おっさんの主張

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2012.02.22
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カテゴリ: 中年の主張

低レベル放射線である1ミリシーベルト の影響は、 10万人に年間5人のがん死が増加 するという影響である。

 つまりは、年間5ミリシーベルト(= 1時間当たり0.57マイクロシーベルト)の地域 で、 7万人の都市ならば、年間17.5人のがん死が増える 計算となる。

 この見解に対しては、 2つの視点から意見 があり、福島県民の世論はまとまっていない。

1. 低レベル放射線はそもそも影響があるのか?という視点

 低レベル放射線に関しては、その確率の低さから、証明には大量サンプルのデータが必要であり、調査は難しい面がある。そんな中で、統計的有意を示す論文が少しずつ増え始めている状況ではあるのだが(例 原子力産業労働者15カ国合同解析 Cardis 2005、日本の原子力産業従事者疫学調査 文科省委託第3期調査結果、台湾の鉄筋汚染アパート Hwang 2008)、まだ低レベル放射線の影響があることを結論を出していない時期でもある。

 簡単にいえば、 「調査中」の段階 であり、言い方を変えれば「まだわからない」という時期でもある。よって、2つの立場に人々は分かれているのである。

 1つは、生命にかかわることであるから、 安全余裕をとり、ICRPのモデル(10万人に5人のがん死の増加)に従うという立場 である。自分はこの立場が、合理的であり支持をしている。

 もう一つの立場は、 「わからない=影響ない」とする立場 である。この立場では、国際的な共通見解である「不必要な被ばくは避ける」という行為を、「風評被害」と批判する立場になる。


2. 10万人に5人が年間でがん死することはそもそも問題なのか?という視点

 年間5ミリシーベルト(=1時間当たり0.57マイクロシーベルト)の地域は、ICRPの立場に従えば、7万人の都市で年間17.5人のがん死の増加である。

 そもそも年間17.5人の増加は問題なのか?ということも、2つの見解に分かれている。

 1つの立場は、 もともとなかったリスク であるため、「町に殺人犯が現れて年間17.5人を殺害することと同じようなものだ」という立場である。つまり、 問題であると主張する立場 である。自分はこの立場である。

 もう1つの立場は、 受動喫煙のリスクと変わらない ので、気にするほどのリスクではないという立場である。受動喫煙のリスクは、10万人に生涯5000人のがん死が増えるというリスクである(北海道・深川市立総合病院松崎道幸氏1998年の試算)。人の生涯を80年とすれば、7万人で計算しなおせば、年間43.8人のがん死の増加というリスクになる。17.5人ならば、同程度であり、それほど騒ぐ数字ではないというのである。

 しかし、もう一度言う。 放射線はもともとなかったリスク である。1人でも年に放射線の影響で死亡が増えるのであれば、問題だと思う。つまりは、 そのリスクを作った当事者は、リスクを減らす努力と被害者への賠償を行うべき と考える。





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最終更新日  2012.02.23 00:30:03
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