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【現代劇】イジワルな君に恋をした~Sweet First Love~全24話 24
燕雲台-The Legend of Empress-全48話 48
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白发 Princess Silver最終話「山河の志」容楽(ヨウラク)@漫夭(マンヨウ)はついに秦漫(シンマン)の記憶を取り戻した。そして容斉(ヨウセイ)が自分を解毒するため、命を差し出したと知る。容斉からもらった木彫りの人形を握りしめ、泣き崩れる秦漫…。一方、正殿では苻鴛(フエン)が玉座に座っていた息子がすでに死んでいると知り、呆然と立ちすくんでいた。そんな主人を横目に林申(リンシン)は痕香(コンコウ)@秦湘(シンショウ)に容楽の子供を火にくべるよう急かす。「はお…」痕香は短剣をふりかざし、かごを繋いでる紐をひと思いに切断した。しかし瞬時に紐をつかんでかごを引き寄せ、姉の子供を救出することに成功する。それを合図に宗政無憂(ソウセイムユウ)と傅筹(フチュウ)@宗政無筹が天仇門(テンキュウモン)に襲い掛かり、痕香を援護した。痕香は姉の子をかばい、林申の掌(ショウ)をまともに受けて階下まで吹き飛ばされたが、子供を守りきった。そこで宗政允赫(ソウセイインカク)に孫を託して自分の娘を迎えに行こうとしたが、途中で倒れてしまう。一方、傅筹も林申が腕に仕込んでいた暗器に刺されていた。すると念児を救出した無憂が傅筹にかごを渡し、先に逃がす。傅筹は息も絶え絶えに父に念児を託すと、痕香の側へ何とかたどり着いた。「…よくやった、よくぞ2人の子供を守り抜いてくれた…」「阿筹…来世でも…あなたを探すわ…」痕香はついに事切れ、そのままばったり倒れてしまう。「来世では…私と出会うな…」その頃、無憂は林申と一騎討ちになっていた。卑怯にも林申は暗器を放ったが、無憂は瞬時に避けることに成功する。そして最後は無憂が林申を思い切り蹴り飛ばし、吹き飛んだ林申は石段の縁に激突、頭を強く打ち付けて絶命した。無憂は急いで階下に駆けつけたが、傅筹は毒矢を受けてすでに手遅れだと知る。「念児…」それが傅筹の最期の言葉となった。…無憂、これで貸し借りはなしだ…私は幸い、恨みの闇に飲み込まれる前に光に照らされたそこへ宗政無郁(ソウセイムイク)と無相子(ムソウシ)たちが駆けつけた。宗政允赫は息子たちと再会するまではと持ちこたえてきたが、2人の孫を託してついに倒れた。無憂と無郁は慌てて父を支えたが、もはや風前の灯だと知る。「この罪業のけりは私がつけるべきだ…かつて私は国を再興するため、人の感情をもてあそんだ それがもとで息子たちに殺し合いをさせてしまうとは… 太子や無筹…お前たちの子供も…皆、罪のない犠牲者でもある お前たち兄弟は私の過ちを忘れるな…今後も民を裏切らず、期待に応えよ…」その時、宗政允赫の目に前に愛しい人が現れる。「雲児(ウンジ)…」こうして北臨(ホクリン)帝・宗政允赫は笑顔の雲児に迎えられるように旅立って行った。「父皇ーーーっ!」無郁の悲痛な叫びが宮中に響き渡った。苻鴛は長年、憎しみ続けた宗政允赫の死を見届け、自業自得だと罵る。父を侮辱された無憂は激昂したが、未だ漫夭を見つけられずにいた。「黙れ!漫夭はどこにいる?!」「宮中を探しても見つからなかったのでしょう?だったら…死んだのよ」しかしその時、漫夭がゆっくりと正殿に向かって歩いて来るのが見える。安堵した無憂は漫夭へ駆け寄ったが、なぜか漫夭は無憂を一瞥もしなかった。秦漫はたった1人の家族だった秦湘の死を知った。そしてふらふらと石段を登り、玉座に座っている容斉を見つける。「斉哥哥…今行くわ…」「お待ち!なぜ?なぜお前が生き延びて、息子が死ぬの?」苻鴛は秦漫の前に立ちはだかり、これまで息子に最も貴重な薬を与え続け、延命してきたと訴えた。その時、秦漫は気づく。「斉哥哥…母后に疑われないかと恐れたのね、母后が解毒の邪魔をする可能性があったから… 自分の血と命を私に捧げた…亡骸になってもまだ私を守ろうとするなんて…」「まさか…不可能!あり得ない!」「斉哥哥、あなたのことを忘れてごめんなさい、とても後悔している…」「なぜ一緒に死ななかったの?!息子に尽くされる資格があるとでも?!」激昂した苻鴛は秦漫につかみかかり、突き飛ばした。階下で様子を見ていた無憂は驚き、咄嗟に石段を駆け上がって漫夭を苻鴛から引き離す。「…お前は蝎寒散(カツカンサン)の毒に冒され死ぬはずだった 斉児がお前に薬入りの菓子を食べさせたから、白髪になるだけで済んだのよ… お前のせいであの子がどれだけ苦しんだか…」「あなたは母親失格よ…」「ふっ…ふっふっふ…私のしたことなど、たかが知れている 斉児が何よりも苦しんだのはねえ、お前が宗政無憂を愛していると知った時よ! あの子はお前を救うため、別の男の元へと送り、お前に恨まれても黙って受け入れていた!」言葉を失う秦漫、すると憤慨した無憂が苻鴛に剣を差し向けた。「すべての元凶はお前だ!…確かに私の父は罪深い だがお前は母に許され、無筹から敬われ、漫夭にも助けられた、天下の民からも守られてきた それなのにお前は大勢の者を陰謀に巻き込み、国同士の戦まで引き起こそうとした 民に何の罪がある?自ら恨みにとらわれたなら、結果は予想できたはず…」「私の気持ちなど分かるものですか!あははは~全てを失ったわ~あははは~!」苻鴛は気が触れたように高笑いすると、自ら炎の中に身を投げた。秦漫はかつて愛した容斉の元へ向かった。そして息絶えた容斉の目をそっと閉じ、愛おしそうに抱きしめる。…私では幸せにできぬ、ならばそなたの幸せに尽くす…漫児、私を許してはならぬ、恨み続けよ…憎い者が去るなら辛くはないはずだ漫児は今になってようやく容斉の最期の言葉の意味を知り、涙に暮れた。宗政無筹と秦湘は美しい花々に囲まれながら眠っていた。その日、墓参りにやって来た無憂は母譲りの土笛を披露する。「無筹、母妃に教わった曲だ、気に入ったか? 母妃は生死不明の子を思うたび、この曲を吹いていた…お前が生きている間に聴かせたかったよ」そこへふいに蕭煞(ショウサツ)が現れた。「漫夭はまだ西啓から離れたくないと?」「王妃はずっと寡黙で、茶室や冷宮を行き来なさっています…」「そっとしておけ、過去のことや悔恨の念はそう簡単には消えぬ 以前なら無理にでも連れ戻しに行った…だが時は流れた、いずれ気づくだろう ″執着を捨てれば己を許せる″と…」「殿下、実は西啓帝が殿下宛ての文を残しています」すると容斉の太監だった小荀子(ショウジュンシ)が現れた。実は黎(レイ)王だけに見せるよう、西啓帝から頼まれていたという。…黎王殿下、変わりはないか?…私はじきに死ぬが、心残りが1つだけある…私と殿下はあまり親交がなかったが、懐の深い殿下にしかこの思いは託せぬ…母の罪は息子の私が命をもって償いたい…犠牲者たちが母を許し、恨みを忘れるよう願う…私と漫児の縁は尽きていた、今の漫児は黎王だけを愛している…どうか約束して欲しい、生涯、漫児を愛し、添い遂げると…そして西啓の民は貧しく、苦しみにあえいでいる…私が死ねば国は滅びるだろう、どうか黎王に仁愛の心で万民を受け入れて欲しい秦漫は容斉を忘れた後悔から今も西啓に暮らし、容斉を弔う毎日だった。その日は思い出の山荘で過ごし、ここで容斉の墓を守ってくれている蕭煞に感謝する。「私もずい分、悔やみました… あの時、陛下が宸(シン)国へ王妃を迎えに行ったのは、解毒法を見つけたからだったのですね 私が陛下を信じていたら状況は違ったのやも…」「いいのよ…あの毒が″天命″という名前なのは、運命を選ばせるからなのね ある者は我が子を犠牲にして己の命を救い、ある者は自ら犠牲になり人の命を救う… 斉哥哥は後者だった、自分が短命と知るからこそ、人々の苦しみにも心を寄せることができたの 人のために犠牲になることもいとわずに…」秦漫はひとり今年の青梅酒の味見をした。「今年は去年のよりずっと甘いわ…あなたの願いは来世で叶うかしら? 来世は普通の民に生まれ、病苦にさいなまれず、愛する人と平凡でも幸せな人生を送って欲しい」無憂はその日も土笛を吹きながら臨安(リンアン)門の様子を見に出かけた。するとついに馬車の前に立つ笑顔の漫夭を見つける。2人は同時に走り出すと、無憂は漫夭を思い切り抱きしめた。かつて仮面をつけて北臨にやって来た西啓公主・容楽…。当時、いきなり陳(チン)王から揶揄されたのが昨日のことのように思い出される。しかし今度は無憂の妻として添い遂げるため、秦漫は漫夭としてこの門をくぐることになった。宗政無郁(ソウセイムイク)は蕭可(ショウカ)の″郁可(イクカ)無料診療所″を手伝っていた。しかし今や国が豊かになり、医館に来る民も減っている。「私も気楽だ~自由気ままな暮らしは長年の夢だったんだ」「どうせ妓楼に通いたいんでしょう?」「ぁ…やきもちか? 政務のため数年間、各地を回っていたが、帰京してから別の女子とは口も利いていないぞ?」患者の治療に人生を捧げると決めた蕭可、無郁も爵位を捨てて蕭可を支える道を選んだ。あとは蕭可が嫁ぐと決心してくれるだけだったが、漫夭がきっかけを作り、無郁はなかば強引に婚儀を決めてしまう。博古(ハッコ)堂では遊歴から戻った洛顔(ラクガン)が師となっていた。「今日は″山河志″の話を…黎王と王妃の縁を結んだ書よ…」しかし子供たちに渡された山河志には何も書いていない。戸惑う宗政嬴(ソウセイエイ)と念児(ネンジ)、すると無憂と漫夭が現れた。「昔の山河志には山水画と手遊(テスサ)びに書かれた詩が記されていただけだ…」「父亲!母亲!」「叔父、叔母」実は山河志はもともと秦永(シンエイ)が2人の娘のために作った教本だった。天下を思う心を忘れさせないよう″山河志″と名付けたが、優れた兵法書だと誤った噂が流され、多くの国が手に入れようと一大事件になってしまう。結局、秦永の富国強兵の策とは天下の民への思いやりを失わず、勇気と知識と知恵で国を治めるというものだった。「今度はあなたたちが成長するまでに、この空白を抱負と展望で埋める番よ」洛顔は子供たちにそう教えると、″大雅(タイガ)″の″文(ブン)王″の暗唱を始めた。乾臨(ケンリン)宮で宗政無憂の即位式が行われた。これまで日陰の身だった無相子(ムソウシ)や南境で漫夭を追及した曹(ソウ)氏は今や、重鎮として朝廷を支えている。そして范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)や冷炎(レイエン)も無憂と漫夭の晴れ姿を笑顔で見守った。…無憂、私たちは不運にも乱世に翻弄され、他人の罠に落ちた…それでも幸い″山河志″を忘れず、太平の世を築けたわ…定められた運命などない、人の運命は結局、自分で決めるもの…ある者は茫然自失し、ある者は己に背き、ある者は道を誤り、ある者は改心する…ある者は何かを探し、ある者は自らを犠牲にした…今の望みはあなたと添い遂げることだけ…私たちが選んだ道をしっかりと踏みしめて行きたい完( ๑≧ꇴ≦)終わりました〜!前半は謎が謎を呼んで視聴意欲が湧きました、ストーリーも面白いただ演出のせいか?キャスティングの相性なのか?ちょっと惜しい!(←誰wもし皇兄の最期で盛り上がったまま最終話なら評価はもっと高かったのに@管理人比(´-ω-)ウム…評判ほど入れ込めず星★★★☆☆(ドラマ2皇兄で1w)
2020.09.03
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白发 Princess Silver第57話「最期の願い」姉を救うため、項影(コウエイ)と共に冷宮に潜入した痕香(コンコウ)@秦湘(シンショウ)。無事に秦漫(シンマン)@容楽(ヨウラク)@漫夭(マンヨウ)と再会できたものの、実は互いの子供たちが人質取られていることが分かる。その時、表から林申(リンシン)の声が聞こえた。「3人とも、今すぐ出て来い」容楽は1人で中庭に出た。すると林申は容楽にはまだ使命があるが、中にいる天仇門(テンキュウモン)の逆賊2人は差し出せと迫る。しかし容楽は寝殿には誰もいないと嘘をつき、疑うなら確かめろと挑発した。林申はゆっくり寝殿に入った。すると隠れていた痕香と項影がいきなり暗器を放ち、隙をついて寝殿を飛び出す。痕香は姉を連れて逃げ出したが、そう簡単に林申をまけるはずもない。そこで項影は2人を先に脱出させ、門を閉めておとりとなった。容楽は項影の気持ちを無にしないよう涙をのんで秦湘を連れて先を急ぐ。こうして項影は誓いを守り、最期まで命を懸けて愛する痕香を守ったのだった。一方、急に倒れた容斉(ヨウセイ)はようやく意識を取り戻していた。小荀子(ショウジュンシ)は皇太后が薬をくれたと教え、本当は皇帝を案じているのだとなだめる。そこへ密偵が駆けつけた。「陛下、公主が…失踪しました」容楽と痕香は逃げる途中、偶然、ある寝殿から赤子の泣き声を耳にした。2人が物陰から様子をうかがっていると、寝殿から皇太后が現れる。…西啓の皇太后は苻鴛だったのね?!すると皇太后の後ろから侍女が念児(ネンジ)を抱いて現れた。痕香は思わず身を乗り出し、物音を立ててしまう。そこで容楽は咄嗟に痕香を逃し、自ら姿を見せた。「あなたが陰謀の黒幕なのね?」「賢いお前ならとうに気づいていたのでは?お前は宗政兄弟を離間させるための駒よ あの2人は見事にお前に入れあげた、大した腕ね、よくやったわ」その時、林申が駆けつけた。実は天仇門の逆賊が2人侵入し、1人は始末したが、容楽と一緒に痕香がいたはずだという。苻鴛は痕香が子供を残して逃げるはずがないと分かっていた。ともかく容楽を再び冷宮に連れ戻して厳重に監視するよう命じ、衛兵たちに連行させる。一方、痕香は容斉に助けられていた。しかしなぜ容斉が自分を助けたのか分からず、企みがあると疑う。すると容斉は痕香が秦永(シンエイ)の娘で容楽の妹・秦湘だと知っていた。「朕なら容楽を救える、だがそなたの協力が必要なのだ」痕香は姉と子供を連れ去った男を信用できないと拒否したが、容斉は自分が死ねば容楽も死ぬことになるという。容楽は衛兵と冷宮へ向かっていた。すると御花園を通り抜ける時、黒衣の曲者が現れる。衛兵たちは咄嗟に様子を見に行ったが、その隙に容斉が容楽を連れ去り、容楽の面をつけた痕香が入れ替わった。まさか林申がその様子を垣間見ていたとも知らずに…。容斉は容楽を連れて山荘へ逃げた。しかし容楽は自分を利用する容斉を憎み、かんざしを抜いて自分の首に当てる。「知っているわ、西啓の太后は苻鴛でしょう?あなたは苻鴛の息子よ…答えてちょうだい! ″天命″の毒はあなたの仕業?それとも強いられて母親の計略に手を貸しただけ?」容斉は一瞬、秦漫の記憶が戻ったのかと思ったが、どうやら早合点だったらしい。「…そなたは私のせいで″天命″を飲んだ」容楽は自分の浅はかさに思わず失笑し、かんざしを握っていた手が力なくだらりと下がった。「私が馬鹿だったわ、何か事情があって誰かに強いられたのかと思ってた… 不思議よね~警戒していてもどこかであなたを信じたかった、でもその結果がこれよ… 毎回、失望させられる!」「それもこれも目的のためだ、私自身の目的のな…」「あなたの目的はよく分かっているわ 私と痕香の子供を盾に無憂(ムユウ)と傅筹(フチュウ)を脅し、北臨(ホクリン)を制すること… 天下を取るつもりね?」「…いかにも!皇帝なら誰でも抱く大望だ! 己の決断に後悔はない、人生をやり直せるとしても同じ道を選ぶだろう」「人生をやり直せるなら無関係でいたいわ、たとえ無憂と出会えなくなるとしても…」容楽は憤慨して出て行こうとしたが、その時、立ちくらみを起こして倒れてしまう。「漫児!大丈夫か?!」ついに″天命″の作用が出た容楽、もはや命の期限が迫るが…。その頃、苻鴛はようやく宗政允赫(ソウセイインカク)に真実を伝えていた。「あの時、容毅(ヨウキ)に辱められた私は子供を身ごもった… 産まれるとすぐ林申が西啓に送り届けたの なら筹児は誰の子だと思う?…雲児(ウンジ)は子供をひとり亡くしていたわね? 私が林申に子供の亡骸を用意させ、雲児の子供と取り替えたの、その子は私のそばで成長した あなたを敵だと思って育ったのよ!その子に傅筹と名付けたわ…ふふふ~信じられない? 筹児に龍の痣がないか確かめに来たわね?…でも先手を打っておいたの、あははは~」苻鴛は宗政允赫に顔を近づけて嘲笑すると、その時、動けないはずの宗政允赫が手を伸ばして苻鴛の首を締めた。ちょうど林申が駆けつけ難を逃れたが、苻鴛はなぜか林申がとどめを刺そうとするのを止める。「今となっても生かしておきたいと?あなたのために私は宦官にまでなった 秦永が献上した十里香の中に蝎寒散(カツカンサン)を盛ったのも私です あの時から、あなただけのために生きて来ました 奴はどうです?!あなたを利用し苦しめただけだ、なのに…まだ未練があると?」すると苻鴛はもっと苦しめてやりたいだけだと取り繕い、思わず林申の手を握りしめて情を利用した。「事が成就すれば必ず恩に報いるわ…」ともかく明日の計画は失敗するわけにいかない。苻鴛は容斉がまた容楽に手を貸さないよう、監視を増やすよう命じた。「先ほど確認しましたが異常はありません」「すぐ触れを出して、明日、哀家(アイジャー)が皇宮で宗政無憂と傅筹を待つと…」一足先に西啓に潜伏していた無相子(ムソウシ)が報告にやって来た。王妃は西啓皇宮の冷宮に監禁されているが、護衛には復活した天仇門も関わっているという。そこで無憂は今夜、子の刻に皇宮に潜入すると決め、宗政無郁(ソウセイムイク)たちは宮外で待機するよう指示した。すると冷炎(レイエン)が急報を伝えに戻って来る。「大変です!皇宮からの触れで今夜、太后が公主を処刑するそうです」その頃、容楽は朦朧としながら容斉の話を聞いていた。「漫児…そなたの愛と憎しみは、いつも白か黒だ…愛した者のために生き、死さえも辞さぬ だが人を憎めば、かくも情け容赦なく、かくも冷たい」「そう思うなら…私を放して…もう憎まず済むように…」「これも運命だ…そなたに出会って、私は生きる意義を見い出した だが運命は残酷すぎる…そなたを愛する機会を私に与えながら、共に生きることは許さぬ」「何を…言っているの?…分からないわ…」「それでいいのだ、そなたが無事ならそれでいい…多くは望めぬ 命は儚いからこそ大切にすべきなのだ…健やかに生きよ 私の言葉を決して忘れるな…いかに苦しくとも、辛くとも…ゥッ…生きねばならぬぞ?」「何の話?何をするつもり?」すると容斉は秦漫を抱きしめ、眠るよう促した。「目覚めたら何もかも良くなっていよう… 覚悟はできている…全て私が背負うと…そなたを北臨に送ったあの時から、この日を覚悟していた 私では幸せにできぬ…ならば…そなたの幸せに尽くす 私を許してはならぬ、恨み続けよ…憎い者が去るなら辛くはないはずだ…」その時、容斉の目から大粒の涙がほろほろとこぼれ落ちた。「私の願いはもう叶えられた…そなたの愛情を胸に…浮世を去ろう…」容楽はいつの間にか眠っていた。ようやく胸の内を明かし、容楽に別れを告げた容斉、すると蕭可(ショウカ)がやって来る。「陛下、準備ができました」「…私もだ」「陛下…本当に…」「始めてくれ」無憂と傅筹たちは皇宮に侵入、しかし冷宮はもぬけの殻だった。「罠か…」すると天仇門と衛兵たちが現れ、包囲されてしまう。しかし無相子と無郁が精鋭たちを引き連れ加勢、無憂と傅筹は一足先に正殿に向かった。正殿には衛兵の姿もなく、開放された永陽(エイヨウ)宮の玉座に容斉が静かに座っている姿が見えた。階下から正殿を見上げる無憂と傅筹、その時、苻鴛が悠々と現れ、容斉の横に腰掛ける。「家族の命が惜しくないなら、どうぞ私を殺してちょうだい」苻鴛が合図すると、捕らわれた容楽と宗政允赫が現れる。「妹に何と残酷な仕打ちだ!」無憂は思わず西啓帝を非難したが、容斉は黙ったまま何も言わなかった。すると苻鴛は2人を救いたいなら、かつて憎しみ合っていた頃のように命がけで戦えという。「容楽と宗政允赫は生き残った者に引き渡すわ」無憂と傅筹に他の選択肢などなく、2人はついに戦い始めた。しかし実際は戦いながら密かに2人で目配せし、捕らわれていた容楽と宗政允赫を同時に救出することに成功する。宗政允赫を助け出した傅筹はようやく素直に父と呼ぶことができたが、無憂は漫夭が偽物だと気づいて愕然となった。憤慨した苻鴛はさすが同じ母を持つ双子だけあると嫌味を言ったが、動揺している様子もない。その時、永陽宮に林申が現れ、天仇門が無憂たちの前に立ちはだかった。「上手く行ったと思うのは早すぎるぞ?芝居の幕は開いたばかりだ」永陽宮の石段の両側に容楽の息子と念児がそれぞれ籠に入って吊る下げられた。2つのかごの真下には激しい炎が見える。驚いた容楽は前に飛び出し、子供を返して欲しいと訴えた。「返してくれるなら私はどうなってもいい!」「傅筹?宗政無憂の子供だけではないぞ?あれを見ろ…あれはお前の娘だ 痕香が産み落としたがお前には隠していたのだ、痕香、そうだろう?」痕香は仕方なく仮面を剥ぎ取り、正体を表した。苻鴛はてっきり容斉が容楽を取り替えたと疑って激怒したが、なぜか容斉は一点を見つめたまま何も言わない。「斉児?黙っているのはなぜ?!」焦った小荀子は咄嗟にひざまずき、西啓帝は来る前に激しく咳き込み、声が出ないと釈明した。すると痕香が再び苻鴛に自分の命を渡すので子供を放してくれと懇願する。そこで苻鴛は痕香を正殿の前まで呼んだ。痕香は黙って石段を上がり、林申の前に立った。「あちらにいるのは容楽の息子よ お前の姉の子供を焚き火にくべればお前の子供は返してあげるわ」すると痕香は林申が差し出した短剣を受け取り、容楽の息子が吊るされたかごへ向かう。傅筹は咄嗟に痕香に声をかけ、冷静になるよう訴えた。「痕香!落ち着け…話を聞くんだ」「…あの子を見て、念児というの…もう1歳よ」「無憂たちの子を殺せば生涯、お前を許さぬぞ?覚悟はいいか?…短剣を捨てろっ!」傅筹の言葉を聞いた苻鴛は呆れた。「筹児、さすが宗政允赫の息子だけあるわね、父親と同じように冷酷無比だわ! 斉児、ご覧なさい、親子の情の前には利己的で卑怯になるものよ? なぜそなたは母に背いて他人の肩を持つの?!」しかし容斉が何の反応もしないことから、苛立った苻鴛は席を立って玉座へ近づく。「まだ私に逆らうつもりなの?!」苻鴛は思わず容斉の肩を小突いたが、その時、容斉の首が力無く傾き、冕冠(ベンカン)が落下した。玉座に座っていた容斉はすでに息がなかった。苻鴛は容斉を胸に抱き、必死に声をかけたが、取り返しはつかない。その頃、山荘では容楽がようやく目を覚ましていた。すると枕元にはかつて容斉が将軍府に持ってきた3つの菓子、容斉の字を手本にして自分が書いたという書、北臨に嫁ぐ時にもらった玉佩(ギョクハイ)、そして自分を象った木彫りの人形がある。容楽は思い出の品に触れるたび秦漫の記憶がよみがえり、ついに全てを思い出した。西啓帝・容斉は兄でも敵でもない、かつて自分が愛した人だったと…。「斉哥哥!…斉哥哥っ!」そこへなぜか蕭可が現れた。蕭可は容楽が1刻ほど眠っていたと教えた。その時、容楽はふと薬の香りの中に混ざった生臭さに気づく。蕭可は″天命″の毒が解毒できたとだけ伝え、何も聞かないで欲しいと頼んだ。しかし解毒法は出産の時に毒を子供に移す方法しかないはず、他の方法をどこで知ったのか。すると容楽は自分の手首に包帯が巻かれているのを見て蕭可を追及した。「この傷は何?!何があったのか話して!」苻鴛もかつて″天命″の毒に冒された。そこで容斉に毒を移して解毒したが、その代わり容斉は生来、身体が弱く、延命の薬を飲んで生き長らえて来たという。こうして容斉の体の血は延命する効果を持った。「医書の残りの半冊にも解毒法が書かれていたの ″血をもって血を換え、命をもって命を換える″と…」つづく(꒦ິ⌑꒦ີ)だーっ皇兄の首が曲がったところで涙・涙・涙…秦漫め!なぜ忘れた!と怒りの涙でも蕭可の説明で一気に涙が引っ込んだ!全然、意味が分からない(笑
2020.09.02
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白发 Princess Silver第56話「冷宮の記憶」仮面をつけた西啓(サイケイ)の皇太后、その正体は苻鴛(フエン)だった。山荘で暮らしていた容斉(ヨウセイ)と容楽(ヨウラク)は苻鴛に見つかり、皇宮へ連れ戻されてしまう。宗政無憂(ソウセイムユウ)と傅筹(フチュウ)たちが駆けつけた時には山荘はもぬけの殻だった。無憂は寝所で山河志を発見したが、血だらけの床を見て気が動転する。そこに意識を取り戻した余(ヨ)嫂が現れ、実は漫夭(マンヨウ)が無事に出産し、母子ともに健康だと知った。余嫂の話では急に大勢の官兵が村に現れ、赤子を奪い、自分は気絶させられたという。「確か″皇宮に戻る″と言っていたような…」一方、目を覚ました容楽は冷宮に軟禁されていた。しかし子供の姿がない。「私の子は…私の子はどこなの?!」苻鴛は母に背いてばかりの容斉を叱った。自分が見つけ出さなければ皇宮に戻らないつもりだったのか。それがどういう結果を招くか容斉は重々、承知していたが、母にとって自分の生死などどうでも良いのだろう。そもそも自分の運命は生まれる前から母に定められていたのだから…。母は復讐にとらわれ、この20年余りを費やして大勢の悲劇を生んだ。果たしてそれで恨みは消えたのか。結局、何の意味もなかったと分かっているはずだ。それでも苻鴛はまだ敵を討つという。しかし容斉は拒絶した。「朕はごめんです!願うのは容楽の無事だけだ!」すると苻鴛は思わず容斉の頰を引っ叩いてしまう。容斉は皇帝と呼ばれていても所詮は母の傀儡にすぎず、自由に人を愛することも許されなかった。これまで容楽を生かすために母の言うことを黙って聞いて来たが、もう限界だという。しかし苻鴛は容斉が愛したのは敵の娘だと声を荒げた。「秦永(シンエイ)は私を存分に罵った男… あの男が雲児(ウンジ)のために宗政允赫(ソウセイインカク)の前で私を挑発しなければ、 私が冷宮に入ることはなかった、容毅(ヨウキ)に辱めを受けることもなかったわ…」「それに朕を産むこともなかった…母后にとって朕は屈辱の証しでしかない…」容斉の思わぬ指摘に苻鴛は言葉を失った。「20年余りも前の話ですよ?あなたは秦永と雲貴妃を葬り去り、宗政允赫にも地獄を見せた まだ足りないと?この上まだ宗斉無憂に両親の罪を償わせるおつもりか? 復讐のために巻き添えにした者たちの命は、朕の命では償いきれません! 母后、あなたは朕を息子だと思ったことがありますか?」「…忘れたの?母后がそなたを皇帝にするために…どれほど苦労したと?」「朕を皇位に就けたのは誰のためです?母后が誰よりもお分かりのはず… これまで朕は母后のためにずい分と働いてきた…もうごめんです」「そなたを産んだのは私よ?」「産んで欲しくなどなかった!」「斉児っ!」「余命わずかな朕がただ1つ願うこと、それは容楽とひととき平和に暮らすことでした そんな些細な望みさえ許されぬのですね…もう朕には失うものなどない…」容斉は母を突き放し、出て行ってしまう。容斉が孤寒(コカン)宮に駆けつけると、ちょうど中庭に容楽がいた。容楽は子供が無事だと知って安堵したが、なぜ容斉がこんなことをするのか理解に苦しむ。「人には言えない苦衷(クチュウ)でもあるの?」「苦衷などない、自分の身体を大切にせよ」「ならなぜ?なぜまた私を騙したの?!」容楽は一緒に暮らすうち再び容斉を信頼し、これまで自分を騙して利用してきたのには何か事情があったのではと考えるようになっていた。すると容斉は子供の安全を保証し、必ず漫児の解毒もすると約束する。「もう一度だけ信じてくれ!」「…ならまず子供を返して、できないなら今すぐ消えてっ」その時、衛兵たちが現れ、すぐ戻らなければ公主に罰を与えると皇太后の言葉を伝えた。それがただの脅してはないと知っている容斉は素直に帰るしかない。冷宮の門が再び固く閉じられ、容楽は仕方なく寝殿に戻ることにした。その時、急に激しい頭痛に襲われ、過去の記憶がよみがえる。かつて秦永の娘・秦漫(シンマン)はこの孤寒(コカン)宮で暮らし、武芸を習っていた。すると林申(リンシン)の言葉が聞こえてくる。…私は北臨帝に一族を殺されたお前を救い、西啓のこの冷宮でお前に武術を仕込んだ…敵を討ちたければ私に従うのだ、このまま稽古に励み、決して冷宮を離れるな…自分の正体を明かすことも許さぬしかし秦漫は足場を見つけてこっそり塀の外を眺めたりした。そして暇があればあの書を見ている。…以て永く傷まざらん、以て永く懐(オモ)わざらんその時、容楽は首を吊って死んだ母の姿を思い出した。…今後お前は西啓の長公主・容楽だ、北臨に嫁げば必ず敵を討たせてやる林申の言葉がよみがえった容楽は頭を抱え、その場にしゃがみ込んだ。つまり自分は敵討ちのため、自ら容楽になったのか。ならば″天命″を飲ませたのは一体、誰なのか。容斉はどんな役割を演じているのだろうか。その頃、容斉は冷宮を眺めながら、幸せだった頃に思いを馳せていた。…あの夜、容斉は孤寒宮の中庭から伸びている桂花の枝を折ろうと、庭石を登ったその時、偶然、外を見ようと足場を登ってきた娘と出会う『何者だ?!』『あなたこそ誰?ここは冷宮よ?早く行って!』容斉と秦漫は孤独な者同士、すぐ意気投合したそして2人は密会を重ね、やがて愛し合うようになる茶室で容斉は漫児から琴を習い、手作りの菓子をもらったそこで容斉はそのお礼に手製の漫児の木彫り人形を贈る『斉哥哥、本当にあなたは皇子なの?治政も学ばずに私の機嫌を取ってばかりいるわ』『私はそなたが考えるような皇子ではない 広大な皇宮も私にとっては冷宮に捕らわれているのと同じことなのだ』『大丈夫、私がいるでしょう?ね?ずっと一緒よ!私は一介の宮女だけど友だちになれるわ』『漫児、そなたさえいてくれればいい…生涯そなたを大切にするよ、そなたの命は私の命だ』また秦漫は容斉の字を手本にして写生し、書を学んでいた『腕が上がったな、美しい字だ…維(コ)れ以て永く懐わざらん…』その夜、容斉と秦漫は3日後に例の木の家で落ち葉を見る約束をして別れたしかし…容斉は昔を懐かしみながら袂から秦漫の書を取り出した。…以不永傷 以不永懐(いつまでも思い悩まない、いつまでも悲しまない)まさかあの幸せの裏で恐ろしい計画が動いていたとは…。…容斉は母の命令で冷宮にいる妹を迎えに行った『容楽、ここから連れ出してやろう』するとちょうど背を向けて花を生けていた容楽がゆっくり立ち上がり、兄の元へやって来る『漫児…なぜそなたが?!』『容楽より皇兄にご挨拶します…皇兄、騙していたことをお許しください』『信じぬぞ!何かの間違いだ…漫児、あの木の家で私と生涯を誓ったではないか…』『皇兄、私は容楽です、誰と生涯を誓ったと?』『漫児、何か事情があるのだな?話してくれ…』『斉哥哥…うぉ(我)…』しかしそこに苻鴛が現れた容斉は母の仕業だと気づき、怒りがこみ上げる…容斉はあの時の衝撃を思い出し、思わず激しく咳き込んだ。…容斉は容楽の縁談を反対し、母に詰め寄った『朕は騙されない、あれは容楽などではない、秦家の娘の漫だ! 母后と林申の密談を聞きました 秦家を滅ぼしただけでは飽き足らず、漫児まで傷つける気ですか?! 何があろうと朕が漫児を娶るっ!』2人の話を立ち聞きていた容楽は真実の敵を知ったしかし林申に見つかり、2人の前に引っ張り出されてしまう秦漫は開き直った林申が自分を捕らえて武芸を仕込み、容楽に扮して敵を討てと命じたが、真の敵は皇太后だったと迫る何より傷ついたのは容斉が自分の正体や皇太后の所業を知っていながら黙っていたことだった秦漫は激怒、容斉からもらった木彫りの人形を投げ捨ててしまうすると苻鴛は全てを知ってしまった秦漫を生かしておけないと言った容斉は秦漫を逃したが、その時、林申が容斉の首を締め上げる『秦漫!大殿を一歩でも出たら、この子の命はないわよ』秦漫は皇太后がなぜ自分の息子を盾に脅すのか不可解だったしかし皇太后は秦漫のために自分に背いた息子など生かしておく価値はないと冷たい『ここに″天命″の毒がある、生きられるのは1人よ、お前が選びなさい』容斉は苦しみもがきながら秦漫に逃げろと言ったが、秦漫は愛する容斉を見捨てることができず、薬を飲んでしまう…容斉は袂から秦漫の木彫りの人形を取り出し、愛おしそうに触れた。…秦漫は毒を飲んで倒れた容斉は眠っている秦漫のそばに黒衣と剣を置いておく『漫児、ここを離れよ、2度と戻るな』そして最後に薬をまぜた菓子を入れた小さな箱を持たせることにした秦漫は目を覚ましたが、天命の毒で記憶を失っていたここはどこなのか、自分は誰なのか『そうだ、″ここを離れろ″と言われたわ…』秦漫は何も分からないまま黒衣と剣を持って皇宮を飛び出して行くすると物陰に隠れていた容斉が現れた秦漫が無事に逃げられることを祈りながら見送る容斉、しかし菓子が入った箱だけが捨てられていた…容斉は激しく喀血した。あの時、秦漫を逃したものの天仇門(テンキュウモン)に追われ、結局、秦漫は林申の手に落ちて皇宮に連れ戻されてしまう@第1話。そして始まった母の恐ろしい復讐計画…。容斉は何とか寝宮まで戻ると、母が薬を持ってやって来た。「以前のように私に従いさえすればいい、最後の計画を遂行するなら、そなたに処方を渡すわ 今後はもう毒の発作に苦しまずに済むのよ? はあ~斉児、そなたが身を犠牲にしても、あの小娘は感謝すらしない そなたを忘れ、敵だと思っているのよ? そもそもあの娘は長く生きられない、尽くしても無駄なだ…」その時、容斉は母が飲ませようとした薬を手で払い、器が床に転がり落ちた。「容楽を傷つける気なら、この命を懸けて阻止してみせます!」すると頭に血が上った容斉は卒倒してしまう。苻鴛は心配したが、手が付けられない息子を放って帰って行った。一方、無憂と傅筹は容楽と子供を救うため、西啓を攻めることにした。しかし開戦となればかえって容楽が危ない。安全に救う手段はひとつ、いくつかに分かれて潜入するしかない。そこで民に扮装した精鋭の兵100人を各門から時間をずらして都に入らせることにした。街の中にはすでに無隠楼(ムインロウ)が潜伏している。「別行動して機を見て合流しよう」↓2人のことすっかり忘れてたわwその頃、侍女に扮装した痕香(コンコウ)@秦湘(シンショウ)が宮中に潜入していた。運良く冷宮に食事を運びに行く侍女を発見したが、突然、現れた衛兵が侍女を気絶させてしまう。「出てこい!」その衛兵の正体は項影(コウエイ)だった。項影は孤寒門の守衛に容斉の令牌を示した。食事を運ぶ侍女のふりをした痕香は項影と一緒に難なく冷宮に入ることに成功、容楽と再会を果たす。そこで姉を先に逃がすことにしたが、容楽は子供を取り上げられたので逃げられないと断った。しかし痕香は人質の子供に手は出せないはずだと安心させる。すると項影が実は念児(ネンジ)も預け先の家からいなくなったと教えた。痕香は動揺したが、それでも唯一の家族である姉をここに残してはいけないという。その時、表からから林申の声が聞こえた。「3人とも、今すぐ出て来い」容楽は1人で中庭に出た。「林申…」「ここの風景に見覚えがあるのではないか?」つづく(  ̄꒳ ̄)皇太后が眠っている容斉の首を閉めようとする場面があったけど、そういうことだったのねそして傅筹や痕香が同じ門派ながらなぜ容楽を知らなかったのかも分かった念児…いつの間にか預けられていたわw
2020.08.31
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白发 Princess Silver第55話「青梅のなる家」痕香(コンコウ)@秦湘(シンショウ)の家に身を寄せていた容楽(ヨウラク)@漫夭(マンヨウ)@秦漫(シンマン)。そこへ突然、西啓(サイケイ)帝・容斉(ヨウセイ)が現れた。容斉は自分と一緒に来れば″天命″の毒を解毒できると訴えたが、容楽が素直に従うはずもない。「あの2人の安全と腹の子の将来を思うなら、そなたは私と一緒に行くしかない…」「うぉ(我)…」「私を信じろ、お腹の子が健康と母親を失っても構わぬのか? 容楽…私と一緒に来るならば母子の安全は保証する、信じて欲しい、どうだ?」痕香と項影(コウエイ)を盾に脅された容楽は…。項影は青州王府に黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)を訪ねた。実は痕香と家に帰ってみると、すでに容楽の姿がどこにもなかったという。冷炎(レイエン)の話では護衛が気絶させられ、気づいた時には王妃の姿がなかったとか。青州に包囲網を敷いてあらゆる道を厳重に調べているが、すでに青州を出ていれば捜索は困難だった。無憂は誰かに連れ去られたのなら漫夭のこと、何とかして自分に伝えようとするはずだと気づく。しかし自分を避けて自ら姿を消したのなら、漫夭の足取りは容易にはつかめないだろう。無憂は項影に書状を託し、中山(チュウザン)の傅筹にも協力を求めることにした。痕香は姉を探しに行くと決めた。そこで項影は一緒に中山へ行こうと提案したが、痕香は項影をこれ以上、犠牲にしたくないという。痕香は項影の気持ちに気づいていた。「これからは自分のために生きて欲しいの、だから1人で行くわ」しかし項影は愛する痕香を守ることが喜びだと訴え、これからも痕香を見守ると誓う。「今回は別々に行こう、いつか再会できたらまた共に歩むんだ…」項影は最後に痕香を抱きしめ、2人は門で別れた。( ゚д゚)え?念児は?霊牌は?容斉は人里離れた静かな山荘へ容楽を連れて来た。確か嫁ぐ前に容斉と来たことがあったが、あの時の話の真意は未だ容楽には分からない。すると容斉が山河志を差し出した。容楽は兄の目的が山河志だったことを思い出し、このために自分に天命を飲ませ、″容楽公主″と偽って父の遺著を手に入れたのだと憤慨する。「子供に手を出せば山河志の秘密は手に入らないわよ!」「ふっ…その子は天がそなたに与えた貴重な機会だ、毒を子に移せば…」「不可能!子供を犠牲にはできない!」「分かっていたよ、何があろうとそなたの意思は変わらぬと…ゥッ…」その時、容斉が激しく咳き込み、喀血した。驚いた容楽は医者を探すと言ったが、容斉は断り、それより散歩したいという。「村の道を覚えているかもしれぬぞ?行こうか」容斉と容楽が村に出かけると、顔なじみらしい余(ヨ)嫂が声をかけて来た。「お住いは掃除してありますよ?夫人、お久しぶりですね~今後はこちらに?」( ゚д゚)ふーれん?って…「あ、当分はここに滞在するつもりだ」どうやら容斉は余嫂に銭を渡してあの屋敷の管理を任せているらしい。「実は妻が身重なので休ませたいんだ」「まあ!夫人!ご懐妊とは知りませんでした!何人目ですか?」「初めての子だ」すると容斉は身ごもってから妻の機嫌が悪いため、家の者には内緒で気晴らしに連れて来たと嘘をついた。もし誰かに自分たちのことを聞かれても、余嫂の遠縁だと言って欲しいという。「漫児、機嫌を直して家に帰ろう」( ゚д゚)ぽかーん…まんあーる呼び?容楽は困惑していた。容斉はなぜか自分を漫児と呼び、村人は自分たちを当たり前のように夫婦として扱う。「なぜ漫児と呼ぶの?2人でここに住んだことが?」「私が話した通りの役柄を演じればいい、忘れるな、ここではそなたは漫児だ 解毒はするが私の願いも叶えてもらうぞ…私にとって生涯にただ1つの願いだ」容斉の条件はここで誰にも邪魔されず、漫児と平凡な生活を送ることだった。あと半年、無事に子供が生まれたら解毒して帰してくれるという。「駄目よ、長すぎる…私にはそんなに時間がない …子供は私が無憂に直接、手渡してあとを頼みたいの」「案ずるな、そなたの時間は返す、十分、生きられる 本当に宗政無憂がそなたの幸せに必要な男なら、必ず2人で暮らさせよう、必ずだ…」しかし容楽には容斉がなぜそんなことを言うのか皆目、見当もつかなかった。散策している途中、容斉は青梅が実っていると気づいた。「そなたの好物だろう?採らぬのか?」「いらないわ、ってかなぜ好物だと?」「この半年は私の願いを叶える約束だ」そこで漫児は向きになって木に登り始め、かえって容斉を心配させた。「マンR!身体に障る!早く降りて来い!もう意に沿わぬことはさせぬ!」漫児は精一杯、腕を伸ばして青梅を取ろうとした。その時、うっかり足を滑らせて落下してしまう。すると容斉が漫児を抱き止め、難を逃れた。呆然としていた漫児だったが、ふと脳裏に同じような光景がよみがえる。それは容斉に抱き上げてもらいながら、必死に手を伸ばして青梅をもぎ取ろとする自分の姿だった。なぜこんなにも楽しそうに自分は笑っているのだろうか。山荘に戻ると、容斉は早速、庭で青梅酒を作り始めた。以前はこうしてよく青梅酒を作ったものだという。「いいわ、半年後、青梅酒ができたらお別れよ」「…はお、半年後、この酒を飲んだら貸し借りなしだ」容斉はなぜか寂しそうに見えたが、漫児にその理由が分かるはずもなかった。一方、宮中では容斉の重病を理由に皇太后が垂簾聴政(スイレンチョウセイ)を行うと決めた。朝臣たちは困惑しながらも受け入れるしかなかったが、密偵さえ未だに容斉と容楽の行き先を突き止められずにいた。容斉の目的が何なのか分からないまま一緒に暮らし始めた漫児、そんなある日、庭先で花びらが舞い散る様子を見ていると、ふいに失った記憶が戻ってきた。確かに誰かがここで花びらを自分の手に乗せてくれたが、一体、誰なのか。「…宮中の茶室にも、ここにも風鈴があるのを妙だと思わぬか?」「秦家の旧宅で同じような風鈴を見たわ、いい音色ね?私が風鈴が好きだと話したのかしら?」すると容斉は失笑し、もう1つ一緒に吊そうと風鈴を見せた。容斉は漫児に風鈴を吊るす場所を確認した。「ここか?」「もう少し右よ…少し下げて…」すると漫児の脳裏に再び過去の記憶がよみがえる。…もっと上に、駄目よ、まだ低いわ「…違うわ!斉哥哥!」漫児はふいに飛び出した自分の言葉に驚き、動揺して部屋に戻ってしまう。容斉は漫児が昏睡すると自分の手を切って血を飲ませた。こうして漫児を出産まで生き長らえさせなくてはならない。一方、項影は中山の皇宮に到着、傅筹に事情を説明し、王妃を捜索して欲しいと訴えた。無隠楼(ムインロウ)の報告では西啓帝が北境に向かっているという。傅筹は了解し、この機会に父の失踪についての手がかりを無憂に渡すことに決めた。長年、敵を母と信じて多くの罪を犯してきた後ろめたさから、自らの手で符鴛(フエン)を捕らえ、実の母の敵を討ち、父を探し出して罪滅ぼししたいという。項影は傅筹が単身で西啓に乗り込むつもりだと気づき、危険だと心配した。その時、尉(イ)国の大軍が北臨の辺境に迫っていると急報が届く。ちょうど同じ頃、無憂も冷炎(レイエン)から報告を聞いていた。どうやら西啓帝の北臨入りは偽の情報で、王妃と西啓に戻った可能性が高く、人を送ったところだという。無憂は自ら出向くと決めたが、冷炎は尉国の大軍が北臨の辺境を攻めているので難しいと止めた。「北境の軍力だけでは戦えないでしょう」そこでひとまず漫夭の捜索は無隠楼に任せ、無憂は北境を助けるためにすぐ出征すると決めた。漫児のお腹はすっかり大きくなり、青梅酒も熟成した。漫児は中庭で容斉と完成した梅酒を味わいながら、なぜか懐かしい味がするという。こうして2人の穏やかな生活は終わりを告げようとしていた。…漫児よ、青梅酒ができた、まもなく、別れの時だ…無憂の援軍が駆けつけ、集結した南北の軍は尉軍を撃退した。思いがけず無憂と再会を果たした傅筹はこれまでのわだかまりを解き、符鴛と父の捜索に専念するため、政から手を引くと告げる。こうして南北は統一され、北臨に平和が戻ったのだった。やがて漫児は臨月を迎えた。その日、容斉は木彫りの人形を作り、漫児は山河志を眺めていたが、その時についに謎が解ける。「はっ…わかったわ、これが山河志の秘密なのね!…斉哥哥!」漫児はまた自分の口から飛び出した言葉に驚き、気まずくなって寝所へ戻ってしまう。…なぜ斉哥哥なんて呼んだの?…容斉との間に私の知らない過去があると?すると次第にこの山荘で容斉と一緒に過ごした記憶が鮮明になってきた。漫児は人形を彫っている容斉の元へ行った。すると容斉の左手に巻かれている包帯に気づき、容斉がその手から自分に血を飲ませている姿がふいによみがえる。「…その手は?どこでけがしたの?」しかし容斉は答えず、漫児の木彫りの人形を見せた。「もう直ぐ完成する、どうだ?」容楽はこれまで木彫りの人形を作ってくれたのは無憂だと勝手に思い込んでいたが、その時、はっきり容斉の顔がよみがえって来る。「はっ!その像はあなたが彫ったの?」「…誰が彫ろうとそなたが気に入ればいい」「うぉ(我)……うっ!」漫児は陣痛が始まり、容斉は余嫂を呼んだ。しかし難産の上、体力がない漫児は力むことができず、疲れて今にも眠りそうになってしまう。容斉は漫児の手を握りしめ、宗斉無憂に知らせたと教えて励ました。「会いたければ頑張るのだ!ここへ向かっている!」一方、無憂と傅筹はようやく西啓との国境に到着していた。すると蕭煞(ショウサツ)が駆けつけ、王妃の居場所が分かったと報告する。一目散に馬を駆ける無憂と傅筹、その頃、ついに漫児は男の子を出産していた。漫児は子供の元気な姿を見て喜んだ。すると容斉が子供を余嫂に預け、今は身体を休めるよう勧める。そこで余嫂は子供を抱いて客間へ出て行ったが、その時、悲鳴とともに物音が聞こえた。容斉は動かないよう漫児をなだめ、様子を見て来ると行って部屋を出る。居ても立ってもいられない漫児は寝台からはい出したが、床に落下して気を失った。余嫂は気絶して倒れていた。容斉が現れると侍衛や宦官、侍女たちが一斉にひざまずき、赤子は侍女が抱いている。「参見、母后…」容斉が拝礼すると皇太后が振り返り、仮面を外した。つづく( ˘ω˘ )んん?詳細はこれから?!
2020.08.30
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白发 Princess Silver第54話「秦家の姉妹」容楽(ヨウラク)@漫夭(マンヨウ)が侵された″天命″の毒…。その残酷な解毒法を知った容楽と宗政無憂(ソウセイムユウ)の間で見解が分かれる中、西啓(サイケイ)の皇帝・容斉(ヨウセイ)もある覚悟を決めていた。「朕はもう待たぬ…朕らを逃さぬ気なら覚えておくがよい」宗政無郁(ソウセイムイク)は蕭可(ショウカ)に呼ばれて薬房へやって来た。すると蕭可の姿が見当たらないが、梅の花が飾られている。無郁は喜んで花を眺めていると、急に蕭可が現れた。「無郁!あなたが好き!お嫁さんにして!」蕭可はかつて5歳まで生きられないと言われ、これまで毎朝、朝日を拝めるだけで満足だった。しかし容楽の事情を目の当たりし、人の縁が儚いものだと知る。「私も時間を無駄にはできない、だから気持ちを伝えたのよ」無郁は突然の事で一瞬、言葉を失ったが、自分も蕭可が好きだと告白、一緒になろうと言った。翌朝、冷静になった無憂は漫音(マンイン)閣を訪ねたが、漫夭の姿はなかった。侍女の話では行き先も告げず、ひとりで出かけたという。寝台には木彫りの人形が残されていたが、山河志は消えていた。容楽は項影(コウエイ)と一緒に王府を発っていた。実は項影が密かに漫音閣へ潜入、公主に風鈴を手渡し、痕香(コンコウ)が会いたがっていると伝える。容楽はこれが自分の出自を知る貴重な機会だと感じ、項影を信じることにした。一方、傅筹(フチュウ)は苻鴛(フエン)の輿入れの際、仕えていた侍女を見つけ出していた。その侍女は苻鴛が冷宮に入る以前に宮中を出されていたため、口封じを逃れて生きていたという。そこで傅筹は元侍女に苻鴛の息子だと教えた。しかし元侍女は信じられないと言った様子で怯えている。「20年あまり前か… 北臨(ホクリン)が復興した際、陛下は西啓帝の容毅(ヨウキ)と中山(チュウザン)で会盟した 会盟の後、陛下は急に苻皇后を疎み、冷宮に入れた、そして苻皇后は冷宮で子供を産んだな?」「それは…皇后ご自身もすでにお忘れのことです 陛下は皇后に仕える者を殺し、皇后に毒を飲ませて記憶を消しました」「記憶を消した?」傅筹は元侍女にとにかく知ってることを全て話せと迫り、偽りがあれば生きて帰さないと脅した。苻鴛は宸国の公主だった。宗政允赫(ソウセイインカク)の父の代の際、北臨は宸国に占領され、北臨の皇族は皆、宸国の臣下になってしまう。しかし苻鴛が宗政允赫と情を交わし、輿入れが決まったことで、宗政允赫は宸帝に目をかけられるようになり、軍権を得た。その後、宗政允赫は謀反を起こし宸国が分裂、宗政允赫は北臨を、容毅が西啓を得る。苻氏一族が皆殺しになると、現在の寧氏が皇位簒奪を企て、宸国の権力を手にした。そんな事情から宗政允赫が容毅を中山に招いたのも不思議ではない。「だが予想外の自体が会盟前に起こったのだな?」「はい、雲(ウン)貴妃を見た容毅が貴妃を所望したのです 陛下は別離を経て一緒になれた貴妃を手放したくはない それで関係悪化を避けるため、皇后に毒を飲ませて容毅に贈りました もともと陛下にとって苻皇后は侵略された屈辱の象徴でしかなかったのです その後、苻皇后は冷宮に入れられ、醜聞を隠すために周りの者は殺されました 苻皇后は″天命″の毒を盛られ、記憶を失ったのです」傅筹は怒りをぶつける相手もなく、思わず卓をひっくり返したが、元侍女は無事に解放された。傅筹はようやく分かった。 苻鴛が今まで自分を操って来たのは実の両親に復讐させるためだったのだろう。しかし冷宮で産んだ子供が自分でないなら、一体誰なのか。「まだ他にも陰謀があるのか?」その時、傅筹は容斉に言われた言葉を思い出した。…そなたを哀れむ、未だに真の敵が誰か分かっておらぬからだ…傅筹は容斉が真相を知っていると気づき、親書を届けることにした。その頃、容楽は痕香の家を訪ねていた。驚いたことに痕香には1歳になる念児(ネンジ)という娘がいる。すると痕香は秦氏の旧宅にある密室に入ったことがあるか聞いた。容楽はやはりあの時の覆面の女子が痕香だと確信、この風鈴はもしや誰かにもらった物かと確認する。…湘児!湘児!来て!…な~に?姐姐?…これをあげる…わあ~きれいね!ありがとう姐姐!その風鈴は痕香が姉からもらった風鈴だった。「私は秦湘(シンショウ)、秦漫(シンマン)という姐姐がいたわ」「私には記憶がないの…でも北臨に来てから何度も2人の少女を夢に見たわ」記憶の断片に残っていた2人はぶらんこや木馬で遊び、詩を暗唱していたという。実は秦永(シンエイ)は女子も男子と同様に楽を学び、志を持つべきだと考え、通常は″関雎(カンショ)″から学ぶ″詩経(シキョウ)″を″大雅(タイガ)″の″文(ブン)王″から習わせていた。「文王は上にありて天に昭(アキラ)かなり…」容楽と痕香は自然と詩を唱え始め、ついに容楽は失っていた自分の過去を取り戻す。「じぇじぇ…やっと見つけた…」2人は抱き合って喜び、そして姉妹揃って痕香が守って来た秦氏一門の霊牌に叩頭した。無憂は漫夭からの文を見つけた。…無憂、ひとりで静かに子供の将来を考えたいの…ひとりになって私にしかできない決断を下すわ…守ってくれる護衛も一緒よ、心配はいらない…探さないで、帰るべき時には必ずあなたのもとに帰るわ痕香はこのまま泊まって行くよう勧めた。そこで容楽は王府にしばらく帰らないつもりだと話し、置き手紙にも探さないよう書いておいたと教える。痕香は姉に何か問題でもあるのかと心配したが、容楽は何もないと嘘をついた。「ただ記憶が全て戻ったわけじゃない…昔のことをもっと話して、今までのあなたの生活も」すると痕香は敵討ちできなかったと悔しがり、本来なら秦家を取り潰した北臨帝をこの手で殺したかったという。容楽は北臨帝も運命に翻弄されて家族と引き離されたと話し、実は傅筹と無憂は雲貴妃が産んだ双子の兄弟だと教えた。「私たちが離散したのも、私が記憶を失ったのも、苻鴛と天仇門の仕業だわ」痕香は真の敵が苻鴛たちだと知り、愕然となった。まさか敵を間違えていたとは…。痕香は自分の愚かさを嘆き、これまで拷問に耐えて来た傅筹を思うと、残酷な現実に涙があふれた。しかし容楽は妹の涙をぬぐいながら、今ならまだやり直せると励ます。「傅筹が心配なら子供と一緒に会いに行ってはどう?」「いいえ、縁は切ったわ、未練は残さない」痕香は姉が見つかっただけでも感謝すべきだと笑顔を見せ、身重の容楽を休ませることにした。西啓に皇太后が戻って来た。皇太后は早速、容斉の寝殿を訪ねたが、姿が見えない。すると小荀子(ショウジュンシ)が皇帝からの伝言を伝えた。「陛下がおっしゃいました…両親の仇に固執するべきにあらずして、ただ死を恐れず自由を求む 2度と朕のような者を生むべからず、と…」傅筹は容斉に親書を送ったが、一向に返事はなかった。ただ使者の話では西啓帝の行方も生死も不明だという。苻鴛は森の奥深くで密かに林申と接触した。「あの医書はもう必要とする者に届けたのね?」「はい、宗政無憂も解毒法を知ったはずです」苻鴛はわざと解毒法を知らせることで、この世で何よりも辛い苦しみを無憂たちにも味わわせることにした。しかし林申は容斉がまた邪魔をしそうだと懸念する。「計画は容斉抜きで進めるべきだったのです、もう失敗はできません 命がけの手段で宗政無憂と傅筹を戦わせましょう、我々の駒は傅筹だけではありません」「疲れたわ…お前のやり方で進めてちょうだい」項影は密かに薬房を訪ね、蕭可に助けを求めた。実は容楽が丸一日、目を覚まさないという。「殿下には内緒で診て欲しいんだ…一刻を争う、行こう!」しかしちょうど無郁がやって来た。「ほらね、内緒は無理だって言おうとしたのに…」その頃、容楽はようやく目を覚ましていた。痕香は動揺を隠せず、項影が医者を呼びに行ったと教える。容楽は子供がいるせいで眠くなるだけだと安心させたが、痕香は自分にそんな症状はなかったと信じなかった。「持病がある姐姐が王府に戻らないなんて…何があったの?話してちょうだい」「…そうね」容楽は正直に天命の毒の件を打ち明けた。驚いた痕香は子供ならまた作れるが、容楽には時間がないと説得する。しかし容楽は母親なら気持ちが分かるはずだとなだめ、それより何か食べたいと頼んで痕香を追い出してしまう。無憂は項影の案内で蕭可と一緒に漫夭の様子を見に行った。するとちょうど開いている窓から念児の世話をしている漫夭の後ろ姿を見つける。「この家の周囲は守らせた、漫夭を頼む」無憂は漫夭に声をかけたい気持ちをぐっと抑え、黙って引き返した。しかしその時、気配を感じた容楽がふと外を見る。窓紗越しに見えるのは確かに無憂の後ろ姿だったが、突然、蕭可が窓から顔をのぞかせた。「公主姐姐!脈を診に来たわ!」容楽はどちらにしても、まだ無憂に会う勇気がない。もし気弱になって無憂に従ってしまえば子供が不幸になるだろう。王府に戻った無憂は蕭煞(ショウサツ)を呼んだ。「漫夭に毒を盛ったのは容斉か?」「私は存じません、今までの解毒薬は西啓のものです 実は今までずっと言えずにいたことが… 宸国で王妃がお倒れになった時、陛下が王妃に自分の血を飲ませていました 王妃がじきに気づいたのは偶然だと思いましたが、今思えばあの血が功を奏したのかも?」あの時、容斉は漫夭を西啓に連れて帰ると言っていた。容斉の目的は一体、何なのか。そもそも秦師匠の娘・秦漫である漫夭が、なぜ容楽公主になったのか。無相子(ムソウシ)は少なくとも容斉が関係あると考え、無隠楼(ムインロウ)を連れて西啓に向かうことにした。「別の解毒法がないか西啓帝の身辺を調べよう」蕭可が帰ってから容楽はふさいでいるようだった。心配した痕香は薬を買って来ると言って出かけたが、容楽は痕香を見送る項影を見てピンと来る。「湘児が好きなのね?」「うぉ(我)…」「なら追いかけなくちゃ、ほら、行って!」項影が飛び出して行くと、容楽は念児に2人が一緒になれば嬉しいかと聞いた。しかしすぐに戸が開く音がする。項影が引き返して来たと思った容楽だったが、そこにいたのは容斉だった。「天命の毒のことはもう知っているはず、完全な解毒法を知るのは私だけだ 解毒するために私と来い」つづく( ˘ω˘ )なるほど~皇太后=苻鴛で天命の毒、生まれたのは容斉で毒を移されたのね~でもちょっと待ってちょっと待って…結局、悪いのは北臨帝でしょ?|ω・`)え?違うの?
2020.08.27
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白发 Princess Silver第53話「残酷な解毒法」中山(チュウザン)に戻った傅筹(フチュウ)は真っ先に森閻(シンエン)宮に乗り込んだ。しかしすでに符鴛(フエン)の姿はなく、凌宵(リョウショウ)殿ももぬけの殻だという。常堅(ジョウケン)が調べたところ3日前から符鴛の姿は見えず、何でも凌宵殿に入る林申(リンシン)を目撃した者がいたとか。やはり2人はもともと結託していたのだろう。「符鴛は私の母ではない、符鴛も私を息子と思ったことなどない…」何も知らずに符鴛の復讐に利用されて来た傅筹、その虚しさに思わず乾いた笑いが出た。一方、青州王府に身を寄せた昭蕓(ショウウン)は2年ぶりに陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)と再会した。しかし挨拶もそこそこに蕭可(ショウカ)が梅の花を持って走って来る。「見て!梅が咲いたわ!枝を折りに行きましょう?」無郁が困惑していると、蕭可は昭蕓に気づいて一緒に行かないかと誘った。「姐姐は王府のお客様?」「馬鹿を言うな、客人なものか、私は行かない、1人で行って来い」すると無郁に邪険にされた蕭可は梅の枝を投げ捨て、怒って行ってしまう。「可児っ?!…昭蕓、気にするな、自分を客だなんて思わないでくれ、私にとって君は家族だ」無郁は今の娘が蕭煞(ショウサツ)の妹・蕭可だと教え、口は悪いが素直でいい子だとかばった。「無郁ったら、未だに女心が分かっていないのね」昭蕓は梅の花に込めた思いに気づかない無郁を諌めたが、無郁は蕭可ならまだ子供だという。「″花の開けば手折るべし、花なき枝を持つべからず″よ 無郁、かつての過ちを2度と繰り返さないで…」薬房に戻った蕭可は機嫌が悪かった。心配した蕭煞が理由を聞いてみると、花見に誘った無郁から追い払われたという。蕭煞は憤慨してい懲らしめてやると言ったが、蕭可は慌てて止めた。「いつもは私に優しいの、でも今日はきれいな姐姐に遠慮したのよ…」「可児?陳王が好きなのか?…クスッ」蕭煞は嫉妬だと気づき、一緒にいたのは昭蕓公主だと教えてやる。実は蕭可は容楽(ヨウラク)@漫夭(マンヨウ)から昭蕓が北臨(ホクリン)のために宸国に嫁いだ人だと聞いていた。「憧れの人だったのに~ちゃんと挨拶すればよかった!」そんな中、青州王府に北境の傅筹から和議の文が届いた。対応した無郁はこれまで七兄夫妻を苦しめてきた傅筹を未だ許せず、使者である常堅に難癖をつけてしまう。しかしそこへ黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)が駆けつけ、無郁の無礼を咎めて和議の文を受け取った。「南境の兵もすぐ撤退させる、伝言を頼む 漫夭や無郁と共に父上に会うため、近日中に中山に向かうと…」南境に告示が張り出された。…南北の兵は撤退し、2度と争わぬ…黎王殿下は吉日を選び婚儀を執り行う…終戦と婚儀の2つの慶事を国を挙げて祝うべし平和が戻り、喜びに沸く民たち、その様子を見ながら昭蕓は侍女と2人で密かに街を出て行く。一方、王府では無憂と容楽が昭蕓の置き手紙を読んでいた。…無憂哥哥、容楽姐姐、別れも言わずお許しを…家族であるお二人の心遣いに感謝しています、お二人のおかげで私は強くなれました…ここを離れても1人で生きて行けます、私と子供は遠くからお二人の幸せを祈っています…昭蕓より容楽は身重の昭蕓を心配した。しかし無憂は昭蕓が自分で選んだ道を尊重するべきだという。「心配せずにお腹の子の事を考えてくれ」無憂は改めて子供たちのためにも必ず平和な世を作ると決意するのだった。南北の戦いが終わり、内乱の心配もなくなった。項影(コウエイ)と痕香(コンコウ)@秦湘(シンショウ)の逃亡生活も終わり、隠れ住む必要もなくなる。「これも黎王と王妃の養民変法(ヨウミンヘンホウ)のおかげだな~」「?!養民変法?容楽が変法を?」「養民変法の多くの政策は王妃の提案なんだ」「容楽は″山河志(サンガシ)″を手に入れたと聞いたわ…」「そのために大きな犠牲を払われた、奪われた山河志が無事に戻ってよかったよ」痕香はあの夜、秦家の密室で出くわした曲者が容楽ではないかと気づいた。傅筹は無憂にも符鴛と父の捜索に協力してもらうことにした。しかし青州から戻った常堅から黎王夫妻が近々、正式に婚儀を執り行うと聞き、せっかく書いた密書を燃やしてしまう。「失踪の知らせはひとまず伏せておこう、さもないと…慶事に水を差す」傅筹は引き続き常堅に父の居場所を探るよう命じ、見つかったら青州王府に伝えると決める。するとふと容楽が静謐(セイヒツ)園に残していった物を思い出し、青州王府に届けさせて欲しいと頼んだ。|ω・`)傅筹…無郁は薬房に蕭可を訪ねた。きまりが悪い無郁は腹が痛いと訴えて蕭可の気を引いたが、すぐ仮病だとばれてしまう。無郁は仕方なく手に入れた珍しい医書を渡した。「雪孤医典(セッコイテン)?!師父の書だわ!これ探していたのよ!」無郁の話では軍の老兵が偶然に見つけ、献上してくれたという。「この前のことは謝るよ…私が悪かった、許してくれ、あれから後悔していたんだ 一緒に行きたかったけれど、何もかも失った昭蕓を独りにできなくて…」蕭可は早速、医書を開いて見ていたが、最後の頁に梅の花びらが貼り付けられていた。無郁の気遣いに思わず顔がほころぶ蕭可、しかしなぜか慌てて無郁を追い出してしまう。実は蕭可は医書の中に気になる記載を見つけていた。ある日、容楽が目を覚まさなくなった。心配した無憂は蕭可を呼ぶよう命じ、侍女たちにそれぞれ雑用を任せ、最後の1人を残す。実はその侍女は扮装した痕香だった。「最近、王妃の睡眠や食欲はどうだった?」侍女になりすましていた痕香は答えられず、背を向けて口ごもる。しかし危ないところで冷炎(レイエン)が懐妊の祝いにやって来た項影を連れて来た。無憂は双子の兄弟だと分かった傅筹が天仇門(テンキュウモン)でどんな暮らしをしていたのか知りたかった。そこでこの機会に項影に聞いてみる。項影の話では天仇門の仲間は皆、親がいない子供ばかりだった。訓練は過酷で、隊に分かれて殺し合いをさせられたという。生き残れるのは隊の仲間を倒した1人のみ、項影は自分が生き残れたのは傅筹のおかげだと言った。傅筹も同じように戦いを勝ち抜いて生き残ったが、より過酷な目に遭っていたという。「天仇門の掟では若門主を殺せば足を洗えるのです、だから常に命を狙われていました また復讐を骨身に刻むため、始終、拷問も受けていました…」無憂は森閻宮で監禁されていた時、無憂から壮絶な過去を聞かされていたが、これが事実だと知って心が痛んだ。項影は自分が下がる機会を利用して痕香を漫音(マンイン)閣から逃した。しかし痕香は容楽の枕元に山河志があったことから、どうしても確かめたいことがある。そこで項影に風鈴を託し、容楽に渡して欲しいと頼んだ。「絶対に危害は加えないわ、大事な話があるの…信じて」容楽がようやく目を覚ました。無憂は元気そうな容楽を見て安堵したが、脈診した蕭可の様子がおかしい。「子供に何か?!」「ぅ…ぁ…何でもないの、母子ともに問題ないわ、大丈夫」しかし蕭可は薬を火にかけたままだと断り、慌てて帰ってしまう。容楽は蕭可を訝しんだが、無憂に毒のことを隠しているため、何も追求しなかった。「可児ったら、無郁と喧嘩でもして上の空なのね…」一方、無郁が薬房で待っていると、蕭可が帰って来た。すると蕭可は急に無郁に抱きついて泣いてしまう。「ねえ、教えて、自分と子供の命の片方しか選べないとしたらどうするべき?」しかしその話を蕭可を追いかけて来た無憂が聞いていた。「殿下?!」蕭可はついに無憂に真実を明かした。実は容楽の具合が悪いのは病ではなく毒のせいで、雪孤医典によれば容楽が冒されているのは″天命″の毒だという。解毒するには生まれる子供に鍼で毒を移すしかなかった。これで完全に解毒はできるが、生まれた子供は薬なしに生きられない身体になるという。「漫夭には伝えるな、この3人以外に漏らすことは許さぬ…」無憂は打ちひしがれた。すでに子供の名前も″宗政嬴(エイ)″と決めていたのに…。漫音閣では何も知らない容楽が自分の木彫り人形を作っていた。無憂は涙をこらえながら容楽に声をかけ、婚礼を早めようという。容楽は無憂がそうしたいなら賛成すると言ったが、ただ盛大な婚儀は必要ないと言った。「あなたの気持ちだけで十分よ…」すると容楽は傅筹から自分が使っていた品が届いたと報告した。しかし文はなく、北臨帝の様子も分からないという。今になって思えば、もっと冷静に判断すべきだった。無憂は符鴛の陰謀に気づけなかったせいで母をあんな目に遭わせてしまったと後悔する。容楽はまだやり直せると励ましたが、なぜか無憂は生きていればやり直せると念を押した。容楽は薬房を訪ね、蕭可から真実を聞き出すことにした。「覚悟はできているわ、だからはっきり聞かせて」「…子供を助ける手段は必ず探す、まず解毒することが先決よ」蕭可は動揺してうっかり口を滑らせてしまう。「子供?!様子が変なのは毒のせいで私の命が危ないのだとばかり…子供のことなの!?」容楽に追及された蕭可は仕方なく解毒法を教えた。その残酷な方法を知った容楽は驚愕し、すでに無憂も知っていると聞いて悲しみに暮れる。苦渋の選択を迫られた容楽は…。容楽が失意の中、漫音閣に戻ると、無憂が待っていた。そこで容楽は無憂の手を自分のお腹に当て、子供の胎動を実感させる。「動いたでしょう?!…苦痛や病から子供を遠ざけたいの、何があっても 何の悩みもなく一生を送らせたい、無憂、分かるでしょう?」無憂は容楽も解毒法を知ったのだと分かった。「ごめんなさい、私を許してね…私にはできない、絶対に! 私たちの子にそんな残酷な真似はできないわ」「では私のことは?私を残して逝くのは残酷だと思わないのか?!」無憂はまず子供を産んで解毒し、子供の解毒方法は改めて探そうと説得する。しかし容楽は自分が味わった苦しみを絶対、子供に味わわせたくないと訴えた。自分たちの子供が年頃になり、愛する人と出会った途端に死ぬ運命だと分かったらどんなに残酷だろうか。その時、無憂は漫夭が作った人形に気づき、それをつかんだ。「この木彫りはいずれ私が子供に告げるための物か?″お前の母上はもうおらぬ″と…」無憂は思わず人形を放り投げ、出て行ってしまう。つづく(꒦ິ⌑꒦ີ)ぇぇぇ…皇兄の出番ない(←そっちかw
2020.08.26
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白发 Princess Silver第52話「雪解け」鎮北(チンホク)王・寧千易(ネイセンイ)は林申(リンシン)と手を組んでいた。洛顔(ラクガン)@沈魚(チンギョ)から全てを聞いた昭蕓(ショウウン)は寧千易を思い留まらせるため、乾林(ケンリン)苑に駆けつける。「山河志も政権もあきらめて、私と静かに暮らしましょう…お願い」昭蕓は容楽(ヨウラク)側に立ち、自分たちの恩人である容楽や宗政無憂(ソウセイムユウ)たちと争って欲しくないと訴えた。しかし昭蕓の必死の願いも虚しく、寧千易はここまで来たら生死を賭けて戦うしかないという。すると隙をついて洛顔が寧千易の首に短刀を突きつけた。兵士たちは一斉に後退したが、寧千易は洛顔が自分を傷つけることなどできないと確信している。案の定、洛顔は決断できず、寧千易にあっさり短剣を持つ手を握られ、そのまま容楽たちの方へ突き飛ばされた。その時、昭蕓が咄嗟に洛顔が落とした短剣を拾い、自ら首にあてて寧千易に迫る。「あなたを止められないならここで死ぬわ!惨劇は見たくない …子供に何と言えばいいの?″あなたの父親は薄情で権力に目がくらんだ″と言えと?」「権力に目がくらんだ?ふっ…昭蕓、これは最後の警告だ、こっちへ来い、剣を捨てるのだ」昭蕓は動かなかった。苦渋の選択を迫られた寧千易だったが、結局、愛する昭蕓を切り捨ててしまう。「…殺れ!」兵士たちが迫る中、傷ついた昭蕓は自害しようとした。しかし咄嗟に容楽が止める。すると宸帝が軍隊を率いてやって来た。「そこまでだ!」鎮北王があろうことか他国の皇帝や領主に対して精羽衛(セイウエイ)を動員、宸帝は自国に災いをもたらすつもりかと非難した。寧千易はあくまで黎(レイ)王と摂政王が勝手に争っただけだとごまかし、何にせよ無憂と容楽、傅筹の3人が死ねば大乱が起こり、宸国が天下の覇者になれると説明する。北臨と手を組めば宸国は版図を広げられ、皇帝が天下統一を図れるというのだ。宸帝は独断による結盟は大罪だと指摘、自分のためだと言うなら盟書を見せろと迫った。すると寧千易は盟書などないとしらばくれ、むしろ宸帝こそ幼帝の親政を訴える朝臣に操られているのではと疑う。「成人するまで政務は私にお任せを…」その時、昭蕓が袂から符鴛(フエン)の盟書を取り出した。「盟書がなければ過ちを隠せると思っているの?」慌てた寧千易は返すよう迫ったが、洛顔が奪われる前に読んでしまう。…鎮北王は有能ながら幼童に仕える身、志が遂げられず誠に遺憾です…哀家(アイジャー)が力を貸しましょう…容楽の息の根を止め、息子と黎王を戦わせ黎王の始末を…成功すれば南境を割譲します、鎮北王、玉座を手に入れてください寧千易は天下統一で太平の世を築くと訴えていたが、真の目的は簒奪だった。私欲のために危険を冒し、しかも最愛の妻の命まで危険にさらしたことで、寧千易は容楽たちから激しく追及されてしまう。そこで宸帝は鎮北王が他国と結託して謀反を画策したものの、事情を知らない兵士たちには武器を置くなら罪を問わないと宣言した。精羽衛は一斉に武器を下ろして降参、すると宸帝が鎮北王を収監するよう命じる。しかし寧千易は拒否し、準備していた酒を運ばせて自ら毒酒をあおった。「グフッ…」寧千易は激しく血を吐き出し、崩れ落ちるようにその場に倒れる。驚いた昭蕓は慌てて駆け寄ると、寧千易を腕に抱いた。「昭蕓…約束してくれ…私のような父親がいたことを子供には告げぬと…」こうして寧千易は愛する昭蕓の腕の中で息絶えた。容楽は悲しい結末に涙していたが、急に立ちくらみを起こして気を失ってしまう。容楽は鎮北王府の一室に運ばれた。無憂たちが見守る中、脈診した侍医は疲れがたまっていただけだと安心させ、実は懐妊していると告げる。喜びに沸く無憂、冷炎(レイエン)、蕭煞(ショウサツ)、しかし傅筹(フチュウ)は居たたまれなくなり、そっと出て行ってしまう。(TㅅT)傅筹…哀れ過ぎる…傅筹は裏山の崖に独りたたずみ、林申の言葉を思い出していた。『ここまで来たらあとには引けぬ、これまで通りの道を進むしかない』確かに林申の言葉にも一理ある、しかし…。『阿筹…』その時、傅筹は雲(ウン)貴妃の声を聞いた。すると雲貴妃が自分を見つけ、優しく微笑む幻覚を見る。しかしその先にいたのは双子の兄弟である無憂だった。2人はしばらく黙ったまま立っていたが、やがて傅筹が先に引き返して行く。無憂はあえて何も声をかけなかったが、傅筹は振り返らずに言った。「父皇はまだ生きている…」一方、容斉(ヨウセイ)は無憂が留守の間に容楽を迎えに行った。蕭煞は公主がまだ昏睡中だと断って剣を構えたが、容斉はその剣をつかんで手のひらを斬ってしまう。「陛下?!」驚愕している蕭煞を横目に容斉は容楽の枕元に腰掛けると、なぜか自分の血を容楽に飲ませた。「蕭煞、なぜそなたのもとへ蕭可(ショウカ)を送ったと思う? …蕭可がおらねば、そなたは朕に背いた だが今では兄妹で容楽に尽くしてくれる、朕の望みどおりになった 容楽?あの者のために自分を傷つけるとは…そなたはもう人妻であり母親なのだぞ? 自分の身体をいたわらねばならぬ、分かったか? すべてが丸く収まり安心した、私との過去を忘れたのなら…永遠に思い出さぬよう願う」そこへ運悪く無憂が戻ってきた。容斉は無憂に容楽を西啓(サイケイ)に連れて帰ると言ったが、その時、ついに容楽が目を覚ます。「無憂…」無憂は漫夭(マンヨウ)の身体を起こしてやると、実は自分たちが親になると教えた。「お腹を刺して大丈夫だったかしら?」「侍医は無事だと言っていた」幸せに包まれる2人、容斉はそれ以上、何も言えなくなり、唇を噛みしめながら出て行った。( ๑≧ꇴ≦)ホァンション!容楽の口元をそっと拭いちゃう皇兄のさり気ない優しさがツボw容斉は容楽を連れて帰るのをあきらめ、西啓への帰路についた。一方、洛顔はようやく容楽に自分の出自を明かし、今度は真の友となる。そこで山河志を返し、懐が深く、思いやりのある漫夭なら人々を苦しみから救い、平等な世の中を作れるはずだと期待した。「洛顔、今後はどうするの?」「各国を旅するわ、これを機に夢を叶えられる」宸帝は黎王を皇宮に招いた。すると3つの馬の置物が飾られている。「宸国の良馬を表す置物がこの中に1つだけある 黎王が正しい置物を選べたら1000頭の馬を青州に持ち帰っても良い」そこで無憂はもし自分が正しい置物を選んで理由も説明できたら、願いを1つ叶えて欲しいと頼んだ。「よかろう」無憂は感謝すると、迷わず土偶の馬を選んだ。「宸国は前朝の乱を経て馬上から再起し、馬を人間の如く重んじている 決して金銀財宝で量れるものではなく、かと言って腐りやすい草木にも例えられません 兵馬の情熱がしみ込む故郷の土で形作られた馬こそ、宸国の良馬の象徴です」宸帝は黎王の洞察力に感心し、喜んで馬を譲った。そして宸国と北臨は永遠に同盟国だと伝え、この先100年は絶対に戦をしないと約束する。「で黎王の願いとは昭蕓公主の赦免では?」「さすがは陛下、お察しがいい」実は宸帝はすでに手配済みだと話し、首謀者である寧千易以外は無罪放免としたという。傅筹は中山(チュウザン)へ帰ることにした。わだかまりが解けた容楽は見送りに出たが、傅筹が伝えておきたいことがあるという。「沈魚が秦永(シンエイ)のことを話していたが、痕香(コンコウ)は秦永の娘だ、本名は秦湘(シンショウ)という」驚いた容楽は22話で秦家の密室で出くわした曲者が痕香だと気づいた。「痕香は姉妹がいることを知ってる?」「それはどうだか…」すると常堅(ジョウケン)が馬車の準備ができたと知らせに来た。「じゃ…達者でな、もう行くよ」傅筹は馬車に向かって歩き出したが、その時、容楽が声をかけた。「あなたも…無事でね」それは傅筹が初めて聞いた容楽の真心からの言葉だった。(꒦ິ⌑꒦ີ)不憫すぎる…傅筹…昭蕓は荷物をまとめて王府を出た。すると鎮北王府の扁額が外され、目の前で門が固く閉じられる。こうして昭蕓は寧千易と暮らした王府を去り、無憂たちと一緒に青州へ向かった。青州では朝臣が総出で黎王と黎王妃を思臨(シリン)門で迎えた。そこで計画を知っていた范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)が王妃の帰還を歓迎すると布告する。「王妃は良馬を調達中、卑怯者の罠に陥り、濡れ衣を着せられたが、 無事に良馬を持ち帰り大任を果たした、本日ようやく公表するに至った」無憂は容楽の手を引いて馬車から降りた。すると、突然、容楽を抱きかかえて歩き始める。驚いた容楽は顔を真っ赤にして恥ずかしがったが、無憂は気兼ねなく王妃への深い愛情を皆に示した。西啓に戻った容斉は皇太后を訪ねた。しかし侍女たちは皇太后なら療養のために1年前から山へ行ったと伝える。自分が出かけていた間に1度も戻っていないと聞いた容斉は侍女たちを下げてひとりになった。そこでかつて母の部屋で見たことがある″雪孤医典(セッコイテン)″を探したが…。「一足、遅かった、すべて計算済みか、いつになったら容楽と私を解放するつもりだ」からくり箱の中は空だった。つづく(  ̄꒳ ̄)いや〜皇兄の何とも言えない表情がねえ〜皇兄のためにここまで頑張ってきました!(←何か間違ってるwそれにしても皇兄、皇太后が1年も留守だって知らなかったの?え?
