ミステリの部屋

ミステリの部屋

2010年05月14日
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無精髭をはやし、長い髪を後ろで束ねた無口なシェフの料理は、気取らない、本当にフランス料理が好きな客の心と舌をつかむものばかり。
そんなシェフが、客たちの巻き込まれた事件や不可解な出来事の謎をあざやかに解く。

定連の西田さんはなぜ体調をくずしたのか?
甲子園をめざしていた高校野球部の不祥事の真相は?
フランス人の恋人はなぜ最低のカスレをつくったのか…。
内容(「BOOK」データベースより)


タルト・タタンの夢/ロニョン・ド・ヴォーの決意/ガレット・デ・ロワの秘密/オッソ・イラティをめぐる不和/理不尽な酔っぱらい/ぬけがらのカスレ/割り切れないチョコレート


舞台は、小さなフレンチのお店、ビストロ・パ・マル。

緊張感なく毎日を過ごしている私にとって、ガチガチのフレンチは肩がこる気がします。けれども、気取らない雰囲気の美味しいお店はいいですね。

そういえば、近くの町に、ご主人と奥さんだけでやっている素敵なフレンチのお店があって、気に入っていたのですが、この前久しぶりに行ったら店がなくなっていました。残念でした。

その後、東京で見つけたフレンチレストランは、小さいけれどとても美味しい料理を食べさせてくれました。心から「美味しかったです。」とお礼を言いながらふと壁を見たら、政治家さんが来店された時の写真が飾ってありました。何か、残念でした(笑)


サムライみたいな風貌の三船シェフが、あざやかな手並みで、料理だけでなく謎解きまでやってしまう、というミステリ短編集です。

謎の解決にも、料理が大きな役割を果たします。

殺人事件みたいな大事件はなく、日常の謎ですから、安心して読むことができます。読んだ後は温かい気持ちになりました。

謎ときが程良いスパイスになる、ちょっとあっさりした味わいのミステリです。
最後の作品は、一味違いましたが……。




ヴァン・ショーとは、ホット・ワインのこと。
どうやって作るかと言うと……赤ワインをお湯でわり、オレンジの輪切りとクローブ、シナモンを加えるだけです。

続編はそのヴァン・ショーがタイトルに入っています。










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最終更新日  2010年05月24日 22時10分05秒
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