私訳・源氏物語

私訳・源氏物語

PR

プロフィール

佐久耶此花4989

佐久耶此花4989

カレンダー

バックナンバー

November , 2025
October , 2025
September , 2025
August , 2025
July , 2025
June , 2025
May , 2025
April , 2025
March , 2025
February , 2025

キーワードサーチ

▼キーワード検索

April 7, 2006
XML
カテゴリ: 古典文学


百五十一段、有名なくだりです。
「うつくしきもの 瓜に書きたる ちごの顔。雀の子の、ねず鳴きするに をどりくる・・・」
声に出して読んでいくと、そのリズムがとても心地良く響きます。

「なにもなにも、ちひさきものは みなうつくし」という、愛おしさに対する表現にも惹かれますし、「かりのこ。瑠璃の壺。」と、ぷつんと切られたような終わり方にも、おもしろさを感じます。
清涼殿、紫宸殿、二藍のうすもの、立蔀、御簾、几帳・・・古い言葉の響きも私にとっては新鮮であり、今でも「なにもなにも、古物語は みなをかし」なのです。

第二十九段です。
「こころ ときめきするもの。・・・よき たきもの たきて ひとり ふしたる。・・・かしらあらひ 化粧じて、かうばしう しみたる きぬなど着たる。ことに見る人なき所にても、心のうちは なほ いとをかし。・・・」

上等な薫物を室内にくゆらせ、床に伏してゆっくりと煙の立ち上るさまを眺めたり、目をつむって香りを楽しむことに胸のときめきを感じる、という清少納言のアロマテラピーに、現代でも共感を覚える女性が多いのではないでしょうか。

「シャワーを浴びシャンプーしてすっきりした後、お顔のお手入れなどを念入りに、パックなどもして、好い香りのしみこんだお気に入りの、ちょっとオシャレなルーム・ウェアを着てくつろいでいるときなどは、『よく似合うよ』などといって見てくれる人が傍にいなくても、心は満たされて、癒されるのよね」と言っているようで、そこに時代を超えて共感し、女性の感性を共有できることに、私は嬉しさを感じるのです。

「枕草子」には、弾むような才覚のほとばしりがあって、清少納言はまるで華やかな女子高生のようだと思うのですが、同時代に生きた紫式部にとっては、その放縦さが鼻持ちならなく感じられたのかもしれません。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  March 8, 2017 06:58:19 PM
[古典文学] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: