で、かなり電子オタクらしいことは、先回の来日ライブであきらかになったようである。彼も清く正しい現代っ子なわけだ。常に、清く正しくオーソドックスなジャズが好きなわたしは(嘘っ)、どうも電化シーマスはあんまり好きじゃない。ものには、限度ってあるだろう。それだけでなくて、特にテナーサックス吹きはみていてもかっこよくなくちゃいけない、って、思ってるわたしのリスナー的美学に(爆)、、ちょっと、外れる。でも、そんなことばかりもいってられれない。なぜなら、これは安くてお買い得だし、中味も凄いから。 ま、メンバーも涎が出るし、「Stranger in Paradise」はやってるし、何より、ライブ盤というのは、シーマス買いには大きくプラスでしょう。ライブ盤Joel Haynes Trioでも、えらく燃えていたし、Live In Italy/Seamus Blakeもイケてましたぜ。エイッ、躊躇せずに暴れてくれッ!!
4曲がシーマスの現代っ子らしいオリジナル、そして、「Stranger in Paradise」。。。 小気味よいビルスチュのドラムとキコスキーのピアノがお出迎えの Subterfugeから。 テンポや拍子を自在にとはいえ、そうなると手枷足枷になりそうなものですが、この辺のメンバーにはそういうことは関係ないのでしょう。ハードバップの定番テーマの2管、3管ユニゾンつうのがありますが、ここの売りはテクニシャン2人サックスとギターでユニぞっって、浮遊感もある演出なのです。ワンホーンだけど、ツートップ。 厚さはあっても、重さはない。高速パッセージ主流の現代ジャズのサウンドにはかっこえですゎ。 そのまま、リズム隊のプッシュをうけて、シーマスとルンドの長尺でシリアスなソロへ。タイトでクールなルンド。でも、かなり、きれいなフレーズのソロを淀みなく弾ききって、、やはりかっこよすぎる。高速でも音に濁りがなくて素敵♪いやいや、どちらかといえば黒子達のリズム陣なのですが、これがまたかっこよい。ちょこっと、ドラムソロもあって、特にビルスチュねぇ。
Consequenceもタンタンとした感じに不思議な始まりなのですが、キコスキーの美しいソロにこの方の表現力の広さをみます。かなり、好演。そういえば、猫屋試聴会で聴いた彼のリーダーのバラード集からの演奏よかったんです。でも、あちらのドラムって、ビリーハートだったんですよねぇ。苦手なんだよねぇ。と、シーマスのソロは相変わらずのイケイケな長尺なだけでなく、高揚感、躍動感も。アルバム唯一の他人の曲が「Stranger In Paradise」、、キコスキーの透明感あふれるピアノに誘われデュオル2人のバラードプレイはかなり反則。これは、普通に素晴らしい。余計な音を控え、他のメンバーがフィルインしてからも、しっとりと歌い上げる。テンポがアップして、軽やかで爽やかなキコスキーのソロは先程までの熱演とは、、別次元へ運んでくれます。ぐっと、スィング感がましてきて、思わず、ここは何処、わたしは誰?って、感じ。黒子に徹してきたベースのソロもフューチャーされ、ピアノトリオの真髄みたいになってるぞぉ。しかし、前半のシーマスの演奏はなかなかよかったと思いまーーす。わたくしてき反則なお気に入り。(^_^);; 最後は、やはりいかにも、、って、感じの Fear Of Roomingです。キコスキーはクールだけど、テンション高く音を引きつめていきます。全員で収束に向かってる感じ濃く音の重なりが厚くなっていくので、燃え上がり感たっぷりでシーマスの自在で奔放なサックスも全開でしょうか。ビルスチュのお尻叩きもバシバシ入ります。で、ここで、つなぐのがギターなので、かなり攻めのギターなのですが、暑苦しさはない。。と、わたしは思う。最後戻ってからもなんだかかっこいいの。気づけば13分をこえる熱演。でも、長さなんてまったく気にならない一枚でござった。