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2021年07月04日
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カテゴリ: 仏教、神話、哲学
仏教には無我論と非我論の二種類がある。お釈迦様の真意がどちらであったのかは不明。ですが、伝統的には仏教は無我論でございました。

(非我論は、自己を認める考え方です。)

私個人としては折衷案を提起してみたいと思います。あとお大師さまの考えも不明なのですが、お大師さまの説中には、我を肯定されているものがあります。密教では阿字は大円鏡智ですね。それで「ああ、なるほど」と思うところがありました。

四智の中で大円鏡智は別格な感があります。それは大円鏡智が自己だからではないかと。

(自己を認める)インド哲学で、
自己は、「見る者」。世界外にあり、自体を持ちません。
自性は、「見られる物」。世界の事象そのものです。

密教で謂う自性身は自己のことであり、インド哲学の自性とは異なりますので注意。むしろ自他の受用身と応化身が自性にあたります。


前置きはこの程度にいたしまして、とりあえずインド哲学の謂う「自己」を私は認めた形です。では自己の何が間違っているかといいますと、「世界外存在としての自己」は存在しないということです。あれは意識が作り出した幻影だと思います。だからあれは(反省的に)作られたものであり、世界内存在だということ。



自己を認めてしまうと、あらゆる価値観が対等ではなくなってしまう。すると、あらゆる価値観はインド哲学を頂点とした山の頂に体系化されることになってしまう。つまりは「真理は一つ」という考え方になってしまう。しかしこれは構造主義に反する考え方。構造が違えば真理も違ってくるはずなのに。インド哲学は意味に重きを置きすぎてしまったのか。言語によって世界観が全く異なるということに全く気が付いていないようなのです。

そして「見られる物」としての自性から創造性が失われてしまう可能性があること。量子論をみれば分かる通り自性は、可能性の中で無限とも云える世界を創造できるのです。その仮定の一部として精神や意識は生まれた。自性から自己が生まれた。無数の自己が。可能性の内でです。

次に密教的立場から。
大円鏡智とは何を表しているのでしょう。まず鏡の性質がありますね。鏡を見ても、鏡自体をみることはできません。鏡面に映る像は身口意の自性(事象)のみです。本体(本不生)は見ることができません。

この本体は金剛とか不生とか空とか自性身とか自己とか、阿字とかと様々に表現されるものです。顕教の奥義に近い存在です。本初仏をも含むかもしれません。

しかし、本来仏教はこのような本質は排除するものだったはずです。つまり、純粋透明清浄の方面に極端に成りすぎた存在が大円鏡智なのです。中道をとらなくてはなりません。だからこそ、第五智、法界体性智が存在するのではないでしょうか。

そこでは説法の「語る者」と「語られる者」の分別はありません。あらゆるもの、法界は仏の身体であり、説法であり、悟りの心でもあるのです。


それでは「大円鏡」とは何でしょうか?おそらく華厳経の蓮花蔵世界を表しているとおもいます。帝網と表現されてるやつです。

上下八方に鏡を置いて、無限に光が反射され、互いが互いを無限に映しとっている世界観です。一つの鏡は全ての鏡を映しとり、全ての鏡は一つの鏡を映しとるのです。

そこではもう主客の分別はありません。無限の仏の身体と説法と悟りの世界があるのです。

そしてそこは量子論的世界観かもしれません。






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最終更新日  2021年07月06日 13時54分45秒
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