真理探究と歴史探訪

真理探究と歴史探訪

2020年10月10日
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名峰「剣山(標高1,955m)」の拝礼所として建立された神社だということから、この四国行脚において中核となる徳島県の最高峰「剣山」への登拝を明日に控えて、事前に参拝しておきたい神社であった。

加えて、かつて読んだ書籍(下に紹介)の影響で、様々な地理的条件の検討や歴史的背景の考察により、この「眉山」は「大和(奈良県)の三輪山」に匹敵する「阿波(徳島県)の三輪山」だとする、私にとっては鮮烈な記憶が残っており、今回で二度目となるこの眉山の山頂の「ひびき」を、改めて体感しておきたいという想いもあった。

〇書籍紹介・・・『 鼎(かなえ)の国ー日本古代国家の実相 』/ 坂田 護 著・海鳥社(初版1998年)刊

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そこで上の画像は、同社の鳥居にあった石製の神額を映したものだが、その社名の上の御神紋に注目していただきたい。





この紋章は、二本の直線を交差させたX印の形状を基盤とする「直違紋(すじかいもん)」の一種である。

このX印の交差紋は、荒神谷遺跡や加茂岩倉遺跡から出土した祭器にも刻まれており、伝承によれば古くから出雲の「サイノカミ信仰」において陰陽和合や復活再生を祈る聖なる象徴であり、後に古代出雲王家の「四隅突出古墳」の形状として表れたということだ。

ちなみに、東出雲王家の「富家」と並ぶ、西出雲王家の「神門臣家」の紋章は「竜鱗紋に剣花菱」であり、やはり紋章の中央部に剣でX印が表現されている。



また、上の画像の剣山山頂に鎮座する「宝蔵石神社」にて頒布(期間限定)される御朱印に代表されるように、今回の旅路で阿波忌部氏の管轄たる徳島県域で巡った数社の社殿において、この剣型の交差した上掲画像の古代出雲系と思われる「直違紋」の御神紋と確認できたことが強く印象に残っている。



そして上の画像は、「阿波三山と眉山(阿波の三輪山)の位置図」で、冒頭で紹介した書籍から転写したものだ。

そこで「阿波三山」とは、この図にあるように「日の峰山」・「中津峰山」・「津の峰山」の阿波国にある三山のことで、この書籍の著者の卓越した見解に基けば、この「阿波三山」が奈良県にある「大和三山(畝傍山・耳成山・天香山)」に対応するということである。

さらに、この「阿波三山」を統括する「一山」として阿波の「眉山」が存在し、その関係はそのまま「大和三山」を統括する位置に存在する大和の「三輪山」に対応するということだ。(詳しくは紹介書籍を参照されたし)

ちなみに、今回の旅路で阿波国(徳島県)を探訪した2泊3日という短期間に、上記の「阿波三山」とは別格扱いとなる「気延山」を除き、「眉山」をはじめとする赤丸で囲んだ六つの御山の総ての山頂に登ることになろうとは、この時点では全く想像だにできない心境であったし状況でもあった。



さて、どこから見ても「眉」の形に見えることから命名された「眉山」は、その麓から山頂近くまで車道があり、大きな駐車場のある山上一帯は飲食店や展望台を備えた「眉山公園」となっている。(※山頂に至る別の交通手段として、徳島駅方面の山麓と山頂を結ぶ「眉山ロープウェイ」がある。)

そこで上の画像は、冒頭に記した山頂の神社(剣山の拝礼所)に近い展望広場から、剣山方面に連なる西方の山々を撮影したものだ。当日は薄曇りの天候だったので、この画像に写り込んでいるかどうかは定かではないが、良く晴れた日にはもちろん四国を代表する名峰「剣山」を遠望できるとのことである。



次に、先に訪れた「眉山」との関連で気になる神社があったことから、急遽訪れることにしたのは徳島市国府町に鎮座する「大御和(おおみわ)神社」であった。



延喜式内社である当社は、大和の「三輪山」を神体山とする大和国一宮「大神(おおみわ)神社」から勧請されたという伝承があり、下の画像の由緒に主祭神が「大己貴命(大国主命)」ということからも、大和の「大神神社」や出雲の「出雲大社」との深い関係性が読み取れた。

さらに興味深いことに、この「大御和神社」の御神紋は、上の画像の大きな屋根瓦や飾り金具の意匠に見られるように、二本の鍵でX印が表現された「鍵の立合」という紋章である。

やはり当社の御神紋も、冒頭に掲げた剣山神社の御神紋の関連で解説したように、二本の直線が交差するX印の形状であり、自ずと古代出雲王家に由来する紋章と感じられ、実に感慨深い参拝となった。






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最終更新日  2020年10月16日 18時53分05秒


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