ミステリの部屋

< 新しい記事

新着記事一覧(全1108件)

過去の記事 >

2006年05月29日

生協の白石さん：白石昌則／東京農工大学の学生の皆さん

(8)

テーマ：最近、読んだ本を教えて！(24307)

カテゴリ：ミステリ以外の小説

遅ればせながらという感じもしますが、「生協の白石さん」を読みました。
スラリンと読むことができます。

生協の「ひとことカード」とは
出資者である学生が、生協のお店に対しての意見や要望を書くカードで、それに対する回答が掲示板に貼り出されます。

「ひとことカード」のようなものは、ほとんどの大学にもあるらしいのですが、東京農工大学の担当者である白石さんの書く答えが、通り一遍ではなかったので、自然と話題になっていき、そのうちブログになり、ついには本になってしまったようです。
ブログにしたのは学生さんの一人ですが、目のつけどころがなかなかですね。

確かにこんな答えを貰ったら、それは嬉しいと思える回答がたくさんあります。

一つだけ紹介します。

「

という問いに対して、白石さんの回答は、

「　
　もし、どこかで販売していたとしたら、それは何かの罠かと思われます。
　くれぐれもご注意ください。」

まじめに一言カードを利用しようとしているとは思えない質問でも、無視したり怒ったりせずに、こんなセンスある回答をして貰えるのです。

「きっと全部の質問を読んで貰えているんだなぁ。」とか、「一生懸命答えようとしてくれているんだなぁ。」と思えますよね。

白石さんのエッセイの部分では、東京農工大学の学生への信頼感も表れていますが、
あれよあれよという間に有名になっていった白石さんが、特別に取り上げられてしまったことへの困惑も伝わってきました。

日本のおじさん達よ、ダジャレに走るばかりでなく、白石さんのようにウィットに富んだ表現ができるようになるといいですね！