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久しぶりに言葉(方言)をテーマに。「他県人を震えさせる大阪弁の”罵(ののし)り”フレーズ」14選。本当に腹の立つ相手に使ってみてください。ただし関西人以外の方は、使うときはくれぐれもよく注意して使ってください。後で、どうなっても私は一切の責任は負えませんから(笑)。 1.しばいたろか、このガキ(or オッサン)! 2.いてこましたろかー! 3.いてまうど(or いてこますぞ)、オラァ! 4.いわしたろか! 5.どついたろか、オンどれ! 6.なめとんのかー、このバッハやろう! 7.たいがいにせーや!ワレェ、血ぃ見るどー! 8.何さらしてけつかんねん(or けつかるねん)! 9.どたまかち割ったろかー、ワレェ! 10. ドラム缶にコンクリ詰めして大阪湾に沈めたろかー! 11. 何ごたごた ぬかしとんねん! 12. どたまかち割ったろかー、ワレェ! 13. どたまカチ割って脳みそチューチューしたろかー! (※吉本新喜劇・未知やすえの決めゼリフ) 14. ケツの穴から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタいわしたろかー! (※同じく吉本のご存知、故・岡八朗の名ゼリフ)
2021/08/30
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かなり久しぶりに言葉(方言)の話題。和歌山と言えば、関西にあって、大阪、京都、神戸というビッグ・ネームに隠れ、全国的な知名度はいまいちだ。同じ関西人の間でも、和歌山は残念ながら存在感が薄い(和歌山出身の人、ごめんなさーい)。 僕は京都生まれの大阪育ち。そして現在は兵庫県に住んでいる。同じ関西だけれど、あまり和歌山へ出かけることは少ない。ただ、親戚筋にも会社の友人にも、和歌山出身の人はいる(写真左=和歌山は紀州徳川家55万石の城下町。八代将軍・吉宗は紀州徳川家出身です)。 関西以外の方は、和歌山と言えば、何を思う浮かべるだろうか? 黒潮、クジラ、温州みかん、南高梅、熊野古道、高野山、保守的な土地柄、それともそれ以外? ステラビアさんや、na_geanna_mさんら関東の方に一度聞いてみたいなー。 さて、本題の言葉の話。同じ関西弁でも、和歌山弁はかなり独特の色合いを持っている。和歌山と言っても広いので、一応ここでは紀ノ川筋、主に和歌山市周辺を中心とする表現について記す(写真右=温暖な気候が美味しい温州みかんを産む)。 和歌山弁の最大の特徴でもあり、しばしばギャグのネタにもされるのは、「ざ行」の発音が「だ行」になること。和歌山弁に、「ざじずぜぞ」は必要ない。ほとんどが「だぢづでど」になる(写真左=先ごろ、「世界遺産」に認定された熊野古道)。 よく典型的な和歌山弁のたとえ話で紹介される話。和歌山の子どもたちが動物園に訪れた。鼻の長い動物の前に行って、子どもたちは叫んだ。「あっ、どうさんがいる!」。かように、和歌山では、座布団は「だぶとん」、雑巾は「どうきん」、安全は「あんでん」になる。 笑い話で、和歌山出身の元阪神・プロ野球選手、藤田平氏がラジオの野球解説していたときのこと。本人は「絶対絶命のピンチですね」と言ったつもりだったのだが、僕には「でったいでつめいの…」としか聞こえなかった(写真右=美味しい梅干しでも有名。とりわけ「南高梅」は最高の品質!) もっとも、それでは若い人が「ざ行」の発音ができないのかと言えばそうではない。和歌山出身の人でも、大阪や神戸に来たら、ちゃんと「ざ行言葉」を話しているから、やはり、言葉は風土・文化が創るということなのか(写真左=江戸の頃から、「黒潮の恵み」であるクジラを食する和歌山県人)。 僕の親戚筋で和歌山出身のおじさん(和歌山弁では「おいやん」となる)は、和歌山でも南部の湯浅というところの出身(湯浅は醤油の産地で有名)。だから、結構きつい和歌山弁を喋っていた。同じ関西人の僕でも、おじさんに意味を確かめないと分からない言葉や言い回しもたくさんあった(写真右=「和歌山のシンボル」は数あれど、白浜の円月島も有名)。 和歌山弁では、自分のことをよく「あが」とか「わが」と言う。現在70代のおじさんは10代後半で大阪に出てきたので、今ではすっかり大阪弁に馴染んでいるが、酒が進むとやはり、時々「わががー」なんて口に出る。ついでに言うと、あなたのことは「おまん」と言う。「おまん、よう聞けよ」なんて…。 語尾が「です、ます」が「~じょぉ」となるのも特徴(例:「おまんの言う通りじょぉ」)だが、これは阿波(徳島)弁にも似ている。現在進行形は「~ちゃぁる」(例:車が走っちゃぁる)(写真左=真言密教の聖地「高野山」。奥の院には弘法大師・空海が眠る) 質問や疑問の「~ですか?」は「~かえ?」となることが多い(例:「この料理好きかえ?」)。接続詞も面白い。僕の「おいやん」はいつも、「ほやけど(標準語=しかし、大阪弁なら「そやけど」かな)」「ほやさけ(同=つまり)」「ほいたら(同=そしたら)」だった(写真右=日本一の大滝「那智の滝」)。 そして、とにかく和歌山弁では語尾に「~よー」をやたら付ける。「このあいだよー、あそこの店いったんよー、安くてよー、味もええんしょよー」なんて、出てくる文節ごとに語尾が「よー」のオンパレードなんてこともある。(写真左=和歌山の最高の海の幸、クエなべ。やや高価だけれど旨ーい!)。 とにかく書ききれないくらい和歌山弁は魅力的。なかでも、僕が一番好きな和歌山弁は「連れもって、いこらー」(一緒に行こうよー)。何となくとても親しみを感じる表現だと思わない? でも残念ながら、僕でもなかなか普段は聞く機会はない。今度、機会を見つけて「生の和歌山弁」を聞きに行ってみようかなー。 最後に、和歌山出身の有名人は誰だろうとちょっと調べてみた。もう亡くなった人もいるけれど、華岡青洲、南方熊楠、松下幸之助、坂本冬美、東尾修、有吉佐和子、楳図かずお、小林稔侍、デューク更家、ラル・カンシェルのhyde…。う~ん、多彩だなぁ…(写真右=アドベンチャー・ワールドのパンダも和歌山の“有名人”?!)。 和歌山出身の人って、自分のことを「和歌山出身です」とはあまり言わずに、「関西出身」と言う人が多い(コンプレックスがあるのだろうか?)。確かに、「個性に乏しい」とか「田舎で、考え方が保守的」とか、若い世代には引け目もあるようだ。 でも、これからは変わる可能性だってある。自分が保守的にならなければ確実に世の中は変わる。和歌山には何よりも、京阪神にはない、自然と温暖な気候と美味しい海・山の幸がある。そんな故郷・和歌山を、もっと自慢に思ってもいいと僕は思うのだが…。【注】タイトルの「おもしゃいじょぉー」は和歌山弁で「面白いよー」の意。人気ブログランキングへGO!→【人気ブログランキング】
