おいしい　千葉　～ponの食べある記～

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厨房のほうの音を聞いていると、リアルタイムで仕込みをしているのがよく分かる。しばらくして、前菜（牛肉のたたきのバルサミコ仕立て）と玉子スープがやってきた。半レアのビーフでスライスオニオンを包むようにして食べる。バルサミコ酢の上質な酸味が食欲をそそる。スープのほうも熱々が供され、このあとの食への期待が盛りあがる。

ミニセイロに入った小籠包と海老蒸し餃子が続いてやってくる。包は、箸で少しつまんだだけで中の充実した汁具合が分かるようなプヨプヨ仕様である。液だれしないように注意深く、口に持っていく。受けとめる口と、吸い込まれるように入っていく白い柔肌のスライム。軟体球はほどけ、肉汁が口内に充溢する。ジュクジュクでトロトロ。海老のほうはまさにプリプリ。この強力コンビには、完全にはまってしまう。

頃合いを見計らったように海鮮おこげが登場する。目の前で、あんかけを掛けてくれた。ジュワーという音がお腹にこたえる。仏料理のデザートにある飴細工のように、琥珀色をしたフカヒレの筋が神々しく輝いている。箸とスプーンを何度か持ちかえながら食べすすんだ。ライスが、上質のポン菓子のようにいい具合で弾けている。手早く的確な仕事ぶりがわかる海老・イカ・あわび・白菜などのそれぞれの歯ごたえ。途中で中華風茶碗蒸しがやってくる。ゴマ油の風味がきいて、口直しの一品として秀逸。

フートン　海鮮おこげ

締めのライチティーが置かれる。本日のデザートは杏仁豆腐だった。れっきとした中華料理店でも、デザートとなると手を抜くところが多い。セブンイレブンの（やわらか杏仁豆腐）に負けるような品を出して平気な店がある。しかしここのは、まちがいなく白眉の出来だった。ライチのジュレが上からかかり、それが下地の杏仁と混ざりあって絶妙＆高雅なスイーツに仕上がっていた。トロトロとプルンプルンのちょうど中間くらいのしなやかな柔らかさで、中華系のギトギトした口中を甘露にさっぱりさせてくれる。これを食べるためだけでも、価値があるだろう。

お客さんにガテン系の姿は見えない。女友だち同士、あるいは夫婦、仕事仲間という客層が見受けられる。総じて薄口で上品な味つけに抑えてある。まったりした濃厚な味を好む人には向かないかもしれない。何より、コストパフォーマンスが抜群に高い。何度でも寄りたくなるお店のひとつとして、１推ししておこう。

フートン　ライチ杏仁

「中国酒飯　胡同」（フートン）
住　　所：千葉市緑区おゆみ野６－２７－７
アクセス：千葉南警察通り　Ｐ（８台）
電話番号：０４３２９１－７８６７
営業時間：１１：３０－１４：３０（ＬＯ１４：００）/
　　　　　１７：００-２４：００/（ＬＯ２３：３０）
定　　休：月曜日（祝日の場合は火曜日）
客　　席：カウンター９/テーブル６卓/小上がり３卓/
利用種別：個人向き/少人数向き/ファミリー向き/仲間向き/宴会向き/
メニュー：（昼）
　　　　　（昼コース）あわび入り海鮮おこげ１７６４/北京ダック１９８０/
　　　　　カキのチリソース１７６４/海鮮チリソースおこげ１６５９/
　　　　　カキＸＯ醤ソースコース１６５９/フカヒレ入り海鮮おこげ１７６４/
　　　　　（昼セット）主菜＋冷菜＋点心＋デザート＋ドリンク
　　　　　エビチリ１１５５/山芋と鶏の黒豆炒め１０３９/週がわり１０２９/
　　　　　五目やきそば１１５５/海老のＸＯ醤１１５５/ラーメンと炒飯１２８０/
　　　　　（昼単品）週替わりランチ８２９/五目やきそば９２４/海老チリ９２４/
　　　　　海老のＸＯ醤１０２９/カキの黒豆炒め１０２９/炒飯とラーメン１０２９/
　　　　　坦々麺７１４/スーラータンメン８５９/醤々麺８１９/中華丼８１９/
　　　　　餃子３９９/小籠包５０４/
　　　　　（夜）
　　　　　餃子３９９/焼売２９４/揚げワンタン５０４/スープ入り焼餃子５０４/
　　　　　肉まん５０４/海老チリ８１９/海老マヨネーズ８２９/五目おこげ９３０/
　　　　　酢豚８１９/麻婆豆腐６０９/ホイコーロー７１４/五目やきそば８１９/
　　　　　チンジャオロースー７１４/フカヒレ姿煮２５００/北京ダック３９９０/
　　　　　広東麺８１９/中華丼８１９/コーンスープ６０９/小籠包５０４/
　　　　　ニラ饅頭３９９/水餃子５０４/炒飯７１４/春巻（２本）３６７/
　　　　　かにつめ（２本）８１９/杏仁豆腐２９４/愛玉子３３６/ごま団子３９９/
　　　　　馬らいこう（カステラ）２９４/マンゴープリン３９９/
評　　価：☆☆☆☆

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