ミステリの部屋

ミステリの部屋

2006年06月14日
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カテゴリ: 日本ミステリ
ある人のすすめで読むことになった作品。どういう話かわからないまま図書館に予約していました。

舞台は15世紀末のミラノです。
タイトルにある旧宮殿コルテ・ヴェッキアとは何でしょう。

ほぼ円形をなす都市ミラノの中心部で
建築途中の大聖堂を正面に望む豪華な建物と、美しい鐘楼を持つサン・ゴッタルド教会を含めた一帯。
この地区を総称して旧宮殿と呼んでいたそうです。

そこは、かつてはミラノの支配者ヴィスコンティ家の居城でしたが、彼らは30年前に追放され、現在の主人はミラノ公と彼の親族であるスッフォルツァ家です。

その町で宰相閣下と呼ばれるのがルドヴィコ・スフォルツァ、通称イル・モーロです。

物語は、彼が旧宮殿に一人の男を訪ねていくところから始まります。



この作品はレオナルド・ダ・ヴィンチが探偵役となって、謎解きをする短編集でした。

サブタイトルは「15世紀末、ミラノ、レオナルドの愉悦」。





イル・モーロ、レオナルドと共に、色々な事件の謎解きに関わるのが、チェチリア・ガッレラーニ。

ミラノの廷臣ファツィオ・ガッレラーニの末娘で、美貌で楽才もあり、打てば響くような知性あふれる若い女性で、レオナルドをミラノに招くことを提言したと言われています。

レオナルドが生涯でたった三作しか書いていない肖像画(一つはモナリザですよね)のうちの一作 、「白貂を抱く貴婦人」に書かれているのがチェチリア・ガッレラーニです。 
ポーランドの美術館にあり、何年か前、日本にも貸しだされています。
残念ながら観たことはありませんが。

三雲岳斗さんの作品を読むのは初めてですが、とても読みやすかったです。

レオナルド・ダ・ヴィンチの様々な才能や知識からくる発想によって謎を明らかにしていく点が とてもユニークで、面白く読めます。

特に「二つの鍵」は、論理で追いつめていくといった展開で私好みでした。

堅いことは言わずに、レオナルド・ダ・ヴィンチのいた時代に思いをはせ、活気あるミラノの雰囲気を味わい、ロマンを感じつつ楽しむことができれば、それでいいのだと思います。

聖遺の天使 」があることを知り、是非読みたくなりました。


旧宮殿にて :三雲岳斗










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最終更新日  2006年06月14日 20時49分56秒
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