2005/11/22
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久しぶりに言葉の話題。関西以外の方は、関西弁なんて、関西へ行けばどこでも話されているし、地域でそう大きな違いはないと思っている人も多い。 確かに、いわゆるイントネーションだけで言えば、奈良出身の明石家さんまも、兵庫・尼崎出身のダウンタウンも、大阪市出身の綾戸智絵も、三重・名張育ちの平井堅(生まれは大阪だそうです)も、みんな同じ関西弁を喋っているように聞こえる。 しかし、実はそうではない。関西弁と言っても、地域ごとに微妙に、かなり違うということを知ったのは、なかでも神戸弁というのがあることを知ったのは、大学生になってからである(写真左上=神戸は港から発展した。海から見る景色は今も魅力的だ) 生まれは京都の僕だが、高校までは大阪だったので周りの友達も、大阪弁を話すエリアに住む友人がほとんどだった。たまに東京から転校生があると、クラスは、それは凄い騒ぎだった。聞いたことのない東京弁を、面白がって真似する子も多かった(写真右下=元町の旧外国人居留地には、今ではおしゃれなブランド・ショップなどが集まる。唯一今も残る洋館は、阪神大震災で全壊したが、部材を再利用してよみがえった)。 大学には、兵庫県の高校出身の同級生がたくさんいた。とくに神戸、長田、御影という有名な3つの県立高校から進学してきた人が多かった。彼らが話す関西弁は、もちろん僕には理解できたが、ところどころに、僕がそれまで聞いたことのない言い回しや単語があり、「あれ?」と思うことが時々あった。 それが「神戸弁」という、関西のある地域でしっかりと確立している方言であることを、僕は程なく知った。神戸弁のなかでも、僕が聞いて一番驚いたのは、(典型的な神戸弁でもあったのだが)例えば、動詞の語尾変化の「~とう」。 「~とう」は、標準語では「~ている」という意味。「知っとう」「書いとう」「来(き)とう」「見とう」「取っとう」などと言う。話すとき語尾を上げれば、そのまま疑問文にもなる。この「~とう」という言葉(表現)は大阪や京都では絶対に使わない。 また、標準語で「来ない」を、大阪弁では「けーへん」、京都弁では「きやへん」と言うが、神戸弁になると「こやへん」になるということも初めて知った。あと、「べっちょない」(心配ないよ、大丈夫だよ)という言葉も、(播州方面でもよく使うようだが)最初は意味が分からなかった(写真左=神戸と言えば、異人館。その代表格とも言える「風見鶏の館」) 「アホ」「バカ」に当たる言葉にも、「ダボ」という神戸弁独特の単語があるが、「ダボ」には、相手を威圧・軽蔑するというよりは、自虐的な意味もある(だから、自分に対しても使う)。あまり食べるところは少ないけれど、すぐエサに食い付いてくれる「ハゼ」のことを、「ダボハゼ」なんて言うこともあるが、これも語源は同じかもしれない。 神戸弁には、他にも面白い言い回しや言葉がたくさんある。「どないしょ(ん)?」(=どうしたの?)は、知り合い同士なら、挨拶代わりにでも使える。よく似た言葉で、「なんどいや?」(なんですか?)というのもよく使う(写真右下=開港以来、多くの外国人が住み着いた神戸。中華街=南京町=は今や神戸観光の人気スポットだ)。 「せんどぶり」(ひさしぶり)、「なしたまぁ」(おやまぁ)、「やっと」(たくさん)、「だんない」(大丈夫だよ)なども、神戸エリアでしばしば耳にする(最後の「だんない」は、地理的に近い徳島でもよく聞かれるけれど…)。 では、大阪弁と神戸弁はどの辺りが境界線なのか。阪神間の芦屋はどちらかと言えば、神戸弁。尼崎はほぼ完全に大阪弁。芦屋と尼崎の中間の西宮市辺りになると、神戸弁と大阪弁を喋る人々が混ざり合い、コミュニティを形成し、両方の言葉を聞くことができる。だから、この辺りが神戸弁と大阪弁の境界かもしれない。 神戸弁を聞きたければ、三宮か元町辺りを歩くといい(異人館の辺りは他県からの観光客も多いので、あまりおすすめはできない)。旧居留地辺りをゆっくりと散策して、これらの「神戸・お国言葉」が聞けば、きっと「あぁ、港町・神戸に来たんだなぁ…」と実感するはずである。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2005/08/30
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お待たせいたしました。「1日の日記」で紹介した「大阪(関西)難読地名駅名クイズ」の回答でーす(なお、1~20は大阪市、21~33は大阪府下、34~36は兵庫県です)。1.西中島南方 ( にしなかじまみなみかた=または、「みなみがた」とも)=淀川区。地下鉄御堂筋線・新大阪~梅田駅の間にある駅名です。駅をつくる際、付近にある「西中島」と「南方」という地名を合わせた安易なネーミング。「南方」の由来は「南の干潟」とか。2.十三 ( じゅうそう )=淀川区。淀川の上流から数えて13番目の渡し場であったことが由来という説が有力。阪急電車の京都線、神戸線、宝塚線が交わる大乗り換え駅にして、駅前には庶民的な大歓楽街を抱える。僕の大好きな、あのBAR「十三トリス」もあります(写真右)。3.御幣島( みてじま )=西淀川区。大阪・住吉大社に、中国・朝鮮からの貢ぎ物を運ぶために寄進された「幣島浜」の名にちなむとか。JR東西線の駅名にもなっています。4.柴島( くにじま )=東淀川区。