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すると月半ばになって、一人の親切な男性から丁寧なお返事をいただいた。
彼によると私の解釈「いじらしい」は「深読みのしすぎ」で、
「はたから見て美しい親子像に見えた」という意味でいいのではないか、
というものだった。
確かに、紫の上にとって明石の姫は継娘になるのだし、
「継子いじめ」については「蓬生」でも明確に描かれているから、
ここでは「本当の母娘のように仲のよい姿」として捉えるのが妥当なのかもしれない、
と私も思うようになった。
そう考えると、私の「いじらしい」はまさに深読みであって、苦笑せざるを得ないのだが、
「厭な感じ」について、非常に興味深いご意見を頂戴した。
つまり「出るはずのない乳を含ませるのが『戯れ』」なのであって、
これが、「女性の秘奥の部分に触れる」からではないか、というものだった。
私は「乳の出ない乳首を含ませる」という行動とともに「戯れ」という言葉にも
ひっかかりを感じたのだが、それを明白に説明できなかったのだ。
何ともいえない(生理的に)厭な感覚といったらいいだろうか。
大胆に言わせてもらえるなら、
女性である紫式部がここで「戯れ」という言葉を使うだろうか、と疑問に感じたのだ。
性に関するデリケートなシーンについてはほのめかしてあるにもかかわらず、
時として現代の私たちがドキッとするようなあからさまな表現や言語が出てくることも
しばしばあって、どう訳したらいいものか方向を失った未熟な私は、
そのたびに交差点の真ん中で立ち往生することになる
。
そうして深読みしてしまうのかもしれない。
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