2020.08.25
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白发 Princess Silver第51話「悲しき因縁」宸(シン)国で愛しい容楽(ヨウラク)と再会を果たしたものの、言葉を交わす機会ももらえなかった傅筹(フチュウ)。するとその夜、中庭で偶然、曲者を見かけた。後を追ってみると、曲者が″擎天(ケイテン)閣″から飛び出して来る。傅筹は男が逃げ去ってから寝殿に駆けつけてみたが、入り口にはなぜか火薬がこぼれていた。一方、洛顔(ラクガン)@沈魚(チンギョ)と別れて部屋に戻った容楽は再び酔ったふりをして泠月(レイゲツ)を待った。すると泠月が昭蕓(ショウウン)から届いた酔い覚ましを持ってくる。容楽は器を受け取ると、気分が悪いので香炉を遠ざけるよう頼み、泠月が背を向けている間に薬湯を植木に捨てた。容楽は酔い覚ましを飲んだと見せかけ、急に倒れた。すると泠月が鎮北(チンホク)王の配下を招き入れ、主から擎天閣へ運べと命じられていると告げる。そこで泠月は公主を抱き起そうとしたが、配下がいきなり泠月の首を締めた。危ないところだったが蕭煞(ショウサツ)が駆けつけ、背後から配下を刺し殺して助けてくれる。「蕭煞~!とても怖かった~死ぬかと思った!助けてくれてありがとう~…」泠月は泣きながら思わず抱きついたが、蕭煞の冷たい視線が突き刺さった。その時、意識を失ったはずの容楽がむっくり起き上がる。泠月は容楽が酔い覚ましを飲んでいなかったと気づいた。いや、最初から酔ってなどいなかったのだろう。泠月は南境にいた時から公主が自分を警戒していたと知った。孫雅璃(ソンアリ)に近づいて公主と離間させたことも、春泥(シュンデイ)を殺して間男で公主を陥れ、寝台の下に偽の証拠を残したことも、公主をかばうふりをしながら雅璃を殺して罪をかぶせたことも全てばれている。すると蕭煞が今までにも蓮心(レンシン)を陥れて追い出し、公主には傅筹に従うよう勧めたと指摘した。「もっと早く気づくべきだったよ…お前の主とは誰のことだ? 寧千易(ネイセンイ)と結託し、何を企んでいる?!白状しろ!」愛する蕭煞から剣を突きつけられ、泠月は呆然となった。「私をだましたの?そして殺すと? …蕭煞?私たちは主から遣わされた公主の監視役よ?公主への忠義はない」しかし蕭煞はたとえ公主を主と見なさなくても、恩義に感謝すべきだと責めた。「情愛は最高の武器だと師父に教えられたわ、公主も同じ考えよ? 宗政無憂(ソウセイムユウ)と傅筹のせいで自分を見失っただけ…」容楽は泠月の言葉に首をかしげたが、ともかく泠月にはいかに情が貴重なのか分からないのだろう。泠月はあの時、林申から薬を受け取り、公主を気絶させて擎天閣へ運べと命じられた。『成功したら蕭煞を見逃してくれますか?』『私に交換条件を出すのか?…もう1つの身分を忘れるな、青狐(セイコ)?』林申はそう言って泠月の頰を軽く叩いた。泠月は脅しても白状しないと頑なだった。「蕭煞、あなたに私は殺せない、だってそうでしょう?私を娶りたいと言ってた 公主を気絶させ、擎天閣に運べば任務は完了よ?…あなたに嫁ぐわ!」深く失望した蕭煞は最後に泠月の頬に優しく触れ、ひと思いに刺した。すると絶命した泠月の袂から蕭煞にもらった小さな薬瓶が転がり落ちる。少なくとも蕭煞への情は本物だったと知る容楽、その時、部屋の中に暗器が投げ込まれた。蕭煞は咄嗟に表に飛び出したが、今度は寝殿の中から物音がする。慌てて部屋に戻ってみると、すでに公主の姿は消えていた。一方、容楽を守るため配下を行かせた寧千易だったが、現れたのは厲武(レイブ)ひとりだった。「殿下!容楽公主が消えました!」いくら待っても配下が戻らないので部屋へ行ったところ、泠月と自分の配下が殺され、公主の姿はなかったという。そこで寧千易は宗政無憂と傅筹を探るよう命じ、自分は容斉(ヨウセイ)を訪ねることにした。容斉はすでに休んでいた。寧千易は侍医を連れて来たと口実をつけて乗り込み、脈診させるよう要求する。驚いた小荀子(ショウジュンシ)は必死に止めたが、寧千易は強引に寝台の帳を開けた。すると容斉は確かに青白い顔で、普通の病ではないと分かる。容斉は仕方なく素直に脈診させたが、侍医は複雑な脈象なので薬をむやみに処方できないと断った。そこで寧千易はゆっくり休むよう伝えて寝所を出ると、侍医から密かに病状を聞く。侍医の診断では西啓帝は薬で命をつないでいる状態、もう長くないという。↓( *`ω´)ちょっと、うちの皇兄を起こすなんて100万年早いのよ💢蕭煞は黎(レイ)王を頼った。漫夭(マンヨウ)が消えたと聞いた無憂は、冷炎(レイエン)に容斉の居所を探れと命じる。その時、傅筹から文が届いた。…容楽に会いたければ擎天閣で決闘を…一方、傅筹は常堅(ジョウケン)から火薬を埋めた男が黎王の部屋に行ったと聞いた。乾林(ケンリン)苑の侍衛の話では酩酊した容楽が擎天閣で黎王を問い詰める気だという。無憂と傅筹は容楽を助けるため擎天閣へ急いだ。2人は偶然にも同時に門に到着、その時、中から大きな音がする。驚いた無憂と傅筹はともかく中に入ってみたが、酒を飲んでいた容楽が梁の下敷きになっていた。その瞬間、激しい爆発が起こり、無憂と傅筹は外へ吹き飛ばされてしまう。林申は計画が上手く行ったことを見届けると、容斉に謁見した。容斉は擎天閣の爆破が林申の仕業だと気づき、傅筹に皇位を奪わせるため容楽を利用し、兄弟を争わせただけで十分なはずだと追及する。しかし林申は主が宗政家を根絶やしにしなければ恨みが晴れないと言っていると教えた。「宗政無憂は必ず傅筹が殺さねばなりません 宗政無憂と傅筹が死に、私が寧千易の罪を公にすれば、宸国には子供の皇帝しか残りません そうなれば陛下は天下を取ったも同然です」「…実際にそうなった時、朕は死んでいるのだろう?」「とんでもない、すべて陛下のためです 陛下が長年、苦しまれたのは宗政允赫(ソウセイインカク)のせいです 陛下に代わり、私が敵を討ちます(๑•̀ㅂ•́)و✧」「…朕は傅筹ではない、恨みを植えつければ惑わされるとでも?」「まさか!陛下は傅筹とは違う、幼い頃から聡明でおられた 傅筹など未だに実母が誰かも知りません、もしも実母が雲(ウン)貴妃だと知れば驚くでしょう 宗政無憂とは双子の兄弟だと分かり、恨みが完全に消えれば、どんな顔をするか…ふっ」( ๑≧ꇴ≦)<ふぅたぁごぉぁぇええええ~っ!!!中庭まで吹き飛ばされた無憂と傅筹だったが、運良く2人は軽傷で済んだ。しかし庭に散乱する残骸の中から、無憂は血だらけの玉符を見つける。その玉符は侍女が容楽から盗み取ったものだったが、無憂が知るはずもない。2人は林申の策にまんまと騙され、容楽が死んだと思い込んだ。林申は無憂と傅筹の決闘を高楼から嬉しそうに眺めていた。やがて無憂は腕を切りつけられながらも反撃、傅筹を突き刺してしまう。冷炎と蕭煞、そして常堅は咄嗟に駆け寄ろうとしたが、2人は加勢を拒んだ。ついに傅筹にとどめを刺すべく剣を振り上げた無憂、その時、容楽が現れる。「やめてっ!」容楽は生きていた。無憂と傅筹は唖然としていたが、誰よりも驚いていたのは林申だろう。無憂は一目散に漫夭のもとへ駆け寄ると、2人の姿を見た傅筹はようやく気づいた。「私はバカだ…どうしようもない、お前たちが決裂したと本気で信じていた…くっくっく… 宗政無憂、母親の敵を討ちたいのだろう?…やれよ、私はここにいる」しかし容楽が無憂を制止し、思わぬ真実を伝えた。「殺し合うのはやめて!双子の兄弟なのよ?!」林申は咄嗟に暗器を投げて容楽の口を封じようとしたが、瞬時に反応した無憂が暗器を払い避け、容楽を守った。↓ふぅたぁごぉぁぇええええ~っ!!!(大事なことなので2回w)林申が中庭に飛び降りて来た。傅筹は消息不明だった林申の登場に驚き、なぜここにいるのか分からない。すると林申は若門主のため宸国へ来たと話し、何としてでも宿敵の宗政無憂を討てとそそのかした。しかし容楽が林申と寧千易は共謀していると暴き、兄弟に殺し合いをさせるつもりだと訴える。「傅筹!無憂は宿敵じゃない!あなたの母は符鴛(フエン)ではなく雲貴妃なのよ! この耳で聞いたの、嘘ではないわ…」実は林申が容斉と話していた時、容楽は奥の部屋で2人の話を聞いていた。「林申、あなたと符鴛は産婆を抱き込み、生まれたばかりの傅筹を死んだ赤子とすり替えた 傅筹を復讐の手駒として育て、皇位を奪わせたあげく、自らの手で兄弟を殺させる… その後、事実を打ち明け、傅筹を苦しめれば目的は達成よ」無憂は母が産んだのは双子だったと教えた。実は雲貴妃は出産の疲れで意識を失う前、双子の腕に龍の痣があるのを見たという。結局、無憂の兄弟はすぐ亡くなったが、腕に痣がなかったため、雲貴妃はどこかで生きていると信じていた。「父は至る所を捜索させたが子供を見つけられず、符鴛の仕業だと確信した それで符鴛を森閻(シンエン)宮で監禁し、拷問に…」「だが私の腕に龍の痣はないっ!」傅筹は思わず叫んだが、その時、ふと思い出した。そこで自分の袖をまくり上げると、確かに龍の形のような傷跡ならある。無憂も腕の龍の痣を示すと、驚いたことに傅筹の傷跡と同じ形をしていた。「お前が削ったのか?」「そうだ、私が削り取った」もはや取り繕えなくなった林申は素直に認めた。しかし5年間の逃避行、戦場で10年も味わった痛み、全ては復讐のためだったはずだと食い下がる。もしこの恨みが偽りなら、今まで払った代償はどうなるのか。「この女はお前を少しも愛していない、宗政無憂にはこんな残酷なことは言わぬ 若門主、ここまで来たらあとには引けぬ、これまで通りの道を進むしかない」すっかり混乱し、呆然と立ちすくむ傅筹、その時、突然、鎮北王の私兵が総攻撃をかけてきた。一方、洛顔は鎮北王の暗躍を阻止するため、密室にやって来た。そこで盟書を探したが、箱の中には山河志しかない。仕方なく山河志だけ取り出して密室を出ると、書斎に昭蕓がいた。「あなたは…」謎の女を探っていた昭蕓、その正体がまさか沈魚だったとは…。驚いた昭蕓は隠し扉の奥に部屋があると知り、寧千易との仲を怪しんだ。洛顔は鎮北王と妙な関係ではないと釈明し、自分の身分を教える。「私は宸国の出身よ、内乱が起きた時、父は権力者に逆らい殺された 母は私を連れて逃げたけど、私を守るため戦に巻き込まれて死んだわ 私は殿下に助けられ、北臨での任務を命じられた…黎王を脅して山河志を奪えとね」昭蕓は到底、信じられなかったが、洛顔はさらに恐ろしい計画を話した。「殿下は天仇門(テンキュウモン)と共謀して容楽を殺し、傅筹と黎王を決闘させるつもりよ あなたがここで見た男は天仇門の門主、あの時、私は密室にいて何もかも聞いたの 密室のどこかに盟書を隠しているはず、殿下は今夜、行動を起こすわ」洛顔は黎王を救う方法は盟書を探し出すことだと迫った。 計画が狂い始めた寧千易は乾林苑に兵士を動員、黎王や摂政王たちを攻撃した。林申は素早く逃げ出したが、容斉が加勢し、3人で容楽を守る。その頃、昭蕓と洛顔は昭蕓の寝宮で盟書を探していた。なかなか見つからない盟書、その時、昭蕓はうっかり寧千易から贈られた子供の衣にお香を落としてしまう。昭蕓は慌てて水をかけたが、濡れた薄絹から文字が透けて見えた。実は寧千易は盟書を子供の衣の中に隠し、昭蕓の部屋に隠していたらしい。それは第50話で奇しくも容楽が手にして広げたあの衣だった。乾林苑に寧千易がやって来た。「そろそろ力が尽きたであろう、これ以上、抵抗するのはよせ、私も手間が省ける」寧千易が本性を現した。本人はしらばくれていたが、容楽から林申と共謀していると追及されてしまう。「偽物の修羅七煞(シュラシチサツ)から助けるという名目で私を宸国へおびき寄せたわ 無憂と傅筹にはなだめるふりをして争わせるよう仕向けたのね」早くから泠月を警戒していた容楽は酔い覚ましを飲まなかったと教えた。そのおかげで泠月と鎮北王の配下の話を聞き、その後、皇兄の部屋で双子の真相を知ったという。「陰謀が暴かれたから私たちを皆殺しにするの?」「…思った通りだ、やはり容楽は陛下の部屋にいたのか」「朕まで鎮北王の罠にかかり、望外の喜びであろう?」しかし寧千易は林申を裏切り、容楽を助けていた。実は爆発で亡くなったのは容楽によく似た身代わりだったという。「友だちだと思うから配慮したのだぞ?」そこへ洛顔が現れた。「嘘よ、″容楽は秦家の生存者で山河志の秘密を知る″…私がそう教えたからなの」「洛顔…騙したのか?!」すると昭蕓まで駆けつけ、寧千易を無視して容楽の元へ向かった。寧千易は昭蕓に話した洛顔に激怒したが、昭蕓は自分が突き止めたのだという。「昭蕓、こっちに来い!」「無憂哥哥も公主姐姐も私の大切な人よ?!私とお腹の子のことを思うなら諦めて!」容楽と無憂は昭蕓を心配し、関わらないよう告げた。しかし昭蕓は大切な2人を守るため、引き下がらない。「山河志も政権もあきらめて、私と静かに暮らしましょう…お願い」つづく(  ̄꒳ ̄)まさかの昼ドラ展開!そしてここにきて納得する配役w無憂が生きていた容楽の元に走っていく姿がまんまドリフだった(笑
2020.08.24
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白发 Princess Silver第50話「大芝居」山河志(サンガシ)を奪って消えた沈魚(チンギョ)は鎮北(チンホク)王・寧千易(ネイセンイ)の間者・洛顔(ラクガン)だった。かつて内乱で鎮北王に救われた洛顔はそのまま王府に引き取られ、武芸を教え込まれる。そして2人はこの世から戦をなくすと言う大志を持ち、そのために洛顔は北臨(ホクリン)に潜入して山河志を手に入れた。しかし山河志で天下統一を目指すはずが奥義が解読できず、寧千易の目的は行き詰まってしまう。鎮北王と林申(リンシン)の密談を聞いた洛顔は、かつて容楽(ヨウラク)を裏切った後ろめたさから、友人を傷つけるべきではないと諫言した。すると寧千易は大義のためには小義を捨てねばならないという。洛顔は王妃の心情を考えるよう諌めたが、寧千易は洛顔が言わなければ済むと言った。「漏らせば我らの関係は…それまでだぞ?」寧千易は山河志と結盟書が入った箱をからくり棚に戻すことにしたが、洛顔がある秘密を打ち明けた。「今まで黙っていましたが、容楽は山河志の秘密を知る秦(シン)家の生存者です、生かしておかねば」黎(レイ)王夫妻の決裂は世を欺くための策だった。宗政無憂(ソウセイムユウ)は密かに鎮北王府に潜入して容楽と接触、実は客桟に現れたおとりは無憂が用意したという。ただし国境付近で容楽たちを襲った修羅七煞(シュラシチサツ)は成り済ましで、無隠楼(ムインロウ)に調べさせていた。容楽は無憂への文に泠月(レイゲツ)を疑っていると書いていた。泠月が孫雅璃(ソンアリ)に近づくのを妙だと思っていたが確証がなかった容楽、しかし詮議の時に自分をかばうと見せかけ、実は窮地に追い込んだ泠月を見て確信する。実は無憂もすでに間男の件を調査していた。予想通り例の男を王府に入れたのは泠月で、前夜の夜に春泥(シュンデイ)を殺し、変装した男を招き入れたという。まさか泠月が自分を陥れるために雅璃と春泥を殺すとは…。容楽は泠月の裏切りに愕然となった。恐らく西啓(サイケイ)から付き添った侍女なら当初から何らかの意図を持って身辺に配されたはず、無憂は泠月の漫夭(マンヨウ)への忠義は見せかけだったと警戒する。「漫夭、情に流されてはならぬぞ」その頃、蕭煞(ショウサツ)は回廊で泠月を待ち伏せしていた。すると公主の薬を準備した泠月が現れる。そこで蕭煞は泠月が疲れているだろうと気遣い、自分が薬を届けると言って受け取った。泠月はありがたく頼んで部屋に帰ることにしたが、物陰から外套を目深にかぶった男が現れる。それは林申だった。誰かが容楽の部屋の戸を叩いた。無憂は咄嗟に隠れたが、蕭煞だと分かって姿を見せる。すると蕭煞は容楽に薬湯を渡し、すぐに出て行った。容楽はこの宸(シン)国で泠月の後ろにいる人間の思惑を見届けるつもりだと話した。「でも怪しい人物は泠月だけじゃない、実は王府で見覚えのある人影を見たの」「沈魚か?」無憂は寧千易が盟約に来た中山(チュウザン)で何度も攏月(ロウゲツ)楼を訪れているのを訝しんでいた。沈魚が寧千易が去った途端に山河志を出せと脅してきたことから、偶然とは思えなかったという。そこで無隠楼に行方を探させたところ、宸国の辺境で沈魚の足取りが途絶えていた。容楽の目的はもう1つ、この機会に軍馬を調達することだった。ただ昭蕓(ショウウン)のことが気がかりだという。寧千易に情を抱き、子供もできた今、本当に寧千易が沈魚の黒幕だとしたらどうするべきか。無憂はともかく真相を調べると伝え、まだ幼いという宸帝と接触してみることにした。宸帝探しを任されていた冷炎(レイエン)は、無憂を連れて街に出た。「ここで待てば現れるはずです」無憂が2階から大街を見下ろしていると、衛兵に追いかけられる幼帝の姿が見える。まだ10歳らしく無邪気に追いかけっこを楽しむ宸帝、その時、疾走する馬車が現れた。無憂は咄嗟に飛び降りて宸帝を抱き、屋根に飛び上がる。馬車は危ないところで停止、実はその馬車は西啓帝・容斉(ヨウセイ)の馬車だった。無憂に捕まった宸帝は放せと騒ぎ出した。しかしそれが演技だと気づいた無憂は、真面目な話をしたいと持ちかける。宸帝は見透かされていると知り、仕方なく応じた。「いいとも、黎(レイ)王」「なぜ私を?」「座ろう…この数日、朕の後を付けさせていただろう? 朕は貴殿の身分ばかりか、北臨の事情も知っている、貴殿と摂政王が宸国に来た理由もだ 西啓の容楽公主のためと軍馬の調達のためだ…そうであろう?」宸帝が幼少ゆえ政などわからぬという噂はどうやら偽りらしい。そんな幼帝に不満を募らせていたのが寧千易だった。寧千易は宸帝が大街で西啓帝の馬車にひかれそうになったと知り、容斉が容楽のためだけに宸国へ来たのではないと気づく。「もしそうなら何が目的なのだ?」ともかく厲武(レイブ)に容斉と傅筹(フチュウ)を見張るよう命じ、さらに林申から宗政無憂が南境を離れたと聞いたことから、人を配すよう指示した。容楽が昭蕓と過ごしていると、寧千易が子供のために用意した衣を見せに来た。昭蕓は嬉しそうに眺めていたが、容楽がふと大きな衣に気がつく。「3歳くらいの衣まで?ふふっ、昭蕓よりせっかちね」寧千易は容楽が衣を広げるのを見て内心、焦っていたが、それとなく衣を取り返して昭蕓の棚にしまうよう侍女に命じた。そこで明日の午の刻、乾林(ケンリン)苑で摂政王と西啓帝をもてなすため、容楽も同席しないかと誘う。実は2人が軍馬を買うためにやって来たが、今年は馬が少ないため一方にしか売れなかった。容楽なら自分より2人を知っているため、どちらに売るべきか助言して欲しいという。すると容楽はこうして助けてもらった恩返しに力を貸すと約束した。翌日、容斉は菓子を準備して容楽が来るのを待っていた。しかし密偵から急報を聞いて宴を断ることにする。「擎天(ケイテン)閣内外で林申の動きがあれば、すぐ報告を…」容斉は容楽に会いたい気持ちより、無事に連れ帰ることを優先した。傅筹は容楽との再会に心躍らせた。しかし容楽は挨拶もせずに席についてしまう。そこへ小荀子(ショウジュンシ)が現れ、西啓帝が持病のため気分が悪く出られないと伝えた。「…公主、陛下が公主のことを気遣っておいででした それでは失礼します」傅筹は西啓帝が何か企んでいると疑ったが、寧千易は宸国で勝手はさせないと安心させた。宴は結局、3人で始まった。容楽は病み上がりながら銘酒を手にしたが、傅筹が傷に触ると取り上げてしまう。「本当に奴と仲違いしたのか?」「黎王の真心は本物だと思っていたが…こんな仕打ちをするとは」寧千易は自分たちがついていると励ましたが、容楽は黎王の話はしたくないと言って別の銘酒を飲み始めた。しかし寧千易は黎王が運命の相手ではなかったのなら、傅筹の気持ちを受け入れてはどうかと勧める。その時、予想外に宗政無憂が現れた。「いつの間に鎮北王は仲人になったのだ?」無憂と傅筹は顔を合わせるなり一触即発となった。寧千易は傅筹が軍馬を買いに来ただけだとなだめ、今にも剣を抜きそうな黎王を座らせる。しかし無憂は敵に軍馬を売るつもりかと鎮北王に噛み付いた。傅筹は南境の足下を見て、北境なら言い値で買うと持ち掛け、無憂を牽制する。すると無憂は南境なら養民変法(ヨウミンヘンホウ)で富と平和を実現したが、戦乱に明け暮れる北境の国庫は空だろうと揶揄した。そこで寧千易は容楽に声をかけ、代わりにどちらに軍馬を売るか決めて欲しいと声をかける。ひとり蚊帳の外で酒をあおっていた容楽はすでに酔いが回っていた。「本当に私の決定に従うつもり?…じゃあ~選ばないわ」容楽は1000頭の軍馬を自分が買うと決め、2人には売りたくないと訴えた。「私は西啓に見捨てられた公主で~北臨の衛国大将軍にも捨てられた、今や南境では罪人の身よ~ これまでの人生で何度も男に捨てられて来た~もうたくさん!自分の勢力が欲しい!」その時、容楽は寧千易からもらった玉符を差し出した。「この玉符を使って軍馬の取引は私が頂くわ」「だが…黎王も同じ玉符を持っている、黎王から同様の要求を受けたら約束を果たせぬ」「ならば私は手を引こう」無憂は何の力もない女子が軍隊など作れるものかと言い放った。仕方なく傅筹も手を引くと決め、容楽が買う軍馬の代金は自分が支払うという。「余計なお世話よ!私が北臨に嫁いだ時の嫁入り支度で十分に払えるわ!全部、返してちょうだい! これで完全に縁も切れるわね~寧千易!話は決まったわ、忘れないでね?」寧千易は容楽を部屋に送るよう命じ、そのまま宴はお開きとなった。容楽は寝殿に向かう道すがら、侍女とぶつかった。その時、侍女はこっそり容楽から玉符を盗む。酔ったふりをしていた容楽は気づいていたが、そのまま寝殿へ向かった。やがて誰もいなくなると普通に歩き出す容楽、すると突然、容斉に物陰へ連れ込まれてしまう。「完全な解毒法を見つけた、一緒に西啓に戻ろう」「これまででは飽き足らず、また騙すつもり?」「騙してはおらぬ、3つの約束は果たしたぞ?」「あんな形で果たされてもかえって迷惑よ!」それでも容斉は自分を信じて欲しいと懸命に訴えるが、容楽もさすがに懲りたという。「もう騙されない、離して!」その時、覆面をした男が現れ、容楽を救い出した。覆面の男は男装した沈魚だった。容楽はすでに鎮北王府で沈魚を見たと教え、山河志を奪わせたのは寧千易だろうと指摘する。すると沈魚は何も聞かずに黎王と宸国を出るよう頼んだ。しかしかえって容楽は陰謀があると気づき、沈魚こそ寧千易から離れるべきだと助言する。「宸国の権力を掌握し、幼い皇帝を監視する善良な為政者ではないわ? 山河志を手にした以上、何をするか分からない」ちょうどその頃、昭蕓が酔い覚ましの差し入れを持って乾林苑にやって来た。その時、以前、書斎に入って行った男装の女が乾林苑から出て行くのを見かける。昭蕓はその女が一体、何者なのかいぶかしむが…。その夜、寝付けない傅筹は中庭を散策しながら、再会した容楽の姿を思い浮かべていた。すると暗闇の中を走り去る曲者を見かける。後を追ってみると、覆面に黒装束の男が擎天(ケイテン)閣から飛び出して来た。傅筹は男が逃げ去ってから駆けつけてみると、擎天閣の前に火薬がこぼれている。つづく( ˘ω˘ )傅筹…もうやめとけって
2020.08.23
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白发 Princess Silver第49話「異国での再会」西啓(サイケイ)の皇帝・容斉(ヨウセイ)は長年、探していた医書を手に入れた。正確には医書の半分だけだったが、密偵はその雪孤(セッコ)医典に容斉が知りたい情報が記載されていると教える。「20年ほど前、何者かが雪孤聖女から奪おうとして争った際、半分に破れてしまったとか 奪われたのは前半で、後半は雪孤聖女が保管を…この書は弟子の蕭可も読んでいません」しかし容斉には前半がどこにあるのか検討がついていた。…容楽、待っていてくれ北境の摂政王・傅筹(フチュウ)は父から″西″という手がかりを得た。西啓に何か秘密があると気づいた傅筹は、南境から戻って以来、寄り付かなくなった森閻(シンエン)宮を訪ねてみる。すると符鴛(フエン)が王宮に戻ってからずっと避けていた鏡に自分の顔を写していた。「自分の傷にはいつか向き合わないと…逃げるだけでは何も解決しない」傅筹はそれが自分への当てこすりだと分かっている。「以前、話された西啓帝とは容斉の父・容毅(ヨウキ)のことですか?母后、お知り合いなので?」符鴛は不満とばかりに音を立てて茶碗を置き、話題をそらそうとした。しかし傅筹が再び母と西啓帝の関係を追求しようとすると、符鴛は疲れたと言って傅筹を追い返してしまう。傅筹はがらんとした朝堂でひとりしゃがみ込んだ。「もし私が最初から君に選ばれていたら…もし君を利用しなければ… もしあの時、痕香(コンコウ)ではないと見抜き、毒を飲ませていなければ…私たちは離れなかった …だが残念ながら時は戻せない」 そこへ常堅(ジョウケン)がやって来た。実は容楽(ヨウラク)が宸(シン)国付近で修羅七煞(シュラシチサツ)に襲われ、鎮北(チンホク)王の配下が救助したという。傅筹は宗政無憂(ソウセイムユウ)が容楽に修羅七煞を差し向けたと聞いて困惑した。「愛情が深すぎて少しの裏切りも許せなかったのか?それとも理性を失うほど衝撃を受けたと?」常堅の報告では雲(ウン)貴妃の遺灰を失って以来、黎(レイ)王と王妃には溝が出来ていたという。傅筹は無憂が生母の敵を討つため、容楽より軍の士気を優先したと考えた。…宗政無憂、私と同じ轍を踏むなら容楽は返してもらう符鴛は一度は疎んだ林申(リンシン)を密かに呼びつけた。傅筹が軍馬の調達だと言って宸国へ向かったが、容楽に会いに行ったことは百も承知している。「お前は私に天仇門(テンキュウモン)を滅ぼされ、怒っているのね?…仕方がなかったの 容楽をうまく利用し、宗政無憂は投降させたけれど、筹児をなだめるには犠牲が必要だった」すると符鴛はそっと手を伸ばす。林申は自分の手を貸して介添えし、椅子にまで主を案内した。「怒ってはいません、ここ数年、何があろうとあなたに尽くしてきた …私の茶を飲み、微笑んでくれるなら、おそばを離れず命がけでお守りします、太監として」符鴛は林申の自分への情を利用し、再び頼みごとがあると切り出した。「やはり私が必要で?!」林申は思わず顔をほころばせる。そこで符鴛は南征しない傅筹に失望したと話し、林申が宸国へ行って傅筹を後押しするよう頼んだ。「このまま放っておけば、私の計画がっ…」容楽のために自ら白髪になった無憂、今回も当然、容楽をかばうと思っていたが、まさかあっさり見捨てるとは意外だった。「ご安心を、今度こそ計画を果たしてみせます!」南境を追われた容楽は宸国の鎮北王府にたどり着き、妹のように可愛がっていた昭蕓(ショウウン)と再会を果たした。寧千易(ネイセンイ)と昭蕓は容楽と黎王の決裂が信じられなかったが、容楽は修復が不可能だと漏らす。「あの人の話は2度としないで…ここで傷を癒すわ」すると昭蕓は実は懐妊2ヶ月だと報告した。昭蕓を心配していた容楽だったが、寧千易と昭蕓の仲睦まじい姿を目の当たりにし、目を細める。そこへ守衛がやって来た。容楽に客人だという。傅筹が鎮北王府に到着した。守衛は摂政王を庭園にいる鎮北王の元まで案内したが、そこに西啓帝・容斉もいる。奇しくもほぼ同時に鎮北王府に到着した容斉と傅筹、2人は顔を合わせるなり容楽を巡って敵意むき出しになった。2人はどちらも容楽と会いたいと訴えたが、寧千易は容楽が応じないと告げる。そこでひとまず2人も王府に滞在して容楽の心の準備ができるのを待ってはどうかと提案した。仕方なく乾林(ケンリン)苑へ向かう容斉と傅筹、その様子をちょうど容楽と昭蕓が見ていた。「姐姐、会いたくなければ無理はさせません」昭蕓は容楽を寝殿まで案内することにした。すると昭蕓は昔を懐かしみ、ふと宗政無郁(ソウセイムイク)も元気かと尋ねる。容楽は元気だと安心させると、昭蕓はほっと胸をなでおろした。「無郁と別れて、もう誰も好きになれないと考えて、宸国に来たばかりの頃は悶々としていたのです でも千易が毎日、慰めてくれました」昭蕓は千易がいかに自分を大事にしてくれたか話し、当時はいつもそばにいてくれたと言った。しかし最近は政務が忙しいのか、王府に戻っても書斎にこもっていることが多いという。その時、回廊にいた2人は偶然、鎮北王の書斎に入って行く男装の女を見かけた。「誰なの?」「知りません、王府にいる女子は私と侍女だけのはず…」容楽はどこか見覚えがあると気になり、後を追いかけようとしたが、昭蕓に止められてしまう。「千易の書斎には勝手に入れないのです、私も一度も入ったことがありません」乾林苑の客房に落ち着いた容斉だったが、早速、傅筹が会いに来た。すでにいきり立っている傅筹は、容斉が今回も何か目的があって宸国に来たと疑っている。実は傅筹は将軍府で容楽と痕香(コンコウ)をすり替えたのが容斉だと知っていた。「私は容楽を失った…」「″失った″と言えるのは容楽から愛されたことがある者だけだ」←皇兄の正論( ๑≧ꇴ≦)容斉は殺したいのはお互い様だと憤慨したが、それ以上に傅筹を哀れんでいるという。なぜなら傅筹は未だに真の敵が誰か分かっていないのだから…。しかし傅筹はもう一度、自分を利用するための挑発に過ぎないとあしらった。「言っておくが、お前とは2度と手を組まぬ、私は1人でも戦うつもりだ」「人心を掌握したつもりでいるのだろうが、そなたこそ一番の愚か者だ …傅筹、朕がそなたなら今すぐ北臨に帰る、何もせずにな さもなくば、いかに馬鹿げた人生だったか知ることになる」その時、鎮北王の使いがやって来た。5日後に宴を催すので擎天(ケイテン)閣に来て欲しいという。「容楽公主も参加なさいます」容楽は宸国に来てから蕭煞(ショウサツ)に泠月(レイゲツ)を監視させていた。その晩、容楽は蕭煞に泠月を足止めさせ、黒装束で鎮北王の書斎に忍び込む。しかし運悪く寧千易がやって来た。『今日は何かあったか?』『はい、洛顔(ラクガン)さんが戻りました』容楽は咄嗟に物陰に身を潜め、短刀を構えて戸が開くのを待つ。その時、意外な人物が現れ、容楽を連れて一緒に脱出した。容楽を助けたのは黒装束姿で忍び込んだ無憂だった。「博古(ハッコ)堂で約束したはずだ、″慎重に行動し、危険を避ける″と…」すると容楽は思わず無憂に抱きつき、あの日、朝堂で自分の身体を傷つけてしまっことを謝罪する。「ごめんなさい…急なことだったの 解決しようにも近くに間者が潜んでいて、噂が広まり世間からは非難され、証人も消されたわ あなたがまた私をかばえば人心が離れてしまう」「だから私にも芝居をさせ、己の身体に剣を突き立てたのか?私の思いも考えず」「皆を信用させるためだったの…無憂、北境を討つためにも軍の士気は乱せない」容楽は自分のために天下をあきらめ、母まで犠牲にした無憂をこれ以上、苦しめたくなかった。しかし無憂はもう一度やり直せても同じ選択をするという。「漫夭…私は両親を失った、そなたまで失えぬ」その頃、寧千易は書斎で林申(リンシン)と会っていた。林申は自分の策略に協力して欲しいと持ちかけたが、林申の主はかつて宸国を裏切った公主、寧千易は簡単には信じられない。そこで林申は符鴛自らしたためた盟書を渡した。「鎮北王が我が主の望みを叶えてくれるなら、大志大業の邪魔となる者を我々が取り除きましょう 南境の領土も半分、差し上げますよ?」林申は鎮北王の即位をちらつかせ、反応を見ていた。その時、表から守衛ともめている昭蕓の声が聞こえてくる。昭蕓は深夜に誰と会っているのか知りたいと訴え、書斎に入れろと迫っていた。寧千易が書斎から出て来た。昭蕓は思わず寧千易に抱きつき、寧千易が他の女子を娶って自分を嫌いになる夢を見たと訴える。夢の話だと知った寧千易は失笑したが、昭蕓は一大事だと言った。「宸国では友だちもおらず、家族はあなただけ、あなたを失えば独りぼっちなのよ? 女子を囲っているから私を入れてくれないの?」寧千易は愛する昭蕓を安心させるため、不安が拭えないなら中に入って見ればいいと認めた。すると昭蕓は喜んで走り出し、中にいるのが黒い外套をかぶった男だと知る。「( ̄▽ ̄;)あ…誤解だったのね?」寧千易は思いがけず昭蕓が嫉妬してくれたことに喜んだが、昭蕓は恥ずかしくなって急いで帰って行った。「ふっ…決断を躊躇するわけが分かりました あなたも宗政無憂と同じだ、女子への情が足かせになっている」「警告するが、昭蕓に手を出すなよ?」寧千易は林申に釘を刺し、昭蕓に危害を加える者には大軍を使ってでも命で償わせると脅しておく。結局、寧千易は盟書を預かり、3日後に返事をすると伝えたが…。寧千易が隠し部屋へ入ると、洛顔@沈魚(チンギョ)が待っていた。洛顔は林申との話を聞いていたが、同盟を結ぶことに懸念を示す。「ご友人を傷つけないでください、中でも容楽公主は殿下の命の恩人です」「洛顔、異国に長く滞在し、己の志を忘れたのか?」「覚えています」宸国で内乱が次々に起こった時、無辜の民を救ったのはまだ年若い寧千易だった。洛顔にとって鎮北王は大志を抱く救世主、2人の夢はこの世から戦をなくすことだったが…。つづく|ω・`)林申のロン毛って…誰得なの?
2020.08.20
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白发 Princess Silver第48話「王妃の醜聞」容楽(ヨウラク)は不眠に悩まされていたが、侍女・春泥(シュンデイ)が付き添うようになってから眠れるようになった。その夜も公主の寝支度を終えた泠月(レイゲツ)と交代で春泥が漫音(マンイン)閣にやって来る。春泥は容楽が眠ったのを確認して隣に横になったが、密かに顔のお面を剥ぎ取り始め…。翌朝、侍女たちが王妃の朝支度のため、漫音閣にやって来た。しかし何度、声をかけても王妃が目覚めず、仕方なく帳(トバリ)を開けたが、なんと王妃の寝台に若い男がいる。驚いた侍女はうっかり洗面器を落とし、慌てて平伏した。寝所がにわかに騒がしくなり、容楽はようやく目を覚ました。すると隣になぜか見知らぬ男がいる。容楽は飛び起きて宝剣を抜き、曲者に突きつけた。「何者なの?!どうしてここに?!」「殿下のお耳に入らぬよう他言はいたしません、ずっと王妃をお慕いしておりました」「お前とは会ったこともない!」すると男はなぜか容楽が突きつけた剣で自ら首を傷をつける。そこへ泠月が侍衛を連れて駆けつた。泠月は人を殺めてはならないと公主を落ち着かせた。そして侍衛に男を引き渡して侍女たちを下げたが、そこへなぜか孫雅璃(ソンアリ)が飛び込んで来る。何が何だか分からず、呆然と立ちすくむ容楽、その時、雅璃が急に容楽が剣を握っている手をつかんで自分の首に剣を当てた。「誰か来て!口封じに殺されるわ!」雅璃が騒ぎ立てたことで侍女たちも王妃に間男がいたと信じ込み、この騒ぎは早々に朝臣たちの耳に入ってしまう。容楽が遅れて朝議に現れた。そこで朝臣らは王妃が若い男を囲っていた疑惑について申し開きがあるか尋ねる。容楽は陥れられただけで何もやましい点はないと否定し、黎(レイ)王が信頼する臣下たちの調べを受けるつもりだと言った。すると外遊から戻ったばかりの曹(ソウ)氏が自分なら王妃との面識も浅いため、詮議を担当したいと申し出る。容楽は公正明大な曹大人(ダーレン)なら安心だと認め、すぐ証人たちが呼ばれた。最初の証人は容楽の寝台にいた若い男だった。男は思慕の念を抑えきれず、自分が王妃を誘惑しただけだと証言、あくまで一方的な想いだと訴える。確かに警護が厳しい漫音閣、朝臣たちは誰かが招き入れない限り簡単に侵入するのは難しいと考え、曲者ではないと判断した。次に現場にいた侍女たちが呼ばれた。しかし侍女たちは泠月にすぐ追い出されたため、何も知らないと訴える。そこで曹氏は泠月を召喚した。泠月は男の隣にひざまずくなり、すべて王妃を陥れるためのでたらめだと訴えた。確かに王妃がこの男に剣を向けているのを目撃したが、王妃に付き添っていた春泥なら男が刺客だと証言できるはずだという。その時、衛兵が駆けつけ、王府内の井戸で春泥の骸(ムクロ)が発見されたと報告した。どうやら殺された後、投げ込まれたらしい。男は真っ先に自分が殺したと訴え、王妃のために首を絞めて井戸に捨てたが、王妃は知らないと証言した。すると衛兵は春泥の死因が窒息ではなく、頭部への打撃によるものだと報告する。驚いた朝臣たちは王妃が不貞を目撃した春泥を口封じし、その罪を男がかぶったと決めつけた。しかし曹氏はまだ王妃が殺した証拠にはならないと釘を刺し、漫音閣の捜査を嘆願する。容楽は信頼できる者の捜査なら許すと同意、范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)がその役目を引き受けた。范陽王の捜査を待つ間、雅璃が自ら証人として朝堂に現れた。雅璃は王妃が男を殺して口封じしようとするのを目撃したと証言、その証拠に男の首に傷があるはずだという。早速、曹氏が確認してみたが、確かに男の首に傷跡があった。思えば現場にいた多くの者が王妃の凶行を目撃し、泠月が″殺めてはならない″と王妃を諌める声を聞いた者も多い。すると雅璃は自ら王妃を恨んでいると認めた。当初は親しかったが、王妃が自分の本性を見抜かれたとなると、急に避けて雅璃を陥れたという。つまり王妃は自分の秘密を隠すため、雅璃を監禁したというのだ。閉じ込められた雅璃は戸の隙間から外を眺めることだけが気晴らしだったと話し、泠月とその男を何度も見たという。「毎回、子の刻に来て卯の刻に去る…王妃と一晩、過ごしていたのでしょう」さらに雅璃は王妃がかつて北境の摂政王・傅筹(フチュウ)の正妻だった時に黎王を誘惑したと罵り、もともと西啓(サイケイ)の長公主・容楽として衛国大将軍に嫁いだと暴露した。「黙りなさい!」泠月は思わず雅璃の頰を引っ叩いてしまう。泠月は雅璃こそ将軍府で何度も将軍を誘惑したと証言、青州では黎王の寝台に忍び込んだと責めた。しかしかえって容楽がかつて衛国大将軍・傅筹の夫人だったと認めることになり、朝臣たちは王妃が噂通り北境の間者ではないかと疑う。その時、雅璃が隠し持っていた短剣を握りしめ、容楽に向かって飛び出した。容楽を椅子に押し付け、短剣を振り上げる雅璃、そこに泠月が駆けつけ、王妃を守るふりをしながら雅璃の腹を刺してしまう。雅璃は泠月に裏切られたと気づいたが、そのまま倒れて息絶えた。雅璃の背中しか見えなかった朝臣たちは王妃が雅璃を刺したと誤解し、朝堂は騒然となる。泠月は自分が押したせいだと容楽をかばったが、そこに范陽王が戻ってきた。「いずれも王妃の仕業に間違いない!」范陽王は漫音閣から血がついた陶片を発見したと報告した。侍女の証言で漫音閣で使っていた陶器だと判明、恐らく花瓶で春泥の頭を殴打して殺害し、部屋を清掃したものの、手抜かりがあったのだろう。しかも寝台の下には血痕も残っていた。これが決定的な証拠となり、曹氏は王妃が黎王の度重なる援軍の要請を無視したのも故意だと疑う。「自身が南境の権力を独占するため、殿下を危険にさらして北境に協力したのでは?!」その時、帰還した無憂が現れた。容楽は無憂が自分の計画に同意してくれたのだと安堵し、駆け寄って無実を訴える。「皆とは違ってあなたなら分かるはずよ!なぜ雅璃が急にあんな出任せを…でも私は殺してない!」すると無憂は漫夭を突き放し、剣を突きつけた。「なぜだ?…こんな事態を私が許せると思うか?!」「無憂…私を信じないの?」容楽は無憂の信頼を失った衝撃から無憂の剣先を握りしめ、自ら胸を刺してしまう。すぐにでも容楽を助けたい無憂、しかし涙をのんで冷炎を呼んだ。「王妃を牢へ!」泠月は気を失った容楽を介抱していたが、ふと恨みがこみ上げてきた。当時、漫夭が林申(リンシン)から稽古をつけてもらう様子を盗み見ながら、自分も剣術の真似事をしていたことがある。林申はそんな泠月に気づき、武芸を習いたいのかと聞いた。『教えてやってもいい、だが忘れるな、時には無芸な方が身を隠しやすいということを…』『ありがとうございます!師父!』『師父と呼ぶな、お前が弟子になれる器だと思うか?今日からお前は青狐(セイコ)だ あの者のそばで一挙一動を見張れ、何かあればすぐ私に報告しろ』王府で泠月はある下男から林申の命を聞いた。…次の計画を練り上げろと…分かったわそこで雅璃と春泥に近づき、用済みとなった2人を始末した。「同じ門派でありながら、なぜあなたは公主で私が侍女なの?」泠月は容楽の胸の傷を手巾で強く押し、ささやかな復讐をしていたが、そこへ蕭煞(ショウサツ)が駆けつけた。軍営を任されていた陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)だったが、知らせを聞いて慌てて七兄を訪ねた。そこへ冷炎が駆けつけ、王妃が蕭煞と泠月を連れて脱獄したという。憤慨した無憂はすぐ手配をかけろと命じ、冷炎にも探しに行くよう指示した。無郁は漫夭を殺すつもりかと焦り、今回も何者かの陰謀に決まっていると説得する。しかし無憂は口出し無用だと退けた。無郁は仕方なく薬房の蕭可(ショウカ)を訪ねた。騒ぎを知らなかった蕭可は無郁から経緯を聞いて愕然となる。蕭可にとって家族と呼べるのは容楽と兄だけ、そんな2人がいなくなれば生きていけないと涙した。「大丈夫だ、心配するな」無郁は蕭可の涙をぬぐい、自分を信じてこのまま待つよう言い聞かせる。白髪妖婦の事件でも七兄が命がけで漫夭を守ったように、今回も大事にはならないだろう。無憂は軍営に戻らなければならず、後ろ髪を引かれる思いで薬房を後にした。黎王妃の醜聞は北境の傅筹の耳にも届いた。当然、信じられない話だったが、常堅(ジョウケン)の報告では脱獄した王妃に手配がかけられ、確かに事実だという。傅筹は陰謀に決まっていると呆れ、事の子細を調べて容楽を探し出すよう命じた。一方、容楽たちは客桟(キャクサン)の一室に身を隠していた。しかしすぐ捜索の兵士が現れ、手負いの容楽は休む暇もない。「足取りが知られるけど、戦って振り切るしかない」蕭煞は戸の隙間から兵士の様子をうかがっていたが、その時、何者かが自分たちに扮しておとりとなってくれる。「そう言えば北境なまりの者が昨日、街で公主の消息を探っていました」泠月は傅筹だと喜び、公主を疑った黎王は薄情だと非難した。ともかく今夜はこのまま休めることになったが、容楽はこれからどこへ行ったら良いのか分からない。「この世界には私の安住の地などないのね…」すると泠月が宸国へ行こうと提案した。鎮北(チンホク)王とは親しく、何より妹のような昭蕓(ショウウン)がいた。翌朝、容楽たちは馬車で南境を無事に脱出した。しかし宸国との国境付近で修羅七煞(シュラシチサツ)に追いつかれてしまう。その時、鎮北王の侍従・厲武(レイブ)が兵士を引き連れ、現れた。その頃、西啓の皇帝・容斉(ヨウセイ)も密偵から容楽の報告を聞いていた。南境と宸国の辺境で刺客に襲われたものの、鎮北王の侍衛に救われたという。ただ容楽は黎王から受けた傷が悪化していた。すでに黎王夫妻の決裂は世の知るところとなり、刺客も黎王が放ったと噂されているという。「しかし調べでは…」「言うな、分かっている」容斉は宗政無憂が力をつけることを恐れる者がいると知っていた。そこで容楽を利用したのだろう。「小荀子(ショウジュンシ)、馬車の用意を…宸国に行く」菓子に入れて食べさせた薬はもう効力が尽きているはずだ。容斉は長旅に耐えられる身体ではなかったが、容楽を助けに行かねばならない。すると密偵が雪孤(セッコ)山で手に入れた医書を手渡した。半分しかなかったが、容斉が知りたい情報なら記載されているという。つづく( ๑≧ꇴ≦)ほぁんしょーーーん!ついに乗り越えたーーっ!
