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安全保障関連法(平和安全法制(嘘))が施行された。日米連携で防衛力がアップするのなら施行される前が中国としては最大のチャンスだったはずだが格段変わった動きはなかった。賛成派によると法案を成立させることにより日米安保の片務性が解消でき米国からの非難がなくなるという話だったが、嘘っぱちだった。日米安保は不公平で解消すると発言しているトランプ氏は共和党候補者選びのトップを走っている。結局のところ自衛隊員が米兵並みに死なないと米国の不満は収まらない。少し米国人の気持ちになれば分かることだ。「備えておけば安心」という勧誘で安保法案は成立させたが、保険料は自衛隊員の血である。米兵の死を自衛隊員が一部肩代わりする事により尖閣防衛に協力してもらうというのがこの法律のコンセプトだ。そうでなければ、離島防衛まで付き合うメリットは米国にはない。すぐに犠牲者が出たのでは非難を浴びるのが目に見えているので日米とも回避するだろうが、いつか必ず自衛隊員から死者が出ることになる。それがこの法律で無人の岩礁の防衛の条件として米国に提示したものだからだ。法案に賛成した人は死のリスクを覚悟しているのだろうか。覚悟していないとしたら能天気すぎる。米兵程ではなくても格段にリスクが高まるこの法律を自分が自衛隊員だったと仮定し、死のリスクを覚悟の上で賛成したのだろうか。自衛隊員から戦死者が出るのは確実であるが、恐らく日本からは遠いところであろう。にもかかわらず日本の防衛のためにやむを得ない尊い犠牲であったと強弁するだろう。
2016.03.29
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報道の自由を保障する目的は政治権力を監視することである。その担い手である報道機関を政治権力側が監視したのでは報道の自由など保障される筈もない。高市大臣は電波停止を言及していないかのように弁解しているが嘘である。質問に答えるだけなら電波停止の可能性にわざわざ触れる必要もない。「総務相、電波停止に言及」報道に驚く(高市早苗公式サイト)特集 ワイド高市氏の「停波」発言 ホントの怖さ(毎日新聞)電波法76条では、電波停止命令の権限が総務相に与えられているが「政治的に公平であること」「報道は事実をまげないですること」を誰が判断するのかは定められていない。時の政権が政治的公平性を判断したのでは公平性は保たれないのは分かりきったことだ。プレーヤーが審判という異常な状況になってしまう。仮に意見が対立している問題について各局が両論を放送したとする。しかし、ある放送局は政権の意向に沿った放送をする。ここで政権は指導は行わない。全体としては明らかに公平性は保たれない。まだテレビの無かった時代、新聞は世論に圧倒的な影響力を持っていた。その新聞は明治時代から新聞紙法によって統制されていたが、それなりに政府批判もできていた。しかし満州事変以後、軍部の影響力が強くなるにつれて政府批判は見られなくなっていく。次の話からは当時の雰囲気が伺える。(『太平洋戦争と新聞』から孫引き)これは『国民新聞』論説委員の長谷川光太郎が『新聞及新聞記者』(一九三三年一〇月号)で紹介している話だが、長谷川はこう嘆いている。 「五・一五事件から私たちは自分の思うことを率直にいい得ない立場におかれている。 誰がとりたてて言論を抑圧されたわけでもなく『こんなことを書いて不都合な奴だ』とお 叱りを受けたわけでもないが、何となく遠慮しなければならぬような立場に追いつめら れた気がする」(1)萎縮である。かつての日本では報道機関が萎縮し無批判に無謀な戦争に突入していった。私は全く同じことが今テレビ局に起きていると指摘したい。テレビ局は「こんなことを言って政府に不都合な奴だと思われないだろうか?」「政治的に公平でないと文句つけられないだろうか?」とビクビクしながら番組作りをしている。