私訳・源氏物語

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April 3, 2006
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南殿で桜の宴が催された春の夜、藤壷の宮に会える機会を狙って、源氏の君は弘徽殿のあたりを忍び歩いていました。
ちょうど細殿の三番目の戸が開いていたので、そうっと入ってみると「朧月夜に似るものぞなき~」と、若くかわいい声で歌いながらこちらに来る女性がいます。
酔った勢いで彼女の袖を引くと、「まあ、気味が悪い。あなたは誰」と言うものの、さしたる抵抗もしません。
原文では「あさましきに あきれたるさま、いとなつかしう をかしげなり。わななく わななく、『ここに、人』と のたまへど」とあって、突然の出来事に呆然としている様子がたいへん幼げでかわいらしく、わななく声で「ここに人が」と言うのもどこかあどけなく、可憐に聞こえるような描き方です。

父・右大臣はこの六番目の女君を、女御として入内させようという腹積もりがあったのですが、この事件のために尚侍(ないし)という、職業的身分で参内させざるを得なくなりました。

この尚侍の君が発熱してお里退りしているときのこと、二人は示し合わせて「夜な夜な対面し給ふ」のです。
尚侍におなりになった朧月夜の君は、活き活きとした華やぎのある魅力的な女性で、今が一番美しいお年頃なのです。





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最終更新日  March 8, 2017 06:59:28 PM
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