「柴」で「くに」なんて、まず読めません。平安時代には「国島」だったらしいが、いつのまにか…。大阪市民には市営最大の浄水場のある場所としても知られる。柴とは、薪材のこと。昔は薪材に「クヌギ」がよく使われていた。「クヌギ」が転じて「クニ」になったという説も。5.河堀口( こぼれぐち )=阿倍野区。788年(延暦7年)、和気清麻呂が開削した堀の名が由来。堀自体は現存していないが、近鉄南大阪線の駅名にその名を残すほか、天王寺区には「北(南)河堀町」という地名もあるので、これも河堀口の名残かな。6.茨田大宮( まったおおみや )=鶴見区。日本書紀にも登場する古い地名という。「茨田」は「茨」の田、すなわちかつては湿地だったことを意味する。「大宮」は文字通り神社のこと。現在も残る「大宮神社」にちなむらしい。7.放出( はなてん )=鶴見区。大阪の珍地名の代表格。知らなかったら、他県の人にはまず読めない。関西人には昔、深夜時間帯のテレビで放送していた「ハナテン中古車センター」のコマーシャルでお馴染み。「あなた、車売る? 私、高く買うわ」というセリフとともに意味もなく、半裸の美女が出てきたりして、もうB級CMの横綱!だったが、同社は2015年、BIGMOTORに買収されて完全子会社となり、あのCMももう見られなくなった(写真右=ハナテン中古車センターのHPから)。8.道修町( どしょうまち )=中央区。薬といえば道修町、道修町といえば薬屋という言うくらい、昔から薬関係の会社や薬の卸問屋さんが密集しています。この界隈に本社を置く国内大手メーカーも多かったが、最近の業界再編で、本社を次々と東京へ移すところが増えて、昔の活気はなくなりました。9.丼池( どぶいけ )=中央区。船場商人の集まる街・丼池。今も繊維関係の卸問屋さんが軒を連ねています。昔は「素人さんお断り」と表に書いた店がほとんどだったが、不景気もあって、今では「素人さん歓迎」という店も増えた(写真右下=船場商人の故郷、丼池商店街の風景)。10.靫本町( うつぼほんまち )=西区。靫公園という有名な公園も近くにあります。靫とは、あのどう猛な魚。江戸時代、この地に塩干魚の商人が数多く住んでいた名残でもあるという。11.立売堀( いたちぼり )=西区。大阪夏の陣の際、伊達氏の陣所となったことから「伊達堀」と言われるようになったという説と、川を利用して木材の立ち売りが行われるようになったことからという説などいろいろありますが…。12.四貫島( しかんじま )=此花区。昔は海であった埋め立て地。江戸時代、この地を開発した人が「四貫文」で買い受けたという説が一般的だが、定かではない。13.波除( なみよけ )=港区。阪神高速道路の「波除」ランプ(入り口)でお馴染み。貞亨元年(1684)、大阪湾の河口に造られた人工の山「波除山」がその名の由来とか。14.遠里小野( おりおの )=住吉区。万葉集にも詠み込まれている古い地名。瓜の名産地で、昔は「瓜生野」(うりうの)と言っていたのが、転じて現在の地名になったという説が一般的。15.粉浜( こはま )=住吉区。この辺りはかつては海岸だった。古くは「粉洲」とも言った。きっと、粉を蒔いたように美しい砂浜だったのだろう。16.杭全( くまた )=東住吉区・平野区。中世には「杭全荘」と呼ばれていたという。「河川が杭状に分かれた地形から」とか「百済」がなまったとか、地名の由来には諸説ある。「杭全神社」というのが今もあります。17.喜連瓜破( きれうりわり )=平野区。「喜連」と「瓜破」という地名が一つになったもの。「喜連」は渡来人の「伎人(クーレン)」が住みついた、「伎人郷」がなまったものという説が一般的。「瓜破」は、当地の法師が瓜を割ってお供えしたことからとか、「瓜」の産地であったことからとか諸説あり(写真右上=「瓜破天神社」というのが今もあります)。18.野江内代( のえうちんだい )=都島区・城東区。地名ではなく、地下鉄谷町線の駅名。新駅の名を付ける際、付近の地名の「野江」するか「内代」にするかで地元で綱引きがあり、悩んだ市交通局は2つを単純にくっつけたのでした。19.蒲生( がもう )=城東区。ご想像の通り、古来この地が低湿地で、蒲穂の産地だったことが地名の由来という。ちなみに埼玉にも蒲生っていう地名がありますね。20.鴫野( しぎの )=城東区。昔はこの辺りも干潟が多く、鴫(シギ)が舞い降りてきたのだろう。ちなみに、叶姉妹は、あんなにセレブぶってるけど、意外や意外、大阪市城東区鴫野の出身という話を上沼恵美子がある番組で暴露していました(写真右=かつては、大阪城の城内に位置していた「新鴫野橋」)。21.富田林( とんだばやし )=富田林市、22.枚方( ひらかた )=枚方市、23.交野( かたの )=交野市。いずれも市名です。地名の由来は省略します。富田林市はあの夏の「PL」の大花火で有名。枚方市は、同市出身でV6の岡田准一クンが「名誉園長」をつとめる「ひらかたパーク」で知られる。24.樟葉( くずは )=枚方市。古事記には「糞袴」(くそばかま)とある。これが「久須婆」→「楠葉」→「樟葉」となったという説が信じられているが、はたして?25.私市( きさいち )=交野市。交野には「私部」(きさべ)という珍しい地名もある。私部とは皇后のために仕事をしたり、世話をしたりする役所だったという。結構由緒ある地名らしい。26.水走( みずはい )=東大阪市。阪神高速の渋滞名所、「水走」出口で有名です。僕は大人になるまで、「みずばしり」だとばっかり思ってました。豪族「水走氏」が住んでいたことが地名の由来とか。ちなみに現在、地元に「水走」姓はなく、子孫は東京在住という。27.弥刀( みと )=東大阪市。弥刀は「水戸」「水門」から転化したもので、河口の意。地元には「弥刀神社」もあります。28.布忍( ぬのせ )=松原市。地名の由来には「白い布を敷いて神を迎えた」とか、「布忍」という豪族がいたとか、様々な言い伝えがあるが…(写真右上=地元にある「布忍神社」の本殿。朱塗りが鮮やかです)。29.七道( しちどう )=堺市。天平年間の740年頃創建の、地元の寺、浄得寺に七堂伽藍があったことが地名の由来とか。