結局「政府寄りにしておけば安心か」と妥協してしまい政府寄りの報道が蔓延している。我々の知る権利を侵す敵である高市大臣は議員辞職させるべきである。(1)前坂俊之『太平洋戦争と新聞』p.158-159参考:高市総務大臣「テロを呼びかける放送は放送法違反だから電波停止にしないと」。いやそれ犯罪だからw(Everyone says I love you !)「安倍自民党の言論統制」(弊ブログ)ヒトラーを師と仰ぐ高市氏だから言論統制も当たり前か。。。高市早苗総務大臣は辞任を―日本ジャーナリスト会議が声明(財経新聞)太平洋戦争と新聞【電子書籍】[ 前坂俊之 ]価格:1,242円
2016.03.27
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『韓国・朝鮮と向き合った36人の日本人』1/2読 ★★★★朝鮮に対する立場態度も様々な人物36人を取り上げている。日本人の全般的な朝鮮人観というのも浮かび上がってくる。下記人物を扱っている。各章末に参考図書が若干あり。 西郷隆盛 布施辰治 山辺健太郎 福沢諭吉 安倍能成 織田楢次 伊藤博文 秋葉隆 旗田巍 樽󠄀伊藤吉 柳宗悦 森田芳夫 海老名彈正 浅川巧 槇村浩 斎藤実 村山智順 田内千鶴子 内村鑑三 中西伊之助 田中英光 木下尚江 矢内原忠雄 西順蔵 金沢庄三郎 村山知義 小林勝 福田徳三 中野重治 梶山李之 内田良平 金子文子 梶村秀樹 吉野作造 古賀政男 澤正彦自衛隊は尖閣紛争をどう戦うか [ 西村金一 ]価格:864円(税込、送料込)1/4読 ★★★★基本的内容がコンパクトにまとめられている。用語解説が随所にあり予備知識無く読める。前半はシナリオ分析、後半は海上・航空・地上戦力やその運用・作戦についての解説。新書一冊の分量なのでシナリオは具体的なものではない。戦力分析も簡単なものであくまでも一般向けの本。秩父事件 [ 秩父事件研究顕彰協議会 ]価格:1,748円(税込、送料込)1/3読 ★★★1884年(明治17年)3千人超の農民が蜂起した秩父事件のドキュメンタリー。事件の背景には松方デフレによる農産物価格の暴落があり、身代限(しんだいかぎり(破産))が相次いでいた。高利貸への返済に苦しむ農民は高利貸や警察、郡役所などに再三にわたり負債据置、利子引下げを求める請願を行うが相手にされなかった。農民たちはあちこちで集会を開き秩父困民党と呼ばれた。彼らは止む無く蜂起し警察分署や高利貸を襲い郡役所を占拠した。日記や裁判記録などには、次のような農民の言葉が書かれています。 「圧政を変じて良政に改め、自由の世界として人民を安楽ならしむべし」 「恐れながら天朝様へ敵対するから加勢しろ」 「総理板垣公の命令を受け、天下の政事を直し、人民を自由ならしめんと欲し、 諸民のために兵を起こす」(1)彼らは十日間の戦いの末に鎮圧され、中心人物たちは死刑に処された。自由民権運動に危機感を抱いた政府は1882年に改正集会条例を公布した。曰く「政治に関する事項を講談論議するための旨趣を広告し、または委員もしくは文書を発して公衆を誘導し、または支社を置きもしくは他の社と連係通信するを得ず」。「足を上げて一歩すれば集会条例にたちどころにこれに向かい、筆をふるいて一言すれば、新聞条例たちどころにこれを縛す。すでに言論集会交通の自由を欠く」(2)このように言論での改革の途を塞がれたなかで困窮農民の不満は自由党員を中心とした自由民権運動と結びついた。そして各地で激化事件が起こる。 板垣遭難事件(岐阜事件) 福島事件 高田事件 群馬事件 本庄駅列車襲撃計画 加波山事件 秩父事件 名古屋事件 飯田事件 大阪事件 静岡事件参考:映画『草の乱』は秩父事件を描いた映画。秩父事件ホームページ(秩父事件研究顕彰協議会オフィシャルサイト)(1)秩父事件研究顕彰協議会『秩父事件』 p.4(2)遠山茂樹『自由党史』
2016.03.26
