【現代劇】マリアージュ・ブラン~嘘つき弁護士の愛の法則~全40話 40
風起隴西-SPY of Three Kingdoms-全24話 24
【現代劇】イジワルな君に恋をした~Sweet First Love~全24話 24
燕雲台-The Legend of Empress-全48話 48
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屏里狐 The Screen Foxes第22話余琰(ヨエン)は洛水(ラクスイ)を飛び出したまま戻って来なかった。痺れを切らした元桃(ゲントウ)は余琰の居場所を方術で検索、魘境(エンキョウ)へ行ったと知る。すると元桃の身体に異変が現れた。「どうしてなの?こんなことになるなんて…」一方、魘境では余琰と鄭雪景(テイセツケイ)が合流、小柒(ショウシツ)の案内で出口に向かっていた。「なぜ私の居場所が分かったの?」「お前が眠りから覚めぬと小黒(ショウコク)が知らせてくれた 秦毓(シンイク)がかつて魘霊(エンレイ)と通じていたことを思い出したんだ」「白笙(ハクショウ)と小黒は無事なの?」「変わりない、皆お前を案じている」「でも元桃を置き去りにして大丈夫?」「私が何をしようとあの母娘はお前を傷つけようとする、はばかる必要などない」「余琰、あなたに愛されていると分かっただけで満足よ、2人一緒なら死んでも構わない」「馬鹿なことを言うな、必ず脱出するんだ!」その時、小柒が悪夢の迷宮を見つけた。「ここを抜けたら人間界へ続く門があるよ!」雪景は自分のせいで魘霊に逆らった小柒を心配し、一緒に人間界へ行こうと誘った。しかし小柒は夢仙の居場所はここしかないと断る。「再会して恩返しできたのも運命だよ、早く行って」「お前ら全員、逃すものか!」その時、先回りしていた魘霊が門の上に現れた。「図々しい妖魔ね!こんな場所に留まるものですか!」雪景の暴言に憤慨した魘霊は夢食い袋を招喚、3人を吸い込もうとした。すると小柒が自ら夢食い袋の中に飛び込み、袋をずたずたに切り裂いて放り出されてしまう。激怒した魘霊が門から飛び降りた。そこで小柒は2人を逃すため、咄嗟に魘霊の足にしがみつく。「小柒を助けなくちゃ!」しかしもはや時間がないと悟った余琰が強引に雪景を連れて光の中へ飛び込んだ。「姐姐!来世でまた会おう!」すると小柒は魘霊の一撃を受け殺されてしまう。元桃はひとまず太子府の様子を見に行った。しかし計画は失敗、中庭で皇太子の亡骸を見つけ愕然となる。その頃、小黒と穆京(ボクケイ)はただの狐に戻った白笙を連れて鄭家屏風店に戻った。事情を聞いた瓊花(ケイカ)は白笙を何とか元に戻して欲しいと頼んだが、狐霊珠(コレイジュ)を取り出せば穆京が死んでしまう。それは白笙が決して望んでいないことだった。「白笙哥哥が言ってた、″太子には国を預けられない、穆京が即位しなければ希望はない″って…」「私にはこう言ってたわ…俗世から解脱して隠遁するのが夢だって…」瓊花は狐の姿に戻ったことが、ある意味、解脱かもしれないと涙に暮れた。元桃が鄭家屏風店に乗り込んで来た。小黒と瓊花はまだ意識が戻らない余琰と雪景を守ろうとしたが、元桃の一撃で倒れてしまう。雪景に止めを刺そうとする元桃、しかしふとに目を覚ました余琰が咄嗟に阻止した。「元桃、先に約束を違えたのはそなただ!」「ふん!もういいわ、こんな裏切り者を愛した私の過ちよ!」するとついに雪景が彼岸花仙(ヒガンカセン)の無量花衣(ムリョウカイ)と一緒に戻って来る。「元桃?!なぜここにいるの?!…私は身を退いたのになぜこんな目に?!」「ふっ、身を退くだけではだめ、死んでもらうわ」「元桃…いい加減にしないか!」「私が死ぬならあなたたちも道連れよ」「そうはさせるものか!」余琰は小黒に雪景を連れて逃げるよう頼み、元桃を引き止めた。しかし元桃が余琰を振り切り、裏庭で雪景たちに追いついてしまう。元桃は小黒に掌を放ち、短剣を招喚した。すると余琰が駆けつけ、元桃が振り上げた腕をつかむ。「もうやめろ!殺すなら私を殺せばいい!」余琰は元桃の手から短剣を奪い、自分の胸を突き刺した。元桃は余琰の思わぬ行動に呆然となった。「余琰…鄭雪景のためなら命も惜しくないと?」「元桃、百年前は確かにそなたを愛していた、だが今は…謝ることしかできない 私の命と引き換えに恨みを消せるのなら、喜んで差し出そう」すると余琰は短剣を投げ捨て、その場にへたり込んでしまう。「哀れな2人だこと、私が止めを刺してあげるわ」「元桃!殺すなら私を殺して!私が死ねば全て丸く収まるわ!」「健気ね、でもその姿が余計に気に障るのよ!」元桃は雪景を突き飛ばしたが、余琰の思わぬ言葉にハッとなった。「元桃!今のそなたは百年前の秦毓と変わらぬ!」元桃はふと思い出した。母が余琰を殺そうとした時、今の雪景のように自分も余琰をかばったことを…。その時、元桃はついに術が解ける時が来たと分かった。「…余琰、もう私を見ないで…これは私じゃないの…」元桃は慌ててその場を離れようとしたが、余琰が止めた。「待て!…君は元桃だろう?」「今さら私が何者か知ったところで何になるの?」「元桃?」「来ないで…」「教えてくれ、一体、何があったんだ?」その時、ついに元桃は老いた母の姿に戻ってしまう。「あの時、母は私の命を救って代わりに死んだ…私は母の容貌になってしまったの」…娘を失った秦毓は取り乱し、倒れた余琰に止めを刺そうとしたしかし偶然、通りかかった修行中の烏角(オカク)が止めに入る『こやつは人の情を解する狐仙だ、殺すには惜しい、それより娘を助けなくていいのか?』すると秦毓は自分の内力を全て娘に与え、身代わりとなった…「この百年、あなたをずっと探して来た、あなたに会うために… 生娘の精気を集めて容貌を回復させ、やっとあなたに会えた」「なぜ早く言ってくれなかったんだ?」「あなたを愛してた、でも憎んでもいた…これで全てを手放せる 余琰、あなたは私の人生の全てだった 私は愛と憎しみの意味を知ったわ ずっと信じていた、この世界で唯一、変わらないものは愛だと… でも時があなたと私を引き離してしまった 余琰、忘れないで…私がどんな姿に変わってもあなたを愛し続け、憎み続けると…」すると元桃は姿を消した。。・゜・(ノД`)・゜・。うわ~ん!桃ちゃん!秦毓は実は元桃だった。「つまりずっと彼女だったのか…最初から彼女だったんだ…」余琰は今にも張り裂けそうな胸を押さえ、ふらふらと歩き始めた。その時、彼岸花仙の無量花衣が余琰の手元に舞い降りて来る。「行くよ…鄭雪景、お別れだ」「ずっと待っているわ!」「この先、十年もしくは百年、会えぬかもしれない、一生、離ればなれやも…」「待つと言ったら待つわ」「バカを言うな!…雪景、自分を大事にするのだぞ?いいな?」「余琰、忘れないで…あなたが解き放たれるまで十年でも百年でも千年だって待つ あなたが戻るまでずっと独りでいるわ!」しかし余琰は何も答えないまま飛び立ってしまう。(」゚ロ゚)」<余琰!ずっと待ってる!必ず帰って来て!鄭家屏風店を出て行った瓊花は人里離れた山奥で白狐と一緒に穏やかな毎日を送っていた。一方、小黒は鄭家屏風店に残り、今も雪景を手伝っている。そんなある日、新帝・穆京が現れ、雪景を景瑞(ケイズイ)郡主に封じ、直ちに店を閉めるよう命じた。「商いに追われて妹が倒れたら大変だ、皇宮で暮らせ」「まったく、さぼってないで政務に励んだら?!」雪景は呆れて穆京を店から追い出した。するとふいに一輪の彼岸花が店先に舞い降りてくる。雪景は洛水から飛んで来たのだと気づき、空を見上げた。青空を漂う無数の彼岸花、この花はきっと余琰がいる洛水まで続いている。終わり( ;∀;)イイハナシダナー当時は続編があるという噂でしたが、結局、制作されませんでしたもし続きがあるとしたら…雪景は結局、余琰に会えないままおばあちゃんにどうしても余琰に会いたくて闇堕ち、妖魔になって百年後余琰は桃ちゃんの生まれ変わりと再会、幸せに暮らしていたそこへ死んだと思っていた雪景が現れループ?レオも憑依タイプよね〜上手い!レオの泣き芸が桃ちゃんの切なさを際立たせていたわ~そうそう、この作品が初レオ様でした今も思い出深い作品のひとつです( *´꒳`* )
2023.03.12
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屏里狐 The Screen Foxes第21話皇太子は秦毓(シンイク)の行方が分からずやきもきしていた。すると小林子(ショウリンシ)が駆けつけ、崑山(コンサン)道観で帰元(キゲン)道長の骸が見つかったと報告する。その時、白鷹が戻って来た。…計画を実行せよ、今宵、一網打尽だ…皇太子は姑姑の文を読むと早速、父皇に拝謁した。実は穆京(ボクケイ)が妖魔と手を結び、父皇を惑わせているという。皇帝は突拍子もない讒言だと激怒したが、皇太子は証拠があると自信を見せた。「太子府にて手はずを整えました、必ずや証しをお見せします」その夜、鄭家屏風店に太監がやって来た。穆京の使いで白笙(ハクショウ)を太子府へ案内するという。「穆京が太子府?」「はい、陛下主催の宴に貴殿の同席をお望みです」白笙は皇太子が何か企んでいると気づき、小黒(ショウコク)と瓊花(ケイカ)に鄭雪景(テイセツケイ)の世話を任せて出かけることにした。しかし太子府に到着してみると、穆京は白笙の姿を見て困惑する。「白笙?なぜここに?」「そなたが…」「私は呼んでいないぞ…とにかく父皇にご挨拶を」すると皇太子は自分が白笙を招いたと明かし、早速、珍しいお宝を手に入れたので見せたいと言った。宴席に霊鳥鏡(レイチョウキョウ)が運ばれて来た。驚いた白笙は帰ることにしたが、皇太子に足止められてしまう。その時、鏡が白笙にまばゆい光を放ち、白笙の真身である白い狐を映し出した。「父皇、ご覧ください!これこそ穆京の盟友の真の姿です!」白笙は苦しみもがきながら、穆京を欺くつもりはなかったと釈明した。すると穆京は善良な白笙の正体が妖魔であれ神仙であれ親友に変わりないという。しかし妖魔を毛嫌いする皇帝は激怒、悔い改めるなら戦功に免じて見逃すと告げた。「その手で妖魔を斬れば許してやろう」皇帝は自分の宝剣を投げたが、穆京は拒んだ。皇太子は穆京ができなければ自分が妖魔を殺すと言って父皇の剣を取った。もみ合いになる穆京と皇太子、すると皇太子は穆京が剣を奪った瞬間、穆京の肘を押し、父皇に向けて剣を放ってしまう。剣は趙(チョウ)太監を直撃し皇帝は無事だったが、これで穆京は大逆無道の汚名を着せられ、皇太子は大義名分を得た。「誰か!父皇を皇宮へ!」すると待ち構えていた衛兵たちが現れ、穆京は包囲されてしまう。穆京は白笙を守るため独りで応戦した。鏡の霊力で身体が言うことを聞かない白笙、そこへ帰りの遅い白笙を心配した小黒が現れる。「今すぐ皇上を助けに行ってくれ!早く!」その頃、皇宮に戻った皇帝は宮道を歩いていた。すると急に衛兵たちが太監を斬り殺してしまう。実は皇帝を警固していた衛兵は皇太子が放った刺客だった。しかし小黒が駆けつけ事なきを得る。刺客の最後の1人は黒幕が皇太子だと白状して命乞いしたが、結局、始末された。皇太子は孤軍奮闘する穆京に自ら矢を放った。矢は穆京に命中、すると衛兵たちが一斉に長槍で穆京の身体を突き刺す。屈強な穆京もついにその場で崩れるように倒れたが、最後の力を振り絞って鏡に剣を投げつけた。「白笙…早く逃げろ!」霊鳥鏡が倒れ、白笙はようやく解放された。そこで穆京の元へ駆けつけたが、いきなり背後から衛兵たちに刺されてしまう。白笙は方術で衛兵たちを吹き飛ばし、穆京を抱き起こしたが時すでに遅く、穆京は息絶えた。白笙は激情に駆られ、皇太子の首をつかんだ。激しく蹴り飛ばされ踏みつけられた皇太子は絶命、そこへちょうど皇帝と小黒が戻って来る。すると白笙が千年の修行で得た霊珠(レイジュ)を取り出し、穆京に飲ませて命を救った。穆京は目を覚ましたが、その時、白笙が白い狐に戻ってしまう。「白笙哥哥!」小黒は穆京から白い狐を引き取り、悲しみに暮れた。。゚(∩ω∩`)゚。 白笙…一方、魘境(エンキョウ)にとらわれた雪景は小柒(ショウシツ)の案内で魘殿から逃げ出していた。しかし気がつくと同じ場所を回っているだけだと気づく。その時、魘霊が雪景を探しにやって来た。雪景たちは岩影に隠れてその場をしのぎ、再び逃げ道を探す。すると思いがけず余琰(ヨエン)と出くわした。「余琰!」「雪景、助けに来た!」雪景は偶然にも彼岸花仙が探していた法衣・無量花衣を着ていた。そこで余琰は法衣を脱がせ、彼岸花仙の呪符で逃げ出そうとしたが、運悪く魘霊に見つかってしまう。「お前が魘霊か…だが構っている暇はない、雪景、行くぞ!」「ふん!どんな神仙でも魘境を出られるものか!わ~はっははは~!」つづく( ๑≧ꇴ≦)太子!憎たらしいwww上手いよね
2023.03.09