南海本線に「七道」駅があります。30.淡輪( たんのわ )=岬町。日本書紀にも「田身輪巴」と見えるというから、相当古い地名のようです。昔は海もきれいで、海水浴場として賑わいましたが…。31.深日( ふけ )=岬町。漁港として、そして、淡路島とを結ぶフェリーの発着港としても有名だったが、フェリーは経営難で現在廃止になったとか。万葉集にも「吹飯」(ふけい)として登場、「吹飯」が「深日」になったのは江戸時代という(写真右下=南海電車・深日変電所。明治44年に建てられた赤レンガが綺麗な建物です)。32.箱作( はこつくり )=阪南市。古くから見える地名。かつて石棺をつくっていた職人がたくさん住んでいたことが由来という。33.堅下( かたしも )=柏原市。由来は定かでない。「続日本紀」にも「堅下郡」として登場するという。この辺りは、ブドウの産地として有名。34.売布( めふ )=兵庫県宝塚市。地元にある「売布神社」にちなむ地名。出雲風土記にも登場する「売布の社」が由来とか。阪急宝塚線には「売布神社」駅があります。35.清荒神( きよしこうじん )=同・宝塚市。これも阪急の駅名になってます。平安初めに開祖の地元のお寺「清荒神清澄寺」にちなむ。「火の神(台所の神)」として有名です。36.大物( だいもつ )=同・尼崎市。平安末期の古文書には「大物浜」として見える。地名の由来には定説はない。「大物主命」「大仏」「大きな材木」とかいろいろ。阪神電車に「大物」駅あり。【追記】この日記の執筆にあたっては、大阪難読地名がわかる本(創元社編集部編)ほか、多数の辞典、参考書、ホームページのお世話になりました。この場を借りて心から感謝いたします。
2005/07/05
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久しぶりに言葉の話題を(ただし、言葉といっても地名の話)。どこの土地に住んでも、初めて見る地名(や駅名)に戸惑うことは多い。「どう読んでいいのか、さっぱり分からんよー」と、困り果てた経験が皆さんもおありだろう。 かつて住んでいた徳島にも難読地名がいろいろあった。佐那河内(さなごうち)、宍喰(ししくい)、土成(どなり)なんてまだ簡単な方。鷲敷(わじき)や鮎喰(あくい)も、少し想像力を働かせればなんとかなる。だが、府中と書いて「こう」と読ませるなんて、「どこでいったいそうなるんだ」という感じだった。 地名は、方言同様、その土地の歴史や風土が詰まった「文化遺産」でもある。地名一つひとつに、人々の長い暮らしの歴史が染み込んでいる。行政効率の名のもとに、あるいは市町村合併という大義名分のために、消えて行った貴重な地名が何と多いことか。 吉良上野介邸があった「本所松坂町」という由緒ある地名は、今は大きく「両国」の中にくくられてしまった(写真左=現在の吉良上野介邸跡。両国3丁目にある)。 大阪ミナミには、かつて1970年代末まで、笠屋町、畳屋町、炭屋町など、文字通り、どういう職人たちが集まっていたかがわかる由緒ある地名が長く使われていた。しかし1981年、行政効率の論理が優先され、すべて東(西)心斎橋という味気ない地名に統一されてしまった(唯一、生き残ったのは「宗右衛門町」という地名だけ)。 個人的には、これほどの愚政はないと今も思う。あの大阪市なら、さもありなんというところか(一方で、十計町=かぞえまち=という加賀藩ゆかりの由緒ある地名を復活させた金沢市なんて、すばらしい土地もあるのに…)。 ミナミの住民たちは今も、比較的若い世代でも、鰻谷(うなぎだに=写真右下=現在の鰻谷かいわい)や三津寺(みってら)という、もうなくなってしまった地名を、普通によく使う。仲間うちでは、昔の地名の方がそのエリアや、イメージをうまく伝えやすいからだ(ただし、旅の人には、「その店なら、鰻谷にあるよ」とは決して教えたりはしないので、ご安心を)。 さて、首都圏から関西に就職、転勤、あるいは結婚で初めて来られた方は、この僕のブログに遊びに来られている中にも、何人かいらっしゃる。おそらくは、初めての関西の、いろんな難読地名・駅名に驚かれたことも多いに違いない。 以前、関東から転勤してきた社内の同僚のために、「関西弁クイズ(50問)」をつくった(4月23日の日記ご参照)。それとは別に「大阪(関西)難読地名・駅名クイズ」(兵庫県も一部含む)なるものも、つくってあげて、意外と好評だったので、ご紹介する。 もうすでに「誤読して→指摘され」の“洗礼”を受けている方も、そうでない方も、確認の意味で一度、以下のクイズに挑戦していただければ幸い。なかには僕自身、成人してかなり経ってから正しい読み方を知ったものもある。 「いまさら聞けない」地名の読み方。さぁ、8割できれば、貴方には「なにわの地名博士」の称号を贈りましょう(正解は、後日の日記で紹介します)。 【大阪(関西)難読地名・駅名クイズ】1.西中島南方( ) 2.十三( )3.御幣島( ) 4.柴島( ) 5.河堀口( ) 6.茨田大宮( )7.放出( ) 8.道修町( ) 9.丼池( ) 10.靫本町( )11.立売堀( ) 12.四貫島( )13.波除( ) 14.遠里小野( )15.粉浜( ) 16.杭全( )17.喜連瓜破( ) 18.野江内代( )19.蒲生( ) 20.鴫野( ) 21.富田林( ) 22.枚方( )23.交野( ) 24.樟葉( )25.私市( ) 26.水走( )27.弥刀( ) 28.布忍( ) 29.七道( ) 30.淡輪( )31.深日( ) 32.箱作( ) 33.堅下( ) 34.売布( ) 35.清荒神( ) 36.大物( )
2005/07/01
