ミステリの部屋

ミステリの部屋

2007年11月26日
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冬至の夜、我らは島主の館に集い、夜を通じて話をする。
それが煌夜祭―年に一度の語り部の祭。
お話ししよう。
夜空を焦がす煌夜祭の炎壇でも照らすことの出来ない、真の闇に隠された恐ろしい魔物の物語を…廃墟となった島主の館で、今年もまた二人だけの煌夜祭が始まった―!
第2回C・NOVELS大賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)


最近ライトノベルを読みあさっている友人に薦められて読みました。
多少登場人物の名前で混乱してしまうかもしれませんが、そこは頑張ってほしいです。名前が覚えられないのは私だけかもしれないし、読んでよかったと思える作品だからです。

最初、タイトルをカンヤ祭と読んでしまいましたが、それは米澤さんの古典部シリーズでしたw この作品はこうや祭です。

年に一度、仮面をつけた語り部たちが島主の館に集い、一晩中語りつづけるという煌夜祭。

ここでは二人の語り部がたき火を前に向かい合い、交互に話をしていきます。
そして時が進むにつれて、おとぎ話のようだったそれぞれの話に繋がりがあることがわかってきます。
いつしか紡がれていたのは、壮大なストーリーでした。

毒の海の上に環状に浮かぶ島々で構成された世界も、悲しい宿命を背負う魔物も、自然に頭に流れ込むように受け入れられました。

語リ部はなぜ冬至には一晩中話をするのか、

話の内容にもさまざまな謎はありますが、仮面をかぶった二人の語り部の正体も不明です。

最後に謎は解けるのですが、それまでに張り巡らされた伏線と、構成の妙に感嘆することになります。
このようにミステリの要素も持った作品でした。

そして、心の奥まで深く沁み入った物語の余韻に、静かに浸りたくなります。

ライトノベルを読んだことがない人にも是非すすめたくなる1冊です。



煌夜祭 : 多崎礼







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最終更新日  2007年11月26日 19時28分21秒
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