨑謙、紅萬子、福田善晴、井上肇、安藤彰則、田村ツトム、多賀勝一、吹上タツヒロ、佐渡山順久、Rene、柴田善行、きらく尚賢、ムラサトシ、神原弘之、五馬さとし、田井克幸、徳丸新作、泉原豊、岸原柊、戸田都康、矢口恭平、吉永真也、楠瀬アキ、佐波太郎、高寺裕司、江村修平、山本拓平、西村裕慶、谷垣宏尚、篠崎雅美、夏守陽平、橋本裕也、大野洋史、山内良、宮崎恵美子、岩澤俊治、雨音テン、水瀬望、石川典佳、結月舞、鈴木ただし、皷美佳、吉村栄義お薦め度「侍タイムスリッパー」★★★★(80%)
2024.10.15
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(C) & TM DC (C) 2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved前作「ジョーカー」はジョーカーであることを描き切った作品。怪奇的なのか奇怪なのか、振り切った行き切った男の話であった。恐怖とともに何か親近感ではないが心酔してしまうようなものがあった。ところが2作目の「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」にはそれがない。ジョーカーに惚れてしまったリー(レディ・ガガ)の最後の言葉にもあるように、ないのである。ゆえに前作と今作では天と地の開きがあるほど、真逆、正反対の内容を描いたものである。不届きながらこの作品を見ながら何度か意識を無くしてしまった。上映後、階段を下りていると女性二人の観客のうち一人が「途中、意識がとんだんだよね」と言い、答えて同伴者が「私も意識とんだ」。とても眠くなる作品なのである。座っていておしりも痛かったと。座席が良くないのか、僕もお尻が痛かった。<ネタバレ>ネタバレと書いたが、言いたいことは一つだけ。「ジョーカー」はジョーカーの映画だった。ジョーカーが存在した。「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」はジョーカーがいない、ジョーカーが消え去ってしまった映画である。2024年/アメリカ/138分/PG12監督:トッド・フィリップス脚本:スコット・シルバー、トッド・フィリップス出演:ホアキン・フェニックス、レディー・ガガ、ブレンダン・グリーソン、キャサリン・キーナー、ザジー・ビーツ、リー・ギル原題:Joker: Folie a Deux(「ジョーカー:二人狂い」)お薦め度「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」★★(40%)字幕翻訳:
2024.10.14
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バレーボールを題材にとった小説は初めて読んだ。バレーボールといえば「アタックNo.1」や「サインはV」くらいしか思いつかないし、見ていない。オリンピックでのバレーボールも久しく見ていない。世間の人気と裏腹に私は興味がない。それゆえか8秒ルールを知らなかった。「八秒で跳べ」とは読んでみると、いかにもエンタメというか興味を持ってもらうための惹句と言えそうな題名であって、本来の内容からすると「八秒で打て」とすべきものなのかと思われる。審判に笛を吹かれたら八秒以内にサーブしなければならない、ゆえ。しかし、サーブもジャンプサーブというものがあるので「八秒で跳べ」は間違いとはいいきれない。さて、その内容だが、中学でバレーボールをしていた男の子が進学校でもバレーボールを続けており、レギュラーもしくはセミレギュラーである。中学からの同級生はサブもしくは控えである。(チームメイトであって友達ではないようである)その彼が夜になる下校時、同級生の女の子と出会い、自転車での自損事故を起こす。そして…。これは青春ドラマというか、部活が生活の中心の男の子が怪我をする中で気づくチームメイトや女の子の願いや思い、またまわりの人の気持ちにも気づいていくもので、最後には一皮むけた(?)彼の成長記録(?)である。作者の坪田侑也の著作歴を知ると、彼が苦心した小説を書く状況が反映されている気がした。八秒で跳べ [ 坪田 侑也 ]
2024.10.14
