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2007.07.11
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カテゴリ: 読んだ本
2004年6月 講談社より。

第10回吉川英治文学新人賞受賞作。
岡嶋二人:徳山諄一と井上泉の共作筆名。

誘拐事件を描いたミステリー。
3億円事件が発生した同じ年、ひとつの誘拐事件が起きる。
身代金は奪われたが、子供は無事帰る。
それから20年後、かつての誘拐事件をなぞったような誘拐事件が再び起きる、という話。

最初の誘拐事件は、誘拐された子供の父親の手記という形で語られますが、


コンピュータを駆使した犯罪で、共犯者もなく、全てを一人で考え、一人で決行する犯人。
ストイックな厳しさが魅力的で、そちらに感情移入。
どこで破綻するのか、何かトラブルが起きるんじゃないのか、とドキドキでした。

犯人は誘拐した少年と話すにあたって、PCを使って、『アスカ』というキャラクターを通して
語りかけています。
少年はゲームを通じてアスカを知り、アスカに対しては憎しみの感情が薄いんですが、
最後に少年を解放する際に、
「あなたはひどいことをされたのですから、絶対に私を許してはいけません」
と告げる。
そこにこそ犯人の真実の気持ちがあるんだ、と印象的でした。

タイトルの意味が捉えにくくて、作者がどういう意図をもってつけたのかなあ、というのが


とても面白かったです。







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Last updated  2007.07.11 12:52:55
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