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屏里狐 The Screen Foxes第20話鄭雪景(テイセツケイ)は仕事に没頭していたが、もう2日も食事を取っていなかった。すると穆京(ボクケイ)が古酒を持ってやって来る。「そなたは昔から落ち込むと何も食べなくなるだろう?飢え死にされては困る」そこで白笙(ハクショウ)は肴を作り、これを機に何か食べさせることにした。穆京はくよくよするより、余琰(ヨエン)を問いただすか、キッパリ忘れるかのどちらかだと助言した。「あなたならどうする?」「私か?私なら目の前の酒を楽しむ」「そうね、″酒あれば酔わん″ってことね」そこへ白笙が料理を持ってやって来た。最近、穆京は政務で忙しそうだったが、雪景は確か政には関わりたくないはずだと訝しむ。実は穆京は都へ戻ってから考えが変わっていた。このまま皇太子が即位すれば民が不幸になってしまう。しかし皇太子と争うつもりはなく、父皇なら善処してくれるだろう。すると白笙はくれぐれも皇太子を警戒するよう念を押した。一方、余琰は約束通り彼岸花仙(ヒガンカセン)の花畑の見張りを始めた。元桃(ゲントウ)は甲斐甲斐しく世話を焼いていたが、余琰のかつての愛情が蘇る様子はない。「もし我らが百年前のまま何事もなく今に至っていたとしたら、永遠の仲になれただろう しかし実際には多くの曲折があった、どんな術を使っても過去は変わらぬ かつてのそなたと私には決して戻れぬのだ」余琰は鄭雪景に罪はないとかばい、これが自分たちの宿命だと言った。しかし元桃は納得できず、どうしても鄭雪景の元へ戻るなら余琰の命を奪ってでも永遠に自分のものにするという。「あなたは私のものよ!」すると余琰は怒って別の花畑に行ってしまう。現実をどうしても受け入れられない元桃、そこで怒りにまかせ魘霊(エンレイ)に伝令符を送った。穆京は酔い潰れた雪景を寝かせて帰った。すると瓊花が何か話したそうに白笙を呼び止める。「…私に好意を抱いても時を無駄にするだけだ、この際はっきり言っておく 過去にはけりをつけたが、もう誰とも親密になるつもりはない…友情を超える想いは受け取れぬ」「(いやまだ何も言ってないんだが…)白笙、あなたを困らせるつもりはないの 実は私、都を離れることにしたの」瓊花は何度も命を落としかけたせいで、静かな場所で穏やかに暮らしたくなったという。実はそれは白笙が長年、抱き続けて来た夢だった。「あなたは私の恩人よ、感謝してる」「大したことじゃないさ」しかしその夜、雪景は元桃が放った術で悪夢にとらわれてしまう。…目を覚ました雪景は見知らぬ場所にいた白笙と小黒を探してさまよい歩く雪景、やがて岩山に魘霊殿を見つけるすると怪しい妖魔が現れた「鄭雪景だな?…自分からやって来るとは手間が省けた」妖魔は雪景をさらい、屋敷に閉じ込めてしまう…翌朝、瓊花は別れの挨拶のため雪景を起こしに来た。しかし雪景が目を覚まさず、慌てて白笙を呼ぶ。白笙は様子がおかしい雪景を心配して医者に診せたが、結局、夢を見ているだけだった。…魘霊は雪景の部屋に婚礼衣装を持ってきた「ここは魘境だ、そなたは私の妻になる、騒いでも無駄だ、おとなしく従え」すると魘霊は雪景を点穴して動きを封じ、無量花衣(ムリョウカイ)を着せて冠をつけた「娘子(ニャンズー)、私が支度を整えるまでここで待て…」そこで雪景はあきらめたふりをして夫婦になると了承し、点穴を解いてもらうことに成功したしかし逃げようとして失敗、結局、縄で拘束されてしまう雪景が縄を解こうともがいていると、物陰から見覚えのある顔が現れたそれはかつて雪景に姉を救ってもらった夢仙族の小柒(ショウシツ)、小柒は偶然、雪景が宮殿に入るのを見かけ、様子をうかがっていたという「人間は12刻以上、留まると魘境を出られなくなるんだ、僕について来て!」…小黒は洛水(ラクスイ)を訪ね、余琰に事情を伝えて屏風店に連れ戻した。余琰は真っ先に秦毓(シンイク)と元桃(ゲントウ)母娘を疑ったが、白笙は何が原因が分からないと困惑する。その時、瓊花がふと夢にとらわれて眠り続ける人がいる話を聞いたことがあると言った。「はっ!魘夢(悪夢)か?!」余琰は東瀛(トウエイ)の方術に長けた秦毓が魘境と関わりがあったことを思い出し、雪景の夢に入って連れ戻すしかないという。すると突然、彼岸花仙が現れた。「余琰!なぜ勝手に花畑から離れたの?!」余琰はどうしても助けたい者がいると訴え、1日だけ猶予が欲しいと懇願した。その間は余琰の代わりに白笙と小黒が見張りをすると申し出る。「…この女子は何者なの?3人の千年狐仙をここまで必死にさせるとは」「鄭雪景です、彼女はあなたの彼岸花の種を飲んだ、このままでは魘境から抜け出せなくなります」「あの憎き魘霊の棲む魘境にとらわれただと? だが魘境は魘霊が仕切る世界、お前の方術でも通用しないぞ?」「だとしても行かないわけにはいきません」「分かった…そこまで言うなら任務を与えよう、果たせるなら3日の猶予をやる」彼岸花仙はかつて陰陽交界の彼岸花だったが、魘境を抜けようとして魘霊に見初められたという。何とか逃げ出すことができたが、実はその時、彼岸花仙の法衣・無量花衣を奪われていた。そこで法衣を取り返し、3日後に洛水へ届けて欲しいという。「余琰、これが最後よ」余琰は彼岸花仙から魘境と人間界を往来できる呪符をもらい、雪景の夢に入った。その時、瓊花はようやく白笙たちが人間ではないことに気づく。「あなたたちは狐仙なのね…」つづく
2023.03.09
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屏里狐 The Screen Foxes第19話鄭雪景(テイセツケイ)は夜の町に飛び出し、無我夢中で神来酒館を探した。するとふいに異世界にある酒館が出現、門が開く。「老板娘!老板娘!どこにいるの?!」「開店前だというのに騒がしいわね~何しに来たの?」雪景は女将に霊犀(レイサイ)屏風の契約を解く方法が知りたいと訴えた。しかし女将はただでは教えられないという。「欲しい物は何でもあげる!」「何でも?…じゃあ手を出して」女将は雪景の脈を診ると、彼岸花の蘇生力が欲しいと言った。「いいわ!早く取って!」雪景は急いで鄭家屏風店に戻った。余琰(ヨエン)たちはなす術なく雪景を待っていたが、もはやほとんど姿が見えない。「余琰!白笙(ハクショウ)!小黒(ショウコク)!そこにいるの?!方法が分かったから私のそばに来て!」すると雪景は自分の指を切って血を流し、女将から聞いた呪文を書いて3人に放った。「はっ!成功したわ!」余琰たちは元神が復活、再び姿が戻った。雪景は屏風の封印を解くことで3人を救い、これでもう自由だと教えた。その時、突然、雪景は屏風の強い霊力に引っ張られ、店から飛び出してしまう。余琰たちは咄嗟に雪景の腕をつかみ、何とか引き止めた。「雪景!どういうことだ!」「老板娘に言われたの、契約を解いた報いで屏風に封じられるって…」「馬鹿な!己の身を犠牲にしたのか!」「3人が助かるなら命は惜しくない」すると余琰は白笙と小黒に女将から救う方法を聞き出すよう頼んだ。「分かった!何とか耐えてくれ!」しかし白笙と小黒がいなくなった途端、2人は凄まじい力で道観まで引き寄せられてしまう。霊犀屏風は帰元(キゲン)道長の道観にあった。雪景は屏風の強い霊力に引っ張られ、抵抗すればするほど骨が砕けそうな痛みに襲われてしまう。「白笙たちが戻るまで耐えるんだ…私の手をしっかり握れ!」「お願い、手を離して!痛くてもう限界よ!」その時、ついに余琰の手から雪景の手がすり抜け、そのまま屏風の中に封印されてしまう。「雪景!」道観に余琰の悲痛な叫び声が響き渡った。すると帰元がやって来る。逆上した余琰は帰元を招喚、元桃(ゲントウ)の居場所を言えと脅した。しかし帰元は決して口を割らず、余琰に首を折られて殺されてしまう。一方、神来酒館では小黒が女将の足にしがみついて困らせていた。白笙は本当に助ける方法を知らないのなら仕方がないと諦めたが、その時、屏風を持った余琰が駆けつける。問答無用で女将の首をつかむ余琰、しかしその時、烏角(オカク)先生が現れた。「我が娘をこの狐から守るために来た」無礼な赤い狐に憤慨する烏角先生、実は烏角こそ100年前、墓の前で白笙を救った仙人だった。白笙は先生が雪景の父だと気づいた。実は霊犀屏風も烏角が女将に預けた物だという。「お前たちなら娘を苦境から救えると思ったが、まさか傷つけることになるとはな…」小黒は烏角が自分たちを封印したと知り激怒したが、余琰と白笙に雪景の救出が先だと止められた。烏角は仙術を使って霊犀屏風の中へ入った。すると意識を失って屏風の中で漂っている娘を見つける。「娘よ、目を覚ますのだ…娘よ…」「父さん?…これは夢なの?」「バカな子だな、私が助けに来たのだ」実は鄭元善は仙人だった。しかし当時はまだ人間界で修行中の道士だったという。道楽で書いていた絵が認められ宮廷御用絵師となり、不思議な縁で静(セイ)妃と出会った。一方、酒館では白笙と小黒が独りで残った瓊花(ケイカ)を心配して先に店に戻ることになった。余琰は了承し、このまま酒館で待つことにする。その頃、雪景は父がずっと生きていたと知った。実はあの時、鄭元善はちょうど修行を終えて天界へ昇る直前だったという。しかし思いがけず静妃から雪景を託され、天界に行くことができなくなった。やがて皇后の知るところとなり、鄭元善は静妃と雪景を守るため毒酒を飲んだが、これを機に天界へ昇ることができたという。雪景は自分と母を放っておいた父を責め、号泣した。実は天界の1日は人間界の1年、鄭元善が仕事の合間を見つけてやっと下界に降りた時には母が亡くなり、雪景が困窮していたという。そこで封印していた3人を屏風に封じ込め、雪景の手助けをしてもらおうと考えたのだ。「まさかやつらがお前を傷つけるとは…」「もういいの、父さんがそばにいてくれたらもう十分」「…娘よ、お前の所へ戻ることはもはや難しい」鄭元善は仙人になった以上、人間界には長く留まれないと教えた。「また会いにくるからな」すると鄭元善は娘から一条の精気を抜き出し、身代わりにして屏風に封じた。「もう天界に戻らねば…身体を大事にしなさい」「父さん!父さん?!」その時、屏風がまばゆい光を放ち、雪景を吐き出した。余琰は屏風から飛び出した雪景を抱きしめ、思わず口づけした。(* ̄0 ̄)θ~♪ここでレオの歌すると女将は余琰の身体から桃花呪詛が解けたことに気づいて驚く。「はっ?!(老板娘がいるのを忘れてた)この呪いを知っているのか?!」「もちろんよ、東瀛(トウエイ)の方術でしょう?桃花は愛の印、愛の真偽を鑑定するの」「え?誰も愛せなくなる術ではないのか?」「そうよ、恋心で心臓がしぼむから、ただしそれが真実の愛なら呪詛はおのずと消えるの だからあなたの呪詛はもう解けた」( ゚д゚)あんだって?!雪景はようやく余琰が呪詛で苦しんでいたと知ったが、その時、元桃が現れた。元桃は屏風の力を失った雪景を人質に取った。「桃ちゃん?!」「余琰、私が生き長らえてきたのはあなたに会うため、愛されないなら死んだ方がましよ 桃花呪詛が消えた今、2人のどちらかを選んでちょうだい 私を選ぶならどこまでも一緒に、でもこの娘を選ぶなら目の前で息の根を止める!」「桃ちゃん…雪景より可愛いのになぜそんな非情なことを…」「分からない?!…私より顔が小さいからよ!」元桃はこの百年の間、余琰への変わらぬ想いを抱き続けてきた。しかし余琰は心変わりし、自分を突き放したと嘆く。「でも信じない…混じりっ気のないペットフードしか信じない!早くどちらか選んで!」女将は横恋慕する元桃をなだめた。「空っぽの身体だけを手に入れても辛いだけよ?」「もともと私の恋人だった、一緒にいるうちに私への愛が蘇ってくるはずよ…」「ƪ(˘⌣˘)ʃ はあ~色恋で身を滅ぼすなんてくだらない…」すると女将は呆れ果ててどこかへ行ってしまう。その時、余琰の前に彼岸花が舞い降りてきた。どうやら彼岸花仙との約束の期限が来たらしい。「雪景、お前を救うため彼岸花仙から種をもらった時、取り引きしたんだ 向こう10年間、花仙の畑の番をしなくてはならない 花仙からもらった二月の猶予が終わり、招喚に応じねばならぬ時が来たようだ」そこで余琰は元桃に雪景を解放するよう頼んだ。「私は鄭雪景と別れて崑崙山に行かねばならぬ」「いいわ、地の果てであろうとあなたについて行く、鄭雪景とは永遠に会わないと誓って」「誓ってもいい、その代わりそなたも今後一切、雪景に手を出さぬと約束してくれ」「ええ、約束する」余琰は三つ指を立て、天に誓うことにした。しかし雪景が余琰の言葉を遮り、自分が2人の間に割り込んだせいだと謝罪する。「もう行って…どうあれあなたと私が結ばれることはなかった、私が身を引けば全て丸く収まる」すると元桃は雪景を解放し、余琰を連れて旅立ってしまう。つづく( ̄▽ ̄;)そう言えば小黒の過去だけないのね…
2023.03.08
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屏里狐 The Screen Foxes第18話白笙(ハクショウ)と穆京(ボクケイ)が墓参りに出かけた頃、鄭家屏風店に東瀛(トウエイ)の衣を着た娘が訪ねて来た。「余琰(ヨエン)という人はこちらに?…古い知り合いです」裏庭にいた鄭雪景(テイセツケイ)は訝しみながらも小黒(ショウコク)に余琰を呼ぶよう頼んだが、その時、ちょうど余琰が2階から降りて来た。「元桃(ゲントウ)…?!いや、元桃は私の腕の中で息絶えた、幻か?!」しかし元桃は本当に生きていた。元桃は母の方術で生き返り、ずっと余琰を探していたという。感激した余琰は雪景たちがいることも忘れ、思わず元桃を抱きしめた。元桃との再会に涙する余琰、しかしふとおかしなことに気付いた。人間である元桃がなぜ100年後も美しい娘のままでいられるのか。「母が乙女の精気を集めて若さを留めてくれたの」「…はっ!太子府の女子たちか!」余琰は態度が急変、大勢の命を犠牲にしたのかと責めた。よく考えれば辻褄も合わない。秦毓(シンイク)が自分を探し回っていたのは娘の死の代償を払わせるため、元桃が生きているなら恨む理由はないはずだ。「それに私は桃花呪詛をかけられた もし元桃本人ならそなたを抱きしめた時に痛みを感じるはずだろう?」「母があなたを恨む理由は…彼女よ!あなたが私を裏切ったから! 桃花呪詛が効かないのなら私をもう愛していないということ…」雪景はその娘が秦毓の娘で、余琰の許嫁だと知った。余琰はどうしても元桃が本物だとは思えなかった。恐らく秦毓の幻術に違いない。すると元桃は許されざる術だと分かっていたが、もはや無垢な18歳ではないと嘆いた。「この百年、私がどんな経験をしてきたと思う?あなたに私を責められる?」「騙されぬ、お前が元桃であるものか!」憤慨した元桃は咄嗟に雪景を捕らえて脅した。「百年を経てやっと会えたのに…この女子がいる限りあなたを取り戻せないならここで葬ってやる!」「元桃!早まるな!…この百年、そなたを忘れていた、記憶が戻った時には別の女子を愛していた もはや元桃に対しては思い出と後悔しかない、元桃…私はもうそなたを愛していない」余琰は奇しくも桃花呪詛にかけられたおかげで自分の本当の気持ちを知ることになった。「ファイナルアンサー?」←古っw元桃は愛する余琰の残酷な言葉に呆然となった。その時、瓊花(ケイカ)が元桃の腕をつかんで雪景を逃がそうとしたが、方術であっけなく吹き飛ばされてしまう。雪景は元桃の手が離れた隙に瓊花の元へ駆け寄ると、余琰が元桃を阻んだ。「小黒、雪景を頼む!」しかし余琰はどうしても元桃に一撃を与えることができない。すると雪景が霊犀屏風に元桃を封じろと命じた。「この屏風に千年、封じ込めてやるわ!」元桃は屏風の光に捕まり、じりじりと引っ張られてしまう。「鄭雪景!やめろ!」余琰は咄嗟に止めたが、雪景は無辜の娘たちを殺め、自分を殺そうとした元桃を許せなかった。見かねた余琰は雪景の腕を屏風から離すと、元桃は慌てて逃げ出してしまう。