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Rakugan is Kitten

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2011.04.21

１９８７年５月　徳間書店より

地球教徒の陰謀によって、ヤン・ウェンリーは不帰の人となった・・・・。
否応なく彼の遺髪を継ぐ立場になったユリアン・ミンツは、魔術師の死に涙する暇を
許されなかった。
一方、畏敬すべき宿敵を失った深沈の皇帝ラインハルトは、けだるい発熱に悩まされていた。
忠臣たちは、またぞろ皇妃の話題を口にし始め、帝国は束の間の憂愁に包まれている。
だが、惑星ハイネセンには新領土総督府高等参事官に昇ったヨブ・トリューニヒトが
赴任した。「祖国を枯死させたやどりぎめが」とロイエンタールの金銀妖瞳が冷たく光る！
（表紙裏紹介文より）

ヤンが死に、ラインハルトは内政に力を入れることとなり落ち着くのかと思えた歴史も
まだまだ動乱の時が続きます。
日本で言うなら戦国乱世のような時代なので仕方ないのかもしれないですが、
魅力的で優秀な登場人物達が次々と退場していくのを見るのにも疲れてきました。

この巻での楽しみは、ラインハルトの恋愛＆結婚問題ですね♪
軍事・政治の天才、でも恋愛においては小学生レベルのギャップがとても楽しいです。

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これ以降は後の自分のための覚え書きとなり、当然ですが全てネタバレとなります。
ご注意ください。

ラインハルトとヒルダの関係が、とうとう男女の仲となりました！

ブラウンシュバイク公による熱核兵器の攻撃を、ラインハルトが知っていながら容認した事を
厳しく責めたことです。
ショックを受けるラインハルト。
それをヒルダが慰めて、一緒にいて欲しいと言ったラインハルトと一夜を共にする、と。

朝帰りのヒルダは父親マリーンドルフ伯と朝食を共にするんですが、マリーンドルフ伯は
一目で娘がラインハルトといたことを見破ってしまう。
動揺しまくりのヒルダ。
そこへラインハルトがヒルダへ求婚しにくるんです。
このシーンが面白くて。(^^)

ラインハルトは軍事・政治の天才ですが、一般人としては凡庸だし、恋愛には超奥手。
ミッターマイヤーの例に倣って大きなバラの花束を持ってくるんですが、

・・・・普通はヒルダに会いたいと取り次いでもらって、直接渡すよね。(^^;

そして「ミッターマイヤーが求婚した時にバラを持っていったと聞いたから
自分もそうした方がいい、いや、そうすべきかと思って」と言う。
なるほど、と皇帝の要件を理解するマリーンドルフ伯。

更に、昨夜のことがあるから自分には責任があって、ここで責任を取らなかったら

といろいろ理由を言った挙げ句に、「お嬢さんをください」となる。
本人にプロポーズする前に、父親にくださいを言ってどうする？(笑)

この辺りの気の利かなさっぷりと子供っぽさ、それを微笑ましく見守るマリーンドルフ伯の
大人の余裕の対比がものすごく楽しいです。

しかし、この本で楽しいのはそこだけなんですよね。
終盤ではロイエンタールが死んでしまいます。(T_T)

ロイエンタールは旧同盟領の統治を任されているんですが、地球教徒の陰謀により、
彼がラインハルトに反逆を企てようとしていると噂を流されます。
ラインハルトは信じません。
同盟領へ視察(？)に行くことになっていて、ロイエンタールへの信頼を示すためにも
大艦隊の護衛なしでハイネセンに向かうのです。

ハイネセンに行く前に、戦没者慰霊のためにウルヴァシーに立ち寄った時、
ラインハルトの命を狙う反乱が発生。
ルッツもミュラーもこれはロイエンタールの反乱であろうと言うのですが、
ラインハルトは認めず、あくまでロイエンタールを信じようとする。
しかし、キスリング、ルッツ、ミュラーがラインハルトとエミール少年を守って
ブリュンヒルトへ向かう途中、その避難経路を確保するため一人残って敵を足止めしていた
ルッツが死んでしまうのです。(T_T)

「死んで元帥に昇格させるのは嫌だから、絶対に死ぬな。その前に敵に降伏しろ」
とラインハルトは言い残していて、ルッツも
「自分は生きて元帥杖を手にすると決めていますから」と答えていたのですが、
ブリュンヒルトが湖から離水するまで戦い続けて戦死。
悲しかったです。
ルッツが死んだことも、その死によってロイエンタールの反乱が確定的なものになってしまい
心情的にもラインハルトが引き返せなくなったことも。

反乱はもちろんロイエンタールの指示ではなく、ロイエンタールはその報を聞いた時から
ラインハルトの身を保護するために動いていたのですが間に合わず。

真相は地球教の陰謀＆ラングとルビンスキーの暗躍によるもの。
グリルパルツァーの調査によっての地球教の仕業と判明していたんですが、
グリルパルツァーはその調査結果を隠蔽。
更には、ロイエンタール討伐のための戦の最中に、ロイエンタール軍に所属していながら
裏切ってロイエンタール軍を攻撃。
そのためにロイエンタールは負傷し、ハイネセンに戻って命を落とすのです。

ロイエンタール討伐はミッターマイヤーが任されています。
ハイネセンに戻ったロイエンタールは、ラインハルトのために害虫トリューニヒトを始末し、
その後、グラスを２つ用意して、ミッターマイヤーを待ちながら死んでいきます。
最期に間に合わなかったミッターマイヤーは、自分の上着をロイエンタールに掛けてやり
一人泣く。
私は電車の中だったんだけど、涙が堪えきれなかったです。(T_T)

ラインハルトの幕僚、大勢いたのにずいぶん減ってしまった。
淋しいなあ。
そして次は最終巻になり、とうとう・・・・彼も死んでしまうんだよね。
宇宙はどう決着するんだっけ？
全然覚えてない。

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