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Nov 23, 2007
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カテゴリ: 報告






朝4時に目が覚めた。この爽快感は今までにそうあったものではない。今日は会える日だ。この日を一ヶ月以上前に画策していたものの、その一ヶ月を心待ちにしていたものだった。確かにこの日は過去の全ての事象に結論を出す日だ。なので嬉しい出来事だけだというわけではない、それを思うと手放しで喜べるようなものではないのだが、しかしそれ以上に適度な緊張感と期待感で鼓動は高まっていった。



約束の時間10時、いつもの場所で待っていた。いつものように案内板の前の石垣のところに腰掛ける。これではまるであの頃と同じような気がする。それが少し面白くて噴出してしまった。しばらく待っていると彼女はやってきた。偶然か否か、彼女は最後に会った時と同じような格好をしていた。最後にとてとてと走ってくる姿はあの頃のままだった。その瞬間に1年のブランクを感じていた私はいなくなっていた。
まずはいつものように例の公園に行くことにした。この公園は私達が会う時にはいつも行っている場所で、思い出も多く詰まっている場所だった。それだけに二人の間には暗黙の了解があり、無意識にそこに向かっているといったそんな感じだった。彼女は出会い頭私の髪の毛を見て驚いているようだった。それもそのはず、会うという約束を取り付けた時に、私が髪の毛を切るのを面倒くさがっていたことを話すと、長い髪の毛の私を見たいと言ってきたからだった。前髪は鼻を超えていて、後ろの髪は束ねられるほどになっていた。そんな私を見てちょっとだけ噴出している彼女を見ると、ここに帰って来たのだということを実感したものだった。そんな彼女の髪の毛も随分長く伸びていた。恋をしている女の子は綺麗なものだとその時実感した。

まずは最初に2時間ほどその公園で話をした。いつものような他愛ない話、1年前と何も変わらないような話…他から見るとつまらないものだったのだが、それでも私は楽しかった。充実した時間を過ごしたと思う。
次にお昼を食べることにした。場所はいつもの場所、注文したのもいつものものだ。別に変わったものなんて必要ない。これが私達の流れであって、自然なのだ。前々から約束していたお互いに嫌いなものを食べるという罰ゲームも加わり、その場は大いに盛り上がることになった。
時間は1時半、どうしようかと思った結果、私はあることを思い出した。

今回の邂逅に置ける約束は全てで3つあった。それは私の新しいメガネを買うことに付き合ってもらうこと、そして彼氏とどうなっているのかを聞くこと、そして最後はけじめをつけることだった。3つ目は私の中だけの約束だった、否約束というよりもむしろ決意に近いものがある。しかもデターミネーションレベルのものだ。
まずは1つ目の約束を叶える為にメガネを売っているお店を探した。しかし駅前にあるメガネ屋さんはほとんどが高価なものばかりで、はっきり言って手放しで買えるほどの金額ではなかった。なので雑貨屋さんのような気軽な感覚で買い物が出来るところを探していてよしんばあれば買うという方向に決めた。結局すぐにオシャレな雑貨屋さんが見つかり、いざメガネを探すということになった。自分に似合うものというのは自分ではわかりにくいもので、一人で決めるには中々難しいものなのだが、二人で決めると案外すんなりいくようで、彼女が「私らしい」といったメガネを買うことにした。値段もお手ごろだったので、私はまた伊達メガネ族に戻ったというわけだ。このメガネは私の初めての彼女との思い出だ、大事に大事にしようと心に誓った。緑フレームのメガネは私の宝物になったというわけだ。



私が何気なく言った今年挑戦してみたいものとして白いパンツがあるという話に食いついて白いパンツを目を輝かせて探し、見つけたら試着をしろとせがみ、履いた私をみて笑っていた。

苦手のチョコレートケーキを懸命に食べる私を嬉しそうに見ていた。

公園で行われているイベントを二人でぼんやり眺めていた。

陽の当たる芝生に座って靴紐の結び方を教えてもらった。

上手く結べない私を楽しそうに眺めていた。

温かい飲み物を買おうと店に行って梅昆布茶をノリで買ってしまい、飲んだ私のリアクションを見てウケていた。

大きな黒いサングラスをかけている私の似合わなさに二人で大笑いした。

ミルクシーフードカップヌードルを見て失笑した。

私の渡した紅いネックレスを持ってこれをどうしたらいいのかと困っている彼女に私の蒼いネックレスと交換しようと言うと素直に交換してくれた。

沖縄土産のストラップをくれた。私の誕生色ではなかったものの、綺麗に光る玉を見て嬉しくなった。

公園のイルミネーションを二人で眺めながら進路や恋の話をした。







私と彼女はもう1年も前に別れている。しかしその後もずっと密に連絡は取り合ってきたし、仲良くやってきたつもりだった。彼女の方は既に私のことを恋愛対象として見る気はなかったものの、しかし私にはまだ淡い気持ちが残っていた。恋愛というのはいつだってそうだ、振られた方が未練が残るものだ。その未練は楽しかった思い出に比例する。どうでもいい人ほどすぐに忘れてしまうものだ。私の中に残っているその思い出からくる未練は、はっきり行って1年程度ではなくなるものではなかった。出来ることならまた私に振り返って欲しい、そう願ったことも数え切れないほどあった。その一縷の望みが今回の旅の原動力になったことも正直に言うと少しだけある。こんなこと彼女には恥ずかしくて言えないのだが(笑)
そういう観点で途中までは一緒に過ごしていた。しかし私が彼女のことを心から諦めてふっきれる出来事がイルミネーションを見ている時にあった。