雪景は元桃を見逃した余琰に不信感を募らせた。「この前、私に冷酷なことを言ったのはあの人のせいなの? …私を好きになったのは、かつて愛した人に似ていたからだと言っていたわ それが彼女なのね?」しかし余琰は黙ったままだった。「余琰、あなたは弱虫よ…強そうに見せながら自分の過去に怯える弱虫だわ!」「ああ、その通りだ、過去を忘れることなどできるものか! たとえ今日、元桃が現れなかったとしても、お前とは終わりだ! 元桃は私の身体の中にも、記憶の中にも生き続けているんだからな!」「なら邪魔者の私を殺せばよかったじゃない!殺しなさいよ!」すると余琰は雪景の首に手をかけた。「これが望みか?」「答えて…もし屏風の契約がなかったら私のそばに留まることはなかったの?」「…そうだ、契約が解除されたらすぐ出て行く!」小黒は余琰の手を解き、雪景を傷つけることは許さないと訴えた。その時、余琰は胸が急に痛くなり、何も言えなくなってしまう。「余琰…これまでよ…屏風の契約は残っているけど、私たちをつなぐ物は何一つない もう顔も見たくないわ!」余琰が屏風店を去り、雪景は傷心から酒に溺れた。見かねた白笙は穆京を呼んだが、叱られた雪景は泣き出してしまう。白笙と穆京は仕方なく酔い潰れた雪景を寝所に運んで寝かせた。その時、白笙は雪景の部屋に置いていた霊犀屏風がないことに気づく。実は白笙たちが屏風に戻らなければならない時間まであと3刻しかなかった。白笙は海岸で余琰を見つけた。屏風が消えたと聞いた余琰は元桃のしわざだと気づく。「元桃は秦毓がいた太子府だろう、私が行ってくる」しかし霊犀屏風は太子府になかった。余琰たちは手分けして霊犀屏風を探したが見つからなかった。秦毓も元桃も太子府から消え、行方は分からないという。屏風店に戻った3人はいよいよ姿が消え始めた。その時、ようやく目を覚ました雪景が裏庭へ降りてくる。「…みんなどうしちゃったの?」雪景は自分が酔い潰れている間に霊犀屏風が盗まれたと知った。あと2刻のうちに屏風に戻れなければ余琰たち3人は魂魄が砕け散ってしまう。「雪景、もう手遅れだ」余琰は最後に本心を明かした。「我らが消えても幸せに暮らしてくれ…ただ1つだけ命が尽きる前に言っておきたいことがある お前を遠ざけたのは愛するゆえだ、私には元桃を殺めることができない だから…雪景、もし来世があるならお前とまた巡り会いたい」余琰と雪景は抱き合おうとしたが、雪景は余琰の身体をすり抜けてしまう。雪景はふと思い立ち、屏風をくれた神来酒館へ行くと決めた。「必ずあなたたちを助けてみせる!どこへも行かないで、ここで待っていて!」つづく( ;∀;)レオが上手いんだな、これが ←どれがwそれにしても雪景と桃ちゃんって似てる?むしろ対極にいると思うけど( ̄◇ ̄;)
2023.03.08
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屏里狐 The Screen Foxes第17話鄭雪景(テイセツケイ)と瓊花(ケイカ)を連れて鄭家屏風店に戻った余琰(ヨエン)たち。すると余琰は意識があった瓊花に秦毓(シンイク)との関係を問いただしたが、瓊花は山での一件から何も覚えていないという。白笙(ハクショウ)は誰かに操られていた可能性が高いと気づき、殺気立つ余琰をなだめた。「それより秦毓とは何者だ?なぜ雪景に手出しを?」「…旧知の者だ、私に深い恨みを抱いている」翌朝、雪景がふらつきながら裏庭に降りて来た。「昨夜は3人が助けに来てくれたのね」あの時、実は余琰たちはちょうど屏風で休んでいた。しかし突然、屏風が光り出し、雪景の危機だと察したという。3人は手分けして探し、余琰が穆府大園で見つけていた。瓊花も無事だと聞いて安堵した雪景、どうやら山の件も秦毓に操られていたという。「秦毓って何者?なぜ私を狙うのかしら?!」すると黙っていた余琰が急に怒り出した。「なぜ勝手なことをした?」「あなたが瓊花を疑っていたから、あとを追うことにしたの、屏風が守ってくれると思ったし…」「屏風は幻を見せるだけで真の危険からは守れぬ!」余琰はいつになく不機嫌で雪景に厳しく当たった。「何度、危険な目に遭えば分かるのだ!子供じゃあるまいし無鉄砲なことばかりして!」「何ですって?!」白笙と小黒(ショウコク)は興奮する2人を落ち着かせたが、確かに雪景が太子府へ行ったのは不用心だという。「…そうね、確かに軽率だったわ、でもあなたも態度を改めてよね!」そこへ間が悪いことに穆塵(ボクジン)が現れた。( ๑≧ꇴ≦)ノ<余琰と雌雄(シユウ)を決する時が来た!穆塵はいきなり余琰に襲いかかったが、相手にならなかった。憤慨した余琰は方術で穆塵を投げ飛ばし、柱に激突した穆塵は血を吐いてしまう。雪景は思わず穆塵に駆け寄ったが、穆塵は雪景のためなら死んでも構わないと訴えた。「余琰、お前はどうだ?!雪景を愛しているのか?!」すると桃花呪詛にかかった余琰は急に胸を押さえて苦しみ始めてしまう。脳裏によぎるのは桃ちゃんとの幸せな日々…。その時、余琰は思わず雪景への愛などないと言い放ち、かつて愛した女子の身代わりに過ぎないと嘘をついた。「だが似ているだけで遠く及ばない…お前のような程度の低い人間の女子を愛するものか!」「余琰…冷宮で言ってくれたことを忘れてしまったの?!」「お前があまりに哀れで慰めただけのこと…分かったか?!」信じられない雪景は余琰に歩み寄ろうとしたが、余琰が止めた。「来るな!消えてくれ…気まぐれに相手をしたが、面倒な女はごめんだ!」「私はあなたが好き!いつもあなたが危険から助け出してくれたわ! …でもあなたがそう言うなら私はすがったりなんかしない 今日から私たちは貸し借りなしよ、あなたへの想いを断ち切るわ!」雪景は深く傷ついて部屋へ戻って行った。しかし余琰は雪景のことを思えば思うほど胸に激痛が走り、悲鳴を上げて倒れてしまう。余琰は独りで海を眺めていた。すると白笙が駆けつけ、まるで別人のようだと困惑する。「私はもともと冷酷無情だ」「余琰、我らは500年、共に過ごしてきた、冷酷無情なのは表向きだと分かっている ごまかさずに本当のことを教えてくれ」「…思い出した、全部、思い出したんだ 私はかつて元桃(ゲントウ)という人間の娘を愛した、秦毓は彼女の母親だ だが元桃はもういない、私を殺そうとした秦毓が誤って殺めてしまった」余琰は記憶を失っている間も何度が閃光のように蘇ることがあったが、確かに元桃と雪景はよく似ているという。「亡くなった人を忘れて新たに愛情を育めばいいさ」「忘れる?お前は忘れられるのか?」(*´・ω・)(・ω・`*)おぅ…確かに白笙は過去を忘れることが容易ではないと分かっていた。しかも余琰は東瀛(トウエイ)の呪いである桃花呪詛をかけられ、誰も愛することができないという。秦毓は娘を死なせた元凶である余琰を恨み、雪景を殺して自分のように余琰にも愛する人を失う苦しみを与えたいのだろう。「だが秦毓は知らぬ、私が元桃の死でどれほど苦しんだのかをな…」余琰はたとえ秦毓が消えて呪詛が消えたとしても、元桃は記憶の中で今も生きているという。しかし白笙は雪景に真実を話すべきだと説得した。余琰は雪景を突き放すことが最善の方法だと答え、一縷の望みを抱き自分を想い続ける方が残酷だという。「どういう道を選べばいいか私にも分からない…とにかく魔道に堕ちないように気をつけてくれ 一時の気の迷いで道を誤り、永遠の責め苦を負う神仙を見てきただろう?」「心配は要らぬ、進むべき道は分かっているさ」秦毓は急ぎ皇太子を呼んだ。実は重要な術に失敗し、今一度、9人の娘が必要だという。しかし女子の相次ぐ失踪で都は騒ぎになっていた。皇太子は父皇にも怪しまれていると難色を示したが、秦毓は構っている暇はないという。「明日はちょうど花灯(カトウ)節で夜はかなり賑わうはずだ、さらうには都合がいい」秦毓はこの大事な術さえ成功すれば必ずや穆粛羽(ボクシュクウ)を帝位につけてやると約束した。白笙は雪景を励まし、余琰の事情を知っているが明かすことはできないと言った。ただし非情な言葉を吐いたのは秦毓のせいだという。「2人には因縁がある」「もういいわ、ただ穆塵に申し訳ない、いとこ同士だとも知らないのに… でも大丈夫、一晩寝たから元気よ!」すると白笙はこの機に自分の過去と向き合うことにした。白笙は親友の穆京(ボクケイ)を誘い、座長・鈴児(レイジ)の墓参りに出かけた。自分の手で愛する人を殺した白笙、しかし悲しみから立ち直れず、埋葬してからも墓の前から離れられずにいたという。すると偶然、修行中の仙人が通りかかり、執着が過ぎると情を断てないと助言した。『私が罪から解放してやろう』『2人も殺めてしまった…100回殺されても罪は晴らせぬ!』『悔い改めれば罪から抜け出せる!』白笙は当時のことを思い出して苦渋の表情を浮かべたが、穆京が肩を抱いて勇気づけてくれた。その夜、秦毓は再び9人の生娘を手に入れ、中庭で術を試すことにした。今回は邪魔が入らぬよう帰元は配下に警固させ、何者も寄せ付けないという。すると秦毓は9人の生気を使って自分に術をかけた。帰元はあまりの眩しさに目を覆ったが、ふと気がつくと秦毓が元桃の姿に戻っている。「祖上、成功、おめでとうございます!100年の時を経てやっと戻って来られました!」「祖上ではない、以前のように小姐(シャオジエ)と呼んでちょうだい …余琰、100年かかったけれど、ようやく会いに行けるわ」つづく( ๑≧ꇴ≦)お帰り!桃ちゃん!今カノ雪景派か元カノ桃ちゃん派かで感想が変わるよね~もちろん管理人は桃ちゃん派ですw
2023.03.07
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屏里狐 The Screen Foxes第16話その夜、ふと目を覚ました鄭雪景(テイセツケイ)は回廊へ出た。するとちょうど瓊花(ケイカ)がどこかへ出かけて行くのを見る。最近、どこか様子がおかしい瓊花、そこで雪景はこっそりあとをつけることにした。一方、秦毓(シンイク)は穆府大園の中庭に娘たちの入った檻を並べた。そこへ瓊花がふらふらと入ってくる。帰元(キゲン)は瓊花を檻に入れたが、術が解けた瓊花が正気を取り戻し、逃げようとした。しかし帰元に鍵をかけられ、脱出できない。「100年の間この日を待ちわびていた…」秦毓は術をかけるべく9人の娘の生気を集め始めたが、その時、思いがけず雪景が飛び込んできた。「そこの老妖怪!やめなさいよ!」雪景は帰元が例の老婆の一味だったと知り憤慨した。すると秦毓は自分を老婆だと思うのかと尋ねる。「だって見たところ60歳は超えているわ、立派な老婆でしょう?」「ふっ、友だちを助けたいならそなたが身代わりになるのだな」秦毓は雪景から生気を奪い始めたが、雪景は咄嗟に霊犀(レイサイ)屏風を呼んだ。こつ然と現れた霊犀屏風、そこで帰元が戦いを挑んだが、屏風の凄まじい光に吸い込まれそうになってしまう。驚いた秦毓は咄嗟に背後に回り、雪景の頭に札を貼って眠らせた。「帰元、娘を見張っておくれ、亥の刻の間にやり遂げなくてはならぬ」秦毓は再び9人の生気を集めようとしたが、その時、腰にぶら下げた鈴が鳴った。「旧知の者が現れるゆえ、そなたは去れ」中庭に余琰が現れた。秦毓は100年ぶりに余琰に再会、しかし余琰が自分を覚えていないと知る。「己がなぜ封印されたのか覚えておらぬのか?!」「お前が何を知っていると?!」「まさか記憶を失ったとは…」「全てではない、ある時期のことだけどうしても思い出せないのだ」秦毓は余琰が何も知らずのうのうと暮らしてきたと知り愕然とした。そこで方術を使い、余琰に100年前の記憶を思い出させてしまう…当時、定風(テイフウ)山の大王・赤煞(セキサツ)大人として恐れ知らずだった余琰偶然にも母・秦毓と一緒に東瀛(トウエイ)からやってきた娘・元桃(ゲントウ)と竹林で出会った2人は瞬く間に恋に落ち、桃林で密会を重ねたが、2人の交際に大反対した秦毓により無理やり引き離されてしまう桃ちゃんがキタワ───o(≧∇≦)o────♪思い詰めた余琰と元桃は駆け落ちすることにしたしかし2人を追ってきた秦毓が阻み、余琰に一撃を与えてしまう『この妖魔を殺さぬ限り悪縁を断てぬのだ!』『母上!私が悪いの、殺すなら私を!』焦った秦毓はさらに余琰に方術を放ったが、咄嗟に余琰をかばった元桃が身代わりになって倒れた『元桃!』『桃児!』秦毓は逆上して余琰を吹き飛ばし、とどめを刺そうとした『…殺すがいい、この世に残されてもどうせ独りきりだ』すると余琰はそこで卒倒してしまう…余琰は忘れていた記憶を取り戻した。どうしても顔を思い出せなかったあの娘は雪景ではなく、元桃だったのだ。「秦毓…お前か!すんでのところで私を助けたのは誰だ?!」「修行中の仙人だ、術を磨くためだと称してそなたを封印した」すると秦毓は自分の法力が勝っていれば、あの場で余琰を殺せていたと嘆く。余琰は当時、まだ未熟だった秦毓の法力のせいで元桃が死んだと非難したが、秦毓は鄭雪景より大事な存在をようやく思い出したのかと呆れ果てた。「なぜ執念深く私を追い続けるのだ?!」「聞きたいのはこっちの方だ!桃児に何と言って駆け落ちしたのか忘れたのか?! ″生涯、愛するのは元桃だけ、たとえ死に別れても決して忘れない、永遠に愛し続ける″と…」「なぜお前が私の言葉を知っているのだ?! 確かに元桃に誓った…しかしあの頃のことは全て記憶から消えていたんだ!」「もう思い出したのだろう?なら鄭雪景など捨て置けば良い、私と行くのだ」「だめだ、雪景を連れて帰らなくては…雪景を守り抜くと契約を交わしている」余琰は話を切り上げ、雪景を解放するよう迫った。しかし秦毓は拒否、いきなり余琰に毒を放つ。「桃花呪詛だ、これは愛の呪い、そなたは生涯、誰も愛することができない 誰かを思って心が乱れれば心臓がすぼみ死に至る 私はそなたの想い人を殺す!失った悲しみの中で生きて行くがいい!」「秦毓…長い時を経て陰険な心根がいっそう邪悪になったな…ゼエゼエ…」「鄭雪景ともども生き長らえたいのなら、愛することも添い遂げることも諦めよ! 鄭雪景だけではない、他の誰を愛してもそなたは必ず桃花呪詛を受けるのだ!」余琰は激高し、秦毓に戦いを挑んだ。すると白笙(ハクショウ)と小黒(ショウコク)が駆けつけ、秦毓は仕方なく撤収する。( ꒪ꈊ꒪ )<チッ!今日のところはここまでにしてやる!つづく( ๑≧ꇴ≦)ちょっとおばあちゃん、動け過ぎなんですけどwwwいよいよ佳境に入ってまいりました!
