ミステリの部屋

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2007年01月19日
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十七世紀の毒殺犯として有名なブランヴィリエ夫人の写真が添付されていたのですが、その顔が妻のマリーと瓜二つだったのです。
そんな折、隣のデスパード家で亡くなったマイルズ老の死に不審を感じた息子マークに頼まれて、墓を暴きに出かけた彼は、妻の予言どおり、棺から死体が消失しているのを発見します。
老人は毒殺されたらしく、目撃された犯人の女性は、仮装舞踏会の夜にブランヴィリエ夫人の扮装をしていたことがわかります。


かなり怪奇色の濃い話でした。
次々にあきらかになるのは、摩訶不思議なことばかり。
どうなるんだろう?と気になって、先が知りたくてたまらなくなります。

入り口がコンクリートで固められた地下の納骨堂からは死体が消え去り、ブランヴィリエ夫人の扮装をした女性は塗りつぶされたはずのドアから出て行きます。

しかもそんな時に、エドワードの妻、マリーが置手紙を残してどこかへ姿を消します。
果たしてマリーは毒殺魔の生まれ変わりなのか?
次第にエドワードの不安がこちらにも伝染してきてドキドキします。

それでも最後にはきっとスカッとする解決を示してくれるものと思いながら、読み進めていったのですが、結末は私の想像を超えるものでした。

解説では、この作品を「ルービンのつぼ」という図形にたとえています。


あることを境に、今まで読んできた物語が別のものに見えてくる。
初めての感覚を味わいました。
ジョン・ディクスン・カー恐るべし。



 火刑法廷 : ジョン・ディクスン・カー









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最終更新日  2007年01月20日 00時29分55秒
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