それは寒い公園でイルミネーションを二人で見ながら色々な話をしている時だった。山梨の冬は寒い、ともすれば京都よりも寒いかもしれない。そんな中だだっぴろいところにポツンと置いてあるベンチに座っているのだ、寒いに決まっている。彼女も寒そうにしていたので、私は彼女の手をとって握り私のジャケットのポケットに入れてあげた。ちょっとびっくりしたようだったのだが、その握った手を彼女は楽しそうに話しながら解いた。本当に些細なことだった。彼女もその行為に気づいていないようだった。そこで私ははっきり気づいた。もう彼女は私を恋愛対象として見る価値はないものと思っていることを。
正直に言ってしまえば、そんなことには半年以上も前から気づいていた。彼女には私よりも数百倍大切な彼氏がいるわけだし、もしも戻ってくるのならすぐにでも戻ってくるだろうということも。しかしそんなことはわかっていたのに信じたくなかった、嘘だと思いたかった。一縷の望みをかけていた、本当に大好きだった。その想いを込めて握った手を彼女は無意識に解いた。極めて自然に、極めて当たり前のように。
わざと解いたなら冗談に出来る。でも無意識ならもうそれは心の代弁だ。友達として見られているならそれも幸せだ。私は彼女の本当の想いに気づき、決心し話した。これが私のけじめだと思いながら。そしてここからが私の再スタートだと感じながら。


それからはむしろ前より明るく色々なことが話せた。友達として見ることを決意してこの旅に赴き、そしてその望み通りにことは運んだ。本当ならば予想していたはずなのだが、それでもやはり心は沈むものだ。しかし妙な躁状態になっていたのだろう、その時の私はきっと今までで一番楽しく話していたことだろう。

その後は二人で思い出が詰まったメロンパン屋さんに行ってメロンパンを食べた。これはいつも二人でいる時には食べていたもので、私は今のところこれ以上に美味しいメロンパンに出会ったことはない。多分しばらくは食べられないと思うと淋しいが、その分ちゃんと味わっておこうと思ったものだった。
その後もなんだかんだと話しこんでいたのだが、そろそろ彼女が家に帰らなければならない時になった。自転車を停めていたところまで送っていってあげた。最後に彼女が自分で停めた自転車がどこにあるのかわからなくなって必死で探すというハプニングがあったものの、それでも別れの時は来た。きっと明日はない、これが彼女として接する彼女との今生の別れになるだろう。
帰りしなに彼女が「やっぱりこれが似合うね」とメガネを触ってきた時には思わず友達としては超えていけない線である抱きしめるという行為をしてしまった。あの頃は何度となくやってきたことだが、しかし今の私では簡単には出来ない。きっと最後の抱擁になるだろう。勿論彼女から私の腰に手が回されることはなかった、そんなことはわかっていた。あの頃いつもしていた彼女の香りがほんのりした。落ち着く香りだ。そして手袋の中で冷たそうにしている彼女の手を取り、握手した。思えばそんなことをしたのも初めてかもしれない。そして一言


「ありがとう」


きっとこの一言が言いたかったのだろう。思えば全ては私の中でのいい思い出であって、決して彼女が誰といようが消えない最高のものになるはずだ。これだけの思い出をくれた彼女に対していくらお礼を言っても言い足りない。その想いを全て込めて言った、ありがとう。彼女は小さく答えてくれた、その時にこそ私の3つ目の約束は成就された。


彼女は自転車で帰って行った。私はなんとも言えない気分だった。悲しいわけじゃない、辛いわけじゃない、むしろ積み上げていた積み木が見事お城になったような、そんな気持ちのいいものだった。


私は今緑のフレームのメガネをかけていて、胸には今は紅いネックレスがある。携帯電話のストラップには黒く光る玉のストラップをつけている。今までつけていた蒼いネックレスとは対でいて、恋愛の想いを当初は込めたつもりだった。しかし今は違う。友情を誓う証、それがネックレスの新たな使命だ。手元にある二人を友情で支えてくれる何かになってくれればいいと切に願うばかりだ。




燃えるような紅は俺に似合うだろうか?
静かで冷静な蒼は彼女の手元にいった。
そう、まるで青い鳥を指し示すかのように。
紅と蒼の再会は俺達の再会になるはずだ。
忘れ物は完成された。


ありがとう。
R、君は最高の人だ。
無感動な俺を変えてくれたのはきっと君なんだよ?
君に永遠の幸あれ














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Last updated  Nov 25, 2007 09:11:32 AM
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