2023.03.07
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屏里狐 The Screen Foxes第15話静(セイ)妃の記憶の世界で父の死を目の当たりにした鄭雪景(テイセツケイ)は激しく動揺し、暗闇の中で泣き崩れた。しかし異変に気づいた余琰(ヨエン)が駆けつけてくれる。「大丈夫か?」「両親に大事に育てられたと思っていたけれど、私の実の親じゃなかったなんて… 何も知らなかった、偽りの家族の中で生きてきたのね」「雪景、両親の君への愛情に偽りはない、血のつながりが何だ」すると雪景はこんな残酷な真相なら知りたくなかったと頭を抱え取り乱した。余琰は思わず雪景を抱きしめ…なぜかくるくる回ってしまうwww(* ̄0 ̄)θ~♪レオ様の歌ぢーゆぇんゆーにーしぃぁんすぇ~いうーびぃぇり~つーしぉんぐーじーちんなんち~「雪景、今、言うべきことではないかもしれないが…お前が好きだ 私がそばにいる、お前は決して独りぼっちなんかじゃない…お前を守ってみせる!」「余琰…あなたは狐仙、私は人間よ?年を取るし容色も衰えてしまう」「お前が年を取るなら私も年を取る、共に老いて見苦しくなろうと構わない お前がこの世を去ったら、私も一生を終えるよ」2人は愛を確かめ合い、再び抱き合って…くるくる回り始めた。その時、突然、雪景を呼ぶ声が聞こえる。『私の娘よ…』静妃の残留した精神が現れた。当時は皇后から娘を守るため宮中から遠ざけたのだという。しかし数年後、子を産んで鄭元善(テイゲンゼン)に託したことが皇后の知るところなった。皇后は鄭元善を自害させると証人を仕立て姦通罪を告発、静妃は釈明する機会もないまま冷宮に送られたという。『娘よ、もう忘れなさい、宮中は陰謀が渦巻いている、お前には近づいて欲しくないの 当時の黒幕だった皇后は重病を患って亡くなったわ…悪人はいつか報いを受ける』「太子の仕業でしょう?!」『穆粛羽(ボクシュクウ)は皇后のしたことを知っているわ、今になって母の罪を暴かれたくなかったのね』すると余琰が雪景を守るためにも皇帝に真の身分を知らせる方法がないか聞いた。実は静妃は冷宮に移る時、事の全容を文に書き残して太監に託したという。雪景は敵を討ちたいと涙ながらに訴えたが、静妃は自分たちの望みは娘の平安だと言い聞かせた。『恨みも憎しみも全て水に流してしまいなさい…何もかも忘れ、幸せに生きて欲しい 人生は短いのよ?憎しみに染まってはいけない…これからは自分のために生きなさい』「にゃ~ん!」静妃の記憶が消え、雪景と余琰は現実に戻った。静妃の亡骸を前に泣き崩れる雪景、穆京(ボクケイ)は一体、何を見たのか分からず困惑する。その時、皇太子の来訪を知らせる前触れが響き渡った。「余琰、隠れて!」「大丈夫か?」「ええ」すると皇太子は雪景たちが静妃を殺めたと濡れ衣を着せ、御書房へ引っ立てた。皇太子は皇帝に静妃が亡くなったと報告し、鄭雪景が殺したと告発した。驚いた穆京は自分たちが到着した時には静妃がすでに死んでいたと反論したが、雪景はなぜか否定しない。「太子がそう言うならいいでしょう ただ刑に処される前に、20年前の皇上を欺いた出来事の真相を明かしたいのです」「死に際の悪あがきか?」「死に際に立たされているのは誰かしら?」「大胆!私は太子だぞ?!跪け!」「法のもとでは太子も民も同じよ!まさか太子が天子より上だとでも?!」雪景と太子は皇帝の前で言い争いになったが、皇帝の一喝で静まった。「ともかく鄭雪景よ、その真相とやらをとくと聞こうではないか」そこで雪景は静妃から聞いた通り、皇帝の寝床の下に木箱があると明かし、信頼できる人に取りに行かせて欲しいと嘆願した。皇帝は当然、趙(チョウ)太監に命じようとしたが、穆京が咄嗟に止める。「趙太監に触れさせてはなりません、穆粛羽と通じているのですよ?!」焦った趙太監はひざまずいて命乞いしたが、皇帝はそれより誰を行かせるべきか聞いた。すると雪景は皇帝が自ら証拠を取り出して欲しいという。「重要な証です、他の者に触れさせてはなりません」皇帝は寝床の下から小さな化粧箱を見つけた。すると中から確かに静妃が書き残した文が出てくる。「…朕の娘?」驚愕した皇帝は雪景だけを残し、全員にすぐ出て行くよう命じた。そこで皇帝は雪景のかんざしを抜き、自分と雪景の指に刺して水の中に血を垂らす。すると2人の血は混ざり合い、確かに親子だと判明した。雪景は鄭家屏風店に戻り、しばし看板を眺めた。すると先に戻っていた余琰が出てくる。「皇上に賜った看板を下ろしてもいいのか?」「もう決めたの」皇帝は雪景をそばに置きたいと願ったが、雪景は何にも縛られずに生きたいと入内を断っていた。「ここが私の家、鄭元善と巧娘(コウジョウ)が私の両親だわ」「しかし宮中絵師まで辞さなくとも…」「自信があるの、御用達の看板がなくても店を繁盛させてみせるわ」「太子には用心しろよ?」「あなたが守ってくれるんでしょう?…クスッ」その時、裏庭から白笙(ハクショウ)が食事だと呼んだ。穆府大園に戻った皇太子は荒れていた。すると秦毓(シンイク)が現れ、集めてもらった女子の9人のうち1人が欠けてしまったという。「せっかく揃えたのになぜ瓊花だけ?」「瓊花?…そうだ、ならばいい」皇太子はそれより差し迫った危機をどうにかして欲しいと訴えた。しかし秦毓は策なら考えてあるという。「鄭雪景のそばに3人の男がいる、あやつらは千年の修行を積んだ狐妖さ」そこで秦毓は霊鳥鏡(レイチョウキョウ)という大きな鏡を招喚し、満月の夜になると特別な力を発揮すると説明した。「宮中に猫妖が現れたとか、皇上は殺されかけたせいで妖魔を忌み嫌っておる この鏡を使って皇上の前で3人の正体を暴き、穆京も一味だと教えればいい」「姑姑、さすが高明であられる、で満月の夜に何をすれば?」「穆京を誘き出すだけでいい、鄭雪景は私が始末しよう」つづく( ゚ェ゚)あれ?おばあちゃん、自分で瓊花を出動させたのに忘れたのかwww
2023.03.07
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屏里狐 The Screen Foxes第14話白笙(ハクショウ)は鄭雪景(テイセツケイ)のため朝食を作った。すると雪景は余琰(ヨエン)と瓊花(カイカ)の姿がないと気づく。白笙は余琰なら昨夜、瓊花を探しに出かけたと話した。「昨夜は一体、何があったのかしら?なぜ私は倒れたの?」「君は人間だ、方術をむやみに使わぬ方がいい 余琰の話では2回続けて木を癒し、その後に倒れたそうだ」その時、瓊花を捕まえた余琰が戻って来た。余琰は瓊花が榕樹精の怒りを買うよう仕向けたと責めた。驚いた瓊花は濡れ衣だと訴えたが、余琰は自分たちが襲われるのを瓊花が黙って見ていたという。しかし雪景は小黒(ショウコク)に瓊花の縄を解くよう頼んだ。「怪しいとは思う、でも証拠もないのに決めつけたくないだけ」すると瓊花は居たたまれなくなって部屋に戻って行った。蜘蛛が見事な緞子を織り上げた。問題は千年烏榕樹(ウヨウジュ)だけだったが、その時、思いがけず救世主が現れる。実は穆京(ボクケイ)が屋敷中を探したところ、烏榕樹を使った屏風が見つかったのだ。穆京は屏風を雪景に届け、その代わり白笙を借りたいという。崑曲に精通する白笙に貴重な孤本・桃花扇(トウカセン)の修訂を頼みたいというのだ。「いいけど…花街なんかに連れて行ったら許さないからね」戯曲に精通する穆京と白笙は意気投合、親友となった。すると穆京は白笙が倒れたことを思い出し、心の奥に何かしこりがあるようだと心配する。白笙は″しこり″ではなく、実は忘れられぬ人がいると打ち明けた。「若い頃にいた劇団で、そこの女座長を好きになりました、それが戯曲にのめり込むきっかけに… だがのちに裏切りに気づいたのです」白笙は偶然にも女座長と別の劇団員との私通を目撃した。激情にかられた白笙はもみ合いとなり結局、2人を殺してしまう。「数年も経てば薄れると思っていましたが、何十年経とうと消えることはなかった… 死ぬまでこの想いを抱えて生きていくしかない… この身体の中に、血潮に、骨の髄に、想いが残っているのです」「悲しい過去は忘れた方がいい、私も力になるよ」その夜、雪景は裏庭で屏風を仕上げていた。すると心配した余琰が様子を見にやって来る。「寝ないのか?」「急いで仕上げたいの…何か話?」「瓊花はどうも信じられぬ、用心するのだぞ」「分かったわ…最近、口うるさいわね?…クスッ」「明日は宮中に行くのだろう?私も行こう」雪景は約束より早く屏風を完成させ、穆京と一緒に参内した。御書房で待っていた姆老(ボロウ)族の使者・勒巴(ロクハ)はその出来栄えに感激、しかも絵師が鄭元善(テイゲンゼン)の娘だと知って感慨深い。すると雪景は父と親しかった勒巴に父の死因について何か心当たりがないか尋ねた。勒巴は鄭元善の死を知ったばかりで何も分からなかったが、静(セイ)妃に聞いてみてはどうかという。実は静妃は鄭元善との私通が原因で冷宮送りになっていた。雪景の屏風のおかげで盛楽(セイラク)国と姆老族は無事に同盟を結んだ。喜んだ皇帝は特別に雪景が冷宮の静妃に会うことを認めてくれる。しかし趙(チョウ)太監が密かに弟子に目配せし、先手を打っていた。雪景と穆京が急いで宮道を歩いていると、余琰が合流した。皇宮の片隅にある寂れた冷宮、すると3人は寝所で首を吊った静妃の姿を見つける。余琰は咄嗟に飛び出して静妃を助けたが、すでに手遅れだった。すると余琰は死んでも魂がまだ残っていると話し、方術で静妃の記憶を取り出してくれるという。↓( ゚д゚)<すごいな余琰!そんな方術を操れるなんて!@穆京雪景は余琰が静妃から引っ張り出してくれた記憶の中に入った。そこで父が亡くなった当時の宮中の様子を目の当たりする。実は鄭元善は静妃から急ぎの用があると呼ばれ、寝宮を訪ねていた…静妃は密かに公主を出産していたこれまで3度ほど懐妊したが、その度に皇后に毒を盛られて流産してしまったという確かに皇子を産んだのは皇后だけ、他の妃が子を宿すたびに皇后が阻んできたしかし今回は太監に大金をつかませ味方に付け、ようやく娘を授かったという『どうかこの子を皇宮から連れ出して、私の望みは地位でも富喜でもない 血を分けた子を残したいだけなの…』そうは言っても当時、鄭元善は独り身、急に子ができれば怪しまれてしまうすると静妃は侍女の巧娘(コウジョウ)を連れ行くよう頼んだ善良な鄭元善は悲しみに暮れる静妃を見捨てることができず、結局、公主を預かることにする静妃が子を出産したことが皇后の知るところとなった激怒した皇后は静妃と鄭元善を呼び出したが、鄭元善は女児を産んだ静妃が皇后の脅威になるとは思えないと諫言する『静妃を処罰すればかえって非常な仕打ちが広まります』すると皇后は子を見逃す代わりに鄭元善との姦通を認めるよう迫った万が一、静妃の子供が皇子だったとしても、これで鄭元善の子だと断じることができるそこで鄭元善は静妃と雪景を助けるため、自分が犠牲になると決めた驚いた静妃は止めたが、鄭元善は皇后が用意した毒酒を飲んでしまう…(Ŏ艸Ŏ)<でぃえ!つづく( ゚ェ゚)え?画伯、あの絵でいいのでしょうか?w
2023.03.06
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屏里狐 The Screen Foxes第13話姆老(ボロウ)族のため蜘蛛糸の緞子と千年烏榕樹(ウヨウジュ)の屏風を作ることになった鄭雪景(テイセツケイ)。しかし蜘蛛が糸を吐き出す様子もなく、途方に暮れていた。その時、霊犀(レイサイ)屏風に戻っていた余琰(ヨエン)と白笙(ハクショウ)が戻ってくる。「あれ?小黒(ショウコク)は?」「もう少し屏風で休みたいって」余琰は雪景が約束を破って出かけたと知り、眉をひそめた。しかし雪景は傷ひとつないと安心させ、それより蜘蛛が動かないと訴える。それもそのはず、この蜘蛛は1年中ほぼ休眠していた。実は梅が咲く頃にだけ目を覚まして1刻ほど花びらを食べ、その後、糸を吐いて緞子を織り上げるという。「今は夏よ?どうしよう…」雪景は7日以内に屏風が出来なければ大変だと慌てたが、白笙が彼岸花の力があると思い出させた。雪景は寧符大園に梅の木があったことを思い出し、穆京(ボクケイ)を訪ねることにした。すると瓊花(ケイカ)が慌てて白笙のために薬湯を持って来る。雪景は瓊花の想いを汲んで余琰と先に店を出たが、結局、白笙は帰ってから飲むと断って2人のあとを追った。白笙は喉が渇いたと口実をつけ、穆京と屋敷に入った。その間に雪景は中庭にある梅の木の枝に蜘蛛を乗せて仙気をあてたが、何も起こらない。余琰は目を閉じて集中するよう助言、雪景は再び梅の木に手をかざした。すると梅の花がみるみる開き始め、ついに満開になる。「本当に咲いたわ!余琰!見て!やったーっ!」思わず余琰の手を握りしめ歓喜する雪景、そんな雪景を見た余琰も自然と顔がほころんだ。蜘蛛は糸を吐いて緞子を織り始めた。あとは千年烏榕樹だが、どこを探せばいいのか見当もつかない。すると白笙が地図を見れば分かるかもしれないと言った。「そう言えば、瓊花がいないわ…」一方、秦毓(シンイク)は皇太子が誘拐して来た娘から正気を吸い取っていた。そうとは知らず、皇太子は再び誘拐した3人の生娘を連れて来る。実はその中の1人が瓊花だった。小黒が屏風から戻った。そこで余琰は地図を眺めながら3人で手分けして付近の山を探すことする。その時、瓊花がふらりと帰って来た。しかしどこか様子がおかしい。雪景は白笙が薬湯を飲まなかったせいだと気づいたが、白笙は二度と恋情に溺れるつもりはないと漏らした。「白笙、もういい」余琰は白笙をかばうと早速、千年烏榕樹を探しに出かけることにした。「鄭雪景、お前はここを離れるな、おとなしくしていろ」仲間外れにされて面白くない雪景だったが、仕方なく瓊花と蜘蛛を見守っていた。「それよりどこへ行っていたの?」「白笙が崑曲が好きだと知って、助けてもらったお礼の品を選びに行ったの でも覚えているのはそこまで、気づいたら店の前に戻っていたわ ぼんやりしていたのかしら…」雪景は思わず白笙を好きになったのかと聞いた。しかし瓊花はあくまで恩人だと訴え、確かに好かれたいが白笙は自分にだけ冷たいと嘆く。雪景は瓊花の気持ちに気づいた白笙が愛情を抱かないようにしているのかもしれないと説明した。詳しいことは分からないが、余琰の話では愛する人に裏切られた過去があるらしい。すると雪景は千年烏榕樹の情報を集めるため、瓊花に店番を頼んで出かけることにした。その時、瓊花の目が一瞬、緑色に光ったかと思うと、雪景を引き留める。「思い出したわ、南の里山に大きな榕樹があったはずよ、私も一緒に行くわ」(O_O)✧˖°✧. ビーム!雪景は男手を集め、瓊花と一緒に南の山へ入った。道なき道を行く雪景たち、するとやがて巨大な榕樹を発見する。男たちは早速、木を切り始めたが、驚いたことに枝から血が流れ始めた。「これは…まさか樹精では?!」「妖魔だ!」男たちは慌てて逃げ出した。瓊花はどさくさに紛れて物陰に隠れたが、逃げ遅れた雪景が蔓に捕まってしまう。しかし余琰が駆けつけ、蔓を切って助けた。「大丈夫か?!」すると今度は余琰が蔓に捕まり、そのまま榕樹に縛り付けられてしまう。「余琰!」「来るな!私に構わず逃げろ!」必死にもがく余琰、その時、瓊花がなぜか木の影に隠れているのを見た。余琰は雪景にすぐ逃げろと叫んだ。「齢千年の榕樹精だ、お前では太刀打ちできぬ!」しかし雪景は咄嗟に彼岸花の力で木を修復、榕樹精に許しを請う。すると榕樹精が雪景の力に驚いて余琰を解放してくれたが、雪景は急に気が遠くなり卒倒した。つづく( ゚ェ゚)余琰の2着の違い気づいてた?w
