ミステリの部屋

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2006年11月03日

帽子から飛び出した死：クレートン・ローソン

(2)

テーマ：ミステリはお好き？(1646)

カテゴリ：海外ミステリ（ヤ・ラ・ワ行作家）

真っ暗な部屋、博士の死体は頂点でろうそくが揺らめいている五芒星のまんなかに手足を伸ばして倒れていた。
周りに書かれていたのは、悪魔を呼び出す怪しげな呪文。
しかもその部屋は窓もドアも中から鍵がかけられ（かんぬきまでかかり）、鍵穴は布でふさがれているという完全な密室だった。
奇術師のマーリニが捜査に加わる中、さらに容疑者の一人が新たな密室で殺されてしまう。

これでは警察の捜査も一筋縄ではいきません。
そこで奇術師のマーリニが登場するというわけです。

実は作者のクレイトン・ロースン自身も奇術師で、舞台にあがるときの名前が「マーリニ」といいます。
だからこそ奇術とミステリがうまく融合した作品が書けるのでしょう。
アメリカ奇術家協会の大会が、後半の重要な場面として登場しますが、これは実在する催しだそうです。
脱出マジックや、トランプマジック、霊媒師に腹話術とバラエティに富んだプログラムで、かなり興味をそそられます。

実際、奇術師がうまく客の目をそらすためのミスディレクションが、このミステリには多々生かされています。

注目すべきは、密室を用いたミスディレクションです。

作中でフェル博士に対抗してマーリニが密室講義を行う場面があるのですが、実際ロースンはディクスン・カーとは親友だったそうです。
二人で密室についてあれこれ意見交換をしていたかも知れないと想像すると、楽しいものがあります。

これは「有栖川有栖の密室大図鑑」　（感想）　に紹介されていた作品の一つです。
1938年に書かれたロースンの処女作で、最近では1993年に文庫化されていますが、残念ながら現在入手困難です。

　帽子から飛び出した死　：クレートン・ローソン　楽天でも品切れです。

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最終更新日 2006年11月03日 22時44分19秒
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■コメント

Re:帽子から飛び出した死：クレートン・ローソン(11/03)

donmabo さん

わっ！　なんという偶然。１日前に読み終わったばかりです。ということで感想も書いていないので，実はこちらの日記の本文は流しています（「有栖川有栖の密室大図鑑」のくだりは読みましたが，その関係ではありません）。
この作品，書くのが難しそうだったので「どうしようかな？」などと思っていたので，ここに宣言してしまい（笑），書いてからまたこのページにお邪魔しますね（微笑）
(2006年11月04日 00時57分33秒)

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Re[1]:帽子から飛び出した死：クレートン・ローソン(11/03)

samiado さん

donmaboさん、こんにちは！

＞わっ！　なんという偶然。１日前に読み終わったばかりです。ということで感想も書いていないので，実はこちらの日記の本文は流しています（「有栖川有栖の密室大図鑑」のくだりは読みましたが，その関係ではありません）。

わ～、本当に偶然ですね。めったにないことですね。
古い作品だし、コメントは全く期待していなかったので、すごく嬉しいです♪

＞この作品，書くのが難しそうだったので「どうしようかな？」などと思っていたので，ここに宣言してしまい（笑），書いてからまたこのページにお邪魔しますね（微笑）

私はほとんど内容は書けませんでした。donmaboさんの感想がかなり楽しみでありますｗ
(2006年11月04日 10時21分27秒)

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