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金銭的スペース的な問題から本は極力図書館で借りるようにしている。読みたい本は大量にあるのだが、仕事と家事に追われなかなか読めず結局最初の数ページを読んで返す本が多い。折角そこで内容に見当を付けられるので、そういった本の覚えを残しておこうと思った。冒頭だけ読んだというのは何と呼べばよいのだろう?「○読」にもいろいろあるようだ。どくしょ(団塊バカ親父の散歩話)どうも当てはまる「○読」が無いようだ。分数で「X/Y読」とでもしておこう。昭和と日本人失敗の本質 [ 半藤一利 ]価格:691円(税込、送料込)読了 ★★★興味深いエピソードが多い。「失敗の本質」はあまり分かった気はしない。著者のいくつもの論考を集めた書で「失敗の本質」に必ずしも焦点が合っているわけではない。第一章 大日本帝国の戦争目的 新聞がリードした開戦への道 ――伊藤正徳主筆「時事新報」の抵抗 吉田茂の対中強硬論 大日本帝国の戦争目的 ――日清・日露戦争の開戦の詔書から落とされたもの 山本五十六が恐れた「衆愚」集団主義 「太平洋戦争ってナーニ?」 ――歴史は面白い第二章 「大鑑巨砲」よ、さらば! ノモンハン事件症候群 ――南進・対米戦争への道 ルーズベルトの甘い言葉 むなしかった日米首脳会談 海軍は「善玉」なるか? 軍縮なんかクソ喰らえ 「大鑑巨砲」よ、さらば! ――無用となった戦艦七十九隻 墓標一万六千浬 ――五隻の潜水艦 知られざる東条暗殺計画第三章 「最後の聖断」が訴えたもの 歴史の中の長岡空襲と新潟 幻のソ連の「日本本土侵攻計画」 「天皇制を残さなくてはならない」 ――米国務次官・グルーの見識 スターリンが決断した「シベリア抑留」 「最後の聖断」が訴えたもの 敗戦と「どうせ」「いっそ」「せめて」 ――日本的ということ 敗戦への道と鈴木貫太郎あとがき 初出 『昭和と日本人失敗の本質』関連略年表失敗の本質らしきものとして読み取れるのは以下が挙げられる。●単一民族神話にもとづく排外主義●国際公法と世界世論を軽視しというより無視し自衛権を過信●「衆愚の」集団主義●トップの責任追及回避●精神主義による現実無視と無謀な作戦●構想のない外側の圧力による泥縄式政策決定●海軍も対英米強硬派が主流であった●「大鑑巨砲」にみられる時代遅れ(日本ばかりではない)●自己過信、自信過剰●どうせ・いっそ・せめての日本的心情太平洋戦争と新聞【電子書籍】[ 前坂俊之 ]価格:1,242円1/2読 ★★★★★大手の「朝日」「毎日」を中心に戦前戦中個々の事件を新聞がどのように報道したのか具体的に分かる。本書を精読すれば言論の自由が失われていくプロセスが把握できる。伊東昭雄『アジアと近代日本―反侵略の思想と運動』1/3読 ★★★★様々な人物の論考、書簡等を集めた史料集。日本人の亜細亜への視線が浮かび上がる。柳宗悦「朝鮮人を想う」は他人の言とは思えない程同感する部分が多かった。「よくぞ言ってくれた」と感ずる。植木枝盛「琉球の独立せしむべきを論ず」は本書中唯一の琉球論であるが類書の『対外観』では十数編の琉球論が収められているということである。他にも西郷隆盛、勝海舟、岡倉天心、宮崎滔天、北一輝、吉野作造、石橋湛山、矢内原忠雄、竹内好、等々が扱われている。
2016.03.21
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今から83年前の1933年3月23日ドイツで「国民および国家の危機を除去するための法律」通称全権委任法が可決成立しヒトラーの独裁が始まった。第一次大戦後ワイマール憲法が制定されてからヒトラーの独裁が始まるまでの14年間のワイマール共和国の各党の勢力はどのように推移したのかをグラフ化してみた。下の画像は9回行われた選挙結果の最初と最後を示している。上段が得票率で下段が獲得議席を示している。全9回の結果を示すグラフにリンクしてある。大まかだが保守系は青、革新系は赤系統にした。