2023.03.06
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屏里狐 The Screen Foxes第12話余琰(ヨエン)は鄭雪景(テイセツケイ)と三皇子・穆京(ボクケイ)の仲睦まじい様子に激しく嫉妬した。「鄭雪景、後ろに来い!」しかし雪景に拒否されてしまう。余琰は仕方なく自分が前の席へ移動し、雪景と穆京の間に無理やり座った。「余琰…もしかして私が好きなの?」「違う!ウッ…劇をよく見たくて前に来ただけだ」素直になれない余琰、その時、皇太子が役者の些細な間違いに気づいて舞台を止めてしまう。穆塵は父皇が遣わした役者を咎めては父皇を責めているも同然だと諫言したが、皇太子は自分を陥れるつもりなのかと邪推した。すると見かねた白笙(ハクショウ)が立ち上がり、代わりに自分が歌うと申し出る。「劇団にいたことがあるので心得があります」雪景は困惑したが、白笙はこの場を収めたいと言った。白笙の舞台は好評だった。面白くない皇太子は早々に引き上げて行ったが、思いがけず白笙が卒倒し、昏睡してしまう。余琰は劇団にいた頃の不幸な経験が今も白笙の心に影を落としていると教えた。ともかく早く連れ借り、霊犀屏風で休ませる必要がある。「どれくらいかかるの?二度と出てこられないことはないのよね?」「戻ってくる、留守中は屏風を守ってどこに行くなよ」「分かった、白笙のことよろしくね」穆府大園に戻った皇太子は白鷹に文を託し、助けを求めた。「小林子(ショウリンシ)、私が誰に育てられたか知っているか?」「生母である皇后娘娘では?」「護国法師を知っているか?」確か100年以上も前のこと、時の皇帝は宮中に巣食う妖魔退治のため、方術を操る東瀛(トウエイ)の女人を呼び寄せていた。女人は護国法師に封じられ、その後、朝政を支えたが、存命なら200歳を超えている。「そうだ、今も生きておられる」護国法師は国を安定させた後、諸国を巡っていたが、皇后が身ごもった年に帰京し、難産で命の危機に瀕した母子を救っていた。しかし皇后は産後の肥立が悪く、代わりに護国法師が宮中に残って粛羽(シュクウ)を育ててくれたという。15歳で母を失った時も法師が支えてくれたが、成人を迎えると旅立って行った。「何者かを追って諸国を巡ると言ってな…」その時、護国法師は粛羽に白鷹を残し、危機が迫ったら文を送るよう伝えていた。「屋敷の者に準備させろ、明日、護国法師・秦毓(シンイク)姑姑をお迎えする」護国法師・秦毓とは余琰を100年も探し続けて来たあの白髪の老婆だった。粛羽は姑姑に皇太子の座が危ないと訴えた。このままでは廃位され、穆京が皇太子に立てられてしまうという。秦毓はうかつに手を出せばかえって皇太子が疑われると考え、長計を立てると決めた。「実は姑姑からも頼みがあるの…無垢な女子を9人ほど集めておくれ」粛羽は何のために集めるのか分からなかったが、恩人の秦毓の頼みなら死も厭わぬ覚悟だった。そんなある日、盛楽(セイラク)国に姆老(ボロウ)族の使者・勒巴(ロクハ)がやって来た。勒巴は皇帝に講和を申し入れ、北方の国境警備に協力する代わりに黄金100両が欲しいという。皇帝は北方の安寧のためならと快諾したが、勒巴はなぜか御画館の絵師に合わせて欲しいと頼んだ。「鄭元善先生です」勒巴は以前、盛楽国に来た時に鄭元善と親しくなり、その素晴らしい技巧と人柄に敬服したという。当時、鄭元善は蜘蛛糸の緞子と樹齢千年の烏榕樹(ウヨウジュ)で二つとない屏風を作って贈った。姆老族はこの屏風を至宝として大切に守ってきたが、数年前の大火で失ってしまったという。そこで改めて屏風を依頼したいと懇願したが、鄭元善がすでに亡くなったと知った。すると勒巴は屏風が手に入らないなら同盟も結べないという。「屏風を待つ民に申し開きできません!」「…では7日後に望みを叶えよう」雪景と穆京は鄭元善の死因を調べていたが、手がかりはなく時間だけが過ぎて行った。すると趙(チョウ)太監が現れ、皇帝が呼んでいるという。皇帝は雪景に事情を話し、屏風店に鄭元善が作った屏風が残っていないか聞いた。ただし蜘蛛糸の緞子と千年烏榕樹で作った屏風が必要だという。「皇上、その2つを使った屏風はとても珍しく、私自身も幼い頃に目にしたきり見ていません」しかし雪景はふと蜘蛛糸ならすぐ手に入ることを思い出し、自分が父直伝の方法で作ると申し出た。皇帝は喜び、使者を満足させる屏風を作れば鄭元善の調査期間を2ヶ月も延長してくれるという。つづく( ゚ェ゚)舞台が盛楽国だと初めて知るw
2023.03.05
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屏里狐 The Screen Foxes第11話皇太子は鄭源(テイゲン)の正体が男装した鄭雪景(テイセツケイ)だと告発、皇帝は直ちに鄭源を御書房へ呼んだ。追い詰められた雪景、そこでこっそり余琰(ヨエン)からもらった赤い小さな粒を潰す。実は余琰は宮中の者が小黒(ショウコク)に探りを入れているのを目撃し、鄭源が疑われていると気付いた。『これは″双生子(ソウセイシ)″だ、もう1つを私が持つ、危険が迫ったら握りつぶせ、すぐ助けに行く』鄭家屏風店では余琰が双生子の異変に気づき、雪景に何かあったと分かった。しかし突然、穆塵(ボクジン)が現れ、足止めされてしまう。一方、雪景は覚悟を決め、正体を明かして釈明した。「父は鄭元善(テイゲンゼン)です 私が10にも満たぬある年、皇后娘娘の絵を描くため参内した父が骸となって戻ってきたのです ″必ず死因を突き止める″…幼いながらも私は硬く心に誓いました そのためには男装して絵師の選抜大会に出るしかなかったのです! 罰は受けます、その前に真相究明の機会を頂けないでしょうか?」すると皇帝は鄭元善が死に値する罪を犯し、自ら命を絶ったと教えた。実は鄭元善は妃との私通を皇后に見咎められ、その場で毒を飲み自害したという。かん口令をしいたのは皇族の体面を保つためだった。驚いた雪景は父に限ってありえないと口答えし、思わず偽りの証拠ではないかと訴えてしまう。皇帝は皇后まで貶めた鄭源を投獄するよう命じたが、その時、三皇子・穆京(ボクケイ)が帰還した。穆京は父皇に謁見し、雪景が友人だと話した。鄭元善から絵を習っていた縁で知り合った幼なじみで、父親の死因を探るため宮廷絵師を目指していることも知っていたという。「父皇、鄭雪景の父を想う心を罪に問えましょうか?」皇太子は話を遮ろうとしたが、皇帝は穆京に話をさせるようたしなめた。すると穆京は雪景と2人で真相を明らかにしたいと嘆願する。皇帝は凱旋した三皇子に頼み込まれ、仕方なく雪景の宮中への出入りを許可した。「期限は1ヶ月と定める、その時、反証を挙げられねば朕をあざむいた罪から逃れられぬぞ」皇太子は雪景の排除に失敗、しかも間近に迫った穆京の誕生日に長兄として弟を喜ばせる祝いを用意しろと命じられてしまう。雪景は穆京に感謝した。しかし穆京はなぜ自分に相談してくれなかったのかと困惑する。「立ち聞きして何とか口裏を合わせたんだぞ」「1人でやり遂げるつもりで胸に秘めていたの それはそうと1ヶ月で真相を突き止められるかしら?」「1ヶ月あれば地の果てまで逃げられるさ、本気で真相を?」穆京は昔の事件を調べるのは難しいと言ったが、雪景が本気なら協力すると決めた。穆塵は裏庭にいた狐仙3人に両儀灯(リョウギトウ)を見せた。「明かりがともる間は光の場所に結界ができる、結界の内側ではいかなる方術も使えないぞ」しかも灯はつけた者にしか消せない。その時、再び帰元(キゲン)道長が現れ、方術を使えなくなった3人を払子(ホッス)で縛り上げた。「9つの命を持っていようと逃れられぬぞ!」すると騒ぎに気付いた瓊花(ケイカ)が裏庭に降りてきたが、帰元に打たれて倒れてしまう。雪景が宮中から戻ると、裏庭で余琰たちが帰元に捕まっていた。「何をしているの?!3人を離して!」雪景は帰元の腕をつかんだが、余琰が穆塵に明かりを吹き消させろと叫ぶ。焦った穆塵は雪景のために妖魔退治を依頼したと釈明したが、雪景が耳をつかんで引っ張った。「何言ってるの?!善人は3人でこいつが邪悪な道士なのよ!手遅れになる前に消して!」穆塵は慌てて火を吹き消すと、帰元は反撃を恐れて逃亡する。しかし解放された余琰がすぐに追跡した。瓊花は無事だった。小黒(ショウコク)が瓊花を休ませるため部屋へ連れて行くと、雪景は3人を害そうとした穆塵を激しく責め立てる。「この3人がいなかったら私は路頭に迷うところだった! 3人は妖魔じゃない、私の恩人なのよ?!」そこへ帰元をあきらめた余琰が帰ってきた。穆塵は恋敵に宣戦布告、これから武術の腕を磨いて1ヶ月後に勝負するという。「雪景、1ヶ月後にはそなたを…」「いいから消えて!」余琰は雪景を助けにいけなかったことを詫びた。しかし雪景は正体がバレてもこうして無事だったと笑う。白笙(ハクショウ)はなぜ帰元が自分たちを目の敵にするのか分からなかったが、記憶がない余琰も理由が分からなかった。雪景が部屋に戻った。余琰は白笙にふと雪景と自分にかつて関わりがあったのではないかと吐露する。「忘れたい事があり、私自身が記憶を封じているのやも…」「余琰が思い出せない記憶は100年前のことだろう?雪景は生まれてもいない 雪景が好きならその気持ちに従え、自分で自分を縛ることはない」一方、穆粛羽(ボクシシュクウ)は辺境を平定して戻った穆京が皇太子の座を脅かしていると知った。皇帝は穆京を勇猛で賢く気立ても良いと褒め、若かりし頃の自分に似ているとまで言ったという。皇太子は先手を打たねばと焦り、まずは穆京と鄭雪景の関係を調べるよう命じた。穆京の誕生日当日、雪景は余琰たち3人を連れて寧府大園に駆けつけた。出迎えた穆京は雪景を席に案内しようと肩に手を回したが、何やら殺気を感じて振り返る。すると嫉妬した余琰が穆京を睨みつけていた。「雪景、隅におけないな~穆塵を捨てていい男に乗り換えたのか」しかし雪景はそんな関係ではないと否定し、気恥ずかしくて先に会場に行ってしまう。皇帝は幼い頃から観劇を好んだ三皇子のため、崑曲の役者を招いていた。雪景は穆京と仲良く一緒に座っていたが、上座にいる皇太子に苛立ちを隠せない。「なぜ皇上はあんな人を太子にしたのかしら?」「長子だし、生母を亡くして不憫だったのだろう、だがここ数年、ますます増長しているらしい」「武芸も人柄もあなたのほうがずっとふさわしいのに…」「確かに穆粛羽が即位すればどんな世になるか不安だ 先生の死を招いたのが太子の生母である皇后娘娘なら太子も黙っていないだろう、気をつけろよ」雪景と穆京は皇太子に聞こえないよう顔を近づけて話していた。すると2人の様子を苦々しく見ていた余琰が急に怒り始める。「鄭雪景、後ろに来い!」「なぜ?」「言うことをきけ!」つづく( ゚ェ゚)今回の兜はアトムタイプ
2023.03.05
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屏里狐 The Screen Foxes第10話鄭雪景(テイセツケイ)は余琰(ヨエン)の腕の中で目を覚ました。「気分はどうだ?」「とても長い夢を見ていた気がする…」「もう怖くない、私たちがいる」雪景は胡庸(コヨウ)が恩人だと知り、余琰が自分のために奔走したと聞いた。しかし瓊花(ケイカ)の姿に気づき、恨みを思い出す。「なぜいるの?帰って!」白笙(ハクショウ)は瓊花が彼岸花を守ってくれなければ死んでいたとかばったが、雪景のわだかまりは解けなかった。胡庸は雪景の無事を見届け、帰って行った。すっかり元気に戻った雪景、しかしまだ瓊花を許すべきかどうか結論がでない。すると白笙は自分の心に問いかければおのずと答えがでると助言した。「ただ私は瓊花が身を挺して君を守る姿を見たんだ…彼女が悪に染まり切ったとは思えない」「分かった、答えを出すわ」雪景は瓊花が自分を助けてくれたのなら、罪を帳消しにすると決めた。一方、白髪の老婆は鳳陽(ホウヨウ)酒楼にいた。すると帰元(キゲン)道長が駆けつけ、鄭雪景が蘇ったと報告する。「…ならばまた殺すまで」彼岸花の種で蘇った雪景は思いがけず草木の命をつかさどる仙気が体内に宿り、草木を蘇生させる力を持った。そこでこっそり裏庭で屏風に絵を描き、仙気を放ってみる。すると余琰が様子を見に来た。「…悪くない」「枯れない花が香りを放ち続ける屏風よ!」その時、突然、穆塵(ボクジン)が裏庭に現れた。穆塵は何度も会いに来たが余琰に追い返されたという。「私に腹を立てているのだな?許しを請いに来たわけじゃない、妻になってくれ 改めて君に求婚する、承諾してくれ」驚いた雪景は咄嗟に他に想い人ができたと嘘をついた。「まさかこいつか?」「…そ、そうよ!」「信じないぞ!…かくも早く心変わりするわけがない!」「ならその目で確かめるのね!」雪景はいきなり余琰に口づけしたが、その様子を偶然、白笙と小黒も見ていた。穆塵は激高、怒りの矛先は余琰に向かった。「この憎き狐狸精め!」「…狐狸精が何だと?」「ふてぶてしく卑劣極まりない振る舞い、人の心を打ち砕く狡猾な狐狸精め!」「…そうさ、私はふてぶてしく卑劣極まりない狡猾な狐狸精さ!」余琰は手を出さない代わりに雪景に再び口づけし、わざと穆塵に見せつけた。すると面目を潰された穆塵は憤怒して帰ってしまう。雪景は白笙と小黒に気づき、気恥ずかしくなって急いで店に戻った。雪景の香り付きの屏風は好評を博した。すると性懲りも無く穆塵が現れる。穆塵は屏風を買いに来ただけだと訴えが、そこへ瓊花が現れた。実は雪景は瓊花を許し、屏風店に一緒に住んでいるという。「瓊花を許したなら私も許せ!」しかし商売の邪魔だと雪景に追い返されてしまう。小黒が店の前で菓子を頬張っていると、瓊花が差し入れを持って来た。「白笙の好物って何?助けてもらったお礼をしたいの」「…白笙哥哥の好物?思いつかないや(はっ)そう言えば昆曲が好きだと言ってたよ」瓊花は喜んで店に戻ると、今度は見知らぬ男が小黒に声をかけた。「あの香り付き屏風の作者は誰だい?」「雪景姐姐が一生懸命、作ったんだよ!」「だがさっき耳にした話じゃ屏風の作者は鄭源(テイゲン)という絵師とか」うっかり口を滑らせた小黒は慌てて逃げ帰ったが、その様子を余琰が見ていた。穆塵が突然、鄭家屏風店に引っ越して来た。実は三叔から家を買い取り、証文もあるという。「これでもう追い出される心配はないぞ!」激怒した雪景は穆塵との縁は切れたと断言、すぐ出ていくよう迫る。するとちょうど余琰と小黒が現れ、穆塵を店から追い出した。「二度と私の目の前に現れるな!」「怖くないぞ!私は王爺だ!皇族の力を駆使して必ず雪景を取り戻す!」そんな穆塵のもとに帰元(キゲン)道長が現れた。帰元道長は雪景を囲んでいる美丈夫は修行を積んで人像を得た狐仙だと教え、女子を惑わせていると吹き込む。「ご尊父が生前、皇上から授かった宝物・両儀灯(リョウギトウ)は?」「今も屋敷にあるが、ただの瑠璃の灯だぞ?」すると帰元道長は両儀灯と引き換えに狐仙を退治すると約束した。一方、鄭源を調べさせていた皇太子は父皇に謁見し、鄭源と名乗っているのは鄭雪景という娘だと告発した。そこで皇帝はちょうど御画館の当直だった鄭源を呼ぶよう命じる。つづく( ๑≧ꇴ≦)レオの三段落ち眉毛が好き!
