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2006/11/07
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カテゴリ: カテゴリ未分類


広島県の北西の端にあたる「吉和村」は平成の大合併によって「廿日市市」となったものの、田舎であることに変わりはない。
山口県、島根県と接するのどかな農村である。
盆地の標高600M。
人口1000人足らず。
この村から島根県匹見に抜けるのが国道488号線である。

盆地から川沿いに山に分け入るのだが、そこが「中津谷渓谷」。
広島市を流れる太田川の最源流にあたる。
道は狭いのだが、その分自然が手付かずのまま残っている地域でもある。


杉の植林地と自然林の間にはっきりと境目が見える。
単調な色合いの植林地に比べ、自然林の美しさはやっぱり際立っている。

人間の世界でも、大自然でも、多様性こそが豊かさの指標であることは間違いない。

森は天然のダムである、というが、森の種類によって保水力は大きく違う。
広葉樹の森は広くしっかり根をはり、さらに落とした葉が腐葉土の層を作っていくが、杉の植林地では様子が違うようだ。
杉はあまり深く根をはらない。
そのため台風などで倒れやすい。
外から見ると美しい緑に見えるのだが、中に入ってみるとかなり暗く、緑なのは外側だけなのが分かる。
入ってくる光の量が少ないので、そこに育つ植物も少ない。
雨が降ると当然表土も流れやすくなる。

この季節、常緑の針葉樹の植林地と、広葉樹を中心とした自然林との境目がはっきり分かる。

「細見谷大規模林道」という計画なのだが、これが現在環境団体などを中心に大反対を受けている。
このエリアが中国山地の自然の姿を手付かずに近い状態で残していることから、それを守ろうという運動だ。

確かに、自然が自然なままの状態で残っていても経済効果はほとんどない。
ただ、経済効果が無いから価値がないというものではないことも明らかだ。
価値も多様化している。

それが現在の地球温暖化や環境破壊を招いてきた。

確かに便利なほうがいい。
国道488号ももう少し広いと嬉しい。
ただ、経済だけで物事を決めていくのがいかに危険なことかも知る必要がある。

壊した自然を元に戻すことは簡単ではない。







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Last updated  2006/11/07 03:21:00 PM
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