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November 21, 2015
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カテゴリ: 教授の追悼記
 つい先日、白鵬の「ねこだまし」を「横綱らしからぬ」と批判されていた現・日本相撲協会理事長の北の湖さんが場所中に急逝され、いささかびっくりしております。


 北の湖の全盛時代、こちとらは小学校高学年。当時から大相撲ファンだった私としては、ある意味、大鵬以上によく見知った横綱ではありました。当時は輪湖時代真っ只中でしたから。

 が。

 ファンではなかったですね。私としては、むしろ輪島の方が好きだった。

 大体、北の湖は当時の力士の標準から言えば体格的に圧倒的に恵まれていて、そのでかい奴がカチ上げ気味にボーンとぶつかれば、まあ立ち会いで当たり負けするということはほとんどない。で、後はそのまま寄り切るか、右上手取って上手投げ。足が短いから足技とかはなし。で、勝つ。ただそれだけ。面白くもなんともない。でまた憎々しげな仏頂面に、愛嬌のかけらも無かったですし。

 逆にたま~に負ける時の不様さもひどくて、手足の短いでぶっちょがあたふたして負けると、いかにもカッコ悪かった。

 だから、輪湖時代、千秋楽に輪島と北の湖が激突する時には、輪島勝ってくれと願ったものでした。輪島と北の湖が対戦する時は、必ずといっていいほど立った瞬間に左四つになる(両力士とも左四つが得意なので)のですが、「黄金の左」と呼ばれた輪島の左下手投げも、北の湖の右上手投げと投げの打ち合いになると、どうしても分が悪く、私の願いも空しく、北の湖が勝つことが多かった。それが余計に、私を北の湖から遠ざけたわけですが。

 輪島より前の世代、たとえば北の富士なんかと比べると、北の富士にはなんというか、大人の男の華があって、歌舞伎の花形役者が登場してくるような、そういう華やかさがあり、相撲そのものにも何と言うかこう、ドラマがあったものですけれども、北の湖となると、とっちゃん坊やというか、子供がそのまま大人になったような様子があって、相撲における歌舞伎的な華やかさを解さない奴が、ただ強いというだけで土俵に上がってるぞ、おい、みたいな感じがして、興醒めだなあという感じを、子供心にすら受けたものでありました。事実、長い北の湖の横綱時代、印象に残っているのは負けた時の相撲だけで、彼が勝った時の相撲で印象に残っているものがほとんどないという。

 それだけに、長かった北の湖時代の終り頃、新しいスターとして千代の富士が出てきた時、ようやくまたドラマ性のある奴が出てきたという喜びがあったものでございます。それは北の富士のような大人の魅力ではなかったけれど、小さな身体という圧倒的な弱点を抱えた手負いの虎が、その弱点に付け込まれる危険を常に背負いながら戦うという、悲劇的なドラマを持っていましたから。



 しかし、ファンではなかったとはいえ、昭和の名横綱であったことは誰の目から見ても明らか。その北の湖さんが、あまりにも早い死を遂げたことに対し、私もファンの皆様と一緒に御冥福をお祈りしたいと思います。合掌。





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Last updated  November 21, 2015 10:35:50 PM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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