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日ごろ 樋口一葉の著作を読みたる、いと面白し。
我が幼き日に読みたるに、いみじうおぼえしが「たけくらべ」の、
いにしへには知り難き一葉の諧謔、あるひは文章の奥ゆかしきさまありて、
更に面白く読めり。
「にごりえ」「うつせみ」は何という事なく、我にてはをかしからざれど、
読むにつれ引きこまれぬ。
「あきあはせ」の趣向 枕草子に似たりつるが、その風情 清少納言にはあらず。
紫式部の抑制もちて鬱々たる憂ひ・嘆きを描くが如し。
鬱々たる物語といへば「大つごもり」なれど、読み終えたれば、安堵の心地したる。
井上ひさしに「頭痛肩こり樋口一葉」なる戯曲ありきを、
さればこそと思ふる短編なり。
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