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皆さまお待たせいたしました。「関西弁(大阪弁?)クイズ」(23日の日記)の正答です。正答に異論のある方、突っ込みを入れたい方のお返事をお待ちしております(※印は、前回も触れたように、いまや標準語化したとも言える関西弁かもしれませんが…)。1.あんばい※(加減、程あい、都合) 文例:.お風呂の湯加減、ええあんばいになっとったわー (料理の味や果物の熟れ具合などにも使います)2.行きしなに※(行く途中に) 文例:行きしなに、駅前のコンビニ寄って行くわ3.いっちょかみ(すぐ話に首を突っ込みたがる人) 文例:.あいつ、ほんまに、いっちょかみなんやから…(いい意味でも悪い意味でも使います)。4.いらち※(いらつく人、せっかちな人) 文例:あんた、ものすごー、いらちやなぁ5.うっとおしい※(わずらわしい、うるさい) 文例:うっとおしい やっちゃ(人)なぁ…(人のほかモノや事象にも使います)6.〈ご飯を〉うます(蒸らす) 文例:ご飯、炊けたとこで、まだ、うましてる途中やでー。7.ええしのぼん(良家の子息、「金持ちの子」という意味でも使う) 文例:**君は、ええしのぼんやさかい、育ちがええわー8.おあいこ(引き分け、同じ同士) 文例:これで、おあいこやねー9.おいど(おしり)→今の若い人はまず使いません。ほとんど死語。 文例:道でしりもちついて、おいど痛―い!10.おこうこ(たくあん)→これも、ほとんど聞かれなくなりました。11.かいもく※(さっぱり) 文例:英語は、かいもくわかりまへーん12.(机などを)かく(持って運ぶ) 文例:ちょっと、僕こっち側かくさかい、机のそっち側、かいてぇなぁ(こう言われて、ほんまに机の上を爪で掻いた人がいます)。13.かさ高い(大きくて場所を占領して邪魔な様子) 文例: 父ちゃん、かさ高いから、掃除の邪魔になって困るわぁ14.きばる※(精を出す、頑張る) 文例:今度の期末試験、きばりやー!15.きょうび(近ごろ、最近の) 文例:きょうびの若いもんは、挨拶も満足によーせんわ16.ぐるり(周囲)→これもあまり聞かれなくなった言葉。 文例:ちょっと家の、ぐるりの様子見てくるわー17.ごんた(いたずらっ子、わんぱくな子、わがままな様子) 文例:**ちゃんは、小さい頃からごんたやったなぁ…18.さらっぴん(真新しいこと、新品) 文例:さらっぴんの背広やでー、なかなか似おてるやろ。19.すか(はずれ、当てはずれ、空っぽ) 文例:今度の彼女は、すかやったわー(人のほか、モノにも使います)20.せく(急ぐ) 文例:ちょっとせかな、電車に乗り遅れるでー (「せいては事をし損じる」なんてことわざもありますね)21.ちちくま(肩ぐるま)→これも今では、死語かも。 文例:小さい頃、オヤジによくちちくましてもおたなぁ…22.〈鉛筆などが〉ちびる(摩耗する) 文例:筆圧強いさかい、鉛筆の先、すぐちびってしまうわぁ23.てれこ※(行き違い=てれこてれこと繰り返して言うことも多いです) 文例:待ち合わせの場所、お互い勘違いしてもおて、てれこてれこになってしもたわー24.でんぼ(おでき、できもの)→お年寄りは今でも使います25.どつぼ(決定的な打撃) 文例:当てが外れて、どつぼにはまってもうた、あぁどないしょう!26.とれとれ(とれたばかりの、とれたて) 文例:とれとれの鯛やでー、美味しいでー (関西人なら、かに道楽チェーンの「とーれとれ、ぴーちぴち、かに料理」というテレビCMがあるのでお馴染みの言葉です)。27.〈元の場所に〉なおす(元通りにする、片づける)→関東人に分からない代表的な言葉。 文例:お父ちゃん、掃除機、押入れになおしといてー (関西人の妻から「なおしといて」と言われ、修理に出した関東人の夫がいるとか)28.ぬくめる(温める) 文例:ご飯、(電子レンジで)チンして、ぬくめといてなー 29.ねき(そば)→上方落語にはよく出てきます。 文例:そのねきに、置いてるさかいに。持って帰っておくれやす30.のっけから※(最初から) 文例:のっけから、何言うとんねん31.はんなりした(上品で華やかなこと)→ニュアンスをうまく説明しにくい言葉ですね。ちなみに広辞苑でも、「はんなり=落ち着いた、はなやかさを持つさま。視覚、聴覚、味覚にも使う」と紹介されているので、今では標準語として認知されているのかな。 文例:はんなりしたお方やなぁ…、 はんなりした味の一品やなぁ…32.びびる※(ためらう、気遅れする) 文例:相手が偉すぎて、会うのもびびってしまうわー33.べった(びり、最終) 文例:数学のテストの成績、クラスでべったやったー34.ほかす(捨てる)→これも関東人には?な言葉かな。 文例:父ちゃん、ゴミはゴミ箱にちゃんとほかしといてーなー35.ほたえる(戯れる、ふざけて騒ぐ)→あまり聞かれなくなりましたが…。 文例:(子どもに対して)お坊さん来てお経あげたはるから、ほたえるのやめなさい36.まがいもん※(にせもの、模造品) 文例:しもたー! まがいもん、買わされてもーた! (ぱちもん=ニセ物、ばったもん=安い物、なんて言い方もあります)37.まっかいけ(真っ赤) 文例:連日の徹夜で、目ぇー(充血して)まっかいけや38.めばちこ(ものもらい)→関西でも、「ものもらい」と言う若者が増えてきましたが…。39.もっさり(やぼったい) 文例:あの娘、もっさりした格好してんなぁ…40.もみくちゃ※(ひどく揉まれること、ぎゅうぎゅう詰め) 文例:今朝の電車、めちゃめちゃ混んでて、もみくちゃやったわー41.やいのやいの(しつこく求めること) 文例:まだ時間あるさかい、やいのやいの言うたらあかん42.やんぺ(終わり、止め) 文例:もう、時間遅いから残業は、やんぺにしょー43.やきをいれる※(鍛え上げる→転じて「しごく、説教する」) 文例:あいつ、最近よう怠けとるみたいやから、ちょっとやきをいれたろかー44.ゆびづめ(指を〈ドアなどに〉はさむこと) 文例:大阪の地下鉄には、ドアのところに「ゆびづめ注意」なんてシールが張っています。 (くれぐれも、ヤクザが小指つめることとは違いまーす)。45.ようけ(たくさん) 文例:福引きの景品、よーけ、当ててきてやー!46.よそいき※(上等の) 文例:きょうはお呼ばれに行くんやから、よそいきの服着ていきやー47.らちがあかん(さっぱりうまくいかない) 文例:話の通じん相手やから、ほんま、らちがあかんわー48.冷コー(アイスコーヒーのこと)→最近の若い人は使わないようですが…。49.ろくすっぽ※(満足に、十分に、真面目に) 文例:あれだけ言うたのに、ろくすっぽ聞いとらんかったなぁ50.わや(駄目、失敗、無茶苦茶) 文例:「さっぱりわややー」なんてフレーズで使うことが多いです。 以上、長々とお疲れ様でした。関西圏の皆さんには、さらに関西弁の奥深さが伝わったでしょうか? 関西圏以外の皆はん、関西へよーおこし! そして、このオモロい関西弁をぜひつこーて、関西人と仲よーしてくんなはれ。
