のぽねこミステリ館

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2008.01.19
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~講談社BOX、2007年~

 『Reader's Selection』と『Author'sSelection』の2分冊で、それぞれ5作品ずつの短編(中編)を収録しています。
 年末に買っていたのですが、なかなか通読はできず、読了に時間がかかりました。
 掲載作品は次の通りです(内容紹介は、その短編がもともと収録されていた本の題名を示してリンクをはっているので、そちらを参考にしてください)。

『Reader's Selection』
1. 「数字錠」 『御手洗潔の挨拶』 所収)
2. 「糸ノコとジグザグ」 『毒を売る女』 所収)
3. 「疾走する死者」 『御手洗潔の挨拶』 所収)
4. 「ある騎士の物語」 『御手洗潔のダンス』 所収)
5. 「最後のディナー」 『最後のディナー』 所収)

『Author'sSelection』
1. 「大根奇聞」 『最後のディナー』 所収)
2. 「暗闇団子」 『踊る手なが猿』 所収)
3. 「耳の光る児」 『溺れる人魚』 所収)
4. 「傘を折る女」 『UFO大通り』 所収)
5. 「山手の幽霊」 『上高地の切り裂きジャック』 所収)

『Reader's Selection』 は、アマゾンで掲載作品の希望をつのる企画があり、得票順に並んでいるようです。私も投票したのですが、2作入っていました。
 島田さんも前書きでおっしゃっていますが、がちがちの謎解き重視というよりも、物語性の強い作品が選ばれていますね。私もそういった作品を選びました。
「糸ノコとジグザグ」 の評判が良いのは以前から知っていますし、初読のときもそれなりに楽しめたのですが、今回あらためて読んで、かなり面白く感じました。暗号に、時間制限による緊張感、そして人の温かさも感じられるという、充実した作品です。
 私も1位に選んだ 「数字錠」 が素敵なのは言うまでもないとして、 「最後のディナー」 のラストは良いですね。ある人物のある一言を忘れていたので、あらためて大きな感動を味わうことができました。忘れっぽさが良い働きをしてくれます(笑)

 では、 『Author'sSelection』 の方の感想を。
「大根奇聞」 はもともと好きな作品です。
「暗闇団子」 は、ミステリというより、江戸のある男女を描く物語なのですが、あらためて読んでみて、これは面白いと思いました。余韻を残す作品です(最初に読んだときも好印象でした)。
「耳の光る児」 は、はじめて読んだときはあまり印象的ではなかったのですが(歴史の話はともかく)、今回並行して読んでいた 『本格ミステリー宣言II』 での論を参考にすると、深みを感じました。
「傘を折る女」 はすごいですね。話の流れは覚えていても、どきどきしながら読みました。被害者の女のとぼけ方がなんだかリアルで、こういう人間は本当に腹立たしいと思い、あまり同情できませんでした…。バスでの体験が大変だったのは分かるのですが。こちらは、ラストのシーンまでは覚えていなかったのですが、そこがまた良かったです。

*収録作品の大部分が御手洗潔シリーズなので、所有作品一覧では、本書は御手洗潔シリーズの項目のところに並べています。
*「耳の光る児」の事件年代が、あらためて読むと分かったので、「御手洗潔シリーズ略年表」を更新しています。 こちら
(2008年1月17日読了)





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