2020.08.19
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白发 Princess Silver第47話「説得の文」脱獄した孫継周(ソンケイシュウ)は傅筹(フチュウ)を頼った。そこで南境軍の機密と引き換えに雅璃を助け出して欲しいと訴える。しかし傅筹は忠義に欠ける人間を信用することができなかった。「実の娘さえ利用し、教え子さえ裏切った者だ… どうやら長年、宗政無憂(ソウセイムユウ)の師を務めながら奴を理解しておらぬ 奴が本物の機密を貴殿に渡すと思うか?」傅筹は衛兵を呼び、孫継周を連行するよう命じた。驚いた孫継周は白髪妖婦の失敗が原因かと聞いたが、傅筹は思わず孫継周の胸ぐらをつかむ。「私の名をかたって容楽(ヨウラク)@漫夭(マンヨウ)を窮地に陥れたうえ、 事情を報告せず、私を危険に晒した!」激怒した傅筹は情け容赦なく孫継周を斬れと命じた。すると孫継周は白髪妖婦の件で一族の命を助ける約束だったと訴える。傅筹には身に覚えのない約束だったが、孫継周は約束を破った傅筹を卑怯者だと罵りながら連れ出されて行った。傅筹は北臨(ホクリン)帝・宗政允赫(ソウセイインカク)の天幕を訪ねた。目の前にいるのは父でありながら幼い頃から復讐を誓った敵、しかし今やかつての威厳はなく、動くことも話すこともできない老いぼれになっている。恐らく愛する雲(ウン)貴妃の魂を冒涜した母のことを陰湿で悪辣だと非難したいだろう。実は宗政允赫は必死に何かを伝えようとしていたが、傅筹は気づかなかった。すると傅筹はそもそも宗政允赫に父や夫としての良心があれば悲劇は起こらなかったと責め、おかげで今や母はすっかり変貌し、執着が激しく、自分に隠れて何かを企んでいるようだと嘆く。「xi … xi …」その時、宗政允赫の口からかすかに音が漏れた。傅筹は父が何を言いたいのか分からず困惑していると、宗政允赫は自分の足に指でなぞって見せる。「xi…西か?″西″と書いたのか?」宗政允赫は小さくうなずくと、そこに符鴛(フエン)が現れた。そこで傅筹は母に青州の孫継周に連絡を取ったことがあるか尋ねる。「うふ、森閻(シンエン)宮を出ない私が遠方の者に何の連絡を?」符鴛は優しい母親の顔に戻ってごまかし、早く傷を治して南征に出発しろという。すると傅筹はこの機会に政(マツリゴト)への意見は控えて欲しいと釘を刺した。孫雅璃(ソンアリ)と侍女・春泥(シュンデイ)は青州王府の一室に監禁された。しかしこんな状況でも泠月(レイゲツ)だけは2人を気にかけ、差し入れを持って面会に来てくれる。雅璃は容楽に知られたら泠月が叱られると心配したが、泠月は寛大な公主なら平気だと笑った。「それに今は殿下と仲睦まじいから気づかないわ」泠月は雅璃が黎(レイ)王に横恋慕していると知りながら、わざと嫉妬させた。泠月が面会を終えて寝殿を後にすると、蕭煞(ショウサツ)が現れた。まさか泠月が公主と黎王の仲を引き裂こうとした悪人に会いに来ているとは…。泠月は雅璃を友だちだとかばったが、蕭煞は公主への不忠になると言い聞かせて連れて帰る。その様子を雅璃は窓紗越しに見ていた。血烏(ケツウ)の効果で黒髪を取り戻した容楽、今日は黒髪姿になって初めての朝堂へ向かうはずだった。しかし蕭煞が漫音(マンイン)閣に駆けつけ、黎王が怒りに任せて出征し、朝議が中止になったと報告する。泠月はすかさず公主の怪我が完治していないのに黙って出征したと黎王を非難、しかし蕭煞がそっと首を横に振って諭した。「もうひとつご報告が…孫継周が北境で殺されたそうです」驚いた容楽は雅璃にまだ伝えないよう頼んだが、その時、泠月が実は雅璃の侍女が公主に会いたがっていると伝えた。春泥は王妃に仕えたいと懇願した。今さら主を裏切るのは不本意だが、雅璃は以前とはまるで別人だという。すると袖をまくり上げ、痣だらけの腕を見せた。「過去の恥辱と苦痛が頭から離れないようで、わけもなく私に手を上げます、私はそれでも構いません でも私がおそばにいることで過去を思い出させてしまうのなら、私はいない方が良いかと…」蕭煞は王府から出してやってはどうかと進言したが、春泥は捨て子の自分に頼る者などいないと涙ながらに訴えた。同情した容楽は春泥を引き受けると決め、蕭煞に春泥の傷の手当てを頼む。「それから蕭可(ショウカ)を雅璃の所へ…」蕭煞が春泥を連れて出て行くと、泠月はひざまずいて許しを請うた。実は内緒で何度か雅璃に会いに行き、異変にも気づいていたが、蕭煞に止められて黙っていたという。すると容楽は泠月を立たせ、天涯孤独となった雅璃を心配し、様子を見に行くことにした。容楽と泠月が雅璃の部屋に入ると、一足先に蕭可が診察に来ていた。どうやら雅璃は心の病にかかり、誰かに殺される幻覚を見てしまうという。蕭可は薬で治ると安心させたが、容楽を見た雅璃は妖婦だと怯え、錯乱した。「はっ!白髪じゃないわ!これは幻覚なんだわ!」しかし泠月に気づくと親しそうに手を握り、妖婦と一緒にいたらひどい目に遭わされると心配した。泠月は怖くなって容楽に帰ろうと言ったが、雅璃は泠月まで見捨てるのかとすがりつく。すると蕭可がかえって刺激を与えてしまうと警告し、容楽に戻るよう告げた。黙って出征した無憂から援軍の要請が何度も届く中、容楽は病を理由に朝議を欠席、決定を引き延ばしていた。仕方なく范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)は黎王妃を訪ね、理由を聞くことにする。「皇叔、今、北境と開戦するべきだとお考えでしょうか?」「…ずっと考えているが、私も答えは出ぬ」無憂は1年余りの間に余力を蓄え、最小の代償で勝利する機会を待っていたはずだった。今がその好機でないことだけは確かだろう。容楽も范陽王も心情は無憂と同じ、敵を討ちたいと願っていた。しかし急な出征で兵糧が乏しく、道も雪が深いため、容楽はこれでは勝てないと危惧する。「他にも障害が1つあります、私と無憂しか知らぬ事情ですので、どうか誰にも漏らさないよう…」すると容楽は人払いした。容楽は濯(タク)州の地震のあと馬疫が蔓延し、軍馬は以前の3割にも満たない状況だと教えた。羅家軍による辺境の勝利は策による快挙で、実際に攻撃はしていない。今回、運良く辺境で勝利できたとしても、恐らく中山(チュウザン)まで攻め込むのは難しいだろう。それどころか辺境での小競り合いで貴重な国力と兵力を消耗してしまうことが気がかりだった。容楽は機密を漏らすわけにいかず1人で悩んできたが、そもそも自分のせいだと気が咎める。事情を知った范陽王は容楽に協力することにしたが、王妃が無憂を孤軍奮闘させるとなれば朝堂での異議は避けられないだろう。しかし容楽に考えがあると知り、范陽王は安心して帰って行った。容楽はすぐ蕭煞を呼び、無憂への文を託した。「大切な文よ、肌身離さないで 直接、無憂に手渡し、″決断を待つ″と伝えてね」すると蕭煞はその足で辺境へ発つことにする。泠月は慌てて門まで駆けつけ、辺境は寒いからと衣を持たせた。「戻ったら君とゆっくり過ごすよ」「またそれ?いつだって口ばかりなんだから…私より公主の命の方が大事なのね?!」「妬いているのか?」蕭煞は公主あっての自分たちだと言い聞かせ、戻ったら婚姻を願い出るつもりだと話した。「王府が嫌なら2人でここを離れよう、君が行きたいところで一緒に暮らすんだ」2人はしばし抱き合って別れを惜しむと、泠月は満面の笑みで蕭煞を送り出す。しかし1人になった途端、泠月の顔から笑顔が消えた。無憂が出征してからと言うもの容楽は悪夢にうなされ、よく眠れなくなった。泠月は自分が一晩中、そばに付いていると言ったが、容楽は自分の世話で疲れていると遠慮する。すると春泥がせめてもの恩返しに自分が付き添うと申し出た。「明日から夜はこちらに…」無憂の大軍は回潼(カイドウ)関まで迫っていた。常堅(ジョウケン)は援軍を求める急報が20通にも上ると報告する。しかし守備のための武器が足りないことから、傅筹は挑発されても決して攻撃しないよう前線に伝えろと命じた。もし敵に攻め込まれれば、前線の兵士は関所を守るために皆殺しになってしまう。「5日の辛抱だ…5日、待てば宗政無憂は撤退する…」しかしそこへ符鴛が乗り込んできた。「筹児!どう言うこと?!傷は治ったのに、なぜ出征しないの?!」「言ったはずです、政に関しては私自身が決めると… 私が″攻めぬ″と言いましたか?絶好の時機を待っているのです、どうか全て私にお任せを…」符鴛は母の自分にさえ計画を明かさないのかと食い下がったが、傅筹は負けたくないだけだと冷静だった。「宗政無憂は一時の感情で兵を起こした、軍力が弱まった時を狙い反撃すれば全滅します これこそ上策でしょう?口出しは無用です」「衝動であろうと敵は行動したわ!臆病なそなたより賢明よ!ふん!」傅筹は感情的にまくし立てる符鴛をあしらい、追い返してしまう。南境の軍営でも意見が分かれていた。残っている兵糧はあと5日しか持たず、雪で道が閉ざされた今、兵糧の調達は難しい。天然の要害で守りに強い回潼関を攻め落とすには半月は必要だった。羅植(ラショク)将軍と無相子(ムソウシ)は攻め込むことに反対だったが、無憂は衝動で行動したわけではないと釈明する。傅筹は負傷して都に戻っており、増兵したかに見せて実はこけおどしに過ぎないと分かっていた。密偵の報告では敵も同様に兵糧が十分ではないという。復讐にはやる陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は攻めるべきだと訴えたが、羅植はひとまず青州からの援軍を待ってはどうかと進言した。そこへちょうど漫夭からの密書を携え、蕭煞がやって来る。漫夭の文を読んだ無憂は困惑し、無相子と2人になりたいと頼んだ。無相子は王妃も開戦に反対なのだと察した。そこで復讐心に駆られる無憂に冷静になるよう訴える。かつて自分の家が秦永(シンエイ)の一件で取り潰しとなって復讐を誓ったが、あの時に衝動で動いていたら、この世にはもういなかったはずだ。「お前の後ろには大勢の民がいるのだぞ?王妃がお前の心痛を知らぬはずはない あえて開戦を諌めるのは、民を苦しめる罪をお前に負わせたくないからだ」しかし容楽は″開戦を思いとどまれ″と言ったわけではなかった。実は漫夭は、あり得ないような別の道を選べと言って来たという。春泥が付き添ってくれたおかげで容楽はよく眠れるようになった。その夜、泠月は公主がすっかり元気になったようだと喜び、寝所をあとにする。すると入れ替わるように春泥が現れ、容楽の隣に横になった。しかし春泥は容楽が眠っているのを確認すると、自分の顔に手を掛け…。つづく( ˘ω˘ )いやあ~雅璃の零落っぷりが…傅筹が指摘した通り、聡明なお嬢様じゃなかったのね〜まあ〜賢ければ羅植に嫁いだろうけど
2020.08.18
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白发 Princess Silver第46話「雪に消えた魂」傅筹(フチュウ)の足取りが分かった。黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)は早速、辺境へ向かうことにしたが、そこへ無隠楼(ムインロウ)が駆けつける。実は思雲(シウン)陵が壊され、生母・雲(ウン)貴妃の遺体が所在不明になったというのだ。無憂は傅筹の仕業だと思い込み、恨みを募らせた。「傅筹っ…必ず仕留めてやる!」一方、容楽(ヨウラク)@漫夭(マンヨウ)は、無憂が火傷を負ってまで血烏(ケツウ)を手に入れたと知った。そんな無憂を失望させたくない一方で、どうしても傅筹に借りを作りたくない。しかし蕭可(ショウカ)が血烏には容楽の毒を抑えて髪を黒くする効果だけでなく、黎王の逆雪(ギャクセツ)も解毒できると教えた。容楽はまだ迷っていたが、その時、泠月(レイゲツ)が慌ててやって来る。「殿下がお出かけに…無隠楼の者から話を聞き、血相を変えていらしたとか」検問を突破した傅筹の馬車は暗闇迫る林の中を疾走していた。「王上!この谷を越えたら回潼(カイトウ)関です!ご辛抱を!」しかしあと少しと言うところで無憂と無陰楼が後方に追いついてしまう。無憂は短刀を握って馬から飛び降りると、そのまま一気に傅筹の車へ、一方、無隠楼は傅筹の配下に襲いかかった。無憂と傅筹は狭い車の中で激しくやり合った。やがて御者を失った馬車が暴走して横転、2人は外へ放り出されてしまう。2人は身体を叩きつけられながらも何とか立ち上がり、剣を交えた。しかし傅筹は無理が祟って胸の傷が開いてしまい、もはや無憂の敵ではない。そこへ救援部隊を一掃した無隠楼が駆けつけた。「南境に足を踏み入れた以上、死は覚悟の上だろう?」「たとえお前の手にかかろうと…ゥッ…南境に来て後悔はない…」無憂は剣を突きつけたが、その時、容楽が馬で駆けて来た。「やめて!」傅筹は再び白髪の黎王夫妻と相見えることになった。「君たちが共に白髪になっているのを見て分かったよ、すべては私の独りよがりだったのだと…」すると容楽は未来の君主である無憂に兄弟を殺させるわけにはいかないと止めた。「私が片をつけるわ…」容楽は無憂の宝剣を借りると、傅筹に突きつける。「今日こそ、お互いの恨みを一刀のもとに断ち切る…」しかし無憂が咄嗟に漫夭の手を止め、剣を取り戻した。「将来、後ろ指をさされようと、この手で殺したい」傅筹も覚悟はできていた。無憂は傅筹の胸の傷に剣を突き刺した。「お前は皇位欲しさに父や太子、朝臣まで殺し、私怨を晴らすため漫夭を傷つけ、私を投降させた その上、孫継周(ソンケイシュウ)と結託し、噂を流して南境を混乱に陥れた 筆舌に尽くしがたい罪ばかりだ…私の手に落ちながら、まだ漫夭の心に足跡を残したいのか? そうはさせるか?言え!母の遺体をどこへやった?!」しかし当の傅筹は何の話か分からなかった。なぜ自分が無憂の師匠だった孫継周と結託する必要があるのか。何より雲貴妃の遺体なら思雲陵にあるはずだ。憤慨した無憂はさらに剣を差し込み、母の遺体が行方知れずと密報を受けたと迫る。容楽は卑劣な手段に唖然となったが、傅筹は例え憎しみがあろうと、死者を冒涜したりしないと否定した。その時、苻鴛(フエン)の一行が現れる。「宗政無憂!息子を傷つければ一生、後悔させてやる!」いつの間にか山は雪になり、あたり一面が白く覆われた。馬車から姿を現した傅筹の生母・苻鴛、その顔を見た容楽は、かつて馬車に逃げ込んできた気のふれた女だと気づく。すると苻鴛は宦官に雲貴妃の死装束を運ばせた。「急に思い立ってね~思雲陵を訪ねたくなったの~ そうしたら貴妃は涙ながらに訴えていたわ~冷たい思雲陵はもううんざりだって~ 連れ出して欲しいって言うの~だからやむを得ず応じてあげたのよ?」苻鴛はいきなり雲貴妃の真っ白な衣を引き裂き、無憂の前に投げ捨てた。驚いた容楽は咄嗟に駆け出し、衣を拾って戻って来る。激昂した無憂はついに傅筹に止めを刺そうとしたが、容楽が制止、まず苻鴛に尋ねた。「雲貴妃の遺体はどうなっているの?」そこで苻鴛は木箱を持った兵士を呼んだ。雲貴妃の亡骸はすでに燃やされ、遺灰になっていた。苻鴛は兵士が運んできた木箱を示し、女1人のために天下と両親を捨てた時点で、こうなることは予想できたはずだと嘲笑う。烈火の如く怒った無憂は母の遺灰を残らず持って来なければ傅筹の首をはねると脅したが、苻鴛はそれより先に木箱を燃やすと言い返した。容楽は感情的になっている無憂をなだめ、傅筹を殺す機会ならまだあるが、遺灰は今しか取り戻せないと説得する。激しい怒りと深い悲しみに苛まれる無憂、しかし致し方なく傅筹の身柄と母の遺灰を交換することに同意した。しかし…。無憂は先に傅筹を引き渡した。無事に傅筹が戻ったところで苻鴛たちの馬車が出発、すると兵士が木箱を置いて撤収する。無憂は一目散に駆け出すと、容楽と無隠楼も後に続き、木箱の前で叩頭した。しかし無憂が木箱を持って立ち上がったその時、木箱の底が開いて遺灰がばらまかれてしまう。驚いた容楽は咄嗟に遺灰を集めようとしたが、雲貴妃は風と共に消散して行った。母の遺灰を失った無憂はあまりの衝撃から、そのまま意識を失って倒れてしまう。傅筹は馬車の窓から無残にも遺灰が舞い散る様子を見ていた。あまりに卑劣な母のやり方に耐えきれなくなった傅筹は途中で馬車を止め、ひとりで戻ると決める。今、戻らなければ一生、心が安らぐことはないだろう。しかし母からどうしても戻るなら自分も死ぬと脅され、傅筹はあきらめるしかなかった。するとこの時、偶然にも馬車の後方に北臨(ホクリン)帝・宗政允赫(ソウセイインカク)が乗っていたと知る。傅筹は母の残酷さに唖然としながら車に乗り込むと、馬車は何事もなかったかのように走り出した。苻鴛たちは野営で一夜を過ごすことになった。すると侍医の手当てを受けた傅筹のもとに常堅が現れる。「王上、あの木箱は開けた瞬間に底が抜ける仕掛けだったのです 雲貴妃の遺灰は風で飛散したかと…」常堅は報告を終えて下がることにしたが、そこへ兵士が入って来た。「どうした?」「王上、黎王と侍衛はあの場を去りましたが、王妃だけは残っています」傅筹は母がすでに休んだと知り、すぐ馬車を用意させて引き返した。すると報告の通り容楽が凍える寒さの中で地面を掘っている。傅筹は容楽にもう掘るなと声をかけたが、容楽は手を血だらけにしながら一心不乱に掘り続けた。「容楽、今さら掘っても意味がない、遺灰は風にあおられ、飛び散っている 大きな穴を掘っても埋めるものは何もないのだ」傅筹は容楽の手をつかんで止めたが、激情に駆られた容楽は傅筹の傷を叩いて突き飛ばした。「忌まわしい過去から1年かけて抜け出したのよ?あなたが現れ…また全部、失った…」「…宗政無憂が幸せにしてくれる、君は何も悪くない」「遺灰を台なしにしたのに?!苻鴛の言う通り、無憂は私のために全てをあきらめた だから付け込まれたのよ!私のせいでなければ誰のせい?!」「…私が悪い、奴は君を許す」「もちろんよ、でも無憂の自責の念は永遠に消えない! 傅筹!私の恨みの深さが分かるなら今すぐいなくなって!」容楽は穴の中に雲貴妃の衣を埋めた。愛する容楽から激しく拒絶された傅筹はもはやどうすることもできず、とぼとぼ馬車に向かって歩き出す。「私が来たのは…間違いだったのだろうか?」無憂は母の夢を見ていた。しかし急に苻鴛が母の衣を引き裂いた光景が蘇り、突然、飛び起きる。そこに冷炎が駆けつけ、この騒ぎの中、孫継周が脱獄したと伝えた。「…両親の敵は生かしておけぬ、伝令せよ!兵を集め、食糧を準備しろ、中山(チュウザン)へ討ち入る! 苻鴛と傅筹を一刀両断にしてやる!」すると兵士が報告にやって来た。「殿下、王妃が昨日から戻られぬようです」冷炎は困惑した。黎王が気絶したため、慌てて王府に運んだが、王妃もすぐ戻ると思っていたという。無憂は深い悲しみの中、ひとり漫夭を探しに向かった。すると昨夜の林の中で漫夭が倒れているのを見つける。漫夭の身体はすっかり冷たくなり、手は血だらけだった。無憂は漫夭を腕に抱いて懸命に声をかけていたが、その時、漫夭の後ろに母の墓標があると気づく。1人で母を弔ってくれたと知った無憂は漫夭を強く抱きしめ涙し、王府へ連れ帰った。孫継周の脱獄に伴い、蕭煞(ショウサツ)は孫府を捜索していた。するとちょうど逃げ出そうとしていた孫雅璃(ソンアリ)と侍女・春泥(シュンデイ)を発見、足止めする。雅璃は父のことなど知らないと言ったが、蕭煞は雅璃が父親と落ち合うと疑って2人を拘束した。容楽はようやく意識を取り戻した。しかし身体を冷やしたせいで症状が悪化し、蕭可はついに血烏を飲ませることにする。すると容楽は血の匂いがすると気づき、薬湯を拒否した。「定められた運命に従うしかないわ」その時、無憂が現れ、容楽の目の前で血烏を飲んで見せる。「傅筹は父を殺し、母の遺体を灰にした…私も心底、恨んでいる だがそなたの命は、私の恨みなどとは比べ物にならない」容楽は無憂の深い愛情に思わず涙があふれ出した。「深く考えるな…」無憂は容楽の涙をぬぐい、その手に薬湯を持たせる。こうしてついに容楽は血烏を飲み干し、命を長らえた。「無憂…ごめんなさい、私のせいよ」「いいのだ、私が自分で決めたことだから…」脱走した孫継周は傅筹を頼った。孫継周は悪い主を見限ったと話し、南境軍の機密と引き換えに雅璃を助け出して欲しいという。「孫大人(ダーレン)、私が応じると確信しているのか?」「王上は何年も前から私に助けられて来ました 南境で功を立て、名将となられたのも孫家の力添えがあったからです」つづく|ω・`)今回は嫌な話やったな〜
2020.08.17
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白发 Princess Silver第45話「断ち切れぬ情」北境の摂政王・傅筹(フチュウ)が突如、容楽のために血烏(ケツウ)を届けに現れた。「君を傷つけるために訪ねて来たのではない、ただ会いたかった 友のように話がしたかっただけだ」容楽は傅筹への恐怖から剣を抜いたものの殺すこともできず、きびすを返す。しかし後ろから急に傅筹に腕をつかまれ、驚いて振り向きざまに勢いよく剣を突き出した。面紗の笠が吹き飛び、白髪があらわになった容楽、その時、図らずも傅筹の左胸に剣先が突き刺ってしまう。「私が死んで君の恐怖が消えるなら、その手で殺してくれ…」傅筹は剣をつかんで自分の胸に深く差し込むと、自分にとって死こそが真の開放だと吐露した。冷炎(レイエン)から知らせを受けた宗政無憂(ソウセイムユウ)は無相子(ムソウシ)と一緒に顧念(コネン)閣に乗り込んだ。驚いた容楽は慌てて傅筹から剣を抜くと、無憂はよろけた漫夭(マンヨウ)をかばうように抱き寄せる。傅筹は白髪になった無憂の姿に愕然となり、その深い愛情をまざまざと見せつけられる形となった。その時、奥の間から痕香(コンコウ)が不意をついて暗器を放つ。暗器は容楽の肩に命中、さらに露台から項影(コウエイ)も暗器を投げて援護し、無憂は漫夭(マンヨウ)を守るだけで精一杯だった。その隙に痕香は傅筹を救出、無相子の追跡を阻むため、行灯を落下させて火を放ってしまう。油に引火した炎はあっという間に広がり、無憂は咄嗟に漫夭を廊下へ押し出すと、密かに血烏を手に入れ脱出した。一方、無相子は傅筹を追いかけていた。ちょうど市場の物陰に怪しい人影を見つけたが、その時、項影が馬車を暴走させて騒ぎを起こし、その間に逃げられてしまう。北境では傅筹(フチュウ)の不在を良いことに苻鴛(フエン)が権勢を振るっていた。密書を読んだ苻鴛は憤慨したが、ふと宗政無憂が母親を北境へ残したままだと思い出す。実は傅筹は常堅(ジョウケン)に思雲(シウン)陵の管理を任せ、静謐(セイヒツ)園や攏月(ロウゲツ)楼と同様に扱うよう命じていた。そこで苻鴛は常堅に明日、思雲陵へ同行するよう命じる。「しかし…王上は誰も入れるなと…」「ん?」「…分かりました」冷室の雲児は16年前と同じく完璧な美貌のまま眠っていた。「雲児?傅筹が南境に行ったことを知っていて?今回の訪問で何が起こるか分からないわ〜 今では子供たちも皆、大きくなった…面白い芝居が見られそうね~ だけど残念だわ~あなたにこの名舞台を見せてあげられない… 代わりに私がちゃんと見届けてあげる♪」苻鴛は一体、何を企んでいるのか。「水晶の棺で眠るのはもう飽きたでしょう?外に出てお日様を眺めてはいかが?」その頃、痕香は人里離れた山あいの家で傅筹をかくまっていた。しかし傅筹はまだ意識が戻らず、手持ちの薬も使い果たしてしまう。痕香はふもとの町まで降りて行ったが、すでに傅筹の手配書が出回っていた。痕香は町医者を脅して辺境へ同行し、傅筹を診察させた。薬材も手に入れ、早速、薬湯を飲ませていたが、急に傅筹が苦しそうに痕香の手を握りしめる。痕香はこの1年余りで傅筹への情を断ち切れると思っていたが、傅筹の姿を見た途端、それが間違いだと分かった。こうして傅筹が自分の話を静かに聞いてくれたのは10年以上も前のことだろうか。一緒に訓練を受けていた頃の傅筹は優しかった。その優しさは痕香に永遠に一緒にいられる、そう思わせてくれたが、結局、努力しても傅筹は遠ざかってしまう。「あなたの子を産んだことを伝えてもいいのかしら…」容楽の傷は幸い軽症だった。しかしこの一件以来、無憂は容楽と目を合わせようとしない。その日も夕餉は漫音(マンイン)閣に現れたが、漫夭と話をしようとしなかった。すると容楽は無憂が料理に手を伸ばした時、甲に火傷の傷があることに気づく。「はっ!怪我をしたの?」無憂は居たたまれなくなり、急用を思い出したと断って席を立った。そこへちょうど蕭可(ショウカ)が薬膳を運んで来る。容楽が黎王のために4つの生薬を選んで作ったと教えたが、薬材の内容を聞いた無憂は呆れた。どうやら漫夭は自分の真意が分かっていないらしい。「傅筹に嫉妬して不機嫌だと思っているのか?」「…無憂?明日、午の刻に博古(ハッコ)堂へ行くわ、来てね?」しかし無憂は返事もせず帰ってしまう。翌日、無憂は学童を訪ねた。すると子供たちは王妃なら隠れているので自分で探すよう伝え、外へ遊びに行ってしまう。その時、容楽が後ろからこっそり近づき、両手で無憂に目隠しした。「もう2度とあなたに私を探させない、あなたが目を開ければいつでも…」容楽は手を離して無憂の前に立つ。「ほら、私はあなたの前にいるわ」無憂は思わず失笑したが、慌ててまた難しい顔をした。「機嫌を直して? 何が起こっても一番にあなたを思い出し、慎重に行動して危険を避けるようにする!」「分かればいい、相手が誰でも1人で危険を冒すな」「(*゚▽゚)*。_。)ウン!許してくれる?」「そもそも怒ってはおらぬ、漫夭、怒ったのではなく怖かったのだ」「分かってる分かってる、また私が以前のような目に遭ったりしないか心配なのよね?」容楽は2度としないと約束し、2人は仲直りした。そこで容楽は2人の白髪を切って一緒に結び、これも巷の風習だと教える。婚姻の時に夫婦はこうしてお互いの髪を切って一緒に結び、共白髪まで添い遂げる証しにするのだ。「″髪を結びて夫婦とあらば恩愛を疑わず″…」無憂はすでに白髪となった2人の証しを愛おしそうに眺めながら、漫夭を抱き寄せた。傅筹がようやく目を覚ました。しかし介抱していた痕香の手をいきなりつかみ、反射的に自分の剣に手をかける。痕香は傅筹の反応に落胆しながら、官兵が絵姿を持って傅筹を捜索しており、検問があると教えた。辺境とは言えここに長居はできないが、北臨の摂政王ともなれば救援は来るだろう。「私は行くわ」痕香は外で拘束していた町医者を片付けることにした。しかし町医者に1歳の誕生日を迎える娘がいると知り、仕方なく口止めして解放してやる。「お前が見逃してやるとは珍しい…」その声は傅筹だった。「人は変わるし、生来の悪人じゃないわ…行くのね?」すると運悪く傅筹を探している官兵たちの一行がやって来る。この家で最後だ~>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<行くぞ~!官兵が家に入ると、男と女が痴話喧嘩していた。そこで傅筹の絵姿を広げ、この男を知らないか聞いてみる。痕香は咄嗟に手配書に水をかけて台無しにすると、取り込み中だと怒鳴った。しかし官兵は傅筹に顔を見せろと迫り、痕香と傅筹に緊張が走る。ちょうどその時、付近を捜索していた官兵が駆けつけた。外で暗器を見つけたという。暗器を見た官兵たちは驚き、慌てて出て行った。傅筹は痕香のために暗器を使うのは項影(コウエイ)だと分かっていた。ともかくこれで過去のことは帳消しにすると告げ、出て行けという。痕香は誤解がないよう自分の生きる目的なら他にあると教え、傅筹に何も期待していないと言った。「昔のよしみで助けただけよ」そこに項影が飛び込んで来る。「官兵は引き離したが危険だ、若門主、すぐに…」「もう若門主ではないし、天仇門(テンキュウモン)も消えた… 項影?救われて主として仕えたなら、簡単に裏切るな」「…ご存知でしたか」項影は傅筹が初めから自分が容楽に仕えていると知っていながら見逃してくれたと分かった。あの時、傅筹は項影を罰したが、殺す気はなかった。重罰を科したのは項影の過失を責めたわけではなく、項影の故意をとがめたのだという。傅筹は清涼(セイリョウ)湖で項影が容楽を守れなかったのではなく、痕香の望みを叶えるために故意に守らなかったと気づいていた。「容楽に仕えたのは良心の呵責からだろう?」かつて項影は傅筹の命を救った時、従者として生死を共にし、決して裏切らないと誓ってくれた。項影を軍に入れてからの10年、傅筹は自分の命すら項影に預けてきたという。そして常に自分の期待に応えてきた項影、しかしあの時、まさか項影が痕香のために容楽を殺そうとするとは…。項影は傅筹に心から背いたことはないと訴え、傅筹の過去も一切、明かしていないと伝えた。ただどうしても自分が許せないなら、この命を返すという。すると傅筹は剣を一振りし、項影の首ではなく簾を切り落とした。「知っての通り、私は裏切り者を決して許さぬが、今日の助力に免じて帳消しとしよう だが今度、会う時には赤の他人だぞ?主従でもなく恩義もない」そこで項影は去る前に一言だけ助言した。「求めて得られぬのは苦しい、執着して苦しむより、手放すべきでは? その人もあなたも楽になるはずです」痕香はそれが自分への言葉でもあると分かった。「言うのは簡単よ…でも実際には得られぬからこそ執着するの」痕香は思い切って子供のことを打ち明けることにした。しかし項影が慌てて痕香を引っ張って出て行ってしまう。項影はあの夜のせいで容楽を失った傅筹が子供のために痕香を身近に置くとは思えないと忠告した。例え我が子と認めても連れて帰るのは子供だけ、結局、子供を失ってしまうことになるという。「もうあきらめろ」すると痕香は傅筹が無事に南境を離れたら、今度こそ過去を全て手放して忘れてみせると約束した。傅筹が自分に借りを作りたくないことも、また執着されるのも嫌だと分かっていたが、今はまだ1人にできない。「これが最後よ…」痕香は家に戻ろうとしたが、傅筹は扉を固く閉ざした。容楽に再び毒の症状が現れ始めた。蕭可はてっきり毒を抑えられたと思っていたが、こうなると血烏(ケツウ)を逃したのが悔やまれる。確かに容楽はこの1年、元気だった。まさかそれが将軍府で容斉(ヨウセイ)がくれた菓子のおかげだとは知る由もない。しかし容楽は毒に冒されても悪いことばかりではなかったと言った。余命が少ないと知ってから過去への執着を手放し、今を大切にするようなったという。「全身全霊で無憂との時間を過ごしたい」蕭可は今までの処方を見直してみると言って本棚に向かった。そこへ偶然、無憂が現れ、箱を開けて蕭可に見せる。「あ!血烏!どこでこれを?!」「漫夭には言わず、処方に使ってくれ」驚いた容楽は咄嗟に物陰に隠れた。すると無憂は隠して使わない限り、漫夭は自分に気を使って決して服用しないという。無憂が薬房を出ると、容楽が出てきた。容楽は不思議な血烏を見て思わず手を伸ばしたが、血烏が吸い付いてしまう。驚いた蕭可はすぐ容楽の手を引き離した。「大丈夫?血烏は血を吸うのよ?体内の気も損なわれるし、ひどく痛むわ」一方、無相子は引き続き検問で傅筹を捜索していた。その時、挙動不審の家族を見つける。それは痕香が見逃したあの町医者だった。傅筹に拒否された痕香は庭で洗濯していた。そこへ偵察していた項影が戻り、無隠楼(ムインロウ)に気づかれたと伝える。驚いた痕香は家の中へ飛び込んだが、すでに傅筹は消えていた。その時、無相子が現れ、痕香と鉢合わせになる。痕香は咄嗟に暗器を放ち、その隙に項影と脱出した。すると無陰楼が駆けつけ、騎兵と馬車が城門を突破したと報告する。一方、無憂も冷炎から急報を聞いていた。「殿下!辺境に傅筹の足取りが…」つづく(  ̄꒳ ̄)アドラー心理学でも読んで早く手放してくれ〜(笑
2020.08.16
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白发 Princess Silver第44話「ぶらんこと風鈴」白髪妖婦の一件は解決し、孫継周(ソンケイシュウ)の悪事が白日の下に晒された。孫雅璃(ソンアリ)は収監された父に面会したが、父は未だ命ある限り機を見て挽回すると訴え、自分を利用しようとしている。そもそもこうなったのは父の言葉に従ったせいだというのに…。すると孫継周は確かに白髪妖婦の噂を流し、邪魔者を何人か殺したと認めたが、国を裏切ってはいないと否定した。北営で13人が殺されて反乱を起こした件に自分は関与していないという。しかし雅璃は父が説く仁義や道徳は口先だけで、卑しい本性の隠れ蓑に過ぎないと非難した。これまで孫家の令嬢らしくふまい、親孝行に努めて来たが、気持ちを抑えて来たせいで自分が何を求めているのかも分からず、やっと勇気を出してみれば、こんな悲惨な結末を迎えることになったと嘆く。孫継周は思わず娘の手を握りしめ、自分が悪かったと謝った。それでも自分の言葉を信じて欲しいと頼み、さもなくば孫家は終わってしまうという。その時、雅璃が父の手を振り払った。「父上!ご存知ですか?父上が私を利用する時には優しい顔になることを!…ゥッ…」雅璃は偽りの優しさなどいらないと言い放ち、陰謀もたくさんだと声を荒げた。「今日ここで親子の縁は尽きました…逃走も謀もご自由に… 私には関係ありません、赤の他人ですから!」孫継周は牢をあとにする娘の背中を見ながら、なぜ自分の気持ちが分からないのかと呟いた。「私の娘だぞ?悪いようにはせぬ、お前を捨てたりはせぬ…」漫夭(マンヨウ)のために白髪になった無憂。容楽(ヨウラク)は心苦しく感じながらも、その深い愛情に最高の幸せを感じていた。そこで無憂は改めて妻になって欲しいと懇願し、容楽はついに了承する。「はお、あなたに嫁ぐわ」2人は早速、ひざまずき、月を証人に天地を媒酌として簡素な拝礼の儀を行った。そしてお茶で夫婦の誓いの杯を交わす。「漫夭、雪辱を果たして北臨(ホクリン)の統一を実現したら盛大な婚礼を挙げよう」「私はこれで満足よ、心の赴くままに自然を証人として誓う…素敵なことだわ」無憂は漫夭と夫婦になる夢を実現し、漫夭を抱き上げて床入りの儀に臨んだ。容楽は王妃に冊封され、名実共に黎王妃となった。無憂は桟橋に祭壇を用意し、漫夭と一緒に両親へ婚姻の報告をする。一方、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は羅植(ラショク)将軍と共に辺境へ向かうことになった。七兄が辺境を心配する様子を見た無郁は、傅筹(フチュウ)との大戦が不可避であると覚悟する。しかし中山(チュウザン)での政変が傅筹の私欲によるものとは違い、無憂は最小の犠牲で天下を統一するために力を蓄えているところだった。無郁は傅筹がその時を待ってくれないと反論し、自分たちが機先を制するべきだという。すると無憂は孫継周を洗い出したように、獲物が自ら罠に落ちる可能性もあるとなだめた。ただし傅筹が行動を起こせば決して逃がさないという。無郁は兄に従うと決めたが、ふと父と雲(ウン)貴妃の供養がままならず、水辺で故人をしのぶしかないことを嘆いた。両親のことを思うと直ちに傅筹と決着をつけたくなるのは無憂も同じ、その悲しみは容楽の心にも影を落とす。無憂が雲貴妃を1人残して都を離れたのは自分のためだったが、無憂は自分を気遣っておくびにも出さず、己を責めていた。孫家の財産は没収され、使用人たちも逃げるように去って行った。残ったのは雅璃に仕える春泥(シュンデイ)だけ、すると思いつめた雅璃は錯乱してしまう。そんな中、泠月(レイゲツ)だけは雅璃を気にかけ、足繁く通っていた。薬のお陰で落ち着いた雅璃は泠月の優しさに感謝しながら、恩返しもできないと嘆く。「元気にならなきゃ恩返しもできないでしょ?恩は私が助けて欲しい時に返してもらうわ~ふふ」「本当に感謝しているわ、今後、私の物はあなたの物よ」容楽は祭祀以来、責任を感じてふさぎ込んでいた。心配した無憂は気晴らしに学童へ連れて行くと、無邪気な子供たちに囲まれた容楽に笑顔が戻る。しかし子供たちが暗唱する詩を聞いているうち、ふいに失われた記憶の断片がよみがえった。子供たちの話では無憂が先生を招き、この書を学ばせているという。実は容楽も時折、現れる記憶の中で、必ず2人の少女がその詩を読んでいた。「無憂?どうしてこの詩を選んだの?」「私もこの詩から習い始めた」「その頃の話を聞かせて」すると無憂は思い出し笑いしながら、幼い頃はわんぱくで、ぶらんこで宮女を怖がらせたこともあったと話した。そのぶらんこは当時の師である秦永(シンエイ)から贈られた物だったとか。無憂はその時、お返しに手製の風鈴を贈ったという。…ぶらんこと風鈴容楽の脳裏に急に過去の光景が映し出されるぶらんこに乗っている2人の少女すると歳の頃の近い男の子が現れ、風鈴を軒下に吊るしてくれる『君にあげるよ』『謝謝、哥哥』『いいんだ』容楽は記憶の断片に出てくる娘の1人が自分だと気づいた。あの風鈴をくれた男の子はまさか無憂か、それとも…。しかし何かを思い出そうとすると、激しく頭が痛んだ。無憂は漫夭を連れて薬房を訪ね、蕭可(ショウカ)に診察を頼んだ。すると蕭可は自分が診るようになってから容楽は元気だと太鼓判を押し、頭痛は黎王が無理をさせたせいだと嘘をつく。容楽は確かに近ごろ調子が良かったが、毒が原因で頭痛が起きることを口止めしていた。もし無憂が事実を知れば命がけで解毒法を探すはず、容楽は自分のために大志や敵討ちをあきらめさせたくないという。しかし蕭可は嘘をつくことができない性分、勘の鋭い無憂に怪しまれた。「そう言えば先日、無郁と一緒にどこへ出かけた?」「それは…どこでもないわ!その辺をふらふらしていただけよ!」すると容楽は無憂に蕭可が赤くなっているとささやき、無郁とは秘密の関係らしいとからかう。蕭可はすっかり気が動転し、うっかり薬草を採りに行ったと口を滑らせた。「薬草?何に使うのだ?見せろ」「それが…なかったの」「なかった?」「本当よ!」無憂に追及された蕭可は仕方なく書物を持ち出し、血烏(ケツウ)を探しに行ったが誰かに採られたあとだったと教えた。「薬草採りは無相子(ムソウシ)も一緒だったはずだ、漫夭の薬だろう? 正直に言え、漫夭の病状はどうなのだ?」「頭痛は深刻な病じゃない!血烏は頭痛と白髪の治療に効果があるの! でも危険な場所に生えてる!だから大叔に付き添いを頼んだのよ! ぬか喜びさせたくなくて黙っていたの!やっぱり採れなくて…ゼエゼエ…」無憂に畳み掛けかけられた蕭可は動揺のあまり、息継ぎもせず言い訳した。それがかえって無憂を怪しませる結果になったが、容楽が助け舟を出す。「分かった分かった、つまり無郁との逢瀬ではなくて薬草を採りに行ったのね」「(* ゚ェ゚)*。_。)* ゚ェ゚)*。_。)ウンウン」そこで容楽は自分なら元気だと笑顔を見せ、無憂をなかば強引に引っ張って帰って行った。一方、放浪しながら南境へ流れ着いた項影(コウエイ)は茶楼・別山居(ベツサンキョ)を探っていた。そんなある日、項影はある男たちに気づき、急いで隠れ家に向かう。項影は共に逃亡生活を送る痕香(コンコウ)をかくまっていた。しかも隠れ家には赤子が…。実はかつて容楽になりすまし、愛する傅筹と一夜を共にした痕香は身ごもっていた。すると項影が理由も言わず、今すぐ青州を離れろという。「子供のためと思って今回だけは私に従ってくれ、どうか無事で…」項影と痕香は危険な逃亡生活を2人で乗り越えてきた。それなのになぜ今回ばかりは自分だけを逃すのか。困惑する痕香だったが…。漫音(マンイン)閣に矢文が飛び込んできた。…茶楼・別山居の顧念(コネン)閣へ…旧友より今は巳の刻、そこで容楽は出かけてみることにした。「旧友を名乗るなら誰なのか確かめに行かなくちゃ、手の込んだ招待だもの… 泠月、2刻経っても戻らなければ無憂だけに知らせて…いいわね?2刻よ」面紗をかぶり、剣を佩した容楽は顧念閣へ入った。その様子を項影のあとを付けて来た痕香が偶然にも目撃する。顧念閣には誰もいなかったが、なぜか箱が置いてあった。容楽は蓋を開けてみると、中から蕭可が探していた薬草・血烏が現れる。その時、突然、扉が閉まった。驚いて振り返った容楽、すると奥の間から誰かがやって来る。衝立から顔を出したのは、北境の摂政王となった傅筹だった。「…あなたが旧友?」一方、黎王へ報告に向かっていた泠月は冷炎(レイエン)と出くわした。しかし黎王は外出中、そこで冷炎に公主が危険だと訴え、矢文を渡す。「別山居?!まずいな…別山居で傅筹の姿を見かけた者がいる…」冷炎はすぐ兵士を連れて王府を飛び出した。傅筹は容楽のために血烏を届けに来たと言った。しかし容楽は白髪妖婦の噂を流して無憂を苦境に立たせた傅筹を非難し、今さら贈り物かと呆れる。身に覚えのない傅筹は落胆し、恨みによる故意なのかと疑った。すると容楽はこの1年、幸せだったと話し、無憂への愛で恨みすら消えてしまったという。つづく( ˘ω˘ )結婚式、良かったわ〜傅筹もいい加減しつこいわ〜せっかく良い人なのに〜知らんけどw
2020.08.12
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白发 Princess Silver第43話「逆雪」孫雅璃(ソンアリ)は意外にも容楽(ヨウラク)から王府に呼び出された。容楽は孫継周(ソンケイシュウ)がいない場所で雅璃の口から真実を聞き出そうとしたが、雅璃は黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)から寵愛を受けたと主張する。「私と殿下は想い合っているのに、王妃はなぜ邪魔をなさるのです?」雅璃は孫家の名誉に懸けて後には引けないと頑なだった。仕方なく容楽はそれ以上、追求するのをあきらめ、無憂の決定を孫継周と待つよう告げる。「あなたが王府に入るとなれば私は身を引くわ、ただあなたも覚悟しておいて 泠月(レイゲツ)…話は済んだわ」泠月は雅璃を見送ると、それとなく容楽に助言した。「殿下が本当に孫さんのことを好きなら、 殿下がお喜びになられるよう孫小姐(シャオジエ)を受け入れてはいかがです?」しかし容楽は結果を待つとだけ答えた。朝議も終わりに近づいてきた頃、蔡厳和(サイゲンカ)が急に黎王が孫継周の令嬢を寵愛したのは本当かと切り出した。驚いて顔を見合わせる范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)と陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)、すると黒幕である孫継周がわざとらしく場所をわきまえるよう蔡厳和を叱責する。しかし蔡厳和は容楽がかつて北境の摂政王・傅筹(フチュウ)の夫人だったことを理由に、不貞な上に間者という噂もあると中傷した。そこで孫家の令嬢なら王妃として申し分ないと上奏し、朝臣たちの賛同を得ることに成功する。無憂は娘の貞節まで利用するのかと孫継周を軽蔑し、冷炎(レイエン)に合図した。冷炎が雅璃と蕭可(ショウカ)を連れて朝堂に現れた。すると蕭可が黎王と雅璃の間に何の関係もないと断言する。実は雅璃は寵愛を受けた翌日、黎王に呼び出されていた。…雅璃は昨夜、黎王に急に抱きしめられたと嘘をつき、肌を重ねたと信じ込ませた黎王なら催眠香で熟睡し、何も覚えていないだろうしかし幼なじみのよしみで白状する機会を与えた無憂は、雅璃の作り話に憤慨したその時、蕭可が無憂と同じ衣を着て現れる「雅璃姐姐、ゆうべは私と同じ床で眠れた?夜中に薬房に行った後、ここへ勉強に来たの?ふふ」実は雅璃が潜り込んだ寝台に寝ていたのは蕭可だったさらに証人となる羅家軍の兵士がやって来る無憂は昨日の夕方に羅家軍に出かけ、そのまま羅植(ラショク)将軍と防衛図について徹夜で相談していた酉の正刻前に着替えに戻ったが、雅璃が目を覚ましたのはその時だという動揺を隠せない雅璃、すると蕭可は雅璃にも同じ催眠香を焚いてあげたと教えた…蕭可は雅璃の手首を晒し、生娘である証拠である守宮砂(シュキュウサ)の痣を見せた。朝臣たちは雅璃の嘘だったと知り、騒然となる。雅璃はその場にひざまずいて黎王との間に何もないと認めたが、孫継周がいきなり娘を引っ叩いた。まさか自ら娘の名節を傷つけておきながら、計画が失敗したとなるや娘に罪をなすりつけるとは…。雅璃は父の仕打ちに傷つき、恨めしそうに睨みつけながら下がった。無郁や朝臣たちは何ともひどい下策だと呆れ果てる。おそらく雅璃が北境で傅筹と親しかったことから、孫継周は娘の婚姻を急いだのだろう。しかし孫継周もこのまま黙って引き下がるわけに行かなかった。孫継周は娘を娶ってもらえなくても、白髪妖婦と噂される容楽には兵の命を償ってもらうと話をすり替える。「妖怪を処罰して死者の魂を慰める、これが民の願い、 別に王妃を迎えて朝廷の秩序を正すのが臣下の願いです」「たくさんだ!漫夭(マンヨウ)は私の妻だ、指一本、触れさせぬぞ!」無憂はさすがに苛立ちを隠せず、妖怪の噂の出所も、兵を殺したのが誰かも分かっていると見得を切った。その時、急報が届く。濯(タク)州へ救済に向かった北営の兵たちが急に戻り、羅家軍と対峙しているというのだ。実は昨夜、北営で兵士が13人、横死していた。何者かが羅家軍の白髪妖婦の噂を北営に伝えたようで、暴動が起きたという。「王妃を差し出さねば青州と王府を攻めると…」無憂は思いがけず早急に手を打たねばならなくなった。そこでこの件に関して必ず証拠を示すと公言、北営の兵らが納得する裁きを約束した。翌日、羅家軍はついに北営になだれ込み、兵士たちを包囲した。羅植は自分の弟・羅橋(ラキョウ)も陰謀によって殺されたと教え、本当に王妃が手を下したなら決して黙っていないと訴える。「殿下は本日中に証拠を示し、犯人を裁くと約束された!」すると北営の兵士たちはひとまず平静を取り戻した。一方、北境では鬼面の間者が符鴛(フエン)に孫継周からの密書を届けていた。…摂政王の命は遂行しました、一族の命をお護りください…間者は南境からも皇太后の命を遂行したと知らせがあったと報告する。「孫大人という男、なかなか使い道がありそうね~ただ私欲の深い者ほど、どうしても臆病になる」符鴛の指摘通り、孫継周は羅橋を殺しただけで早くも交渉して来た。他の間者に13人の兵士を殺させたが、さらに宗政無憂を追いつめる必要があるだろう。すると間者は摂政王が病に伏せっているといいながら不在だと密告した。符鴛は直ちに傅筹の御書房に乗り込んだ。守衛たちも皇太后では阻むことができず、留守を任されていた常堅(ジョウケン)も誤魔化しきれない。「…王上は南境へ行かれました、私はお供を許されませんでした できる限りご不在を内密にせよとのご命令でして…」符鴛はすぐ容楽のためだと分かった。権力を持ったことで自分の目をごまかすようになるとは…。すると符鴛は自分に報告を怠った罰として常堅を杖刑40回に処すと言った。「今日からは皇宮内外のすべての事情を森閻(シンエン)宮に報告し、哀家(アイジャ)に指示を仰ぐよう命ず 今後も故意に哀家に知らせぬ状況があれば、死をもって罪を償え!」 ( ๑≧ꇴ≦)あいじゃもメンドクセー!中庭に出た容楽は偶然、范陽王と無郁の話を耳にした。巷では白髪妖婦が自分だと噂されていることは知っていたが、そのせいで無憂が臣下や兵士たちと対立しているらしい。どうやら無憂は自分に知らせないよう口止めし、孫継周と蔡厳和を連れて北営に向かったようだ。容楽は無憂の寝殿に声もかけず、いきなり入った。無憂はすでに出かけたあとだったが、寝所の床には割れた薬瓶が散乱し、寝台には喀血した跡が残っている。そこへ蕭可が現れた。蕭可はこっそり片付ける予定だったが、容楽からこの薬瓶には何が入っていたのかと問い詰められてしまう。嘘がつけない蕭可は仕方なく、正直に″逆雪(ゲキセツ)″だと教えた。ついに日が暮れ、北営ではしびれを切らした兵士たちが再び暴れ出した。その時、ようやく黎王が高官たちを連れて現れる。外套を目深にかぶった無憂は壇上に上がると、早速、検死官が報告した。「殿下、13人は羅橋将軍と同様、出血多量で死んでいます 歯型があるものの致命傷は刀傷で、吸血などあり得ません」すると検死官は冷炎が発見した短剣を出し、これが凶器だと断定した。続いて凶器を持っていた白髪の女が壇上に連行される。羅植は弟を殺した白髪妖婦に思わずつかみかかったが、その時、白髪のカツラが取れて黒髪が現れた。「孫大人?近くでとくと見よ、知り合いではないか?」孫継周は無憂に呼ばれて壇上で女の顔を確認したが、知らないという。そこで冷炎は別山居(ベツサンキョ)の使用人を連れて来た。使用人は孫継周を見るなり、なぜ自分を殺そうとしたのかと憤慨し、全て暴露してしまう。「1ヶ月前、孫大人の使いから″白髪の女客を見張れ″と言われ、たくさんの銀子を渡されました その客の白髪をあらわにしろというのです、でも王妃娘娘も白髪なので妙だと思いました 何日も考えたあげく、銀子は人づてに返して、故郷に帰ったのです」断られた孫継周は別の者にこの役目を与えた。しかし講談師の捕捉で発覚を恐れ、関係者をすべて抹殺しようとしたのだろう。まず獄卒を買収して講談師を殺したが、店を辞めた使用人は運良く難を逃れていた。無憂は証人たちを下げると、今度は箱を持って来させた。その箱を見た孫継周は顔色が一変する。実は孫継周をここへ連れ出さなければ、無憂はこの箱を見つけられなかったと告白した。すると冷炎がまず箱から権利書を出し、講談師にでたらめを語らせ、人心を操った別山居は孫家の資産だと暴露する。さらに驚くべき密書がいくつも発見され、そこには傅筹の印があった。「″辛酉の動乱での協力に感謝し、反乱軍の軍費に銀5000両を贈る、余れば孫家の資産とされよ″ ″鄭(テイ)氏はすでに亡く、孫氏は安泰だ 高官らには私が賄(マイナイ)を贈り、すべての罪は鄭氏に負わせるよう指示した 豊かな青州の地で余生を楽しまれよ″ ″民は豊かになったが士族は衰退している 宗政無憂を婿として栄華を維持するには白髪妖婦の噂を流されることだ、民の声を利用されよ″」高官や兵士たちは白髪妖婦の作り話だけでなく、6年前の流民の乱や鄭氏が反乱軍と結託して土地を私有化した件にも孫継周が関わっていたと知り、騒然となった。冷炎の話では孫継周が戦乱に紛れて私財を増やし、訴状をもみ消した証拠も全てこの箱にあるという。悪行三昧だな~>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<許せな~い無憂は孫継周の罪を暴き、資産を没収して官爵を剥奪、斬首を待つよう命じた。往生際の悪い孫継周はそれでも王妃の罪は消えないと訴え、2人の男に嫁いだのは事実、政に干渉し、王妃のせいで民が亡くなり、軍の士気が乱れたと難癖をつける。「刺客を雇った私より、殿下を誘惑して国を顧みさせぬ妖婦こそ危険なのでは?!」孫継周は連行されながら、白髪妖婦が黎王の心血を吸い、民の希望を潰すと騒ぎ立てた。それに呼応して蔡厳和も若き白髪の美女は確かに奇異だと訴え、民はそんな白髪の王妃への恐れから黎王にも不信感を抱くと諫言する。その時、無憂がかぶっていた外套をはずし、自らの白髪姿を晒した。「私も白髪になった、いかに私を罰する?王妃を処罰する前に私に手をくだすがいい!」北営に駆けつけた容楽は馬にまたがったまま、無憂の白髪姿を遠目から眺めていた。容楽は蕭可から″逆雪″がとても毒性が強く、希少な劇薬だと聞いた。飲んでも命に別状はないが、地獄の苦しみを味わうことになるという。無憂はあの夜、この毒で血脈が逆流し、万の矢に射られるような苦痛の中、一夜で白髪になっていた。容楽はどうりで寝所がめちゃくちゃに荒れていたわけだと合点が行く。しかしそれだけでなく、蕭可は正直に寿命が10年も縮むと教えた。容楽は面紗を捨て、ゆっくりと無憂の元へやって来た。すると無憂は漫夭を迎え、共に壇上に立つ。「若くして白髪なのが何だというのだ!民が信じるのは私の容姿ではない、私の心だ 王妃が私と共に変法を進めて来たのは民の幸せのためだ 功労を公にせずにきたが、南境の安泰の半分は王妃の功績だ」その時、冷炎がひざまずき、北臨(ホクリン)の玉璽(ギョクジ)を掲げる。無憂は先帝が臨終の際に託した玉璽を王妃が命を懸けて守り抜いたと教えた。そのお陰で自分の身分を証明することができるという。無憂は皇帝の名がいらないため玉璽を隠したと説明、王妃も功労を誇らず、重責を背負ってくれたと感謝した。「白髪を頂く私と王妃は進むも退くも一緒だ! 漫夭は私の唯一の妻にして、南境にとって唯一の王妃である!」こうして容楽の名誉は回復、孫継周は収監された。すると雅璃が父に差し入れを持って面会にやって来る。つづく( ̄▽ ̄;)孫大人のトンデモ理論wよく分からなかったけど、無憂は雅璃が何かやらかすと気づいて蕭可を寝かせておいたの?
2020.08.12
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白发 Princess Silver第42話「旧師への忠告」傅筹(フチュウ)は母の皇太后冊封を重臣に反対され、自分に忠心を抱く者などいないと実感していた。すると符鴛(フエン)は押さえつけが足りないと指摘、一国の君主として弱腰過ぎるという。しかし傅筹は暴君になるのは嫌だと訴えた。「母后、ご安心ください、必ず民の心を掌握してみせます 朝廷の文武百官らも心から従わせてみせましょう」傅筹は母と御書房を出て庭園を散策した。道すがら符鴛はもうすぐ皇太子の命日だと話し、朝臣たちの歓心を買うためにも供養してやりたいという。その時、東宮から急に奇声が聞こえてきた。傅筹は母を侍女に任せて様子を見に行ってみたが、屋敷の一室で天仇門(テンキュウモン)の配下が誰かを鞭で打っている。聞けば林申(リンシン)が半年前に姿を消す際、折檻を命じていったとか。ともかく傅筹は衛兵にその男をつまみ出すよう命じ、折檻されているのが何者なのか確認に向かった。車椅子にはぼさぼさの髪でうなだれている哀れな男が座っている。何とそれは死んだはずの北臨(ホクリン)帝・宗政允赫(ソウセイインカク)だった。そこへ様子を見に来た符鴛が現れ、北臨帝の姿を見るなり恐怖におののく。「私を裏切って父の国を滅ぼした男よ!雲児(ウンジ)のために私を西啓(サイケイ)帝に差し出したわ!」「西啓帝?…何の話ですか?!」傅筹は意味が分からず尋ねたが、符鴛は悲鳴をあげて錯乱してしまう。傅筹は事情が漏れないよう北臨帝を東宮に監禁したままにした。母も急に興奮して頭に血が上っただけで、病の再発ではないと診断され安堵する。しかし符鴛は北臨帝を一目見ただけで過去に味わった屈辱と、あの男の悪行がすべて呼び起こされたと憎しみを募らせた。さらに天仇門には10年間も苦しめられてきたと訴える。 ←(* ゚ェ゚)何の話?傅筹はすでに天仇門を皆殺しにするよう命じたと教え、林申のみが逃亡中だと嘘をついた。「必ず連れ戻し、母后の意に添う処罰を…」すると符鴛は森閻(シンエン)宮に住み続けているのは傅筹に復讐を忘れさせないためでもあると釘を刺し、今すぐ宗政無憂(ソウセイムユウ)を殺すために南境へ出兵するよう迫る。「あの男の息子が生きている限り、復讐が終わることはないのよ?!」傅筹は時機を見ているだけだとのらりくらりかわしてきたが、母はもう待てないと泣き崩れた。その時、傅筹はふと思い出し、東宮で母が口走った西啓帝について聞いてみる。符鴛は都合が悪くなったのか急に具合が悪くなり、傅筹はそれ以上、追求しなかった。一方、南境では無憂が孫継周(ソンケイシュウ)を子供たちの学堂である博古(ハッコ)堂に呼び出していた。「″道は離れるべからず、離れれば道にあらざるなり″」無憂は幼少の頃に孫継周から教えてもらった書の一節を持ち出し、牽制する。「今も″先生″と呼ぶのは正道に導いてくださった恩ゆえ もしあなたが私とは別の道を選び、自身と孫家、そして北臨に背くならば…」そこで無憂は孫継周に隠居するよう勧めた。「今ならまだ間に合います」しかし孫継周は老いても志は捨てないと断言、隠居など臆病者がすることだと言い放つ。「いたずらに在野で生きるより、朝堂での死を選びます」無憂は話を聞きながら一筆したため、こんなにも長い間、自分たちはお互いを知らなかったのだと感慨深げに言った。すると席を立って孫継周に拝礼する。「師弟の縁はこれまでに、今後、私たちは君と臣です 最後にひと言、忠告を…あと一歩進めば退路はありませんよ?」そう言って無憂は帰って行った。無憂が座っていた机の上には中庸(チュウヨウ)と″退″と書かれた紙がある。孫継周は硯をつかむと、思わず中庸と″退″の文字に墨汁をかけた。無憂から最後の警告を突きつけられた孫継周は娘の雅璃に賭けるしかなくなった。そこで容楽(ヨウラク)に勝ちたいなら大きな賭けに出ろと焚きつける。「お前は殿下に安神(アンシン)香を届けているな? 世間では殿下は眠りが深いと噂されている ←(* ゚ェ゚)どんな世間よ?w これはお前の安神香の効果ではないか?」孫継周は雅璃が先手を打てば、立場を逆転させることも不可能ではないと言った。↓ブラック父娘蕭可(ショウカ)は容楽のため、血烏(ケツウ)の代用品を血眼になって探していた。薬房を訪ねた陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は根を詰める蕭可を心配しながら、七兄に秘密にしても早晩、気づくはずだという。「あ、黎王と言えば前にある奇薬を頼まれたの」無郁はどんな薬か聞こうとしたが、その時、泠月が雅璃を連れてやって来た。公主と話していた雅璃が急に倒れたという。蕭可はすぐ脈診したが、確かに気血の流れが乱れているものの、倒れるほどではなかった。しかし雅璃は立つことができず、結局、そのまま薬房に泊めることにする。すると泠月はまだ仕事があるため、蕭可に看病を任せて帰って行った。夜も更けた頃、雅璃は密かに無憂の書斎に向かった。すると窓紗から人影が見え、ろうそくの炎を消して寝台へ移動する様子を確認する。雅璃は頃合いを見計らい、思い切って書斎へ入ったが、その様子を泠月が物陰から見ていた。雅璃は熟睡している無憂の床に潜り込み、一夜を明かした。ふと目が覚めると、衝立の向こうで着替えている無憂の背中が見える。そこで雅璃はわざと香炉を落とした。控えていた冷炎(レイエン)は何かあったと思い、いきなり殿内に入ってしまう。すると冷炎と侍女たちは寝台にいる雅璃に気づき、驚いた。しかしそこに蕭可が駆けつけ、書斎で衣を脱いで何をしていたのかと聞く。雅璃は外衣を着て慌てて出て行ったが、蕭可は床に落ちた香炉の灰の匂いでピンと来た。一方、容楽も朝の身支度を始めていた。するとこんな時間から孫継周が雅璃を連れて訪ねて来たという。容楽はまだ支度の途中だと断ったが、孫継周は強引に雅璃を連れて入って来た。驚いた泠月は会わない方がいいと止めたが、容楽は客間へ出て行ってしまう。孫継周はいきなり雅璃をひざまずかせると、昨夜、雅璃が黎王の寵愛を受けたと報告した。呆然とする容楽だったが、泠月の様子がおかしかったのは、すでに知っていたからだと気づく。泠月はばつが悪そうに蕭可から聞いたと白状した。「侍女が殿下の朝の支度に行くと、孫小姐が殿下の寝台にいたと… 公主は昨夜、あまり寝ておられぬので…」「だから皆が知っているのに私に隠していたの?誰が口止めを?!」すると孫継周が黎王の意向だろうと口を挟んだ。そこで雅璃を王府に迎え、王妃と共に子孫繁栄の一端を担わせて欲しいと嘆願する。しかし容楽ははっきり断った。「共に殿下に仕えることは許しません!私は無憂しか信じない」孫継周は面目を潰されたと激怒し、古来より君主は後宮に多くの妻を抱えるものだと声を荒げた。「孫大人(ダーレン)、王府で私に意見できるのは殿下だけよ! 真相が明らかになるまでは、殿下が私との約束を決して破らないと信じ続けます!」「王妃よ、よくぞ言ってくれた」無憂が漫音閣に現れた。「どうやら孫大人はあらぬ誤解をしているようだ…」孫継周はその場は引き下がることにしたが、容楽のために再び国を騒がせば民心が揺らぐと忠告する。しかし無憂は漫夭(マンヨウ)の隣に立って肩を抱いた。「忠告に感謝を」孫継周と雅璃は無憂の自信がどこから来るのか分からなかったが、慌てて帰って行った。無憂は泠月を下げた。容楽はこれで孫継周が最後の手に出るだろうとため息を漏らす。しかし無憂は自分に任せてくれと頼み、容楽の手に赤い短冊をつかませた。「中山(チュウザン)で花灯祭に行った夜を覚えているか?2人で一緒に短冊に願い事を書いた…」「覚えてるわ!″子孫繁栄″と書いたと言ったけど嘘でしょう? 水に落として事実は分からずじまいだけど…」すると無憂は容楽を後ろから抱きしめ、2人で一緒に短冊を開いた。そこには″ただ1人の心を得て、白頭となりても離れず″とある。「私の願い事は分かる?″人生に逆境の多くとも、永久に君と見つめ合わん″よ」互いの深い愛情を確認し合った容楽と無憂、その揺るぎない絆が壊れることはないと確信していた。漫音閣を後にした無憂はある覚悟を決めていた。…漫夭、私のために苦しんできたそなたが、今また白髪ゆえに人のそしりを受ける…そなたに言ったはず、これからは私を頼ってくれればいい…二度とそなたを辛い目に遭わせぬと無憂の手には″逆雪(ゲキセツ)″という奇薬があった。朝廷を去った楊惟(ヨウイ)は物取りに襲われた。すると物取りは足がつくと困るので楊惟を焼き殺すという。しかしただの物取りなら殺せば済むこと、わざわざ痛めつけた上に焼き捨てるのは黒幕がいるからだ。鋭い指摘に物取りは焼き殺せと命じられたと認め、松明で火を放った。「…火?はっ!符鴛の指示か!」一方、符鴛は密かに東宮の北臨帝を訪ねていた。あの日、激しく燃え上がった森閻宮、符鴛は今でも毎晩のように夢に見ると教え、未だにあの時の苦痛を味わわされていると訴える。「これも全てあなたのせいだわ! …でも安心して、私の計画はとても順調に進んでいる この1年、私は乱心したふりをして筹児に斬鬼の念を味わわせて来た 私が言えばすぐ天仇門を滅ぼし、執拗に付きまとう宦官の林申も始末してくれる ←(* ゚ェ゚)え?! なぜ生かされていると?息子たちが殺し合うのをその目で見させるためよ」符鴛は北臨帝に薬を飲ませようとしたが、北臨帝はかろうじて手で払いのけた。「忘れないで、あなたはあの時、その手で私に毒薬を飲ませ、西啓の暗君に私を売ったわ! あの時、すでにこうなることは決まっていたのよ!」すると符鴛は北臨帝を車椅子から引きずり落とし、高笑いして帰って行った。傅筹は常堅(ジョウケン)を呼んだ。「私はしばらく中山を離れる、やるべきだったことを済ませる」そこで自分の居室に替え玉を用意し、朝議は病で出られないと伝えるよう指示する。また母にも言わないよう口止めした。「半月で戻る」つづく( ˘ω˘ )うむ…なぜか符鴛が出て来てから急激に視聴意欲が落ちているw
2020.08.10
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白发 Princess Silver第41話「軍営の怪奇」凱旋した北境の摂政王・傅筹(フチュウ)は、母が改修したとは言え未だ森閻(シンエン)宮で暮らしていると知った。すると常堅(ジョウケン)が南境の状況を報告する。実は南境は新政策を施行し、この1年で成果が出ていた。「…変法か、秦永(シンエイ)は雲(ウン)貴妃の支持を得たゆえに養民変法(ヨウミンヘンホウ)を施行できた 復興後の北臨(ホクリン)が富国強兵を実現し、覇者となれたのも変法のおかげだ だが秦永は処世に疎く、結局、養民変法は続かなかった」「王上、変法の推進は黎(レイ)王だけでなく、王妃も一緒だとか…」「彼女が?…他に情報は?」「青州の街ではある噂が流れています、その噂というのは白髪妖婦の話で…王妃を指しています」常堅が調べたところ、他にも王妃が元は北臨の将軍夫人で、黎王と不義密通して逃げてきたという噂まであるという。驚いた傅筹はすぐ噂の出所を調べるよう命じ、ともかく母を訪ねることにした。符鴛(フエン)はすっかり落ち着いた様子で、息子を歓待してくれた。早速、2人は食卓を囲んだが、傅筹は何とも不思議な気持ちになる。「子供の頃、母亲はいつも私に厳しく、冷たくて、膳も別々でした… でも今は分かります、あなたは私に良い料理を食べさせ、ご自分は残飯を食べておられた 残念ながら今はまだ一緒に宴席には着けません…でもご安心を、じきに太后に冊封します」すると傅筹はこの1年、北征して尉(イ)国に奪われた土地を奪還したと報告した。しかし符鴛はなぜ南下しないのか尋ね、南境を奪って欲しいという。傅筹は宗政無憂(ソウセイムユウ)の南境軍は侮れないと話し、敵情を十分に把握するまでは動向をうかがうと説明した。「私なら敵が勢力を伸ばさぬうちに一気に片付けるわ」母の思わぬ言葉に傅筹はいささか面食らったが、符鴛は女子の考えに過ぎず、聞き流してくれと笑う。その時、侍女がうっかり符鴛の衣に酒をこぼした。それまで穏やかった符鴛は急に人が変わったように激昂して侍女を張り倒すと、足蹴りする。「私にやけどさせる気だわ!」傅筹は取り乱した母を抱きしめ、自分がいる限り母に手出しはさせないとなだめた。そんなある夜、南境の羅(ラ)家軍の軍営に珍しく酒が振る舞われた。するとちょうど外で酒を飲んでいた兵士たちが宙を舞う白髪妖婦を見かける。気のせいだと思いながら念のため巡回することにしたが、そこで羅橋(ラキョウ)将軍と兵士の遺体を発見した。将軍の握りしめた手には白髪が…。羅家軍の騒動はすぐ黎王・宗政無憂の耳に入った。冷炎(レイエン)の報告では酒を飲んでいた兵士が多く、噂を完全に封じ込めるのは難しいという。そこへ弟を殺された羅植(ラショク)が憤慨して乗り込んできた。無憂も冷炎もてっきり容楽(ヨウラク)を疑っていると思ったが、羅植は急に辺境へ移動する命令を下して欲しいという。「弟の死は何者かの陰謀なのは明らかです、目的は軍を動揺させ、王妃を陥れることでしょう 羅家軍が青州にとどまれば、明日の朝には風評が青州中に広がります 殿下と王妃の名声に傷はつけられません」無憂は羅植の忠誠に感銘し、辺境に行く必要はないと止めた。それより羅植自身の威厳で兵士らの動揺を鎮めて欲しいと頼み、羅橋の恨みを必ず晴らすと約束する。羅植は黎王を信じ、直ちに軍営の警備を強化して証拠を探させることにした。そこで無憂は差し押さえた別山居(ベツサンキョ)を解放すると決める。自分たちが通常通りに振る舞えば、逆に敵の方が動揺するだろう。そうなれば今は見つからない証拠も必ず表に出て来るはずだ。孫継周(ソンケイシュウ)は屋敷に蔡厳和(サイゲンカ)を呼んだ。しかし蔡厳和は軍資の横流しが露見していると怯え、孫継周との接触も警戒している。孫継周は羅植が朝廷に戻り、黎王が豪族の勢力を抑える意図も顕著だと警告し、見せしめに蔡厳和を罰する可能性もあるとほのめかした。驚いた蔡厳和は拝礼し、過去のよしみに免じて助けて欲しいと懇願する。そこで孫継周は巷で白髪妖婦が黎王を操っているという噂があると吹き込んだ。飲み込みが良ければ、何をすべきか分かるはずだろう。一方、孫雅璃(ソンアリ)も無憂への想いを募らせ、何とか近づけないかと画策していた。孫継周は娘が世故に長けたのを見て安堵し、実は黎王が自分を警戒していると告白する。もし雅璃が黎王に嫁いでくれれば、孫家は過去の安泰を取り戻せるだろう。孫家は一見、繁栄しているかに見えるが、基盤はすでに崩れていた。変法が進めば進むほど孫家の利益は失われるばかり、朝廷での地位など名誉があっても実が伴わない。そこで孫継周は雅璃に愛情がなくとも婚姻は成立するとほのめかした。「孫家、そして私とお前のいずれにも最善な道は分かるはずだ もし最悪の事態になったとしても、姻戚ゆえに私たちの命は救われるだろう」(  ̄꒳ ̄)悪い親父だねえ~白髪妖婦の作り話を吹聴していた講談師が急死した。冷炎はすぐ黎王に報告し、恐らく州府の牢に間者がいると疑う。しかも無憂の元にはあたかも白髪妖婦の正体が容楽だと決めつける奏状が山のように届いていた。蔡厳和が自分の名前を出さず、門弟に奏上させているようだが、どういう理由なのか。冷炎の調べでは、あの別山居は青州で100年の歴史を持つ有名な老舗だった。人が集まる場ながら官府の庇護をうけており、今まで騒動など皆無だったという。「茶楼の陰の店主は朝廷につてを持つそうです、もしや蔡厳和が…」しかし無憂は否定した。蔡厳和のあの気質ではそんな危険を冒せないはず、危険を冒すのは変法による損得が大きい者だろう。その時、突然、守衛が止めるのも聞かず、雅璃が飛び込んで来た。無憂は夕餉の時間は誰にも会わないと伝え、雅璃に話なら明日にして欲しいと頼む。すると雅璃は切羽詰まった様子でひざまずき、自分を救えるのは黎王だけだと訴えた。一方、容楽は泠月(レイゲツ)から″たまにはご馳走を作れ″とせつかれ、珍しく豪勢な夕餉になった。すると泠月は公主の方から夕餉を知らせに行くべきだという。毎日のことで迎えに行く必要などないはずだが、容楽は確かに無憂に食べてもらうのが楽しみだった。容楽は泠月に焚きつけられ、無憂の書斎に向かったが…。雅璃はかつて無憂が贈った腕輪を見せながら、昔話を始めた。無憂は当時、確かに鄭氏に嫁ぎたくないと言った雅璃を庇ったが、都へ戻るという約束も果たしたと答え、席を立ってしまう。雅璃は思えば当時は無憂に守られ、人生で一番幸せだったと訴えた。「ずっと殿下のおそばにいれば、あんな苦痛を味わわずに済んだのに…」「雅璃、もう言うな」「殿下、この想いを伝えるべきかどうかずい分、迷いました でも王妃が私を羅植将軍に嫁がせるご意向で、父も私に縁談を決めろと迫ります…」ちょうどその時、容楽が書斎の前に到着した。「何度も考えました…王妃には申し訳ないけれど、雅璃も幸せをつかみたい」しかし無憂は漫夭(マンヨウ)以外の女子は愛さないとはっきり拒む。驚いた容楽は窓紗越しに2人の様子をのぞいた。その時、雅璃が後ろから無憂に抱きつき、愛していると告白するのを目撃してしまう。漫音(マンイン)閣に戻った容楽はまだ動揺していた。雅璃を責めるつもりも無憂を疑う気もないが、ただ雅璃の想い人が無憂だったとは意外過ぎる。羅植との縁談を持ちかけたのは雅璃が父親の道具にされないようにという配慮だった。結局、雅璃は縁談を断り、容楽も無理強いしていない。どちらにしてもこれは無憂が決める問題で、容楽にはどうすることもできなかった。「疲れたから休むわ…」無憂は雅璃を拒み、夕餉のため漫音閣にやって来た。するとちょうど泠月が食事を下げて出て来る。泠月は黎王に気づくと、慌てて扉を閉めた。そこで公主ならすでに休んだと伝え、白髪妖婦の噂を聞いたせいで心身が疲れたらしいと嘘をつく。無憂は容楽なら噂など気にしないはずだといぶかしんだが、泠月に世話を任せて引き返した。一方、北境では先后が先帝・宗政允赫(ソウセイインカク)のために経をあげる毎日を送っていた。そこへ1人の侍女が駆けつけ、助けを求める。実は妹が森閻宮に移動させられたが、この数日、姿が見えなかった。話によると摂政王が戻った日に苻氏の衣に酒をこぼし、折檻されたとか。侍女は妹がすでに焼き殺されとは知らなかった。「妹妹を救えるのは娘娘(ニャンニャン)しかいないのです、近々、王上は苻氏を太后に冊封されるとか…」「何ですって?太后に?!あの女を太后に冊封するの?!」先后は符鴛の乱心が回復したと知り、血の気が引いた。符鴛が過去のことを思い出したなら、符鴛が就くべき座にいた自分を許しはしないだろう。先后は急に興奮して侍女を追い払うと、あまりの恐ろしさに気が触れてしまう。翌朝、朝廷は急逝した先后の話で持ちきりだった。病死ならまだしも、発見した侍女の話では首を吊って自害していたという。そこへ傅筹が現れた。傅筹は早速、母である苻皇后を皇太后に冊封して金印を授与したいと伝えた。すると先后が逝去したばかりで冊封を急ぐのは不適切だという意見が出る。傅筹は先后なら先帝の死を嘆くあまりに重い病を患い、先帝の後を追ったと説明、弔いの儀については臣下が取り沙汰する必要はないと退けた。しかし重臣である楊惟(ヨウイ)の猛反発を受ける。「素性が知れぬ苻氏の冊封はいま一度ご熟慮ください …王上、苻皇后は十数年前に逝去されたはず、苻鴛を名乗るものが苻皇后である根拠はなく、 これを国母とするなど天下が納得しません!」先帝に長く仕えた楊惟は苻鴛を良く知っており、国母としての徳の有無も承知していた。苻皇后か否かにかかわらず、皇太后と認めることはできないという。憤慨した傅筹は礼部尚書の任を解くと脅したが、楊惟は引かなかった。「王上は外患内憂を解決されました、しかし苻氏を太后とすれば国に災いをもたらすでしょう」傅筹は楊惟が母に国害の汚名を着せたと激怒、冊封に異議申し立てはさせないと強行した。さらに重装軍を呼び、楊惟に今ならまだ間に合うと圧力をかける。しかし楊惟は帽子を脱いで床に置くと、自ら辞職を申し出て朝廷を去った。「…はあ~太后冊封の協議は日を改めよう」先后は典範にのっとり先帝と合葬された。 ←(* ゚ェ゚)え?皇上、生きてるのに?傅筹も先后に敬意を払って来たが、何の不満があって先后が縊死(イシ)などしたのか分からない。ともかく快方に向かっている母が悪化しないよう、この件は伏せるよう命じた。そこへ母がやって来る。苻鴛は山のような奏状に驚くと、傅筹は楊惟が職を離れたことで何人かの侍郎(ジロウ)も辞職を申し出たと教え、人手が減って仕事が増えただけだと言った。すると苻鴛は楊惟も国を思うがゆえに考えすぎたのだろうと理解を示す。傅筹は冊封の件がのびのびになり、母が不満を持っているのではと心配した。しかし苻鴛は傅筹に罪はないと許し、去る者は好きにさせればいいという。傅筹は思わずため息を漏らし、朝廷には心から自分に忠心を抱く者がいないと吐露した。重装軍で押さえつけることはできても、心までは支配できない。「押さえつけが足りないのでは?一国の君主としてそなたは弱腰過ぎるわ」「母后…武力で制圧するのは最低の策です 己を聖君の器とは思いませんが、暴君になるのはご免です」つづく( ˘ω˘ )先后…哀れだけど、華美な装飾がない方が美しかった~
2020.08.10
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白发 Princess Silver第40話「白髪の王妃」羅家軍の凱旋を祝い、青州(セイシュウ)王府で祝宴が開かれた。羅植(ラショク)は散々待たされた挙句、孫継周(ソンケイシュウ)と蔡厳和(サイゲンカ)に煽られ、王妃に軽んじられていると不満を募らせる。そこへ容楽(ヨウラク)の侍従である蕭煞(ショウサツ)が現れ、黎(レイ)王と王妃ともに体調が悪いため出席できないと伝えた。激怒した羅植は王妃を罵り、蕭煞と一触即発の様相となる。「女狐は色香で殿下を惑わした、そしてお前は…女に頼って出世か?」すると蕭煞がついに剣を抜き、羅植に襲いかかった。騒ぎに気づいた衛兵たちが駆けつけたが、孫継周があえて制止、高みの見物を決め込む。その頃、宗政無憂(ソウセイムユウ)と容楽はちょうど対局中だった。しかし冷炎(レイエン)が駆けつけ、羅植と蕭煞が争いになったと報告する。どうやら予定外のことが起こったらしい。「私の計画にはなかったけれど…1つの妙手にはなるわ(クスッ」羅植と蕭煞の戦いは日が暮れても決着がつかなかった。その時、ようやく黎王と王妃が祝宴に現れる。臣下たちは王妃の白髪に驚き、噂には聞いていたが本当だったとざわめいた。容楽は着席すると、羅植と蕭煞を叱責した。王府に武器を持ち込めるのは禁衛軍だけ、原因が何であれ過ちを犯せば罰を受けるべきだという。「誰か!蕭統領と羅将軍を杖刑(ジョウケイ)20回に!」蕭煞は大人しく退出したが、羅植は動こうとしなかった。すると羅家の将校たちがひざまずき、辺境の戦で大功を立てた羅植の処罰は免じて欲しいと嘆願する。しかし容楽は戦功については別途、黎王から褒賞するが、法を犯せば罰せられると退けた。そこで羅植は確かに罪を犯したと認めたものの、黎王からの罰でなければ受けないと反発する。「王妃は女子の務めを果たせば良いっ!陰で殿下を支えるべき者が政の表舞台に出てきた上、 私をねぎらう宴で恥をかかせ、罰を与えて威厳を潰した 羅家軍の総帥たる私が女子に振り回されるとは…王妃は白髪の妖婦です!」この暴言にさすがの無憂も憤慨、卓を思い切り叩いた。容楽は無憂をなだめ、羅植の前まで歩み寄った。そこで自分に不満があるなら能力を認めてもらうまでだという。「将軍は騎射の名人ね?ここで馬には乗れないけど弓術はできる」容楽は弓矢と的を準備すると、腕比べを提案した。これには羅植も呆れ、女子に勝っても何の栄誉も得られないと鼻で笑う。すると容楽は的の一番中心を射た方が勝ちと決め、賭けを持ちかけた。もし自分が負けたら羅植の希望通り政事から身を引くが、羅植が負けたら兵権を手放せという。「はお、約束します、王妃が負けても泣いて取り乱さぬよう」「…当然よ、私が負けたら潔く認めるわ、では将軍からどうぞ」羅植の矢は見事に的の中心に刺さった。羅植にとってはこんな腕比べなど朝飯前、しかし容楽はあえて目隠しをして矢をつがえる。実は容楽はかつて天仇門(テンキュウモン)の男から弓術を学んだことがあり、身体にその技術が染み込んでいた。すると容楽の放った矢は羅植の矢を真っ二つに裂き、的の中心をとらえる。王妃の予想外の腕前に羅植は唖然としながら、自分があとなら同じ手で勝てたと不平を訴えた。容楽はここが戦場なら二度目の機会はないと迫り、戦が残酷なのはやり直しが利かないからだという。「今日は対面を失うだけで済んだけど、ここが戦場なら羅家軍の皆が犠牲になったわ!」容楽は羅植が負けたのは自分を甘く見て3割の能力しか発揮しなかったせいだと指摘、自分は全力を尽くしたと言った。羅植は潔く負けを認め、虎符を差し出した。虎符を受け取った容楽は、実は凱旋の祝いがあると言って羅植の母である羅夫人を呼ぶ。すると容楽は立派な将軍を育ててくれた夫人に絹の衣を贈ると言った。夫人は黎王からの褒美だけでも十分感謝していると恐縮し、呆然と立ちすくむ息子にひざまずくよう命じる。「この子の父親は生涯、賭け事を嫌っておりました、それなのに兵符を賭けるなんて!」夫人は思わず声を荒げ、愚かな息子だと嘆いた。そこで容楽は侍女が持ってきた夫人への贈り物の上に虎符を置き、羅植に差し出す。「夫人、羅将軍をちょっとからかっただけなのです 羅家軍は我が王朝の精鋭部隊、羅将軍は失い難き忠臣です…もう二度と気安く兵符を賭けないで」夫人は拝跪すると、羅植も王妃の恩情に感謝した。「今後、羅家軍は殿下と王妃のご指示に従い、全力を尽くし、万死も辞しません!」こうして孫継周と蔡厳和の企みは失敗、かえって容楽に花を持たせることになってしまう。容楽が無事に粗暴な羅植を心服させると、黙って見守っていた無憂がやって来た。「ふふ…お腹が空いちゃった」「では何か食べようか」無憂は容楽の手を取り、上座に戻って行く。すると黎王と王妃の夫婦の情を目の当りにした羅植は、ふとある思いが込み上げた。孫雅璃(ソンアリ)は一晩、王府で世話になり、翌朝、帰ることにした。しかしちょうど門を出たところで泠月(レイゲツ)に呼び止められ、羅植が自分を見初めて縁談を願い出たと知る。驚いた雅璃は黎王に直訴しようと王府へ戻ったが、ちょうど殿内で黎王と王妃が自分の縁談の話をしていた。すると黎王が兵権を握る羅植が孫家と姻族になれば士族の勢力を削げなくなると懸念し、拒むべきだと言ってくれる。立ち聞きしていた雅璃は安心したが、王妃が雅璃の良縁を無駄にしたくないと言い出した。「雅璃は落ち込んでいたわ…この1年ずっと寂しかったはずよ?妙な噂も尽きなかった もしかしたら羅植との出会いが、良い転機になるかも…」容楽は純粋に雅璃の幸せを願っていたが、雅璃は容楽が初めから自分を羅植に嫁がせようと企んでいたと誤解してしまう。泠月は逃げるように立ち去った雅璃を追いかけた。すると中庭に出た雅璃はいきなり黎王からもらった腕輪を外し、投げ捨ててしまう。困惑する泠月だったが、雅璃は自分には福もなければ縁もないと嘆いた。黎王と容楽、蕭煞と泠月、幸せな話を聞いたり目にする度に雅璃の心はすさんで行ったという。「どうしてなの?どうして私だけが選べないの?!」←( ̄▽ ̄;)もう知らんがな…しかし泠月は雅璃に縁がないわけではなく、逃しているだけだと励ました。「心も身体も委ねられる人に出会えたら、しっかり捕まえて絶対、放してはダメ …あまり悩まず、欲しいものは努力してつかみ取るの でもその過程で挫折や不公平が生じたら戦うのよ? あなたは弱く、何も持たない、だから傷つけられ虐げられる、分かる?」雅璃はそんな泠月の言葉に勇気付けられ、腕輪を拾って再び腕にはめた。↓面倒臭い雅璃と怪しすぎるアヒル口w容楽がついに朝臣たちの前で白髪姿を披露した。これを機に無憂は容楽を街に連れ出すことにする。容楽は不便な思いをして出て来たが、民情の視察が無憂の口実だったと気づいてへそを曲げた。しかし無憂は人の目など気にするなと言って容楽の手を取る。すると道すがら、2人は棗(ナツメ)餅の露店の店主から声をかけられた。無憂は容楽にひと切れ手渡すと、銭袋ごと代金を支払う。「公子…多すぎます(汗」「老板(ラオバン)、この蒸し餅を全部、頂くわ、流民署へ届けて欲しいの それに今日は寒いから、早めに店じまいするといい」店主は優しい夫婦に感謝し、早速、片付けて別山居(ベツサンキョ)へ行くと喜んだ。別山居は青州で最も有名な茶楼だった。しかし今や講談師の″白髪妖婦″の話が聞けるとあって、連日にぎわっているという。そこで無憂と容楽はお忍びで訪ねてみることにした。別山居には今日も項影(コウエイ)が来ていた。項影は黎王と容楽の姿に気づいたが、実は講談師も2人がいることを確認しながら話を始める。「白髪妖婦は白狐が修行して化けた女で、妖術を施し、人心を惑わせます 世の中を縦横無尽に動き回り、権力を持つ男に取りつくのです 美人だが、ふしだらで邪悪、各地で戦乱を引き起こしています、まさに民の敵だ!」その時、客の1人が王妃も白髪美人らしいと思い出し、まさか王妃が白髪妖婦なのかと疑った。しかし1人の女ごときに何ができるというのか。すると講談師は白髪妖婦が邪悪な魂を持っており、天災を招くと吹聴した。客席には講談師の作り話にすっかり怯える客もいたが、やはりでたらめだと反発する客も出てくる。中には養民変法(ヨウミンヘンホウ)で民を救った黎王の中傷を撒き散らすなと冷静な客もいた。やがて店内は意見が違う客同士で口論が始まったが、その隙に給仕が背後から容楽に近づき、水差しの長い注ぎ口でいきなり容楽の面紗(メンシャ)を外してしまう。「あっ!あれは!白髪妖婦だあ!」容楽の白髪に驚愕した客たちは一斉に店を逃げ出すと、給仕はまるで白髪妖婦に殺されたかのように自害してしまう。無憂は騒動の中、かろうじて講談師を捕まえることに成功した。すると思いがけず店にいた項影と再会を果たす。そこへ冷炎が兵を率いて到着、無憂は講談師を引き渡し、早々に王府へ引き上げた。容楽は項影にこのまま侍衛にならないかと誘った。しかし項影はこの1年で放浪癖がついたと話し、旅を続けたいという。容楽は決して強要せず、こうして出会えたことだけでも幸いだと言った。項影の話では、あの講談師は以前からでたらめな話を吹聴しており、不審に思って通いつめていたという。結局、別山居では他に怪しい者も手がかかりも見つからなかった。冷炎は天仇門の仕業ではないかと怪しんだが、項影が否定する。項影も天仇門に狙われているが、実はこの3ヶ月は鳴りを潜めていた。中山(チュウザン)の東郊(トウコウ)客桟(キャクサン)も封鎖されており、恐らく摂政王となった傅筹(フチュウ)が過去の汚点を消したいのだと推察する。すると考え込んでいた無憂が黒幕の真の目的は民の恐怖を煽ることだと言った。確かに自分たちが民の信頼を失えば変法が行き詰まる。「首謀者は南境にかなり詳しい…北境と結託しているなら、噂は威力を振るい出す」そこで無憂は冷炎に噂の広まり具合を確認させ、北境と往来のある朝臣にも注意するよう命じた。一方、摂政王となった傅筹(フチュウ)は1年の戦を経て凱旋していた。しかし皇宮に戻らず、将軍府の静謐(セイヒツ)園へ寄り道する。その頃、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は血烏(ケツウ)を採りに行くという蕭可(ショウカ)と無相子(ムソウシ)に同行し、幽棘(ユウキョク)山にいた。何日も歩き回ってようやくそれらしい岩場を発見したが、常人ではとても登れそうにない。そこで無相子が一足先に軽功で颯爽と登って行った。蕭可は待ちきれず、登り始めたが、足を滑らせ落下してしまう。悲鳴を聞いて慌てて引き返した無相子、すると無憂が蕭可を抱きとめ、無事だった。その時、ちょうど山裾に住むという猟師が通りかかる。「また来たのかい?」実は先月も大勢でやって来て、何日もかけてお宝を探していたという。結局、ある男がこの岩場を登り詰め、崖の上に生えている赤くて棘のある植物を持って帰ったとか。蕭可は首を傾げた。血烏など普通は必要ないはず、しかも人の血を与えないと枯れてしまう。そこまでして血烏を欲しがるとは一体、誰なのか?血烏を手に入れたのは傅筹だった。傅筹は容楽が使っていた寝殿に血烏を置くと、しばし感傷に浸る。容楽が使っていた寝台、そして容楽が書物を読んでいた卓…。思い出すのはわずかながら見せてくれた容楽の笑顔だった。そこで傅筹は自分の手のひらを切って血烏に与える。すると常堅(ジョウケン)が迎えにやって来た。皇太后の話では文武百官が宴席を用意して摂政王の帰りを待っているという。管理が行き届き、以前と変わらぬままの静謐園と攏月(ロウゲツ)楼、しかし主だけがいない。傅筹は虚しい気持ちを抱えたまま、血烏を入れた箱を持って皇宮に帰った。↓…って血烏www宮中に戻った傅筹は母の具合を聞いた。常堅によれば毎日、薬を飲んで快方に向かっており、ひと月も発作がないので根治したのかもしれないという。しかし符鴛(フエン)後宮には移らず、改修した森閻(シンエン)宮に住んでいた。つづく( ̄▽ ̄;)別山居で子供を連れて逃げる奥さんの方が怖かった件w
2020.08.06
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白发 Princess Silver第39話「南境の1年」容楽(ヨウラク)が黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)と青州(セイシュウ)で暮らし始めて1年が過ぎた。政務で忙しい無憂だったが、その日は漫夭(マンヨウ)と一緒に桟橋に出て凧揚げを楽しむ。巷の男たちは春になると、想い人を誘って凧揚げをするのだとか…。すると偶然、泠月(レイゲツ)と蕭煞(ショウサツ)も凧揚げにやって来た。↓(*´꒳`*)幸せそう〜泠月の提案で無憂と蕭煞は凧揚げで腕比べすることになった。「負けたら罰がありますよ?」蕭煞は泠月と目配せして黎王に戦いを挑んだが、無憂に糸を切られて蕭煞の凧は飛んで行ってしまう。しかし無憂も自らで糸を切り、自分の凧を手放した。言い伝えでは凧を放つと苦難を取り除けるという。そこへ子供たちが駆けつけた。無憂は濯州(タクシュウ)の地震で親を失った子供たちを王府で引き取っていた。始めは無口だった子供たちも世話係を引き受けた蕭煞のおかげで活発になっている。実は泠月は凧揚げが得意という蕭煞が勝つと見込んで、公主と黎王に子供たちの世話を任せようと計画していた。「あの子たちが一日中、蕭煞にまとわりつくので内緒話もできません(ボソッ」容楽は失笑し、今日は自分が子供たちの面倒を見ると言った。容楽にとって人生で最も幸せな1年だった。周囲からは事実上の王妃として認識されていたが、実は正式に冊封されていない。無憂がいくら結婚したいと望んでも、容楽は時間が欲しいと断った。今でもあの日、無憂を刺してしまった辛い記憶が蘇る容楽…。無憂は容楽から幸せな思い出が苦しみを覆い隠す時まで待って欲しいと言われ、それ以上、強要はしなかった。そんなある日、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)が辺境から戻って来た。すると王府へ向かう道すがら、茶楼・別山居(ベツサンキョ)から漏れ聞こえる講談師の話に馬を止める。「1年前、傅(フ)将軍は符鴛(フエン)皇后の鳳印(ホウイン)を公表 尉(イ)国は傅将軍の威名に恐れをなし、北臨の内乱に乗じて攻め入ることを諦めました 傅将軍は皇族の名に恥じぬ英雄です ご存知の通り符鴛皇后は焼死したと伝えられていましたが、実は生きていたのです ある侍女に救助されたとか…ただ傾国の美貌が損なわれてしまい、衝撃から錯乱したそうです 符鴛皇后と言えば宸(シン)国公主のご出身、上品で美しく聡明でした 先帝は娶るため大変な努力をしたと聞きます、ただ美人は薄幸ゆえ、今も錯乱したままだそう 摂政王となった傅将軍は母のために名医を探させています、病が治るのは時間の問題でしょう」その時、黒い笠を目深にかぶった項影(コウエイ)が講談師に注文をつけた。「北境の話ばかりせず、南境の話もしてくれ」しかし講談師は黎王が皇位継承者の有力候補だったにも関わらず、1人の女子のために全てをあきらめてしまったという。今や南境に落ち延び、先帝の年号を引き継ぐも、逆賊の汚名を背負ったままだと辛辣だった。確かに黎王が実施した養民変法(ヨウミンヘンホウ)のおかげで民は士族の搾取を免れていたが、士族の根が深く、変法は続かないと考える者も少なくない。内乱が収まったとは言え南境は北境や他国と一触即発、戦になれば勝ち目はないと悲観する声まであった。辺境の戦で南境の羅(ラ)家軍が勝利、宸国から使者が祝いを届けにやって来た。朝臣の蔡厳和(サイゲンカ)はなぜ黎王自ら迎えに出ないのかと不満を漏らしたが、代理を任された范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)が黎王には別の予定があるという。国書によると宸国は無憂を国君の礼で迎え、同盟を結びたいと希望していた。范陽王は礼儀にかなわないと一蹴したが、蔡厳和は即位すれば人心をつかめると進言する。実は黎王がいつまでも皇帝を名乗らないのは謀反だからだという不穏な噂があった。しかし曹(ソウ)氏は黎王が先帝の年号を継承するのは先帝への忠義の現れであり、南北の対立を望んでいないからだとかばう。その時、ついに陳王が到着、蔡厳和を無礼だと一喝した。「王叔が重傷を負いつつも南境の情勢を鎮めたゆえ、今の平穏がある あなた方は功臣として褒美を競うだけで、王叔や七哥の敵など眼中にない …七兄は傅筹のように忠孝や仁義に背いたりしない 北臨の安定なくして七哥は即位できぬ 七哥に敵討ちを諦め、南境で即位しろと言う者は、私と共に前線で過酷な戦を経験してみよ」すると范陽王が無憂の命を伝えた。「宸国の特使が来たら黎王の不在を理由に曹大人(ダーレン)が宸国に出向き、 交易の円滑化について話し合え、両国の同盟に至っては別途、協議する」無郁は自分が一足先に戻ったのは羅植(ラショク)たちが戻る前に褒賞金を準備してもらうためだと話した。驚いた蔡厳和は優先順位があるので急には無理だという。「軍資金の帳簿を調べたが、変法の施工後、褒賞金は別枠のはず…足りぬなら不正が疑われるな 羅植将軍はあの性分だ、1両でも足りなければ蔡家の財産を出せと詰め寄られるぞ?」蔡厳和が取り乱す様子を見た孫継周(ソンケイシュウ)は、咄嗟に自分から金200両を寄付すると申し出た。変法で最も土地を削られると分かっていながら反対しなかった孫継周、無郁はさすがだと感心し、蔡厳和にこれで足りるかと迫る。急にしおらしくなった蔡厳和は、羅家が戻り次第、褒賞金を必ず渡すと約束した。無憂はどんなに忙しくても必ず容楽と夕餉を共にしていた。その夜、無憂は羅植の祝勝の宴に一緒に出ようと誘ったが、容楽は難色を示す。自分が今はまだ微妙な立場であり、2人で公然と出席すれば無憂まで非難を浴びてしまう。変法の維持が困難なだけに容楽は無憂の足を引っ張りたくなかった。しかし無憂は漫夭なら自分と共に矢面に立てるという。「過去のいきさつから王妃の称号を拒む気持ちも分かるが、2人で並び立つことも叶わぬのか?」「…はお、宴には一緒に行くわ」すると喜んだ無憂はもう1つ頼みがあると言った。「羅植のことね…ふふ」無憂と容楽は変法の実施により士族の勢力を削いできた。一方で羅植は戦功を重ね、今や寒門(カンモン)の一族が勢いづいている。確かに傲慢な羅植をこのまま放っておけば、果てしなく増長するやもしれない。実は無憂はそんな羅植を心配し、無郁に見張らせていた。無郁の話では羅植は粗暴な性格ではあるが、飴と鞭を使い分け、うまく軍を統制できるという。気骨があり、強権には屈さず、私欲はないらしい。「忠誠を誓わせるには心服させねばならぬ」「安心して…私に妙計がある」そこへ泠月が止めるのも聞かず、陳王が現れた。泠月は黎王と王妃の夕餉の時間は誰も入れないという規則ができたと教えた。すると容楽は失笑し、陳王の箸とお椀を持ってくるよう頼む。しかしご馳走を期待していた無郁はあまりに質素な献立に驚いた。無憂は漫夭が戦地の将兵に配慮して贅沢を謹んでいると教えたが、そこへ泠月が蕭可(ショウカ)が特別に作った薬膳を運んでくる。蕭可と聞いた無郁は早速、器に手を伸ばしたが、その時、懐から書物が落ちた。容楽は咄嗟に書物を拾うと、″処方箋″と書かれていることに気づく。これでは蕭可への土産だということは誰の目にも明らかだった。蕭可の部屋を訪ねた無郁、しかしそこで親しそうな蕭可と無相子(ムソウシ)の姿を目撃した。2人はようやく″血烏(ケツウ)″について書かれた本を発見、熱心に読んでいる。無視された無郁は2人が見ている書物をのぞき込み、自分が取りに行ってやると声をかけた。しかし蕭可が血烏は危険な場所に生えているため、武芸の達人である無相子が適任だという。何より容楽の命に関わることなのだ。医書によると血烏があればあらゆる毒を抑えられ、髪も黒く戻るという。そこで容楽を落胆させないよう、まず血烏を手に入れてから報告することにしていた。「大叔、どこから探す?」無郁はすっかり蚊帳の外、蕭可に土産を渡せずじまいだった。一方、孫雅璃(ソンアリ)は青州の実家に戻っていた。北境の一件で引きこもっている雅璃だったが、そこへ泠月が容楽からの新茶を届けにやって来る。雅璃は自分のことを気にかけてくれる王妃に感謝すると、泠月は黎王も気にかけていると吹き込んだ。「黎王殿下は青州での思い出をよく話題になさってるわ」「でも所詮は昔のことに過ぎないわ…」すると泠月は一緒に王府へ行こうと誘った。雅璃は人と会うのを避けているからと断ったが、泠月は昔のことなど皆、忘れていると励ます。「それに琴を弾くなら知音を見つけるべきよ 殿下と公主も知音だけど、最近、政務が忙しくてしばらく合奏していないの」泠月にそそのかされた雅璃は思い切って出かけてみることにした。容楽は雅璃の来訪を心から歓迎した。そこで雅璃は手作りの安神(アンシン)香を贈る。容楽はあまり眠れない無憂のために使うと話すと、雅璃は黎王の役に立てると知って嬉しくなった。すると卓に碁盤が出ている。容楽は無憂と対局中だったが、無憂に急な政務が入って中断されてしまったという。「そうだ、雅璃が引き継いでくれない?」「はい、王妃と殿下は良き伴侶で知音です、本当に羨ましい 私なんて孤独で誰にも相手にされません…囲碁も久しぶりです」雅璃はそう言って石を置くと、容楽はその一手を見て感心した。「″九死に一生″、さすがね〜ここでたくさん石を捨てても、別の活路を見出す 捨てて得る物あり、往時を捨てれば希望が見えて来る…」「雅璃は別の活路を見いだせても多くの石を捨てました ここまで追い込まれれば、いくらあがいてもこの勝負は私の負けです」容楽は石を置こうとしていたが手を止め、話題を琴に変えた。しかし雅璃は琴でも王妃に遠く及ばないと落胆し、父に会う約束を思い出したと言って帰ってしまう。孫継周(ソンケイシュウ)は娘がようやく重い腰を上げて王府に行ったと知り、喜んだ。王妃の力を借りて娘を何とか黎王に近づけたい孫継周、しかし雅璃は2人の間に自分が入り込む隙などないという。孫継周はともかく羅植の祝勝の宴に琴を持って出席するよう命じ、黎王に雅璃の存在を知らしめろと発破をかけた。「孫家は衰退しつつあり、羅植ら寒門が幅を利かせる、私も恥は捨てた、お前も覚悟せよ!」翌日、王府では羅植や将軍たちを招いて祝勝の宴が開かれた。しかし羅植はいつまでたっても現れない黎王と王妃に苛立ちを隠せない。その時、ちょうど末席に琴を抱えて現れた雅璃に気づき、1曲弾いてくれと声をかけた。驚いた孫継周は自分の娘だと教え、王妃と琴の腕比べに来ただけだと教える。羅植はならば是非とも雅璃の腕前を拝見したいと頼み、仕方なく孫継周は雅璃に1曲、奏でるよう命じた。孫継周と蔡厳和は雅璃が琴を弾いている間に羅植を牽制した。実は黎王を引き止めているのは王妃で、黎王の心は王妃のことだけで占められているという。ただ王妃と言っても正式には冊封されていなかった。黎王は政務そっちのけで王妃と遊びに出かけ、何でも王妃の言いなりだとか。その上、黎王は政事のことまで王妃に聞いて決めることがあるという。弾き終えた雅璃は不躾な羅植をにらみつけてから席に戻った。そこへ蕭煞が現れ、黎王と王妃は体調が悪いので出席できないと報告して宴を開始するよう告げる。すると蔡厳和は聞こえよがしに孫継周に言った。「やはり黎王府の女主人は無骨な軍人を見下していますね〜」2人に煽られた羅植は憤慨、黎王が功績のある羅家軍を軽視していると非難し、王妃を女狐だと罵ってしまう。つづく( ゚д゚)え?!王叔が生きてた(笑もしかして見逃したかしら?!そして泠月、やはり怪しい〜雅璃が無憂を好きだと見抜いて煽ってるよね〜でも誰の手先なんだろう?