2005/04/27
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阿波弁(12月20日)、金沢弁(2月14日)、京都弁(3月22日)と書いてきて、だんだん方言ネタがなくなってきて困ったなぁ…ということで、今回は大阪弁をテーマにしようと思う。京都生まれで大阪育ちの私は、現在は兵庫県で暮らしている。言語形成期は大阪で過ごしたので、基本的には大阪弁だ。会社では意識的に標準語で喋っているが、家に帰ったとたんに言語中枢は大阪弁モードに切り替わる。 就職して最初の赴任地は北陸の金沢だったので、最初は、仕事相手とどういう言葉でしゃべっていいのか戸惑った。関西弁(大阪弁)で仕事ができるのかなぁ…、しかし、金沢弁でコミュニケーションするなんて、何年かかるか分からないし…(金沢に何年住むのかも分からない)(写真左=道頓堀と言えば、グリコのイルミネーション=これは03年秋、阪神タイガースが優勝した時の限定バージョン)。 そこで僕が取った選択は、仕事では、可能な限り徹底的に標準語で喋ろうということだった(ただ、歴史的に関西との付き合いが深い金沢では、方言のイントネーションも関西弁に似たところが多かったので、結果的に、僕の口からポロっと関西弁が出ても、そう違和感を持たれることはなかった)。 金沢でのオフィスには、当時9人のメンバーがいたが、出身地は東京あり、九州あり、四国あり、関西ありとみんなバラバラ。だから、僕が標準語で喋っても不自然さはなかった。もちろんそうは言っても、ときには無意識に関西弁も出るが、僕が関西出身と当然みんな知っていたので、それをいちいち指摘する人もいなかった(写真右=いつも人が絶えない法善寺横丁の水掛け不動さん。願い事すれば叶う?) いま僕が仕事をしている大阪の社内では、もちろん関西出身者の割合が一番多い。ただ、うちの会社は全国にオフィスがあって、採用も転勤も全国規模でやるから、大阪のオフィスには、北海道から沖縄まで、全国いろんなところの出身者がいる。だから僕も一応、会社では初任地からの標準語スタイルを、今も貫いている。そして、僕が京都生まれの大阪育ちという、生粋の関西人だと知ると、結構みんなびっくりする。 東京から転勤して来る人には、関西はまったく初めてという人も、結構いる。そういう人たちは、関西人の気質や、関西弁というものに、まず戸惑う。「地下鉄の乗客の会話がみんな漫才に聞こえる」ともよく言う。なかには、「関西が怖いー」という人もいる(山口組のイメージが強すぎ!)(写真左=大阪の名所はいろいろあれど、やはり太閤さんの大阪城。とは言っても、今の大阪城は憎き徳川が再建した城郭だが…)。 そういう人には、「とにかく街を歩いて、関西の美味しいもん味わって、先入観は捨てて、人情に触れてみてください。大事なことは、カッコつけずに本音で会話すること。歩み寄ってくる人には、関西人はとことん親切してくれますよ」とアドバイスする。「関西弁マスターして、コミュニケーションとれたら、もっと面白いですよ」とも付け加える。 今ではテレビで関西弁が席巻する。東京の山手線の車内でも、昨今、関西人は臆することなく、関西弁で喋っている(東京に出てきた東北や九州出身者が、できるだけ方言は避けようとするのと正反対という)(写真右=バカと猿は高いところに登りたがるが、大阪人だって…。通天閣は新世界のシンボル)。 関西弁(大阪弁)がこれほどメジャーになったのは、明石家さんま、ダウンタウン、島田紳助ら吉本の芸人が、テレビというメディアで当初から関西弁で貫いた功績(?)が大きい。もし彼らが標準語に「矯正」されていたら、関西弁がこれほど「認知」されることはなかっただろう。ミュージシャンも今や関西勢が目立ち、トークでも「素のまま」で関西弁を喋っている。つんく、トータス松本、平井堅、堂本剛&光一、綾戸智絵、aiko、矢井田瞳、大塚愛…等々数え切れないくらい。 「じゃぁ、関西弁教えてくださいよー」と、社内の転勤者に時々頼まれる。頼まれたことがきっかけで昔、以下のような「関西弁クイズ」なるものをつくった。これだけ知れば、貴方はもう「関西弁通」?!(関西人でも、若い人はあまり使わない言葉も一部あるが…)。関西圏の方も、そうでない方も、ぜひ一度挑戦を。 【関西弁(大阪弁?)理解度テスト】(50問:45問以上分かれば、「関西弁博士」の称号を贈りましょう! ※印は今や標準語化している言葉かも…)問題:次の関西弁を標準語に直しなさい1.あんばい※( ) 2.行きしなに( ) 3.いっちょかみ( ) 4.いらち※( ) 5.うっとおしい※( ) 6.〈ご飯を〉うます( )7.ええし( ) 8.おあいこ( ) 9.おいど( ) 10.おこうこ ( ) 11.かいもく※( ) 12.〈机など〉をかく( )13.かさ高い( ) 14. きばる※( ) 15.きょうび( ) 16.ぐるり( ) 17.ごんた( ) 18.さらっぴん( )19.すか( ) 20.せく( ) 21.ちちくま( ) 22.ちびる( )23.てれこ※( ) 24.でんぼ( )25.どつぼ( ) 26.とれとれ( ) 27.〈元の場所に〉なおす( ) 28.ぬくめる( ) 29.ねき( ) 30.のっけから※( )31.はんなりした( ) 32.びびる※( )33.べった( ) 34.ほかす( ) 35.ほたえる( ) 36.まがいもん※( )37.まっかいけ( ) 38.めばちこ( ) 39.もっさり( ) 40.もみくちゃ※( ) 41.やいのやいの( ) 42.やんぺ( )43.やきをいれる※( ) 44.ゆびづめ( ) 45.ようけ( ) 46.よそいき※( ) 47.らちがあかん( ) 48.冷コー( )49.ろくすっぽ※( ) 50.わや( ) 正答は近日公開しまーす。さて貴方は何問できたかなー?