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Lonely Planet film poster - ロンリープラネット (映画) - Wikipedia映画「ランブリング・ローズ」のローラ・ダーンが好きだった。相手役はクリス・ヘムズワースの弟リアム・ヘムズワース。リアムは初めて見る。リアムの彼女役はダイアナ・シルバーズという初めて見る女優。モロッコのとても素敵なホテルに招待された有名作家たち。人気絶頂(?)のキャサリン(ローラ・ダーン)は14年の伴侶と別れて家を出なくならなければならない身。ロスト・バゲージして手荷物なくスィートと思える部屋を割り当てられる。作家たちのパーティに参加をする気もなく行きずまった小説を引きこもって書き上げたい。処女作がベストセラーとなった彼女に同伴の営業マン(リアム・ヘムズワース)は小説を読まない人で作家の集まりに疎外感を感じる。孤立した二人が袖すり合い、だんだんと仲良くなる。そして……。旅先モロッコでの傷心をいやすというよりは孤立を好む親近感で意気投合、惹かれ合ってしまう。すったもんだの末、終盤の絵は嬉しくなるようなものだった。気持ちや感情を大切に…描く、良い作品である。Netflixにて2024年/アメリカ/96分監督:スザンナ・グラント脚本:スザンナ・グラント出演:ローラ・ダーン、リアム・ヘムズワース、ダイアナ・シルバーズ、ユネス・ブシフ、アドリアーノ・ジャンニーニ、ラシダ・ブラクニ原題:Lonely Planet(「孤独な惑星」)お薦め度「ロンリー・プラネット」★★★☆(70%)
2024.10.13
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映画「007はニ度死ぬ」(1967)- fpdの映画スクラップ貼これも昔、テレビで見たはずだが、ストーリーの記憶がない。ボンド・ガールして浜美枝が有名で、丹波哲郎も出ていた。改めて注意深く見ると、浜美枝は終盤の海女でかりそめの嫁として登場するので、出番的には主なボンドガールはアキ役の若林映子ではないだろうか。若林映子は海外での人気が高かったそうだ。丹波哲郎の英語の声音が変に聞こえたが、日本語は丹波哲郎だったので、英語の部分は吹き替えだったのだろう。Wikipediaによると”劇中でアキが乗るボンドカー、トヨタ2000GTを撮影後に進呈されるという話を、若林は車の運転が出来ないことから断っている”とあるので、劇中での爽快な運転ぶりは替え玉だったのだろう。この作品、現代であればCGもSFXもあり、なんでもできると思うけれど、火口でのロケット発射台などセットとして作り上げるだけでも多額の金がかかると思えるほど壮大で4階建てくらいの足場にしてもよくぞ作ったものだと思った。火口の天井からロープをたらし多くの戦闘員が下りてくるところも何十人もいて、あまりのスケールの大きさに驚く。前作「サンダーボール作戦」がとんでもないくらいにヒットしたおかげなのか、巨額をつぎ込んだといえよう。見てみると製作費は$9,500,000(Wikipedia)、全作「サンダーボール作戦」は$9,000,000(Wikipedia)。日本の忍者養成機関で訓練をしているシーンが延々と映されるが、忍者と言いながら柔道着での訓練は違和感があり、忍者らしいのは手裏剣投げくらいで砂利の上に畳を敷いたうえでの剣道や真剣斬り、柔道着による格闘、石氷を頭突き割などおかしな訓練が随分とあった。婚礼のシーンも葬儀のシーンも馴染みのない不思議な絵だった。日本をよく知らない製作者がイメージだけで描いたのかもしれない。宇宙にまで飛び出したとてもスケール感の大きい作品で、米ソの対立も描いているのでなかなかの作品なのではないだろうか。ドナルド・プレザンスの登場は強烈な印象を残した。1966年/イギリス/117分/監督:ルイス・ギルバート原作:イアン・フレミング脚本:ロアルド・ダール出演:ショーン・コネリー、若林映子、丹波哲郎、浜美枝、テル・シマダ、カリン・ドール、ロイス・マクスウェル、デズモンド・ルウェリン、チャールズ・グレイ、バーナード・リー、ドナルド・プレザンス原題:You Only Live Twice(「あなたは二度しか生きません」)お薦め度「007は二度死ぬ」★★★☆(70%)
2024.10.13
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(C)MAMA BEAR THE MOVIE,LLC.2022オルガ・キュリレンコが主演のアクション。夫役にドン・ジョンソン。元KGBのエージェントだった料理人アナは夫とともに共同経営者としてレストランのオープン初日を迎えてんてこ舞いだった。満席で返そうとした2人組は夫の悪仲間。忙しいを口実に返そうとするが、向こうも引かず、そして、トラブル。閉店後乗り込んできた悪仲間を一人残って料理していたアナ(オルガ・キュリレンコ)が殺してしまう。送り込んだ殺し屋たちが戻ってこないので順次、殺し屋を差し向ける悪仲間たち。アナは一人で対応できないと思い旧知のKGBエージェントに連絡を取るが……。驚異的に強いアナが孤軍奮闘するだけでなく、危うい時には助けられながら、ドンパチ、アクションのオン・パレード。昔の仲間との再会などを挟みながら、見ごたえのあるアクションが続く。ちょっと風変わりな作品で面白かったかな。2022年/アメリカ/84分/G監督:ザク・ゴールデン脚本:ジェームズ・ピーターゼン出演:オルガ・キュリレンコ、ダラス・ペイジ、ディラン・フラスナー、アイバン・マーティン、クリス・ディアマントポロス、ケイトリン・ダブルデイ、ジャッキー・ロング、ビアンカ・ディアブロシオ、ドン・ジョンソン原題:High Heat(「強火」)お薦め度「ハイ・ヒート その女諜報員」★★★☆(70%)
