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2021/06/23
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カテゴリ: 今日の一枚


冒頭の写真は、田舎の終着バス停のそばにある「バスの車庫」の内部です。
シンプルな構造で分かりやすいので、写真に撮ってみました。
木というのは、鉄と違って、接合部を完全に固定することができません。
直角に木を固定しても、それだけでは直角が保たれない(変形する)ため、斜めに部材を入れて支えます。
意図的に「三角形」を作り出すことで変形しにくくしているわけです。
三角形の大きな特徴は「各辺の長さが決まれば、角度も決まる」すなわち、変形しない、という点です。
直角部分に斜めの材料を入れることで、直角三角形を保つことができるので、変形しにくくなるわけです。
冒頭の写真を見ても、梁を下から斜めに支える部材が入っています。

さらに、梁と桁を斜めにつなぐ部材も入っています。
そして、屋根を支える束の間にも斜めの部材が入っています。
こうして、こういった小屋であっても、地震や風で倒れてしまわないように作ってあるんですね。
「建築基準法」においても、住宅の壁には一定の基準で筋交いを入れるとか、火打ちを入れることを義務付けています。
ちなみに、立面方向の斜め部材を「筋交い」。
水平方向の斜め部材を「火打ち」といいます。
また、梁と桁も違いが分かりにくい部材ですが、長手方向が「桁」で、それをまたぐ方向に入っているのが「梁」です。
上の写真ですと、奥行方向が「桁」。横方向が「梁」ですね。

さてさて、この筋交いや火打ちを多用する「がちがち」の変形防止木構造というのは、もともと日本の伝統建築にはありません。
こちら、浄土寺にある「庫裡(くり)」の内部。
屋根はさすがに斜めですが、そのほかには斜めの部材がありません。

揺れている間は少し変形しているのですが、収まるともとに戻る、という仕組みです。
ガチガチに組んでしまうと、一定の力以上の力は加わると必ず壊れます。
日本の伝統建築は、しなることで破損を防ぎ、建物を長持ちさせるんですね。





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Last updated  2021/06/25 11:57:32 AM
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