雅の日記～お気楽生活をめざして

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2024年09月17日

満月下の音楽祭

カテゴリ：その他

理由あって、アリスの武道館コンサートに行ってきた。
世代的には全然違うのだが、生で観て思ったのは、お客さんもバンドのメンバーもいい歳のとり方をしているなということ。知っていて自分が歌える曲も数曲あった。

昨年10月にメンバーのリーダーの谷村新司（チンペイ）さんが急逝して、その追悼ライブでもあった。生前の画像はもちろんのこと、歌声だけをピックアップして、当日の生演奏に乗せて堀内孝雄（ベーヤン）とハモったりするのを観ていて思った。

人は死ねなくなってきている、と。

映像の谷村新司さんは圧倒的な存在感で、歌声も60歳時、70歳時と多彩にセレクトして全21曲の中の何曲にも絡んできた。画像と音声の録音・加工技術も進化しているから、生きてそこで謳っているかのような錯覚を覚える。ファンにとっては嬉しいけど、これでいいのかな？私はひとりごちる。

これが普通になる社会は危なっかしい側面が増えるのではないか、ディープフェイクとか、美空ひばりAIとか、ちょっと前に話題になった言葉が頭の中でむくむくと大きくなり、立体になっていく。

コンサートが終わって、武道館を出ると月がぽっかり浮いていた。満月はものすごく強い光を放っている。2024年の満月は、妙に青白かった。黄色かったり、オレンジだったりする年もあるのだが、妙になまめかしくて、鋭利な刃物みたいな光。
谷村新司の『昴』の歌詞の「青白き炎のままで」という言葉を思い出す。後ろを振り返ると、武道館も色っぽい光を放っている。天井には「玉ねぎ」が山吹色の灯になって鎮座している。今度はサンプラザ中野くんの『大きな玉ねぎの下で』のメロディが頭の中でなり始めた。
そういえば中野さんと紅茶を飲んだこともあったっけ。懐かしい思い出。

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