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2014.09.17

２００５年０６月　光文社より
２００８年０２月　文庫化

チリ有数の富豪である日系実業家シラセが南極基地で負傷。救助に向かうが、
帰路、謎の双発機に襲われる。
背後には黄金伝説を巡る陰謀があるのか。
独裁者ピノチェト将軍の元部下、南米に巣くうナチス残党とネオナチ、
見え隠れする超大国の影・・・・真の敵の正体は？
極限に命をかける男たちの姿が胸に迫る、冒険小説の金字塔。
（裏表紙紹介文より）

この作者の本は「恋する組長」を読んで、軽快な人情話の人なんだな思っていましたが、
この「極点飛行」はがっつり力の入った冒険小説でした。
どうもこっちがメインの人みたいです。

主人公の桐村彬は、昔は大手航空会社で副機長として旅客機を飛ばしていたのですが、
機長の操縦ミスの責任を取らされる形で、地上勤務に。
退職して自暴自棄となって酒に溺れ、流れ流れて南極での仕事に。

でも一介のパイロット。

それがアイスマンことリカルド・シラセの依頼で、
負傷したアイスマンとギュンター・ロシュマンを病院のある基地へ移送することになり、
その途中で謎の飛行機に体当たりされそうになったことから、大きな陰謀に
巻き込まれていきます。
アイスマンの姪であるナオミへの恋心から、自ら陰謀に関わってしまう彬。

アイスマンはチリ国籍の大富豪。
南極大陸にあるコンセプシオンという基地の実質的所有者です。
名目上の所有者はチリ国。
でもチリにはその維持管理費用が賄えないため、アイスマンの管理に任せているらしい。

南極といううっかりすると命に関わる特異な土地で、金が埋蔵されている謎の谷を巡って

ことになるアイスマンと彬たち。

複雑な勢力関係が正直理解しきれなくて、ちょっと頭がゴチャゴチャしましたが、
そんなことがわからなくても、次々と襲い来る強大な敵と戦うスリルとサスペンスは
十分楽しめました。

アイスマンは富豪だけど、戦いにおいては素人。

一番頼りになり、実戦部隊の筆頭戦闘要員はドミンゴ・エストラーダ。
私立探偵であり、アイスマンのボディガードだった人です。
自宅にすごい量の武器を隠してあるんですよ。

エストラーダと彬とで頑張って難局を乗り越えて行く様子が楽しかったです。

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