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2010.03.03

訳：金原　瑞人
２０００年７月　(株)偕成社より

会社の同僚と円卓の騎士について話す機会があったんですが、
実は私、それ関係は全く読んだことがなくて知らないんですよね。
で、ちょっと読んでみようと思いました。

いざ本を選ぼうとしたら、あまりにたくさん出版されていて迷ってしまいました。
ローズマリ・サトクリフのものが有名なようなので、それにしようかと思ったら、
amazonのレビューで「訳がひどい。名前に間違いがある」と散々。
うーん・・・・。

激しくヤだな。

結局、選んだのはやはりamazonのレビューで訳を褒めていたこの本。
でも読んでみたら失敗っぽい。

児童書なんですよ。
新書サイズで、文字が大きいのに３４４ページしかない。
そもそもが壮大な話なのに、これで何とかなるのか？

何ともなりませんでした。(^^;

アーサー王の誕生から、円卓の騎士団を結成して、死ぬまでが書かれているんですが、
その合間にどの騎士が何をした、というのがあるんですね。
騎士が大勢出てくるのに、どの騎士も「○○へ冒険に行った」「△△と戦った」
程度の簡単な記述で詳しい描写がないので印象に残らず、

そして詳細な心理描写がないので、どうしてその言動に至ったかがよくわからない。
騎士の皆さん、現代日本人とは価値基準が全然違うわけですよ。
馬上槍試合があると、試合なのに大怪我するとか瀕死になるとかまで戦っちゃう。
かと思えば、初めて出会った見知らぬ騎士同士で、相手の強さを確かめるためか
よくわからないけど、いきなり戦い始めて、双方が重体になってから

「剣を２本持っているから兄みたいだけど、盾が違うから敵に違いない」と
兄弟で死ぬまで戦っちゃうとか。

・・・・・・・最初に話をしなよ。(-_-;

西洋の甲冑だったら顔が見えないというのはわかるけど、何でこの人達、
最初に剣で語り合っちゃうのよ？
まずは言葉を交わしなよ。
その点で日本の戦国武士の名乗りは合理的だなと思いましたよ。

とりあえず名前を覚えられたのは、魔法使いのマーリンと
湖の騎士ラーンスロット卿だけです。

でもマーリンは自分が弟子に教えた魔法で、岩だか木だかの中に閉じ込められて、
何となくそのまま退場。
え？救出されないの？
王も世話になっているし、有名人なのに、誰も気にしてくれないわけ？
誰も悲しんだり残念がってくれないのが淋しいところです。(^^;

ラーンスロットは後半に続けて登場した強い騎士だったので覚えましたが、
この人がアーサー王の妻であるグィネヴィア王妃と恋愛関係になったせいで
国が滅んだように見えました。
でもアーサー王は、ラーンスロットが王妃の騎士として王妃のために戦うことを認めて、
むしろその強さに期待しているようでした。

ちょっと逸れますが「王妃（貴婦人）の騎士」について。
事の是非を決めるにあたって、戦って勝った方が正しいという決め方なんですよ。
女性は戦うことができないので、貴婦人には代わりに戦ってくれる騎士が必要になる。
例えば王妃に対して何か異議が唱えられた時、唱えた騎士が戦いを挑む。
「それは違う、王妃は悪くない」という主張する騎士がいれば、王妃の代わりに
挑戦を受ける。
王妃の騎士はこの人、と特定の個人が決まっているわけではなくて
誰でもいいみたいですが、当然王家の信頼が厚い強い騎士がなります。
王妃の場合、専らラーンスロットだったようです。
貴婦人からすれば、自分のために命をかけてくれるわけですから、
信頼に特別な感情が入っても不思議はない。
現に王妃は、何かの戦いで別の姫のためにラーンスロットが戦ったことを
「裏切り者」と怒っています。
直接、王妃に敵対したわけじゃないので、これはやっぱりジェラシーかな。
ラーンスロットもバレたらマズイと思っていたようですし。(笑)

戦いの動機としては騎士道精神？
騎士道の中に「貴婦人を守り、貴婦人のために命をかけても戦うべし」的なものが
謳われていたようです。
つまり、騎士としての名誉。
でも、子供向けの物語なので出てきませんが、実質的な問題として
「貴婦人＝城主夫人、領主の娘」でしょうから、戦って勝利した土地の権力者から
協力した騎士に対して、それなりの報酬もあったと思うけど。
登場する騎士の皆さん、あっちこっちで女性に頼まれて戦いまくっていました。

話は戻りまして。

王妃を守る騎士って王じゃないんですね。
まあ、いくらアーサー王が強いと言っても、国主と戦士は別なのが普通か。
それにしても、王妃が自分の信頼する騎士と親密でも気にならないものなんだ？
と思っていたら。
その後、他の騎士に「夜２人きりで会っていた」と噂されて怒り出すアーサー王。
あれ？もしかして気付いてなかった？

宮廷にいられなくなり、国を出ていくラーンスロット。
しかし、アーサー王を煽る反ラーンスロット派vsラーンスロット派の戦いが勃発。
平和だった国内は荒廃します。
そして戦いのためにアーサー王が国を留守にしている間に、王の血を引く息子が
ちゃっかり王座に！
アーサー王は王座奪還のために、彼と戦って死んでしまう、という・・・・。
（死んでいなくて養生のためにどこかに去った、という説も）

自分で書いているけど、この解釈、ホントかなあ？(笑)
とにかくアレコレ詳細がわからないから、ちゃんと読み切れてない気がしますよ。

それとこの本では、アーサー王が王の証として抜いた剣がエクスカリバーじゃない
ことになっていました。
それはただの剣で、その後に湖の姫からもらった剣がエクスカリバーである、と。
えー、やだよ、それじゃつまらないよー。

とりあえずこれで終わるのはあんまりなので、もう少し別の本を読んでみます。

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