2020.08.05
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白发 Princess Silver第38話「摂政王誕生」林申(リンシン)は思雲陵(シウンリョウ)で思いがけず無相子(ムソウシ)と再会、無隠楼(ムインロウ)の楼主が無相子だと知った。すると林申は無相子1人の力業で自分を阻めると思うのかと嘲笑う。「宗政無憂(ソウセイムユウ)がこのまま逃げ切り、再起を図れると思うのか?」「やってみなければ分からぬ」無相子は林申に挑んだが、林申は配下に任せて先に逃げてしまう。容楽(ヨウラク)は無憂と一緒に馬車で川に向かっていた。無憂は漫夭(マンヨウ)から玉璽を受け取り、このために危険を冒したと知る。「そなたを失えば私は生きる希望も失うのだぞ?」「あなたの父君から託された物よ、必ず渡すと約束したの…陛下が託した信頼と愛だもの」しかし自分のせいで無憂が雲(ウン)貴妃を連れて行けず、別れもできなかったと責任を感じていた。無憂は母の魂なら天にあるとなだめ、玉璽に関係なく民の心に叶う者が天下を獲るべきだという。「私は皇位を守るより、そなたと共に死にたい、それで汚名を残そうと構わぬ …仁ある者が国を治めるならそれでいい」一方、後ろの馬車では蕭可(ショウカ)が孫雅璃(ソンアリ)の手首の傷を手当てしていた。未だ張り詰めた様子の雅璃、将軍に深く傷つけられたせいか自然と警戒心が強くなっている。そこで泠月(レイゲツ)は雅璃が安心できるよう自分の膝を貸してしばし眠らせることにした。その頃、傅筹(フチュウ)たちは必死に無憂たちを追いかけていた。しかし林の中で待ち伏せしていた修羅七煞(シュラシチサツ)に襲撃される。すると林申ら天仇門(テンキュウモン)が追いつき加勢、傅筹を先に行かせた。容楽と無憂たちは無事に陸路を離れ、筏(イカダ)で川を下り始めた。その時、馬のいななきが聞こえ、一行は驚いて振り返る。すると岸から傅筹が弓を構え、無憂に矢を放った。しかしそこへ陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)率いる南境軍の筏が大挙して現れる。傅筹の矢は阻まれ、追いついた重装軍でもなす術なく、結局、傅筹は黙って愛する容楽が無憂と去っていく姿を見送るしかなかった。↓自業自得だけど、何ともわびしい傅筹…(꒦ິ⌑꒦ີ)容楽はついに中山(チュウザン)を離れた。異国の地に嫁いで無憂を愛し、あの街を愛したが、今では恨んでいるという。しかし何度、捨てようとしても離れられなかった中山をこうして無憂と離れることが叶った。「…幸せになれるわよね?」「もちろんだ」無憂はいつか必ず民の信頼を得て、国を立て直す日が来るという。両親から託された責任を果たし、そして民に誓った平和な世を実現させねばならない。「この先どれほど苦難があろうと、永遠にその手を離しはせぬ」「道がどれほど険しくとも、永遠にあなたと共に歩き続けるわ」容楽は心の中で、天に慈悲があるなら1日でも長く生かして欲しいと願った。無憂1人を残して行くのは耐え難い。…少しでもそばにいたいの…その頃、西啓(サイケイ)の皇帝・容斉(ヨウセイ)は茶室でひとり琴を奏でていた。そこへ小荀子(ショウジュンシ)が皇太后から届いた薬を持ってやって来る。「公主は黎(レイ)王と共に無事、中山を離れました」「1年余りか…容楽、宗政無憂がそなたを救ってくれると良いが…」↓( ๑≧ꇴ≦)ホァンショーン!(←もはや言いたいだけwその夜、傅筹は川辺でひとり、物思いにふけっていた。そこへ林申が現れる。「復讐は果たしたが、あの女がいなければ宗政無憂には勝てぬぞ?」「勝負はこれからだ、それに私が負ければ、お前も道連れだ」「そうとも~私は主を選び損ねた、無相子がうらやましい」その時、常堅(ジョウケン)が慌てて駆けつけた。皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)が乱心したという。「今回は事実のようです」すると林申は思わず面白いと言って笑った。 ←ホント悪趣味なオサーンなのよ林申は密かに皇太子を父親と面会させ、東宮へ戻していた。しかし皇太子は子供のような姿になり、傅筹を見るなり父と呼んで笑顔を見せる。「父皇!頂いた飴はとても美味しいです!…学問もしていますよ?」傅筹がまじまじ皇太子を眺めると、皇太子は傅筹にすがりつき、遊んで欲しいとせがんだ。「父皇、お怒りなのですか?…私が無憂より覚えが悪いから?」すると皇太子は父と一緒にいたいと涙する。その姿はかつて父の愛を求めていた少年時代の傅筹そのものだった。しばし感傷にひたっていた傅筹、やがて皇太子は傅筹が父ではないと気づき、何者かと尋ねる。傅筹は思わず自分も息子だと話すと、皇太子は飴をあげる代わりに遊んで欲しいと頼んだ。「みんな無憂と遊んで私をのけ者にするんだ、いいだろう?」その頃、林申は車椅子の北臨帝を東宮へ移動させていた。傅筹はしばし皇太子と遊んでやった。すると林申が皇太子妃を連れてやって来る。傅筹を見た皇太子妃は慌てて皇太子を引き離し、すぐ逃げようと言った。しかし皇太子は皇太子妃を雲(ウン)貴妃だと呼び、傅筹に助けを求める。錯乱した皇太子の姿に驚愕する皇太子妃、その時、ようやく全て傅筹の企みだと気づいた。「痕香(コンコウ)が東宮に来た時から疑っていたけど、ここまで卑劣な男だとは… 皇位のために殿下をこんな姿にして!」傅筹は皇太子妃を連れ出せと命じたが、皇太子妃は今さら怖いものなどないと開き直った。「お前は妻を妖怪のようにして、兄弟の正気を失わせた…お前こそが悪魔よ!」その時、林申がいきなり背後から皇太子妃を斬りつけ、殺してしまう。傅筹は命じた覚えはないと憤慨したが、林申は皇太子を生かしておくのは危険だと警告した。宗政無憂に玉璽を持ち去られた今、傅筹の即位は正義を伴わない。「後顧の憂いは断て」傅筹は今の皇太子なら脅威にならないと止めたが、林申は苦笑するしかなかった。実は皇太子は密かに倒れた皇太子妃の髪からかんざしを抜いて傅筹に迫っている。「後ろを見てみろ、状況が分かっていないのはお前だけだぞ!」すると皇太子がいきなり襲い掛かり、振り返った傅筹はかんざしで肩を刺されてしまう。激怒した傅筹は皇太子の腕をつかんで突き放したが、林申がすかさず皇太子を突き刺した。「私が忠告しなければ、こいつに殺されていたぞ?そうなれば誰が母君の敵を討つ?」「…宗政無憂を殺せば母が戻るのか?黄泉の国からは戻って来られぬ」傅筹は嫌気が差し、ふとあの日、焼け死んだのが自分なら良かったとこぼして出て行った。まさかその様子を北臨帝が見ていたとも知らず…。激しい雨の中、傅筹は橋の上で酒をあおった。「復讐は果たしたが、私の手には何も残らなかった…この結果に何の意味がある?」その時、水路を行く小舟を見つけ、傅筹はふと容楽との出会いを思い出した。「今、君は幸せに暮らしているだろうか?」そんなある日、将軍府に乱心した女が入り込んだ。ちょうど静謐(セイヒツ)園にいた傅筹は騒ぎに気づき、様子を見に行くことにする。その時、女の悲痛な叫び声が聞こえた。「筹児!私の子!…筹児」驚いた傅筹が駆けつけると、その女は丸めた布団を大事そうに抱え、泣いている。こめかみの辺りには火傷の跡があったが、女の顔には母の面影が…。「娘(ニャン)…娘…!私が筹児です、私が母上の息子ですよ? 生きていたんですね!そうと知っていればこうはならなかったのに… こんな傅筹にはならなかったのにっ!絶対にだっ!」傅筹は母の膝に顔を乗せると、女は恐る恐る息子と名乗る男の顔に触れた。乾臨(ケンリン)宮での朝議、皇帝と皇太子の急逝により皇后が懿旨(イシ)を下すことになった。「皇后の命を告ぐ…陛下の崩御に悲哀は尽きぬ、なれど君なくして国成らず 符鴛(フエン)皇后の子・傅筹は陛下の嫡子ながら、陥れられて長く陋巷(ロウコウ)にあり 今、天の加護によりて皇族の身分に戻る 皇室嫡子の立場を回復し、名を宗政無筹(ムチュウ)と改め、天命を受けて皇帝の位に…」「お待ちを!」傅筹が皇位を継ぐと思われた矢先、重臣の楊惟(ヨウイ)が横槍を入れた。「傅将軍の皇族への復帰は、お家の事情である以上に国の大事です 皇后が陛下に代わって将軍を皇太子に封じることに異存はありません しかし皇位となると宗廟や民にも報告が必要です ただ将軍には遺詔も玉璽もなく、即位は世間が納得せぬと思われます」皇后は仕方なく傅筹の意見を聞くことにした。すると傅筹は朝廷の反感を買わないよう、礼部の意向を聞くという。楊惟の提案では、まず皇太子という身分で摂政として国の安泰を計ってはどうかというものだった。乱れた国を1つにまとめれば、民も新帝として承服するはずだという。そこで傅筹はひとまず皇太子にも皇帝にもならず、摂政王の身分で国を治めると宣言した。「宗政無憂は朝廷に背き、南境を拠点とする気だ 宗政無筹はここに誓う…必ず逆賊を倒し、南境の国土を取り戻す その時こそ、私が正々堂々と皇位に就く時だ …言葉をたがえれば天誅を受けよう」つづく(^ꇴ^)シーズン2が終わりました!いよいよ白髪の南境編!
2020.08.04
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白发 Princess Silver第37話「脱走」孫雅璃(ソンアリ)は傅筹(フチュウ)に忠告した。自分がそうだったように容楽(ヨウラク)に執着しても、結局、自分と同じ結末を迎えることになる。しかし傅筹は雅璃とは違うと断言した。「傷を治してしっかり生きろ、己を大事にすれば希望は生まれる」そう言って傅筹は帰ってしまう。傅筹はやはり常堅(ジョウケン)に容楽たちを監視させていた。蕭煞(ショウサツ)の報告では気が触れた夫人の件も調べさせていたという。自由に外出できても監視から逃れられないと落胆する容楽、するとそこへ項影(コウエイ)が現れた。実は皇宮で大掛かりな玉璽(ギョクジ)の捜索をしたが見つからず、王族や重臣の屋敷にもないため、傅筹が怒り心頭だという。玉璽と聞いた容楽はふと軍営で北臨(ホクリン)帝から聞いた″思雲陵(シウンリョウ)″と″玉″という言葉を思い出し、ぴんときた。一方、傅筹に利用されて即位を逃した皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)は東宮に軟禁されていた。皇太子は気が触れたふりをして助かろうと考えたが、そこに外套を目深にかぶった男が現れる。するとその男にあっさり演技していると見抜かれ、皇太子は激怒した。「何者だ?!死罪に処し、一族皆殺しにするぞ!」「今に至っても横暴な性格は変わらぬようですね~ かつて私が森閻(シンエン)宮で失脚した皇后にお仕えしていた時も、 幾度となく殿下から侮辱され、虐げられました」林申(リンシン)はそこで顔を見せ、自分のような小者は記憶にないだろうと言った。当時の皇太子は飛ぶ鳥を落とす勢い、使用人の命など塵も同然だっただろう。しかしまさにこれが因果応報、皇太子も今やここまで落ちぶれた。「私が受けた苦しみをすべてお返しします…おとなしく死の覚悟を」その夜、黎(レイ)王府の蕭可(ショウカ)の部屋にも、風のようにある男が現れた。「無相子(ムソウシ)だ、容楽公主から何か預かっていないか?…物は?」「物って?」蕭可は念のため確認すると、無相子は扇子だと教えた。どうやら本物の無相子らしい。蕭可は隠し持っていた扇子を渡すと、扇子の間に小さな密書が挟まれていた。…無憂は森閻宮よ、3日後、令牌を渡す…すると無相子は密書をすぐろうそくで燃やしてしまう。「これも必要になるわ」蕭可は傷薬を渡し、容楽が信用するなら自分も信用すると言った。↓まさか師兄の恋?!w無相子は早速、森閻宮へ潜入、監禁された宗政無憂と再会した。そこで蕭可が作った秘薬を鈎(カギ)が刺さっている肩にふりかけ、傷の回復に効果があると教える。また陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)が兵馬を集め、人は避難させたと報告した。「残るはお前の救出だ…」しかし皇宮は厳重に包囲され、精鋭が守っている森閻宮から助け出すのも困難、しかも手負いの身体で山越えとなれば追撃も免れず、無相子はやはり傅筹の令牌を手に入れた方が円滑に行くと話した。無憂はすぐ漫夭(マンヨウ)が傅筹から盗み出すつもりだと気づき、苦悩の表情を浮かべる。「令牌を手に入れ、3日後に我らと合流する手はずだ 無憂、容楽は凡庸な女子ではない、周到な計画を練っているだろう 心配するな、私も陰から支える」「師兄、必ず守り抜いてくれ」無憂脱出計画の当日、皇后は娘のように可愛がって来た雅璃が軟禁されていると知り、寝殿を訪ねた。雅璃はこの機会を逃すまいと皇后にすがり、助けて欲しいと懇願する。詳しい事情を知らない皇后だったが、将来の寄る辺が欲しくて雅璃を無理やり無憂に嫁がせようとしたと反省していた。しかし雅璃は傅筹に利用されるくらいなら受け入れるべきだったと後悔する。すると皇后はちょうど守衛を追い払ったと話し、今のうちに逃げろと急かした。「南門の守衛は味方よ、南門から出なさい」雅璃は一緒に行こうと言ったが、皇后は宮中を去り難いと断り、雅璃を見送った。傅筹は静謐(セイヒツ)園を訪ねた。その時、ちょうど酒をあおっていた容楽は、空になった酒瓶を石畳に投げつけ割ってしまう。傅筹は容楽の感情的な一面に驚いていたが、容楽はそのまま剣を抜いて稽古を始めた。容楽の美しい身のこなし、すると傅筹は自然とそばに置いてあった琴を弾いて剣舞に興を添える。しかしやがて容楽が剣を落とし、倒れそうになった。傅筹は咄嗟に駆け寄って容楽を座らせると、以前、自分が介抱した手の傷から血が流れている。「水で流そう…」傅筹は容楽を連れて行こうとしたが、容楽が引き止めた。「うぇいしぇんむぁ?なぜこんな仕打ちを? 知っている?私を利用し、傷つける人を信じることは勇気がいるのよ? 白状するわ、もう少しであなたを愛しかけた…」「何だと?」「今さら何を言っても遅い…あなたは私を裏切り、自らの手で私を別の者に差し出した 行動で示したのよ、死ぬより残酷な教訓を… ″恨む″と軽々しく言いたくない、でも今日はあえて言うわ…恨 ん で る」「そうとも、すべて後の祭りだ…でも容楽?再度、機会をくれるなら宗政無憂を許そう 君が望むなら南境など奴にくれてやる、約束しよう 二度と傷つけず、利用もしない、君を大切にし、共に生きて行く」「宗政無憂…無憂…あなたが監禁したの?会いたいわ…今すぐ会わせて!」「容楽…譲歩しているのに、なぜまだ未練を? 目の前にいる私を見ずに、なぜ宗政無憂だけを想い続けるのだ? …? うっ…」 無憂は急に身体がこわばり始めた。「容楽…謀ったな」容楽は鼻で笑いながら傅筹の肩を押すと、傅筹は簡単に倒れてしまう。↓悪い容楽w容楽は警戒心が強い傅筹を騙すため、琴の弦に無毒の薬を塗っていた。ただし自分の血と混ざると途端に最強のしびれ薬になるという。容楽は動けなくなった傅筹を仰向けにすると、懐から令牌を奪った。「傅筹…これまでの情に免じて命までは奪わない ←毎度毎度あまいのよ〜w 今生で私が愛するのは無憂だけよ、でも感謝している、あなたが分からせてくれた 私を一番、想ってくれる人は誰かを…」令牌を手に入れた容楽は剣を佩し、急いで出て行くことにした。すると傅筹が最後の力を振り絞り、容楽の衣の裾をつかむ。しかし容楽は無情にも剣で裾を切り、2人の縁が終わったと知らしめ、去って行った。(※ドラマで自分の裳裾を切って縁を切るという場面はよく見かけます)林申は北臨(ホクリン)帝を監禁している冷宮に皇太子を放り込み、閉じ込めた。皇太子は思いがけず父と再会を果たしたが、車椅子の父は身体の自由が利かず、声も出せない。父を連れて逃げようにも車椅子が鉄鎖でつながれていた。皇太子はこれまでの親不孝と自分の愚かさを嘆き、その場で叩頭して謝罪する。そして自分の命と引き換えにしてでも父を助けると約束するのだった。するとその時、北臨帝が必死に息子へ手を伸ばす。皇太子は思わず父に抱きつき号泣、2人のわだかまりも自然と解けて行った。森閻宮に蕭煞がやって来た。蕭煞は将軍の命で謀反人を刑部へ移送すると告げたが、守衛は密命なら侍従の常堅(ジョウケン)に伝えるはずだと訝しむ。そこで傅筹の令牌を見せ、1刻以内に移送するよう緊急の任務を命じられたと言った。「疑うなら刑部へ行き確認すればいい、だが移送に遅れが生じればお二人の責任になりますよ?」守衛は令牌があれば十分だと納得し、錠を外して中へ入った。すると蕭煞は守衛が鉄鎖の鍵を出したところで背後から殴り倒し、そこへ兵士に扮していた無相子たちが駆けつける。こうして蕭煞と無相子は無事に無憂を解放、移送すると見せかけて無憂を檻に入れた。蕭煞は外門の門衛に傅筹の令牌を見せ、罪人を移送すると言った。確かに罪人は檻につながれ、怪しいところはない。門衛は門を開けるよう命じたが、その時、脱出を試みようとしていた雅璃が兵士に追われて飛び出してきた。「助けてーっ!誰かーっ!」無相子は放っておくよう囁いたが、無憂はどうしても見過ごせず、助けるよう頼む。すると蕭煞と無隠楼が一斉に兵士に襲い掛かり、無相子は無憂の檻を壊して解放した。( ๑≧ꇴ≦)ちょっと雅璃…無憂は肩の傷が癒えないまま応戦し、雅璃を守った。やがて騒ぎに気づいた弓兵たちが矢倉に現れ、角楼に一斉に矢が放たれる。その時、修羅七煞(シュラシチサツ)が現れ、弓兵を排除して援護した。無憂はその間に雅璃を連れて荷車に飛び移り、無相子たちが荷車を引っ張り出して先に逃すことに成功する。一方、しびれ薬が切れた傅筹は無憂を仕留めると決め、皇宮に向かっていた。…容楽、君が悪いのだぞしかし南門に到着してみると、すでに宗政無憂が女子を連れて逃走したという。傅筹は女子が容楽だと思ったが、黒髪だったと聞いて騙されたと憤慨した。無相子と合流した無憂は漫夭(マンヨウ)の行方を聞いた。何でも大事な物を取りに思雲陵へ行ったとか。無憂は急いで迎えに行こうと馬車に乗ったが、こんな時でも雅璃への気遣いを忘れなかった。そんな無憂に雅璃は特別な思いを抱き始めるが…。↓( ๑≧ꇴ≦)雅璃メンドクセ〜また吊り橋効果かいっ一方、容楽は思雲陵に到着していた。そこで雲貴妃の冷室へ急ぎ、かつて無憂が七絶草(シチゼツソウ)を出してくれた場所を探してみる。すると容楽の予想通り玉璽を発見した。「雲貴妃、無憂は私のため天下を諦めました…尊厳も捨て、命まで失いかけた 以前ここで私は無憂の誓いを拒みました、今日は私がここで誓いを立てます どれだけの歳月が私に残されていようと、無憂に真心を捧げ、忠誠を誓います 無憂のためなら命を捨ててもいい、あなたに代わり守らせてください」容楽は拝礼して思雲陵を出たが、外では林申が待っていた。ε-(•́ω•̀๑)<またあなた?(仮面を取ったらちっちゃい人だ!)林申は北臨帝が容楽に玉璽を渡したと踏んで待っていた。容楽は剣を抜いて戦いを挑んだが、林申は自分には勝てないと断言する。「だが進歩したな…」「私を知っているの?」すると林申の言葉通り、容楽はあっさり玉璽を奪われてしまう。そこへ無憂の鷹が現れ、林申に襲いかかった。その隙に容楽は玉璽を取り返して走り出したが、天仇門が行く手を阻む。林申は鷹を撃ち落として追いつき、いくらあがいても無駄だと言った。「私は狙った獲物を必ず仕留める…」容楽は孤軍奮闘していたが、劣勢を強いられた。そこで灯籠を次々倒して油をぶちまけると、祭壇に供えられた酒瓶を投下、油が飛び散って炎が巨大化する。容楽は炎の向こう側にいる林申に向かって玉璽を見せた。「いくら望んでも今日は手に入らないわ…どんな陰謀を企んでいるのか知らないけれど、 無憂を守れるなら私は喜んで玉璽と共に灰となる!」「早まるな!」その時、無憂が颯爽と現れた。無憂は仲間が投げ入れた縄をつかむと、容楽を抱いて脱出することに成功する。慌てた林申はすぐ追いかけようとしたが、無相子が行く手を阻んだ。「天仇門の門主は恥知らずだ、大挙して女子を追い詰めるとは…」「誰かと思えば、その昔、私との戦いに敗れた無相子か 無隠楼の楼主がお前だったとはな…残念だかお前は主を選び損ねた」「誰に従おうと私の勝手だ…ただし厚顔無恥な宦官の仲間だけにはならぬ」( ๑≧ꇴ≦)また痛恨の一撃がwつづく(  ̄꒳ ̄)36話であれ?と思っていたけれど、やはり順序がおかしい本来は傅筹が「今日から好きに出かけていい」→それから蕭可の所へ行ったはずもしかして傷がなんちゃんら~って、手のひらに傷ができる前に聞いちゃったのかw
2020.08.03
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白发 Princess Silver第36話「静かな決意」白髪となって将軍府で目を覚ました容楽(ヨウラク)。傅筹(フチュウ)は一睡もせず付き切りだったが、容楽は自分を盾にして黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)を脅した傅筹に激しい憎悪を抱いていた。「無憂に会わせて」「君が無事なら奴も生きられる、君が死んだら…脅しではない 私にとって奴が生きることの唯一の価値だ、元気にならなければ奴には会えぬぞ?」「…出て行って」「私が憎いのは分かっている、私の言葉を信じる気はないだろう こうなった責任を逃れる気はない…すべて私が悪い、君を守れなかった 悪意ですり替えられたことにも気づかなかった、許しを請う気はないが、これだけは言っておく 私たちを陥れた者を見つけ出し、報いを受けさせる…よく休め」傅筹と入れ違いにようやく泠月(レイゲツ)と蕭煞(ショウサツ)が現れた。公主の白髪を見た泠月は涙に暮れるが、そこに密かに項影(コウエイ)が駆けつける。容楽は泠月だけを下げると、項影から墨玉(ボクギョク)扇を受け取った。項影の報告では皇太子が廃され、傅筹は母の金冊(キンサツ)と鳳印(ホウイン)を証拠に朝廷を掌握したという。傅筹は一体どこに無憂を隠したのだろうか。すると項影は傅筹が皇宮にある数ヶ所の冷宮に武装兵を配していると話した。「はっ!符鴛(フエン)皇后が入っていた冷宮は?」「森閻(シンエン)宮です、符鴛皇后が自害した際に焼け、今も廃屋のままです」「蕭煞、傅筹の動きを探り、皇宮に入ったら教えて」蕭煞は拝命し、すぐ出て行った。容楽は無憂を救うためにも身体を鍛えることが先決だと考え、泠月が置いて行った食事を食べ始めた。そして項影に名剣を用意するよう頼む。「剣の稽古を始めるわ…人に利用されぬため、そして虐げられぬために強くなるわ」床を離れた容楽は鏡の前に座った。そこで改めて白髪姿の自分を見ると、その衝撃から涙があふれてくる。しかし鏡の横に置いた墨玉扇に気づき、強い心で立ち向かわねばならないと決意を新たにした。無憂は容楽が予想した通り、森閻宮で監禁されていた。すると傅筹が無憂の様子を見にやって来る。無憂は両肩に鈎(カギ)を突き刺され、鉄鎖でつながれていたが、これこそ長年、傅筹が苦しめられて来た拷問だった。「傅筹、お前は想像以上に卑劣な男だった… 父上が母上を殺した理由がずっと分からなかった、だが漫夭(マンヨウ)を見て分かった あの時、符鴛は十理香(ジュウリコウ)に毒を入れて父上に飲ませたのだ そしてお前も私を倒すため、同じ毒を漫夭に飲ませたのだな…」傅筹は黙って聞いていたが、急に無憂に脈を安定させる薬を飲ませた。無憂への復讐をそう簡単に終わらせるわけにはいかないという。「宗政無憂…我々、母子が味わった苦痛をお前に味わわせてやる」無憂はようやく傅筹が符鴛の子だと気づき、なぜ自分を目の敵にして謀反を企んだのか知ることになった。2人がまだほんの子供だった頃、傅筹は北臨(ホクリン)帝に命を狙われ、仕方なく素性を隠し、帰る家もなくさまよっていたという。しかし無憂は豪華な宮殿でのうのうと暮らし、何の苦労もなく、愛されてわがまま放題に育ったのだ。「それにお前も容楽を利用して傷つけた、なのに容楽は今もお前を想っている」その頃、皇宮に容楽たちが潜入していた。容楽と蕭煞は無隠楼(ムインロウ)が兵士たちを引き付けている間に森閻宮へ向かう。無憂は不公平な世の中を嘆き、手に入れるべきだった物を全て取り戻すと決めた。「私は至高の地位に就くのだ、そして容楽は私の皇后となる だがお前は生涯、鉄鎖と共に孤独に過ごす運命だ」「分かっておらぬな、容楽がお前のそばに留まるとでも? 皇后の位など容楽は見向きもせぬ、正義のために死ねる女子だ お前と生涯を共にするなど絶対にあり得ぬ 私との関係すら断ち切ったのだ、愛したこともない男と暮らすものかっ」←( ๑≧ꇴ≦)痛恨の一撃!「お前の言う通りだ、だが、だからこそ私のそばを離れられぬのだ」「くっくっく…あははは~!」すると傅筹は鉄鎖を引き上げ、無憂を吊り下げた。容楽と蕭煞は森閻宮の屋根に到着した。そこで瓦を一枚外して殿内をのぞいてみると、ちょうど気を失って倒れている無憂の姿がある。蕭煞は早速、助けに行こうとしたが、容楽が止めた。軽率に動けば敵が警戒を強めて監禁場所移動させるはず、そうなったら面倒になる。すると傅筹が現れ、無憂の顔に水をかけて起こした。その時、表から兵士が庭園から火が出たため、避難するよう声をかける。傅筹はすぐ無隠楼の仕業だと気づき、出て行った。その様子を車椅子から宗政允赫(ソウセイインカク)が見ていた。身体の自由を失い、声も出せず、哀れな息子を助けることもできない。すると林申(リンシン)は車椅子を押して北臨帝を連れて帰った。容楽は密かに殿内に飛び降り、無憂と再会した。涙で声にならない容楽、無憂は白髪を見て驚いたが、自分なら鍛えているので何でもないと強がる。「漫夭、君の罪じゃない、危険だからもう帰れ、早く!」すると表から兵士たちの話し声が聞こえて来た。容楽は思わず無憂に口づけし、無隠楼の力を借りて必ず助けると誓う。その時、戸が開いて傅筹が入って来た。しかし危機一髪、容楽はすでに飛び上がり、脱出していた。翌朝、容楽は黎王府に残った蕭可(ショウカ)を訪ねることにした。久しぶりに街に出た容楽だったが、道すがら民たちの噂話を耳にする。「政変の原因は容楽公主の取り合いだと?」「そうとも!声望の高い黎王がなぜ謀反など…女は災いの元さ」蕭煞は憤慨し、公共の場で皇族の風評を撒き散らすなと剣に手をかけ脅した。露天の茶屋にいた民たちは慌てて退散すると、そこへ女が助けを求めながら走って来る。女は蕭煞にぶつかると助けて欲しいと懇願、思わず容楽の馬車の中に逃げ込んだ。容楽は飛び込んできた女に困惑した。「助けてやって!罪もない子供を殺させないで!」女はこめかみの辺りが火傷で禿げており、子供といっても布団を丸めた物を抱えている。すると女を追って来た婦人が外から謝罪し、その夫人は夫に捨てられ子を失い、顔に傷も残った気の毒な人だと訴えた。容楽は目配せすると、蕭煞は婦人に金子を渡し、不憫な夫人を馬車から下ろす。その様子を常堅(ジョウケン)が見ていた。黎王府はすでに没収され、許可なく立ち入ることができなかった。容楽は通さぬなら命はないと門衛を脅したが、容楽を監視している常堅の指示で無事に蕭可と面会が叶う。蕭可はひとり殿内で容楽の解毒薬を研究していた。容楽との再会に喜ぶ蕭可だったが、白髪になった容楽の姿に呆然となる。しかし蕭煞が今は事情を説明している時間がないとなだめた。「迎えに来たのよ」「いいえ、黎王府は静かでいいわ、公主姐姐の治療法を探すには最適な場所よ 効果は一時的だけど解毒薬ができてるわ、脈を診せて」そこで容楽は蕭煞に合図を送り、蕭煞がそれとなく2人の盾になる。容楽はその隙に蕭可の袂に墨玉扇を入れ、何事もなかったかのように部屋を出ることにした。「私の大切な蕭可を傷つけるものがあれば決して許さない」容楽が警護の兵士たちに警告していると、その隙に蕭煞が蕭可に無相子(ムソウシ)に渡すよう伝えた。傅筹は血眼になって玉璽(ギョクジ)を探させていたが、未だ見つからなかった。常堅の報告では容楽が蕭可に会いに黎王府へ出かけたが、妙な行動はなかったという。ただ容楽が剣の稽古を始めたため、傷は悪化していた。 ←(* ゚ェ゚)え?何の傷?また容楽の馬車にからんだ女を調査したところ、乱心者らしいことが分かったという。「女の話だと自分の息子は…」「そんな報告は要らぬ、処理はお前に任せる」そこへ南境から密書が届いた。…取引をお忘れなく、娘をむげにはなさらぬよう…さもなくば私もお約束は守りかねる…孫継周(ソンケイシュウ)容楽は項影から受け取った名剣で稽古を始めていた。その夜、傅筹はその様子をながめていたが、容楽がうっかり手を斬ってしまう。傅筹は慌てて容楽を助け、自ら介抱した。しかし容楽の冷たい視線に耐えきれず、黙って帰ることにする。すると急に容楽が声をかけた。「いつ無憂に会わせるつもり?実際に顔を見るまではあなたを信用できない 私を将軍府に留めたいなら無憂を傷つけないで」「奴に手出ししなければ、ここにいてくれるか? 君がここに残り、奴が北臨を離れるなら、見逃してもいい、過去の怨恨は帳消しとする」容楽は自分さえ軟禁されているのに信用できないと一蹴した。そこで傅筹は今日から自由に外出して構わないと認め、その代わり護衛を連れて行けという。「皇位を手に入れても、まだ無憂に敵意があるの?」「敵意ではない、私と奴は共存できぬのだ!当然だろう?勝ったのが奴なら私を見逃すと思うか? 奴の能力なら再起は可能だ、だから北臨から離れてもらう さもなければ再び争いが起こり、天下は乱れ、民は不安に陥る…」「もういいわ、帰って…もう聞きたくない」一方、項影は天仇門(テンキュウモン)の根城だった東郊(トウコウ)客桟(キャクサン)に忍び込んだ。しかしすでに引き払ったのか、密室には誰もいない。すると壊れた鉄鎖にまだ温かい血が残っているのを発見、近くには黒衣の切れ端が落ちていた。密室で拘束されていた痕香(コンコウ)は、天仇門の撤退のどさくさに紛れて逃げ出した。しかし林の中で追っ手に囲まれてしまう。痕香はたとえ命を失おうと戻らないと拒否、ひとりで応戦したが、そこに項影が現れた。項影の助太刀で痕香は難を逃れた。項影は痕香が将軍の元に戻ると考え、今回の計略のせいで容楽が白髪になったと教える。その件で傅筹は痕香を憎んでおり、もし訪ねていけば殺されるだけだと警告した。「痕香、人生をやり直せ、私が力になる」←色々と良い人なのね@項影「…あなただけね、いつも優しくしてくれる、でもだからこそ迷惑をかけられない」痕香の傅筹への想いは消えないようだった。しかし傅筹が全てを取り戻し、自分も敵を討てたことから、争いとは距離を置くと話す。「父上と母上は私と姐姐に平凡な生活をさせたがっていた… 姐姐はもういないけど、私が望みを叶える」痕香は剣を捨て、1人で歩き出した。傅筹の裏の顔を知った孫雅璃(ソンアリ)は絶望し、陶器の破片で手首を切っていた。そこへ傅筹が現れる。「妻にあんな真似ができるなら優しさは期待できない 一生ここに監禁する気?それとも父を脅す駒に?それなら死ぬわ!」すると傅筹は破片を奪って投げ捨て、寝台の垂れ絹を破いて手首に巻いてやった。「私を恨まぬのか?復讐せずとも良いのか?」「恨んで何になるの?あなたを殺しても、あの穏やかな君子は戻らない…」傅筹は思わず失笑した。実は自分が父に捨てられた上に命を狙われ、地獄からはい上がったとも知らず、雅璃は自分の大将軍の栄光だけを見たのだろう。「お前だって私を愛したことなどなかったのだ、愛したのはお前の幻想に過ぎぬ」「いいえ!あなたはそんな人ではなかっ…」「私はずっとこうだぁぁぁっ! ←( ๑≧ꇴ≦)何この逆ギレw 私の人生は卑怯な陰謀や策略と悪意に満ちている… 英雄を目指したこともないし、期待されもしなかった!」雅璃は自分の敬慕の眼差しが、むしろ傅筹を苛立たせていたと知った。何の苦労も知らない大家の令嬢は常に人を見下しながら、その実、無知で浅はかに過ぎないという。「ふっ、容楽公主があなたを愛さない訳が分かったわ… 確かに私はあなたの過去を知らない、言わないからよ! 戦場での勇敢さと穏やかな物腰が好きだった…そう見せていたでしょう?! そのあなたを愛したのが間違いなの?私の気持ちを踏みにじるのがそんなに楽しいの?」「(ゥッ…ウルセー)お前の愛などいらぬ、欲しいのは容楽のみ」「でもその容楽の心は永遠に手に入らないわ…」すると傅筹は、自分を挑発しても死ぬことはできないと釘を刺した。「お前は一人娘だ、お前が死んだら父上がどうなると?」驚いた雅璃は父だけは助けてくれと命乞いし、こうなったのも自業自得だと認める。しかし傅筹の容楽への想いも自分と同じだと訴え、最後に忠告した。「愛ではなく、黎王に勝ちたいだけでは?もう諦めて… 執着しても私と同じ結末を迎えるわ」つづく( ๑≧ꇴ≦)雅璃の正論キターッ!
2020.08.02
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白发 Princess Silver第35話「誤算」朝堂の前で対峙する黎(レイ)王・宗斉無憂(ソウセイムユウ)と傅筹(フチュウ)。無憂は傅筹の軍功が自作自演に過ぎないと暴露し、権力を握るために兵士や民からの信頼を踏みにじったと痛烈に批判した。「罪を悔い改めぬなら、皇宮に攻め込むまでだ…逆賊のお前を成敗する」「お前と違って私は殺戮には嫌気がさしている、お前こそ兵たちを犬死させたくはなかろう? …誰か、夫人をここへ」傅筹が呼んだ夫人は漫夭(マンヨウ)ではなく、孫雅璃(ソンアリ)だった。傅筹は花嫁衣装をまとった雅璃を隣に座らせ、自分を深く愛してくれる雅璃を妻に迎えることにしたと宣言する。「雅璃だけをただ1人の妻とし、生涯、側室は娶らぬ」雅璃は素直に幸せをかみしめていたが、無憂はいぶかしんだ。「では漫夭を離縁するのか?漫夭を渡せ」すると傅筹はあっさり無憂に容楽(ヨウラク)を進呈すると告げ、配下に合図した。朝堂の前に赤い帳で囲われた大きな輿が運ばれて来た。中にはあられもない姿の容楽がいたが、苦しみもがいている。実は容楽は蝎寒散(カツカンサン)の毒を飲まされていた。この毒を飲むと全身が焼けるように痛み、心の奥の恨みが呼び覚まされ、理性が効かなくなるという。そうなると思考は恨みに占領され、善意を失うというのだ。驚いた無憂は寝台へ飛び出したが、咄嗟に傅筹が駆けつけ、思いがけず一騎打ちとなる。しかし劣勢となった傅筹が配下に合図、すると一斉に兵士が輿の中にいる容楽に剣を突きつけた。無憂は容楽を人質に取られ、身動きが取れなくなった。見守っていた陳王(チンオウ)・宗政無郁(ソウセイムイク)、冷炎(レイエン)、そして南境の兵士たちは剣に手をかけ、前進する。その時、容楽はあまりの苦しさに悲痛な叫び声をあげた。「下がれ!」無憂は漫夭を守るため引くしかない。「漫夭を娶ったのは私を倒す駒とするためか、将軍どころか男の風上にも置けぬ! 正々堂々と戦わず、女子を利用して苦しめるとは… 今日、醜態をさらしたのは私でも漫夭でもない、お前だ!恥知らずの卑怯者め!」「…まだ分からぬのか、容楽を利用してお前を脅すことなど、婚礼の前には考えもしなかった こうなったのもお前のせいだ 婚礼の場に闖入(チンニュウ)し、公衆の面前で容楽との関係を風聴したのは誰だ? 花嫁を略奪して思雲(シウン)陵に立てこもり、その後も何度も連れ去ろうとした 黎王殿下、不遜な行動を取る前に考えるべきだったな? そんなことをしたら私が容楽にどう接することになるかを…」傅筹は自分の苦悩と今日、容楽が味わう苦しみは全て無憂が生み出したことだと非難した。蝎寒散を飲んだ者は半刻しか命がもたなかった。追い詰められた無憂は兵士たちに手出ししないよう頼み、解毒薬と引き換えに自分の命を差し出すという。しかし傅筹の条件はただひとつ、黎王の投降だった。「私の前にひざまずけ」無郁は慌てて七兄に駆け寄り、従っては駄目だと説得する。その時、容楽は兵士が腰から下げていた短剣を奪い、自ら命を絶とうとした。「漫夭!」無憂の声に驚いた傅筹は振り返り、咄嗟に輿に飛び込んで容楽の手をつかむ。「…まさか容楽なのか?いや、そんなはずはない、痕香(コンコウ)、また私の邪魔をする気か? この裏切り者め…それなら私も容赦はせぬ」傅筹は短剣を奪って床に突き刺すと、妙な真似をすれば地獄を見せると脅した。傅筹が寝台から出てくると、雅璃が心配して駆けつけた。「将軍、過ちがあろうと妻だった女子です、これだけ苦しんだのですから許してあげては?」すると傅筹は憤慨して雅璃を突き飛ばし、配下に連れて行けと命じた。無憂は無郁に城門で約束した通り、何があっても皆を守るよう頼んだ。「冷炎!陳王と撤退しろ!」南境の兵士たちが一斉に引き上げると、声が出ない容楽は必死に投降しないよう目で訴える。しかし無憂は剣を捨て、ついに傅筹の前に膝をついた。…無憂、やめて!私は死んでもいい…漫夭、私のわがままを許せ「傅筹将軍に投降する」すると傅筹は無憂が屈する姿に満足し、解毒薬を投げた。無憂は薬瓶を受け取り、そのまま輿へ飛び込んだ。「漫夭!しっかりしろ、大丈夫だ、私がいる…」しかし容楽は毒のせいですでに恨みに支配され、理性を失っている。容楽は目の前にいるのが愛する無憂ではなく、自分を利用する兄や傅筹に見えた。すると発作的に床に突き刺さっていた短剣を握り、いきなり無憂の胸を刺してしまう。「ウッ…漫夭…?よく見ろ…私は無憂だ…」無憂は解毒薬を口に含んで漫夭に口移しで飲ませたが、そこで力尽きた。同じ頃、傅筹の元に急報が届いた。陳王率いる南境軍が都から撤退したが、阻止ですることができなかったという。そこへ常堅(ジョウケン)が駆けつけた。「夫人が行方不明で、陳王府や黎王府まで探しましたが見つかりません」一方、容楽は解毒薬のおかげで正気を取り戻していた。しかし目の前には血を流して倒れている無憂の姿がある。そして自分の手には短剣が…。容楽は自分が無憂を刺したと気づき、あまりの衝撃から一瞬にして黒髪が真っ白になってしまう。「もぉぉぉぉぉよぉぉぉぉぉっ!」輿から白髪になった容楽が現れた。容楽は短剣を構えて傅筹に向かって歩いて来たが、途中でばったり倒れてしまう。唖然としていた傅筹は痕香の扮装ではなく容楽本人だと確信、慌てて駆けつけ容楽を抱き起こした。すると容楽は傅筹の胸に短剣を突き立て、ようやく回復してきた声をしぼり出す。「無憂を助けて…聞こえないの?!…早くっ!無憂が死んだら…私も生きてはいけない…」そこで容楽は意識を失った。西啓(サイケイ)帝・容斉(ヨウセイ)は回廊から全てを見ていた。これも容楽を生き延びさせるためだと心を鬼にしたが、力を込めた拳が血だらけになっている。実は容斉はかつて容楽が落として割った玉を握りしめていた。容斉は人知れず皇宮を離れ、郊外へ馬車を走らせた。すると林の中で皇太后の馬車が待っている。「早くこうすれば苦しまずに済んだのよ?」皇太后は小荀子(ショウジュンシ)に薬瓶を渡すと、馬車で走り去って行った。←仮面が見えたから皇太后?容斉は馬車の中ですぐ薬を飲んだが、心が晴れることはなかった。…容楽、菓子に入れた解毒薬で1年は無事だ…だが私は(ゥッ)…そなたの生涯の無事を願っている傅筹は容楽を静謐(セイヒツ)園へ連れて帰った。侍医に診せたが非常に強い毒薬が使われたせいで、解毒したものの身体への負担が大きいという。傅筹はあいまいな診断に激怒、侍医を突き飛ばし、早く薬を用意しろと怒鳴りつけた。一向に意識が戻らない容楽、そして見事なまでに白くなってしまった髪の毛…。「どうすればいい?なぜ君なのだ?痕香に扮装させたはずなのに…こんなことになるなんて…」傅筹は枕元に顔を埋め、うわ言のように″償わねば″とつぶやいていた。朝堂ではまだ皇太子と朝臣たちが待っていた。そこへ傅筹が到着、皇太子は喜んで駆け寄ったが、傅筹は無視して淡々と重装軍に指示を出す。「皇宮の出入りを禁じ、警護の兵を1万増やせ、1万の射手で中山(チュウザン)を包囲しろ 身分の不明な者、疑わしい者は殺せ…」すると傅筹はいきなり皇太子を弾劾した。過去に陰で爵位を売買していたと証拠を提示、さらに監国を任されながら酒色に溺れて政(マツリゴト)を軽んじた結果、今日の災難を招いたという。皇太子は猛反発したが、もはや誰も皇太子に加勢する者はいなかった。しかし傅筹が皇太子を拘束し、ひざまずかせてしまう。尚書・楊惟(ヨウイ)はさすがにやり方が無茶だと止めたが、傅筹は自分が先の皇后・苻鴛(フエン)の子だと明かし、皇室典範では長子こそ皇太子だと主張した。そして苻鴛の子である証拠として母の金冊(キンサツ)と鳳印(ホウイン)を提示する。先帝も母を皇后に封じる際、母の長子を皇太子に封じると公にし、改正されていないはずだ。驚いた朝臣たちは証拠を皆で確認したが、確かに本物だった。しかし林(リン)大人(ダーレン)は苻皇后の子供なら夭逝(ヨウセイ)したと先帝から聞いたと証言する。つまりこの証拠を持っていたからと言って身分の証明にはならないというのだ。すると傅筹は林大人がかつて母に重用されながら、二品(ホン)の位を与えられても母の難儀には口を閉ざしていたと指摘する。確かに朝廷で生き残るには保身も重要だ。傅筹は林大人が自分を認めたくないのは宗政無憂と結託しているからだと疑い、拷問するよう命じた。「逆恨みするのか?!先后の死は身から出たさびだ!」「やはり二心があるらしい…連れて行け」朝臣たちは兵権を掌握する傅筹の報復を恐れ、一様に口をつぐんでしまう。傅筹は朝廷を制圧すると、天仇門(テンキュウモン)の密室へ乗り込んだ。そして不敵な笑みを浮かべる林申(リンシン)に殴りかかる。「痕香に扮装させたのに、なぜ容楽にすり替わったのだ?!お前の仕業だな?」「ふっ、愛していると言いながら本人だと気づかなかったのだろう? 宗斉無憂は一目であの女だと気づき、自らお前に投降した 偽物を使って宗斉無憂を騙せたと思うか?」傅筹は林申の指摘に言葉を失い、結局、そのままおとなしく帰って行く。すると林申は配下へ直ちに1人残らず撤退するよう命じた。傅筹は容楽のそばを片時も離れず、悲しみに暮れた。容楽が偽物か本人かも見分けられず、自ら愛する容楽に毒を飲ませ、兵士たちの前で屈辱を味わわせてしまうとは…。寝殿の前には泠月(レイゲツ)と蕭煞(ショウサツ)が控えていた。公主が助かるのかどうか不安に駆られる泠月、すると蕭煞は剣に手をかけ、復讐を果たそうとする。泠月は慌てて蕭煞を止め、将軍は公主を連れ戻してから静謐園の侍衛を全て処刑し、側近の常堅まで罰を受けたと教えた。「私たち2人に何かあったら、この先、誰が公主を守るの?」傅筹は一睡もせず容楽に付き添い、すっかりやつれた。そんなある朝、容楽はついに目を覚ます。すると容楽の傅筹を見る目はもはや憎悪に満ちていた。「無憂は…?無憂は無事なの?答えなさい」傅筹は容楽の腕に手を伸ばしたが、容楽から触るなと拒否されてしまう。「善人ぶったその顔、もう見るのも嫌… そうやって心配してみせるのも結局は利用するためでしょう?」容楽は自分を盾にして無憂を脅したと責め、傅筹に毒薬を飲まされたのは紛れもない事実だと突きつけた。傅筹は別人のはずだったと釈明したが、容楽は無憂の安否を教えるつもりがないなら消えろという。「その顔も見たくない、口も利きたくないの、あなたのせいで自分が疫病神だと感じるわ 無憂はどこ?無憂に会わせて」つづく(Ŏ艸Ŏ)表題「白髪」きました!容斉は容楽が傅筹のそばにいることで生き延びられると思ってるのね?なぜなんだろう?まさか今度は傅筹が無憂に扮装したりしてw
2020.07.30
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白发 Princess Silver第34話「3つの菓子」容楽(ヨウラク)は傅筹(フチュウ)に縁が尽きたと言い放ち、帰って行った。これも痕香(コンコウ)のせいだと激怒する傅筹、しかし痕香は愛していると告白し、一生この顔でいても構わないという。「本物を得られぬ代わりに偽物で我慢しろと?」「違うわ、愛し方が分からないの… 私を殺して気が済むならやればいい!天仇門(テンキュウモン)に殺されるよりましよ!」しかし傅筹はどうしても容楽の仮面を付けた痕香を殺すことができない。それにしても痕香の扮装は傅筹でも見抜けないほど容楽によく似ていた。あと少し整えれば黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)も騙されるに違いない。すると傅筹はいきなり痕香を手刀で突き、眠らせてしまう。「常堅(ジョウケン)、この女を密室に閉じ込めておけ…それから重装軍の将校たちを書斎に呼んでくれ」痕香は地下の密室に閉じ込められた。すると暗闇から林申(リンシン)が現れる。「予想通りだ、この仮面をつけている限り、あいつはお前を殺せぬ 今回の任務は上出来だ、我らの大計が成功した暁にはここから出してやる…」傅筹は宮中で孫雅璃(ソンアリ)と会った。急に呼び出された雅璃は、てっきり将軍府で抱きついたことを咎められるのだと思い、先に謝罪する。しかし傅筹は雅璃からもらった手作りの香り袋を取り出し、肌身離さず持っていると教えた。雅璃はついに自分の気持ちが将軍に届いたと喜び、将軍と生死を共にする覚悟だと伝える。すると傅筹は今日の夕餉を一緒にどうかと誘った。その夜、静謐(セイヒツ)園の門衛がいきなり襲撃された。すると容楽の寝殿の前に容斉(ヨウセイ)と小荀子(ショウジュンシ)が現れる。「問題はないか?」「傅筹は皇宮、常堅(ジョウケン)は追い払いました、他の者は寄りつきません」「はお」しかし寝殿に容楽の姿はなかった。↓キタ━━━━(●⁰∀⁰●)━━━━!!容楽の寝殿に入った容斉はかすかに動く影に気づき、殿内に容楽がいると分かった。「会いたくなるまで待たせてもらおう…」そこで小荀子に木箱を置いて下がるよう命じたが、急に激しく咳き込んでしまう。「陛下!2ヶ月も薬を飲まず、北臨(ホクリン)までの長旅でお疲れが…」「黙れっ!…大事ない、下がれ」容斉は容楽が暮らす寝殿を見て回りながら、ふと窓際に立った。「毎日この窓から月を眺めるのか…朕は夜空を仰ぐたびほっとする そなたと離れていても同じ月を見られるからだ…」その時、背後から忍び寄った容楽が容斉の首に短剣を突きつけた。「何の目的があって来たの?私を利用して今度は何をするつもり?」「やっと会えたな…」容斉は臆する事なく振り返り、短剣で切れた首から血が流れる。兄の無謀な行動に呆然とする容楽、すると容斉は愛しい容楽の顔に触れようと腕を伸ばした。憤慨した容楽はその手を払いのけ、咄嗟に自分の首に短剣を突きつける。「また操られるくらいならここで命を絶つわ!」「心配するな…こたびはそなたと昔話に興じたいだけだ 容楽の茶が飲みたい、皇兄のために入れてくれぬか?」「私のお茶を飲むためにわざわざ北臨まで来たの?あり得ない、持って回ったやり方はやめて」「ふっ、茶まで要求するのは過分な望みのようだな…」「卑劣な陰謀はもうたくさん!今の私は無力よ?誰のせいでこうなったか知っているはず 私はあと数ヶ月の命、悪巧みに関わりたくない…静かに最期を迎えたいの」容楽はすでに毒のことを知っていた。容斉は容楽の好物の菓子を自ら作ったと話し、持参した木箱を開けた。箱の中には3つの菓子が並んでいる。容楽は当然、警戒して食べなかったが、菓子の下にはそれぞれ紙片が置かれていた。そこには容楽への約束事が書いてあり、それを見ても食べる気が起こらなければ容斉はすぐに帰るという。しかし容楽は頑なに拒み、すぐ帰って西啓で養生したらどうかと冷たかった。容斉は仕方なく自分で菓子の下から紙片を取り出し、容楽に見せてやる。…明日、宗政無憂に会えるすると容楽の表情は一変、無憂が明日、帰って来るのかと笑顔になった。容斉は複雑な心境だったが、次の紙片を取り出す。…将軍府を速やかに離れられる容楽は喜んだが、たとえ無憂に会えても数ヶ月しか生きられず、悲しませるくらいなら会わなくていいと断った。そこで容斉は最後の紙片を容楽に差し出す。…1年は憂いなく生きられる容楽は出来過ぎた約束に違和感を感じ、自分を利用するための罠だと疑った。そこで容斉は容楽を安心させるため、半分ずつ食べようと提案する。容楽は容斉が菓子を半分に割って先に食べるのを見て納得し、菓子を食べた。「容楽、朕が今から言うことをしかと胸に刻むのだ よいか、生きることより大事なものはこの世に存在せぬ 朕はそなたの無事だけを何よりも願っている いかなる障壁でも、数年後に振り返れば笑い話だ、それに絶対的な正誤や善悪で物事は判断できぬ この菓子とて、酸味もあれば甘味や苦味もある、世の中も同じだ そなたは北臨に嫁がされ恨んだだろう、だが振り返ると、幾多の困難を経て宗斉無憂と知り合えた そなたにとって最大の幸せだ…」すると容斉はまたひどく咳き込み始めた。容楽は茶を入れて兄に差し出したが、容斉が急にその手をにぎりしめる。「容楽、よいか…最大の幸せを得たいなら、最大の困難に耐えるのだ 何があろうと人生を諦めてはならぬ、しっかり生きよ、分かったか?」しかし容楽は急に意識が遠のき、倒れてしまう。「はっ!毒入りだったのね?皇兄も食べたのに…なぜ?なぜなの?」「毒入りではない、安心して眠れ…」容楽はそのまま容斉の腕の中で深い眠りに落ちてしまう。「容楽、今宵は嬉しかった…一緒に菓子を食べ、語り合えた」↓( ๑≧ꇴ≦)ホァンショーン!またやらかした!その頃、傅筹は宮中で雅璃と夕餉を共にしていた。雅璃は自分のために将軍が青州の料理を準備してくれたと知り、感激する。すると傅筹は明日、朝廷でちょっとした見世物があるため、一緒に見ないかと誘った。雅璃はもちろん了承したが…。容斉は痕香が閉じ込められていた密室に容楽を運び入れた。「皇兄を許せ、そなたには生きて欲しいのだ…」しかし翌朝、何も知らずに傅筹が密室へやって来る。容楽は傅筹に抱き起こされたが、激しい頭痛に襲われた。すると傅筹は容楽の口を開き、強引に毒を飲ませてしまう。声が出せず、思うように身体も動かない容楽、そこに常堅が現れ、無憂が南境軍を率いて城門を攻撃していると知らせた。「宗斉無憂がついに舞い戻ったか…この者を連れて行け」無憂は城門を制圧、すると軟禁されていたはずの陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)が配下を連れて駆けつけた。2人は固く抱き合って再会を喜び、父の敵を討とうと誓う。そこで無憂は念のため、万一が起きた時には全力で兵や民の命を守るよう頼んだ。こうして無郁が急に解放されたのは、傅筹が自分の帰還を予見していたからだろう。「すべて計算通りか…」その時、一足先に城内へ潜入していた冷炎(レイエン)が蕭煞(ショウサツ)を連れて戻って来た。将軍府に容楽の姿はなく、蕭煞の話では自分が出る前までいたという。無憂は将軍府に詳しい項影(コウエイ)を呼び、漫夭(マンヨウ)の捜索を任せることにした。すると蕭煞が容楽から託された文を黎王に渡す。…無憂、私か大義か選ばねばならない時は、どうかためらわないよう…この世の別れは来世での再会…もし何もかも決着がつき、また今生で会えるなら、なぜあなたを拒んだか説明する…会えなければ、来世に期待する…漫夭よりその頃、朝堂では皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)の目配せに気づいた朝臣が早々に即位するよう上奏していた。後ろ暗い皇太子は即位の儀式を簡素に済ませようと提案したが、その時、帰還した無憂が現れる。「父上を亡くしたそばから早くも即位を?」「この逆賊め!父上を殺し討伐を中断させ、都に攻め入りながら臆面もなく私を問い詰めるのか!」すると無憂は傅筹の証言を除けば自分が父を殺した証拠などないと反発、南境の軍営にずっといたことは兵士たちが証明してくれると言った。激怒した皇太子は出征前にも無憂が朝堂で父と大喧嘩したことを持ち出し、直接、手を下さずとも憤慨させて息の根をとめたのだと訴える。「証拠はなくともつじつまは合う!」しかし無憂は確執があったとしても全て北臨の民のため、私心は一切ないと断言した。ならば皇太子は監国として西啓の挙兵に備えていたのか、辺境への増兵の検討はしていたか、大勢の流民をどう処置するつもりか、厳しく追及する。才のない皇太子は言い返せなかったが、自分こそ父に選ばれた正当な後継者だと訴えた。その時、尚書・楊惟(ヨウイ)が口を挟む。「太子殿下、即位の儀を行うにしても、欠かせぬものが2つございます 先帝の遺詔(イショウ)と玉璽(ギョクジ)です」そこで皇太子が合図すると、太監たちが遺詔と玉璽を持って来た。皇太子は玉璽を示して遺詔を読むよう命じると、無憂がじりじり詰め寄って来た。するといきなり無憂が宝剣を抜き、驚いた皇太子は慌てて身をかわす。しかし無憂が斬ったのは玉璽だった。木製の玉璽が真っ二つに割れると、偽物だと露呈した皇太子は太監に責任を押し付け、その場で折檻する。「やめろ!」無憂は朝臣たちに訴えた。「私は皇位を奪うつもりなどない、太子が優秀で父が本当に天下を託したなら、全力で補佐しよう だが今の情勢と太子の行いは見ての通りだ!」楊惟はすかさず協議の必要性を進言、黎王に取りまとめて欲しいと嘆願した。皇太子派だった朝臣たちも皇太子を見限り、尚書に追従する。その時、ついに傅筹が殿外に現れたと報告が届いた。皇太子はようやく傅筹が来たと喜び勇んだが、無憂に殿内に留まるよう命じられてしまう。傅筹が重装軍を引き連れ、ついに乾臨(ケンリン)宮へ現れた。すると同時に朝堂の前に宴席が準備され、傅筹はまるで傍観でもするように1人で酒を飲み始める。「待ちくたびれましたよ〜」無憂は呆れながら、自分の背後にいる兵たちを知っているはずだと言った。実は無憂が率いた南境の兵士たちは、傅筹のせいで妻子と離散し、行き場を失った者たちだという。傅筹は南境で氏(ウジ)族間の争いをけしかけ、それを自ら平定して軍功を立てていた。「お前は独断で己の軍隊を増強した、権力を握りたいからだろう? 兵士や民からの信頼を踏みにじり、恥ずかしくないのか? 傅将軍?良心はどこに?」つづく( ๑≧ꇴ≦)ホァンショーン!で地下の密室、出入口はどうなってるの?