2024.10.13
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「007 サンダーボール作戦」(1965年作品)感想 | 深層昭和帯 (ameblo.jp)現在なら絶対アウト!というべき不同意性交というものが描かれている。「嫌よ、嫌よも好きなうち」なんて女を落とす強硬手法を唱えた昭和時代の感覚そのままのシーンであった。ジェームズ・ボンドがこれでは世界中の男たちの大部分は同じことをやっても良いと思ったであろう。とんでもないシーンである。さて、目を覆いたくなるような女性蔑視のシーンを無視するとして、テレンス・ヤング監督が戻ってきて。またまたいとも簡単に人を殺す。男も女も見境なく銃の一撃で死んでしまう。なんという過激さ。その死に関しては悲惨さ悲愴さを感じさせることなく、物語の一環としてささっと過ぎてしまう。悪の国際組織スペクターが核弾頭爆弾を盗み、英米首脳に1億ポンドを要求。これに対応するために諜報部員001から009まで招集される。007ジェームズ・ボンドは一人遅れて会議の席に着く。9人そろうが007以外の顔は映されない。各地に散った諜報部員たちであったが、ジェームズ・ボンドはバハマ行きを進言し、一人乗り込む。と思ったらサポートの女性部員やCIAがついてくる。水中アクションを取り入れたシリーズ初の作品。人間関係がこみいっていて、敵を篭絡するために(?)体の関係を持つことをさらっと描いているのがえげつない。(体の関係を持った者を簡単に殺せるのか?)クライマックスは死闘、激突な感じとなったがドミノ(クロディーヌ・オージェ)を救った男性がラスト海に飛び込んだのに救出されないのは気になった(苦笑)絵的に007のロマンスが優先されたのだろう。1965年/イギリス/130分/監督:テレンス・ヤング原作:イアン・フレミング原案:ケビン・マクローリー、ジャック・ウィッテンガム、イアン・フレミング脚本:リチャード・メイボーム、ジョン・ホプキンス、ジャック・ウィッテンガム出演:ショーン・コネリー、クローディーヌ・オージェ、アドルフォ・チェリ、ルチアナ・パルッツィ、リック・フォン・ナッター、バーナード・リー、マルティーヌ・ベズウィック、ガイ・ドールマン、モリー・ピーターズ、デズモンド・ルウェリン、ロイス・マクスウェル、ローランド・カルバー、アール・キャメロン、ポール・スタシーノ原題:Thunderball(「サンダーボール」)お薦め度「007 サンダーボール作戦」★★★☆(70%)
2024.10.12
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007/ゴールドフィンガー : ポスター画像女が全身金粉で窒息死するというシーンが話題となった。実際、全身に塗ると窒息してしまうので、映画では見えない部分、ベッドに接地し隠れている前部分は塗らなかったらしい。ゴールドフィンガーと呼ばれる顔役が敵となる。監督が前2作のテレンス・ヤングからかわりガイ・ハミルトンとなった。”英国の金が密輸ルートで大量に国外に流出しているという情報を得て、ボンド(ショーン・コネリー)はその犯人と目される億万長者のゴールドフィンガー(ゲルト・フレーベ)との対決を命令された。”(映画.com)で始まり、アメリカを舞台に横断的に繰り広げられる。CIAもバックアップにて登場。巨悪を相手に多勢に無勢で捕らわれの身となったジェームズ・ボンドは勝ち目がない。勝ち目がないままであったが色仕掛けで敵の女性パイロットを篭絡しようとするが…。真剣に見ているとクライマックスにどうしてこうなったかがわからず、何か見落としたか不安になるが、見落とすことはなく映画サイドでからくりを隠していたので見る者には皆目わからない展開となる。その種明かしを最後にされるけれど、腑に落ちるというよりは映画サイドに底意地悪く騙されたような気分になった。そんな作りでいいのか、腕力や知力で敵を制すのではなく、女を味方にするというのは女好き007といえ、なんだかな……。ボンド・ガールはオナー・ブラックマン。1964年/イギリス/110分/監督:ガイ・ハミルトン原作:イアン・フレミング脚本:ポール・デーン、リチャード・メイボーム出演:ショーン・コネリー、ゲルト・フレーベ、オナー・ブラックマン、シャーリー・イートン、タニア・マレット、ハロルド坂田、バーナード・リー、マーティン・ベンソン、セク・リンダー原題:Goldfinger(「ゴールドフィンガー」)お薦め度「007/ゴールドフィンガー」★★★(60%)
2024.10.12
