ミステリの部屋

ミステリの部屋

2008年06月08日
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そして巻き起こる連続殺人事件。
脱出不可能な地下牢から男はどう脱獄したのか?
 事件を解き明かすために、眉目秀麗で気障な荒城咲之助、近未来的な義手を持つ真野原玄志郎、さらに弁護士の私・殿島直紀が驚愕の脱出トリックに挑む。独特なキャラクター造型と、奇抜なトリック、抜群のリーダビリティで贈る、新たな本格ミステリ登場。
(出版社より)


この作品の舞台となる「雲上都市」というものは実在したそうです。

標高1000メートル以上の鉱山で労働力を確保するためには、福利厚生を充実させることだという方針のもとに建設された町。

庶民には夢のようだった水洗トイレが完備され、セントラルヒーティングで冬も暖かい近代的なアパートが立ち並び、病院も光熱費も、映画館などの娯楽でさえもタダだったそうな。

今ではファンタジックに思えるそんな町で連続殺人が起きます。
そして、やってくる二人の探偵たちが、なかなか胡散臭くて良いのです。

結構おどろおどろしく悲惨な事件を扱いながら、作品全体に漂うこの明るさは、彼らの突き抜けた性格とユーモアのおかげでしょう。

しかし、20年間に渡り地下牢に幽閉されていた男の脱獄トリックには唖然としました。
と言うより、正直気分が悪くなります。
こんなことを考えるとは、作者は変な人に違いありません。



タイトルは、出版される折に「雲上都市の怪事件」からに「大冒険」
になったらしいのですが、おとぎ話のような町で、おかしな探偵たちが活躍するこの作品は、ミステリというより冒険活劇と言う方がふさわしいかと思いました。




雲上都市の大冒険 :山口芳宏







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最終更新日  2008年06月08日 18時46分22秒
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この作者  
みっつ君  さん
前の開票式の時に見掛けましたが、いたって普通の方でしたw

このトリックは好き嫌い分かれますよね~。
私はアリかなと思いますが。
でも探偵達のドタバタぶりは手放しで好きですよw (2008年06月09日 17時01分50秒)

Re:この作者(06/08)  
samiado  さん
みっつ君さん、こんにちは!

>前の開票式の時に見掛けましたが、いたって普通の方でしたw

そうですか、実物に会われたんですね。こんなトリックを考える人は変人だと決めつけて、失礼しましたw

>このトリックは好き嫌い分かれますよね~。
>私はアリかなと思いますが。
>でも探偵達のドタバタぶりは手放しで好きですよw

トリックはさておき、奇天烈な探偵たちには魅力を感じましたよ~。 (2008年06月10日 12時14分46秒)

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