2020.07.29
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白发 Princess Silver第33話「交わらぬ想い」容楽(ヨウラク)が目を覚ますと静謐(セイヒツ)園に戻っていた。寝殿には蕭可(ショウカ)や泠月(レイゲツ)の姿はなく、傅筹(フチュウ)がひとり、茶を飲んでいる。容楽が身体を起こすと、傅筹は安心したのか黙って出て行こうとした。「本当に謀反を?…ふっ、この期に及んでまだ尋ねているなんて滑稽ね あなたが本気なのかどうか私には見抜けない…」「どちらでも気にしないのだろう? 君は謀反を疑うやいなや宗政無憂(ソウセイムユウ)に伝え、陛下のいる軍営にも命がけで走った 君にとって私のすることはすべて誤りだ、私の動機など考えたことはない」しかし容楽は傅筹が符鴛(フエン)の子だと知っていた。たとえどんな確執があろうと北臨(ホクリン)帝と父子という事実は変わらないはず、己の手を家族の血で汚すというのか。傅筹は容楽の言葉に呆れた。容楽こそ裏切り者を受け入れ難いはず、ならば兄である容斉(ヨウセイ)を家族と見なせるのか。「私の父とやらは5年もかけ私を殺そうとした、家族の温もりは冷たい刃に変わった 私がどんな絶望を味わったか…知っているのか?」「無実の人を巻き込みたくない…私は皇兄を家族とみなすわ 確かに皇兄の暴挙は許せないけど、他人の命を犠牲にして復讐すれば皇兄と同じ 兵士は国を守るための障壁であるべき、個人の恨みのために血を流させて平気なの? …結局、父子や兄弟で殺し合うだけ、たとえ勝っても冷たい皇位しか得られない」「何があろうと手に入らないよりましだ、あの者たちを兄弟や父と思ったことはない! 私は天涯孤独だ、今より悪くなることが?」傅筹は冷宮に閉じ込められていた幼い日のことを思い出した。あの日は宦官に噛みついて部屋から逃げ出すことに成功したが、その途中で偶然、父と楽しそうに遊ぶ無憂の姿を見かける。そこへ雲(ウン)貴妃が現れ、幸せな家族の姿を垣間見た。しかしそこで宦官に捕まり、連れ戻されてしまう。そこでふと我に返った傅筹は早く休めと伝え、容楽の説得も虚しく出て行った。すると奥の間に人影が見える。「蕭煞(ショウサツ)?!」↓さすがに可哀想〜林申…ってあ!傅筹だった(笑宮中に北臨帝・宗政允赫(ソウセイインカク)の亡骸が帰って来た。傅筹は泣き崩れる皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)を尻目に、淡々と取り仕切る。今や内外に敵がいるため崩御は秘密とし、棺は偏殿で保管、そして少数の兵をおとりに使い、逆賊を一掃してから国葬すると決めた。無憂は南境の軍を率いて中山(チュウザン)に向かっている途中だった。すると突然、横道から足を負傷した項影(コウエイ)が現れる。項影は兵士に包囲されたが、その場でひざまずき、墨玉(ボクギョク)扇を差し出した。「容楽公主の指示でこれを届けに参りました」無憂は兵力配置図を確認すると、傅筹が中山を制圧し、禁衛軍まで取り込んだと知った。傅筹なら兵権に関することを他人任せにはしないはず、出征したのは初めから別人だったのだろう。思えば昭蕓(ショウウン)を襲った刺客が漫夭(マンヨウ)に変装していた。無憂は同じ手口で誰かが傅筹になりすましたと気づく。冷炎(レイエン)はならば狡猾な傅筹の侍従だった項影を信用してはならないと進言した。しかし無憂は漫夭が信じるなら項影を信じるという。「冷炎は精鋭を連れて父上の安全を確保しに行け!それから…」「すべて承知です、ご安心を」…漫夭、父上に会えたのか?…どうか無事でいてくれその夜、無憂たちは林で野営になった。項影はひとりで足の傷に包帯を巻いていたが、そこに無憂が現れ、水をくれる。「お前は墨玉扇を託されるほど漫夭から信頼されているのだな」「夫人は恩人です、私の命は夫人に捧げました」無憂は項影の足の怪我を見ると、傅筹が項影の裏切りを知って追っ手を放ったのかと聞く。しかし項影は容楽の使いとまでは知らないはずだと安心させた。恐らく容楽を捜索中の天仇門が偶然、自分を見つけたのだろう。そこへ先に出発させた冷炎が慌てて戻って来た。「殿下ぁぁぁぁぁーーっ!」冷炎がいきなりひざまずき、野営に緊張が走る。「殿下、尋ね回ったところ、陛下は軍営で刺客に襲われ…崩御されたと…」しかも傅筹は北臨帝の遺体を都へ運んだ後、朝堂で黎(レイ)王が皇位を奪うため軍営に潜入して殺したと非難したという。朝廷もすでに傅筹に牛耳られ、北臨帝の崩御は公表されていなかった。また陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は軟禁、このまま都へ戻れば無憂は罪人にされてしまう。冷炎は軍営の跡地でかろうじて北臨帝が残した文を見つけていた。文は確かに父の筆跡で、母に向けて想いを書き綴っている。…雲児、朕は尉(イ)国の討伐に向かう…近頃、身体の動きが鈍くなり、寝つきも悪くなった…時々すべて投げ出したくなるが、まだ若い無憂をあと数年は支えてやりたい…知っておろう、皇位に就けばいかなる者でも孤独になる…思うままにはいかなくなるのだ…行軍の途中、幼い頃の無憂を思い出している…よく馬の乗り方を教えてやった、落馬せぬかと心配で朕が自ら馬になった…当時は朕が無憂を背負った、だがもう背負えぬばかりか、朕の重荷を託さねばならぬ時が来た無憂は文を懐にそっと忍ばせ、必ず敵を討って父の無念を晴らすと誓うのだった。↓斜め上向きはいい感じ?w容楽は無憂へ文をしたためた。恐らく中山は修羅場となる。民を巻き込まぬために早く無憂に平定して欲しいと願う反面、危険から無憂を遠ざけたい気持ちに駆られる。そこへ蕭煞が蕭可の薬を届けにやって来た。「頼みがあるの、今日中に将軍府を離れ、二度と戻らないで、あなたには大事な任務がある」容楽は文を託し、城門で無憂に渡して欲しいと頼んだ。「そしてもう1つ、あなたは必ず生き延びるのよ、泠月を守り、添い遂げなさい」自分に従って来た泠月には心の休まる日がなかっただろう。将軍府も終の住処ではなく、所詮は監獄に過ぎなかった。「泠月が逃げられてよかった、永遠に戻らないで欲しい…」傅筹が静謐園にやって来た。そこで思いがけず容楽と蕭煞の話を聞いてしまう。「私の寿命は残りわずかよ」「陛下から解毒薬をもらえていれば…でも可児が3ヶ月以内に何とかします」「…最近、めまいがひどいの、この毒は強烈だわ、恐らく3ヶ月ももたないでしょうね これ以上、蕭可を困らせないで」すると突然、傅筹が乗り込んできた。「嘘だろう?私を騙し、ここを離れるために作り話を?」「真実よ…私は毒に侵され、もう長くない」「陛下と言っていたな?西啓(サイケイ)の皇帝のことだろう?西啓帝の仕業なのか?」動揺した傅筹は蕭煞の胸ぐらをつかみ、手下なら解毒薬を持っているはずだと迫る。しかし憤慨した蕭煞が剣を抜き、傅筹と手合わせになった。傅筹は蕭煞に刺されながらも剣を奪い斬りかかった。驚いた容楽は咄嗟に飛び出し、身を呈して蕭煞をかばう。「蕭煞は皇兄に脅されて従っていただけ、もはや皇兄から信頼されていないわ、見逃してあげて」すると傅筹は蕭煞に剣を返し、黙って行かせてやった。容楽は毒がすでに臓腑に達しており、薬で延命はできても根絶はできないと教えた。あきらめきれない傅筹は思わず容楽を抱きしめ、しっかり生きて自分に復讐しろという。「私に残された時間はわずかよ?手遅れだわ…」容楽は傅筹の身体を突き放し、最後の願いを聞いて欲しいと頼む。すると傅筹はどんな望みも叶えると約束した。容楽は自分のために復讐をあきらめてくれるのかと聞いたが、傅筹はその代わり条件があるという。「共に逃げよう…生涯、守るから心を捧げてくれ…よく考えて答えを出して欲しい」その夜、傅筹は寝殿の前の石段に座って酒を飲んでいた。すっかり酔いが回って来た頃、容楽がそっと傅筹の後ろに座り、背中にもたれかかる。「容楽?…応じるのか?」「何でも応じるわ」すると傅筹は酔った勢いで叶わぬ夢を語り始めた。もしやり直せるなら、容楽と出会った瞬間にどんな恨みも捨てて逃げ出し、2人で山奥に隠れ住んで平凡な夫婦になるという。2人は何年経ってもずっと離れず、四季折々の季節が何度も巡り、歳月が過ぎて自分の顔はしわだらけに、そして容楽は白髪の老女になるだろう。「私たちの物語を子供たちに話しても″ありふれた人生″と言われるだろう だがありふれた人生こそ、なんと貴重なことか…私にしてみればどんな名誉や富貴にも勝る」すると容楽は傅筹の隣に移動し、腕をからませた。「華やかな時は過ぎ、共に老いて行く…」「本当に老いぼれたら君の顔も見えなくなる…君も私の愛のささやきが聞こえない だが私は思う、この世で一番美しいのは添い遂げることだと…」傅筹は酒を置くと、容楽の前にひざまずいて両手を握りしめた。「容楽、恐れるな、今生を共に生きられずとも共に死ねる…そう決めた 残された時間は少ないが安心しろ、来世でも必ず君を見つける 来世の君は今生の恨みをすっかり忘れているはずだ、きっとやり直せる」「喜んで待つわ、巡り会えなくてもずっと待ってる…」傅筹は容楽を強く抱きしめると、そのまま夜を共にした。翌朝、傅筹は激しい頭痛で目を覚ました。しかし隣で眠る容楽の顔を見ると、二日酔いも気にならぬほどの幸福感に満たされる。その時、表から常堅(ジョウケン)の声が聞こえた。「将軍?夫人が…」「夫人の報告なら不要だ」「では夫人を…」「分かった、下がれ…」傅筹は容楽の肩をつかんだ。…容楽、本当に応じるとは…やはり私を想っていてくれたのだな ←( ゚д゚)え?すると目を覚ました容楽がそっと傅筹の手に自分の手を重ねる。「阿筹(アチュウ)…」その呼び名を聞いた傅筹は痕香(コンコウ)に騙されたと気づき、慌てて着替え始めた。そこへ本物の容楽が入ってくる。「将軍、決めました、私…はっ!…ごめんなさい」痕香は咄嗟に顔を背けたため、容楽は傅筹の相手が自分の偽物だと気づかなかった。容楽は慌てて出ていったが、傅筹が中庭で引き止めた。そこで傅筹は昨夜は酒に酔っていたと釈明したが、容楽は謝る必要ないという。「私が悪いの、妻の務めを果たさず」「違う…」「正直に言うわ、私の命や余生はあなたに捧げてもいい、でも心は無憂だけのもの、これが答えよ」確かに容楽の答えは一貫して変わらなかった。それなのに容楽が自分を気にかけて来てくれたと勘違いするとは…。傅筹は早とちりだったと気づき、我ながら愚か者だと笑い始めた。「早々に分かっていた、君は気にしないと… 宗政無憂を傷つけぬ限り、私が何をしようと関係ないのだ」 かつて容楽が一度だけ自分を″夫君″と呼んだことがあった。あれは無憂が将軍府に乱入した時、容楽はわずかな余命を悟られまいと、夫という建前で自分を庇って駆け落ちを拒んだ。その目的は無憂の心に少しの傷もつけたくないからだ。すると容楽はこれが運命であり、自分たちは夫婦になれても愛し合えないという。「たとえ無憂がいなくても結果は同じはずよ」「…なら運命を賭けて戦うまでだ!どちらにせよ君と共に死ねるのは私だ」「私たちは縁が尽きたようね」容楽はそう言って去って行った。その様子を見ていた痕香は…つづく_| ̄|○ ←傅筹w
2020.07.28
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白发 Princess Silver第32話「暗殺者の正体」北臨(ホクリン)帝・宗政允赫(ソウセイインカク)に正体を見破れた林申(リンシン)は止むを得ず計画を変更、毒を飲ませて虎府を強奪した。しかし辺境へ行った范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)率いる先鋒隊が予定を変更し、軍営に戻って来てしまう。すると早々に刺客騒ぎが起こり、范陽王は皇帝の幕舎で痛ましい姿の皇兄を発見した。知らせを受けた傅筹(フチュウ)がしらじらしく侍医を連れて現れた。身体の自由を奪われ、声も失った北臨帝は必死に傅筹を指差すが、玄明は気づいてくれない。すると侍医が早速、脈診し、北臨帝の頭に鍼を打った。その途端、北臨帝は激しく喀血、気を失ってしまう。傅筹は侍医を断罪し、斬り捨てろと命じた。怒りのあまり范陽王は絶叫、幕舎を飛び出して刺客は誰だと声を荒げる。兵士は皇帝が″無憂(ムユウ)″と呼んだと偽証したが、当然、范陽王は信じなかった。そこへ将校が命からがら逃げて来る。「賊は手だれで歯が立ちませんでした…ゼエゼエ しかし賊と激しく戦う中で覆面を剥ぎ取り、顔を見ました…黎(レイ)王です 陛下に南境へ追放され、皇位継承の望みを絶たれた逆恨みでしょう」驚いた范陽王はデタラメだと否定した。無憂は皇帝の信頼も厚く親孝行であり、暗殺など考えるはずがない。そもそも歯が立たなかったはずなのに、なぜ覆面は剥がせたのか。しかも同行の兵が全滅しながら、どうして1人だけ無傷で戻れたのか。「言え!誰に命じられて黎王を誣告(フコク)した?!」傅筹は范陽王を抱き込むことを諦め、范陽王が黎王と結託して北臨帝の暗殺を企んだと道連れにした。「警護の厳しい軍営内で問題が起きたことはない ではなぜ范陽王が戻った途端に暗殺騒動が起きたのだろう?」呆れた范陽王は傅筹こそ自分たちに罪をなすりつけ謀反を起こした張本人だと弾劾、捕らえるよう命じる。↓サンドの人ではありませんwしかしその時、傅筹が虎府を出した。李(リ)将軍と魏(ギ)将軍は驚愕し、北臨帝は自分たちの報告を聞く時、傅筹を退出させたと証言、そんな疑わしい傅筹に北臨帝が虎府を渡すはずがない。すると傅筹は李将軍と魏将軍も黎王の徒党だと断定し、虎府のもと反逆者を殺害せよと命じた。こうして傅筹の配下と范陽王の配下の戦いが勃発、范陽王は仲間同士の対立に憤りながら、ふとおかしいことに気づく。「傅筹ではないな?兵と共に戦って来た傅筹なら、謀反を起こせど兵を無駄死にさせぬ!」偽物だと知られた林申は兵士たちの士気を上げるため、懸賞金を提示した。「この3人は逆賊と結託し、暗殺を企んだ極悪人だ 首をひとつ取れば白銀100両を与える、2つ取れば一気に3階級、昇進させよう 首を3つ取れば一等将軍の地位を与えるぞ!」劣勢を強いられた李将軍と魏将軍は范陽王だけでも逃がそうと考え、咄嗟に范陽王を馬へ放り投げた。范陽王は後ろ髪を引かれる思いで馬を駆けたが、林申が放った矢が背中に命中してしまう。将軍府の傅筹は常堅(ジョウケン)から反乱が起こったと報告を受けた。兵の損失はまだ不明だが、実は北臨帝が崩御したという。「門主によれば夫人が軍営に現れたそうです 将軍が都にいることを明かしてしまったため、仕方なく手を下したと…」←容楽のせいか?!傅筹は予想外の展開に激昂し、容楽を軍営から南境までくまなく探せと命じた。「決して宗政無憂と会わせてはならぬ、直ちに手配しろ!…傷つけるなよ」その夜、禁衛軍の大統領・向誠(コウセイ)は陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)と別れた後、天仇門から襲撃されて密室に拘束された。そこには出征したはずの傅筹がいたが、出征したのが偽物だと知る。実は16年前、まだ幼い傅筹を兵を率いて5年間も追い続けたのが向誠だった。傅筹は5年もの間まともに食事もできず、熟睡することもままならなかったという。しかし向誠が死んだ確証を得るまで決して諦めないと気づき、川に落ちて死んだと見せかけたのだ。向誠は真実を知り、皇帝の厳命だったとは言え、自分にとって子供の暗殺は恥ずべき過去だったと吐露する。「あの時、任務を果たせなかったのは私自身の失策、こうなっては何も言うことはない 煮るなり焼くなり、お前の好きにするがいい…」傅筹は潔い向誠に免じ、配下にひと思いに済ませてやれと情けをかけた。一方、都では傅筹を頼みの綱とした皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)が放蕩(ホウトウ)の日々を送っていた。皇后はそんな皇太子に眉をひそめていたが、皇太子妃に諭されても皇太子は眼中に置かない。しかし傅筹から一向に何の報告もなく、さすがに皇太子は苛立っていた。そんな時、出征したはずの傅筹がひょっこり東宮に現れる。するとこれまで礼儀正しかった傅筹が当たり前のように上座に腰掛けた。「追放されたことを憤慨した宗政無憂が陛下を暗殺しました、陛下の亡骸は都に向かっています」「まさか!父上は本当に亡くなられたと?…父上を殺すとは言ってなかった」「こうなると分かっていたはず、まさか陛下がご存命のまま皇位を継げるとでも? …朝廷へはじきに軍から報告が入ります、決して他国には漏らさぬよう」「はお!」「禁衛軍の向統領はもう始末しました、新しい大統領には趙易昇(チョウイショウ)を… 思うように動かせます、陳王は黙らせますのでご心配なく」「ならぬ、大統領にはもっと良い人材が…」「・・・・・」↓( ๑≧ꇴ≦)傅筹の間www「…趙易昇で決定です、殿下は指示通りに」傅筹はそこで帰ることにしたが、皇太子はぞんざいな扱いに激怒した。「待たぬか、傅筹!何様のつもりだ!誰が主かを忘れたか?私が主だ! 自分の屋敷のように東宮に出入りして、計画の全貌も明かさぬ! しかも私に指図するとは…無礼者!誰か!この者を捕らえよ!」すると天仇門は傅筹に拝礼した。若門主!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ「天仇門の若門主だと?!」皇太子はようやく自分が騙されていたと知り、傅筹が取り入ったのは最初から自分を利用するためだと気づいた。しかしすでに謀反を起こした以上、後戻りすることもできず、傅筹に従うしか活路はない。「私がいなければあなたは終わりだ、ご熟慮を…」傅筹は配下を従え引き上げて行った。呆然とその場にへたり込む皇太子、そこへ愛しい痕香(コンコウ)が現れる。しかし痕香の態度は一変、皇太子に短刀を突きつけた。実は痕香も天仇門の配下で、傅筹の命で東宮へ潜り込んだという。「香児~夫婦の仲ではないか~」皇太子は夫婦の情に訴えかけたが、痕香は天仇門の″旖思(イシ)″という名の薬を使っていたと暴露した。つまり皇太子が言う″夫婦の仲″とは、この薬を飲んで見た官能的な幻覚に過ぎないという。「ご存知かしら?殿下に触れられるたび、この指を全て切り落としたいと思っていたこと… 好色で才も徳もないお前が、若門主の力なしに宗政無憂と皇位を争えるとでも?」痕香は反逆罪に問われたくなければ自分たちに協力するよう迫り、宮中には自分たちの仲間が至る所にいると釘を刺して出て行ってしまう。もはや皇太子になす術なく、ただ自分の愚かさを嘆いて涙に暮れた。傅筹が将軍府に戻ると、常堅が慌てて駆けつけた。「将軍!夫人は青潼(セイトウ)関外におられます!」「馬を引け!」その頃、容楽は天仇門の追っ手から必死に逃げていた。追いつかれそうになった容楽は仕方なく途中で馬を飛び降り、追っ手たちに馬を追わせたところで、走って逃げる。しかしついに傅筹が現れた。「…傅筹じゃないわね、印象が全く違う、なぜ傅筹に扮して陛下を暗殺したの?!」「私が暗殺したと知っているのは陣内にいたからだ…そうだとすれば見逃すわけにはいかん」林申は自ら傅筹の仮面を剥ぎ取り、正体を現した。↓( ゚д゚)あれ?小ちゃくなっちゃった〜みたいなw驚いた容楽は短剣で襲い掛かったが、林申に手刀で首を突かれ、あっけなく倒れてしまう。そこへ本物の傅筹がやって来た。傅筹は口うるさい上、やることも分をわきまえないと林申をけん制した。軍を統制しろと命じたのに人を殺した罪は見逃せない。「ふっ、若門主が宗政允赫の死をお怒りとは…奴を実の父親だと思っているのだな? だが奴はお前の存在を認めなかった、お前を殺すのは国のためだと思っていたのだ」「皇帝にはまだ使い道があると言ったはずだ、なのにお前は命に背いた」「私もまだ殺す気はなかった、だが容楽が現れて計画を邪魔されたから仕方なく… 予定より早くお前の母君に詫びに行かせただけだ」「言い訳するな!私が気づかぬと?…初めから殺す気だったのだ だが奴の生死を決定し、手を下すべきは私であり、いつ母に謝罪させるかも私が決めることだ 天仇門を創ったのはお前だが、軍は私の手にある、警告しておく 今度、私に逆らえば…容赦はせぬぞ」すると傅筹は容楽を抱きかかえて帰って行った。 無郁は約束通り兵糧の問題について戸部と検討した上、奏状を出した。しかし皇太子は上の空、奏状を読んでおらず、改めて協議すると言って一方的に解散してしまう。そこへついに軍営から急報が届いた。「黎王が父上の暗殺を企て、父上が崩御されたと…」無郁は絶対にあり得ないと反発、皇太子が傅筹と結託し、父の出征の機を狙って七兄を陥れ、邪魔者を消すつもりだと暴言を吐いた。これに激怒した皇太子は南境に追われた七弟が逆恨みしたと発言、無郁と小競り合いとなる。尚書・楊惟(ヨウイ)は慌てて2人間に割って入ると、ともかく軍営に人を遣って調査してはどうかと提案した。慌てた皇太子は討伐を中止にできないと反対、すると無郁は皇太子をにらみつけ、出て行ってしまう。無郁はその足で向統領を探しに向かった。しかし門衛は今日は見ていないという。そこで急ぎ向府へ駆けつけたが、昨夜から戻っておらず、捜索中だと分かった。蕭可(ショウカ)と泠月(レイゲツ)は黎王府でかくまわれていた。すると無郁が帰って来たかと思うと、配下に直ちに軍営に行くと告げる。そこへ西啓(サイケイ)から戻った蕭煞(ショウサツ)が現れた。すでに城門で武装兵が検問しているため、軍営には行けないという。その時、禁衛軍の趙易昇が隊を率いて駆けつけた。陳王たちは皇帝暗殺の件が解決するまで、ここに留まれという。実は昨夜、向誠が何者かに殺されていた。たまたまその夜、向統領と一緒だった無郁を目撃した者がいるため、皇太子は陳王をかくまってかばうつもりだと口実をつける。無郁は驚愕した。「向統領の死もお前たちの仕業か! 七哥を布告したあとは、私を陥れる気だな?ここにはおられぬ…」無郁が不意をついて趙易昇の佩剣を抜き取ると、それを合図に陳王の配下と禁衛軍も一斉に剣を抜いて対峙した。驚いた蕭煞は陳王に熟慮するよう訴え、ひとまず剣を下ろさせる。「事情はすぐ黎王の耳に入り、都に向かわれるでしょう 今ひとりで無茶をするより、黎王のお戻りを待って共に手を打つべきです」無郁は仕方なく引き下がった。すると蕭煞は泠月に西啓まで行っても公主の薬が手に入らなかったと報告する。公主失踪の噂を聞いたが、どうやら将軍府に連れ戻されたらしい。容楽の体調が心配なため、蕭煞はともかく様子を見に行くことにした。無郁は漫夭(マンヨウ)が病だと知って驚き、心配するので今日の件は言わないよう頼む。「そうですね…では」つづく( ๑≧ꇴ≦)ちょっと無理くり過ぎるwww傅筹と林申、百歩譲って仮面は良いとしても、身体が違い過ぎるwww
2020.07.27
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白发 Princess Silver第31話「大逆」蕭可(ショウカ)は容楽(ヨウラク)に必要な薬材を探しに行くという口実で将軍府から出た。しかし見張りの兵たちがぞろぞろ付いて来て離れない。その情報は黎(レイ)王府にいる陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)のもとにも届いた。「殿下!将軍府で動きが!蕭姑娘(グーニャン)が多数の兵を連れ外出を…」大街に出た蕭可は兵士に手を焼いていたが、物陰で自分たちの様子を探っている陳王に気づいた。そこで聞こえよがしに″これから西郊の竹林へ行く″と兵士に伝える。すると蕭可たちが竹林に来たところで、陳王が隙をついて蕭可を木の上に引っ張り上げて助けた。兵士たちは蕭可に逃げられらと思い、慌てて後を追った。無郁は蕭可と一緒に木から降りると、漫夭(マンヨウ)が将軍府で軟禁されていると知る。そこで無憂は傅筹(フチュウ)が留守なのを良いことに、兵を集めて助けに行くことにした。「はお!じゃあ~私は戻るわね」「あ~将軍府は危険だ、戻る必要などない」無郁は蕭可を黎王府でかくまうことにした。蕭可の帰りを待っていた容楽だったが、いよいよ日が暮れて来た。もしかすると気づかれたのかもしれない。そこで容楽はひとまず泠月(レイゲツ)を残し、1人で脱出することにした。容楽は黒衣に着替え、見回りの兵士たちを避けながら静謐(セイヒツ)園を出た。その時、偶然、なぜか誰もいない離れに食事を運ぶ侍女を見かける。容楽は気になって後をつけると、侍女が門に置いた食事を痕香(コンコウ)が受け取って殿内に消えた。驚いた容楽は窓の隙間から中をのぞいてみると、驚いたことに傅筹がいる。…出征したはずよ?なぜここに?容楽は傅筹と痕香の話から、皇太子に謀反を起こさせるつもりだと気付いた。すると急に傅筹が咳き込む。「傷が痛むの?」痕香は心配して傅筹の肩の傷をさすった。「もう慣れた、大事ない、もうすぐ同じ拷問の痛みを宗政無憂(ソウセイムユウ)にも味わわせてやる この20数年、7千幾多の夜、ずっと待ちわびていた…」←その割に数字がアバウトwその時、驚いた容楽はうっかり足元にあった鉢を落としてしまう。(Ŏ艸Ŏ).oO(ヒイイイーッ!サッ!⊃■″ ガシッ!咄嗟に鉢を受け止め、容楽を助けてくれたのは項影(コウエイ)だった。↓思いがけずお揃〜無郁は兵を率いて将軍府に駆けつけた。そこで陳王府に侵入した賊の行方を追って来たところ将軍府にたどり着いたと嘘をつき、強引に捜索を始める。しかし静謐園にいたのは泠月ひとり、漫夭は助けを待てずに一足先に逃げ出したという。一方、将軍府を脱出した容楽と項影は攏月(ロウゲツ)楼を隠れ家にした。 ←隠れ家になってないw容楽は泠月を助けに戻ると言ったが、項影は容楽の失踪がすぐ発覚するはず、再度の侵入は困難だと止める。どちらにしても夫人の侍女に危害を加えることはないだろう。「そうね、ありがとう」「とんでもない、今後は夫人に従うと心に誓いました」Σ( ̄。 ̄ノ)ノ えっ?!唐突項影は清涼(セイリョウ)湖の件で罰を受け、薪(マキ)部屋に捨て置かれていた。薪部屋に錠が掛けられているのを不審に思った容楽は鍵をこじ開け入ってみると、傷だらけの項影を発見する。それから毎日、容楽は項影を介抱し、やがて項影は回復した。「あなたは命令に従っただけ、なぜ傅筹はこんな残酷な罰を?」「夫人を守れと厳命されていたのに、力が及ばず、しくじってしまいました…」すると項影は命の恩人である容楽に報いるため、この身を捧げる覚悟だと誓った。容楽は傅筹の身の上を聞いてみたが、項影はかつての主である傅筹の過去の秘密については何も話せないと断った。その忠義に感心した容楽は追求せず、別の任務を頼む。それは傅筹の部屋で見つけた兵力配置図の写しと墨玉(ボクギョク)扇を無憂に渡してもらうことだった。「謀反が起きれば無実の人が巻き込まれる、この図を早馬で黎王の所へ!私は陛下を追いかける」一方、傅筹は容楽が脱出したと知り、東郊(トウコウ)客桟(キャクサン)の密室で天仇門(テンキュウモン)の配下を集めた。「容楽は必ず南境へ行く、何としても連れ戻せ、失敗すれば首を洗って待て…」皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)は監国を任されていた。しかし父が出征してからというもの、毎晩、東宮で酒盛りしている。その日も朝議に遅刻し、徹夜で奏状を片付けていたとあからさまな嘘をついた。呆れる朝臣たちだったが、そんな中、楊惟(ヨウイ)が皇帝からの兵糧の催促について上奏する。実は夏に災害があったため、植え付けの種を除けば兵糧に回せるほど残らなかった。やみくもに穀物を供出すれば、今度は困窮した民が反乱を起こすことになる。しかし皇太子は父と兵士を飢えさせるわけにはいかず、反乱など鎮圧すれば済むことだと一蹴した。無郁は唖然となり、国の基盤である民の食糧を奪った上、殺すのかと非難する。「暴君のすることだぞ!」「では穀物を集めよ!」皇太子は陳王に10日以内に兵糧を準備するよう命じ、できなければ軍法に従い処罰すると言った。一方、軍営の北臨帝は食後、急なめまいを起こしていた。しかし侍医を呼べばあらぬ憶測を呼んで士気が乱れると懸念し、大したことはないと安心させる。その時、ちょうど容楽が軍営に到着した。「私は衛国(エイコク)大将軍夫人、陛下に火急の知らせがあるの 手遅れになればあなたたちの責任よ!」北臨帝が李(リ)将軍と魏(ギ)将軍から軍情の報告を聞いている所へ門衛が駆けつけた。何でも衛国大将軍夫人と称する女が謁見を願っているとか。驚いた北臨帝は陳(チン)太監に本人なら連れて来るよう命じ、ただし傅筹には秘密だと釘を刺した。北臨帝が将軍たちを下げて1人で待っていると、本当に容楽が現れた。そこで北臨帝は陳太監に表で見張りを命じ、容楽の話を聞くことにする。しかし運悪く李将軍と魏将軍が容楽の話をしながら歩いている姿を傅筹が見ていた。容楽は何者かが皇太子と結託し、不意打ちの企みがあると報告した。しかし出征前に備えておいた北臨帝は到底、信じられない。傅筹は戦に同行し、重装軍には都を守らせることで引き離していた。もし重装軍が軽挙に出れば無郁が都に残った禁衛軍を動かすことになっている。追放と見せかけて南境へ向かわせた無憂も南境軍を連れて戻る手はずになっていた。「傅将軍が同行?でもここへ来る前に将軍府で見ました!」「傅筹が将軍府に?…先ほど会ったばかりだぞ?」その時、表で陳太監の声が聞こえた。「傅将軍!陛下は誰にも接見しません、ご用でしたら明日お越しに…」傅筹は陳太監が止めるのも聞かず、強引に幕舎の中へ入った。しかし中にいたのは北臨帝だけ、そこで傅筹は欽天監(キンテンカン)によると明日から大雨のため、今夜中に低地を離れるべきだと進言する。「虎府(コフ)をください、軍を動かします」このまま傅筹に兵権を渡すことなどできず、北臨帝は鎌をかけることにした。「そなたが南境から凱旋したあと、2人で御花園を散策したであろう? 朕は言った、″そなたは朕の若い頃にそっくりだ″と…」「覚えています…陛下から頂いた賛辞は心に刻み、永遠に忘れません」「噓をつけ!御花園になど行っておらぬ!お前は何者だ!」すると傅筹は北臨帝の首をつかんで寝台に押し倒し、配下を呼んだ。「探せ!」↓傅筹の中の人、上手いわ~容楽は寝台の裏で身体を丸め、息を潜めていた。そうとは知らず、傅筹は容楽が北臨帝に自分が偽物だと吹き込んだと気づき、計画を変更せざるを得ない。「確かに御花園には行っていない、だがこう言ったのは覚えている 私があんたの若い頃にそっくりだとな、記憶にないのか?」その時、兵士が何も見つからないと報告した。そこで北臨帝は容楽ならもう帰ったと嘘をつく。激昂した傅筹は北臨帝を香炉まで投げ飛ばすと、そこへ配下が気絶した陳太監を運び込んだ。実はすでに軍営の将校たちは傅筹の手中にあり、軍営の出入り口もすべて封鎖したという。すると兵士が将軍府から急報だと傅筹に耳打ちした。やはり容楽は将軍府から逃げたらしい。「…命令を伝えろ、手分けして容楽を探せ、必ず生け捕りに」兵士たちが出払ったところで、容楽は寝台の隙間からこっそり様子をうかがった。すると北臨帝は急に身体に力が入らなくなり、薬を盛られたと気づく。傅筹は汁物に混ぜておいたと教え、心配せずとも身体が麻痺するだけで、大事には至らないと言った。「お前は何者だ?…本物の傅筹だとしても、なぜ西啓(サイケイ)と手を組み、朕を陥れたのだ?」「良い質問だ、覚えているか?昔、子供を殺そうとしただろう?」「符鴛(フエン)の子か?!あり得ぬ!あの子は死んだ、矢が当たり川に落ちたと報告が…」「死んだと思わせずして生き延びることができるか?めいよー」「…そなたは息子ではない!冷宮で数年、養ったことで義理は尽くした、恨むなら符鴛を恨め!」「あんたが先に符鴛を裏切ったのだろう?」「ふっ、やはり傅筹ではないな…息子なら母親を名前では呼ばぬ…一体、何者だ?」しかし北臨帝は思い当たる節があった。「…符鴛に仕えていた太監の林申(リンシン)か!」「あはは~陛下、よく覚えていたな?だったら知っているはずだ あんたが私や符鴛にどんなことをしたか!」正体を知られた林申は秘密が漏れるのを恐れ、口封じに北臨帝に毒を飲ませた。北臨帝は次第に声が出なくなり、身体も痺れて自由がきかず、結局、林申に虎符を奪われてしまう。林申は表で見張りを任せて幕舎を出た。容楽は急いで北臨帝の元に駆けつけると、ようやく陳太監も意識が戻る。←ベッド軽っw「陛下!逃げましょう!」「無…憂……」「無憂に伝えるのですね?」「思…雲……」「思雲陵?はお」すると北臨帝は息が続かなくなり、仕方なく容楽の手のひらを指でなぞった。「玉……」容楽はともかく逃げようと急かしたが、陳太監は皇帝の言伝を持って先に逃げるよう促した。すでに軍営は乗っ取られ、急がねば捕まってしまう。「陛下を連れて逃げるのは無理です…陛下の思いに応えてあげてください!」容楽は覚悟を決め、皇帝に叩頭して別れの挨拶とした。陳太監は容楽を逃がすため、自らおとりになって兵士に殺された。その間に兵士に扮装した容楽は幕舎を飛び出したが、途中で将校に呼び止められてしまう。しかしそこへ先鋒だった范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)が戻って来たと急報が届き、容楽は難を逃れた。辺境から戻って来た范陽王の前に将校が現れた。范陽王は門衛に止められたと憤慨したが、将校は決して范陽王を阻む意図ではないと釈明する。「実は傅将軍の夫人・容楽公主が出陣の阻止を図ったのです 憤慨した陛下が処罰しようとしたら逃げられてしまい、現在、行方を捜索中です」その時、刺客だと叫ぶ声が軍営に響き渡った。軍営に黒衣の刺客が現れた。范陽王は逃すなと命じて皇兄の幕舎に駆け込んだが、そこには痛ましい姿の北臨帝が…。「皇兄!何があったのです?!刺客は誰です?!」しかし北臨帝は話すことができない。そこへ傅筹が現れた。「どうしました?これは一体?誰の仕業で?」つづく(  ̄꒳ ̄)林申、宦官でした〜って…かつてこれほど勇猛な太監がいただろうかw
2020.07.26
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白发 Princess Silver第30話「討伐前夜」漫夭(マンヨウ)の突然の心変わりで傷心の黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)。しかし南境では不穏な動きが見られ、尉(イ)国の討伐も目前に迫っていた。皇帝から呼び出された無憂は出がけに冷炎(レイエン)へ無相子(ムソウシ)への伝達を頼み、慌ただしく出かけて行く。陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は七兄が将領たちの調査を命じたと知り、傅筹(フチュウ)への対抗策だと分かった。無憂も朝議に復帰、そこで北臨(ホクリン)の皇帝・宗政允赫(ソウセイインカク)は自ら出征すると決め、大将をひとり同行したいと言った。無郁は迷わず兵法に通じる七兄を推薦したが、焦った皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)は黎王には実践経験が少ないと反対する。しかし味方のはずの傅筹まで陳王に賛同し、討伐の将軍には黎王が最適だと進言した。北臨帝は2人の推薦で黎王を同行すると決めたが、その時、突然、無憂が反発する。「お断りします! 今は国内の安定こそが急務、天災で国庫の蓄えも減り、餓死者も出て問題は山積しています 国内の強化を優先して民を守るべき時に戦を起こすべきではありません!」無憂は従軍どころか出征自体を批判し、皇帝を怒らせてしまう。「誰か!黎王は出征の命に背き、出まかせで人心を乱した!追い出せ!」「民の苦労を顧みることなく派手な功績で天下を欺くのですか? 秦(シン)師父の言う通り、あなたは名君にはなれない!」「無礼者!朕を暗君だと申すか!秦永(シンエイ)に傾倒し、朕の言葉には耳を貸さぬ! この親不孝者め!放り出せ!」激怒した北臨帝は黎王を南境へ追放、二度と戻ってくるなと怒号を響かせた。すると范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)は黎王がだめなら衛国大将軍が適任だと進言する。こうして傅筹は従軍を命じられ、皇太子は監国として留守を守り、陳王は皇太子の補佐となった。東郊(トウコウ)客桟(キャクサン)の密室。天仇門(テンキュウモン)の門主・林申(リンシン)は傅筹が尉国討伐に従軍すると知り、計画の実行を繰り上げようと提案した。しかし傅筹は難色を示し、自分の命に従えという。林申は痕香(コンコウ)から容楽(ヨウラク)のために計画を変えるつもりだと聞いたと牽制、変更は許されないと釘を刺した。驚いた痕香は焦って傅筹を見たが、傅筹は明らかに自分を疑っている。すると傅筹は席を立ち、ゆっくり林申の前にやって来た。「母上に忠実な林叔には私も敬意を払っている、私の命を救い、鍛え上げてくれた人だからな 拷問の苦痛で母の恨みを胸に刻み込ませてくれた…その恩は忘れないが、忠告しておく 復讐は一貫して私の考えで成功に導く、お前はただの補佐だ」「…わたしを恨んでいるのだな 意見するつもりはないが忘れないでほしい、主が土の中でどれほど待っているかを」「心配するな、母を傷つけた者には必ず手痛い報いを与える」「はお、ならいい、それでこそ若門主だ…」そこで林申は宗政無憂を消すため、唯一の弱点である容楽(ヨウラク)を利用するよう提言した。傅筹は容楽を利用せずとも宗政無憂を片付けられると自信を見せたが、林申は失笑する。「そうか?ふっ、現状はお前が優勢だが、奴の実力はこんなものじゃない 表面だけを見ていると、これまでの苦労が水の泡になるぞ? 息子と認められず暗闇で生きて来たお前が、正々堂々と奴と対決する気か? そうすれば容楽がお前を愛するとでも?…甘過ぎるぞ 奴が生きている限り、お前に望みはない…行け、母が味わって来た苦痛を味わうのだ 自分の立場と共にその痛みを刻み込め、そして目を覚ますがいい…誰か!」林申は傅筹に拷問を命じた。林申は傅筹が容楽を救うため、同志である痕香を傷つけてまで計画を変えようとしたと知っていた。「報告していないのになぜ?」痕香は驚いたが、いきなり林申に引っ叩かれてしまう。「忘れるな、お前を地獄から救い出して武芸を仕込み、優れた刺客に育てたのは私だ 若門主への好意ゆえに庇いだてしたことは許そう だがお前の好意が復讐の妨げになるなら、ただではおかぬぞ?」そこで林申は痕香に任務を与えることにした。「容楽に扮するのだ」「それだけはできません!」しかし従わないなら拷問だと脅され、痕香が拒むなら他の者がやるだけだと言われてしまう。范陽王は都に急に流民が増えたことを訝しみ、何か裏があると懸念した。そこで皇兄に出征を延期するよう進言したが、北臨帝はすでに手を打ってあるという。傅筹の直属の重装軍は都に残すことになっていた。もし重装軍に動きがあれば無郁の指示に従うよう、都の禁衛軍に密旨を置いて行くという。また重装軍の将校らは無憂が監視しているため、問題は起きないはずだ。「しかし流民の件は確かに妙だな…無憂に処理させよう」一方、無郁は父の怒りを買った七兄を励ましていた。しかし実は父と七兄の計画だと知る。傅筹は将軍として兵を抱き込んでおり、皇太子と結託、その上、水面下では西啓(サイケイ)帝とも通じていた。もし皇帝と無憂が出征すれば、都は皇太子と傅筹の意のままとなってしまう。朝議での皇帝と無憂の喧嘩は打ち合わせ済みの芝居だったが、無憂は傅筹を完全に騙せたとは思っていなかった。「お前を都に残したのは太子の監視のためだ」そこで無憂は無郁に配給を利用して流民を都から引き離すよう命じた。疑わしい者がいたら捕らえ、拷問はせずに詮議しろという。「あ、そうだ、七哥!他に指示は?例えば~漫夭のことは?」「困らせるなよ…何かあれば、すぐ知らせろ」蕭可(ショウカ)は容楽に体力を補える薬を差し入れた。そこへ蕭煞(ショウサツ)がやって来る。「公主、実のところ西啓帝は…」「聞きたくないわ」そこで蕭煞はやはり西啓から薬を手に入れて調べるべきだと進言した。毒の処方が分かれば解毒の手段も探れるという。「公主、先ほど将軍の書斎に禁衛軍の兵が大勢、入って行きました 将校もいて何か企てています」容楽は討伐を前に皇帝直属の禁衛軍がなぜ将軍府にいるのか不審に思い、早速、探ることにした。「蕭煞、あなたは皇兄に薬を届けさせて、命が危ういと伝えるのよ」翌日、容楽は傅筹の留守を狙い、書斎を調べることにした。そこで蕭可が書斎の前に立ちはだかる兵に昏迷粉をかけて眠らせる。忍び込んだ容楽はふと机に仕掛けがあることに気づき、その中から中山(チュウザン)城の兵力配置図を見つけた。しかしその時、運悪く傅筹が帰ってくる。蕭可は容楽に声をかけて急かしたが、泠月(レイゲツ)が咄嗟に傅筹を呼び止めてくれた。「将軍!公主がお倒れに…」傅筹が静謐(セイヒツ)園の寝殿に駆けつけると、蕭可が容楽の容体を見ていた。そこで蕭可は早く薬を飲ませないと心脈が傷ついて寝たきりになると脅かす。「深山に育つ薬草で、私でないと探せません」蕭可は何とかして外に出ようと口実をつけたが、警戒心が強い傅筹にかえって怪しまれた。「都の名医に調達させよう、それで駄目なら宮中の侍医もいる 出かけるのは許さん、看病しろ」すると傅筹は枕元に座って容楽の手を握りしめ、容楽を説得するかのように言った。「妙な考えを起こしても所詮は悪あがきだ、将軍府の門を出ようと私の配下は至る所にいる 将軍府こそが一番、安全な場所だ」容楽は傅筹が出て行くと飛び起き、記憶をたどって兵力配置図を写した。皇太子は傅筹が朝議で無憂を推挙したことに怒り心頭だった。すると傅筹が東宮に現れ、朝堂で皇帝と黎王が反目したのは2人の芝居だと教えてやる。実は皇帝は自分と皇太子の結託を知っていた。あの芝居で自分を従軍させる状況にしたのは、自分たちを引き離し、それぞれ討ち取るためだろう。重装軍を都に残して自分を出征させ、追放されたはずの黎王は南境で軍を配備し、動乱に備えるのだ。陳王に皇太子の補佐を任せたが、有り体に言えば皇太子の監視だという。「太子殿下が動きを見せれば謀反と見なされ、黎王が軍を率いて都に攻め入るでしょう」たとえ何もせずとも恐らく重装軍には皇帝の兵が紛れ込んでおり、東宮の名で事を起こすつもりだ。そこで傅筹は皇太子に皇帝だけに許される龍袍を贈った。「つまり…本当に謀反を起こせと言うのか?」「私たちの活路は他にありません」追い詰められた皇太子はもはや傅筹を信じる道しかないと思い込んだ。北臨帝は范陽王と傅筹を従え出征した。一方、将軍府では厳しい監視の中、容楽が重篤なってしまう。蕭可は護衛たちに別の薬が必要だと訴え、自分でなければ見つけられない薬材だと迫った。確かに将軍の留守中に夫人の身に何かあれば責任を問われてしまう。そこで護衛たちは自分たちが一緒ならと言う条件で蕭可の外出を認めた。すると泠月は蕭可たちが出て行ったところで容楽を起こす。「公主…行きました」つづく(  ̄꒳ ̄)林申おじさんだけ何だか雰囲気が違う…怖いけど良い声だよね〜 ←やっぱりそこw
2020.07.24
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白发 Princess Silver第29話「壊れた友情」痕香(コンコウ)は容楽(ヨウラク)に執着する傅筹(フチュウ)を諌め、これ以上、追わないよう止めた。しかし憤慨した傅筹に吹き飛ばされてしまう。「あなたを阻むためなら死ねる…真心を捧げる者がこの世からいなくなるだけよ…」痕香は家族を失って天仇門(テンキュウモン)に拾われ、過酷な訓練を受けてきた。そんな中、共に助け合って幾多の困難を乗り越えて来た傅筹とは特別な絆があるという。「あなたに″信頼できる″と言われたからこそ何でも従った 私が重要な存在だと信じていたからよ」「だが近頃、お前には失望している」「私は怖いの!あなたが容楽と情を深め、傷つきやしないかと… 年に一度の拷問で苦しむ姿も本当は見たくない 門主にどんな口実があろうと、あなたが傷つくのは嫌なの! 過去の苦しみは最大限に償われるべきだわ」しかし傅筹はそれだけでは物足りないという。「容楽のどこがいいの?!」「容楽も信頼する身内に裏切られ、利用された…だが人に優しく寛容だ、我らとは違う」痕香は自分たちと比べて容楽は傷が浅いだけだと否定した。自分たちのように全て奪われ、過酷な生存競争を強いられれば、手を血に染めるだろう。すると傅筹はだからこそ容楽を守りたいと言った。「我らには共通の敵がいて、長年、同じ志を抱いてきた だからお前の行動は私のためというより己のため、復讐のためだ…」痕香は自分の真心を傅筹から否定され、愕然とした。「痕香、お前が殺したい者を私は守りたい、失望させたら裏切るか? ふっ…お前の感情や忠誠とはそんなもんだ」←(* ゚ェ゚)え?どんなもん?傅筹は馬のもとへ歩き出したが、その時、痕香が剣を抜いて襲いかかった。しかし痕香は傅筹に及ばず、剣を奪われ、激しく木に叩き付けられてしまう。「あなたに挑むつもりなどない、私にできることは何でもしてあげたい…」「…お前は復讐をせかす、だが容楽はいつも光を与えてくれるのだ」↓都合のいい女①しっかりして痕香!一方、余(ヨ)家の密室で気を失った容楽は崖の上で目が覚めた。すると手足を縄で縛られている。…ここは?どういうこと?その時、沈魚(チンギョ)が水を汲んで戻って来た。まさか親友だと思って守って来た沈魚が悪事を企んでいたとは…。容楽は自分の馬鹿さ加減に失笑した。沈魚の目的は山河志(サンガシ)だった。本当は沈魚でもなければ、官吏の娘でもなく、北臨(ホクリン)に来た目的は山河志の入手だという。容楽が大切な友であることに変わりないが、山河志を持っているのが黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)なら容楽を人質にして奪い取るしかなかった。「苦肉の策なの…」「なるほど…で誰の命令なの?北臨の者?西啓(サイケイ)の者?」「聞かないで…」沈魚は容楽と身分は違えど使命は同じだと言った。2人が北臨へ来た目的は山河志、しかし強要されて裏切られた容楽と違い、沈魚は志願したという。しかしどちらにしても手駒として操られて生きる運命、容楽は自分なら人の指図は受けないと言った。「…その言葉を覚えておくわ」沈魚は山河志が手に入れば解放すると安心させたが、容楽は黎王なら来ないという。恐らく当事者ゆえ分からないのだろう。確かに傅筹は親切で優しいが、容楽のために志までは捨てられない。しかし一見、冷たそうな無憂は思いやりがあり、容楽のためなら山河志どころか命さえ投げ出すと分かっていた。すると沈魚は、互いに想い合っていながら無憂も容楽も認めようとしないだけだと指摘する。容楽は結局、すべてを承知で自分を利用したのだと知り、苦肉の策でも何でもないと呆れた。「あなたの立場は理解できる、私も経験したから、でもね? どんな事情であれ私を裏切って利用したのは事実、もう盟友ではない」↓沈魚も好きな人がいるって言ってた…からの都合のいい女②?その頃、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は御書房に呼ばれ、父から無憂の行き先を問い詰められていた。仕方なく青州の流民が暴動を起こしたらしいと取り繕ったが、そこに范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)が現れ、解放される。すると北臨帝は今回の討伐に傅筹を同行させ、皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)を監国にすると話した。傅筹が宴に乗じて皇太子に芸妓を贈ったのも皇太子を利用するためだろう。そこで北臨帝は傅筹を皇太子から遠ざけ、妙な行いが発覚すれば直ちに処分すると決めた。沈魚の予想通り無憂が容楽を助けに現れた。2人の情の深さはそばで見て来た沈魚が一番よく分かっている。「黎王はご存知かしら? 小姐(シャオジエ)が傅将軍に嫁いだのは、西啓帝に人質を取られて脅されたからよ 小姐の心には黎王しかいない」沈魚は容楽が攏月(ロウゲツ)楼で黎王と対局した席に座っては思い出に浸り、時には涙していたと暴露した。すると沈魚は容楽の足の縄を切って立たせ、首に短剣をつけ付ける。「山河志を渡さないなら一緒に飛び降りるわ!」沈魚は容楽を連れて崖っぷちに立った。しかし容楽は愛する人と駆け引きまでして手に入れた山河志だと訴え、欲深い野心家に譲ることは許さないという。容楽を人質にした沈魚と対峙する無憂、すると容楽のため、あっさり山河志を投げ渡した。沈魚は念願の山河志を手に入れると、容楽の耳元でそっと囁く。「黎王の愛を証明してあげる」そこで沈魚はいきなり容楽を崖から突き飛ばした。驚いた無憂は瞬時に飛び出し、容楽の背中を押し戻したが、そのまま止まることができない。しかし容楽が手をつかみ、無憂はかろうじて崖からぶら下がった。沈魚は健気に黎王の手をつかんでいる容楽を見下ろしながら、最後にひとつだけ忠告する。「2人で逃げて、黎王のような人は貴重よ」容楽は無憂に自分で上がって来られるか聞いた。すると無憂は沈魚の話が本当か確認する。「そんな場合じゃないでしょう?!」「本当なのか?」無憂は崖からずり落ちながらも漫夭(マンヨウ)の答えを待った。「本当よ!ずっとあなたのことを想ってた!」すると無憂は自ら崖に飛び上がり、容楽の手首の縄を解いて抱きしめた。無憂と容楽はお互いの気持ちを確かめ合い、沈魚の言う通り駆け落ちすると決めた。「そばにいた方がそなたを守れる、もう2度と危害を加えさせぬ 誰にも束縛されない自由を君に与えたい」すると無憂は白い碁石を見せた。「この碁石を見た時、どんなに嬉しかったか…持ち歩いていたのは心に私がいたからでは? もう離さない…漫夭、一緒になれるなら、その他はささいな問題だ、ついて来てくれ」「…いいわ」しかし容楽は傅筹と1年の婚期を約束しているため、けじめをつけるためにも自分で説明して来るという。そこで無憂は明日の辰の刻に狩場で落ち合おうと伝え、いざという時は自分が傅筹に話をつけると安心させた。しかし…。容楽が将軍府へ戻ると、寝殿の前で傅筹が待っていた。どうやらすでに何があったのか事情を知っているのだろう。傅筹は自分の企みではないと釈明し、容楽を駆けずり回って探したが、すでに他の者が助けていたと言った。しかし容楽にとって今さらどうでもいいこと、これ以上、亀裂を深めないためにも終わりにしたいと告げる。「用意してあった離縁状は読んだわ、望ましい選択をして欲しいから衣装箱に隠したのね… あなたの真心には感謝している、でも色々なことがあり過ぎた、元には戻れないの」「…私は鈍感で気まぐれだと思われてもいい、約束を守らぬ卑怯者と呼ばれることも覚悟だ 今日から君を軟禁する、君を血眼になって探しながら心に誓ったよ 1年の期限が来るまで私たちは夫婦だ、1歩たりともそばを離れてはならぬ」すると傅筹は常堅(ジョウケン)に容楽の見張りを命じた。妙な真似をすれば蕭可(ショウカ)と泠月(レイゲツ)に累が及ぶという。実はあの時、傅筹は崖で抱き合う無憂と容楽の姿を見ていた。翌日、無憂は狩場で容楽を待っていた。その手にはようやく揃った黒と白の碁石がある。しかし現れたのは容楽ではなく蕭煞(ショウサツ)だった。 ←( ๑≧ꇴ≦)えーっ!蕭煞?!みたいなw「公主は将軍府に軟禁されました、殿下に早まらぬようにと…あ!」無憂は蕭煞から容楽の伝言を聞く前に走り出してしまう。無憂は黎王府の親兵を連れて将軍府に乗り込み、将軍の配下とにらみ合いになった。そこへ傅筹が現れ、乱入されるのは3度目だと呆れる。「漫夭を渡さないなら、こちらも遠慮せぬ」「慇懃(インギン)な私に対し、黎王は横暴で、はなから見下しています ある程度は我慢しますが、もう限界です」すると傅筹は宝剣を抜いて無憂に襲いかかった。蕭煞は黎王と将軍が対峙している隙に静謐(セイヒツ)園へ駆けつけ、容楽に知らせた。「″早まるな″と言ったのに…」ともかく容楽は無憂を止めようと寝殿を出たが、道すがら急にめまいを起こしてへたり込んでしまう。その場で脈診した蕭可だったが、めくった袖を直してただ黙っていた。「教えて…」蕭可は容楽を立ち上がらせ、仕方なく正直に伝える。「長らく薬を飲んでいないから毒が臓腑や血脈に回っている このままでは昏睡状態に陥るか…ぁ…最悪、死ぬわ、長くて半年、早ければ3ヶ月よ」しかし蕭可はあきらめずに全力を尽くして解毒薬を作ると励ました。蕭煞は西啓に薬を取りに行くことにしたが、容楽が止める。「皇兄には頼らない…この件は他言無用よ」(꒦ິ⌑꒦ີ)ホァンション〜!←全然、関係ないw無憂と傅筹は愛する容楽を賭けて激しい攻防戦を繰り広げていた。しかし容楽の姿に気づいた傅筹は一瞬の隙ができ、無憂に蹴り飛ばされてしまう。無憂はここで方を付けるべく一気に駆け出したが、その時、容楽が傅筹の前に飛び出した。驚いた無憂は咄嗟に剣を持ち替え、ぎりぎりのところで止まる。「漫夭…なぜだ?危ないだろう?」「傷つけないで、私の夫君よ」なぜか漫夭の態度は一変していた。無憂は傅筹が漫夭に何かしたに違いないと疑ったが、容楽は悪名を背負うのも身分を捨てるのも嫌だという。「もう帰って、2度と会いたくない… 今日の騒ぎは私に非がある、昨日の態度があいまいで黎王殿下に無駄足を踏ませてしまったようね どんな罰でも受け入れます」「…必要ない、己の不始末の責任は取る、夫人に迷惑はかけぬ」「そうよ、私は将軍夫人、決して忘れないで 私の命を盾に脅されても覚えておいて、干渉しては駄目だと…私の夫君が助けてくれるわ」「そこまで言うなら今後は肝に命じておこう」容楽は心にもないこと言って無憂を傷つけたが、これも愛する人を守るためだった。傅筹は静謐園に戻った容楽を追いかけ、今の言葉が本心なのか聞いた。すると容楽はあっさり偽りだと認める。傅筹は容楽が1人で責任を背負い込み、無憂を守るつもりだと分かった。思わず飛び出して自分を助けたのも、結局は無憂のためだったのだろう。自分が負傷すれば命がけで妻を守ったと称される反面、将軍府に押し入った黎王が非難の的となり、皇帝が庇えば庇うほど軍心は反発するからだ。しかし傅筹は一歩まちがえれば容楽は刺されて死んでいたと釘を刺す。「あり得ない…黎王に殺意はなかった それに本気で殺す気なら無陰楼(ムインロウ)の者を連れて来るわ ←(* ゚ェ゚)あれ?暴露していいの? あなたと同様、手加減したから寸前で止められたの 将軍府に来たのは私の無事を確かめたかっただけ」「だったらなぜ駆け落ちを止めた?」「私に自由などない、他人に命を握られているの、希望なんて絵空事よ、他人には重荷でしかない」「何だと?」「私には何も期待しないで、あなたの望みは叶えられない」無郁が黎王府の中庭で待っていると、無憂がようやく帰って来た。しかし今までどこにいたのか聞いても、殿内に入ったきり閉じこもってしまう。「なぜ怒ってるんだ?(はっ)また漫夭か?会って来る!」「おやめください」冷炎(レイエン)は黎王の気持ちを察して動かないよう諌めたが、そこへ皇帝の遣いで陳(チン)太監がやって来た。「陛下が黎王殿下をお召しです」すると無憂がいきなり殿内から現れ、冷炎に名簿を渡した。「冷炎、無相子(ムソウシ)にこの者らの調査を…」「七哥!」無郁が引き留めたが、無憂は無視して出かけてしまう。そこで冷炎が受け取った名簿を見てみた。「将領たち名前か…あ、傅筹への対抗策だな?」つづく(  ̄꒳ ̄)いや〜セリフが多いわりに何を言いたいのかよく分からない特に最初の痕香と傅筹の会話、これ噛み合ってる?