2023.03.02
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屏里狐 The Screen Foxes第9話鄭家屏風店に瓊花(ケイカ)がやって来た。過ちを犯した責任を感じ、自ら鄭雪景(テイセツケイ)の看病をしたいという。白笙(ハクショウ)たちは追い返そうとしたが、瓊花は雪景に何かあったら一生、後悔すると訴えた。「一時の気の迷いだったの、老婆から醜い老人になる毒だと聞かされて…まさか命を奪うなんて」「雪景が目を覚ましたら弁解すればいい」白笙たちが瓊花と言い争っていると、その時、帷帽(イボウ) で顔を隠した老婆が入ってきた。「いらっしゃい、屏風をお求めですか?」「見るだけだ、お構いなく…」すると老婆はこっそり魚腥草(ギョセイソウ)を焚き、白笙たちは急に倒れてしまう。しかし人間の瓊花には効果がなかった。老婆はうかつにも帷帽を脱ぎ捨て、瓊花に正体を明かしてしまう。「あなた…私にあの毒をくれた人ね!」瓊花は老婆につかみ掛かろうとしたが、あっけなく突き飛ばされた。一方、余琰(ヨエン)は猫を連れて宮中を出るところだった。すると皇太子が配下を連れて立ちふさがり、鄭源(テイゲン)を捕えようとする。しかし鄭源が突然、姿を消してしまう。驚いた皇太子は鄭源を怪しみ、直ちに素性を調べるよう命じた。かろうじて意識があった白笙は瓊花に裏庭の彼岸花を守って欲しいと訴えた。瓊花は裏庭へ急ぎ、まさに彼岸花に手を伸ばそうとしていた老婆の足にしがみつく。「殺されたって離さないわ!」「なら望みを叶えてやる」老婆は掌(ショウ)を放ち、瓊花は背中に一撃を受けて倒れた。彼岸花は法陣で守られていた。老婆は花を抜き取ることができない代わりに毒をかけて彼岸花を枯らしてしまう。「余琰よ、お前を簡単に死なせはしない、愛する者を全て失い、虚しい一生を送るがいい」余琰が屏風店に戻ると白笙たちが倒れていた。白笙の話では例の老婆が来たという。「早く裏庭へ、彼岸花を見てくれ…」しかし余琰が駆けつけると、彼岸花は枯れ始めていた。白笙は小黒(ショウコク)と胡庸(コヨウ)先生を起こし、急いで裏庭へ向かった。呆然と立ちすくむ余琰、するとなぜか瓊花が倒れている。「なぜこやつが?」「話はあとだ…それより胡庸先生、彼岸花を救ってください!」黒い土を見た胡庸は東瀛(トウエイ)の蠱毒(コドク)だと分かった。彼岸花を助けるには最も清き水、つまり崑崙山の仙境にある瑤池(ヨウチ)の水が必要だという。そこで胡庸は崑崙山のふもとに瑤池から流れ出る清流があると教えた。しかし白笙は余琰が3日近く屏風に戻っていないと気づく。「急がねば、2刻もないぞ」「十分だ」一方、瓊花は経脈を絶たれていた。胡庸は経脈を接ぎ直せば助かると安心させたが、さすがに若い娘の肌に触れることはお断りだという。余琰は崑崙山のふもとに到着、命を救うため泉の水が欲しいと嘆願した。しかし泉を守る仙童が妖魔を追い返そうと襲いかかってくる。余琰はわざと倒れて仙童が気を抜いた隙に姿を消し、泉の水を奪うことに成功した。激怒した仙童だったが、そこへ烏角(オカク)先生が現れる。「好物の仙桃が実ったぞ、果樹園においで」「ダメだ、仙水を奪った妖魔を捕まえなくちゃ」「仙水はふんだんにある、放っておけ」その頃、白笙は瓊花を雪景の部屋に運び、直接、背中に手のひらを当てて経脈をつないだ。すると瓊花は無事に息を吹き返し、目を覚ます。「白笙…」「誤解しないでくれ、治療しただけだ」「ありがとう」余琰が仙水を持って戻ってきた。そこで早速、彼岸花の根元に水をかけると花が仙気の力で復活し、ついに満開になる。彼岸花の香りに誘われ集まる蝶々たち、その時、ついに蘇った雪景が現れた。つづく( ゚ェ゚)へえ〜なるほどね〜って…イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ~wwwww
2023.03.02
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屏里狐 The Screen Foxes第8話白笙(ハクショウ)は子母虫(シボチュウ)を使って狐仙・胡庸(コヨウ)先生を呼び出した。昼寝を邪魔された胡庸は不機嫌だったが、これも何かの縁だと鄭雪景(テイセツケイ)を診てくれる。するとやはり東瀛(トウエイ)の毒・白頭翁(ハクトウオウ)だと判明した。「解毒できるのか?!」余琰(ヨエン)の必死の形相を見た胡庸はこの娘が好きなのだと見抜いたが、残念ながら解毒薬はないという。思い詰めた白笙は自分の霊珠(レイジュ)を与えて主を蘇らせるしかないと言ったが、胡庸は千年の修行を無駄にするつもりかと反対した。そこで仕方なく彼岸花仙(ヒガンカセン)を訪ねるよう勧める。実は彼岸花仙とはとうの昔に縁を切った手前、自分が紹介するわけにもいかなかった。「これを見せて種をもらうといい、死者を甦らせることができる」余琰はいきなり白笙の手から香袋を奪い取ると、雪景の面倒を頼んで飛び出して行った。彼岸花仙は胡庸の名を聞くと不機嫌になった。ましてや花にとって種はすなわち実、命にも等しい価値がある実を簡単には渡せないという。「胡庸のやつが裏切って逃げ出してから花畑を見張る狐仙がいない 種が欲しければ胡庸を連れておいで」そこで余琰は種をくれるなら二月後に戻って自分が花畑の見張りを務めると約束した。「そなたが?十年一日の寂しさに耐えられるか?」「私は百年の孤独に耐えてきました」余琰は必ず約束を果たすと訴え、その証として指を切り落とすことにする。しかし彼岸花仙が制止、余琰が情に厚く義理堅いと認めて種を譲ってくれた。余琰は雪景に種を飲ませた。すると雪景の身体が消散、種と共に地中に埋まってしまう。「彼岸花は死から蘇る力を持つ… 日に当てず定刻に水をまけ、枯らしたらお前たちのせいだぞ?」余琰は屏風店を白笙と小黒に任せ、彼岸花を見守った。時折、頭に浮かぶ見知らぬ娘の姿、しかしどうしても顔が思い出せない。…そなたは何者なんだ?…やがて雪景の種は芽吹き、元気に成長して行った。彼岸花の花が開く時をひたすら待ち続ける余琰、すると屏風店に穆塵(ボクジン)が現れた。穆塵は雪景に会いたいと訴えたが、余琰は有無を言わせず首根っ子をつかんで追い出してしまう。するとついに裏庭の彼岸花が開いた。白笙は胡庸先生を労う宴を開いたが、そこへ突然、宮中から趙(チョウ)太監がやって来る。「陛下が絵師をお召しに…」「お待ちください」余琰は仕方なく鄭源(テイゲン)に化け、雪景の代わりに参内することにした。御画館ではすでに皇帝が待っていた。今日は寵愛する珍(チン)妃を描いてもらいたいという。すると余琰は珍妃が妖魔だと見抜き、珍妃が入内してからネズミがいなくなったか聞いた。「なぜそのことを?」趙太監が驚いていると、珍妃は急に具合が悪くなったと偽って下がることにする。そこで珍妃は帰り際にこっそり鄭源に妖術を放ったが、余琰はあっさり妖気を打ち消した。「百年の猫妖(ビョウヨウ)ごときが私に妖術を使うとは…」焦った珍妃が助けを求めると、皇帝は愛妃に無礼を働いた鄭源に激怒する。「皇上、最近、目が眩んだり力が抜けるようなことはありませんか? ご寵愛の珍妃は百年生きる猫の妖魔です、皇上の精気を吸って力を得ている」趙太監は確かに珍妃が入内してから皇帝の具合が悪くなり、政もおろそかになっていると気づいた。しかし皇帝は証拠を見せろという。珍妃は慌てて逃げ出そうとしたが余琰が阻止、ついに観念して正体を現した。珍妃の真身(シンシン)は本当に猫だった。「人の気を吸う妖怪はうようよしています しかし宮中に潜り込むとは大胆この上ない!発見が遅れていたら命の危険がありました」皇帝は鄭源に感謝したが、なぜ絵師の鄭源が方術を操れるのか分からない。焦った余琰は道術の心得がある祖父から教わったとごまかし、しばらく治療に専念して政を休むよう進言した。「で、その猫をどうすれば?」「ご心配なく、私が成敗します」こうして雪景の代わりに鄭源に成り済ました余琰は皇帝の恩人となり、褒美を賜った。つづく( ゚ェ゚)猫妖は猫のままでいいのに…
2023.03.02
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屏里狐 The Screen Foxes第7話鄭雪景(テイセツケイ)の想い人・穆塵(ボクジン)を奪ったのは親友の瓊花(ケイカ)だった。瓊花は悪びれる様子もなく雪景に手作りの菓子と婚儀の招待状を届け、帰ってしまう。するとその場にいた余琰(ヨエン)が瓊花は身ごもっていないと教えた。実は人間が身ごもると妖怪を遠ざける異臭を放つが、瓊花からは化粧の匂いしかしなかったという。「身ごもっていない?…何を企んでいるのやら、明日、行って確かめてやるわ!」「婚儀に出るのか?」「いいえ、かき回してやるの」雪景は仕返しを思いつき、瓊花の菓子を頬張った。翌朝、雪景が目を覚ますと急に年老いていた。白笙(ハクショウ)は雪景が毒に当たったと気づき、昨日、訪ねて来たという瓊花を疑う。「もう何年も前になるわ、まだ屏風店が繁盛していた頃、瓊花の母親が使用人で一緒に育った仲なの 穆塵は第三皇子・穆京(ボクケイ)の従弟よ かつて父が宮中で穆京に絵を教えていた縁で私も穆京と仲良くなり、穆塵とも知り合ったの 穆京は外征が多いから京城にいることは少ないわ」すると雪景は瓊花のたくらみを暴くと息巻き、慌てて飛び出して行った。白笙はもし″白頭翁(ハクトウオウ)″という老いを進めて死に至らしめる毒なら打つ手がないという。しかし余琰は何か策を探るよう頼み、雪景の後を追った。慶事で賑わう栄府麗園、そこで雪景は瓊花の叔母だと嘘をつき、侍女・彩雲(サイウン)から寝所の場所を聞き出した。余琰は雪景が何を企んでいるのか探ったが、雪景は黙って見ていればいいという。その頃、花嫁姿の瓊花は寝室で腹を押さえて苦しんでいた。ようやく彩雲が薬を買ってきてくれたと安堵したが、部屋に入ってきたのが雪景だと気づいて動揺を隠せない。「あら?王妃の様子がおかしいわ、月の物が来たの?」「何を言っているの?」「やるわね、知恵が回ること…それにしても私のこの姿を見ても驚かないなんておかしいわ 私がこうなることを知っていたみたい」「何の話か分からないわ、出て行って!」すると雪景はもう1匹のネズミが戻ってきたら捕まえると意味ありげに笑った。 余琰が寝所の外で待っていると雪景が戻ってきた。やはり瓊花は本当に身ごもっていないらしい。そこで雪景は門の前で彩雲を待ち伏せし、瓊花が罪を認めたと嘘をついた。「あなたが懐妊を偽るようそそのかしたそうね? 王爺(ワンイェ)も謀られたと知ってお前に激怒しているわ」驚いた彩雲は瓊花に従っただけだと訴え、誤解を解こうと焦って屋敷に向かった。「…雪景、気が済んだか?」「まさか、これからが見ものよ」余琰は雪景を連れて帰ろうとしたが、雪景は抵抗した。「余琰…もし無理やり連れ返ったらあなたを一生、恨んでやる!このままじゃ済まさない! やられた分は必ず倍にして返してやるの!」余琰はまるで人が変わったように恨みを募らせる雪景に困惑した。栄王・穆塵と瓊花の拝礼の儀が始まろうとしていた。すると彩雲が駆けつけ、偽りの懐妊は王妃の考えだったと釈明しながら穆塵にすがりついてしまう。穆塵は彩雲の持っていた薬材を取り上げると、中身は月の物の痛みを和らげる女子の薬だと判明した。そこへ雪景が現れ、瓊花が穆塵に嫁ぐため懐妊を偽ったと暴露し、婚礼をぶち壊すことに成功する。しかし毒のせいで老いた雪景は急に苦しくなり、咳き込みながら外へ出て行った。穆塵は雪景を心配して手を貸そうとしたが、雪景はついに歩けなくなり膝をついた。「雪景、大丈夫か?なぜこんなことに…」「瓊花よ、彼女が毒を盛ったの」そこへ瓊花がやって来た。雪景はなぜ瓊花が自分にこんな酷い仕打ちをするのか分からなかったが、実は瓊花は幼い頃から雪景を恨んでいたという。瓊花の母は女手一つで苦労しながら娘を育てた。当時、衣はいつも雪景のお下がりで、瓊花は子供ながらに雪景の機嫌を損ねないようびくびくしていたという。ある夜、瓊花は母にお古ではない新しい衣が欲しいと頼んだ。母は娘に辛い思いをさせたと涙し、大晦日の朝に新しい衣を用意してくれたという。「それを着てあなたの所へ駆けつけた、一緒に喜んで欲しかったのよ でもあなたは一目見て大笑いし、″みっともない衣ね、どこから出してきたの?″って言ったわ 私は泣きながら家に帰り、衣を切り裂いて母から叱られた…」瓊花は雪景が両親を亡くした時、同情しつつも内心、喜んだという。これで雪景も令嬢でなくなり、ようやく対等な友だちになれると思ったからだ。しかし雪景の回りには穆京や穆塵がいた。「あなたばかりちやほやされ許せなかった! 穆塵との仲を知り心に誓ったの、あなたより幸せになってみせると…」雪景は初めて瓊花の本心を知り衝撃を受けた。瓊花は自分を唯一、理解してくれる親友であり、使用人扱いしたことなどなかったという。「瓊花…私は…私は…」すると雪景は激しく血を吐いて倒れてしまう。その時、余琰が駆けつけ、瓊花の首をつかんだ。「解毒薬を出せ!」「持ってないわ…老婆がくれたの…」瓊花の話では突然、東瀛(トウエイ)の衣を着た老婆が現れ、白頭翁をくれたという。しかし年を取るだけで死に至らしめる毒だとは知らなかったと釈明した。激怒した余琰はそのまま瓊花を殺そうとしたが、雪景が手を離すよう訴える。「猛毒だと…知らなかったのよ…それなら罰してはだめ…」そこへ白笙が駆けつけ、余琰を引き離した。「封印が解けぬ身で殺生はいけない」「もしこのまま雪景が絶命したら?!こやつの罪だ!」「救えるかも知れぬ、すぐに帰ろう」余琰は雪景を抱き上げ、急いで栄府を出た。その様子を物陰から白髪の老婆が見ていたが、余琰は気づかない。つづく(´・_・`)子供って残酷な時があるよね~
2023.03.01