最初の選挙では社会民主党(SPD)が多くの議席を占めているが、ほとんどの期間票が割れて中小の勢力に議席が細分されていた。最後の選挙ではナチスによる暴力が横行していたが、それよりも前の第6回の選挙で約4割に支持されて最大勢力となっている。9回の選挙の投票率は最低でも75%を超えており、今の日本に比べれば比較にならない程ドイツ国民は政治に関心を持っていた。政治に関心のある国民から民主的な選挙でナチスは選ばれたということだ。ヴァイマル共和国/ワイマール共和国(世界史の窓) ワイマール共和国の簡潔な説明がある。 ヒトラー独裁への道
2016.03.21
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2016/3/13日放送のNHKスペシャル「原発メルトダウン 危機の88時間」を観た。本で読んで理解するのも良いが、この原発事故の場合、再現映像で描く手法がよく適合していた。現場の状況や当時の危機感が伝わってきた。NHKオンデマンドで2016/3/28まで配信される筈なのでお薦めします。事故当時、如何に原発がコントロール不能の状態に陥っていたのか、東日本壊滅という事態になりかねない状況であったことが分かる。今から30年前の1986年にチェルノブイリ原発事故が起きたときに、日本の殆どのマスコミでは日本の原発とは方式が違うので日本では考えられない事故と説明されていた。そして、政府も東電も安全神話を繰り返していた。昔のことなので具体的に放送局や番組は覚えていないのだが、事故後しばらくして日本とは形式は違うもののそれなりによく考えられた構造であると解説している番組があった。そして日本の原発についてももう一度安全性についてよく検討すべきだというような内容だったように記憶している。黒鉛を減速材として使用するチェルノブイリ原発の構造は確かに違う、原因も人為的なものと地震と津波という違いはあるが、やはりチェルノブイリの事故を全くの他人事として捉えてしまって、真剣に検討する姿勢が欠如していた。我々は5年前の福島の事故から学ぶことができるだろうか?
2016.03.20
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囲碁棋士の李世乭(イ・セドル)氏がGoogleのブレイン集団・ディープマインドの人工知能AlphaGoに対して三連敗の後、一勝を挙げた。オセロではコンピュータが1980年に世界チャンピオンに一勝を挙げ、1997年には世界チャンピオンに全勝していた(1)。チェスでは1990年代後半あたりからコンピュータが世界チャンピオンとほぼ互角に対局できるようになり。2005年あたりにはコンピューターが優位になってきた(2)。将棋ではプロ棋士との対局が少なかったこともありハッキリしないが2010年頃にはプロ棋士に追い付いていたように見える。しかし、2015年の電脳戦では人間側が勝ち越した(3)。嵌め手など特有の弱点(4)がありまだ優位とまで言えるか不明だ。囲碁は今回の5番勝負で勝ち越しを決めたのでコンピュター囲碁が世界チャンピオンレベルに達したのは間違いない。但し将棋と似たような弱点があるように感じられる。各ゲームの複雑さ(1ゲームでの可能な指し手)は以下のようになると言われている(5)。オセロ 1060 チェス 10120将棋 10220囲碁 10360おぢさんはチェスと違って取った駒が使えることからかなり複雑な将棋においてコンピュータがプロレベルに達するのがチェスに比べて10年程遅れたことから、コンピュター囲碁がチャンピオンと互角に戦えるのは10年ほど先になると予想していた。実際2014年の囲碁電脳戦では人間側の圧勝であった。今回の結果は予想を大いに裏切ってくれた。予想を裏切られたのはおぢさんだけではない。囲碁において、機械が最強の人間を打ち負かすにはあと10年は必要だろう──。そんな専門家たちの予想を、グーグルが4億ドルで買収したブレイン集団「DeepMind」は見事に裏切った(6)。