ムーディー・ブルースといったら音楽史的にはいわゆるプログレ・バンドの位置づけであり、例の名曲「サテンの夜」を収録した「Days Of Future Past」('67年)、「Every Good Boy Deserves Favour(童夢)」('71年)、「Long Distance Voyager」('81年)といった数々の名作を残しているのだが、その割にはプログレ・ファンからの評価は低いような気がする。
スケール感と哀愁を感じさせるオープニング・ナンバー「Lost In A Lost World」、心地良い小粒さとキャッチーさを持ったポップ・ソング「You And Me」、叙情的な「The Land Of Make Believe」、マイナー調のメロディを持つロック・ナンバー「I'm Just A Singer(In A Rock And Roll Band)」などどれもいいが、個人的なベスト・トラックは2曲目にあたるナンバー「New Horizons」である。