おいしい　千葉　～ponの食べある記～

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カウンターには、一人ずつに個別の仕切り壁が立ち、歴然とした１区画を区切ってある。目の前には目かくしのノレンがかかり、そのむこうの厨房とやりとりできるようになっている。麺のゆで具合、スープの味の濃さ、こってりの度合い、にんにくの量、ねぎの有無と部分（青or白）、チャーシューの有無、秘伝のたれ（辛みの度合いに関連する）の量などを指定用紙に書きこんで、それをのれんの向こうに差し出す仕組みになっている。

すべてスタンダード仕様で、その用紙を提出した。ほどなくやってきたのは、癖のない（というか癖を虚勢されたような）マイルド系とんこつラーメンだった。極細麺なのだが、しっかりしたコシを実現している。

焼豚はやや大ぶりか。薄いのだが、使用部位のせいもあるのか、一向にとろけない。食べるチャーシューだった。少し考慮すべきだと思ったのは、秘伝のたれの部分。基本でもけっこうな辛味系が盛られてくるので、せっかくのマイルドさが吹き飛んでしまっている。一度その辛さにむせると、辟易してきた。

やがて、丼の底に記された「この一滴が最高の喜びです」という言葉が判読できるようになってきた。それまでの時間、わずか４分弱。すぐに食べ終わってしまった。ここの常連は、替玉を前提に食べているのか。基本的に量が少ないようだ。というか、物足りない。

カップルで来たとき。運よく横ならびの席が空けばいいが、そうでない場合は離ればなれになってしまう。神田の「いもや」を連想してしまう高個別性のシステムだが。ここは、衝立があるぶん、開放感は劣ってしまうだろう。

明確に狭い。狭苦しい。メジャーを持ち合せてなかったので、正確な数値はわからないが。成人男子の標準肩幅より狭く作ってあるだろう。提供者の側からは（周囲のことを気にせずにすむ）（ラーメンを食べることだけに集中できる）ラーメンフリークのための究極の仕掛けのように言っていたが。それよりむしろ、いかに能率的に客を配置できるかに腐心したシステムと見えなくもない。

仕切りを取り去ってしまうと、横並びであと二人分は席が減ってしまうだろう。それだけ、一人あたりの持ち幅が狭い。

オーダー用紙にしても、要らないといえば要らないシステムなのかも知れない。よそでは（ことラーメンに限らず。オーダー系を受けるすべての店では）、こんな紙切れなしに、もっと煩雑な注文を受けつけて、それをミスなしに遂行しているではないか。

別の角度から見ると、まことに面白い店だ。永遠に通いつめても、永遠に常連に格上げされない店。永遠に通いつめても、永遠に（店員と客との）恋愛は実現化しない店。あ・う・ん・の成立しない店。たしか「２１エモン」の中にも、こんな突き抜けた（ある意味）未来的なラーメン屋は登場しなかったと思うのだが。シニックな意味をこめた一つの戯画のように見ることができれば、この光景やこの風情も、また乙なものに感じられるのかも知れない。

「一蘭　千葉駅C-one店」
住　　所：千葉市中央区富士見２－２４－１
アクセス：千葉駅ビル　C-one内　　Ｐ（無）　
電話番号：０４３－２２４－５３５５
営業時間：２４時間営業/
定　　休：無休
座　　席：カウンター１４席/（禁煙）
利用種別：個人向き/ラーメン好き向き/家族向き/グループ向き/
メニュー：ラーメン７５０/替玉１５０/半替玉１００/ご飯２００/小ご飯１５０/
　　　　（トッピング）
　　　　　追加チャーシュー(３枚)１５０/ねぎ１００/きくらげ１００/半熟卵１００/
　　　　（飲物）
　　　　　生ビール３００/脂解美茶２００/
評　　価：☆☆☆☆
　　　　　（味４/量３/サービス４/雰囲気３．５/ＣＰ３．５/駐車場１）

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