2020.07.22
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白发 Princess Silver第28話「決別」容楽(ヨウラク)は肩を怪我している傅筹(フチュウ)をかばい、孫雅璃(ソンアリ)の琴の伴奏を引き受けた。拙いながらも懸命に雅璃について行く容楽、すると控えていた沈魚(チンギョ)が密かに指の動きを教えてくれる。その頃、黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)の馬車が将軍府の前に到着した。門の前には確かに皇帝の車が止まっている。そこでひとまず侍衛・冷炎(レイエン)が屋敷の様子を探りに行くことにした。容楽の腕前は到底、孫雅璃に及ばなかった。しかしその時、施暢(シチョウ)亭に風が吹き始め、木の枝に吊り下げられた風鈴が揺れる。容楽は鈴の音を聞きながら、ふと幼い頃に父が琴を指導してくれた記憶が蘇り、身体が自然と動き出した。まるで誰かが憑依したかのように見事な演奏を披露する容楽、すると今度は雅璃の方が必死について行かねばならない。その琴の音は無憂の耳にも届いていた。「ふっ…漫夭(マンヨウ)、そなたには本当に驚かされる」傅筹は容楽の見事な演奏に目を見張った。しかし北臨帝の表情に気づき、咄嗟にお茶を飲むと、茶碗を置く時に音を立てる。悦に入っていた容楽はふと我に返って傅筹を見ると、傅筹が小さく首を横に振った。そこで容楽は咄嗟に弦を切って演奏を中断、不快な音を聴かせてしまったと謝罪する。すると北臨帝は琴音から豪気と気迫が感じられたと称賛、容楽に話があるので皇后たちを先に返すことにした。傅筹は皇后たちを見送るため、門まで出た。しかし無憂の馬車はちょうど引き返したところ、傅筹は気づかない。すると雅璃はこの機に乗じ、容楽から琴の指導を受けていきたいと皇后に頼んだ。皇后から雅璃を頼まれた傅筹は当然、断るわけにもいかず、了承する。雅璃は喜んだが、傅筹は皇帝と容楽のことで気が気でなく、皇后の馬車が出ると急いで戻った。容楽は皇帝から話があると言われ、恐縮していた。しかし北臨帝は容楽がただ者ではないと分かり、すっかり印象も変わったという。「そなたの琴音が力強く、躍動感にあふれ、意気揚々と戦った往時の朕を彷彿とさせた そなたは天下太平を望んでおる、西啓(サイケイ)に見捨てられても西啓の民を誇りに思うのだ」北臨帝は思わず、無憂が容楽に執着する理由を理解できたと言った。実は昔の出来事を思い出し、無憂に自分と同じ道を歩ませて一生、後悔させてはならないと考えたという。「そなたの意向が知りたい」「…分かりません」「よく考えなさい、朕は老いて悟った、後悔したくなければ今を大切に生きるのだ」北臨帝と容楽が静謐(セイヒツ)園から出て来た。すると北臨帝は将軍に声をかけ、もはや西啓との同盟は有名無実、公主との婚姻を解消しろと命じる。焦った傅筹はひざまずき、確かに国のために公主を娶ったが、この数ヶ月で絆が深まり、今さら別れたくないという。そこで北臨帝は後ろで困惑している容楽に将軍と同じ気持ちなのか確認した。迷っていた容楽だったがついに決断、御前にひざまずく。「将軍には大事にされましたが、私は徳がなく妻にふさわしくありません 陛下のご命令を受け入れ、離縁を望みます」「公主に不満がなければこれで決まりだ」北臨帝は傅筹に離縁状を用意するよう命じ、帰って行った。その頃、蕭可(ショウカ)は騒がしい将軍府を抜け出し、街にいた。しかし代金を払うと知らず、買い物客の真似をして露天から山査子(サンザシ)飴を持って行ってしまう。店主に捕まった蕭可は役所に突き出されそうになったが、偶然、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)が通りかかり、店主に銀子を渡して許してもらう。すると蕭可は容楽を助けて欲しいと訴え、将軍府へ無郁を引っ張って行った。将軍府は禁衛軍が警護し、中に入れなかった。蕭可を探しに出ていた蕭煞(ショウサツ)と泠月(レイゲツ)は門前払い、するとそこへ蕭可と陳王がやって来る。無郁は蕭可から聞いた″騒ぎ″が皇帝の来訪だと知ると、禁衛軍に通りかかっただけだと伝えて帰って行った。無郁はその足で黎王府に駆けつけた。「七哥!やっと分かりました!漫夭を守るために将軍府の監視を?」無憂は傅筹が陰謀を企んでいると疑い、いずれ漫夭に累が及ぶと危惧して監視していた。しかし驚いたことに父が将軍府を訪ね、傅筹に離縁を命じたという。無郁はこれで七兄と漫夭が結ばれると祝福したが、無憂は復縁できるかどうかは真心しだいだと漏らした。このまま傅筹が簡単にあきらめるとは思えず、何やら遠大な野望を抱えている可能性がある。そこへ冷炎が現れた。「南境で妙な動きがあるようです、ただ災害で都と南境を結ぶ道が塞がれ、交信が困難に… 何が起きても都への伝達は遅れます」どうやら無憂が懸念していた通り、尉(イ)国討伐の隙に内乱を起こす気らしい。そこで南境の勢力を先に鎮圧すると決め、無隠楼(ムインロウ)に伝達した。その夜、容楽が沐浴のため浴室に入ったところ、突然、傅筹が乗り込んできた。傅筹は侍女たちを追い出すと、これまでの鬱憤を晴らすように容楽を責め立てる。「君は嫉妬心から宗政無憂の許嫁と琴の腕を競い合った!」「誤解よ、あなたは肩が…」「誤解だと?!玲瓏(レイロウ)殿では逢引し、南城(ナンジョウ)駅館で共に一夜を過ごし、 今度は思雲陵で密会ときた!」「…そこまでお詳しいなら全部、偶然だとご承知でしょう?玲瓏殿で…」「よく言えたものだ!1度や2度なら偶然だろうが、これだけ続いて偶然で通じるとでも?」離縁を突きつけられた傅筹は疑心暗鬼になり、思わず容楽を押し倒した。「私は宗政無憂に代わり君を娶った、それなのに奴の気が変わったから離縁しろと?ふざけるな! 君は″徳がない″などとしおらいく言っていたが、実際は宗政無憂のことしか考えていない! 私など眼中にないのだ!奴だけが守られ、私は見捨てられる!」「離して!」「君は私の妻だ!分からせてやる!」傅筹は激情に駆られ、強引に夫婦の関係を迫った。身を守るため咄嗟に傅筹の肩に噛みついた容楽、あまりの激痛に傅筹は顔を歪めたが、それがかえって傅筹を逆上させてしまう。やがて容楽は傅筹の圧倒的な力の前では無駄だと悟り、全てをあきらめて動かなくなった。すると傅筹は容楽の氷のような表情に気づき、ふと我に返って容楽を解放する。↓死んだ魚の眼→チベスナ→そしてカオナシへwバシッ!容楽は起き上がると同時に傅筹を引っぱたいた。「約束を破った以上、話し合いは無駄ね! ←(* ゚ェ゚)え?容楽が先に破ったのでは? もう2度と会いたくないわ…」傅筹は自分の暴挙を恥じ、出て行くなら北臨と将軍府、西啓の体面のために3ヶ月は無憂と会わないで欲しいと頼む。「無理なら今日ここで一緒に死にたい…」←(* ゚ェ゚)え?何で?w「はお、約束する、3ヶ月後、あなたとは絶縁よ」思わぬ騒ぎで放置されていた孫雅璃、そこへ憔悴した傅筹が歩いてきた。雅璃は思わず傅筹に抱きつき、思いの丈をぶつける。「愛しています、この婚姻を捨てられないなら私も一生、付き合います 孫家を追い出されてもいい、卑しい奴婢に成り下がっても構いません、ずっとおそばに…」しかし傅筹は雅璃の腕を振り解き、行ってしまう。容楽はすぐ荷造りを命じた。すると泠月は衣装箱を運び出しながら、将軍も根は良い人だとかばう。その箱の中には婚礼衣装が入っていた。「あれから将軍は衣装の仕立て直しをさせたのです、妻が身につける日を夢見ているからですよ? 公主は見向きもしなかったので、ずっと箪笥の肥やしになっていました…」泠月は婚礼衣装を荷物に入れるため取り出したが、その下から傅筹が書いた離縁状が出てきた。…休書…容楽、男女は三生、修養し、今生で夫婦となる…だが私たちは縁がなかったようだ…私の心が狭く、婚姻を押し付けたせいだろう…最初は淡い望みを抱いていた、1年以内に状況を覆せたら真の夫婦になれると…もし君がこの文を読んでも私に情が湧かず、嫌悪しかなければ君を自由にしたい…お互い恨みを解き、楽になろう…傅筹筆実は傅筹は婚礼当日の夜、すでに離縁状を書いていた。容楽はひとまず攏月楼へ身を寄せた。3ヶ月後、完全に自由になったら中山(チュウザン)を離れよう。すると沈魚が自分の正体を調べるのは諦めるのかと聞いた。「以前、余(ヨ)家の屋敷に手がかりがありそうだと…」「はっ!琴を弾いた時、昔の記憶が一瞬、蘇ったの、蕭可の治療が効いているのかも…」「余家に行けばもっと思い出すかもしれません」「うん」沈魚は容楽をそれとなく誘導し、秦(シン)家の密室に入ることに成功した。容楽はまた母と娘2人の絵に釘付けになった。「その絵の人を知っているのですか?」「見覚えがあるけど確信はないわ でも信じたい、私には優しい母がいて幸せで円満な家庭があったのだと… 一方で逆の思いも…私が秦家の娘なら天涯孤独になってしまう」沈魚は悲観しないよう励まし、密室を見つけたなら山河志を手に入れたも同然、手がかりを探そうと言った。しかし容楽が山河志ならここにないという。「私と黎王が決別した理由を知らないでしょう?山河志をあげたからよ 黎王の狙いは山河志だったの」「つまり今は黎王が持っているのですね?」「そうよ」すると沈魚はいきなり容楽の首を突き、眠らせてしまう。「ごめんなさい、小姐(シャオジエ)、あなたを行かせるわけにいかないの」その夜、黎王府の無憂の元に密書が届いた。無憂は早速、箱から文を出して確認したが、その時、空箱から白い石が転がり落ちる。それは確かに12話で漫夭に贈ったあの碁石だった。翌朝、いつまで待っても黎王は朝議に現れなかった。北臨帝は迎えに行かせたが、戻ってきた向(コウ)統領の話では黎王が昨夜から王府に戻っておらず、各所を探してみたが見つからないという。憤慨した北臨帝は仕方なく皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)に討伐の案を提出するよう指示し、退朝を命じた。無憂が行方知れずと知った傅筹は嫌な予感がした。そこで急いで静謐園に駆けつけてみると、あの夜に荷物を全てまとめて出て行ったと知る。あれから会う勇気がなかったが、どうやら自分がうぬぼれていただけのようだ。「こんなにも慌てて出て行くとは…」その時、傅筹はふと思い出して婚礼衣装の箱を開けた。すると中身は空っぽ、離縁状も消えている。…自業自得だ、これで夫婦の関係も終わった…容楽、結婚当初、もう君を利用しないと誓った…あの離縁状は14回も書き直したのだ…まさかここまで君の恨みが深いとは思わなかった ←(* ゚ェ゚)えっ?…自由になった途端、奴と駆け落ちするなんて傅筹は無我夢中で馬を駆けた。林の中で容楽の行方を捜す傅筹、その時、痕香(コンコウ)が現れる。傅筹は痕香が容楽を隠したと疑ったが、痕香は犯人が沈魚だと教えた。しかし門主さえ沈魚の正体を知らず、何が目的かも分からないという。痕香は沈魚が容楽をさらって宗政無憂に知らせたため、心配せずとも宗政無憂が助けると言った。「容楽と宗政無憂がよりを戻すのが怖いのね? 若門主、大計が控えているわ、することは山積みで今が大事な時よ?女子にかまけている暇はない」憤慨した傅筹は痕香に掌(ショウ)を放ったが、痕香は避けずに吹き飛ばされてしまう。「あなたを阻むためなら死ねる…真心を捧げる者がこの世からいなくなるだけよ」つづく( ゚д゚)え~!若門主!つまり容楽とは前から知り合い?それにしても泠月、最初からうさん臭かったけど、やけに将軍の肩を持つよね~
2020.07.21
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白发 Princess Silver第27話「形見の七絶草」蕭煞(ショウサツ)の妹・蕭可(ショウカ)は馴れ馴れしい男を警戒し、毒粉をまいた。すると毒粉を吸い込んだ陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は急に全身がかゆくなり、じっとしていられなくなってしまう。あまりのかゆさに耐えきれず、無郁は蕭可を捕まえて解毒薬を寄越せと迫った。しかしなぜか蕭可が突然、意識を失って倒れてしまう。そこへちょうど容楽(ヨウラク)たちがやって来た。「無郁、何があったの?!」「急に倒れたんだ!かゆいよ~漫夭(マンヨウ)、何とかしてくれ~!」すると蕭煞の点穴で蕭可がすぐ意識を取り戻した。そこで容楽は蕭可に陳王が友だちだと説明、仕方なく蕭可は解毒薬を嗅がせてやる。無郁はかゆみから解放されて一息ついたが、不思議と失恋の痛手が少し和らいでいた。蕭可は幼い頃からの奇病により、失神することがあった。実は治療法もあったが、師匠の処方に必要な貴重な生薬が手に入らないという。それは七絶(シチゼツ)草という名前だったが、どんな生薬も分からなかった。すると思いがけず無郁が聞いたことがあると思い出し、在りかなら七兄に聞くよう促す。しかし容楽は黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)と聞くと、急に顔が曇った。「まただ、その顔は何だよ?好きなくせになぜ避けるんだ?だったら帰る!」「待って」容楽はこの機会に扇子を返してもらうことにした。「七哥がこれを君に?!」「何?特別な物なの?」「これは墨玉(ボクギョク)扇だ、これがあれば無隠楼(ムインロウ)の使い手を動かせる 天下を覆すこともできるぞ?」「…扇の代わりに七絶草が欲しいわ!」「ふっ…あははっ!墨玉扇さえ渡したんだ、七絶草もくれるだろう でも七哥にとって大切な物だ、どうしても欲しいなら自分で頼むんだな」出征を決めた北臨(ホクリン)の皇帝・宗政允赫(ソウセイインカク)は思雲陵(シウンリョウ)の雲児に報告にやって来た。「老いたりと言えども志は捨てぬ、そなたも北臨を守ってくれ」すると北臨帝は棺の雲児にだけ本音を漏らす。「無憂には理解してもらえないが… そなたは国の再興のため、符鴛(フエン)を皇后とすることを許してくれた」その話をちょうど墓室に入って来た無憂が聞いていた。「まさか息子まで朕と同じ苦しみを味わおうとは… 君主ゆえの苦しい決断を前にすれば絶望と孤独を感じる 歳月が過ぎようと後悔が消えることはない… 無憂があの女子とここに籠もった時には、そなたの眠りを妨げたか? あの時は許しがたいと思った、だが今なら理解できる かつての朕の過ちが無憂を憤らせた、朕が怒るべきは若き日の臆病な自分なのだ 朕は無憂に甘すぎると皆が言う だが朕には分かる、無憂は朕と同様に苦しんでいる、昼も夜も覚めぬ悪夢にさいなまれていると… 今では無憂も立ち直ったが、愛の苦悩が消えたわけではない 雲児、一体どうすれば無憂の苦しみを取り除ける?」その頃、容楽が思雲陵に到着した。しかし禁衛軍の向(コウ)統領から皇帝が中にいるので誰も入れないと断られてしまう。容楽は黎王も一緒なのか聞いたが、向統領は何も教えられないと言った。そこで容楽はこのまま外で待つことにする。一方、父の本音を知った無憂は、これまで避け続けて来た母の死について父と向き合うことにした。子供の頃から何不自由なく育ち、世界は光に満ちていると思っていた無憂、しかし十里香(ジュウリコウ)の件で母が非業の死を遂げ、師匠も亡くなると、光が消え去り、絶望したという。…あの夜、北臨帝は雲貴妃の寝殿で秦(シン)家秘伝の十里香を味わっていた雲児は寵臣の余世海(ヨセイカイ)たちが変法に反対していることを憂慮しながら、この酒を飲めば秦丞相の忠義の心が分かるはずだと訴えるしかし上機嫌だった北臨帝は急に激しい頭痛に襲われた心配した雲児は皇帝を寝台に寝かせて侍医を呼ぶよう命じたが、突然、錯乱した北臨帝に斬り付けられてしまうその時、運悪く無憂が現れ、傷だらけの母の首を絞めている父の姿を目撃した『母妃っ!』無憂の悲痛な叫び声でふと我に返った北臨帝は雲児を腕に抱いたが、手遅れだった…無憂は父を恨んだが、それは陥れられて過ちを犯したからではなく、問題を直視せず言い訳を探していたからだった。「父上を臆病者だと思い、そうなるまいと誓いました だが漫夭をさらっても、2人の気持ちはもう取り戻せなかった 一緒にいることだけが愛することではない、そう気づきました 生きる上ではなす術がないこともあると… 父上を責められません、私は当時の状況を知らぬのですから」北臨帝はようやく息子と分かり合えたが、自分が雲児を忘れられないように、無憂も容楽公主をあきらめられないのだと胸が痛んだ。北臨帝が墓室から出ると、驚いたことに容楽が待っていた。やはり容楽も無憂に未練があると思ったが、容楽はすべて過ぎ去ったことだと話し、実は黎王に頼み事があって来たと告げる。北臨帝は無憂にとっては過去のことではないと伝え、ただし息子の想い人である女子なら信用できると言って面会を許した。墓室に漫夭が現れた。すると無憂は氷室で眠る母に挨拶して欲しいと頼む。容楽は棺の雲貴妃に拝跪し、墨玉扇を返して七絶草を譲ってもらおうとした。しかし無憂は扇子を受け取らず、何も聞かずに黙って棺の下にある副葬品から箱を取り出す。「これは母妃から君への贈り物だ」容楽は七絶草を手に入れ、静謐(セイヒツ)園に戻った。七絶草を見た無郁は、やはり漫夭の頼みなら七兄が渡すと思ったという。実はこの七絶草は雲貴妃が幼くして毒を盛られた無憂のために手に入れたものだった。事情は分からないが、この話を知った皇帝は雲貴妃に激怒し、3ヶ月も貴妃を避けたという。七絶草は本来、分厚い葉で、当時、半分ほど使って無憂の毒が消えたことから、残った半分は宮中の氷室で保存されていた。しかし雲貴妃の死後、無憂が陵に移したという。容楽は七絶草が無憂にとって雲貴妃の貴重な形見でもあると知り、慌てて返すことにした。すると無郁は一旦、氷室から出したら保存が利かないと説明し、七兄の厚意を無にしないよう訴える。その時、傅筹(フチュウ)が容楽の様子を見るため、静謐園にやって来た。そこで偶然、2人の話を聞いてしまう。「漫夭、これは蕭可への慈悲ではなく、君への真心だぞ?七哥は死ぬまで君を守る覚悟だ」あの時、傅筹は思雲陵にいた。予想通り容楽が黎王と一緒に墓室から出てくる姿を目撃した傅筹は、深い悲しみと憤りでその場から動けなくなってしまう。↓まさかの家政婦は見た!傅筹はあの時の怒りを思い出し、握りこぶしに力を込めた。すると拷問の傷が開き、再び血が流れ出してしまう。その時、急に戸が開いて容楽と無郁が現れた。無郁は帰るつもりだったが、将軍の顔を見てやはり思い直す。「私は急がないし、まだ話したいことがある」しかし傅筹はなぜか素直に引き下がり、おとなしく戻って行った。容楽は傅筹の背中を見送りながら異変に気づき、地面に滴り落ちた血を見つける。そこでやはり無郁に帰って欲しいと頼んだ。容楽は蕭可から聞いた処方で薬湯を作り、早速、飲ませた。しかし蕭可は別に長生きはしたくないとう。「師父は若さを保つことに時を費やしているけど、私はもっと楽しいことをして暮らしたい」「クスッ、老いを嘆き、若さを惜しむのは人の常よ?雪孤聖女(セツコセイジョ)も煩悩の虜なのね? でも大丈夫、蕭可なら永遠に若さを保てるわ」「…どういうこと?意味が分からないわ」すると菓子の差し入れに来た泠月(レイゲツ)が″無為自然″だと教えた。沈魚(チンギョ)は将軍府を訪ねた。すると容楽が攏月(ロウゲツ)楼に住みたいという。清涼(セイリョウ)湖の一件以来、傅筹は取り繕おうとしているが、これ以上、偽りの夫婦を続けられそうになかった。「最近、頭痛がする時、記憶の断片が浮かんでくるの…ぼやけているけど現実感がある 記憶が戻りつつあるのかも?断片的な記憶が″ここを離れろ″と暗示しているのかもしれない…」驚いた沈魚は、大切な恩人である容楽にどこまでも付いて行くと訴えた。そこへ容楽の脈診をするため、蕭可が現れる。容楽はふと傅筹の怪我を思い出し、蕭可に頼むことにした。「怪我を隠して治療をさせない人がいるの、診てあげて?傷はこの位置(肩)よ、古傷もあるかも」蕭可は容楽の頼みなので仕方なく泠月と将軍の寝殿を訪ねたが、見張り番から追い返されてしまう。その頃、孫雅璃(ソンアリ)は皇后に謁見していた。皇后は都に戻った無憂と雅璃が疎遠になっていると知り、容楽とよりを戻したのではと疑う。驚いた雅璃は誤解だと訴え、駅館でも2人は距離を置いていたと口を滑らせた。皇后は2人が密会していると勘違いして憤慨し、自分が2人を別れさせると息巻いて将軍府に行くと言い出す。すると偶然、北臨帝が現れた。「今日、朕は予定がない、そなたと一緒に将軍府に行って臣下を労おう」「(´・ω・)お、おぅ…」容楽は気晴らしに沈魚から琴を習った。すると思ったよりすんなり琴が弾けるようになる。「沈魚、琴を弾くのはさほど難しくないのね?」その時、突然、施暢(シチョウ)亭に北臨帝が皇后と孫雅璃を連れて現れた。驚いた容楽はその場にひざまずき、出迎えなかった無礼を深く謝罪する。しかし皇后は北臨帝が急に訪ねて驚かせると言ったと教え、咎めることはなかった。そこへ傅筹がやって来る。傅筹は拝跪すると、夫婦円満を装うため、肩の痛みをこらえながら容楽の手を握りしめた。傅筹は施暢亭に席を設けた。すると皇后が容楽の琴の音が聞こえたと話し、夫婦の合奏を聴かせて欲しいと頼む。実は傅筹の琴の腕前は世に広く知られていた。しかし容楽は習い始めたばかりで耳汚しだと辞退、そこで咄嗟に雅璃が代わりに奏すると申し出る。皇后は高明な師に習った雅璃も相当な腕だと思い出し、喜んで演奏を頼んだ。そこで雅璃はこの機会を利用し、是非とも将軍の伴奏をしたいと懇願する。皇帝の手前、断れない傅筹は仕方なく立ち上がろうとしたが、容楽は傅筹の怪我を心配して止めた。「陛下、重臣として護国の剣を握る将軍の手で、その場の座興はさせられません 本来、沐浴して香を焚き奏するべき琴を慰みにすべきでしょうか?」結局、容楽は自分が雅璃の琴に伴奏するという。皇后は納得したが、嫌味の1つでも言わなければ気が済まなかった。「西啓の民は貧しさゆえ粗野で、婚姻の礼も知らぬと聞いていた でも礼楽を重んじる心があると分かったわ~」「西啓は土地が不毛ゆえ、民は国土を守るため農業と武芸に励みます 皇室に生まれ、苦労を知らない私の言葉が民を代表するとは申せません しょせん女子の浅知恵に過ぎぬかと…」「なんと!…」皇后はあっさり容楽にやり込められ憤慨したが、北臨帝がなだめた。「北臨に来た当時と変わらず、見事な弁舌だ まさに″明珠は隠せども、おのずから光あり″だな」「陛下、過分なお言葉です…」つづく(^ꇴ^)陳王、早くも新しい恋の予感?それにしても皇后…ウザいw
2020.07.20
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白发 Princess Silver第26話「神医の弟子」昭蕓(ショウウン)公主は黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)に別れを告げ、鎮北(チンホク)王・寧千易(ネイセンイ)と共に宸(シン)国へ旅立った。その手には人知れず陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)からもらった指輪がある。すると寧千易は隣の昭蕓が面紗(メンシャ)の下で泣いていると気づいた。「昭蕓、もう二度と君を泣かせぬ、今度、泣くときは幸せのうれし涙だ」↓(꒦ິ⌑꒦ີ)昭蕓、幸せにね〜って、なぜ馬車の中が黒いねん、まあいいけど(←いいのかいw一方、収監された無郁は昭蕓の幸せを祈り、涙していた。やがて無憂が迎えにやって来る。「無郁、行くぞ…」無憂は無郁を支えてやったが、無郁は兄の手を離して自分の足で歩き始めた。泠月(レイゲツ)は近頃、様子がおかしい蕭煞(ショウサツ)が気になっていた。そこで22話でもらった薬を返すという口実で声をかける。「これ、あなたの薬でしょう?もう治ったの、ありがとう」「とっておけ」「最近、なぜ外出するのか知らないけど、もう公主を裏切らないで 昭蕓公主が嫁ぎ、近しい人は私たちだけなのよ?」「…君たちは守る」蕭煞は結局、そのまま出かけて行ったが、門の所で急に脇腹を抑えてふらつき、喀血していた。そんなある日、泠月は蕭煞のあとをつけることにした。すると驚いたことに蕭煞は香魂(コンコウ)楼へ入って行く。そこで泠月は女将に銀子をつかませ、話を聞いた。どうやら蕭煞は頻繁に店に通っており、先日はある娘を巡って皇太子妃の弟と乱闘騒ぎを起こしたという。泠月はすぐ容楽(ヨウラク)に報告した。容楽は何か事情があるはずだと考え、かつて香魂楼の芸妓だった沈魚(チンギョ)と一緒に探りに行くよう命じる。早速、男装した2人は客のふりをして香魂楼へ紛れ込み、沈魚は古株の阿萍(アヘイ)を見つけて情報を得た。沈魚は泠月を連れて店の裏口から出た。そこで偶然、蕭煞を見かける。蕭煞は西啓(サイケイ)の間者に報告書を渡し、寧千易を暗殺できなかったのは公主が居合わせたせいだと釈明していた。「忘れるなよ、陛下は人質を取っている、同門の蕭統領を脅かしたくはないが忠告しておく 分を守れば可(カ)姑娘(グーニャン)の身に危険はない」「分かっている、だが今日こそ会わねば安心できぬ また与太者を怒らせ、可児に万一あれば死んでも償えぬぞ」しかし西啓帝から面会を禁じられていると断られ、蕭煞は思わず手を出してしまう。沈魚は間者と蕭煞が争っているうちに泠月を連れ、阿萍から教えてもらった建物にやって来た。中には見張りの男が2人いたが、確かに香魂楼の者ではない。すると沈魚は慣れた様子で外階段から2階へ上がり、荷物を退かして抜け穴を見つけた。「なぜ壁に穴が?」「私が開けたの」こうして沈魚と泠月は可という娘を救出、攏月(ロウゲツ)楼へ連れて行った。攏月楼ではちょうど容楽が鎮北王からの贈り物を受け取っていた。中には美しい玉符と文が入っている。…千易より、大切にして欲しい…そこへ泠月が娘を連れてやって来た。何も分からない娘は容楽たちを警戒していたが、少なくとも悪人ではないと分かったらしい。「名前は?」「蕭可よ」容楽はこの娘が蕭煞と関係があると考えた。そこで家族のことを聞いてみたが、蕭可は親の顔もどこにいるかも覚えていないという。実は蕭可は4歳で師匠に連れ去られて以来、両親と会っていなかった。蕭可は不治の病で5歳で死ぬと言われていたが、ある日、街で兄が山査子(サンザシ)を買いに行っている間に師匠が通りかかり、蕭可の病に興味を持って連れ去ったという。「哥哥とは1年前にある人を介して再会できた、哥哥の右手には痣があるの 幼い頃に私が汁物をこぼしたせいよ…はっ!」うっかり口を滑らせ、蕭可は慌てて口をつぐむ。しかし容楽はやはり蕭可が蕭煞の妹だと気づき、泠月に合図した。泠月は妹を探して街をさまよっていた蕭煞を見つけ、攏月楼へ連れて行った。そこで蕭煞は捕らわれていた妹と再会、公主の前にひざまずき、これまで欺いて来たことを謝罪する。しかし容楽は事情を察して許した。恐らく兄が蕭可を人質にして蕭煞に鎮北王の暗殺を命じたが、居合わせた自分を守ろうとして失敗したのだろう。「皇兄は長年、仕えたあなたまで苦しめたのね? 近しい臣下も実の妹も大業のためなら犠牲にするなんて… あなたたちを見て兄妹とはこういうものだと実感したわ」「公主…実は陛下は…」「やめて!あの人のことは二度と信じない」(TㅅT)そう言わずに聞いたげて~昭蕓が中山(チュウザン)を離れ、無郁は喪失感から立ち直れずにいた。今まで昭蕓を子供だと思って来たが、無郁はようやく子供だったのは自分の方だと気づく。無憂は思い通りにならないこともあると慰め、人は諦めることを学びながら成長すると助言した。そこへ冷炎(レイエン)がやって来る。「鎮北王の使者がこれを…駅館での恩に報いるため玉符を贈るそうです 困った時にこれを使えばいつでも駆けつけると…もう1つは容楽公主に贈ったそうです」鎮北王の一行を見守っていた冷炎は無事に国境を越えたと報告、傅筹(フチュウ)に怪しい動きはなかったと伝えた。冷炎が下がると、無郁は七兄のように昭蕓を守ることまで気が回らなかった自分を恥じた。しかし無憂は無郁が今回の経験で多くを学んだと励まし、気晴らしに引き受けてもらいたい事があるという。「昭蕓を吹っ切れるなら何でも協力します!」「実は無隠楼(ムインロウ)の者によると、妓楼の女子を巡って蕭煞が皇太子妃の弟ともめたらしい 皇后の耳にも届いている…」無郁は自分たちと関係ない話だと思ったが、本題はそれからだった。「昭蕓が駅館で襲われた時、漫夭(マンヨウ)は必死で救ってくれた 将軍府に出向いて礼を言うべきでは?ん?」「あぁ~、確かに…礼を言うついでに七哥の淡い想いも伝えて来ます、ふふ」蕭煞は妹を助けてくれた恩人である公主に忠誠を誓った。実は蕭可の師匠は神医と評判の雪孤聖女(セッコセイジョ)だという。雪孤聖女と言えば気難しく、風変わりな性格のため、医者にならず各地をさすらっているとか。蕭煞の話では容斉(ヨウセイ)も長年、神医を探していたが、結局、見つけられたのは弟子の蕭可の手がかりだけだった。そこで容楽は蕭可に脈診を頼む。すると思いがけず強力な毒に侵されていると発覚、今は薬で延命できているが、薬と毒の相互作用で記憶が薄れ、頭痛がするという。蕭可は身体が弱いのも毒のせいだと話し、自分も延命治療しかできないと言った。その夜、容楽は無憂と対局した思い出の席に座っていた。蕭可の診断で死期を意識した容楽は、初めて人生を悔やむ。すると泠月が外套を持って現れ、蕭可が大げさに言っているだけだと励ました。「慰めは無用よ、衝撃は受けていない、それに蕭可が治療法を見つけてくれるかも… ただこのまま何もせずに死を待ちたくない、自分の正体を突き止めなきゃ」容楽はできるだけ早くこの鳥かごから解放され、自分の人生を自分のために生きたいと願った。傅筹は鎮北王と昭蕓公主を国境まで無事に送り届け、朝議で北臨帝に報告した。こうして無事に同盟が結ばれ、宸国の良馬のおかげで騎馬隊も増強、出征の準備も大詰めとなる。そこで傅筹は今回の総帥に皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)を推挙した。しかし北臨帝は別の人選を考えていると退け、范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)に軍事協議のため御書房へ無憂を呼んでおけと命じる。「討伐の全権を任せたい」焦った皇太子は思わず無憂が忙しいので自分が手伝うと口を挟み、北臨帝から思いがけない仕事を押しつけられてしまう。「では最も大事な任務を与える、宸国から良馬が届いておる、そなたに交配の監督を命ずる 戦に耐えうる良馬が生まれねば罪に問うぞ」クスクス…>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<クスクス…傅筹が東宮で待っていると、厩舎で馬糞まみれになった皇太子が戻って来た。あまりの臭さに顔をしかめる女官たち…。 (Ŏ艸Ŏ)ゥッ…激怒した皇太子は皆を下がらせると、自棄になって衣を脱ぎ捨てた。思えばこれも昭蕓の暗殺に失敗した傅筹のせいにほかならない。しかしかえって傅筹から自分という後ろ盾を失っても朝廷に身の置き場があるのかと脅された。冷静になった皇太子は急にしおらしくなり、将軍の言うことなら何でも聞くという。「では陛下の悪評を消すため、今後は女色を慎んでください」傅筹は少しでも痕香(コンコウ)が皇太子から解放されるよう計らった。その夜、痕香は東郊(トウコウ)客桟(キャクサン)に傅筹を訪ねた。「ありがとう、あなたはいつも私のために全力を尽くそうとしてくれる」「警戒は怠るな、頻繁に宮外へ出れば怪しまれるぞ」「承知よ、でも今日はあなたの大切な日…毎年この日だけはそばにいたいの」「分かった、行こう」傅筹は仕掛けを回してからくりの扉を開けると、地下の密室へ向かった。傅筹は両肩に直接、鉤を貫通させられ、吊り下げられていた。そこへ林申(リンシン)が現れ、この拷問は復讐心を忘れさせぬためだと念を押す。「親の敵を胸に刻め」「忘れたことなどない」「そうは見えぬ…だから今だに行動を起こさぬのだろう!母親が失望しているぞ?」すると林申が傅筹を降ろせと命じ、痕香が慌てて駆け寄った。「母の件を持ち出すな…ゥッ…あれは私の問題だ…天仇門は関係ない…」「誓いを忘れるな、心を鬼にしろ、お前は大事を成すのだ!」「門主、ご安心を…首尾は上々です」痕香は痛みに苦しむ傅筹をかばい、思わず口をはさんだ。容楽は蕭可を静謐(セイヒツ)園で預かることにした。そこで泠月が蕭可を案内していると、ちょうど容楽を訪ねて陳王がやって来る。泠月は蕭可をひとりにして容楽を呼びに行ったが、初対面の無郁と蕭可は互いに相手を訝しんだ。「誰だ!」「誰よ?」無郁はてっきり新しい侍女だと勘違い、無礼な使用人だとまくし立てた。しかし蕭可は急に頭痛がしてめまいに襲われてしまう。「うるさい、黙ってよ!」「可愛い顔をして生意気だな~」無郁は思わず蕭可の頰をつねると、怒った蕭可から毒粉を浴びせられてしまう。つづく(Ŏ艸Ŏ)第1話で容楽を捕まえた人だよね~林申!いろいろつながって参りました~!
2020.07.19
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白发 Princess Silver第25話「愛ゆえの嘘」昭蕓(ショウウン)郡主は北臨(ホクリン)の民や自分の大切な人たちを守るため、自ら宸(シン)国に嫁ぐと決断した。その代わり陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)を許し、最後の別れを告げたいと嘆願する。北臨帝は大罪を犯した無郁が懲戒を免れることはできないとしながらも、実は怪我を考慮してすでに杖(ジョウ)刑50回で大理寺の牢に入れるにとどめたと教えた。「そなたが北臨の国境を離れたら牢から出し、罪は許そう」無郁の牢に突然、昭蕓が現れた。無郁は昭蕓が無事だと分かって喜び、刑罰で痛む足も痺れただけだと取り繕う。すると昭蕓は心を鬼にして自分の希望で宸国へ嫁ぐと伝えた。「嘘だ!信じない、私と生涯を誓っただろう?なぜだ?!」「鎮北(チンホク)王は頼りになるもの…両親を亡くした私はあなたたち兄弟が頼りだった でも和親を阻止できた?それどころかあなたは私の目の前で倒れたのよ? 一緒にいても不安しかないわ!」 ←確かにw「昭蕓…それが本音か?」「頼りにならないあなたより、未来の君主に運命を預ける そうすればいずれ皇后になって最高の権力を手に入れ、二度と侮られずに済むもの …陳王殿下、さようなら」昭蕓は牢を出ると、二度と振り返らなかった。…無郁、ずっと元気でいてね…この傷を癒してくれる人はいつか現れる…その人と幸せに添い遂げるのよこの決別は昭蕓にとって人生最大の勇気が必要となった。今日から2人は離れ離れになる…。昭蕓は無郁が自分への未練を少しでも残さぬよう嘘をつき、きれいに忘れてくれることを願った。傅筹(フチュウ)は皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)から香魂(コウコン)楼に呼び出された。すでに酔っ払っていた皇太子は自分の面目を潰した傅筹に襲い掛かったが、相手にもならない。そこで傅筹は御花園では皇太子に追い詰められて感情的になったと説明し、大局を考えるよう諌めた。しかし皇太子は黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)の妹同然の昭蕓がすでに公主に封じられ、明日には宸国に向かってしまうとぼやく。「一挙両得の策を考えました、和親を任されているのは宗政無憂です 陛下の命によれば今夜、駅館で昭蕓公主の安全を守るのも宗政無憂の役目だとか…」容楽(ヨウラク)は孫雅璃(ソンアリ)と嫁いでいく昭蕓に会いに行くことにした。常堅(ジョウケン)は傅筹に報告し、今夜の計画に差し障りがあるのではと懸念する。しかし傅筹は全て計画通りに行うよう命じ、容楽には駅館へ行くことを認めた。駅館を警護していた無憂は、中庭でぼんやりしている昭蕓を見つけた。もう明日からはそばにいて守ってやることができなくなる。しかし昭蕓はもう大人だと笑った。「無憂哥哥を追いかけていた子供の頃とは違うわ、北臨の公主の名に恥じぬよう努力する」無憂は昭蕓がもはやわがままで可愛かった少女ではないのだと気づく。すると昭蕓はひとつ頼み事があると言った。「いつか無郁が好きな人を見つけた時、伝えて欲しいの 私にとって無郁は誰より勇敢だった、無郁がいれば少しも寂しくなかったと…」無憂は承諾し、無郁から預かった小さな小箱を渡した。「以前、贈った指輪は生涯、幸せにする誓いの証しだったが、 この指輪は生涯の幸せを祈って贈ると…」そこへちょうど容楽と孫雅璃が訪ねて来た。久しぶりの再会を喜ぶ容楽と昭蕓、その時、雅璃は先に黎王に挨拶しようとして石を踏み、足をひねってしまう。無憂は咄嗟に雅璃を支え、医者に見せた方がいいと部屋まで連れて行った。無憂は部下に医者を呼ぶよう頼み、早々に部屋を出た。そんな無憂の優しさに触れた孫雅璃は、しみじみこれが傅筹だったらと思わずにはいられない。…将軍がこんな風にいたわってくれたら、たとえ妻でなくても満足なのに ←( ゚д゚)へっ?容楽と昭蕓は2人だけで最後の夜を過ごした。「昭蕓…ごめんなさい、力になれなかった」「私のことで自分を責めないでください、私は望んで嫁ぐのです」昭蕓は今まで容楽と無憂が愛し合いつつ別れたことが不思議だったが、無憂が愛しているからこそ離れて見守ると決めたのだと分かったという。そしてこの決断が無理に一緒になるより、いかに勇気が必要なのかも知った。「公主姐姐、無憂哥哥と幸せになって欲しい、でも運命に逆らえぬことも分かります ただ誤解したままなのは残念でしょう?夫婦は無理でも盟友ならなれるはず」「昭蕓…私たちの間にあるのはただの誤解じゃないの」「じぇじぇ!無憂哥哥はあなたを心から愛しているのです」すると昭蕓はまだ幼い頃の無憂の話を教えた。以前の無憂は無郁以上に遊び好きで、素直で明るい少年だったという。しかし7歳の時に雲(ウン)貴妃が亡くなると、陵にこもって命さえ危険な状態となった。それから人が変わったように感情を見せなくなったという。その頃、孫雅璃のもとにようやく医者が現れた。しかし医者が連れてきた従者が痕香(コンコウ)だとは誰も気づいていない。一方、昭蕓は懸命に容楽の誤解を解いていた。「公主姐姐、無憂哥哥が将軍との婚礼に闖入(チンニュウ)して酷いことを言ったのもあなたのためです そのせいで中山(チュウザン)を離れた間は思雲陵に参ることもできなかった それほど愛しているのですよ? ただ心を閉ざして来たせいで、伝え方を知らないだけです」「昭蕓、ありがとう…私たちの未来は分からないけれど、あなたの話を聞けて良かったわ ふふ、今ではあなたの方が公主姐姐より愛を理解しているようね」「あなたと無憂哥哥にはまだ希望がある、約束してください、機会があれば決して逃がさないと」容楽は足を怪我した雅璃の様子を見て来ると言って出て行った。独りになった昭蕓は花嫁用の冠を眺めていたが、誰かが戸を叩く。そこで戸を開けてみると、なぜか容楽が立っていた。「公主姐姐?何か…」しかし容楽は部屋に入って戸を閉めたかと思うと、いきなり昭蕓の首をつかんで締め上げる。実はその頃、本物の容楽は雅璃にお茶を入れていた。すると昭蕓の部屋から物音が聞こえ、容楽たちは驚いて飛び出して行く。「昭蕓?!」容楽と雅璃が昭蕓の部屋へ入ると、驚いたことに容楽と全く同じ容貌の刺客がいた。容楽は自分と瓜二つの顔をした刺客と手合わせになった。騒ぎに気付いた無憂が駆けつけたが、どちらが本当の漫夭(マンヨウ)なのか見分けがつかない。するとひとりは無憂に助けを求め、もうひとりは倒れた昭蕓の元へ駆け寄った。無憂は昭蕓を助けず自分に泣きついた漫夭が偽物だと判断、しかし逃げられてしまう。昭蕓は無事だった。容楽は自分が本物だと安心させると、昭蕓は容楽と全く同じ顔だったと訴える。そこへ無憂が戻ってきた。昭蕓は咄嗟に容楽から賊の話を聞くよう勧め、無憂たちを和解させようとする。すると雅璃も昭蕓の思惑に気づき、自分が付き添っているので外で話すよう促した。(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑ナイスアシスト!中庭に出た容楽と無憂、そこで容楽は賊が変装術で自分に扮していたと訴えた。無憂の話では天仇門(テンキュウモン)の者だという。「最近、そなたの周りでは常に怪しい動きがある、危険にさらされているようだ そなたを残して青州に向かったのは間違いだった」容楽は居たたまれなくなって背を向けて歩き出したが、無憂が引き留めた。「青州ではいろいろなことがあった… 私は都での愛憎を忘れるため青州に向かったが、密命もあった 頻発する反乱の理由を探れと命じられたのだ 反乱の平定は戦場で戦う危険だけでなく、刺客にも備えねばならない 調べによると南境の豪族は反乱軍と結託し、民から搾取している こんな機密を明かすのを不審に思うか?どんなことであろうと隠し事はしたくない 今後は何もかもそなたに明かすつもりだが、何も求めぬ 今が幸せなら将軍夫人であろうと構わぬ」すると無憂は容楽に無隠楼(ムインロウ)を動かせる扇子を差し出す。「ただそなたを守りたいだけだ」容楽はとても受け取れなかったが、そこへちょうど知らせを受けた鎮北王・寧千易(ネイセンイ)が駆けつけた。そこで無憂はその機に乗じ、容楽に扇子を預けてしまう。一方、賊を追っていた冷炎(レイエン)は林の中で偽の容楽に追いついた。しかしそこに覆面の黒衣の男が現れ、賊を連れて逃げてしまう。覆面の男は傅筹だった。傅筹は昭蕓を暗殺して北臨と宸国の結盟を阻止すると同時に警護を任されている無憂も罰せられると企んだが、まさか痕香に台無しにされるとは…。「なぜ容楽に扮したっ!」東郊(トウコウ)客桟(キャクサン)に到着した傅筹は痕香のお面を剥ぎ取り、激怒した。痕香は証拠なら何もないと反発、傅筹が自分の正体を知られるのが怖いだけだと指摘する。図星だった傅筹は激情に駆られ、思わず痕香の首を絞めた。「警告しておく、容楽を巻き込むな、私に逆らうな…」「ゥッ…あの女を愛しては…駄目よ…」「黙れっ!」傅筹は自分の気持ちを見透かされ、慌てて痕香から手を離した。しかしこれで敵も警戒を強めることになり、傅筹は頭が痛い。すると痕香は皇太子の相手はもう耐えられないと涙ながらに訴えた。「…すまない」傅筹は痕香の自分への気持ちを利用し、うまく丸め込む。「ちゃんと考えている、心配するな、目的を果たしたら必ず東宮から出してやる」痕香は傅筹の優しい言葉にほだされたが、その甘さにすぐ気づいた。「お前は私の腹心だが今日の失敗は許しがたい、罰は免れぬぞ…誰か、懲罰だ」すると密室から鬼面の男たちが現れ、痕香は連行されてしまう。傅筹は昭蕓の輿入れの護衛を命じられた。恐らく宗政無憂が駅館の刺客は自分に関係あると悟って指名したのだろう。傅筹は仕方なく引き受け、常堅に駅館にいる容楽を連れ戻すよう命じた。翌朝、傅筹が駅館に到着すると、無憂は早速、聞きたいことがあると声をかけた。「清涼(セイリョウ)湖で鎮北王を狙う刺客が出現し、昨夜は昭蕓公主が狙われた いずれの賊も和親の阻止が目的のようだ、連中は仲間だと思うか?」「その場にいた黎王殿下ならお分かりなのでは?」「賊は雑魚に過ぎぬが、手口は天仇門のようでもある」牽制された傅筹はしばし無憂とにらみ合いになったが、そこに鎮北王が現れ助かった。つづく( ˘ω˘ )うむ…傅筹はなぜ容楽を駅館に行かせたのだろう?
2020.07.18
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白发 Princess Silver第24話「駆け落ち」御花園で開かれた鎮北(チンホク)王・寧千易(ネイセンイ)のお妃選び。宝探しを終えて殿内に集まった皇族の娘たちの中には昭蕓(ショウグン)郡主の姿があった。すると皇后が鎮北王を連れて現れる。鎮北王は早速、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)と一緒にいる昭蕓を見つけ、2人の元にやって来た。寧千易は自分の宝物を見つけたのが昭蕓だと発表した。箱の中には宸国の最高権力を示すと言う馬鞭(バベン)が入っているという。「君に贈ろう」昭蕓はついに無郁への贈り物を手に入れたが、話はそれだけで終わらなかった。「どうか私の王妃になって欲しい」ちょうどその言葉を偏殿から戻った黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)も聞いていた。皇后の話では宝探しは鎮北王の提案で、自分の宝を見つけた幸運な娘を王妃にすると申し出があったという。無郁は謀られたと気づき、腕節で勝負をつけようとした。しかし無憂が駆けつけ、まずは父に掛け合おうとなだめる。無郁は昭蕓に安心して待つよう伝え、慌てて出て行ったが…。北臨(ホクリン)帝は御書房で范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)と尉(イ)国への親征ついて相談していた。そこへ先触れもなく、いきなり無郁と無憂がやって来る。すると無郁が唐突に宸国との縁談を反対し、昭蕓が好きだと訴えた。実は鎮北王が昭蕓郡主に求婚したという。しかし北臨帝は宸国の支援と引き換えに好きな妃を選ぶよう認めた手前、鎮北王が昭蕓を選んだからと言って前言を覆すことはできないと言った。范陽王はならば昭蕓が陳王の許嫁だと告知したらどうかと提案する。その時、鎮北王の侍衛・厲武(レイブ)が駆けつけ、鎮北王は昭蕓郡主を選んだと報告した。婚姻が決まったので約束通り良馬を贈るが、もし反故にするなら鎮北王は直ちに帰国するという。無郁は父の答えを固唾をのんで見守ったが、北臨帝は約束を取り消すつもりはないと断言した。「昭蕓郡主を公主に封じ、2日後、宸国へ嫁がせる」厲武が下がると、無郁は父の無情な決断に激昂した。しかし北臨帝はそもそも昭蕓との仲を早く言わなかった無郁の責任だと指摘する。←( ˘ω˘ )確かに昭蕓を奪われた無郁は自暴自棄になり、父に向かって暴言を吐いた。「私の幸せを第一に考えてくれる父親が欲しかった… 権力や利益を優先する陛下のような父親ではなく!」驚いた無憂は口が過ぎるとたしなめたが、無郁の怒りの矛先は無憂にも向けられる。「七哥、冷静なあなたでも漫夭(マンヨウ)の輿入れを阻めなかった… 婚姻による同盟に反対だと言いますが、この風習は数百年も続いている! 今さら変えろと言っても無駄なのです!」北臨帝は出征前に兄弟喧嘩をしている場合かと叱ったが、無郁の怒りは治らなかった。「父皇、あなたも若かりし頃があった、雲(ウン)貴妃に何をしたかお忘れですか?!」すると無郁は出て行ってしまう。北臨帝は苛立ちを隠せず、ともかく無郁が何かしでかす前に連れ戻せと命じた。無郁は宮中を飛び出し、昭侯府を訪ねた。すると叔父の後添いだという女が対応し、役立たずの昭蕓ならいないという。「郡主がいるのは栄誉だと言われるけど、ただの穀潰しよ、ろくに家事もできないんだから」激怒した無郁は門衛と小競り合いになったが、そこへ無憂が駆けつけ止めた。その時、騒ぎに気づいた昭蕓の叔父が現れる。「(O_O)あっ!黎王殿下、陳王殿下にご挨拶を!」昭侯は2人の皇子に気づいてひざまずくと、後添いと門衛も慌てて謝罪した。そこで無憂は今後、昭蕓を自分の妹とすると伝え、虐げるようなことがあれば容赦しないと釘を刺して帰ることにする。「私は明日、寧千易を訪ねる、お前は昭蕓を探せ」「七兄…御書房で言ったことは忘れてください」無憂は気にしていないと笑顔を見せ、まだ解決の余地があると励ました。一方、将軍府でも容楽(ヨウラク)が泠月(レイゲツ)から鎮北王が昭蕓を王妃に選んだと聞いていた。容楽は宝物が昭蕓が予想した通り鞭だったと知って驚いたが、宸国に嫁がせるわけにはいかない。しかしそこに傅筹(フチュウ)が現れた。傅筹は郡主の婚姻なら朝廷でも正式に宣告されたと伝え、もし西啓の長公主が口を挟めば妨害と受け取られると警告する。「鎮北王の婚姻の件には関わるな」その頃、昭蕓は攏月(ロウゲツ)楼に隠れていた。沈魚(チンギョ)は夜も更けたので公主は来ないと伝え、良ければ自分に悩みを打ち明けてくれという。実は沈魚にも愛する人がいて両親がいないと聞いた昭蕓は、思わぬ共通点に親近感を持った。「私は今、好きな人に会いたいの!この気持ちが分かるわよね?」「良く分かります、私も長らく想い人に会えていません 中山(チュウザン)に来たと知りつつ、会うのが怖いのです… ←ってえ?そうなの?( ゚д゚) なぜなら…私は…」沈魚は口ごもると、昭蕓のために琴を弾くと言ってごまかした。翌朝、無憂は南城(ナンジョウ)駅館に鎮北王を訪ねたが、寧千易は留守だった。門衛の話では″大事な人の墓参りに行った″と黎王に言づてがあったという。すると無憂は攏月楼で鎮北王が母と先師が尽力した養民(ヨウミン)変法に興味があると話していたことを思い出し、思雲陵(シウンリョウ)にいると分かった。寧千易が参拝していると、予想通り黎王がやって来た。黎王が昭蕓を諦めるよう説得に来たことは承知していたが、愛する人に出会えたら必ず幸せにすると心に誓いを立てている。「ようやく出会えたのだ、諦めたくない」←( ๑≧ꇴ≦)イヤイヤイヤ~愛するの早すぎw寧千易は酒を酌み交わしながら腹を割って話したいと希望したが、無憂は酒を飲まないと誓っているという。そこで杯の酒をこぼした方が相手の要望を聞くのはどうかと提案した。「ただ鎮北王が負けても私は何も強要しない、意見を聞いて欲しいだけだ」無憂と寧千易の手合わせが始まった。2人の攻防が続いたが、結局、寧千易が杯の酒をこぼしてしまう。すると無憂は自分の酒を母に捧げてから、昭蕓の幸せを望むなら本人の意思を聞くべきだと言った。寧千易は実は昭蕓の心に別の者がいると知っていたが、幸せそうに見えないと訴える。「諦めたくないのだ、私は黎王と同じ轍(テツ)を踏みたくない 愛する人が陥れられるのを傍観していたと聞いた ←(∩゚д゚)アーアー 聞こえなーい まさか身を引くことで幸せにできたと?」「意地を貫けば相手を幸せにできるのか?」無憂は自分が婚儀に乗り込んで花嫁を連れ出し、思雲陵で三日三晩も立てこもったと教えた。その時は愛し合っていれば何事も乗り越えられると思っていたという。「だが離れたのは…自分がたちが原因だったと後で気づいた」確かに後悔したが、それは愛する者が別の男に嫁いだからではない。自分が真心で接しなかったことだ。「私は愛する者を欺き、利用した…それは深い傷となり、今でも消えない」「私は欺いたり利用などしていない、ずっと真心で接している」←ずっとって…えっ?( ゚ェ゚)「ではなぜ独断で決める?昭蕓の意思を尊重すべきでは?」沈魚は昭蕓に噂では鎮北王は寛容で徳があり、将来の君主と目されていると話した。何より妃になれば権力と地位を得られる。しかし昭蕓にとっては必要のないものだった。沈魚はならば陳王と駆け落ちするしかないと言ったが、その代わり代償を伴うという。富や権力、地位を犠牲にするだけでなく、命の危険にも晒されるだろう。思わぬ選択を突きつけられた昭蕓、するとついに無郁が現れた。( ๑≧ꇴ≦)沈魚、あやしいーっ!w無憂は鎮北王を連れて攏月楼にやって来た。しかし一足先に到着していた冷炎(レイエン)が2人は逃亡したと報告、郡主の書き置きと宝箱を差し出す。…無憂哥哥、決めたわ、さようなら…驚いた鎮北王が宝箱を開けると、馬鞭と一緒に文が入っていた。…想い人がいます、お許しください…寧千易は陳王の浅はかな行動に憤慨、北臨帝に謁見すると決める。「黎王、あなたは昭蕓の意思を尊重すると言ったが、その機会は最初からなかったようだ 私が選んだ妃は別の男と逃げた、どうやら私も意地を貫くしかないな」「他の男と逃げたのなら意思は明らかだ、受け入れて欲しい」←(*゚▽゚)*。_。)ウン「相手の名誉すら顧みぬ粗忽(ソコツ)な者が昭蕓を幸せにできると?」←(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン無郁は取るものも取り敢えず昭蕓を連れて逃げ出した。鎮北王の訴えを聞いた北臨帝は憤怒、傅筹に2人を連れ戻すよう命じてしまう。そこで無憂は父を訪ね、自分が2人を迎えに行くと申し出た。傅筹は裏で西啓と結託しており、無郁と昭蕓が傅筹に捕まれば命の危険があるという。しかし傅筹を指名したのは北臨帝ではなく、鎮北王だった。無憂は鎮北王に足元を見られているとことを懸念し、実は青州で流民に土地を与え、自給自足をさせながら兵の訓練を行っていると報告する。「時間をくだされば馬の問題も解決してみせます」北臨帝は親征を延期できないが、宸国を牽制するためにその情報を鎮北王に知らせても構わないと認めた。「朕には別の手立てがあると分からせよう…無郁には申し訳ない 父親なら誰でも子供の幸せを願っておる、朕は国の主ながら息子も幸せにすることができぬ…」父の葛藤を知った無憂は、自分が必ず丸く収めると安心させた。駆け落ちした無郁と昭蕓は川沿いの林で暖を取っていた。しかし勢いで飛び出したせいで銀子も食料もない。無郁はたまたま死んでいた魚を取って焼いたが、昭蕓は逃げ延びることができたとしても庶民になってしまうと言った。「王府の栄華や富を失うけど後悔しない?」「高貴な身分など必要ないさ~これからは2人で生きる」無郁は昭蕓の指に誓いの指輪をはめたが、その時、突然、矢が飛んで来た。無憂と昭蕓は慌てて走って逃げた。しかしあっけなく兵士たちに包囲されてしまう。そこへ傅筹が現れた。「陳王殿下、昭蕓郡主は宸国へ嫁ぐことになりました、皇宮に連れ戻します」「死んでも昭蕓を渡すものか!」傅筹は陳王が勅命に逆らって逃げようとしたことを利用し、斬りかかった。足を斬られた無郁は立ち上がれず、その時、傅筹が剣を振り上げて飛びかかかって来る。しかし危機一髪のところで無憂が現れ、傅筹を阻止した。無憂は無郁と昭蕓にひとまず皇宮へ帰るよう説得した。しかし無郁は七兄と漫夭の悲劇を繰り返したくないと拒否、再び逃亡を図ろうとする。傅筹はまさに好機だと剣を構えたが、無憂が立ちはだかった。思いがけず一騎討ちとなった因縁の2人、その時、無郁が昭蕓をかばって胸に矢が刺さってしまう。すると昭蕓は無郁の命より大事な物などないことに気づき、皇宮に戻ると決めた。無憂は父に昭蕓郡主を無事に連れ戻したと報告した。しかし無郁は負傷し、許しを請うため外でひざまずいているという。驚いた北臨帝は無傷で連れ戻せと命じたはずだと憤慨したが、傅筹は陳王がひどく抵抗したので配下が手荒な真似をしたと釈明した。すると昭蕓は自ら宸国に嫁ぐという。「無憂哥哥、私が嫁げば民はもちろん無憂哥哥や無郁、公主姐姐が幸せに暮らせるのでしょう? だったら思い残すことはありません」つづく(TㅅT)ああ…昭蕓…昭蕓の言葉、聞いてたか?!傅筹💢まあ〜でも鎮北王に嫁いだ方が最終的には正解かも?w
2020.07.16
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白发 Princess Silver第23話「御花園の罠」皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)に呼ばれて東宮を訪ねた傅筹(フチュウ)。痕香(コンコウ)は容楽(ヨウラク)に心を奪われた傅筹に苛立ちを隠せず、つい深酒してしまう。「香夫人は酒を過ごされたようですね?」傅筹がそれとなくたしなめると、憤慨した痕香は将軍夫人に挨拶に行くと言い出した。驚いた傅筹は咄嗟に自分が案内すると席を立ったが、皇太子から国の大事を話し合うと止められてしまう。一方、容楽(ヨウラク)も鎮北(チンホク)王・寧千易(ネイセンイ)からもらった酒で珍しく深酔いしていた。様子を見に来た泠月(レイゲツ)は公主が木彫りの人形を手にしていることに気づき、しまっておくよう諌める。「将軍が見たら喧嘩になりますから…」泠月は人形を取り上げようとしたが、容楽は怒って渡さなかった。↓ついに全貌が明らかに!w「私の心を管理しようなんて無理よ~私にも手に負えないんだからっ!」その時、突然、痕香が現れる。「だったらなぜ将軍府に留まっているの?!出て行ってよ!」泠月は酔った2人に手がつけられず、慌てて将軍に知らせに向かった。痕香は傅筹の心を独占しながら他の男を想っている容楽に激怒し、容楽が大事にしている人形を奪い取って床に投げつけた。すると木彫りの人形が真っ二つに割れてしまう。「なぜ壊すの?!愛することも嫁ぐこともできず、会うことも叶わない… 想うくらいいいでしょう?!」「将軍の妻なら他の男は忘れなさいよ!」「ならあなたはどうなのよ!」「私はやむを得ず太子に嫁いだの!」「私もよ、自分で選んだ人ではないわ、替え玉のあなたが選んだんじゃない! 将軍を愛しているなら、なぜ嫁がなかったの?!」「嫁ぎたかったわ!幼い頃からずっと好きだったのよ、嫁ぎたかった… そばにいたいから自ら望んで犠牲となり、太子に嫁いだの!」「将軍府のどこがいいの?監獄のようで息が詰まりそうよ!ずっと見張られてる 私が何をしたって言うの?私は妻じゃない、将軍の手駒でしかないわ でも私が責めると悲しげな顔をするから…だからチベスナ顔するしかないの!」←( ๑≧ꇴ≦)え?すると痕香は自分たちが同類だと知り、容楽に親近感が湧いた。一方、容楽もなぜか痕香には本音をぶちまけられると気づき、親しみを覚える。「私は自分が誰か、家がどこかも分からない、家族の居場所も…ゥッ…」「そうね…私の家はどこ?家族は?どこにいるの?…ゥッ…」2人は自然と抱き合い、そのまま泣き始めた。皇太子の″国の大事″とは鎮北王の相手探しだった。自分と懇意の皇族の娘から将軍に良い娘を選んでもらい、明日の皇后の宴に紛れ込ませたいという。しかも妃候補だけでなく、宗政無憂(ソウセイムユウ)のためにもお膳立てしたと自慢した。「再起できぬよう叩き潰してやる!」しかしなぜか何をするのか傅筹には教えてくれない。すると皇太子は正妃の家族が来ているため、今晩だけ痕香を将軍府に泊めて欲しいと頼んだ。困惑する傅筹だが、その時、泠月が現れる。「将軍、大変です!公主と香夫人が喧嘩を!」傅筹と皇太子は慌てて将軍府に駆けつけた。しかし静謐(セイヒツ)園では酔いつぶれた容楽と痕香が仲良く寝台で寝ている。皇太子は安心し、痕香を隠したい時はまた連れて来ると笑った。翌日、皇后は花見という名目で御花園に皇族の娘たちを集めた。しかも今回は特別な催しとして宝探しがあるという。それは鎮北王が宸(シン)国からはるばる持って来た宝だった。見つけた者が宝をもらえると聞いた昭蕓(ショウウン)郡主は俄然やる気を出し、容楽に宝探しを手伝って欲しいと頼む。宸国では汗血馬が貴重なため、宝は恐らく馬具だろう。昭蕓は馬術が好きな陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)に贈りたいと説明し、2人の出会いのきっかけも馬だったと教えた。しかしそこへ孫雅璃(ソンアリ)が現れる。昭蕓は雅璃も無憂のために宝を取りに来たのかと敵視したが、雅璃の目的は容楽だった。容楽は雅璃が自分に用事があると気づき、昭蕓をひとりで宝探しに行かせた。すると雅璃は実は茶道を教えて欲しいという。容楽は快く将軍府に招待し、雅璃はこれで傅筹に会える機会を得た。その時、雅璃は偶然、皇太子が侍女に何やら命じている様子を見かける。興味はなかったが、なぜかその侍女が容楽の元へやって来た。「将軍夫人、皇后娘娘(ニャンニャン)がお呼びです」容楽は侍女について行ったが、雅璃は皇后の侍女と皇太子が何を話していたのか気になった。侍女は容楽を偏殿へ案内すると、香を焚き、間もなく皇后が来ると伝えた。すると侍女は容楽の衣にわざとお茶をこぼし、着替えを持ってくるので隣の浴室で待つよう勧める。容楽は早速、浴室で汚れた外衣を脱いだが、急に頭がくらくらして来た。無郁は無憂と御花園を散策しながら、昭蕓への贈り物は何がいいか相談していた。するとうっかり昭蕓からもらった木彫りの人形を落としてしまう。その人形を拾ったのは寧千易だった。無郁はすぐ気づいて返して欲しいと言ったが、なぜか寧千易は陳王の物だという証拠はないと拒む。2人は人形の取り合いとなり、咄嗟に無憂が人形を奪って無郁に返してやった。「鎮北王、これは本当に九弟のものだ」「ふん、実は最初から知っていた」寧千易は腕が鈍っていたので陳王と手合わせしたかっただけだとごまかす。そこへ侍女がやって来た。「黎王殿下、皇后娘娘がお呼びです」侍女に偏殿へ案内された無憂、しかし殿内の様子がどこかおかしい。見回してみると、どうやら隣の浴室に誰かが倒れているのが見えた。無憂は様子を見に行ってみたが、倒れているのが容楽だと気づく。「漫夭(マンヨウ)!どうした?!」驚いて駆け寄る無憂、すると容楽は潤んだ目で無憂を愛おしそうに見つめ、肩に手を回した。ともかく無憂は容楽を抱き上げて出て行くことにしたが、扉には外から錠が掛かっている。すると2人は媚薬の仕込まれた香のせいでうっとり見つめ合い、自然と身体を寄せ合って…。その頃、ひとりで散策していた雅璃は偶然、皇太子とぶつかった。皇太子は美しい雅璃を見て思わず手を握りしめると、ちょうど傅筹が現れ、雅璃を助けてくれる。その時、侍女が駆けつけ、皇太子に準備が整ったと報告した。喜んだ皇太子は招待客たちに面白いものを見せると声をかけ、偏殿へ向かう。傅筹はふと皇太子が宗政無憂にもお膳立てしたと話していたことを思い出し、嫌な予感がした。すると雅璃が今の侍女は夫人も連れて行ったと教える。傅筹は皇太子の下劣な計画に気づき、慌てて皇太子を追いかけた。皇太子は容楽と無憂の私通現場を取り押さえようと偏殿に乗り込んだ。しかし寝所に2人の姿はない。侍女はまだ浴室があると進言したが、傅筹が慌てて皇太子を止めた。浴室に押し入って妻しかいなければ、皇太子の品性が疑われることになるという。「陛下が香夫人の件でお怒りになったばかり、火に油を注ぐのですか?」「父上に誤解されても構わん!不届きものを許すわけにはいかない!」引っ込みがつかない皇太子は梃子でも動こうとしなかった。そこで傅筹は自分が中に入って確認すると提案、他の者がいれば容赦しないという。「うむ、夫が現場を押さえた方が面白い!私はここで待とう!」←( ๑≧ꇴ≦)太子www傅筹が浴室に入ると、容楽はひとりで湯船に入っていた。しかし誰より傅筹がそのからくりを知っている。傅筹は恐る恐る湯船のふたを一枚ずらしてみると、案の定、そこには潜って隠れている無憂の姿があった。↓ぶくぶく無憂.oO…やめて、お願い…容楽は声にならない声で傅筹に訴える。すると傅筹は黙ってふたを戻し、悲しみと怒りを必死にこらえながら、嘘をつくしかなかった。「湯船に落ちたのか?濡れたままでは風邪を引く、私の衣を羽織れ 外で待っているから一緒に帰ろう」傅筹は浴室にいたのは妻だけだったと嘘をついた。納得がいかない皇太子は自分の目で確かめると言ったが、傅筹が咄嗟に耳元で囁く。「殿下は官職売買の件で余(ヨ)家親子を殺して口封じ、黎王に刺客を送った上、媚薬を盛った 陛下に知られたらどうなるでしょう?」皇太子は仕方なく引き下がり、侍女は嘘をついたとして収監されてしまう。皇太子たちが偏殿をあとにすると、雅璃は夫人の着替えを手伝うと申し出た。しかし傅筹は珍しく狼狽し、我が家の問題は自分たちで解決すると断る。…まさか公主は本当によその殿方と?そこまで許すなんて…雅璃は傅筹の気持ちを察して慌てて下がると、傅筹も外へ出て扉を閉めた。そこで常堅(ジョウケン)に容楽を任せることにする。「今後はお前が項影(コウエイ)の務めを果たせ、夫人が出て来たら将軍府へ」( ๑≧ꇴ≦)えーっ!項影どこ行った?!そして常堅←New!湯船に潜っていた無憂はようやく顔を出した。「ぷはーっ!」「大丈夫?」「平気だ…」媚薬で惑わされながらも理性を保ち、過ちは犯さなかった無憂…。あの時、無憂は漫夭を連れて浴室へ戻り、香を捨ててから左手を湯に浸けた。侍医から水に濡らすなと注意されていたが、無憂は激痛のおかげで我を取り戻すことに成功する。「早く行け…」無憂は漫夭を急かしたが、いざ漫夭が傅筹の衣を持って出て行くと、何とも切なくなってしまう。偏殿を出た容楽は常堅の馬車で帰って行った。すると傅筹は偏殿へ戻り、ちょうど浴室から出て来た無憂を殴ってしまう。「私の妻に近づかぬよう…」「夫人をしっかり守るんだな」一方、昭蕓は宝物探しに熱中していた。すると突然、無郁が現れ、宝物なら見つけたと嘘をついて手作りの指輪を贈る。昭蕓は騙されたと激怒、遊んでいる暇はないと焦って再び宝探しに戻った。寧千易は初めから宝物を昭蕓に渡すつもりだった。そこで鎮北王の侍衛・厲武(レイブ)は昭蕓の目の前にわざわざ宝箱を投げてやる。昭蕓はまた無郁がふざけているのかと思ったが、宝箱の中には鞭が入っていた。「天から降って来たわ!」← (O_O)さすがにこれは…つづく(^ꇴ^)傅筹将軍の『嫌な予感シリーズ』
2020.07.15
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白发 Princess Silver第22話「和親同盟の真意」容楽(ヨウラク)は傅筹(フチュウ)に利用されたと知り、不信感を募らせた。傅筹は黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)を許したように自分も許して欲しいと訴えたが、容楽はどうせまた自分を利用するのだろうと冷たい。「出て行って、1人になりたいの…」しかし容楽は酷い頭痛に襲われ、そのまま倒れてしまう。その頃、再会を果たした陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)と昭蕓(ショウウン)郡主は黎王府の中庭て幸せな時間を過ごしていた。「今日、助けに来た無憂哥哥は見たことがないほど動揺していたわ 今も公主姐姐を思っているのね」その時、ちょうど宮中から帰って来た無憂が2人の会話を耳にする。「2人の間には誤解があるのよ、無憂哥哥の帰京を聞いて公主姐姐の顔色が変わったの 今も忘れていないのよ、想い合う2人が離れ離れなんて悲しすぎるわ…」すると昭蕓はせっかく心が通じ合っても一緒になれないなら、出会わない方が幸せだという。無郁は自分たちは絶対にそうならないと安心させ、共に白髪が生えるまで一緒だと誓った。蕭煞はまだ足を引きずっている泠月(レイゲツ)にこっそり薬を差し入れた。公主の薬を煎じていた泠月は薬瓶に気づき、蕭煞が置いて行ったと察する。一方、傅筹は容楽の傍らに付き添い、いつ目を覚ますとも分からない不安に襲われていた。「容楽?これは君が与えた罰か、それとも天罰か?…こんな罰は耐え難い 君が目覚めるなら、私を愛さぬのも、ここを離れるのも君の自由だ 恨まれようと私は構わぬ、目を覚ましてくれ…」容楽の手を握りしめ、うなだれる傅筹、その時、容楽がわずかに頭を動かしたが、傅筹は見逃した。その時、容楽は再び秦(シン)家の旧宅の夢を見ていた。…回廊で遊ぶ2人の姉妹…2人は一緒に板石に水をかけて密室の鍵を開けている…『文王は上にありて天に昭かなり、周は旧きに邦なれど命は新たなり』…母の後に続いて暗唱する姉妹「はっ!」「容楽、気がついたか?!」ようやく目を開けた容楽だったが、傅筹の顔を見るなり嫌悪感をあらわにした。傅筹は刺激を与えないよう引き上げることにしたが、ちょうど入れ違いで侍女が食事を運んで来る。すると侍女は将軍が三日三晩、飲まず食わずで夫人を看病していたと容楽に教えた。沈魚(チンギョ)は容楽が倒れたと知って見舞いにやって来た。容楽はもう大丈夫だと安心させたが、もはや身を置く場所がなくなったと嘆く。「私は家なしよ…」しかし沈魚は思い出せないだけだと励ました。「そうだ、また秦家の旧宅の夢を見たわ、前よりも鮮明だった」「もう一度、訪れてみれば何か思い出すかも?」( ˘ω˘ )うーん、いちいち怪しいわ~沈魚その夜、容楽は覆面に黒衣姿で秦家の旧宅に忍び込んだ。すると偶然にも覆面で顔を隠した黒衣の侵入者を見つける。驚いたことにその曲者は鍵を開け、密室に入って行った。容楽は曲者の正体を暴こうと密室に入ったが、隠れていた曲者に襲われてしまう。容楽と曲者は密室で手合わせになった。激しい攻防が続いたが、やがて容楽がついに曲者の覆面を外すことに成功する。しかし背を向けていた曲者はそのまま逃走、容楽は結局、顔を見ることができなかった。実はその曲者は痕香(コンコウ)だった。思いがけず侵入者と鉢合わせした痕香だったが、無事に太子府に戻る。そこには何も知らずにぐっすり眠っている皇太子の姿があった。…あれは何者なの?傅筹は容楽が去ってしまったと思い、静謐(セイヒツ)園の寝殿でひとり悲しみに暮れていた。しかし夜も更けた頃、ふいに容楽が戻って来る。「二度と会えぬかと思った…」「心配無用よ」「それは私を許すという意味か?!」「約束の1年まで、あと半年はここにいるわ」傅筹は自分たちの間にあるのは情でも信頼でもなく、もはや約束だけだと思い知る。「約束は覚えている…半年後も君が同じ気持ちなら私たちは別れよう 実は鎮北(チンホク)王から明日、攏月(ロウゲツ)楼に誘われた、行ってくれるか?」「…行くわ、将軍との約束ですもの、半年間は妻の義務を果たすわ」容楽は傅筹が出て行くのを待ってから、侵入者から剥ぎ取った覆面を取り出した。…あの女は誰?鎮北王・寧千易(ネイセンイ)は唯品(ユイヒン)閣の中庭で容楽と傅筹を出迎えた。2人は鎮北王に丁重に拝礼したが、寧千易は無礼講にしようという。「洒脱な雰囲気に魅せられて攏月楼へ招いたのだ、呼称にこだわるなど不粋すぎる」「同感です、それこそ茶道の目指すところ 貴賎(キセン)を問わず共に一杯の茶を味わう、身分を超えて集える平等な世界です」寧千易と容楽は早速、意気投合すると、寧千易は平等に名前で呼び合おうと提案した。「私は千易だ、だが待てよ…傅筹は″不忠″と同じ音だ、やはり将軍と呼ぼう」( ˘ω˘ )またしても蚊帳の外w寧千易は2人に宸国から持参したという″鳳凰水仙″を振る舞った。すると容楽は確かに銘茶だが、山川の気を吸ったお茶を入れるなら天然の水が最適だと助言する。「水仙茶は露水で入れてこそ神髄が味わえます」寧千易は露水がなく残念だと落胆したが、傅筹は店主に頼めば出してくれると笑った。実は攏月楼の店主は容楽だという。「容楽には驚かされる 清涼(セイリョウ)湖では官吏の娘かと思っていたら、なんと西啓(サイケイ)の長公主だった 黎王が助けに来たので黎王妃かと思えば、実は傅将軍の夫人だった ならここは2人の思い出の場所だろうな?愛の記憶がたくさんあるに違いない」容楽と傅筹は気まずくなってうつむいたが、寧千易は2人が恥ずかしいのだと誤解した。「その表情は甘い記憶を思い出したのだな?まさか戦場の豪傑が艶話に照れるとは意外だった」何とも答えようのない容楽と傅筹、そこで容楽は露水を準備して来ると席を立った。傅筹はこの機に清涼湖での警護の不備を謝罪した。しかし寧千易は2人の命の恩人と出会えてむしろ感謝しているという。その恩人とはもちろん容楽だったが、もう1人とは黎王だった。「黎王は容楽を助けたうえ私の身まで守ってくれた、2人がいなければ今頃、私は黄泉の国にいる」傅筹は鎮北王が実は宗政無憂も招待していると知り、嫌な予感がした。「ぁ~容楽の様子を見て来ます、手伝いが必要かもしれないので…」「それがいい、容楽のような女子が夫人なら大切にすべきだ」「…同感です」寧千易は確かに親しみやすそうだが、言葉の端々に含みがあった。その頃、無憂は攏月楼に到着していた。すると唯品閣の部屋でちょうど物思いにふけっている容楽を見つける。容楽は沸騰した露水に気づいて立ち上がったが、その時、傅筹が声をかけた。急に振り返った容楽は袂が鉄瓶にあたり、うっかり落としてしまう。傅筹は咄嗟に素手で鉄瓶をとらえると、驚いた容楽は鉄瓶を置いてから傅筹の手のひらを心配した。わざと親密なところを無憂に見せびらかす傅筹、その時、中庭から寧千易がやって来る。「黎王!やっと来たか!」容楽はそこで初めて無憂がいたと知り、身の置き場がない。そこで傅筹は妻が火傷をしたと口実をつけ、容楽を連れて帰ることにした。容楽たちが門に向かっていると、鎮北王の侍衛・厲武(レイブ)が現れた。鎮北王から容楽へ露水へのお礼だという。傅筹はありがたく受け取ろうとしたが、厲武は公主に直接、渡すよう命じられていると断った。傅筹は道すがら、鎮北王が鷹揚(オウヨウ)そうに見えるが腹が読めないと警戒した。「気軽に友と呼ぶには危険な男だ、今後の付き合いは慎重にせねば…」「考え過ぎよ…」「人柄も目的も分からぬが、鎮北王の一言に胸を突かれた 確かに私は戦場では動揺せぬが、情には心が揺らぐ 死に瀕しても心は乱さぬと思っていた… まさか私を進退窮まらせ、動揺させる存在がこの世にいたとは…私自身も意外だった」容楽を見つめる傅筹、しかし容楽にとって傅筹の想いは重荷でしかなかった。 ←主観ですw一方、無憂は寧千易に腹を割って話したいと持ちかけていた。鎮北王が清涼湖で初対面の容楽を命がけで助けたことから、口先だけの偽善者とは思えないという。寧千易は率直な黎王を気に入り、偽善者の前では偽善者になるが、正直者の前では同じように腹を割って話すと共感した。そこで無憂は北臨へ来たのは婚姻同盟のためと聞いたが、真の目的は何かと尋ねる。すると寧千易は国土を広げる戦より北臨の仁愛政策に興味があると切り出した。「以前、雲貴妃と秦永(シンエイ)丞相が″養民変法″を推進した際、 変法の措置を山河志(サンガシ)に残したそうだな?山河志を見たことはあるか?」「山河志は母妃と秦師父が心血を注いだ書で遺品でもある、書の趣旨は民の暮らしと国家の安泰だ だがこの書が取り返しのつかぬ災禍を招き、多くの者が巻き込まれた 私も山河志を手に入れるため、犠牲を払っている…」無憂は鎮北王の真の目的が山河志だと知り、ならば話すことはないという。しかし寧千易は誤解だと否定し、山河志を略奪する気も独占する気もないと釈明した。「その言葉を永遠に忘れないで欲しい、民を思う心と共にな…」「実は聞きたいことがもう1つある…」「私と容楽の過去とは言わぬだろうな?」「2人は相思相愛なのだろう?黎王のように鷹揚な君子が、なぜ世間の常識にこだわるのだ? 私が真に愛する娘に出会ったら、どんな障害も乗り越え幸せにする!」「それが誠なら山河志がなくとも養民変法を施行できるだろう 同様に手に入れずとも愛することはできる」無憂に釘を刺された寧千易はそれ以上、追求しなかったが、急に昭蕓のことに触れた。「清涼湖では昭蕓郡主も怪我をしたはずだ、具合はどうだ?」「…大事ない、ご心配に感謝する」「ならよかった、いずれ直接、見舞いにうかがうよ」無憂は鎮北王が昭蕓を気にかけていることが引っかかった。黎王府に宮中から侍医が駆けつけ、黎王の左手の包帯を交換して帰った。青州の戦いでも無傷だった七兄が漫夭(マンヨウ)と再会した途端に負傷するとは…。無郁はやはり相性が悪いのだと口を滑らせ、慌てて話を変えた。「鎮北王の人柄は?」「鷹揚で好ましい人物に見えた…だが本音は計り知れぬ そうだ、昭蕓との縁談は父上に報告したか?できるだけ早く伝えろ」そこへ孫雅璃(ソンアリ)が訪ねて来た。雅璃は黎王が怪我をしたと聞いて薬を持って来たという。すると無郁は気を利かせ、冷炎(レイエン)を連れて出て行った。無憂は雅璃がこんな夜分に訪ねて来たのには大事な話でもあるのだろうと言った。「何もかもお見通しですね、お願いがあって参りました」明日は皇后が宮中の花園で花見の宴を開くことになっていた。すると無憂は雅璃が行きたいなら一緒に行くと言ってくれる。実はこの宴は鎮北王の花嫁選びだった。北臨帝は皇后に明日の宴で不始末がないよう念を押していた。しかし皇后は皇帝が鎮北王の相手に孫雅璃を考えていると知り、動揺を隠せない。「雅璃を遠い宸国に嫁がせるのは…誠に手放し難く存じます、黎王は私以上に離れ難いはず…」皇后は2人がすでに約束の品も交わしていると報告し、2人を引き離すのは酷だと訴えた。鎮北王の容楽への贈り物は酒だった。すると箱に文が入っている。…憂いの解けんことを…一方、東宮では痕香が皇太子の迷惑にならないよう、自分を将軍府に預けて欲しいと頼んでいた。そこへ約束の時間に遅れて傅筹がやって来る。傅筹は妻が火傷をして医者に見せていたため遅くなったと謝罪すると、不機嫌になった痕香が急に酒をあおり始めた。「香夫人は酒を過ごされたようですね?」つづく(  ̄꒳ ̄)何も言わずとも分かる…寧千易も怪しい(笑
2020.07.14
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白发 Princess Silver第21話「再会と裏切り」傅筹(フチュウ)は皇帝に宸(シン)国の皇弟・鎮北(チンホク)王が清涼(セイリョウ)湖に到着したと報告した。北臨(ホクリン)帝・宗政允赫(ソウセイインカク)は鎮北王が世継ぎと目されていることから、北臨国内で万が一のことがあれば大変な事態になると釘を刺す。おそらく西啓(サイケイ)が同盟を知れば邪魔をしようとするに違いない。しかし傅筹は必ず鎮北王を守ると約束し、皇帝の期待に応えてみせると胸を張った。その時、南境から帰京した陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)が現れる。無郁は一目散に父の元へ駆け寄り、七兄は大事な用があるため、どこかへ行ったと報告した。…戻ったのか?嫌な予感がする傅筹はそこで切り上げ、急いで清涼湖へ向かった。一方、清涼湖では容楽(ヨウラク)と昭蕓(ショウウン)郡主が漁師と魚を賭けて釣りを楽しんでいた。すると昭蕓はうっかり宗政無憂(ソウセイムユウ)たちが戻って来ると口を滑らせる。「無郁にからかわれました、私には魚料理も釣りも無理だと…それで…」昭蕓は容楽が上の空なことに気づき、将軍から何も聞かされていないと分かった。「無憂哥哥は南境に着くなり自ら軍を率いて反乱を鎮めたそうです、爵位も取り戻したとか 公主姐姐は無憂哥哥を忘れていませんよね?無憂哥哥も同じです そうでなきゃ、姐姐の好物の干し棗(ナツメ)を贈ったりしません」泠月(レイゲツ)は公主の気まずさを察してお茶を差し出したが、その時、漁師が湖に漂う黒い影に気づいた。「危ない!刺客だ!」昭蕓が漁師だと思い込んだ男は宸国の鎮北王だった。鎮北王は咄嗟に容楽たちを逃がそうとしてくれたが、刺客が多勢のため巻き込まれてしまう。しかしやがて宸国の配下が駆けつけ、鎮北王は容楽たちを連れてその場から逃げ去った。容楽たちは山道を走っていたが、途中で泠月が転んで足をひねってしまう。←( ˘ω˘ )あやすぃそこで鎮北王は近くの草むらに身を潜めると、昭蕓はなぜ漁師なのに命を狙われるのか怪しんだ。しかし容楽はここで出会ったのも何かの縁、力を合わせて乗り越えようと励ます。「泠月、私が守ってあげるわ!」「昭蕓?あなたに武術ができるの?」「姐姐、無憂哥哥たちの剣の稽古を幼い頃から見ていたから大丈夫!」「あなた方と会えて良かった、死んでも悔いはないよ」「嫁入りもまだなのに死ねるもんですか?!」「あはは(はっ!)もし生き延びられたら…」鎮北王は昭蕓に何か言おうとしたが、その時、再び刺客が現れ、容楽たちは慌てて逃げ出した。鎮北王は自分が標的のため、二手に分かれようと声をかけた。しかし容楽は一緒に戦うと断り、やがて刺客たちに追いつかれてしまう。すると応戦していた容楽が危うくなった瞬間、なぜか刺客の1人がつぶてを投げて守ってくれた。刺客は覆面をしていたものの、容楽はその目を見て蕭煞(ショウサツ)だと気づく。そこへようやく傅筹の側近・項影(コウエイ)が兵を率いて現れた。刺客たちが急に弓矢に倒れた。容楽が振り返ると項影の姿があったが、何やら違和感を感じる。その時、蕭煞が鎮北王めがけて斬りかかった。容楽は自分を殺せないと踏んで鎮北王の前に飛び出したが、蕭煞はもはや剣を止めることができない。しかし突然、無憂が現れ、剣を素手でつかんだ。♪クァイィウェイニー ファファズゥォピンシゥァ~ン クァイィウェイニー ドゥイーシゥフゥァンリィァ~ン危機一髪、剣先はわずかに胸を傷つけたが、容楽は無事だった。すると無憂に蹴り飛ばさた蕭煞は森の中に慌てて逃げて行く。予定外の事態に項影は動揺、目の前で無憂が容楽を連れ去って行くのをただ見ているしかなかった。その頃、傅筹は清涼湖へ馬を駆けていた。しかし前方を行く皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)の一行を見つける。仕方なく馬を降りて挨拶した傅筹だったが、皇太子と一緒に痕香(コンコウ)が車から降りて来た。傅筹は痕香が皇太子を焚き付けて清涼湖に行くつもりだと知り、静かに怒りを燃やす。そこへ項影が報告にやって来た。何かあったと気づいた傅筹は痕香に怒気を含んだ視線を向けると、慌てた痕香は急に具合が悪いふりをする。すると皇太子は痕香がおめでたかもしれないと驚き、急いで引き返すことにした。無憂は容楽と筏(イカダ)に乗った。「今は2人きりだ…初めて会ったことにしないか? 互いに名前も何も知らない、偶然、出会った他人ということに… 姑娘(グーニャン)、傷の手当てを頼めるかい?」そこで容楽は無憂の左手に手巾を巻いてやった。すると無憂はかつて2人で川下りを楽しんだ時のように土笛を吹き始める。容楽は笛の音を聞きているうち、無憂との懐かしい思い出がよみがえって来た。最悪の出会い、短くも幸せだった時、その後に訪れた裏切りと別れ…。やがて無憂の土笛の音が止まった。容楽はふと我に返って桟橋を見ると、ちょうど馬で駆けつけた傅筹の姿が見える。「…刺客に狙われた人は誰?」「宸国の鎮北王だ、同盟を結ぶため北臨へ…」その時、容楽は全てを悟った。筏が桟橋に着くと、容楽が無憂と一緒に降りて来た。出迎えた傅筹は怪我をした容楽を心配して腕を取ったが、容楽はその手を払い、馬車へ行ってしまう。「昭蕓と泠月は?」「軽傷です、将軍府へ送りました」安堵した容楽は黙って車に乗ると、項影は先に馬車を出した。「傅将軍?私への釈明はないのか?」無憂は宸国に関することなら父から任されていると教え、自分に報告するよう命じた。そこで実は襲撃の一部始終を見ていたと教える。傅筹の配下は周囲に潜伏していたにも関わらず、巻き込まれた将軍の妻を救助するのが遅れた。「傅将軍、分かっているのか? あと少し遅ければ貴殿の奥方は死んでいた、この世から消えていたのだぞ?」「だからこそ、殿下の救助に感謝しています」「傅筹…澄ましていれば欺けるとでも?騙せるのは漫夭(マンヨウ)だけだ だから容赦なく利用し、命の危険にさらした…妻などと良く言えたものだ」「…これは単なる事故です 容楽を傷つける気はありません、それは今も昔も将来も同じです 私が容楽を利用しているとお考えなら逆にお聞きします、殿下は容楽を傷つけたことがないと? なければ容楽はなぜ私に嫁いだのです?半年前、容楽は婚儀の場で面目を潰された ずっと後ろ指をさされ続けたのですよ?黎王殿下、全てお忘れで?」(;゚Д゚)ウッ… ←ぐうの音も出ない無憂wあれは確かに酷かったwすると傅筹は自分たち夫婦の平穏な生活を壊さないで欲しいと頼み、馬の元へ歩き出した。「傅筹!将来、私のように後悔するなよ!」「私と黎王殿下は全く違います」一方、念願叶って帰郷した孫雅璃(ソンアリ)は皇后を訪ねていた。皇后は南境で無憂と雅璃が親密になったという噂をすっかり真に受け、2人の婚礼を期待している。「無憂が皇位を継いだらあなたは皇后になれる、その時は私を忘れないでね~」子供がいない皇后は娘のように可愛がっている雅璃を何としてでも皇后に据え、心の拠り所としたかった。無郁は父に昭蕓との縁談をいつ切り出そうかと機会をうかがっていた。しかし北臨帝は鎮北王の相手探しで忙しく、しかも皇太子が早速、自分の配下の娘を推薦したせいで機嫌が悪い。無郁は何とか自分の縁談の話に持って行ったが、今度は無憂がやって来た。北臨帝は無憂が左手に怪我をしていると気づき、すぐ侍医を呼ぶよう命じた。無憂の話では清涼湖で鎮北王が西啓の刺客に襲われたが怪我はなく、すでに駅館へ案内したという。「実は将軍夫人と昭蕓郡主もその場に居合わせたのです」「何だって?!昭蕓も怪我を?!」驚いた無郁は大怪我ではないと聞いたが、慌てて飛び出して行った。昭蕓は黎王府にいた。無郁は釣りの件で挑発したことを謝罪し、文におとなしく屋敷にいろと書くべきだったと後悔する。「心配しないで、かすり傷よ」そこへ侍女が薬湯を届けにやって来た。無郁は侍女を下げ、昭蕓のために薬湯を冷ましてやる。「鎮北王の婚姻が決まれば、次は私たちだ…」無憂から報告を聞いた北臨帝はやはり傅筹と西啓が手を組んでいると確信した。しかし軍で人望を得ている傅筹から確かな証拠もなく兵権を奪っては軍心が乱れると懸念する。何より今は宸国との同盟と尉国討伐を控え、大事な時期だった。そこで無憂は改めて婚姻による同盟に反対だと訴え、なぜ政事に婚姻を利用するのかと憤る。「父上のそのお考えは私の母をも苦しめました、また無辜の女子を利用し目的を遂げると?」「雲児(ウンジ)の件を持ち出すな…」北臨帝は当時、必要に迫られて符鴛(フエン)を娶ったが、今は状況が違うという。「政略婚が犠牲とは限らぬ そなたも朕の忠告に従い容楽を娶っていれば、今頃、仲むつまじく暮らしていたはずだ」(;゚Д゚)ウッ… ←ぐうの音も出ない無憂②w実は無憂を呼び戻したのは同盟と婚姻を仕切らせるためだった。北臨帝は同盟の締結が済めば直ちに親征するという。しかし無憂は南境に隠れた勢力がはびこっており、孫継周(ソンケイシュウ)の背後にも勢力が潜むと疑った。「南境の真の平定が遠いのに父上は親征、中山の防備が手薄になれば南境の勢力に付け込まれます」内乱の平定こそが急務だという無憂と外患を恐れる北臨帝、2人の意見は平行線のままだったが、北臨帝はもはや老い先短い身だと弱音を吐いた。確かに無憂を政から遠ざけ、平穏に過ごさせると雲児に約束したが、この状況ではどうすることもできない。北臨帝は父としてできることは平和と繁栄を残すことだと言った。「父皇…」無憂は父の身体を心配し、それ以上、何も言えなくなってしまう。傅筹は容楽に怪我をさせた上、黎王に気づかなかった項影の責任を問うた。「将軍、抜かりはなかったのです、ただ黎王が現れるとは…」項影は容楽に注視するあまり、黎王を見落としてしまったという。しかし傅筹は無情にも罰を受けろと命じた。驚いた項影は一度きりの過ちなので見逃して欲しいと懇願する。「殺さぬだけでもありがたいと思え」項影が下がると、傅筹は皇太子から贈られた宝剣を思わず抜いた。…宗政無憂、勝負はこれからだ泠月は静謐(セイヒツ)園で警固している蕭煞に公主の言葉を伝えた。「今後、あなたの護衛は不要だそうよ、私たちを監視したいならご勝手に…」そこへ傅筹が容楽の薬湯を持って現れる。泠月は自分が届けると言ったが、傅筹は皆に下がるよう命じた。容楽は傅筹に今日の件を説明するよう迫った。しかし傅筹はこの後に及んでも話をそらし、先に薬を飲むよう勧める。「回復したらまた出かけよう、もう二度と…」←イラっとする!(`ω´ )キィィィ!すると憤慨した容楽は傅筹が持っていた薬を盆をごとひっくり返してしまう。ガッシャーン!「皇兄が刺客を放つと知りながら、北臨帝にも逆らえず、私に鎮北王を守らせた でも蕭煞は私を殺せず、鎮北王の暗殺は失敗に…ふっ、周到な計画ね あなたが放棄したのは私の安否だけ、私が死ねば…」「絶対に死なせない」「(^ꇴ^)ニッコリ…まだ私に利用価値があるの?」傅筹はこの半年間でようやく容楽から得た信頼すらも失い、必死に釈明した。「君を行かせたのは守れると確信したからだ、唯一の誤算は君が命がけで鎮北王を助けたことだ 通りすがりの赤の他人に過ぎないのに…」「ふっ…赤の他人?その赤の他人は命を投げ打って私を守ろうとしてくれたわ あなたは?私の夫君を名乗り、折に触れ″一生守る″と言うけど…命を投げ出せる?」「できるとも…私だけの命ならばな、もし普通の民なら君のために全てを投げ出せる」「普通の民?もしそうなら私も長公主じゃない… 北臨にも嫁がされず、兄の駒にもなっていないし、あなたにも利用されていないわ!」「容楽、過ちは認める…君の傷を見て深く後悔した…君の千倍も万倍も傷ついた ←( ゚д゚)え? 本当は私が助けたかったのだ」「でも実際はあなたが私を剣先に突き出した、助けたのは別の人よ」容楽は傷が癒えても痕が残ると訴え、その傷痕は言葉で消せるものではないと痛烈に批判した。すると傅筹は不満が爆発する。「宗政無憂が残した傷痕は消えるのに? 筏の上の君たちは2人の世界に浸っており、私は蚊帳の外だった! ←自業自得( ̄▽ ̄;) 奴も君を傷つけて利用し、公衆の面前で辱めた!なぜ奴は許せて私は許せぬ! ←それが愛♪w 同じ愛は求めない、公平に許して欲しい、それだけだ!」「嫁いで半年になるけれど、あなたを愛したことはない、努力はしたわ 盟友にならなられると思った、家族でもいい、生涯、寄り添い、助け合えると思ったのに」「私は君の夫君だ!単なる盟友や家族ではな~い! 真心が欲しい!宗政無憂に捧げたような真心だ!」←どっちだよwしかし容楽は傅筹を赤の他人のような目で見ていた。↓チベスナは取り返しかがつかないサイン〜♪「(はっ!)分かっている、今の私に君の真心を求める資格などない ←やっと気づいたw だが私はずっと多くを望まずに生きてきた! ←イヤイヤ、知らんがな 今日は君の許しが欲しいだけだ…一度でいい!」←この顔がwww「私たちの婚姻は偽りなのよ?また私を利用するのでしょう? なぜごまかして私を苦しめるの?」つづく(^ꇴ^)傅筹、面白い!