さてボードゲームに於いては意外に早く人類がAIに完全敗退を喫しつつあるが、技術的特異点 or 2045年問題はどうなるだろう。チューリングテスト(弊ブログ)2045年問題とロボットの時代(弊ブログ)報道ステーションで今回のAIの勝利を取り上げていたのだが、やはりAIの進歩に対する不安が話題になった。言葉は定かではないが古舘氏が「大丈夫なんですかね」とコメンテータのショーン・マクアドール氏に水を向けると。「コンピュータは意思を持ちませんから大丈夫です」と自信たっぷりにコメントしていた。「えええ~~~」おぢさんは物凄く違和感を覚えた。意思を持たないから大丈夫という飛躍は気にならない。それよりも気になるのは本当に意思を持たないと言い切れるのかという点だ。まあいい、仮に厳密な意味での意思を持たないとしても、あたかも意思を持っているかのように見えれば、それは人間にとって意思を持っているのと同じことではないか?意思というものがまだ十分に解明されているとは思えない。それなのにAIは意思を持たないと断言する所に違和感を感じた。おそらくショーン氏に限らず同じ意見を持っている人が多いという点にも危うさを感じる。(1)コンピュータオセロ(Wikipedia)(2)コンピュータチェス(Wikipedia)(3)将棋電王戦FINAL、ハメ手を使用すればプロ棋士側が全勝した可能性(4)コンピュータ将棋(Wikipedia)(5)将棋対決・第1回 チェスコンピュータからの応用でもアマ20級(HH News & Reports)(6)「囲碁の謎」を解いたグーグルの超知能は、人工知能の進化を10年早めた(2016.1.31 WIRED) 観戦速報・グーグルの囲碁AI「AlphaGo」が最強の棋士を破った日(2016.3.9 WIRED) 【対戦は3/15まで】もし、AIが囲碁で人間を打ち負かしたなら(2016.3.9 WIRED)
2016.03.14
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「読書『ネット右翼の終わり』―その1」のつづきネット右翼の終わり [ 古谷ツネヒラ ]価格:1,620円(税込、送料込)ネット上では古谷氏はネット右翼という定義のよく分からないものを対象に分析しようとしているので意味がないという批判を見かける。古谷氏は教科書的には「インターネット上で右派的・国粋的な言動をする人々」であるとしたうえで、以下の原則を挙げている。厳密な定義ではないが、そうだいね~ネトウヨってこうだよね~という人々がいることは間違いない。ネット右翼の三必須、七原則必須1・・・嫌韓、嫌中の感情が旺盛であること必須2・・・1に関連して、在日コリアンに対し極めて強いネガティブな感情を有していること必須3・・・1、2に関連して既存の大手マスメディア(テレビ・新聞)が韓国・中国・在日コリアンに融和的であるとし、これらのメディアに対し激しい嫌悪感、敵愾心を抱いていること(*ただしこれらの新聞の中には、産経新聞は含まない)4・・・先の日本の戦争(十五年戦争)を肯定的に捉え、所謂「東京裁判史観」を否定していること5・・・4に関連して、首相や大臣など、公人らの靖国神社公式参拝を支持し、容認していること6・・・外交・安全保障政策について「タカ派」的価値観を有していること(憲法9条の改正を含む)7・・・6に関連して、「タカ派」「保守色」が強い安倍晋三政権(第一次、第二次)を支持していること(また同時に、とりわけ2009年以降は、民主党政権に強い敵愾心を有しており、とりわけ2014年以降は「次世代の党」への支持が強烈なこと)p.47-48下表は「ネット右翼の年齢構成」を示し、古谷氏が2013年、1010名のネット右翼を対象に調査したものである。この調査の手法はかなり問題がありそうだが、調査では年齢層の中心は30・40代となっている。おぢさんはネトウヨは50代以上にもまんべんなく分布すると考えている。