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007/ロシアより愛をこめての作品情報・あらすじ・キャスト - ぴあ映画 (pia.jp)子供の時にテレビ放映で見て以来なので、約50年ぶりくらいで見る。とてもいい作品だった印象があり、内容を忘れてしまっているのでいつか見直してみたいと思っていた。この機会に見る。先に見た「007 ドクター・ノオ」は前近代的な映画作品で驚いたので、この作品も同様だったらどうしようと不安があったが、現代の007と比べてもそん色のない内容となっている。アクションが増えて銃撃戦もあり、スパイのスパイなどダブル・エージェント的に複雑な関係にして、サスペンス感を増やしている。007への刺客であるロバート・ショーの恐ろしさ、みごとであった。ベッドシーンにしてもこの時代、エロな合体などなく、とはいえベッドシーンとしてみごとに成立していた。知恵の産物である。二代目ボンド・ガールのダニエラ・ビアンキは美しく品があり、ロシア女性かと思われたがイタリアのセレブの令嬢だったようだ。ミス・イタリアに選ばれて監督であるテレンス・ヤングの目にとまり抜擢となった。それゆえ英語が話せるというわけでもなく、Wikipediaによると”彼女にとって本作は10年の映画キャリアの間に出演した唯一の英語フィルムである。ただし彼女の本当の声は作品に残っていない。イタリアなまりの強い英語はBarbara Jeffordによって吹き替えられた。イタリア語版はそれをMaria Pia Di Meoが吹き替えた。”とある。ゆえに彼女の声は聴けない。結婚して引退とのことで、女優活動をする気はなかったらしい。このダニエラ・ビアンキ演じるソ連スパイのタチアナが体を張ってジェームズ・ボンドを虜にして、形の上の夫婦となるけれど、幕切れのタチアナの言動が冴えわたっている。この作品はストーリーも展開も人間描写も良く描けていて、スリリングで派手さもあり、わずかに疑問に感じる逃亡以外は絶賛すべきと思える。本邦公開当時の「007 危機一発」は危機一髪をもじった名文句題名で話題を呼んだのだろう。当時の邦題は素晴らしくイケていた。ジェームズ・ボンドはこの映画で危機一髪(発)を何度もくぐりぬけていた。これぞ007と思える傑作である。amazon prime video にて1963年/イギリス/115分/監督:テレンス・ヤング原作:イアン・フレミング脚本:リチャード・メイボーム出演:ショーン・コネリー、ダニエラ・ビアンキ、ペドロ・アルメンダリス、ロッテ・レーニャ、ロバート・ショウ、バーナード・リー原題:From Russia with Love(「ロシアより愛をこめて」)お薦め度「007 ロシアより愛をこめて」★★★★(80%)
2024.10.11
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007/ドクター・ノオ | 内容・スタッフ・キャスト・作品情報 - 映画ナタリー (natalie.mu)アマプラで10月に何が配信されてるのかググって見たら”007シリーズ”全作があった。寅さんほどの数ではないので未見の作品を見ようと1作目を見てみる。驚きは放射能に汚染されるのを避けるための防護服のテロテロとした感じの薄さだ。また、被爆した人を除染するのに白い液体をかけシャワーを浴びるだけでみるみるうちに除染され、濃度0(ゼロ)になってしまう荒唐無稽さだ。無知蒙昧と言えそうな滅茶苦茶な放射能汚染の対処法に開いた口が塞がらない。また、追手から逃れるためにすいとんの術を繰り出すなど恥ずかしくなるようなものもあった。アクションと呼べるものはほとんどなく、反面、銃の威力はすごくて、一撃必殺ではないけれど、一発で仕留めたり、二発で死に追いやるなんてザラで公開当時の邦題「007は殺しの番号」を地で行くものすごさ、その点だけは恐ろしかった。初代ボンドガールと言われるアシューラ・アンドレス(Ursula Andress)の登場は唐突でとってつけたよう。無関係なゆきずりの女性を生死をかけた潜入捜査に引きずり込む不思議さ。今見ると突っ込みどころはいろいろあるけれど、男の色気を感じさせるショーン・コネリーのダンディさ、かっこよさにまいってしまう。スーツの着こなしがエクセレント。記念すべき1作目としての見る価値はあるのだと思う。amazon prime video にて1962年/イギリス/110分/監督:テレンス・ヤング原作:イアン・フレミング脚本:リチャード・メイボーム、ジョアンナ・ハーウッド、バーケリー・マーサー出演:ショーン・コネリー、ウルスラ・アンドレス、ジョセフ・ワイズマン、ジャック・ロード、バーナード・リー、アンソニー・ドーソン、ゼナ・マーシャル、ジョン・キッツミラー原題:Dr. No(「ノオ博士」)お薦め度「007 ドクター・ノオ」★★★(60%)
2024.10.10
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