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屏里狐 The Screen Foxes第6話張冀北(チョウキホク)は皇帝に謁見、選抜大会の審査主官・龐南(ホウナン)が賄賂を受け取って不正を行ったと告発した。証拠がないと知った龐南は濡れ衣だと反発したが、張冀北はならばこの場で第1位の張啓鳴(チョウケイメイ)と第2位の鄭源(テイゲン)に絵を描かせてはどうかと進言する。皇帝は張冀北の過去の忠誠に鑑み絵比べを命じたが、実は側近の趙(チョウ)太監が皇太子と通じていた。趙太監が鄭源を迎えに鄭家屏風店へやって来た。白笙(ハクショウ)と小黒(ショウコク)は緊張気味の鄭雪景(テイセツケイ)を励まして送り出したが、余琰(ヨエン)は何やら心配そうに見ている。すると余琰の胸騒ぎが的中、案内役の宦官は雪景に毒を吹きかけ眠らせ、皇宮の裏にある井戸に投げ込もうとした。しかし余琰が駆けつけ、危ないところで救出される。余琰は雪景が毒に当たったと気づいて吸い出すことにしたが、そのまま唇が重なった。急に目を覚ました雪景は驚いて余琰を突き飛ばし、怒りが治らない。「私の初めての接吻だったのよ!」「死ぬ寸前だったんだぞ?!」「はっ!それより急がないと!」張啓鳴は鄭源が来ないと思い込み、堂々と皇帝に謁見した。すると皇太子も駆けつけ、自分の推挙で審査主官になった龐南を訴えることは自分を訴えることだと張冀北を追及する。しかし思いがけず鄭源が現れた。皇帝は2人に早速、絵を描くよう命じると、焦った皇太子は急に腹が痛いと言い出して帰ってしまう。見捨てられた龐南は自ら過ちを認めて許しを乞うたが、あくまで自分一人でやったと皇太子をかばった。皇帝は憤怒、龐南と張啓鳴を天牢へ収監するよう命じ、主を欺いた罪で斬首刑に処すという。その時、咄嗟に雪景が皇帝に諫言した。「皇上、どうか2人にお慈悲を…責任の一端は皇上にもあります」雪景は選抜大会の不正が何年も続き、今まで何人もの絵師が涙をのんできたと訴えた。この2人が死罪なら過去の審査官も全員、捕らえて審問し、有罪の者を全て殺さねば不公平だという。「皇上も民の生業に関わっていることを自覚され、改善の余地がないか日々お考えください!」「ぶはははは~!大した奴じゃ!絵が上手いだけでなく、人品も弁舌も一流であるな」皇帝は鄭源に感心し、結局、龐南と張啓鳴は天牢での終身刑となった。「そなたは本日より御画館の副館長とする」その頃、白髪の老婆の元に帰元(キゲン)道長が駆けつけた。「祖上、余琰を見つけました」「分かった…余琰よ、100年待ったぞ、ついに現れたか」鄭源が宮廷絵師となり、鄭家屏風店は再び賑わいを取り戻した。その様子を張大山(チョウダイサン)が苦々しい顔で見ている。張大山は帰元道長に泣きつき、息子を助け出すよう哀願した。しかし鄭雪景という娘が霊犀(レイサイ)屏風を持っており、3人の狐仙と主従関係にあるという。中でも余琰は法力が強く、帰元でも勝てなかった。「焦らず待たれよ、当家の祖上が京城に来れば鄭家屏風店は安泰ではおれぬ」鄭家屏風店は大繁盛、白笙と小黒は雪景のため食事を作ることにした。疲れ果てた雪景は裏庭で余琰と待つことにしたが、そこへ突然、瓊花(ケイカ)が現れる。「何の用?」「親友でしょう?宮廷絵師になったお祝いに来たのよ」「親友ですって?私の想い人を奪ったくせに!」実は瓊花は雪景の想い人である穆塵(ボクジン)と通じて身ごもり、婚儀を控えていた。「これは私が作ったお菓子よ、好きだったでしょう?…明日が祝言なの、あなたの招待状よ」「瓊花、今すぐ出て行って!二度と現れないで!」つづく
2023.03.01
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屏里狐 The Screen Foxes第5話不正を働きながら宮廷絵師大会で1位となった張啓鳴(チョウケイメイ)。鄭雪景(テイセツケイ)は急いで引き上げた張啓鳴を怪しみ、こっそり後をつけた。すると張府園(チョウフエン)の裏門で張大山(チョウダイサン)が龐南(ホウナン)への心付けを準備して待っている。「父上、計画通りです」「そうか、早くこれを龐大人(ダーレン)に届けて来なさい」馬車には金銀財宝が入った大きな箱が山のように積まれていた。張大山は息子が宮廷絵師の肩書きを得たことで、屏風店はこれ以上の大儲けができるという。その時、2人の話を全て聞いていた雪景が現れた。張大山は使用人に雪景を地下室へ閉じ込めるよう命じたが、そこへ余琰(ヨエン)が駆けつけ、使用人たちを投げ飛ばしてしまう。「戦うのも面倒だ、″私の者″を連れ帰る…行くぞ!」余琰はまだ納得がいかない雪景の手を取り、引っ張って行った。雪景は張啓鳴を懲らしめられず、怒りがおさまらなかった。しかし白笙(ハクショウ)は力より策で勝負すべきだという。「問題は張親子というより審査官にある」確かに余琰の指摘は正しかったが、雪景は朝廷の重臣相手では手も足も出ないと憤った。実は今回、審査主官を任された龐南は昇進したばかりだという。以前は張冀北(チョウキホク)の担当だったが、急に辞職して故郷へ帰っていた。その夜、雪景たちは張冀北から話を聞くため張府にやって来た。しかし正門は固く閉ざされている。「手を貸せ」余琰は雪景の手のひらに護符を書いて握りしめた。「決して離すな」すると人間の雪景も3人と一緒にするりと門を通り抜けてしまう。張冀北は突然の来客を警戒した。しかし雪景がかつての宮廷絵師・鄭元善(テイゲンゼン)の娘だと知って歓迎してくれる。雪景は今回の選抜大会で不正が行われたと訴えたが、張冀北が辞職したのも選抜大会で横行する不正に嫌気が差したからだった。「張啓鳴の描いた絵は子供の落書きでした、1位は無理です!」「そう言うことなら2次選抜の絵さえ入手できれば私が上奏しよう」すると余琰が取りに行くと申し出た。「白笙はここで待っていてくれ、小黒と行って来る」余琰と小黒は龐南の屋敷に潜入した。するとちょうど皇太子を招いて酒宴を開いている。「張大山は本当に金持ちだな、我らは大金を得た…とりあえずは手なずけておけ もっと太らせてから一族皆殺しの上、財産を没収しよう」「さすがは殿下!」実は龐南の後ろ盾は皇太子だった。その時、運良く龐南が笑い話の種に張啓鳴の絵を皇太子に見せることにする。余琰は龐南が厳重に管理された絵を出したところで部屋のろうそくを消し、方術で姿を隠して中に入った。侍女が慌てて火をつけた時には2次選抜の絵が盗まれていた。皇太子は不正がばれるのを恐れ、張啓鳴に重病を装って家から一歩も出るなと命じる。一方、余琰と小黒は盗んだ絵を持って張府に戻った。しかし張啓鳴の絵は見事な山水画とすり替えられ、本人が描いた鶏の絵には張啓鳴の署名があったものの、龐南と御画館の印章がない。張冀北は証拠として弱いと言ったが、雪景のため人肌脱ぐことにした。雪景はこの機会に父の死因を知っているか張冀北に尋ねてみた。当時、張冀北は御画館の絵師だったが、宮中にはかん口令が敷かれ、大事だったことしか分からないという。「そうですか…」「ともかく明朝、この絵を持って陛下に拝謁しよう、鄭源に準備をさせなさい」張冀北は不正を暴くため、御前で鄭源と張啓鳴に絵を描かせることにした。その夜、なかなか寝付けなかった雪景は部屋を出た。すると裏庭の涼亭で独り酒を飲む余琰を見つける。「あなたも眠れないの?何か悩み事?」「…この世に私を好きな者はいるか?」余琰はふいに脳裏をよぎる娘のことが気になっていた。「短気だし顔は怖い、好かれる要素がある?ふふっ」今や雪景の憎まれ口にもほっこりする余琰、そこでなぜここまでして絵師になりたいのか聞いた。雪景はもちろん父の遺してくれた家業を守るためだと言ったが、実は父の死の真相を調べるため、宮中に入ることが目的だという。「でも辛いから言いたくない」「話してみろ、もしかしたら力になれるやも…」雪景の父は宮廷御用絵師で当時は鄭家屏風店も繁盛し、親子3人で幸せに暮らしていた。そんなある日、皇后の絵を描いていた父が急死、骸だけが戻って来る。絵の才能があった雪景は父の後を継いだが、子供の絵など誰も買ってくれるはずもなく、母は心労がたたってほどなく亡くなった。「母さんが父さんは濡れ衣を着せられ死んだと言ってたの、父さんの潔白を証明したい」余琰は雪景がずっと1人で耐えてきたのだと知った。しかし雪景は余琰たちと暮らし始めたおかげで久しぶりに楽しいという。「嫌な過去は忘れましょう?これからは前を向いて歩くの!」隠居したはずの張冀北が皇帝に謁見した。何でも選抜大会の審査主官・龐南が賄賂を受け取って不正を行ったという。しかし確たる証拠がないと知り、龐南はとんだ言いがかりだと反発した。つづく( ๑≧ꇴ≦)余琰の眼光のアップとか分かってますな~w
2023.02.28
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屏里狐 The Screen Foxes第4話魔化した小柒(ショウシツ)に踏み付けにされ、危機一髪の余琰(ヨエン)。白笙(ハクショウ)と小黒(ショウコク)が助け出そうとするも、その凄まじい妖気に吹き飛ばされてしまう。すると無謀にも鄭雪景(テイセツケイ)が駆けつけ、小柒の足にしがみついた。「放して!放して!…殺すなら私を殺して!」余琰は自分のために命乞いする雪景の姿に驚きながら、ふいにまた昔の記憶が蘇った。…桃児(トウジ)、この妖怪を殺さぬ限り悪縁を絶てぬのだ!…母上、私の過ちなのです、殺すならこの私を!どうやら以前、同じように誰かが自分をかばってくれたことがあったが、顔が思い出せない。その時、雪景が小柒の足に噛みつき、怒った小柒に投げ飛ばされてしまう。余琰は小柒の足が離れた一瞬の隙に飛び出して雪景を抱き止めたが、そのまま2人は柱に激突した。もはやこれまでか。そう思った矢先、小柒の身体がついに限界に達してしまう。小柒は様子がおかしくなり、その場で苦しみ始めた。そこで余琰たち3人は力を合わせて白雷陣を敷き、小柒の妖気を抑える。しかしその力があまりに大きく、陣が持ちそうになかった。そこで余琰は雪景に霊犀(レイサイ)屏風を呼ぶよう頼む。雪景が心の中で屏風を呼ぶと、屏風の幻像が現れ、凄まじい力で小柒を持ち上げた。その時、護符が小柒の足の裏に貼られていると分かる。夢仙・封月(フウゲツ)は危険を承知で弟の足の裏から護符を剥がしたが、激怒した小柒の一撃を頭に受け、落下した。護符が取れた小柒は少年の姿に戻った。しかし姉との再会を果たしたのも束の間、封月は弟の腕の中で息絶えてしまう。封月は消散、蜘蛛に変化した。しかし真身(シンシン)に戻った封月は現実世界に属し、夢の世界には戻れないという。そこで小柒は雪景に姉を飼って欲しいと頼んだ。雪景は蜘蛛を引き取ると決め、必要な時は訪ねて欲しいと伝える。「ありがとう…この恩はいつか必ず返します」雪景は余琰の警告を無視し、感情的になって皆を危険に晒してしまったと謝罪した。余琰は何も言ってくれなかったが、小黒と白笙はこうして無事だと笑う。すると蜘蛛が不思議な色を放った。「白笙?この蜘蛛、何だか変わっているわ」「宝蜘娘(ホウチジョウ)と言って毎冬一度、糸を吐き、その糸で蛛糸段(チュウシダン)が織れる」「蛛糸段?…あ!昔、父さんが最高に美しい屏風を作ったの、その時に蛛糸段を使っていたわ 雪のように白い生地に墨汁と顔料で絵を描いたの」帰り道、余琰はつまずいて転びそうになった雪景を支えた。「なぜ私を助けた?」「相手が誰でも同じ事をしたわ、目の前で誰かが殺されかけていたら放っておけないもの」「…お前は本当に人間か?」「何それ?悪口?」「人間と言えば身勝手で私欲にまみれ、計算高い奴ばかり…ろくなヤツはいない」「何事も善と悪がある、悪い人間もいれば善い妖怪もいるわ」「そう思うか?」「もちろん、でも悪人より善人の方が多いはずよ、妖怪だってそうでしょう?」「ふん…おめでたい奴め」雪景は鄭源(テイゲン)として宮廷絵師選抜大会の第2次選抜に臨んだ。今回は命題がなく、自由に好きな絵を書く。中庭には犬に化けた小黒と白狐に化けた白笙が張啓鳴(チョウケイメイ)の不正を見張っていた。するとしばらくして張啓鳴があらかじめ用意していた水筒に筆を浸して紗にかけると絵が浮き出してくる。そこで白笙と小黒は参加者の男に取り憑き、張啓鳴が不正をしたと訴えた。「張啓鳴の筆に問題があります、調べてもいいですか?」審査官の龐南(ホウナン)は動揺し、不正を疑うなら絵と筆を没収して新しい絵を描かせるという。雪景は高みの見物、やがて制限時間がきたが、張啓鳴が描いたのは雌鶏(メンドリ)のような雄鶏(オンドリ)だった。(´゚艸゚)∴ブッ<画伯雪景は明日の宮廷絵師の発表を独りで見に行くと決めた。「皆はここで朗報を待っててね」すると余琰が張啓鳴に会ったら用心するよう助言する。「大丈夫、城門には兵士がいるから」そんな余琰を見た白笙はようやく余琰が心を開き始めたのだと分かった。「雪景が心配か?」「ぅ…うぉ…もう寝る!」しかし結果は鄭源が第2位、不正を働いた張啓鳴が第1位だった。雪景は役人も張啓鳴とグルだと気づき憤慨、すると張啓鳴が勝ち誇った顔でやって来る。「従弟の鄭源は落選を知っておうちで泣いているのかな?ふふっ」「あんたが不正をしなければ鄭源が1位よ! あんたにあるのは悪事の才能だけ、恥知らずな父親と同じね!」張啓鳴は激怒したが、その時、使用人が何やら耳打ちした。すると珍しく張啓鳴はおとなしく引き上げてしまう。つづく
2023.02.28
