特許の思想体系

特許の思想体系

2005.03.11
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カテゴリ: 01 特許ゲーム
こんちくは。

審査請求 するのに、出願と同時ではなく期間を設けることができます。審査は人間が行いますので、それなりの時間がかかります。

ということで、特許になるまでに時間がかかった場合のはなし。



特許権の存続期間の終期は、特許出願の日から20年と規定されています(特許法第67条第1項)。

なぜ、「終期」などという言葉を用いるかというと

「特許権の存続期間は特許出願日から20年である」というと、あたかも出願日から特許権があるという意味になってしまいます。

しかし、特許権は設定の登録によって発生します(特許法第66条第1項)。

したがって、これを区別するために「終期」と言っています。

実際の条文は、「特許権の存続期間は、特許出願の日から20年をもつて終了する」です。




このことから、次のような、ちょっとおもしろい問題が発生することがあり得ます。

「審査等が長引いてしまい、特許査定になり特許料を納付した日が、特許出願の日から20年を経過している場合に、特許権の設定登録をすべきか」
という問題があります。

最近は、審査が早いので、このような問題が発生することはあまりないのですが。

特許権の設定の登録を受けるためには、3年分の特許料を特許庁に支払う必要があります(特許法第66条第2項)。このお金を払わせてまで、設定登録する理由があるのかどうかという問題です。

ちょっと古いのですが、
「S55.8.27 東京高裁 昭和53(行ケ)131 実用新案権 行政訴訟事件」では、
「本願考案について実用新案登録がされた場合の実用新案権の存続期間は、昭和五四年二月二〇日をもつて満了しているものであるが、本願考案については昭和四四年二月二〇日出願公告がされているものであつて、このような場合は、拒絶査定を維持した審決の取消請求にかかる本訴について、原告はなお訴の利益を有するものと解するのが相当である」
と述べています。

出願公開による補償金請求権(特許法第65条第1項)を行使した場合には、この権利を確定する必要がありますので、存続期間を経過しているときであっても、特許料の納付があれば特許権の設定登録がされます。

でも、3年分の特許料を特許庁に支払って、設定登録されますが、すぐに(すでに)その特許権は消滅してしまいます。存続期間が満了しているからです。





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最終更新日  2005.03.11 09:30:56
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