2020.07.13
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白发 Princess Silver第20話「もう一つの同盟」北臨(ホクリン)の皇帝・宗政允赫(ソウセイインカク)は衛国(エイコク)大将軍・傅筹(フチュウ)に疑いを持ち始めていた。同盟を結んだ西啓(サイケイ)も尉(イ)国討伐の支援に難色を示し、約束を果たす気があるのか信用できない。そこで朝議の際、傅筹に西啓の公主から何か聞いていないか尋ねた。しかし傅筹は妻が政に関わることはなく、自分も西啓と私的な行き来はないと答える。「南境の情勢を侮っていたように、西啓を侮り過ぎではないか?」北臨帝の含みのある言葉に傅筹は思わずひざまずき、自ら力不足の罰を請うた。北臨帝はそれ以上、追求しなかったが、もはや尉国討伐は待てないという。すかさず傅筹は皇太子が練った討伐の策を見せたいと上奏したが、北臨帝は必要ないと退けた。「宗政無憂(ソウセイムユウ)は南境の平定で功を上げた 改めて無憂を黎(レイ)王に封じ、呼び戻して討伐の策を練らせる」傅筹は太子府を訪ね、宗政筱仁(ソウセイショウジン)に宗政無憂が都に戻ると伝えた。「だから身を慎むよう忠告したのです、宗政無憂が戻れば太子の座は守れません」痕香(コンコウ)はこの機に乗じ、迷惑がかかるので出て行くと申し出た。しかし皇太子は痕香を一生、手放さないという。「もう後戻りはできぬ、一か八かの策に出よう」「軽率な行動はお控えを、宗政無憂に何かあれば疑われるのは太子殿下です」すると皇太子は苦言を呈す傅筹を煙たがり、追い返してしまう。痕香は傅筹が助け舟を出してくれるのを待っていたが、結局、傅筹はそのまま帰って行った。失望した痕香は傅筹に反発、皇太子をけしかけてしまう。「将軍は慎重過ぎます、青州で殺せば造作もないのでは?世継ぎたるもの決断力が必要です」その夜、静謐(セイヒツ)園に珍しく酔った傅筹が現れた。書物を読んでいた容楽(ヨウラク)は身構えたが、傅筹は話を聞いて欲しいだけだという。すると傅筹はふらふらと容楽の寝台に歩き出した。「北臨の大将軍として国のために戦場で死闘を繰り広げて来た… だが陛下に非難されたばかりか、太子にまで…あっ!」傅筹はうっかり段差に足を取られ、そのまま寝台に尻餅をついた。心配した容楽は様子を見に行ったが、傅筹に手を引っ張られ、隣に座らされてしまう。「君さえ私のそばにいてくれるなら、私は何だってやるぞ…」傅筹は容楽にもたれかかり、無意識につぶやき始めた。「容楽…なぜなんだ…君も世間も奴がどんな過ちを犯そうと、いつだって許す… 私は非難されてばかりだ…ムニャムニャ」「将軍、何の話をしているの?」「分かってる…高貴な身分の奴は何でも思いのままだ…私は黙って耐えるしかない」←その髪型にw容楽は仕方なくそのまま傅筹を寝かせることにしたが、腕をつかまれて一緒に倒れ込んでしまう。「私のどこが奴に及ばぬ…奴にできることは私にだってできるぞ?」傅筹が酔いつぶれると、容楽は何とか傅筹の身体を押し避けて起き上がった。その時、偶然、傅筹の両肩に大きな傷跡があることに気づく。「…母上…逝かないで…私を打つな、やめよ、お願いだ、乱暴はよせ…」傅筹はうわごとを言いながら、結局、そのまま眠ってしまう。一体、傅筹にはどんな過去があるのか、容楽には到底、想像できなかった。青(セイ)州の無憂は中庭でひとり碁を解いていたが、突然、黒い鬼面の刺客に襲撃された。しかし無相子(ムソウシ)が修羅七煞(シュラシチサツ)と駆けつけ、一掃する。「天仇門(テンキュウモン)を使うのは太子だ」「…師兄、私が頼んだことは?」「心配ない、すでに手は打った」「時機が来たな」翌朝、傅筹がひどい頭痛で目を覚ますと、そこは容楽の寝殿だった。その時、容楽が酔い覚ましを持って部屋に戻って来る。傅筹は非難されやしないかと不安だったが、容楽は酔いつぶれて一晩ここで眠っただけだと許した。「確か私が軍に入ったのは~12歳の時だった それ以来、夜も油断したことはない、昨夜ほどぐっすり寝たのは久しぶりだ」すると容楽はうっすらと笑みを浮かべた。皇弟の范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)は皇帝の代理で青州を訪ね、無憂に爵位回復を伝えた。すると無憂が本当は南境に留まるつもりだったと話す。ここ数年、豊かなはずの南境の地で豊作の年でも流民が反乱を起こし、どうやら複雑な背景があるという。しかし外叔父の迎えとあらば、いったん戻ることにすると決めた。陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は大喜び、そこへちょうど孫雅璃(ソンアリ)が現れる。無憂は孫継周(ソンケイシュウ)の手前、わざわざ雅璃を自分の隣に座らせた。「雅璃、都に戻るぞ?そなたの願いは叶えた」喜んだ孫継周は雅璃を黎王について行かせることにしたが、自分は南境に残ると言った。無憂は南境を無相子に任せ、名門や豪族の調査も頼んでおいた。すると無郁は急に帰京する気になった七兄を訝しむ。「何か考えていないのですか?私は昭蕓(ショウウン)に会いたいですが、七兄にそういう人は?」「私が戻るのは天仇門の襲撃を重く見て、都で太子の動きを封じるためだ」「また太子が暗殺を?!」←( ゚ェ゚)本当にのん気宗政無憂の暗殺未遂を知った傅筹は、東郊(トウコウ)客桟(キャクサン)に痕香を呼びつけ叱責した。「自分の立場を忘れるな、私の命令なしに勝手な行動は慎め」「私より若門主こそ…使命をお忘れでは?」痕香は傅筹が公主の部屋で朝まで過ごしたことを知っていた。しかし傅筹は痕香には関係ないとあしらう。「私の手の内は分かっているな?」憤慨した傅筹は痕香を脅して帰って行った。傷心の痕香は傅筹の背中を見送りながら、あの壮絶な戦いを思い出す。最強の1人を決めるため、命を懸けた戦い…。あの時、ついに傅筹と痕香が生き残り、2人の一騎打ちとなった。その時、虫の息だった男が最後の力を振り絞り、連弩を放つ。痕香は咄嗟に傅筹をかばい、胸に矢を受けた。『私の負けよ…10歳で初めて会った時から分かっていたわ…あなたが最強だと… あなたの瞳には炎が燃えている…』『またあの頃と同じ道を選ぶとは…私が生きている限り、お前を死なせたりはせぬ』傅筹は痕香を腕に抱き、そう誓う。そして傅筹が両肩に鉤(カギ)を刺されて吊り下げられる辛い拷問を受ける時も、痕香はそばで見守り、介抱した。…私はあなたのためなら何でもできる、あなたはどうなの?…似た者同士だから、私はあなたの影となって支えてきた「なのに、どうして?…どうして他の女に心を奪われたの?」攏月(ロウゲツ)楼に容楽がやって来た。そこで沈魚(チンギョ)は痕香が西啓の者だという以外に何も見つからなかったと報告する。すると容楽はもう必要ないと言った。沈魚は確かに知らない方が幸せなこともあると理解を示したが、半年前には偽りの人生が嫌だと言っていたと指摘する。しかし容楽はそう簡単ではなかったと嘆いた。「皇兄を疑いながらも、頭痛の苦痛から逃れるために送られた薬を飲む 運命にあらがうと言うのは簡単だけど、実際は難しい…」「あきらめないでください、将軍を信じるなら受け入れてみては? でも山河志(サンガシ)を探し続けるなら協力します」「沈魚…ありがとう」一方、北臨帝は協力を渋っている西啓にしびれを切らし、朝議で新たに宸(シン)国と同盟を結ぶと発表した。宸国とは国交がなかったが、実は秘密裏に協議を進めてきたという。すでに皇弟の鎮北(チンホク)王が国内の意見をまとめ、北臨に向かっていた。「富も兵力もない西啓は同盟を結んで北臨から食料を調達し、北臨の権威を利用するだけが目的だった 宸国は貧しいが兵は強いゆえ、騎兵を提供し、共に戦うと言う 北臨からは十分な持参金を用意、皇族の娘を鎮北王に嫁がせる約束だ」寝耳に水だった傅筹はもう一度、検討するよう嘆願したが、北臨帝は黎王が戻ってから詳細を相談すると退けた。傅筹は早速、西啓の密偵に接触した。西啓帝が北臨に不信感を与えたため、自分まで北臨帝の信頼を失うはめになったという。「今後は関係を断つ、お前の訪問も私を不利な立場に追い込むのだぞ?」「陛下はあなたの考えをお見通しです 敵を討ち、本来の名と地位を手に入れるには陛下に従うべきかと…」密偵は西啓の利を考えぬなら、今までの罪状を北臨帝に明かさぬとは保証できないと脅した。そこで鎮北王が都に着く前に殺すよう頼み、宸国で内乱を起こしたいという。「連絡を待てと伝えろ…」西啓の密偵が去ると、痕香が姿を現した。すると自分たちの計画もあとは時機を待つだけ、討伐で国内に隙が生じたら北臨を奪えばいいという。ここは鎮北王を無事に北臨に到着させ、尉国を討たせるべきだ。「あなたならいい策があるはずよ?鎮北王を殺さず西啓を黙らせる策がね …ただあなたがそれを望まないだけ」追い詰められた傅筹はその夜、望みをかけて容楽を訪ねた。そこで今夜ここで休みたいと頼む。「君の邪魔はしない、私はあの寝台を使う」容楽はふと第19話で一緒に花火を見た時の将軍の言葉を思い出した。…家族や友人もおらず、私は刀と剣に囲まれ過ごして来た…一家団欒の日が来るたび、血まみれの戦場の夢ばかり見た沈魚が言っていた通り、将軍を信じて受け入れてみるのもいいかもしれない。「どうぞご自由に…」容楽は帳で囲った寝台で就寝したが、なかなか寝付けなかった。すると傅筹が自分がいて安心できないのかと声をかけ、眠れないなら話に付き合ってくれという。「容楽、何をすれば私に心を開き、受け入れてくれるのだ?」「今のままでもいいでしょう?」傅筹は将軍ではなく″夫君″と呼んで欲しいと訴えた。「名前でもいい、名前を呼ぶ者がいなくなって久しい…」「名前を呼ばずに何と呼ぶの?どういうこと?」そこで傅筹は寝台の帳を開いて容楽の前に立った。「目の前にいるのになぜ君は私を見ない?君と出会って1年余りになる だが今になっても君は見知らぬ者のように私を見ている」「目に見えたものが正しいとは限らないわ 自分の目を信じられないの、だから私に期待しないで」「目が信じられぬなら心で見れば良い」傅筹は容楽の枕元に腰掛け、懇願するように容楽の手を取った。しかし容楽は頑なに拒む。「ごめんなさい、心で見ても何も見えないの…まず自分の心を見たら? …今の関係でも十分、幸せでしょう?一緒に暮らして家族になって行くの 秘密があるなら言わなくてもいい、いつか話す気になれば打ち明けてもいい」「つまり…今は何も話したくないんだな?」「将軍に言えるのはこれだけ、いつか傷を癒して心から人に向き合える日を私自身も待っているわ …これで許して」傅筹はあきらめて容楽の手を離した。「ゆっくり休め」そして寝台の帳を閉じると、ついに決断する。「もし気分を害したなら明日は清涼(セイリョウ)湖にでも行ってくると良い… 清涼湖の初春の景色は格別に美しいぞ」「はお」翌朝、傅筹は項影(コウエイ)を呼び、容楽を危険な目に遭わせぬよう手配を命じた。「いいか、必ず計画通りに進めよ」項影は拝命して出て行くと、傅筹は物陰に隠れて聞いていた痕香を呼ぶ。「決心したのね~この半年、手を掛けてきたあの女を手駒に使わないのはもったいないもの 本気で惚れたかと思ったわ」「お前には関係ない!最後の警告だ、今のお前は太子夫人だ、監視すべきは私ではなく太子だろう? 宗政無憂が都に戻る、また太子が愚かな真似をせぬよう、しっかり監視しろ! 手抜かりがあればどうなるかは分かるな? それから将軍府に出入りできる立場か?私の命令なしに来ることは許さぬ!」痕香はあまりに非情な言い草に深く傷つき、涙をこらえながら帰って行った。清涼湖に到着した容楽と泠月(レイゲツ)、すると偶然にも釣りを楽しむ昭蕓郡主と出くわした。しかし1刻も経つのに1匹も釣れないという。「全部、あの漁師が釣ってしまうからです!」すると少し離れた場所でのんびり居眠りしながら釣りを楽しんでいる男がいた。そこで昭蕓は漁師の元へ向かい、難癖をつける。男は昭蕓がこちらへ魚を追ってくれたので大漁だったと説明し、お礼に魚を譲ると言った。恐縮した昭蕓はならば買い取ると言ったが、容楽が次に魚を釣れた人が魚をもらうことにしないかと提案する。「公主姐姐、漁師とじゃ勝負にならないわ(ヒソッ」「私に任せて(コソッ」一方、傅筹は参内、北臨帝に鎮北王が中山(チュウザン)の清涼湖に到着したと報告した。抜かりはないかと牽制する北臨帝、すると傅筹は必ず鎮北王を守ると自信を見せ、皇帝の期待に応えてみせるという。つづく(O_O)若門主って…つまり…傅筹!鎮北王と沈魚ってどことなく顔が似てない?(←いやどうでもいいけどw
2020.07.12
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白发 Princess Silver第19話「疑惑」南境の豪族・鄭(テイ)家との縁談が持ち上がり困惑する孫雅璃(ソンアリ)。すると第七皇子・宗政無憂(ソウセイムユウ)から贈り物が届く。見事な腕輪を見た侍女・春泥(シュンデイ)は、第七皇子も孫雅璃に求婚するのではと期待した。一方、南境では反乱軍が略奪しながら青州の城下に迫っていた。無為に過ごしていると見せかけていた無憂だったが、すでに伏兵を配置させ、準備は整っている。陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)はこの機に傅筹でも潰しきれなかった南境の逆賊を根絶やしにしようと奮起した。しかし無憂は今回の″根″を植えたのが傅筹かもしれないと疑う。そこへ侍衛・冷炎(レイエン)が駆けつけた。「殿下!逆賊らが蜂起しそうです!」鄭英(テイエイ)は計画通り秦(シン)氏を使い、流民たちを集めて決起を促していた。しかし無憂たちが集会になだれ込み、流民たちを包囲する。無憂は秦氏を拘束、今すぐ武器を置けば安泰な生活を保証すると叫んだ。「約束を破ったら命を差し出す!」逆賊とは言え大半は流民、確かに扇動されやすいが結束ももろく、すぐ降参した。こうして無憂は見事に青州の反乱を平定、鄭氏が流民や土地を取り込むため、逆賊と共謀したと都へ報告する。憤慨した北臨(ホクリン)帝は鄭一族を掃討するよう命じ、鄭氏の土地は朝廷が没収した。将軍府に皇帝の使者として陳(チン)太監がやって来た。今回、南境の反乱が鎮まって鄭氏一族が滅ぼされたが、衛国(エイコク)大将軍も逆賊の勢力を削ぐのに貢献したとして、青州特産の絹織物や玉(ギョク)、米などが下賜される。その中には容楽(ヨウラク)の好物である干し棗(ナツメ)もあった。使者が帰ると、容楽は思い出の干し棗を懐かしそうに眺めた。そこへちょうど南境から項影(コウエイ)が戻って来る。項影の話では無憂が傅筹のかつての戦功を称え、意気高らかに南境を治めているという。また鄭家が潰れたので青州は孫家の天下となり、無憂と孫雅璃の結婚も近いと噂になっていると報告した。容楽は気分を害したのか、急に寝殿へ戻ってしまう。すると傅筹は卓に並んだ下賜品をどかし、力なく腰かけた。「逆賊を根絶しなかった私に対する当てつけだ…面目が丸つぶれだな」一方、無憂は鬱蒼とした竹林で師兄・無相子(ムソウシ)と手合わせに興じていた。実は今回の平定には師兄率いる無隠楼(ムインロウ)の協力が大きい。無相子の父は秦永(シンエイ)の親友だった。そのため16年前の秦師匠の件で一族が皆殺しとなってしまう。ひとり生き残った無相子は無隠楼を創立、陰ながら無憂を支えて来た。しかし無憂が修羅七煞(シュラシチサツ)と婚儀に乗り込んだ時は、さすがに師匠の遺志を忘れたかと心配したという。無相子は立ち直った姿を見て安堵したと伝え、無憂も全力で使命を果たすと誓った。無郁のもとに昭蕓(ショウウン)郡主から文が届いた。「字が上達したな、優しさがにじみ出ている…元気でいるだろうか?」昭蕓からもらった木彫りの人形を握りしめ、遠い都に思いを馳せる無郁…。すると思いがけず七兄が都へ戻るつもりがないと知る。それは孫継周(ソンケイシュウ)が鄭氏の案件に関わった罪人を勅命通り処罰したと報告に来た時だった。実は鄭氏の財産が巨額で、ある土地は流民が占拠し、明け渡すのを拒否しているという。しかし所構わず土地をせしめておきながら鄭氏は耕作もせず土地を遊ばせていたため、孫継周は流民に与えても構わないのではと進言した。無憂も優先すべきは反乱の平定と民の救済だと賛同したが、土地の持ち主は登録するよう指示する。「開墾(カイコン)には州府が出資を、二度と豪族に土地を奪われぬように… 鄭氏は倒したが、将来、別の悪党が現れたら厄介です」これで孫継周も土地に手を出せなくなったが、仕方がない。それより今回の手柄で第七皇子の爵位が復活するだろうと期待し、帰京するなら政務を引き受けると申し出た。すると無憂は皇帝が何と言おうと帰京する気はないという。「南境は情勢が落ち着けばかつての繁栄を取り戻す、争いとは無縁になり、住むには理想の場所だ ここで生涯のんびり暮らせるなら、爵位などなくても構いません」無憂は孫継周があらぬ期待を抱かぬよう釘を刺しておいた。孫雅璃は第七皇子が都に戻る気がないと知り、思わず皇子なら皇帝に孝行すべきだと諫言した。すると無憂は青州が嫌なら都へ帰ればいいという。孫雅璃は父が許さないと落胆したが、無憂は時局が変われば人心も変わると言った。「そなたとて鄭氏の息子を拒むために私に嫁ぐ気だった」「殿下、ご存知だったのですか?」無憂は孫雅璃に想い人がいると気づいていた。腕輪を送ったのは芝居の一環、雅璃こそ強要されるのが嫌で腕輪をはめることにしたのだろう。見透かされていた孫雅璃はその場にひざまずき、都に戻って想い人のそばにいたいと訴えた。「立ちなさい、そなたの帰京を決められるのは私ではなく別のものだ…」その頃、将軍府では項影が宗政無憂に帰京の動きはないと報告していた。長く留まるためか、屋敷を修繕させているという。思えば皇帝は南境の平定に関わった者を褒賞しながら、なぜか宗政無憂のことには触れなかった。傅筹はどこかおかしいと勘ぐったが、ひとまず静観するという。「宗政無憂が戻らぬなら、円滑に次の段階へ進める」すると傅筹は山河志(サンガシ)の件は1人で解決すると言った。「これ以上、干渉されたくない…」その時、急に花火の音がする。項影は静謐(セイヒツ)園だと気づいて見て来ると言ったが、傅筹は自分で行くことにした。静謐園では容楽が昭蕓(ショウウン)郡主や泠月(レイゲツ)と花火を楽しんでいた。楽しそうに笑っている容楽を垣間見た傅筹は思わず自身も笑みがこぼれる。…容楽、君の笑顔をずっと見ていたい…↓泠月の笑顔を見てニヤリとする蕭煞と容楽の笑顔を見てニヤリとする傅筹…どちらもキ…w一方、皇太子妃は意を決し、皇后の寝殿を訪ねた。明日は太廟(タイビョウ)での法事、皇后は皇帝も早めに休むことから、急用でなければ下がれと命じる。しかし皇太子妃も限界だった。「母后、太子妃の位を廃してください、母后もご存知の通り太子は色ごとにだらしがない人です 私がいくら忠告しても聞く耳を持たず、ますますやりたい放題です」「やめなさい、夫婦には我慢が必要と前にも言ったはず、太子妃ならなおのこと耐えないと…」宮中で上に立つ者は家族や地位を守るため、何でも我慢している。皇后は自分も十数年、耐えて来たと諭し、一歩でも誤れば終わると警告した。すると皇太子妃は自分の問題ではなく、皇太子が自分を許容できないのだと訴える。皇帝の怒りを買っても芸妓を囲い続け、今日も明日の法事に備えて早く休むよう忠告したところ、いきなり叩かれていた。確かに皇太子妃の額にあざがある。皇后はさすがに驚いたが、その時、寝所から皇帝が現れた。話を聞いていた北臨帝は皇太子に激怒、この件を自分に任せるよう告げて皇太子妃を下げた。皇后はその場にひざまずき、後宮の管理を怠ったことを謝罪する。しかし北臨帝は皇后に罪はないと許し、皇太子も年の近い皇后の諫言など聞かないと分かっていた。「そなたはこの16年間、頼れる子もおらず、宮中で苦労して来た」「陛下…符鴛(フエン)が謀反を起こした時、私は庶民の娘でしたが、陛下はお一人で国を再興し、 すでに天下の英雄でした、陛下に嫁げたことは一生の誇りです」皇后は皇帝が自分の言葉を聞いていたと気づき、誤解がないよう釈明する。すると北臨帝は理解を示し、自分の死後も皇后の将来を保証すると安心させた。「雲児(ウンジ)と同じ悲劇は繰り返したくない」容楽と昭蕓郡主は厨房で泠月の餃子作りを手伝っていた。やがて3人は粉をかけ合ってふざけ始めると、そこに突然、傅筹が現れる。「…将軍、殿方は厨房に入らぬものよ?」傅筹は容楽の顔についた粉を取ろうと手を伸ばしたが、容楽は無意識に避けてしまう。すると傅筹は気まずそうに手を下ろし、夕食の誘いに来たと言った。その時、泠月が勝手に将軍も餃子をどうかと勧めてしまう。将軍が現れたため、昭蕓は恐縮して餃子を食べずに退散した。傅筹は泠月が気を利かせてくれたおかげで静謐園で餃子をご馳走になる。すると打ち上げ花火の音が聞こえた。傅筹は容楽と並んで窓から花火を眺めながら、今まで将軍府は冷たくて寂しい場所だったと漏らす。「家族や友人もおらず、私は刀と剣に囲まれ過ごして来た… 一家団欒の日が来るたび、血まみれの戦場の夢ばかり見た だが今日は違う、家族のぬくもりを初めて感じたよ」「私も家族はいない、こうしていると心が安らぐわ、こんな暮らしが私には合うのかも…」傅筹は容楽の思わぬ言葉を聞き、顔をほころばせた。そこで書房に戻ると、西啓との密書を燃やしてしまう。しかし項影は金銭的な援助を受けられなくなると心配した。「もし暴露されたら…」「容楽を失うこと以外は何でも耐えられる、容楽は過去と決別した 山河志の件などで煩わせたくない、″凧(タコ)″たちはきれいに始末しろ、容楽には秘密だ…」一方、西啓では容斉(ヨウセイ)が発作を起こして苦しんでいた。小荀子(ショウジュンシ)は皇后に願い出て薬を飲むべきだと説得するが、容斉は必死に耐えている。「隠密!…容楽の様子は?」「陛下、将軍府でお元気に暮らしており、将軍との距離も縮まったようです」「…皆、下がれ!」…容楽、私の願いはそなたが生き抜くことだ…(Ŏ艸Ŏ)<ホァンショ~ン!夜も更けた頃、皇太后がすでに休んでいる容斉の寝所に現れた。皇太后は容斉の顔に優しく触れていたが、ふいに激情に駆られ、思わず容斉の首に手をかけてしまう。しかしふと我に返り、皇太后は慌てて手を離すと、そっと薬瓶を置いて出て行った。すると寝たふりをしていた容斉が目を開ける。容斉は母が置いて行った薬瓶を眺めながら、人知れず涙を流した。(꒦ິ⌑꒦ີ)ホァンションに何が?!北臨帝は法事を終えてから皇太子を呼び出した。祖先を祭る日だというのにうたた寝していた皇太子は連日、深夜まで傅将軍たちと協議していたと取り繕う。しかし北臨帝は芸妓と戯れていることなど百も承知だと激怒した。そこで早く芸妓を追い出し、今後は許可なく参朝するなと命じて追い出してしまう。皇弟の范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)は先延ばしとなっていた尉(イ)国の討伐について尋ねた。北臨帝の話では西啓に何度も使者を送っているが、北臨軍の通行や兵糧に関して西啓帝から返事がないという。両国の結盟のため半年前に婚戚関係を結んだが、西啓帝はまるで公主の存在を忘れたかのようだった。「このまま焦って出征すれば、西啓は同盟を破棄し、火事場泥棒となるやも… 公主の婚姻では偽物を使い、騒ぎまで起こした、西啓に誠意があるのかもはや朕とて分からぬ」すると范陽王が実は将軍府と西啓が文を交わしていると密告があったと報告する。真意のほどは不明だが、無隠楼という門派からの情報だった。ただ容楽公主が故郷とやり取りしているだけかもしれないが、思えば婚儀の時の傅将軍は少し妙だったという。そこで北臨帝は范陽王に将軍府の監視を頼んだ。一方、皇后も話し相手という口実で容楽を呼び出し、探りを入れた。そこで容楽が北臨帝に初めて謁見した時に献上した白玉瑠璃盞(ハクギョクルリサン)を返すという。「これは茶器だから、茶道に詳しい人の方が使いこなせる あなたに返すわ、故郷が恋しい時に使って」「娘娘のお気遣いに感謝します、しかし必要ありません これは北臨へ持参するため作らせた物です、それに私はもう西啓の者ではありません」「西啓が恋しくならない?」「はい、縁は切れました」「ぁ…文のやり取り~とかは?」「いいえ、将軍に嫁いでからは一度も…」つづく( ̄▽ ̄;)傅筹…髪の毛は結ってた方が…wそれにしても孫パパ…全然、君子じゃなかったわ…
2020.07.09
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白发 Princess Silver第18話「寵姫の誕生祝い」容楽(ヨウラク)は沈魚(チンギョ)に薬湯の煎じかすを渡し、どんな薬か調べて欲しいと頼んだ。西啓(サイケイ)にいた時から飲んでいる頭痛と記憶回復の薬だが、逆にこの薬こそが元凶かもしれない。容楽は色々なことが起こって西啓の人間を信頼できないと吐露し、今では自分が本当に長公主かも怪しいという。すると沈魚は友人として頼られるのは光栄だと話し、もちろん容楽が元気になれば嬉しいと快諾した。「偽りの人生は嫌なの、不幸になるとしても自分が何者なのか知りたい どこから来て、どこへ向かうべきかを…(๑•̀ㅂ•́)و✧キラン」容楽の見張りを任されていた項影(コウエイ)は将軍府に戻り、公主がすでに屋敷に戻ったと報告した。しかし買い物に出かけた沈魚を付けたところ、急に道端で倒れ、医館に運ばれてしまったという。傅筹(フチュウ)は沈魚のことより、容楽が上機嫌な様子で、寝殿から笑い声が聞こえると知って喜んだ。やはり茶楼を再開させたのは正解だったらしい。傅筹は容楽もいずれ過去を忘れて自分との生活にも慣れると期待した。「でも情が移っては今後の…(ぁ…)」項影は思わず口を滑らせ、傅筹を怒らせてしまう。「口出しは無用だ」東宮の宴の日、泠月(レイゲツ)は将軍が公主のために新調した衣を届け、試着するよう勧めた。ちょうど書物を読んでいた容楽は見向きもせず、出かける前に着れば良いとそっけない。そこで泠月は他にも将軍から贈り物があると言った。「この干し棗(ナツメ)は青州(セイシュウ)からの献上品ですよ?」「干し棗?」ようやく公主が関心を示し、泠月は安堵した。しかし容楽は干し棗を見ると切なさに胸が痛む。思い出すのは好物の干し棗を頬張りながら、漫音(マンイン)閣で宗政無憂(ソウセイムユウ)と碁を打っていた幸せな日々…。そこへ傅筹がやって来た。すると我に返った容楽は衣の礼を伝え、支度へ向かうことにする。傅筹は何も言わなかったが、容楽が愁いを帯びた表情で干し棗を見ていたことを見逃さなかった。容楽は東宮の宴で久しぶりに昭蕓(ショウウン)郡主の姿を見つけた。しかし容楽に騙されと怒っている昭蕓に無視されてしまう。すると宴の主役である香夫人が容楽に近づいた。痕香(コンコウ)は今日の招待客たちが公主を敬うのは、実は将軍が密かに皇太子に頼んで手を回していたからだと暴露する。「夫の隠し事をあえて私に聞かせるのはなぜなの?」「将軍に感動したのです、これは私たちだけの秘密にしてください」宴が始まると、清河(セイカ)王の世子が酔った勢いでまた昭蕓にからみ出した。容楽はすぐ駆けつけ昭蕓をかばったが、世子はこの機に皇太子に昭蕓との縁談を申し出る。すると皇太子はお似合いだと言い出し、認めることにした。驚いた容楽は女癖が悪い世子を痛烈に批判、しかしかえって無憂とのことを揶揄されてしまう。「嫁入り前の女子が男と墓室で…」その時、激怒した傅筹がいきなり世子に飛び蹴りを食らわした。宴は思わぬ騒ぎとなり、皇太子は自分の顔に免じて世子を許してやれという。その時、痕香は傅筹の目配せに気づき、酔いを覚ましたいので着替えて来ると言った。皇太子妃は妻を守った将軍に敬服し、大勢の女子を娶っても大事にしない世子にかこつけ、皇太子を非難して帰って行った。すると世子が皇太子に公正な裁きを訴える。その時、痕香が慌てて戻って来た。「大変です!これを見てください、着替えようと思ったら侍女が中で首つりを…」侍女は小翠(ショウスイ)が世子に絡まれていたと証言し、それが自害の原因だと訴える。激怒した皇太子は清河王府の人間を出入り禁止にすると命じ、ただちに世子を追い出した。傅筹と容楽が東宮を後にすると、痕香が追いかけて来た。「お待ちを…不愉快な思いをさせて申し訳ありません、これは太子からお詫びの印です」痕香は精巧な小箱と一緒に密書を忍ばせる。「…ありがたく頂きます」傅筹は容楽が訝しんでいると分かっていたが、素直に受け取って帰って行った。容楽は攏月(ロウゲツ)楼を訪ねた。すると沈魚が薬の処方が判明したと報告、念のため別の医者にも調べさせたが、頭痛の薬に間違いないという。幼い頃から多くの人と渡り合って来た沈魚は用心深く、容楽はそんな沈魚を信頼し、杞憂だったと安堵した。ただし沈魚は傅将軍の手下に尾行されたという。「警戒するのはお互い様よ、それはそうと天香(テンコウ)楼の芸妓の噂を聞いたことない? 痕香という名で、とても美しい人よ」「知りません、でもそれほど美しい人なら有名になるはずです」容楽は痕香の宴での行動に違和感を感じ、沈魚に素性を調べて欲しいと頼んだ。「いつ都に来て、なぜ将軍府に呼ばれたのか?」「ご安心を、分かり次第お知らせします」その夜、痕香は東郊(トウコウ)客桟(キャクサン)に傅筹を呼び出した。傅筹に会いたかった痕香は口実として皇太子と官吏の癒着を示す証拠を渡す。しかし傅筹はこの程度の物を見せるために容楽の前で危険を冒したのかと呆れた。「痕香、覚えておけ、重大なことがない限り、勝手に東宮から出るな」「太子のそばは嫌なの!媚びたくもない」「すべては大局のためだ、皇太子をよく見張れ、将来、利用できる」「なぜ私が?」「唯一、信頼できる…危険を伴う任務だが、お前に任せれば安心だ」痕香は喜び、傅筹のためなら何でもできると言ったが、容楽のことが気がかりだった。そこで痕香はそっと傅筹の肩に手を起き、宴での行動は芝居かと確認する。「本当に情が移ったら、それこそ大局に影響するわ…」「もう行くよ、用心しろ」↓痕香、お前もか…( ̄▽ ̄;)北臨(ホクリン)帝は皇太子を呼び出し、東宮での騒ぎが自分の寝殿まで聞こえたと激怒した。そこで皇太子に芸妓の痕香を今日中に追い出せと命じ、さもなくば廃太子にすると脅す。話を聞いた痕香はこれ幸いと出て行くことにした。しかし皇太子は、ほとぼりが冷めるまでおとなしくすればいいという。皇太子妃は皇帝の命令すら無視する皇太子に愛想を尽かし、二度と忠告しないと言い放った。「最後に一言だけ、″忠言は耳に痛し″、この言葉の意味は災いに遭えば分かります」容楽が書をたしなんでいると、泠月が昭蕓郡主を案内して来た。気まずい昭蕓だったが、清河王の世子が辺境に流刑になったと報告し、容楽のおかげで助かったと感謝する。こうして昭蕓はわだかまりが解け、容楽に好物の干し棗を差し出した。「無憂哥哥が送って来たのよ?」容楽は思わずふたを閉めてしまったが、昭蕓は容楽が無憂を欺いたのにはやむを得ない事情があったからだと理解してくれていた。昭蕓は容楽の書に気づき、美しい字だと褒めた。そこで字を教えてもらいたいと頼み、美しい字を書いて陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)を驚かせたいという。早速、昭蕓は容楽から指導を受けながら″宗政無郁″と練習、ようやく上達したと喜んだが、その字を見た泠月が思わず吹き出した。怒った昭蕓は泠月の顔にいたずら書きしようと筆を持って追いかけまわし、容楽は久しぶりに大笑いする。そんな楽しそうな姿を蕭煞(ショウサツ)が嬉しそうに中庭から見ていた。すると笑い声に気づいた傅筹が静謐(セイヒツ)園の様子を見に来る。…容楽、君が楽しければ私は満足だ…いつかその快楽を共にしたいそれは将軍府に来て初めて見る容楽の屈託のない笑顔だった。項影は将軍に西啓(サイケイ)帝からの密書を渡した。…山河志(サンガシ)の手がかりを容楽に尋ねて欲しい…すると項影は公主が山河志を宗政無憂に渡したのではと疑った。傅筹は確かに無憂が関係していると確信し、容楽との決別の原因が山河志かもしれないと勘ぐる。「そうだ、婚儀に現れた覆面の7名について情報は?」「まだ調べがつきません…」傅筹は何としても突き止めろと命じたが、ふと青州で超然としている無憂のことが引っ掛かる。「やはり不安だ、お前は南境へ…」項影は南境で密かに鄭英(テイエイ)と接触した。しかし鄭英は宗政無憂が付き合いが悪く、何度も訪ねたが会ってもらえないと訴える。無憂はもっぱら孫継周(ソンケイシュウ)の娘・孫雅璃(ソンアリ)と一緒にいるらしい。すると項影は無憂が関わらないなら好都合だと言った。そこで鄭英は今回の計画を仕切る秦(シン)を紹介する。「愚かで無知な民はたやすく扇動されます」「では行動しろ」項影は利用できる者は養うが、恩知らずは養えないと釘を刺して帰った。無憂は政事を無郁に任せ、しがない1日、棋譜を解いて過ごした。そんなある日、父から密旨が届く。…無憂、南境は古来、繁栄しているが、近年、反乱を起こす流民が増えている…異常なことゆえ調べて欲しい無憂は父が気分転換だけでなく、密偵として自分と無郁を南境へ送ったのだと分かった。しかし南境の士族は勢力が強く、州府は兵が不足して力がない。果たしてどこから調べればいいのか。一方、傅筹は西啓帝の密偵と接触していた。「ご所望の兵糧は南境へ送りました、山河志に関する情報は何かつかみましたか?」「宗政無憂は南境で気ままに暮らし、山河志を手に入れた様子はない おそらく公主もまだだ、怒りに任せて嘘をついたのだろう 山河志のことは何か分かればお伝えする」「もう1つ、陛下からご要望が、将軍を支援し続けるので公主の厚遇を 公主に万一があれば責任を取ってもらうと…」「公主は私の妻だ、もちろん大切にする」密偵が消えると、傅筹はいつかすべての脅威を取り払って天下の主人になると漏らした。すると隠れていた痕香が姿を見せる。「偽の身分は手配できたか?」「完璧よ」容楽に沈魚の密書が届いた。…痕香は西啓の出身…同封されていた痕香の似顔絵を見た泠月は公主と似ていると驚く。「まさか皇兄が…蕭煞!」容楽は蕭煞に似顔絵を見せたが、蕭煞は知らないと言った。するとふいに傅筹が現れる。蕭煞は咄嗟に似顔絵を後ろ手に隠し、容楽は密書を書物の下に隠したが、鋭い傅筹は勘づいていた。「新茶が届いたとか、宮中に少し献上したいが構わぬか?」「…私に断る必要はないわ、将軍府の物はあなたの物よ?」「いつの日か君も私のものになって欲しい」( ತ _ತ)oO(キモイ…容楽は無視して席を立ち、裏庭へ行ってしまう。一方、青州では鄭英が東郊の土地の件で孫継周ともめていた。孫継周はあの土地の持ち主なら耕作を放棄して孫家の食客になったと説明し、土地も孫家のものだと訴える。しかし鄭英は孫家が近年の反乱のどさくさに紛れて何軒分もの土地を取得したと反発した。本来、東郊の土地は鄭家が管理して来たが、孫家が横取りしたという。裁定できず困惑する無郁、すると珍しく無憂が姿を見せた。孫継周は当然、七皇子が自分の見方をしてくれると安堵したが、なぜか無憂はしきたりがあるなら従うよう伝え、もめごとに口をはさまないことにする。喜んだ鄭英は子孫が少ない孫一族には跡取りがおらず、どちらにしてもあの土地は婚家に献上することになるという。そこでひとり娘を自分の息子に嫁がせろと脅して帰って行った。孫雅璃は鄭氏との縁談に頭を悩ませた。しかし今回、鄭氏を避けられとしても、また別の縁談が来ると分かっている。かと言って七皇子と親しくすれば、父からどちらか選べと迫られるだろう。すると侍女が七皇子からの贈り物を届けにやって来た。つづく※昭蕓郡主=父親が功を立て爵位をもらう、父親が早世して宮外の叔父の屋敷に移ったが、宮中の出入りは認められている※東郊客桟=傅筹が容楽を助けた時に連れて来た宿※南境=鄭氏・陳氏・孫氏
2020.07.08
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白发 Princess Silver白发 Princess Silver第17話「都落ち」青州(セイシュウ)の実家へ帰ることになった孫雅璃(ソンアリ)。そこで酒楼に傅筹(フチュウ)を呼び出し、これが最後の機会になると思いの丈をぶつけた。「側室でも奴婢(ヌヒ)としてでもいい…将軍のおそばにいられるなら、それで満足です」しかし傅筹は席を立ち、気持ちに応えることはできないと断る。雅璃はどうしてもあきらめ切れず、思わず将軍の腕をつかんで涙ながらに懇願した。「将軍、お待ちください…ウッ…待って…」すると傅筹は雅璃が自分を想って毎月、作ったという香り袋をひとつだけ取り、帰って行った。↓雅璃…まさかすがりつくとは…( ̄▽ ̄;)爵位を剥奪された第七皇子・宗政無憂(ソウセイムユウ)と陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は南境へ下ることになり、父へ別れの挨拶にやって来た。すると北臨(ホクリン)帝が珍しく無憂に胸の内を明かす。「無憂…符鴛(フエン)に陥れられた朕をずっと恨んできたのだろう? 確かに朕はそなたの母に済まぬことをした、あの頃、朕は国を再興する志に燃えていたのだ 一時、情を犠牲にしても取り戻せると思っていた…しかし…」父が珍しく釈明するのを聞いた無郁は、実は七兄も父を心配していると仲を取り持った。陳(チン)太監も僭越ながら皇帝が真犯人を見つけて陳王の汚名をすすぐため、大理寺に捜査を命じたと暴露する。無郁は自分の無実を知っていながら南境へ行かせるのかとぼやいたが、北臨帝は場所が変われば気分も変わると真意を教えた。「朕は情を犠牲にして戦場に人生を懸けたことで強大な北臨の礎を築いた 自責の念はあるが悔いはない、朕の国土は任せるに足る者に任せたいと思っておる さもなくばそなたの母に面目が立たぬ」無憂と無郁は挨拶を終えて御書房を出た。すると偶然、皇帝に婚姻の挨拶に来た傅筹と容楽(ヨウラク)に鉢合わせしてしまう。傅筹は他郷に行く2人に別れを伝えると、容楽も表情を変えずに拝礼した。ちょうどそこへ孫継周(ソンケイシュウ)と孫雅璃が現れる。そこで無郁はわざと青州に着いたら孫継周も七兄の岳父になると嘘をつき、無憂の面目を守った。傅筹は皇帝から謁見を拒まれ、結局、そのまま容楽と引き返した。すると宮中ではもちろん、大街でも将軍府の馬車を見た民たちから容楽の悪評が聞こえる。「夫人は不貞な女だそうだ」「なぜあんな女を?」「悪い女が乗ってるぞ!」容楽は人の噂など気にしていなかったが、馬車が攏月(ロウゲツ)楼の前を通ると表情が変わった。将軍府に戻った容楽は初めて傅筹に話があると引き止めた。「あなたの仕業?あなたが民に危害を加えさせ、無憂に罪を着せたのね? 陛下が拝謁を許さなかったものも、そのせいだわ」傅筹は否定も肯定もせず、皇帝も容楽も常に無憂の味方で、自分を信じたことは一度もないと不満を漏らす。しかし容楽は無憂たちの都落ちを自分に隠していたのが何よりの証拠だと冷たかった。「では事実を君に告げて、妻が自責の念に苦しむのをただ見ていろと言うのか?」「(ハァ~)終わったことよ、ただ…」「私を非難した動機が何であれ、これは信頼の始まりだ ←( ๑≧ꇴ≦)何も始まってないw 今後はどんな事でも遠慮なく聞いてくれ、必ず答える、憶測はするな もちろん、いつか君にも心を開いて欲しい」「ごめんだわ」「私が心から君を想っていると、いつか分かる」←( ๑≧ꇴ≦)だったら雅璃にもチャンスやれっ!都を離れたくない孫雅璃は皇后に泣きついた。しかしかえって無憂との縁談を勧められてしまう。一方、無憂は漫音(マンイン)閣でひとり碁石をながめていた。「″世は対局のごとく人は変わりやすし、恩讐と愛憎のしがらみは解き難し″… 手の内にあるつもりでいた、今はそれも疑わしい 私も運命に翻弄される駒に過ぎなかったのか?」そこへ昭蕓(ショウウン)郡主がやって来た。「無憂哥哥、悪い女のことは忘れて!優しい姐姐だと思ったのに、私もだまされたわ!」「…もう言うな」すると無憂は侍衛・冷炎(レイエン)を呼び、この離れに鍵をかけるよう命じた。無郁は中庭で昭蕓をまちぶせしていた。やがて昭蕓が現れると、実は真剣な話があると引き留める。「私も君のことが好きなんだ 当分は遊んでいられると思っていた、君が大人になるまで待てばいいと… でもこうして都を離れたら、いつ戻れるかも分からない」「何よ!無郁の馬鹿っ!気づかないふりをしていたのね?!」無郁は昭蕓を喜ばせるどころか怒らせてしまったと焦ったが、昭蕓がふと木彫りの人形を差し出た。「あなたよ、公主姐姐と作ったの…」すると昭蕓は毎日、文を書いて他の女子を遠ざけろと迫った。「嫌なら待たないから」「分かった!」↓2人には幸せになって欲しい✩°。⋆⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝傅筹は急に容楽を連れて攏月楼を訪ねた。すると店の準備に追われる沈魚(チンギョ)と再会を果たす。沈魚にとって攏月楼は我が家も同然、やはり離れ難く、店を再開すると教えた。実は茶道が好きな容楽のため、傅筹が攏月楼を開かせることにしたという。「これからも君が若店主だ、やりたいことがあれば自由にやるといい、では先に戻っている」容楽は傅筹を見送りながら、疑惑の眼差しを向ける。しかし沈魚から攏月のためにも店を続けないかと言われ、容楽は久しぶりに笑顔を見せた。容楽は攏月と過ごした唯品(ユイヒン)閣へ入った。…好きな人への想いは人それぞれです…全て捧げたり、利用したり…何を求めるかは心にお尋ねください攏月の言葉を思い出し、また悲しみが蘇る容楽…。その時、奥の部屋で攏月の霊位にひざまずいている蕭煞(ショウサツ)の姿に気づいた。「何をしに来たの?攏月を追い詰めて、死を選ばせたのはあなたよっ! 形だけの哀悼で攏月の安息を妨げないで!」「公主のお怒りはごもっともです…だが言うに言われぬ事情があるのです」←( ๑≧ꇴ≦)言えっ!蕭煞はどう思われようと使命を果たさねばならないと訴え、自分の職責は公主を守ることだと言った。こうして再び公主の侍従として静謐(セイヒツ)園を守ることになった蕭煞、しかし泠月(レイゲツ)からも攏月の死の責任があると辛辣な言葉を浴びせられてしまう。無憂と無郁たちは都を出立した。孫雅璃は再び都へ戻れる日が来ると信じ、後ろ髪を引かれる思いで去って行く。一方、傅筹は容楽を笑顔にしたいと願い、泠月から容楽の趣味を聞き出していた。泠月は特にないが茶道が好きだと答え、そう言えば沈魚の琴を聞く時は笑顔を見せると教える。「ハァ~また何か思い出したら教えてくれ」将軍府では寝殿にこもりきりの容楽、するとどこからともなく琴の音が聞こえて来た。調べに誘われて外へ出てみると、傅筹が琴を弾いている。「初めて聴いた時の無常感がないわ…抑揚の中に清々しさがある、きっと心境が違うのね?」「君がそばにいるからだろう」←(((;゚Д゚)))うわっ傅筹はわざわざ楽譜を取り寄せたと教え、気に入ったなら毎日、聴かせると言った。すると容楽は感謝してくれたが、すぐ部屋に戻ってしまう。その頃、東宮では痕香(コンコウ)のもとに次々と誕生祝いが運ばれていた。すると傅筹からの贈り物が届く。痕香は喜んだが、そこに皇太子妃がやって来た。「これは何事なの?!」「太子妃娘娘、明日は私の誕生日なので、太子殿下が宴を開いてくださいます」何も知らなかった皇太子妃は激怒、よりによって傅筹がくれた陶器を倒して割ってしまう。痕香は怒りに震え、思わず皇太子妃の腕をつかんで酷すぎると抗議した。その時、ちょうど皇太子が戻って来るのが見える。そこで痕香はあたかも皇太子妃に突き飛ばされたように見せかけ、大げさに床に倒れ込んだ。「何をする!」皇太子は慌てて痕香を助けると、痕香は皇太子妃が傅将軍からの贈り物を壊したと訴えた。激情に駆られた皇太子は皇太子妃を引っ叩き、出て行けと一喝する。皇太子妃は東宮に注目が集まっている大事な時期だと諌めたが、皇太子はまた口出しすれば位を廃すと脅した。容楽が急に倒れた。すると夢の中で再び尚書府の密室で思い出した記憶が蘇る。「娘(ニャン)っ!」容楽が飛び起きると、ちょうど泠月が薬を運んで来た。しかし容楽は薬を拒む。「公主、薬を飲んでいなかったから倒れたのですよ? 陛下からの薬が届かなければ目覚めなかったかも…」「皇兄からの薬?」「はい、これまで同様、安否を尋ねる者を寄越し、薬が届きました」泠月は西啓帝が公主を無理に嫁がせた理由は分からないが、公主への愛情は確かだという。薬は蕭煞から受け取ったが、西啓帝の使者が蕭煞に届けていた。容楽は定期的に頭痛が起きるのもおかしな話だと気づき、むしろ薬が原因で頭痛が起きていると疑う。「薬をやめたら記憶が少し戻ったわ、完全にやめれば頭痛は治り、記憶も戻るかも…」そこで容楽は次の薬を自分に渡すよう頼み、蕭煞には口止めした。↓どうもこのアヒル口が信用できないw翌朝、容楽は将軍に呼ばれて正殿を訪ねた。すると傅筹が卓に他国の商人から手に入れた名茶を並べ、茶道に精通する容楽に味を確かめて欲しいという。容楽は早速、茶葉の香りを確認していたが、そこへ項影(コウエイ)がやって来た。実は皇太子が香夫人の誕生祝いに将軍夫妻を招待したいという。ふいに″香夫人″と耳にした容楽は、例の自分の替え玉だと思い出し、興味がわいた。しかし傅筹が容楽は病み上がりなので断るよう指示する。「駄目よ!行くわ、太子殿下が特にご寵愛の夫人なのでしょう? 太子殿下の顔を潰して恨まれてはいけないわ」「一緒に人前に出ると?」「引きこもる気はない、あなたとの約束は守るつもりよ」「安心しろ、私も君との約束は守る」容楽は攏月楼に茶葉を届けに行くと断って出かけた。そこで泠月からもらった昨夜の薬の出がらしを沈魚に託し、どんな薬か調べて欲しいと頼む。つづく( ๑≧ꇴ≦)ふぉんしょーーーん!←まったく関係ないw
2020.07.07
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白发 Princess Silver第16話「すれ違う心」思雲(シウン)陵の墓室へ立てこもった黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)と西啓(セイケイ)の長公主・容楽(ヨウラク)。互いに騙し合っていた2人はわだかまりが解けず、距離を置いて石段に腰掛けていた。しかし容楽が寒さで震え始め、無憂は自ら歩み寄って自分の外衣をかけてやる。容楽は拒もうとしたが、無憂は外衣で容楽を包みながら、思わず抱きしめた。すると容楽は無憂を突き放し、いつになったら帰してくれるのか尋ねる。そこで無憂は今までのことを全て水に流し、漫夭(マンヨウ)を娶りたいと言った。「山河志(サンガシ)の真偽はともかく、そなたは私を信じて託してくれた、そうだろう?違うか?」「だからって何?私と傅筹(フチュウ)は婚儀を挙げた、今さら何を言っても無駄よ」「離縁状を手に入れる」「陛下の寵愛があれば何でもできると思うの?」「違う!私を信じろ!」←( ๑≧ꇴ≦)無理っ!「どうやって?短い間に何度も人に欺かれたのよ?お互いに信頼を失ったのなら離れるべきだわ …あきらめましょう、初めからこうなる運命だったの、私たちは相容れない関係よ 情は芽生えたけど、真心は捧げなかった、これからは赤の他人に… 疑念を募らせ、苦しみ続けるよりいい」「それが本心か?」「願望なの、どうか叶えて…」無憂はしばし言葉を失ったが、どうしてもあきらめられない。「傅筹は真心があると?」「…それはまた別の問題よ」「私を愛していたか?!愛していたのならどのくらいだ?!」←( ๑≧ꇴ≦)何時何分いつどこで?!wしかし容楽はただ黙って冷ややかに無憂を見つめた。無憂は愛する容楽に拒絶され、うなだれながら涙をこらえる。「…最後に頼みがある、3日だけそばにいてくれ」すると容楽はこらえ切れず、無憂のそばから離れて1人で泣いた。(꒦ິ⌑꒦ີ)かえって辛くなるだけなのに…3日経っても容楽の気持ちは変わらなかった。無憂は約束通り墓室を開けると、容楽は立ち上がって黙って歩き出す。しかし無憂とすれ違っても容楽は目も合わせようとしなかった。すると急に無憂が容楽の背中に誓いを立てる。「私、宗政無憂は…」容楽は思わず足を止めた。「…生涯かけてそなたを想い続ける、そなたと民を決して裏切らぬ」その時、容楽の瞳から大粒の涙がこぼれたが、無憂からは何も見えなかった。容楽はようやく解放されたが、陵墓には北臨(ホクリン)帝以下、朝臣たちが待ち構えていた。すると北臨帝は拝礼した容楽をいきなり引っ叩く。「黎王を誘惑したあげく、衛国(エイコク)大将軍まで惑わし、臣下の離間を計るとは!」北臨帝は処置が決まるまで容楽を収監すると命じたが、咄嗟に傅筹がひざまずいて恩情を求めた。北臨と西啓(サイケイ)は同盟を宣言したばかり、容楽公主を収監すれば憶測を呼ぶという。しかし傅筹の嘆願は叶わなかった。その時、無憂が現れ、容楽の解放を求める。これは全て自分がひとりでやったことであり、公主は半年以内に婚姻を決めたかったが、自分に拒否され将軍を選んだだけだとかばった。「父上、どうかお許しを…」北臨帝は頑な無憂が頭を下げたことから、今回はこれで片を付けると決める。「今後、この件には二度と触れるな!」朝臣たちが拝命し一件落着、そこで傅筹は容楽を連れて帰ろうとしたが、容楽は将軍の手を離して1人で行ってしまう。すると容楽の背中を見送った無憂は、またひとりで墓室へ戻って行った。将軍府に戻った容楽、しかし真っ赤に飾り立てられた部屋の中で身の置き場がなかった。そこへ傅筹がやって来る。傅筹は泠月(レイゲツ)に花嫁衣装を妻に着せるよう頼んだが、容楽は無視した。仕方なく傅筹はあきらめ、3日遅れで夫婦の誓いの杯を交わすことにする。「誓いの杯は夫婦が末永く幸せになるための儀式よ? 承知の通り私たちは偽の夫婦でしかない、誓いの杯など必要ないわ」容楽は杯の酒を床にまくと、傅筹はひとまず泠月たちを下げた。傅筹は容楽と黎王の過去を追求する気はなく、噂話も気にしないと言った。ただ大将軍の夫人となったからには、心に誰がいようと秘密するよう助言する。自分に嫁いだ以上、今後は容楽の一言一行が自分だけでなく容楽の体面にも関わるからだ。「今日、見ただろう? 私は将軍として北臨のため汗馬の労を尽くしてきたが、黎王の一言にも及ばなかった 君を救いたくてもできぬ場合がある…はあ~それでも全力で守る 信じないだろうが、私は君が長公主だから娶ったのではない 初対面で私の琴音を理解したからだ 私の心を理解できるのはこの世で君だけだろう ←( ̄▽ ̄;)重っ 多くを失い犠牲にしてきたが、あの時、心から君が欲しいと思った」←(O_O)キモッ「ふっ、買いかぶらないで、あれは口から出まかせよ?将軍を理解する?永遠に無理よ」容楽は兄と共謀して自分を騙し、何も知らぬふりをして近づいたと非難した。しかし傅筹はこれも容楽を幸せにしたいからだという。「信じてくれ」←(ヾノ・∀・`)ムリムリ「だったらすぐ離縁して」すると傅筹はまだできないと断り、容斉(ヨウセイ)と同じように1年後だと言った。容楽はどうせ1年後も騙されると一笑に付したが、傅筹はただ容楽から機会を得たいだけだという。「君の欲しいものは与える、意思を尊重し、無理強いはしないと約束する 心から私の妻になりたいと思う日まで…」「そんな日は 来 な い」「…その考えが1年後も変わらなければ、あきらめて離縁しよう」傅筹は改めて夫婦の誓いの杯を交わそうと促したが、容楽は目も合わさない。仕方なく傅筹はひとりで乾杯し杯を空けると、寂しく帰って行った。翌朝、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)と昭蕓(ショウウン)郡主が黎王府で墓室に閉じこもっている無憂を心配していると、禁衛軍が現れた。統領の向誠(コウセイ)の話では、陳王が漫夭(マンヨウ)を捜索中、配下に殺しや略奪を許したとの告発があり、皇帝が収監を命じたという。無郁はどうせ尋問されるだけだと昭蕓を安心させて出て行ったが、昭蕓は慌てて陵墓へ向かった。墓室にいた無憂は驚くほど憔悴していた。しかし昭蕓に無郁を助けて欲しいと泣きつかれ、ようやく重い腰をあげ、墓室を出る。無憂はその足で朝議に駆けつけ、陳王は自分の命に従っただけ、配下が狼藉を働いたなら自分の責任だと訴えた。北臨帝は女子1人のために騒動を起こし、十数名も死者を出したと激怒、罪を認めるだけで済むかと声を荒げる。すると無憂は黎王府が民への賠償を担うと表明し、さらに罰として爵位の剥奪と都からの追放を願い出た。「陳王と共に野に下ります」「離京を決心したなら認めよう…」北臨帝は無憂の爵位を剥奪、皇子として南境の領地の管理を任せた。しかし尚書・楊惟(ヨウイ)が爵位を奪っても十数名の命は戻らない、天下の民は納得しないと諫言する。「皇族も庶民も法を犯せば同罪です」中書監(チュウショカン)・孫継周(ソンケイシュウ)は追い討ちをかけるのかと反対したが、むしろ無憂は楊惟が民と法に忠実だと敬服した。こうして無憂は懲罰として軍棍(グンコン)50回を命じられ、朝議をあとにする。傅筹はこの機に乗じ、補佐を任せる予定だった黎王が都を離れるため、別の皇子を選抜するよう進言した。北臨帝は仕方なく皇太子の禁足を解き、政務の補佐を任せると決める。すると孫継周もこの機会に青州(セイシュウ)の実家へ戻りたいと嘆願し、無憂を支える道を選んだ。皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)は上機嫌だった。そこで愛妾の痕香(コンコウ)にも何か望みを叶えてやるという。すると痕香は半月後が誕生日のため、宴を開いて王侯や大臣を招いて欲しいと頼んだ。「称号がなくとも、私は太子殿下のものだと周知させたいのです」孫継周は屋敷に戻ると早速、引っ越しの準備に取り掛かった。これは娘と無憂の縁談のためでもあったが、まさか娘に想い人がいるとは知らず、孫雅璃(ソンアリ)に無理強いする。「殿下が離京を決意したのは過去と決別するためだ 孫家は青州で勢力を持つ、お前が世話を焼けば必ず王妃になれる」「父上!私は王妃になりたくありません!」「お前の結婚は孫家の繁栄を左右するのだ 余世海(ヨセイカイ)は人を見誤り3代続く家を滅ぼしたが、孫家は私の代で滅せぬ!」 孫継周は16年前、黎王が母方の親族から見放された時、危険を覚悟で秦永の後任になる。これも黎王が皇位に継げば孫家に報いてくれる、そう見込んだからだった。一方、傅筹も項影(コウエイ)に令牌を託し、青州の者に届けるよう命じていた。「見れば分かるはずだ、宗政無憂が領地に赴くなら盛大に歓迎してやらねばな…」すると珍しく孫継周から書簡が届いた。かつて南境で世話になったお礼がしたいと飛鴻(ヒコウ)居に来て欲しいという。傅筹は孫継周がなぜ屋敷へ招かず、酒楼に呼び出すのか首を傾げた。傅筹が飛鴻居を訪ねると、なぜか孫雅璃が待っていた。実は父の名を使って傅筹を呼び出したのだという。雅璃は酒の力を借り、南境で出会ってからずっと傅筹を慕っていたと告白した。そして化粧箱にびっしり並べられた香り袋を見せる。 ←( ̄▽ ̄;)恐っ「今までは遠巻きに見るだけでした… その代わり毎月、香り袋を想いを込めて縫っていたのです」雅璃は今を逃せば二度と言えなくなると言った。つづく( ̄▽ ̄;)3日って…せめて「明日の朝まで一緒にいてくれ」にして欲しかったわ〜そして孫パパ、お前もかっ?!さて人間不信で終わったシーズン1、まだまだ謎は深まるばかりです
2020.07.06
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白发 Princess Silver第15話「若店主の正体」婚礼の準備が整った将軍府。しかし容楽(ヨウラク)はこのまま操り人形でいたくないと、人質だった4人を連れて城外へ逃げ出した。攏月(ロウゲツ)はやがてしびれ薬が切れたが、集団行動は全員捕まる可能性が高いと懸念する。すると容楽はもはや自分と4人に主従はなくなったと話し、未来を大切にしてそれぞれの道を歩んで欲しいと訴えた。そこで沈魚(チンギョ)は琴の名曲を訪ねるため、まず北臨と曲調が異なる宸(シン)国へ行くと決める。また小唯は何年も攏月楼にいながら西啓(サイケイ)を知らないため西啓へ、泠月は共に使えていた蓮心(レンシン)を懐かしみ、訪ねたいと言った。そして容楽は演じてきた漫夭(マンヨウ)のように各地を見てみたいと願い、攏月と共に天下を訪ねる旅に出ることにする。最後に5人は手を重ね合せ、いつか再会できると信じてそれぞれの新天地へと旅立った。その頃、黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)は兵を率いて漫夭を追っていた。やがて鷹を頼りに漫夭らしき人影を発見、しかし突如として現れた天仇門(テンキュウモン)に足止めされてしまう。一方、無憂たちを振り切った容楽と攏月は必死に走り続けていた。すると目の前から護衛付きの馬車が現れ、行く手を阻まれる。その馬車から出てきたのは、西啓への帰路についたと思っていた皇兄・容斉(ヨウセイ)だった。「私が北臨を離れたと?…″山河志(サンガシ)″を手にするまでは決して逃がさぬ」うかつだった。何度も欺かれながら、また兄を信じてしまうとは…。すると容楽は兄が民のために山河志を手にれると言いながら、傅筹(フチュウ)と手を組んで両国をかく乱させたと痛烈に批判した。「和親も恐ろしい計画の隠れ蓑だった…争いになれば民がどうなるか考えないの?!」「そなたには関係ない、山河志を渡して傅筹に嫁ぎさえすれば1年後には何もかも終わる」「公主、ここは私が…」攏月は西啓の間者でありながら皇帝を裏切り、咄嗟に容楽を逃して侍衛を阻んだ。しかし蕭煞(ショウサツ)が隙を見て攏月を捕らえ、人質になってしまう。「私に構わず早くお逃げに!」「攏月を見殺しにするのか?」容楽は容斉に脅され、もはや逃げることも引き返すこともできず立ちすくんだ。↓( ๑≧ꇴ≦)ホァンション💢その時、攏月は容楽を逃がそうと、自ら蕭煞の剣を胸に刺してしまう。驚いた容楽は慌てて攏月の元へ駆け寄った。「しっかり…攏月…」「早く…逃げてください…」攏月は最後まで身を挺して容楽を守ったが、ここでついに息絶えた。容楽は唯一、信頼できる友であり、姉妹も同然だった攏月を失った。兄への恨みを募らせた容楽は実は山河志など手に入れていないと暴露し、容斉を驚かせる。しかし容斉はどちらにしても傅筹に嫁げと命じた。そこで容楽は咄嗟に侍衛が落とした剣を拾い、自分の首に突きつける。「ならば私の亡骸を届けるのね」すると容斉は人質を連れてくるよう命じ、沈魚、泠月、小唯を連行する。「この者たちまで道連れにする気か?」「陛下っ!私は目印を…」うっかり口を滑らせた小唯はいきなり背中を斬られて倒れた。←(O_O)小唯、お前もか…「もうやめて!」容楽はひざまずき、泠月と沈魚を助けて欲しいと嘆願する。「私は中山(チュウザン)に戻る、傅筹に嫁ぐわ…何でも兄上の言う通りにする」「はお、帰ろう」安堵した容斉は憔悴した容楽を立たせようと手を伸ばしたが、容楽は兄が触れることを許さなかった。無憂の一行は天仇門を退け、漫夭を探していた。やがて日も暮れた頃、林の中で2体の骸を発見、そのうち1体は漫夭の外套を被っている。無憂は恐る恐る顔を確認したが、骸は漫夭ではなく攏月だった。「漫夭…何があったのだ…」翌朝、昭蕓(ショウウン)郡主は容楽公主にお祝いを伝えようと公主府にやって来た。泠月はちょうど皇后の使いを見送っていたところで、うっかり郡主を止めるのが遅れてしまう。「ぁぁ?あなた漫夭!…公主姐姐?でも攏月楼の漫夭にうり二つ…まさか?!」しかし容楽は黙ったまま何も答えなかった。「知らせなきゃ、無憂哥哥が探しているの!」傅筹が公主府に花嫁を迎えにやって来た。すると真っ赤な面紗(メンシャ)で顔を隠した容楽が泠月と蕭煞に付き添われて歩いて来るのが見える。傅筹は馬から降りて門まで出迎え、容楽の手を取った。「もう二度とこの手は離さぬ、安心してくれ」←ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノしかし容楽は正面を向いたまま、傅筹の顔を見ない。傅筹は仕方なく容楽の手を引いて輿へ案内しようとしたが、容楽はあっさり手を離して自分で歩いて行った。無憂は血まみれになった漫夭の外套だけを持って黎王府に帰った。責任を感じる無郁だったが、まさか逃げるとは思わなかったと釈明する。「でも急に公主の侍従が現れ、奴と争っているうちに姿を消したのです」無憂は漫夭に会った時に蕭煞が現れたと知り、ようやく真相に気づいた。思えば将軍府で公主が浴槽の湯に触れていたのも、湯の中に誰かが潜んでいたからだろう。湯の波立ちを隠していたのだ。無憂は慌てて出かけることにしたが、その時、昭蕓郡主が中庭に飛び込んで来る。「無憂哥哥!大事な話が!公主は漫夭だったわ!」皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)は夫人の痕香(コンコウ)を同伴し、皇帝の名代として婚礼に参列した。公主の素顔が見られると興味本位の招待客たち、そんな中、痕香だけはなぜか浮かない顔をしている。そしていよいよ吉兆の時刻となり、容楽は失意のまま傅筹と拝礼の儀に臨んだ。「新郎新婦はひざまずかれよ…天地に拝礼、両親に拝礼、夫婦で拝礼…」容楽と傅筹は立ち上がり、夫婦で拝礼しようと向き合った。早々に頭を下げる傅筹、一方、戸惑う容楽は小さくうなづいたが、まさにその時、突然、誰かが2人を止めた。「ちょっと待ったー!」いきなり飛び込んできた無憂は容楽公主の顔が見たいと言って面紗に手を伸ばした。しかし危ないところで傅筹が阻止する。「黎王殿下、面紗を取るのは夫である私の役目です」「婚儀が済まぬうちはまだ夫婦とは呼べぬ」「では夫婦と呼べる条件とは?」「同衾(ドウキン)してこそだ、容楽公主も同じ意見のはず…」無憂の不用意な発言は、容楽に再びもてあそばれた恨みを思い起こさせた。自分との婚姻を断固拒絶しておきながら、急に顔が見たいとはどういう了見か。しかし無憂は再び花嫁の面紗をはぎ取ろうと手を伸ばし、邪魔をする傅筹と争いになってしまう。慌てた皇太子は咄嗟に間に入って無礼な無憂を叱り、父に報告すると脅した。無憂は例え父がこの場にいようと容楽公主の顔を必ず確かめると反発し、冷炎(レイエン)に命じて黎王府の兵を呼んでしまう。仕方なく傅筹も項影(コウエイ)に合図、将軍府の兵が駆けつけ、にわかに緊迫した状況となった。「婚儀を終えた今、君は私の妻だ、心配せずとも君の身は私が守る」「…将軍のお心遣いに感謝するわ、ただ私にしか解決できない問題よ」容楽は無用な争いを止めるため、覚悟を決めて無憂の前に立った。「私の顔を見れば納得するのですね?」すると容楽はついに面紗を外し、正体を明かす。噂とは違い美しい公主に見惚れる参列者たち、そんな中、無憂と皇太子は漫夭が容楽だと知って唖然となった。「やはりそうか…私を欺いたのだな?」「…これで殿下もご満足でしょう?失礼します」容楽は傅筹と出て行くことにしたが、無憂が容楽の手をつかんで引き止めた。「本当に奴の妻になる気かっ?!…忘れたのかっ?!あの夜、私たちはっ…(バシッ!)」興奮した無憂はうっかり口を滑らせ、容楽に引っ叩かれてしまう。(;╹⌓╹)オイオイオイオイ…言うか普通…容楽公主と黎王の関係が思わぬ形で露呈し、その場は騒然となった。それでも無憂は容楽を自分の女子だと明言、自分以外の男に嫁ぐことは許さないという。来い!>( ー̀ωー́ )=C<,,Ծ‸Ծ,,)<やだっ!無憂は無理やり容楽を連れて行こうとしたが、容楽はその手を振り払った。するとすっかり蚊帳の外だった傅筹が黎王の前に立ちはだかる。←( ̄▽ ̄;)さすがに不びんw「妻を侮辱した上、連れ去ると?お忘れですか?これは両国の命運を懸けた婚姻です まさか世間の女子はすべて黎王殿下の思いのままになるとでも?」「君子面するな!口出し無用だ、容楽はすでに私の女子だ、侮辱してはおらぬ」容楽は無憂の勝手な振る舞いに我慢できず、見損なっていたと詰め寄った。「婚姻は決まったことよ?どうして未練がましく私を追い詰めて恥をかかせるの?! 理解できない…あなたの目的は何?!」「私が来た理由が分からないのか?」「分からないわ、あなたの気持ちもね…」そこへ遅れて無郁がやって来る。 ←( ̄▽ ̄;)もう嫌な予感しかしない無郁はやはり漫夭が容楽だと知り、急に怒りがこみ上げてきた。「やはり君か?!ひどいよ!七哥と逢瀬を重ねながら、他の男に嫁ぐつもりだったのか?!」陳王の言葉は暗黙の了解となった容楽公主と黎王の関係を白日のもとに晒す結果になってしまう。( ̄▽ ̄;)無郁、ホント黙っててw容楽はもはや取り返しがつかなくなったとあきらめ、傅筹の元へ戻った。「釈明するつもりはないわ、両国の和親を駄目にしたのは私の責任よ 責任は全て私が負う、将軍に迷惑はかけない、離縁状を書いて」すると容楽は金色の美しい冠を外して、床に捨ててしまう。傅筹は動揺を隠し、婚儀を済ませたからには夫婦だと訴え、重荷は共に背負うとなだめた。しかし無憂は無断で自分の王妃と将来を誓う気かと憤慨、強引に容楽を連れ去ってしまう。無郁は兄のため道を開けると、黎王と入れ違いで紅白の仮面と外套をまとった手だれの刺客たちがなだれ込んで来た。刺客たちは一斉に傅筹を包囲、もはや傅筹は何もできない。結局、傅筹は容楽が残していった冠を拾うと、黙って恨めしそうに眺めていた。無憂は容楽を連れて母が眠る思雲(シウン)陵へ立てこもった。するといきなり容楽がまとっている花嫁衣装の外衣をはぎ取ってしまう。「西啓の公主でありながら茶楼の若店主に扮し、共に願をかけた身で奴に嫁ぐとは!」「傅筹に嫁いだから何だと言うの? あなたこそ山河志のために私に近づいた、偽りの愛を餌にしてね!」「偽りの愛だと?そなたはどうなのだ!私に身分を隠して策を進めていたのだろう?」「そうね、お互いに騙し合っていたのよ でもあなたの方が一枚上手だった、私はすべてを奪われたわ!」「私が何を奪ったと?そなた自身か?そなたの心か?だがそなたは私の山河志を奪った!」「あなたの物ですって?北臨(ホクリン)帝はあなたの先師の秦永(シンエイ)を殺した 一族全員を始末して、その著作を我が物にしたのよ、あなたも同じだわ 人の気持ちも考えず所有物にする…」2人が言い争い、対峙している頃、外では傅筹や朝臣たちが陵墓に集まっていた。そこへ皇太子から知らせを聞いた北臨帝が到着する。冷炎は黎王たちが陵墓の中にいると報告し、中から封鎖されたため開かないと説明した。すると北臨帝は公主の婿選びの時、自ら偽公主の茶を飲んだ将軍を疑う。「漫夭が公主だと知っていたのか?」しかし傅筹は国のため名乗りを上げただけで、公主の正体を知らなかったと嘘をついた。朝臣たちも将軍をかばい、北臨帝もそれ以上、追求できなくなってしまう。つづく(  ̄꒳ ̄)無憂「私の山河志を奪った!」って…え?