たがそうでもないらしい。(2016/3/21修正) p.154 『ネット右翼の終わり』(『ネット右翼の逆襲』からの転載) 30・40代の突出が目立つが、日本の人口構成の偏り、若者の政治参加の低調さ、顕著ではないものの60歳以上の相対的ネット利用率の低さを考慮すると、結果的に上のような年齢の構成になるとしても、30・40代が突出して過激な保守傾向を示す世代というわけではない。統計局「我が国の人口ピラミッド」古谷氏はネット右翼は2002年日韓ワールドカップが原因で生まれたとしている。それは確かにきっかけだったのかもしれないが何か納得がいかない。もっと根本的な原因があるのではと思う。それは日本に比較的強い村八分、いじめ、差別の負の要素ともつながっているのではと感じるが良く分からない。原因を推測する手がかりになると思われるのがネトウヨが使用するフレーズだ。この言葉だけは、長らく変化しないまま「狭義のネット右翼」の人々が用いる普遍的な定型句になっているのだ。 「愛国心に覚醒めた(目覚めた)」 この言葉を、私はこれまで何千、何万回とネット上で目にしてきた。もちろん、間違いなく「狭義のネット右翼」に当てはまるであろう人々から、実際の会話の中でも、何百回と繰り返し耳にしてきた。≪中略≫「覚醒めた」という表現は、「発見する」とか「知った」というニュアンスとは大きく異なっている。「愛国心を発見した」「愛国心を知った」という表現であれば、自分の中に存在していなかった「愛国心」という概念を「新規」に獲得した、というニュアンスが含まれる。 ところが「覚醒めた」という表現には、前提的に「愛国心が自分の中に存在していたが、それに今まで気がついていなかった」というニュアンスが含まれていることを私は見逃さない。 つまり「愛国心に覚醒めた」という定型句には、「そもそも自分の中に存在していた愛国心が、何らかのきっかけで呼び覚まされた」という意味があり、だからこそ「目覚める」意味である「覚醒」という単後が使われている。p.159-160彼らはそれまで普通になんとなく日本人であった。しかしある時に韓国あるいは中国は反日的だと意識する。反日、つまり敵であり、「悪」である中韓と戦わなければならない。反日的勢力と戦う自分は「愛国的日本人」であるという思いで彼らの心は打ち震える。「愛国心に覚醒めた(目覚めた)」というのはこんな処だろうか。「愛国的日本人」「真の日本人」「憂国の士」「愛国者」「国士」。言い方は色々あるだろうが彼らは一つのアイデンティティを選択したということだろう。そしてそのアイデンティティは中韓を叩く理由と、自分たちは正義であるというお墨付きを与えてくれるように見える心地の良いものだ。そのために多くのネトウヨがこのフレーズを口にする。ネトウヨ諸兄は在日・中韓・共産党・民主党・創価学会に罵詈雑言を浴びせるのが「愛国的日本人」であると誤解した上でこのアイデンティティを深く自覚する。彼らは自分たちは「愛国心に覚醒めた(目覚めた)」と錯覚しているが実際は誰かにすり込まれている。そこにはアイデンティティを根底から方向づけなおし、理性的に選択されるのではなく、ただ「発見された」ものとしてすり込むことも含まれるだろう。これは暴力を誘発するうえで、恐ろしい役割を果たすことがある。アマルティア・セン『アイデンティティと暴力』 p.26古谷氏は小林よしのり氏の『戦争論』や「チャンネル桜」が「ネット右翼」と「保守」の垣根を取り去る役割を果たしたと評価している。おぢさんはこれらのメディアや既に覚醒した人々による拡散により「愛国的日本人」アイデンティティが大勢の人にすり込まれてしまったのだろうと推測する。関連ページ: 自称保守論壇の崩壊が心地良い春(小林よしのり (BLOGOS)) 読書『ナショナリズムの現在』 ネトウヨの未来-2
2016.03.05
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