2005/04/23
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連休のお彼岸に、京都へ墓参りに行ってきた。僕の先祖のお墓は、京都市北区の来光寺という小さな寺の墓地にある。すぐ東隣に大徳寺という有名な寺(写真上は境内の風景)があるが、直接の関係はない。来光寺のすぐ南側には、去年、「蹴りたい背中」で芥川賞を取った綿矢りさの母校、京都府立紫野高校もある。 墓には、祖父母や18年前に亡くなった父らが眠っている。信心深くはない僕だが、来光寺の周辺は雰囲気がとてもいいので、墓参りに行くと結構すがすがしい気分になる(墓参の帰りに、京都で美味しいものを食べて帰るという楽しみもある)。 京都市内(中京区)生まれの僕だが、幼稚園に入る前に大阪に転居したので、幼少時の記憶は(当たり前だが)ほとんどない。でも、祖父母が健在だった頃は、小学生の時など、夏休みや冬休みにしばしば壬生(みぶ)の近くにある、祖父母の家に長期滞在し、社寺仏閣や名所旧跡を一人で歩き回る、少し変な子どもだった。 だから京都には、生まれ故郷というのは別にしても、ことのほか愛着がある。千年の都だったせいか、「しきたり」が色々うるさくて、よそ者に排他的なところもある街だが、それでも旅の人間には温かい、情に厚い街だと僕は思う(写真中は、京都を代表するまつり「祇園祭」)。 京都と言えば「京ことば」。その代表格は、「~どすえぇ」という言い回しだろう。もっとも、「~どすえぇ」は今の若い人はまず使わないが、街の場所を示す「上ル(北へ行く)」「下ル(南へ行く)」なんていう独特の言い方は、世代に関係なく、今でも普通によく使われる。 散策がてらに街を歩き、ひやかしで覗いた老舗の店などで、「かましまへん(構いません)」「よろしゅうおす(よろしいです)」「食べていっておくない(食べていってください)」「ええべべ着てはるなぁ(いい服着てるねぇ)」なんて言葉を聞くと、「あぁ、京都やなぁ…」と嬉しくなる。 僕の祖母は、美しい京都弁を話す人だった。今でもよく記憶に残っているのは、帰り際に必ずかけてくれた「また、おいないなー(また、いらっしゃいね)」という言葉。とても優しい、素敵な京ことばだと僕は思う。 「せぇだい、おきばりやすなー(精いっぱい、頑張ろうねー)」「おかいさん(お粥)、たいたん(炊いたもの)食べるかぁ?」なんて、言い方もよくしていたのが、とても懐かしい。 京都弁は、男性より女性が使う方が、圧倒的に美しく、趣があると僕は思う。「うち、もう、かなん…(私、もう嫌だぁ…or たまらない、の意味)」「**さん、なんぼ待っても来(き)やらへんから…(いくら待っても来てくれない…)」という言い方なんて女性が話すと、とても艶っぽい(写真下=京の寺と言えば、やはり金閣寺。雪景色の季節はとりわけ美しい)。 ただ、京都弁の未来を思うといささか不安にもなる。40歳以下の世代では標準語の影響が著しく、京都の生まれ育ちであっても、正しい京ことばを話せる人は少ない。舞妓さんも今や地方出身の子がほとんど。以前、会社の同期会を祇園のお茶屋さんで開いた際、舞妓さん2人と芸妓さん2人の計4人を座敷に呼んだけれど、全員が関西以外の出身だったのに愕(がく)然とした記憶がある。話す京都弁が妙だったことは言うまでもない。 正しい京都弁を聞きたければ、祇園のお茶屋さんに舞妓さんを呼んで大金をはたいて遊ぶより、年配の女将さんがいる小さなおばんざい屋さん(小料理屋さん)に行く方が、よほどいい。美しい、素敵な「京ことば」は今や、客商売をしている(京育ちの)女将さんか、年配の京都人しか話せないのかもしれないと思うと、ちょっと悲しい。
2005/03/22
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先日、新聞を読んでいて、「方言の良さを見直そう」という特集に目が止まった。「お国言葉を守ろう」という運動も、各地で芽生え始めているらしい。そんな記事を読んでいたら、ふと脳裏に、かつて住んだ金沢で聞いた、 懐かしい言葉がよみがえってきた。「食べまっし(食べなさいね)」「あんやとね(ありがとうね)」「ゆーたがいや(言ったじゃないか)」……。 最近は、メジャーな映画でもセリフを方言にこだわった映画が増えてきているが、私は大賛成だ。コミュニケーションには共通語は大事だが、ふだん話言葉まで、標準語である必要はない。言葉はその地方の文化だ。その地域で、長年育ってきた人々の歴史であり、命のようなものだ。どこへ行っても標準語だったら、まったく味気ないではないか。 私は社会人になって初めて地元(実家)を離れ、北陸の金沢(写真左は、金沢のシンボル、兼六園)で一人暮らしを始めた。金沢は、ご存じのように加賀藩前田家・百万石の素敵な城下町だ。戦災(空襲)に遭わなかったおかげで、藩政時代の面影をよくとどめている。 前田の殿様は文化・工芸の振興に熱心で、このため、加賀宝生流の能楽が生まれ、友禅、金箔、蒔絵、九谷焼、輪島塗などという全国に名だたる工芸品も発展した。 金沢弁(加賀弁とも言うが、厳密には違う)が、どういう発展の経過をたどったのかは、言語学者でないので詳しくは知らない。お隣の富山や福井ともちょっと違う。同じ石川県でも、金沢地方と、加賀地方、それに能登地方ではまたかなり違う。能登は海を通じた交流のせいだろうが、山陰地方の方言とかなり似ている部分もある。 イントネーションは関西弁に近い部分もあるが、表現や単語(語彙)に共通するものは、数えるほど。思いつく言葉では「なんなん?」(何なの?)、「~ねんて」(~ですよ)、「いきしな」(行く途中)くらいか(これらは、なぜか関西弁でもまったく同じだ)。 イントネーションが近いのは、おそらくは航空機による行き来がまだ盛んでなかった頃、JR特急「雷鳥」(今は特急「サンダーバード」)による関西圏との経済的な結びつきが強くて、人の行き来が関東圏より関西圏が多かった影響もあるのかもしれない。 