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屏里狐 The Screen Foxes第3話男装して宮廷絵師選抜大会に参加した鄭雪景(テイセツケイ)。第1次選抜で富豪の息子・張啓鳴(チョウケイメイ)の不正に気づいたが証拠がなく、何事もなかったかのように試験は終わってしまう。すると皇宮を出たところで張啓鳴に呼び止められた。「いいか?どうせ1位に選ばれるのはこの私だ、その座は誰にも奪えぬ、さっさと帰りな!」雪景は卑怯者に思わず唾を吐きかけたが、激怒した張啓鳴に突き飛ばされ、殴る蹴るの暴行を受けてしまう。しかし突然、余琰(ヨエン)が現れ、張啓鳴の首を締め上げ、懲らしめてくれた。その日も余琰は鄭家屏風店に戻ってこなかった。雪景は白笙(ハクショウ)に余琰から脅され、その後に助けられたと教える。「悪いヤツではない、短気だが心根は善良だ ただ人の世でいろんな感情にもまれたから、生きやすくするために周囲に壁を築いているのだろう」そうは言っても白笙も余琰の身に何があったのかまでは知らなかった。実は霊犀(レイサイ)屏風にはある規則があり、36刻ごとに屏風に戻って6刻ほど休まねば元神が消滅してしまうという。雪景は早く連れ戻さないと余琰が死んでしまうと心配したが、どう接したらいいのか分からなかった。すると白笙は余琰には″柔よく剛を制す″だと助言する。「いいわ、平和な関係と私の安全のために試してみる」「きっとできるよ」翌朝、小黒(ショウコク)が合格者の名簿を持って雪景を起こしに来た。「ほら見て!」「終わった___鄭源(テイゲン)の名前がない、落ちたんだわ!」雪景が号泣していると、白笙が駆けつけ、名簿を確認した。しかしよく見てみるとその名簿には″都の十大暴行魔手配書″と書いてある。「小黒コイツッ!」肝を冷やした雪景だったが、急いで城門へ結果を見に出かけた。すると確かに″鄭源″の名前がある。「合格したわ…合格よ!」雪景は人垣をかき分けながら飛び出すと、喜びのあまり勢いに任せて誰かに抱きついた。雪景が抱きついたのは偶然にも結果を見に来ていた余琰だった。その時、余琰は以前も同じように誰かが自分に抱きついたことがあったと思い出したが、相手の顔ははっきりと分からない。「ぁ…あなただったの?!なぜここに?」「さっ、散歩だ」「散歩?…ふふ、今日は機嫌が良いの、昨日の件は水に流してあげる さ、帰ろう!ご馳走するわ」雪景はやけに馴れ馴れしく余琰の肩に手を回し、有無を言わせず連れて帰った。久しぶりに狐仙3人と食卓を囲んだ雪景、すると余琰があの張啓鳴も合格していたと教えた。雪景は驚く様子もなく、審査官の龐南(ホウナン)が不正をした張啓鳴を庇ったところ見ると不思議ではないという。確か張啓鳴本人も自分が1位になると豪語していた。宮中絵師になれるのは優勝者1人、雪景は張啓鳴が宮中の誰かとつながっているのは確実だという。そこで白笙は小黒と一緒に2次選抜へ行き、張啓鳴の不正を見張ると決めた。「そんなことできるの?皇宮なのよ?」「大丈夫、天上の皇宮は行き尽くしてるから」実は小黒の父は二郎神(ジロウシン)の家来である九天神犬(キュウテンシンケン)・哮天犬(コウテンケン)だった。母が九尾の狐仙のため、小黒は狐にも犬にもなれるという。その時、上階の部屋から物音が聞こえた。余琰と白笙は2階から逃げようとしていた夢仙(ムセン)・封月(フウゲツ)を捕まえた。性懲りも無くまた霊犀屏風を盗みに来たらしい。「なぜ私が夢仙だと分かったの?」「お前に妖気はなく、武器は蜘蛛の糸だからな」夢仙は狐仙と同じように妖道は脱したが、まだ半人前の神仙で、人の夢を編むという。それにしてもこれまで本分を守ってきた夢仙一族がなぜ霊犀屏風を奪おうとしたのか。すると封月は弟を救うため、どうしても屏風が必要だと訴えた。封月の弟・小柒(ショウシツ)は崑山(コンサン)道観の帰元(キゲン)道長に捕まっていた。なんでも富を増やすために″座敷わらし″にされ、張大山(チョウダイサン)の家に監禁されているという。実は張大山は張啓鳴の父親だった。雪景の父が亡くなってから屏風店の商売が下り坂になった頃、両替商だった張大山が屏風店を始め、開業2年で都一の富豪に上り詰めたという。もちろん封月は弟を助けに向かったが、道長の法力が強く、手も足も出なかった。「弟を助けてやって!急がないと弟は魔道に堕ちてしまうわ!」そこで雪景は狐仙の強い法力で救えるのか聞いた。白笙と小黒は協力を申し出たが、余琰が誰も行くなと反対する。「この世の苦しむ者を全て救うことはできぬ」「余琰!見かけは冷淡でも心は善良だと思っていたのに…心も見かけも冷酷無情なのね!」「ああ、私は冷酷で無情だ しかし様子も分からぬ場所へ我らを行かせる自分はどうなんだ?! 我ら3人が殺されてもお前は善良と言えるのか?」余琰の鋭い指摘に返す言葉も無い雪景、すると白笙が道長とは対決せずに弟だけを密かに助け出そうと提案した。しかし余琰はヘソを曲げてどこかへ行ってしまう。その夜、雪景たちは封月の案内で張府に忍び込んだ。しかし弟を助け出す間もなく帰元道長に見つかってしまう。白笙と小黒の法力でも帰元道長に歯が立たず戸惑う雪景、その時、屋敷の屋根に余琰が現れた。帰元道長は″余琰″と聞いて驚いた。「どこの余琰だ?!」「定風(テイフウ)山の大王・余琰だ、狐名を赤煞(セキサツ)大人という」「やはりあの狐妖か…私の師匠が100年、探していたぞ?成敗して師匠に引き渡す!」すると余琰が中庭に飛び降りてきた。しかし監禁されていた小柒がついに魔道に堕ち、窓を突き破って現れる。驚いた道長たちは退散、封月は弟に駆け寄ったが、魔化した小柒はもはや姉を認識できなかった。大男になった小柒は姉に一撃を与えた。そこで余琰は小柒を止めようと百会を突いたが、腕をつかまれ投げ飛ばされてしまう。倒れた余琰を踏みつける小柒、白笙は簫で小柒を止めようとしたが、凄まじい魔気を押さえ込むことはできなかった。つづく( ๑≧ꇴ≦)弟はハルク、道長はEXILEw
2023.02.26
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屏里狐 The Screen Foxes第2話やむなく食い逃げした鄭雪景(テイセイケツ)たち。するとその帰り道、告示で宮廷絵師の選抜大会が開かれると知る。一方、ひと足先に鄭家屏風店に戻った赤い狐・余琰(ヨエン)は自分を封じた霊犀(レイサイ)屏風を眺めていた。そこへ雪景を立ち退かせようと叔父が使用人を連れて乗り込んでくる。叔父はちょうど裏庭にいた男に雪景を呼ぶよう命じたが、余琰は無視した。そこで叔父は使用人を勝手に上階の自宅へ行くよう命じたが、余琰の方術で吹き飛ばしてしまう。驚いた使用人たちが逃げ帰ると、ちょうどそこへ雪景たちが帰って来た。雪景は叔父に支払いを待って欲しいと頼んだ。実は従弟の鄭源(テイゲン)が絵師選抜大会に参加するという。絵師に選ばれれば屏風の商売も上向いて家賃も払えるはず、そこで雪景は10日ほど待って欲しいと頼んだが、叔父は辛辣だった。「何を言う?もともと俺の家だ!何年も居座ってその上10日くれだと? 今すぐ店にあるボロ屏風を持って消えろ!」「ぼろ屏風じゃない!どれも私が心血を注いで絵を描いたのよ?!」「売れ残りだろう?お前も同じじゃないか だいたいどこの子かも分からないお前のせいで姉夫婦は死んだ、銭も男も失ったくせに…」雪景への暴言を聞いた黒い狐・小黒(ショウコク)は激怒した。しかし術が解けて足が消え、宙に浮いてしまう。すると叔父は妖怪だと叫び、家ならやると叫んで逃げて行った。従弟の鄭源とは雪景のことだった。実は選抜大会には男しか参加できないため、男装して行くという。白い狐・白笙(ハクショウ)は自分たちがいれば苦労せずに済むと言ったが、雪景は自分の力でやり遂げることが信念だと答えた。審査に向けて準備に余念がない雪景、一方、余琰は独りで出ていったまま、戻って来なかった。選抜大会当日、白笙は男装した雪景に方術をかけ、身体も男に変えた。「はっ!元に戻るわよね?」「もちろん」しかし雪景は宮中へ向かう途中、後をつけて来た余琰に連れ去られてしまう。雪景が目を覚ますと海岸の岩場にいた。すると余琰が雪景を結界の中に閉じ込めてしまう。「出たいなら契約解除の方法を言え!言わぬならここにいろ!」「だから言ったでしょう?霊犀屏風のことも解除のことも何も知らないの!」「人はこの世で最も信じられぬ生き物だ、人を信じたら生きていけぬ!」余琰は契約を解除するには雪景を殺しかないと言った。「私を恨むな、機会は与えたぞ」その時、空中に屏風の幻像が現れ、主を傷つけようとした余琰に厳しい罰を与えた。しかし苦しむ余琰を見た雪景が慌てて屏風を止めてくれる。「なぜ…助けた?」「私はあなたとは違う、すぐ殺したりしない」雪景は屏風に皇宮へ連れて行くよう命じ、無事に審査の時間に間に合った。宮廷絵師選抜大会が始まった。第1次選抜では10人が選ばれ、結果は明日、城門に張り出されるという。今回のお題は″天宮″。参加者たちは黙々と絵を描いていたが、終了まで半刻という時、張啓鳴(チョウケイメイ)が急に喉が渇いたので水が欲しいと頼んだ。すると張啓鳴は水の中に何やら粉を入れて溶かし、それを紗にかけるとみるみる絵が浮き上がる。ちょうど斜め後ろで絵を描いていた雪景は呆然、不正だと叫んだ。「この目で見ました!この絵も水も怪しいわ!」しかし水を渡した審査官の龐南(ホウナン)が自分まで疑うのかと憤慨し、これ以上、騒げば失格だと脅す。「試験を続けるぞ!」つづく
2023.02.26
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屏里狐 The Screen Foxes第1話…ここ神来酒館(シンライシュカン)は妖魔たちが集う異世界の酒楼するとその夜、泥酔した人間の娘がふらりと店に迷い込んできた娘はよほど辛いことがあったのか、席につくなり給仕が持っていた麓角(ロッカク)酒を奪って一気に飲んでしまうやがて上階から女将が降りて来た「お静かに!これから屏風の絵比べを始めるわ、でも参加できるのは8人までよ」実は妖魔たちの目当ては絵比べで優勝し、壇上にある霊犀(レイサイ)屏風を手に入れることだったしかし挑戦できるのは麓角酒を飲み終えた8人だけ、条件を知らされなかった妖魔たちは不公平だと抗議する「お黙り!規則は女将の私が決める、文句があるならかかって来な!」壇上で絵比べが始まったしかしどの絵にも霊犀屏風は反応を示さず、優勝者はなしと判断されてしまうその時、店にいた夢仙(ムセン)は物陰に潜んでいた妖気が酔い潰れた人間の娘に取り憑つくのを見たすると娘は急に酔いが覚め、女将に自分がまだ絵を描いていないという娘は壇上までひとっ飛び、不思議な筆を招喚し、霊犀屏風に直接、絵を描き始めた屏風に描いたのは赤・白・黒の狐、すると娘の身体から妖気が離れ、ふいにしらふに戻るその時、突然、屏風が金色の光を放った女将は屏風が娘のものになったと驚いたが、納得できない妖魔たちが一斉に壇上へ押し寄せる娘は慌てて妖魔たちと逆行して逃げ出したが、そのまま卒倒した…翌朝、鄭雪景(テイセツケイ)が目を覚ますと自分の寝台で寝ていた。「ふう~夢だったのね、驚いた、怖かった~」「主人、お目覚めですか?」雪景が振り返ると見知らぬ白衣の青年が立っていた。さらに奥の部屋から紅衣の青年が現れる。しかし2人は人ではなく、雪景が屏風に描いた狐仙だった。昨夜、雪景は想い人から突然、別れを告げられ、独りやけ酒を飲んでいた。すると雷雨の中、三叔が訪ねて来る。『家賃を払わぬなら出て行け!』『この屏風店は母さんが私に遺してくれた家よ?』『母さんだと?…姉はお前の養母だ、だからお前と我が家は無関係だ! 鄭雪景、家の証文は俺が持っている、家賃を払わぬなら明日、出て行ってもらう!』『出て行かないから!』傷心の雪景は酒をあおりながら街をさまよい、気がつくと酒楼に入っていた。霊犀屏風はいつの間にか屏風店の裏庭に置いてあった。屏風には赤白黒3匹の狐、雪景は夢ではなかったと気づく。すると梁に隠れていた黒い狐が現れた。しかし黒い狐だけなぜか足がなく、宙に浮いている。「みんなは本当に絵の中の3匹の狐なのね?」黒い狐の小黒(ショウコク)は人懐っこく、可愛げがあった。白い狐の白笙(ハクショウ)は礼儀正しく、穏やかで優しい。しかし赤い狐の余琰(ヨエン)は山の大王だったせいか横暴で気が短かった。実は狐たちは烏角(オカク)先生の武器・御仙筆(ギョセンヒツ)の中に閉じ込められていた。しかし昨夜、雪景がその筆で屏風に狐の絵を描き、3人を封印してしまったという。「霊犀屏風は天下一すごい妖魔封じの宝物だ、封じられた妖魔は封印した者と主従関係を結ぶ 今後10年、我らは主人の従者となり、契約が満了したら自由の身になれる」余琰は直ちに契約を解除しろと迫ったが、雪景は解除も何も封印した覚えがない。その時、昨夜の酒楼にいた夢仙が屏風を奪いにやって来た。余琰と白笙に反撃された夢仙は退散したが、安心したのも束の間、人間の娘が霊犀屏風を手に入れたと知った妖魔たちが大挙して屏風店に押し寄せる。「あの娘は屏風を使えぬ、襲うぞ!」そこで白笙は主人に屏風の使い方を伝授した。「私の言葉を復唱して、″霊犀屏風よ、魔を封じよ″」「霊犀屏風よ、魔を封じよ!」雪景は屏風に手を置いて無我夢中で呪文を唱えると、驚いたことに屏風が妖魔をあっという間に吸い込んだ。狐仙たちはこれから10年、主従関係を結んだ雪景に仕え、主人の願いを叶える手伝いをすることになった。しかし納得がいかない余琰は雪景への怒りを爆発させる。「私は御仙筆の中に99年364日、封じられていた あと1日で解放されたのに、お前が封印を解いて今度は屏風に封じ込めた お前に10年も仕えたいと思うか?!」困惑した雪景はそもそもどうして筆に封印されたのか聞いた。実は白笙も余琰が封印された理由を知らなかったが、余琰は記憶がなく覚えていないという。白笙は叶えたい望みがあれば教えて欲しいと言った。妖魔たちもこの主従契約が目当てで屏風を欲しがっているという。すると雪景はひとまず今の望みは何か食べることだと答えた。しかし宙に浮いている小黒を連れて町に出るわけにいかない。そこで白笙は2本の棒に術をかけて足を作り、今度は余琰が術をかけて動くようにした。「だが3刻しかもたぬぞ」雪景は狐仙たちと町に出かけた。すると眉目秀麗な3人の姿に町中の娘たちが足を止めて見惚れている。「どうしてみんな何も言わないのかしら?」「違う容姿に見える方術をかけた、他の人間は私たちが普通の民に見えている」余琰は白笙と話しながらのんきに前を歩いている小娘が気に入らなかった。そこでこっそり方術で悪さをするが、白笙が危ないところで雪景を助けてしまう。「危なかった~今日はついてないわ!」「…余琰、もうよせ」( ゚д゚)<あいつがやったの?!白笙は実は余琰にはまだ心魔が残っていると教え、用心するよう警告しておいた。雪景たちは鳳陽酒楼でたらふく食べた。しかし誰も銭を持っていないと分かる。「…妖魔でしょう?銀子を出して!」「人を騙すことはできないんだ」悪事のせいで封印された狐仙たちは大小を問わず悪いことはできなかった。すると余琰は何事もなかったかのように席を立ち、出て行ってしまう。結局、雪景たちは食い逃げした。すると偶然、城門近くの告示で絵師の選抜大会が行われると知る。つづく〓〓みんなの歌〓〓狐狸精 狐狸仙ふりじ〜ん ふりしぃぇ〜ん千年修行万年间ちぃぇんにぃぇんしぅ〜しんまんにぃぇんじぃぇ〜ん火红呀 如初阳ふぉほんや〜 るーちゅや〜ん霸气呀世无双ばちやし〜う〜しゅぅぁ〜ん霸气呀世无双ばちやし〜う〜しゅぅぁ〜ん世无双し〜う〜しゅぅぁ〜ん( ๑≧ꇴ≦)未だに歌える私!w
2023.02.23
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