アップテンポのNight And Dayからして、リズム隊の力強いビートにのって硬質で鋭いギターのソロが展開される。メカニカルに、とぎれることなく続くハードボイルドなギタープレイ。感情なんて微塵も無く、次々と繰り出す音符の長蛇の列。その高揚感をプッシュするドラムとベース。ギター小僧なら、うぉ、、と、叫びたい。 次曲はかなり暗い。喪失感や不安感がびっちり詰まった感じのオリジナル。なんか、鬱っぽいメロディがうねうねすすむスローな展開からミステリアスにクールに極まって解放され、なんとも、夢遊病のような不思議な世界。
Time And The Infiniteは、アコースティックギターでの演奏。そのクールで端正な感じはそのままなのですが、アコースティックの音色を知り尽くした演奏。 なんとも、形容しがたい不思議な雰囲気を持った曲なのですが、コリーのボーイングが内側に向かった無限の広さ深さを感じさせる。 アダムロジャースさまは、デビュー当時からリーダー盤で、1、2曲アコースティックギターでの演奏を入れてきてる。彼のこだわりらしい。これが、超たんたん、巧いのですぅ。 うむ。。。甘く切ない。ナイロン弦の柔らかさで表現するYoung And Foolish。 シンプルにゆっくりとした時間。。抑えた感情から、微かに感じる苦みも含んだ素敵な演奏。人柄がにじみ出るように、真面目さと切なさが交差する。
Without A Song。Night And Dayの時にも思ったのですが、こういう印象的なメロディの曲でのインプロゼイションで、感情を捨てきった鋭い切れ味のフレーズがこの人の好き嫌いを分けちゃうところなのでしょうね。でも、ちゃんと、Without A Songになってるのよ。不思議な頭の中でござる。 Ides Of Marchゆっくりと始まって、それこそ、このアルバムそのもののように、緩急、緊張と解放、それを繰り返しながら終わる。。抽象的なオリジナル。