金沢弁と言えば、まず「~まっし」(~なさい)という接尾語が有名。「来まっし」「見まっし」「食べまっし」と、日常的に頻繁に耳にする。「~がや(なのです)」「~やぞ、~ぞいや(なのだよ)」「~うまいじ(うまいね)」「~ねーじ?(ないね?)」など語尾に濁音も多いのも特徴。 少し間延びした喋り方も独特だ。例えば、「あのぉ~ん、野村せ~んせ~い、きのお~う、会えんかった~からぁ~」なんて、いらちの大阪人が聞いたら「はよ言わんか」と怒りそう。僕は、若い女性に優しい声で耳元で、こんなしゃべり方されたらもうメロメロだったが…。 日常の単語でも、標準語とは少し違うものがあった。例えば、「きのどくな」=ありがとう、「あたる(あたった」=もらう(もらった)、「がんこな!」=すごいことだね!、「曲がらん」=曲がるよ、「こけ」=きのこ……。 またまったく独特な言い方をするものも。例えば、「な~ん」=いいえ、「あおくさ屋」=八百屋さん、「おかべ」=豆腐、「かいぶし」=煮干し、「おあんさん」=ご主人、「かーか」=お母さん、「にゃーにゃ」=娘さん、「おゆるっしゅ」=じゃぁね、よろしくね、「いじるかしい、いじくるしい」=面倒な、「かたがる」=傾いている、「1題目」=1番目……(もっとも、テレビや学校で標準語に慣れ親しんだ今の若い世代ではあまり使わないかもしれないが…)。 とくに同じ単語でも、使い分けが難しいものがあった。「おいでる」という動詞。とくに電話でのやりとりだと要注意だ。「**さん、おいでるか?」という電話があると、それは、「いらっしゃるか?(在席ですか?)」という意味。しかし、「これからおいでるか?」となると、「(こちらに)お越しになるか?」と聞かれている意味。稀に、「**さん、そちらへおいでるよー」と使う人もいる。こうなると、「(そちらへ)行くよー」という意味。 英語でいう「Be動詞」と「COME」の両方の意味で使い、前後関係で意味が変わる「おいでる」。今となっては懐かしい思い出だが、最初はよく間違って、行き違いの原因にもなった。 笑い話では、僕の経験談ではないが、酒席で相手から「はよ、しねま!」と言われて、険悪な雰囲気になったなんて話も聞いた。これは、金沢弁ではなく、石川県でも加賀地方の言葉らしいが、「早く、しなさいよ」という意味。突然言われた方は、そりゃ怒っただろうなぁ…。 金沢には5年暮らした。僕には第二の故郷…。あの冬の陰鬱な空もよく知っている。「雪国暮らしで、あれだけが、どうしても嫌」と言う人もいたけれど、僕はそれでも、金沢と同じくらい、金沢弁を愛している。
2005/02/14
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転勤族にとって、その土地土地で暮らす楽しさはいろいろあるが、「食」の探求に加えて、僕は、方言とふれ合い、自分でも喋る面白さが好きだった。 かつて住んでいた徳島市では、阿波弁(徳島弁とも言う)が話されている。阿波弁と言っても、県内の地域によって、若干違いはあるのだが、有名なところでは、「~けんど」「~けん」に代表される語尾だ。(そう言えば、「けんど茶屋」という名前の居酒屋もあった)。 語尾の言葉も特徴的だが、接続詞の「ほなけん」(だから、だけど)、「ほなけんど」(しかし)なんて言葉も、頻繁に耳にする。女性は「です」の意味で、「~じょ」という言葉をよく使うが、これがすごく色っぽい。「ほうなんじょー」(そうなんですよ)と耳元で言われるととても艶っぽく、ゾクゾクっとする(と感じているのは僕だけかもしれないが)。 阿波弁は、関西弁とイントネーションはやや似ている。四国の他の3県と違って、関西の民放テレビすべての電波が届くという地理的な条件も影響したのかもしれない。だから徳島県人は、みんな小さい頃から「吉本新喜劇」を見て育っている(写真=徳島と言えば、やはり「阿波踊り」。老いも若きもお盆の4日間、踊って燃える)。 語彙にも関西弁と共通のものもたくさんある。例えば、「かく」(運ぶ)、「こすい」(ずるい)、「食べさし」(食べかけ)、「ちびる」(摩耗する)、「ちょける」(ふざける)、「なんぼ」(いくら)、「のーなる」(なくなる)、「見てくれ」(外見)、「よーけ」(たくさん)、「わや」(駄目、めちゃくちゃ)なんて言葉は、徳島の人は、阿波弁だと思っている人が意外に多いが、実は関西弁とほぼ同じ意味で、共に使う。 だから関西方面から転勤してきた場合、言葉の上では馴染みやすい土地とも言えるが、阿波弁でしか使われない意味で、使う言葉があるので要注意。 徳島へ転勤した僕が一番戸惑ったのは、ある病院に初めて行った際、看護師さんからいきなり、「せこいですか?」と聞かれた時。関西弁でも「せこい」という形容詞は使うが、「ケチ」とか「(お金に)きたない」「ずるがしこい」なんて意味でしか使われない。 しかし、徳島では(関西弁での意味で使うこともあるが)その「せこい」を、「苦しい」「しんどい」なんて意味で、かなり一般的に(!)使う。だから徳島でビジネスの相手から、「あんたの仕事もせこい仕事やねー」なんて言われても、決して怒ってはいけない。同情されているのだから…。 もう一つ忘れられない言葉。ある時、年配の男性2人連れAさん、Bさんと同席した。Aさんは「Bと僕はちんちんの仲ですけん」と僕に紹介した。僕の頭の中は混乱する。「えー! ちんちん??」。「この2人は、ひょっとしてゲイ友?」。 もちろん、そんな意味であるはずはない。答えを先に言うと、「ちんちん」とは阿波弁で「仲良し」という意味。ただし、このエピソードを徳島の30~40代の友人に話したら、「えー、そんな言葉、僕らの世代ではもう使いませんよー」と反応した。だから、阿波弁の「ちんちん」ももう死語になりつつあるようだ。
2004/12/20
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