2020.07.05
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白发 Princess Silver第14話「人質奪還」西啓(セイケイ)公主の住まいとなる静謐(セイヒツ)園を見学することになった黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)と皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)。皇太子は浴室なら見なくて良いと気を利かせたが、無憂は見逃さなかった。そこで傅筹(フチュウ)はそれとなく替え玉の公主を先に行かせ、時間を稼ぐ。その時、沐浴を終えた容楽(ヨウラク)はちょうど身支度を整えたところだった。すると突然、仮面を付けた公主の偽物が現れ、黙って浴槽へ滑り込み、姿を隠す。容楽は面食らったが、誰かが来ると気づいて急いで自分の仮面を手にした。無憂が湯殿に入ると、容楽公主が湯の感触を確認していた。「西啓の皇宮の浴室より狭いけれど十分です」「将軍府ですからご辛抱ください」容楽は偽物と入れ替わり、何食わぬ顔で傅筹と出て行った。するとひとり湯殿に残った無憂の元に侍衛・冷炎(レイエン)が駆けつける。冷炎は黙って首を横に振ると、無憂は将軍府をしらみつぶしに探せと命じた。傅筹は皇太子と黎王を宴席に案内した。宴には芸妓たちが登場、美しい舞を披露する。すると無憂は面紗(メンシャ)を付けた舞姫が漫夭に似ていると気づき、冷炎に目配せした。早速、冷炎は舞姫の面紗をはぎ取ろうと手を伸ばしたが、素早い身のこなしで舞姫は避ける。しかしやがてバランスを崩し、倒れた拍子に面紗が外れ、舞姫は素顔を晒すことになった。…この人が私の替え玉なのね…湯殿で入れ替わった偽物をまじまじと観察する容楽、一方、無憂は漫夭と似ているが別人だと知って落胆を隠せない。そんな2人の複雑な思いをよそに、皇太子は舞姫に一目ぼれ、名前を聞いた。「天香(テンコウ)楼の芸妓・痕香(コンコウ)です、よろしければ太子殿下にお仕えいたします」無憂はそこで引き上げようとしたが、ちょうど傅筹がふるまった酒の香りに驚いて留まった。その酒は先師である秦永(シンエイ)が造ったあの十里香(ジュウリコウ)酒…。傅筹は容楽にも勧めたが、容楽は第6話で陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)が持って来た十里香酒で具合が悪くなったことを思い出した。「せっかくですが、本復するまでお酒は侍医に止められています 匂いを嗅ぐだけでも気分が悪くなります…」容楽が思わず鼻を押さえると、無憂は公主の様子を訝しんだ。すると皇太子は、16年前に皇宮の宴に集まった百官がこの酒を絶賛したが、その後なぜか秦家は父の怒りを買って皆殺しになったと話す。「秦永の酒造りの技術を継いだ者はおらぬ、ふっ」容楽は無憂が拳に力を込めて我慢している様子に気づき、つい口を出した。「秦丞相は忠臣と名高い 皇宮に銘酒を届けたことが災いとなり、一族皆殺しにされるとは落胆すべきことです 太子殿下は世継ぎでありながら秦丞相の治世の才ではなく、酒造りの腕を惜しんでおられる… 何と嘆かわしい」しかし皇太子は秦家が誅滅されたのは父の信頼を裏切ったからだと反論し、無憂の席まで行って先師の酒を飲めと勧めた。亡き師匠を侮辱された無憂は憤慨、皇太子が差し出した杯を払いのけると、そのまま帰ってしまう。宴は散会し、皇太子は痕香を皇太子府に連れて帰った。しかし痕香は見送りに出た将軍を馬車の窓から恨めしそうに見ている。一方、容楽は傅筹になぜ自分を助けたのか聞いた。傅筹は目的があるとだけ認め、自分を信じてくれことに感謝する。「将軍府に留まるか?それとも蕭煞(ショウサツ)と公主府へ?」「ふっ、私に選択の自由があるの? 攏月(ロウゲツ)たちを人質に取られた上、蕭煞の監視まで付けられて、好きに選べと? いいこと?私が操り人形でいると思ったら大間違いよ!」「君の意思の強さには驚く、漫夭…」「漫夭ですって?私は西啓の公主よ、気安く呼ばないで」すると容楽は公主府へ帰ることにした。「…あら蕭煞大人(ダーレン)、職務に忠実ね、ご苦労様」「公…ぁ…(行っちゃった)」容楽が公主府に戻ると、すでに屋敷は容斉の親衛が警護し、公主府の者は誰もいなかった。すると寝殿の前で容斉が待ち構えている。「全部、手配済みなのね…私と親しい人は1人も見逃さない」「…そなたの身分や目的が北臨の者たちに知られてはならぬ、だから慎重を期して行動している」「傅筹は北臨の者よ、見え透いた言い訳は聞きたくない」「ならば山河志を渡せ、約束は果たす、婚儀から1年で西啓の家へ連れて戻る」「家ですって?私の家はどこなの?家なんてあるの?」「…私の関心は山河志の在りかだけだ」容楽は確かに自分が山河志を持っていると認め、交換条件として人質たちを殺さないよう迫った。「沈魚(チンギョ)、泠月(レイゲツ)、小唯(ショウイ)、攏月、ひとりも欠けてはダメよ!」容斉は条件を飲み、蕭煞に明日、容楽を人質に会わせるよう命じた。すると容楽は肌身離さず持っていた玉佩(ギョクハイ)を兄の目の前に差し出し、手を離してしまう。玉は容斉の手をすり抜け、そのまま落下、無残にも真っ二つに割れた。容斉は容楽の信頼を失い、ただ黙って容楽が寝殿の中に消えていくのを見送るしかない。そして割れた玉を拾うと、人知れず言いようのない悲しみに耐えていた。↓( ๑≧ꇴ≦)ホァンションに何がっ?!皇太子妃が皇太子の寝殿に乗り込んできた。するといきなり痕香をひっぱたき、東宮に芸妓を連れ込まれては面目丸つぶれだと嘆く。しかし皇太子は痕香が傅将軍から贈られた女子だと教え、傅将軍を取り込むのにどれほど苦労したことかと訴えた。「誰かに漏らしたら承知せんぞ!」皇太子は痕香をかばい、皇太子妃を追い出してしまう。そこで痕香は皇太子に薬入りの酒を飲ませ、昏迷させた。痕香は大勢の女子を泣かせて来た皇太子を暴行し、ひとしきり憂さを晴らしてから何かを探し始めた。やがて枕のからくりを見つけ、そこから鍵を見つける。一方、冷炎は調査を終えて黎王府へ戻っていた。宴で振る舞われた十里香酒は最近、ある店が売り出した物で、同じ名でも秦家秘伝の手法を得たわけではなく、ただ香りを似せているだけ、味わいは異なるという。しかし秦家と言えば北臨の禁忌、無憂はまさか真似る勇気のある者がいたとは意外だった。店の者によると有名な酒の名を借りただけで、十里香酒にまつわる事案は知らなかったらしい。「待て、傅筹は十里香の件を知っている、なぜ危険を冒してまで禁忌の酒を持ち出したのか…」結局、将軍府では漫夭の手がかりを何も見つけられなかった。無憂はどうにも腑に落ちない。「何か見逃しているのでは?」無相子(ムソウシ)は誤報を放ったことがなかった。もし漫夭が将軍府にいたとしたら…。嫁入り前の容楽公主が将軍府を見に来たのも妙だ。宴席に現れた舞姫の身のこなし…。傅筹はあの手だれの女子を皇太子に贈った。そして宴で振る舞われたのが十里香酒…。「一見、関連がなさそうに見えるが…」無憂は傅筹の狙いが皇太子の懐柔だけではないと気づいたが、今は漫夭を探すことが先決だった。翌朝、皇太子が目を覚ますと、隣にはあられもない姿の痕香がいた。痕香は疲れてそのまま眠ってしまったと謝罪したが、皇太子は何も覚えていないという。しかし確かに床には脱ぎ捨てた2人の衣があった。無郁は黎王府を訪ね、漫夭より山河志の捜索に力を注ぐよう助言した。すると無憂は苛立ちを隠せず、思わず茶碗を投げつけ、割ってしまう。「七哥…なぜそんなに慌てているのです?目的は山河志でしょう? 漫夭の方が大事なんですか?まさか情が移ったので?」←もう黙ってろ💢その時、昭蕓(ショウウン)郡主がやって来た。実は数日前から攏月楼が閉まっているため、漫夭の居場所が知りたいという。大好きな容楽公主が将軍に嫁ぐ羽目になったのも漫夭のせい、昭蕓は文句の1つも言わねば気がすまない。「アイヤ~、七哥も数日前から探しているんだよ!」「アァ~?無憂哥哥も知らないなんて…危険な目に遭ってなければいいけど…」昭蕓の一言で無憂は急に不安になった。確かに漫夭は志半ばで諦めるような性格ではない…事件に巻き込まれたのやも…。そこで無憂は無郁に逃亡中の罪人を探すという名目で都中を片っ端から捜索しろと命じた。さらわれたとしたら、事を大きくした方が犯人を追い詰められる。しかしこれを利用して項影(コウエイ)が密かに配下を投入、黎王の名で捜索と称し、民に乱暴を働いた。一方、蕭煞は皇帝が西啓に発ったと公主に報告していた。そこで山河志を自分に渡すよう要求したが、容楽は人質に会うまで渡さないと拒む。蕭煞は仕方なく公主を連れて人質たちが監禁されている反物店へやって来た。すると店の主人が2人を裏庭の建物へ案内し、帯から鍵を出して開ける。裏庭では覆面をした黒衣の男2人が見張っていた。攏月たちは無事だった。仲間との再会を喜ぶ容楽、すると泠月は蕭煞を激しく非難する。「よくも公主を裏切ったわね!」しかし手だれの攏月だけは武術が使えないようしびれ薬を飲まされていた。「仲間にまで残酷な手を使うなんて…」容楽はふつふつと湧き上がる怒りを抑え、全て自分のせいだと嘆く。漫夭が公主だと知った沈魚は、自分たちを守るために公主も犠牲を払ったのだろうと心配した。攏月は山河志を渡さないよう説得したが、容楽は必ず救うと誓う。「待っていて…」すると容楽は蕭煞に隠し場所に案内すると告げ、出て行った。大街は漫夭を探す官兵たちがあふれていた。容楽と蕭煞は陳王の姿に気づいて物陰に隠れると、蕭煞がおとりを使うという。「他にも監視者がいるのね」呆れる容楽を尻目に蕭煞が黙って手を挙げると、暴走する馬車が現れた。案の定、兵士たちは馬車を追いかけ、蕭煞は今のうち逃げようとしたが、容楽が自ら陳王の元へ駆け出してしまう。「陳王、私を探してるの?」「漫夭!やっと見つけた!」無郁は喜んで漫夭を連れて行こうとしたが、追いついた蕭煞が後ろから容楽の肩をつかんだ。驚いた無郁は漫夭を奪われまいと阻止して争いとなったが、容楽公主の侍衛だと気づく。しかし漫夭の姿はすでに消えていた。「見失っただろう?!」「陳王殿下、実は公主府から逃げた奴婢を探しており、誤解しました」「あ~さっきの馬車だな…」蕭煞は陳王をうまくごまかして容楽を探しに向かった。しかし項影が立ちふさがり、容斉の令牌を見せて追わないよう止める。その頃、逃げ出した容楽は反物店に戻り、店主をいきなり殴って鍵を盗むと、裏庭にいる見張りを片付けた。「ここを離れましょう、早く」容楽はまだ自由が利かない攏月を背負い、みんなで城外へ逃げた。林の中を必死に逃げる容楽たち、しかし小唯が足を取られて転んでしまう。その時、うっかり香袋を落としていた。一方、無郁は黎王府へ戻り、漫夭を見つけたが逃げられたと報告した。焦りを隠せない無憂、すると冷炎が駆けつける。「西の城門で漫夭姑娘を見た者がいました!城外へ出たのやも…」↓( ゚д゚)何だって?!つづく( ˘ω˘ )小唯はわざと落としたの?本当にたまたま?もう誰も信じられなくなってる(笑
2020.07.02
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白发 Princess Silver第13話「駆け引きの代償」信じていた皇兄・容斉(ヨウセイ)に裏切られ、深く傷ついた容楽(ヨウラク)。攏月(ロウゲツ)はそんな公主を気遣い、西啓(セイケイ)帝にも何か事情があるのではないかとなだめる。実は調べてみたところ、5年前に北臨(ホクリン)に来た攏月は傅筹(フチュウ)に″凧(タコ)″を送っていた。当時、傅筹はまだ小隊長だったという。「なぜ小隊長に凧を使うのか不思議でした」わずか数年で衛国(エイコク)大将軍に昇格した傅筹、恐らく兄や西啓が関わっていたに違いない。「色々、考えていたわ、私が何か過ちを犯したのかと… 犠牲になる覚悟で北臨に来たから想いは叶わなくていい でも全く理解できない人に嫁ぐなんて、とても無理よ…」「公主、どうしても受け入れられないなら、ご自分の想いを尊重してください 黎(レイ)王を信じたいなら身分の縛りなど気にせず、2人で遠くへ逃げるのです」「…でも彼はそこまで望んでいるかしら?」そこへ小唯(ショウイ)がやって来た。「黎王がお越しです」攏月は山河志を差し出し、あとは容楽の決断に任せることにした。宗政無憂(ソウセイムユウ)は昨夜の約束を思い出し、会いに来たと言った。「今日また訪ねると…もう遅い時分だが、そなたとの約束は守りたい」その言葉を聞いた容楽は思わず無憂に抱きつき、号泣してしまう。無憂は漫夭(マンヨウ)を連れて黎王府に戻り、漫音(マンイン)閣で休ませることにした。「無憂、信じていた人に欺かれ、陥れられたことがある?」「私を欺き、陥れられるのはそなただけだ」無憂は漫夭をからかうと、何があったか分からないが悲しいのだろうと察した。「″今の信念は将来、心を刺すやもしれぬ″、そう言ったわね? 今の私は信念を失い、どう生きればいいかも分からない」「…私を信じるか?母が亡くなった時、この世から光が消えたと思い込んだ だがそなたに会えた…漫夭?どんな苦しみもいずれ過ぎ去る 信念に裏切られたなら、それは信念としてふさわしくなかったのだ 何も信用できずとも私だけは信じろ、私たちは将来を共にする」無憂は母の忌日に不覚にも攏月楼へ足を運んでいたと恥ずかしそうに白状した。思えばすべて運命だったのだろう。刺客から漫夭を守った瞬間から分かっていた、かけがえのない人だと…。「母と秦(シン)師父が亡くなり、人生に希望を失っていた だがそなたに闘志を呼び覚まされ、理想や責任を再自覚した」無憂は秦師匠が民の平和を実現するため、養民変法(ヨウミンヘンホウ)を作ったと教えた。もし山河志さえ見つかれば養民変法を復活させることが叶い、誰でも娶ることができる。無憂は漫夭と共に養民変法を進めたいと願った。もはや将来に何の希望もなかった容楽だったが、無憂の話を聞いているうちに光が見えて来る。「無憂、本当に信じていいのね?」「信じてくれ」「信じるわ」「…結婚しよう」「うん」すると無憂は明日から婚儀の準備を始めると決め、漫夭を抱き上げて寝所へ向かう。その頃、公主府では容斉がやるせない思いを紛らすため、ひとり酒をあおっていた。↓小荀子に八つ当たりする皇兄( ๑≧ꇴ≦)容楽は無憂が眠った後、山河志を枕元に置いた。「無憂、あなたに身を委ねるわ…」するとまた無憂の隣で眠りにつく。寝たふりをしていた無憂はそっと目を開けると、愛しい人の寝顔を見て微笑んだ。翌朝、無憂は漫夭を寝かせたまま中庭にいた。冷炎(レイエン)は主の様子を見に来たが、急に3日以内に結納と婚儀の手配をしろと命じられてしまう。その頃、攏月は沈魚(チンギョ)と小唯に店を任せ、出立するところだった。「そうだ、この楽譜が欲しかったそうね?若店主からの贈り物よ、言づても預かってる ″過去のことは忘れなさい、恩義に縛られ、攏月楼に止まる必要はない 琴の奏者は見聞を広めるべきだ″と…」沈魚は恩人であり一番の理解者だった漫夭がいなくなり、途方に暮れた。そこへ蕭煞(ショウサツ)が西啓の刺客を連れて乗り込んでくる。「公主は?」「誰のこと?」何も知らない沈魚は困惑した。無憂と一夜を共にした容楽はようやく目を覚ました。そこで身支度を整えて庭に出ようとしたが、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)の声が聞こえて来る。「七哥!婚礼を挙げるのですか?!」実は儀礼に詳しくない冷炎は陳王に協力を求めていた。2人の話を聞きながら幸せを噛みしめる容楽、しかし陳王の何気ない言葉から事態は一変する。「巧みな計画で漫夭を虜にできましたね~」「私も意外だった、利口な女子が情にほだされ、全てを私に委ねるとは…」すると無郁は卓の上にある山河志に気づいた。「七哥?!発見したのですか?!…もしや漫夭にもらったのでは?あーっ!やっぱり~」それにしてもなぜ山河志が漫夭の手にあったのか、無郁はすぐひらめいた。花灯(カトウ)祭の夜、尚書府に侵入したのは漫夭だったのだろう。つまり七兄はわざと警備を手薄にして漫夭が山河志の在りかを知っているかどうか試したのだ。「女心さえつかめば秘密を握るのは簡単ですね~ 漫夭があっさり罠に落ち、山河志を差し出すとは…」無憂は違うと否定したが、無郁の軽口は止まらない。「これで父上は七哥を束縛できません!漫夭が西啓の間者でも手柄を立てたなら報いてやらねば あれ~?!まさか本気で愛していると?」「当然、違うわ!」その声は漫夭だった。容楽は無憂が山河志を手に入れるため自分を欺いていたと知った。「すべて偽りよ!私を王府に留まらせ、李志遠(リシエン)の居所を漏らしたのも、 偶然を装い、密室の仕掛けを分からせたのも計画なのね? …違うと言うなら狩り場の件はどう?偽の刺客の情報で私をおびきよせた あの時は企みと認めたわ」「そうとも、すべて私の企みだ…だが山河志のためではない」その時、無郁は山河志が偽物だと気づいて無憂に渡した。驚いた無憂は思わず漫夭を疑いの目で睨んでしまう。容楽にとってその目が答えになった。「この期に及んで取り繕う必要はないわ…山河志のために皆で私をだました 私は用済みでしょう?」すると無憂は山河志を放り投げ、大切なのは漫夭だけだと訴える。「信じるとでも?あなたも結局は気にかけるふりをして私を欺き、利用したのよ 何度も罠を仕掛けてね!」容楽は引き止める無憂の手を振り払い、出て行ってしまう。黎王府を飛び出した容楽は雨の中をさまよっていた。兄に裏切られ、愛する人に騙され、これからどこへ行けばいいのか…。容楽はやがて気を失って道端で倒れると、そこへ容斉がやって来た。「今までどこにいた?心配したぞ…」一方、公主府では泠月が容楽の帰りを待っていた。そこへ蕭煞が現れる。「公主から預かりものは?」「…ないわ、公主は昨日から戻らないの、何か知ってる? 今日、勅旨が届いたわ、公主が将軍の誰かに嫁ぐと…そうなの?」しかしどこかよそよそしい蕭煞は何も言わず部屋を出たかと思うと、扉に錠をかけて泠月を閉じ込めてしまう。無憂は冷炎に漫夭の行方を探させていたが、攏月楼は閉まっていた。もし漫夭が山河志を自分に渡したと西啓の者に知られたら危ない。無憂は仕方なく無相子(ムソウシ)に協力を仰ぎ、必ず漫夭を探し出せと命じた。うっかり口を滑らせた無郁は反省していたが、漫夭も偽物の山河志で七兄を試したと訴える。無憂は苛立ちを隠せず、ただ黙って山河志を見つめていたが…。容楽が目を覚ますと将軍府にいた。すると傅筹が薬を持ってやって来る。容楽は憤慨して出て行こうとしたが、傅筹は諦めるよう忠告した。「攏月楼の者は全員、捕らえられた」「どうする気?!」驚いた容楽は急に立ちくらみを起こして倒れそうになり、傅筹が咄嗟に支えて容楽を座らせた。「君がここにいる限り攏月たちは無事だ、傷つけたくないだろう?」「私の仲間を傷つけたら何も得られないと思って!」「忘れたのか?君の仲間など誰もおらぬ…」( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)…傅筹は薬を差し出して飲むよう勧めたが、容楽はその手を払い避けた。茶碗は吹き飛び、床に転がって大きな音が響き渡る。傅筹は頑なな漫夭をこれ以上、刺激しないよう、ひとまず退散することにした。「ここを離れないことが最善の策だ…」冷炎が中庭に駆けつけた。無憂は漫夭が見つかったと思ったが、実は傅筹が婚儀の招待状を各王府に配っているという。仕方なく無憂は傅筹を通し、招待状を受け取った。「黎王には感謝します、公主を拒んでくれたおかげで私の望みが叶ったのですから…」「大き過ぎる望みは叶わぬ場合もある…」無憂はまさか公主が漫夭だと夢にも思わず、傅筹が野心のために公主を娶るのだと思っていた。すると傅筹は黎王と漫夭も結ばれるよう願っていると伝え、帰って行く。そこへ入れ違いに冷炎がやって来た。「無相子からです、漫夭姑娘は将軍府に…」「では今の傅筹は?!どういうことだ…」容楽は傅筹がいないうちに帰ることにした。しかし部屋の前で見張っていた項影(コウエイ)に止められてしまう。その時、運悪く傅筹が戻って来た。なぜか傅筹は容楽を止めようとしなかったが、そこへ兵士が慌てて駆けつける。黎王が将軍府を包囲したというのだ。「選択肢は2つだ…イー、姿を見せて黎王と会う、アー、指示に従い私が黎王を追い払う」「…追い払って」すると傅筹は漫夭に沐浴するよう指示した。無憂は私兵を引き連れ将軍府に乗り込み、自分の妃を迎えに来たと言った。そこに酒宴に招かれた皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)がやって来る。皇太子は大理寺の命もなしに高官の私邸を捜索できないと叱ったが、無憂は例え父でも邪魔する者は許さないと反抗した。今すぐ捜索すると強硬な姿勢を崩さない無憂、その時、容楽公主が現れ、黎王を非難する。「私は黎王に拒否されたので恥を忍んで傅将軍を選びました なのに今度は私が輿入れする将軍府を捜索するとおっしゃるのですか? そこまで侮辱するのは西啓の者を見くびっているからです!」「ふん、以前より雄弁になったな?」すると傅筹はちょうど公主の寝所を慌てて改修したと話し、この機会に公主だけでなく皇太子と黎王にも見てもらおうと言った。その頃、容楽は沐浴していた。すると密かに漫夭を捜索している冷炎が入って来る。容楽は咄嗟に衣を持って湯の中に頭まですっぽり浸かり、蓋の下へ潜り込んで難を逃れた。「ブハーッ!ぜえ~ぜえ~(死ぬトコだったわ…)」湯から顔を出した容楽が息を整えていると、侍女たちが着替えを持ってやって来た。「将軍が用意したお召し物です、支度しましょう」つづく( ̄▽ ̄;)ちょっw風呂にずかずか入って来る冷炎w無憂も何だかな〜無郁はもう論外wそしてついに一夜を共に過ごした2人~って、どうみてもただ寝ていただけですw
2020.07.01
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白发 Princess Silver第12話「替え玉公主の婿選び」容楽(ヨウラク)と攏月(ロウゲツ)は尚書府に潜入し、ついに密室を発見した。密室には書物だけでなく様々な品が保管されていたが、容楽はふと壁に飾られた画に目を留める。画には母と2人の娘らしき3人の後ろ姿が…。すると容楽の脳裏に突然、次々と情景が浮かんで来た。書物を音読する2人の娘たち、2人は中庭のぶらんこに乗ったり、木馬にまたがり遊んでいる。中庭に響く風鈴の音や、娘が手で振っている鈴の音…。「うっ!」容楽はまた激しい頭痛に襲われたが、記憶の中で机の上に詩経(シキョウ)があったと気づく。そこで慌てて書物を探してみると″詩経 大雅″を発見、その後ろにへばり付いていた″山河志(サンガシ)″を発見した。密室を脱出した容楽と攏月だったが、冷炎(レイエン)たちに見つかった。そこで攏月は自分がおとりとなり、容楽を先に逃がす。一方、黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)は灯籠で美しく飾られた街で漫夭(マンヨウ)を待っていた。するとようやく漫夭が現れる。「ここに来るのは承諾の意味だ」「殿下…」「もう殿下とは呼ぶな」「…ウーヨォ」無憂は灯籠の短冊に気づき、一緒に願掛けしようと誘った。これまで願いは自分で叶えるものだと思って来たが、漫夭と出会って失うのが怖くなり、天の加護を信じる気持ちになったという。そこで2人はそれぞれ短冊に筆を入れ、灯籠に下げることにした。「漫夭、願い事は?」「言わない」「そうか、私は堂々と言えるぞ?″子孫繁栄″だ」容楽は嘘だと失笑し、短冊を見せろと迫った。無憂は素直に短冊を差し出したが、容楽が見る前に風に飛ばされ、水路に落ちてしまう。すると容楽はいきなり水路に飛び込み、姿が見えなくなった。驚いた無憂も迷わず後を追って潜ったが、漫夭をなかなか見つけられない。しかしふいに後ろから漫夭が現れ、誰もいない水の中で無憂の頰に口づけし、満面の笑みを浮かべた。( ๑≧ꇴ≦)水路、深っ!西啓(セイケイ)帝・容斉(ヨウセイ)が公主府に戻ると容楽はいなかった。卓の上には″漫夭″と書かれた手作りの灯籠がある。激情に駆られた容斉は思わず灯籠を壊そうとしたが、思いとどまって箱に戻した。↓ 怒りのホァンション…でも割らな〜いw尚書府から無事に戻った攏月は茶楼の灯りを消して回っていた。するとちょうど公主と黎王が戻って来る。そこで攏月は使用人たちとそっと屋敷へ戻り、2人きりにした。無憂は漫夭が泳ぎも達者だとは意外だったと感心した。すると驚いたことに漫夭は拾った短冊を差し出す。「ふっ、でももう読めないけど…」2人は思わず失笑すると、無憂が白い碁石を漫夭に渡した。「あの時のね…」容楽は無憂と対局中に刺客に襲われ、うっかり無憂に触れてしまった時の碁石だと気づく。「これを見たら私を思い出して欲しいんだ…私もこれを見てそなたのことを想う」無憂は自分が持っている黒い石を見せた。「無憂…大切にするわ」「ありがとう、あ、早く着替えた方がいい、濡れたままでは風邪を引く」「見送るわ」「また明日、訪ねる…再見」容楽は無憂の背中を見つめながら、そっと別れを告げた。「無憂…再見」容楽は沈魚(チンギョ)と小唯(ショウイ)を呼び、別の場所で商売を始めることにしたと嘘をついた。2人はお供したいと申し出たが、容楽はこの店を頼みたいという。しかし他の場所へ行くのも自由だと伝えて2人を下げた。攏月は公主に山河志を差し出したが、容楽は受け取らなかった。仕方なく攏月は卓に置くと、山河志を手に入れたなら公主の使命は果たしたはず、愛する黎王と暮らしてはどうかと勧める。しかし容楽は無憂にすまないと言った。「これしか道はない、国のため山河志を手に入れるのが私の目的だった 無憂とは縁がなかったのよ…」その時、突然、北臨(ホクリン)帝の禁衛軍が乗り込んで来た。攏月は慌てて山河志を袂に隠すと、容楽だけ連行されてしまう。攏月楼を出た無憂は尚書府に戻った。すると先に帰っていた陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)が刺客が侵入したと報告、冷炎が追いかけたものの逃げられてしまったという。しかしそこへ兵士がやって来た。実は攏月楼の若店主が禁衛軍に捕まったという。北臨帝は無憂と西啓公主の婚姻を阻む原因が漫夭であると知り、宮中に召し出した。容楽は黎王とは何の関係もないと嘘をついたが、そこに無憂が駆けつける。そこで北臨帝は公主と婚礼を挙げるなら漫夭を側室として迎えることを許すと懐柔した。しかし無憂は漫夭以外の女子を娶る気はないと拒否、半年以内に山河志を見つければ婚姻の自由と養民変法(ヨウミンヘンホウ)を許すと約束したはずだと訴える。北臨帝は仕方なく山河志が見つかるまで漫夭を預かると言い出した。「そなたが約束を果たせば生きて帰してやろう、果たせなければその者の命を取る」無憂は父の言葉を無視して漫夭を連れて帰ることにしたが、禁衛軍が立ちふさがった。「もう一度聞く、公主と婚礼を挙げるか?その者を渡すか?」父の脅しに無憂は猛反発、自分の選択肢は2つに1つだと言い放った。「イー、漫夭を連れてここを離れる、アー、2人ともここで死ぬ」有無を言わせぬ息子の態度に激昂する北臨帝、その時、陳(チン)太監が慌てて飛び込んで来た。「容楽公主と大臣らが大殿でお待ちです!」( ゚д゚)oO(へ?容楽公主?無憂と容楽が乾臨(ケンリン)宮に到着すると、北臨帝と一緒になぜか西啓帝が現れた。兄の姿に驚く容楽、すると着席するよう促され、容楽は何が何だか分からぬまま無憂と一緒に席に着いた。一体、何が始まるというのか。その時、偽の容楽公主が蕭煞(ショウサツ)を連れて入って来た。…泠月(レイゲツ)なの?違う、泠月じゃない、では誰?…姿はもちろん、声も私にそっくりだわ容楽は無憂になぜ公主を娶らないのか聞いた。すると無憂は自分の妻になる女子は漫夭しかいないという。「山河志を見つける約束だったのね?見つからなければどうする気? 公主を娶らされるだけでなく、変法も諦めなければならないのよ?」しかし無憂は心配せずとも山河志を見つけ出して漫夭を娶ると約束した。「どんな犠牲を払おうとそなたの身は守る、生涯そなたを危険な目には遭わせぬ」実は西啓帝は帰国前に妹の婚儀を挙げたいと希望していた。北臨帝は公主と半年の猶予を約束していたが、ここで取り急ぎ公主に婿を選んでもらいたいという。寝耳に水の容楽だったが、容斉は妹が選んだ相手なら身分の上下を問わず、反対しないと言った。すると偽の公主は噂にならい、陳王に一献ささげる。無郁は当然拒否したが、その時、容斉が衛国(エイコク)大将軍・傅筹(フチュウ)に目配せしていた。見かねた傅筹は公主の元へ向かうと、自ら公主の酒を受け取って飲み干した。北臨帝は当代きっての英雄である傅筹なら確かに公主にふさわしいと喜ぶと、容斉も妹の希望を叶えると認める。偽の公主は将軍との婚姻を受け入れ感謝し、婚儀は3日後に執り行うと決まった。↓この帽子がちょっとね…容楽は無罪放免、攏月楼へ戻ると言って急いで宮中を出た。一方、父に呼ばれた無憂は明日から朝議に出ると約束し、漫夭のことには口出し無用だと釘を刺す。北臨帝はやっと無憂が目を覚ましてくれたと喜んだが、無憂は自分を朝堂に向かわせたのは漫夭だと教えた。「それでも反対するなら、父上に私の志は永遠に理解できないでしょう」「そなたの才は高く評価している 変法に関しては尉(イ)国討伐に反対せぬなら、そなたの好きにさせよう」喜んだ無憂は山河志を必ず探し出すと誓い、ようやく不和だった父との関係が雪解けに向かうと思われた。公主府へ戻った容楽は急いで兄の部屋へ向かった。しかし回廊で偶然、容斉と傅筹の話が聞こえてしまう。「私がわずか数年で衛国大将軍になれたのも陛下のお力添えのおかげ、お約束は必ず果たします」「容楽を嫁がせる計画は順調に運んだ、あとは将軍の腕次第だな」容楽は容斉が偽の公主を傅筹に嫁がせ、自分を西啓に連れて帰ってくれるのだと喜んだが、話には続きがあった。「将軍なら北臨を掌中に収める日も遠くはない」「漫夭姑娘(グゥニャン)も他の計画も私にお任せを… 漫夭姑娘との婚儀の後もどうかお力添えを頼みます」「安心せよ、多くは申すな、聞かれてはまずい」そこへいきなり容楽が入って来た。気まずそうな傅筹、それもそのはず、初めから自分の身分を知っていたのだろう。すると容斉は無礼だと妹を叱り、蕭煞に将軍を見送るよう命じた。↓厳しめフォンション容斉は大殿で言った通り、西啓の容楽公主は北臨の衛国大将軍・傅筹に嫁ぐと命じた。婚儀は3日後、これは芝居などではないという。「皇兄、なぜこんなことを…だったらどうして山河志を探させたの?!他にも隠し事が?」容楽に責められた容斉は思わず卓を叩いた。「山河志だと?!そなたこそ秘密はないか?!なぜ黎王とあいまいな関係を続ける?!」そこへ将軍を送った蕭煞が戻って来た。容楽は蕭煞が自分の護衛と称して全て兄に報告していたのだと気づく。「あなたね?…答えなさい!」すると容斉は己の使命を忘れたのかと容楽を咎めた。黎王に近づけばいつ容楽の身分が露見するか分からない。そうなれば山河志を得るどころか、西啓の間者すべての身が危うくなってしまう。容斉は黎王が漫夭を疑い始めた今、容楽のために計画を変えたと訴えた。しかし傅筹の話では兄が何年も前から進めて来た計画のはず、容楽は今日の婿選びも知らされず、身代わりの存在すら知らなかったと嘆く。「姿も声も私にそっくりだった…早くから用意していたのよ!それもすべて私のためだと言うの?!」「黎王の情の罠は計画にとって予定外だった、憂うべき事態だ、容楽…」容斉は妹の手を取ろうとしたが、容楽は思わず避けた。仕方なく容斉は山河志を渡すなら、婚儀から1年で西啓に連れて戻ると約束する。しかし今さら容楽がそんな話を信じるはずもなかった。「今ではもう私には皇兄の言葉の真偽が分からない 私を嫁がせないと言ったのも芝居だったのね?…もう2度と信じない」容楽は部屋を飛び出して行ってしまう。泠月はお茶を運んできたが、急に走って来た公主とぶつかって盆を落とした。「公主!」すると容斉が部屋から出て来る。「泠月?話を聞いたのか?」「陛下、私は何も…公主が出て行かれたので驚いて…」蕭煞はすぐ公主を連れ戻すと言ったが、容斉は必要ないと止めた。「戻って来る…」容楽は大街へ出たものの行くあてもなく、やがて呆然と立ちすくんだ。…偽りだった、すべて嘘だったわ…そこへ攏月の馬車が駆けつけた。実は蕭煞が慌てた様子で攏月楼に公主を探しに来たという。攏月はともかく戻ろうとなだめ、容楽を唯品閣へ連れて帰った。「攏月、傅筹との婚儀を知っていたの?」「知っていたなら、あらかじめお伝えしました」驚いた攏月はひざまずいて否定した。「信じるわ…でも皇兄のことは…もう信じられないの」「公主、私は公主の人柄もよく存じています、私にとって公主は実の姉妹以上の存在です 公主は受けた恩には必ず恩をもって報いる方、陛下にもそうでは?」しかし容楽の心は揺れていた。容斉は記憶を失って目覚めてから最初に信じた人、その容斉がまさか自分を欺くなど考えもしなかったという。今となっては恨むべきか、信じるべきか、自分でも分からなくなっていた。すると攏月は西啓皇帝にも何か事情があるのではないかと告げ…。つづく( ๑≧ꇴ≦)フォンション!さてシーズン1(違うけどw)も佳境、盛り上がってまいりました!
2020.06.30
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白发 Princess Silver第11話「花灯祭への誘い」北臨(ホクリン)は騎馬民族の国で、遠方からの大切な友は狩りでもてなす慣わしだった。西啓(セイケイ)も馬術と弓術が得意なお国柄、そこで両国で腕比べを兼ねて狩猟大会が開催される。北臨帝・宗政允赫(ソウセイインカク)と狩り場に出た西啓帝・容斉(ヨウセイ)は、妹の婚姻をまとめることも北臨に来た目的の1つだと話した。まさか黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)が拒絶しているとも言えず、北臨帝は他にも皇子がいるとはぐらかし、この機会に見極めてはどうかと提案する。容斉は確かによく見て相手を選んでやりたいと答え、ふと後ろに目をやった。すると北臨帝は皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)が気に入ったと誤解し、実は皇太子はすでに正妃を娶っていると教える。しかし容斉と目が合ったのは皇太子の隣にいた衛国(エイコク)大将軍・傅筹(フチュウ)だった。一方、容楽(ヨウラク)は唯品(ユイヒン)閣で攏月と密室探しに余念がなかった。その時、″凧″から緊急の知らせが届く。攏月が密書を開けてみると、結盟に反対する北臨の勢力が皇帝を狙っていると分かった。「皇兄は今日、北臨帝と郊外へ狩りに行っている…ハッ!」驚いた容楽は狩り場には人目が多いため、1人で兄を助けに行くと決める。攏月は危険だと反対したが、容楽はいざとなったら身分を明かすと覚悟した。皇太子と傅筹は西啓帝を護衛していた。すると傅筹はこの先から猛獣が出るため危険だと止める。皇太子は武術の心得はないが弓術は得意だと自信を見せ、ちょうど姿を現した鹿を狙った。しかし容斉は鹿が子を宿していると気づき、咄嗟に止める。「せっかく宿った命を殺すのは忍びない…」皇太子は慈悲深い西啓帝に敬服したが、突然、どこからともなく鹿の足元に矢が刺さった。鹿は驚いて逃げて行くと、そこに黎王と陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)が現れる。「拝謁します、啓皇陛下」「七弟よ、あの鹿は身ごもっておる、矢が当たっていれば悲劇を生んだぞ?」その時、兵士が大蛇を持ち上げた。「おめでとうございます、殿下!一発必中です!」実は無憂が射抜いたのは鹿の近くに潜んでいた大蛇で、鹿を本当に救ったのは外でもない無憂だった。「さすが黎王殿下、非凡の才がある」「啓皇陛下、″悪をくじき弱きを助ける″と言いますが、唱えるだけなら誰にでもできます」七弟の暴言に呆れた皇太子は代わりに西啓帝へ謝罪し、実は公主との縁談まで蔑ろにしていると告げ口する。無憂は臆することなく、不満があれば自分を追求して構わないと言い放った。「啓皇陛下は妹君を溺愛しているそうですが… 可愛い妹を取引の駒にするのも愛情からだとすればお笑い種だ」「今は各地で戦乱が絶えず、誰もが運命に翻弄されている」「私はそう簡単に翻弄されたりしません」「朕は黎王を翻弄するつもりなどない、朕の妹は特別だからこそ黎王殿下にふさわしい この機会を逃し、殿下が将来、後悔せぬよう願う」「あははは~後悔したことなどありません」容斉は何も知らない無憂の余裕の表情に思わず不敵な笑みを浮かべた。すると無憂の鷹が上空を旋回しながら鳴き声を響かせる。無憂は獲物が見つかったと知り、一足先に走り去って行った。容楽は兄が刺客に狙われていると知り、狩り場へやって来た。すると無憂の鷹が容楽の匂いを嗅ぎ分け、ずっと付いてくる。仕方なく容楽はひとまず草むらに身を隠すことにしたが、鷹を追って来た無憂たちが現れた。無憂は無郁に右へ行くよう指示して馬を降り、左側を探しに向かう。息を潜める容楽、その時、無憂が剣を抜いて飛び出して来たのを見て、慌てて立ち上がった。しかし無憂はそのまま容楽を通り過ぎ、後ろにいた虎に襲いかかる。容楽は呆然としたまま虎と無憂の戦いを見守ったが、やがて無憂に剣の柄で顔を突かれた虎は逃げて行った。♪トラトラトラ~古っw無憂は漫夭が西啓の間者だと疑い、嘘の情報を流して罠を仕掛けた。まんまと引っかかった容楽、しかしどうしても使命を果たさねばならず、やむを得なかったという。「別の者に捕まれば終わりだった、私だから見逃してやれるのだ!」「賭けたのです!殿下の私への想いが本物かどうかを…」「よく聞け…本物だ」「でもお忘れなく、私たちには身分の差だけでなく、それぞれの責任がある」「漫夭、私たちは同類だ、責任も共有する、私は重責に耐えられず絶望しかけていた だが漫夭、そなたと出会い、不屈の精神で前に進むことを教わった だからいかなる代償を払おうと、そなたを手放したくないのだ…絶対に」「でも…時には諦めも必要です」「いいや、それは違う、簡単に諦めるな、そなたの過去や目的が何であろうと気にしない そばにいてくれ、漫夭…我愛你(ウォアイニー)」無憂は愛を告白、漫夭を抱きしめた。北臨と西啓は盟書を交わし、同盟を締結した。北臨帝は両国の結盟を祝して今日より3日間、夜の外出を許可すると決める。その夜、容斉は公務を終えてようやく公主府に戻った。「容楽、″凧″の知らせは受け取った、災難だったな?私のために危ない真似をするな」すると容楽は嫁ぐ時に皇兄からもらった玉を見せる。「このお守りがあれば大丈夫よ」しかし黎王は漫夭を西啓の間者だと確信していると報告した。容斉は宗政無憂が腹黒く、公主との婚儀を拒み、狩り場では自分を侮辱したと憤慨する。「かくも傲慢な男が容楽の正体を知れば何をしでかすか… 明日、北臨帝に申し出て婚姻の約束は白紙にしよう」驚いた容楽は黎王を誤解しているとなだめた。「同盟は結んだし、西啓も北臨の力を必要としている こちらから約束を反故にできない、皇兄に苦労をかけたくないの」「容楽、なぜそこまで我慢を…」「だって皇兄は大切な家族で、一番信用しているからよ♪」(*´꒳`*人<よ♪容斉は思わず妹を抱きしめ、その信頼を裏切らないと約束した。容楽も皇兄の期待に応え、山河志を入手して西啓に帰ると安心させる。しかし無憂からの愛の告白を思い出し、容楽はなぜか心がざわついていた。一方、北臨帝は西啓帝が帰国する前に縁談をまとめなければならないと焦っていた。婚姻を結べなければ公主が北臨に留まっていても盟書はただの紙切れに過ぎず、いつでも破棄できる。実は無憂が庶民の女子と親しくしているという噂は皇帝の耳にも届いていた。蕭煞(ショウサツ)は何やら嬉しそうな泠月(レイゲツ)を見つけた。すると泠月は皇帝が来てから公主の笑顔が増えたと教える。「陛下と一緒に西啓へ帰れるかもしれないそうよ?」「公主は帰りたいと?」「そうよ、ここにいれば危険がつきまとう、西啓に戻れば誰にもいじめられない」泠月は公主のいる所が我が家だと話し、北臨でも助け合って来たせいか、公主と蕭煞は身内のように感じると言った。「身内には元気で幸せに生きて欲しいわ」「何があろうと公主を頼むぞ、私も君たちを守る」容楽は攏月楼で物思いにふけっていた。琴を弾いていた沈魚(チンギョ)は漫夭に悩みがあると気づき、良ければ自分に話して欲しいという。すると容楽は最近、よく奇妙な感覚に陥ると言った。「心が何かに満たされているような、暖かくて甘いものに… 息が苦しくなり、あの人以上に大切なものはないと感じてしまう」「そういう感覚は時として苦みを伴い、重くのしかかる… だから他にも大切なことがたくさんあるのです」容楽は無憂への想いを確信しながらも、容斉からもらった玉佩(ギョクハイ)を握りしめる。そこへ小唯(ショウイ)が黎王からの贈り物を届けに来た。箱の中には″漫夭″と書かれた小さな灯籠が入っている。沈魚の話では、手作りの灯籠を贈るのは花灯(カトウ)祭への誘いだった。北臨の風習では灯籠をともし、男女が永遠の愛を誓い合うのだという。「小姐、どんな決断をしようと応援します」「…自分の心に従い、正しいと思うことをやって行くわ」皇后は寵愛している孫雅璃(ソンアリ)を呼んだ。美しく聡明な雅璃には引っ切りなしに縁談が舞い込むが、雅璃が全て断っていると聞く。皇后は雅璃が黎王の誘いを待っているのだと勝手に思い込んでいた。「私が取り持ってあげる、黎王に嫁ぎなさい」驚いた雅璃はひざまずいて辞退したが、そこへ皇太子が現れる。「母后、雅璃姑娘を困らせぬよう、七弟を庇ってはっきり言えぬだけです」すると皇太子は七弟には思い人がいると教え、しかも商人の娘だと告げ口した。北臨帝は奏状に目を通していたが、皇后の来訪を知ると途端に居眠りを始めた。久しぶりに皇帝の顔を見た皇后は、侍医から体調がすぐれないと聞いていると心配する。仕方なく北臨帝は目を覚ますと、皇后も黎王の婚儀の件で不穏な噂を聞いたのかと探った。しかし皇后はすでに皇帝の耳に入っていると知り、口を出すのをやめる。「どんなことでしょう?最近、中書監(チュウショカン)の娘と会いましたが、実は残念に思っています あの子は黎王とお似合いなのに…」「知らぬなら結構、無憂はわがままな子だ、気にかけてやってくれ」公主府では容斉が琴を弾き、容楽が茶を入れた。すると容斉はまるで容楽と一緒に西啓の皇宮へ戻り、穏やかな日々を過ごしているかのようだと喜ぶ。容楽はこの世に戦や争い事がなければ皇兄と一緒にいられると言った。そこで容斉は今夜の皇宮の宴に一緒に行こうと誘ったが、容楽は自分が行っては憶測を呼ぶと断る。「今夜はどこにも出かけないわ」「それもいい、容楽?心配事があるようだが、皇兄に何か隠していないか?」「別に何もないわ…″山河志″を手に入れたら兄上と共に帰国する」容斉は嬉しそうに笑って部屋に戻ることにするが、その時、激しく咳き込んだ。驚いた容楽は小荀子(ショウジュンシ)を呼ぼうとしたが、容斉は血がついた手巾を隠して大丈夫だという。「容楽、そなたの頭痛を治療するために手を尽くし、神医を探させている そなたが元気になれば私の病も消えてなくなるだろう…」花灯祭の夜、容楽は攏月と尚書府に忍び込むことにした。2人は門を見張っていたが、その時、黎王たちが現れる。無憂は冷炎(レイエン)に入り口をしっかり見張れと命じ、無郁に尚書府を任せた。しかし無憂が出かけた途端、無郁は冷炎に密告するなと釘を刺して出かけてしまう。無憂は祭で賑わう街で無郁を見つけた。焦った無郁は冷炎に見張りを頼んで少し遊びに来たと言い訳し、一緒に香魂(コウコン)楼へ行こうと懐柔する。しかし無憂は約束があるのでひとりで行けと許した。その頃、尚書府では冷炎が刺客が潜入したと知りながら、兵士たちと酒盛りしている。一方、無憂は美しい灯籠を眺めながら、愛しい人を待つことにした。…漫夭、必ず来てくれ…容楽と臘月は屋敷に潜入、以前、無憂が案内してくれた時に見つけた石板の仕掛けを動かした。するとからくりの壁が開き、2人はついに密室を発見する。しかし密室に保管された品々を見た容楽は…。つづく( ̄▽ ̄;)アイヤ〜大事な愛の告白シーンなのに、2人のやり取りが意味不明だったあれ、何?!そして肝心なhugは皇兄との画像というオチw
2020.06.29
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白发 Princess Silver第10話「危機一髪」中書監(チュウショカン)・孫継周(ソンケイシュウ)の娘・孫雅璃(ソンアリ)は、皇后や父から黎(レイ)王との縁談を勧められ困惑していた。そんな折、父から城西まで使いを頼まれる。逸品が揃っていると聞いた攏月(ロウゲツ)楼の唯品(ユイヒン)閣で黎王への贈り物を選んできて欲しいというのだ。一方、宗政無憂(ソウセイムユウ)は漫夭(マンヨウ)への疑惑を深めていた。茶楼の若店主、武芸の心得、西啓(セイケイ)の女子…。そこで無憂は昭蕓(ショウウン)郡主に陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)を連れて容楽(ヨウラク)公主を訪ねさせることにした。皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)は腹心だった余世海(ヨセイカイ)を失い、新たな支持者が必要だった。そんなある日、思いがけず傅筹(フチュウ)が東宮へ挨拶にやって来る。皇太子は歓迎し、自ら将軍に酒を注いでもてなした。「将軍、近頃、病を理由に朝議に出ぬのはなぜだ?」「陛下は来年、尉(イ)国を討つおつもりです 私は一介の武将で政については門外漢ですから、療養して戦に備える方が得策かと」「将軍ほどの人物が謹慎を命じられた私の所へ来てくれるとは恐悦至極だ 今後は至らぬ点があれば是非、ご指摘いただきたい」「太子殿下、忠義を尽くすのは私の名誉であり、職責でもあります」翌日、傅筹は攏月楼に立ち寄った。漫夭の入れた茶を楽しむ傅筹、実は同じ頃、唯品閣には孫雅璃の姿があった。父に頼まれて黎王への贈り物を探しに来たものの上の空の雅璃、そこで対応していた小唯(ショウイ)が対の酒器はどうかと勧める。この酒器は別々の玉から作られながら、2つの紋理が全く同じだった。「縁ある男女が運命の相手に出会ったような品です」雅璃は小唯の言葉に思わず微笑むと、侍女・春泥(シュンデイ)はこの酒器を譲ってもらうことにした。「では下の茶室で少々、お待ちください」春泥は攏月楼で茶葉を購入し、茶室にいた雅璃にそろそろ戻ろうと声をかけた。その時、偶然にも無憂がやって来る。春泥は思わず自分から黎王に挨拶に向かった。驚いた雅璃は慌てて駆けつけ、侍女の無礼を詫びて帰ることにする。すると黎王に気づいた小唯が現れ、実は若店主が接客中だと止めた。「大事な客か?」「衛国(エイコク)大将軍です」雅璃は傅筹が攏月楼にいると知り、思わず振り返る。「ならば構わぬ、将軍と茶を飲む約束だ」無憂は咄嗟に嘘をつき、雅璃も一緒にどうかと誘った。小唯は急いで漫夭に知らせに向かった。「若店主、黎王殿下です」「いないと言って…」「何だと?また逃げる気か?」容楽は余家の屋敷を訪ねて以来、無憂を避けていた。そこで傅筹も拝礼して先に帰ろうとしたが、無憂に引き止められてしまう。雅璃は思いがけず傅筹の隣に座ることになり、満面の笑みを浮かべた。仕方なく容楽は3人に茶を入れ、自分が下がることにする。しかし無憂に同席を強要され、その場は何とも気まずい雰囲気になった。無憂は今日の漫夭の茶はいつもと違うと言った。「私にも出さぬ茶を出すとは、将軍は上客のようだ」「茶道は素人ですが、この茶は苦味の後の甘さが味わい深いですね」「そのように茶を評せるとは素人というのは謙遜らしい」「私は卑しい出自で名門の子弟とは違います、飲む物と言えば水だけの生活でした 茶の味など知り得ません」すると漫夭は苦労を経て今があるからこそ、この味わいを解せたのだと将軍の肩を持った。「名茶ばかり飲んでいても、味を知らぬ人とは大違いです」傅筹は黎王と漫夭にわだかまりがあると気づいた。面白くない無憂は自分が感じた味わいは将軍と違うと反発した。そこで雅璃にも意見を聞くことにする。驚いた雅璃はよく分からないと困惑し、どの茶も苦く渋いだけだと言った。「なぜかは知らぬが、今日の茶は塩辛く感じる…それもいい、今の私の気分にぴったりだ」無憂は皮肉を言うと、傅筹もすかさず言い返す。「私もそんな気分です、戦場でも息が合いそうですね」「先見の明と冷徹さを持つ将軍なら、私と組まずとも戦場で圧勝できる 朝堂で私と組むかどうかに関しては、よく考えたほうがいい、もうひとつ言おう 将軍が私と同じものを好きになっても、手出しは慎んだ方がいい…」「ふっ、肝に命じます…しかし手に入るかどうかは意思ではなく縁では?」牽制し合う無憂と傅筹、雅璃は将軍の目当てが漫夭だと気づき、動揺を隠せなかった。板挟みの容楽は緊迫した空気に耐えきれず、思わず茶器に手をかける。その時、同時に無憂と傅筹が自分の茶碗を差し出した。雅璃は漫夭が困っている様子を察して自分の茶碗を差し出すと、容楽は雅璃の茶碗に茶を注ぐ。しかし雅璃はうっかり茶をこぼし、指にかかった。容楽は咄嗟に手巾を差し出すと、雅璃はその手巾で指を押さえ、不作法を詫びてここで帰ってしまう。「1人で帰すのですか?」「構わぬ…先ほど帰ると言ったな?ついでに送ってやってくれ」無憂はなかば強引に傅筹を追い払った。無憂は漫夭に傅筹に近づかないよう警告した。「傅筹は意図が知れぬ男だ」「意図が知れぬのは殿下です」「漫夭、私に喧嘩を売る気か?」「殿下、失礼します」「傅筹を想うゆえに私に腹を立てたのか?」「いいえ」一方、雅璃は門へ向かう道すがら、傅筹に自分のことを思い出してもらうことにした。実は2年前、南境で暴動に巻き込まれた雅璃は傅筹に助けてもらったという。当時、将軍はすぐに立ち去ってしまったため、礼も言えなかったことがずっと気がかりだった。しかし傅筹はむしろ些細なことを気にかけてくれたと恐縮し、門まで送るという。雅璃は将軍のあっさりした対応にいささか落胆したが、仕方なく帰って行った。その頃、公主の替え玉となった泠月(レイゲツ)は陳王と昭蕓郡主の相手をしていた。泠月は具合が悪そうに何度も咳き込んでいたが、2人が帰る様子はない。すると無郁と昭蕓はお茶が不味いと驚き、一緒に攏月楼へ行こうと誘った。蕭煞(ショウサツ)は病が癒えないため今日のところは帰って欲しいと頼んだが、無郁と昭蕓に強引に連れ出されてしまう。容楽は無憂と碁を打っていた。「負けました…もうそろそろお戻りになられては?」「せっかく来たのだ、もう1局」そこへ無郁と昭蕓が現れ、公主に扮した泠月を連れて来た。蕭煞の目配せに気づいた容楽はひざまづいて拝礼すると、その様子を無憂がまじまじと見ている。すると昭蕓は黎王の元へ行かせようと急に公主の背中を押し、泠月はうっかり足を滑らせた。無郁は無憂の合図で公主の仮面の紐を解き、仮面を剥ごうと画策する。しかし泠月は危ないところで仮面を手で押さえ、容楽が紐を縛ることに成功した。「陳王殿下?私を娶るおつもりで?この面を外す行為は私を娶る意思表示ですよ?」「無郁、無礼な真似をするな」無憂は弟の無礼を謝罪して茶を勧めたが、公主は憤慨して拒否した。そこで容楽は冷月を帰すためにわざと間に入る。「公主と茶を飲まれるならお邪魔ですから失礼を…」無憂は思わず漫夭の腕をつかんで止めたが、公主の手前、慌てて手を離した。その時、蕭煞が公主は今も体調がすぐれないと伝え、連れて帰ってくれる。居たたまれなくなった無郁はさっさと逃げ出し、昭蕓もあと追って帰って行った。容楽は肝を冷やしたが危機を乗り切り、無憂にも帰るよう勧める。「そこまで私が嫌いなのか?」「殿下のためです」「私を思うなら避けないでくれ」無憂は思わず漫夭の肩に手を置いたが、容楽は黙ってその手を見た。すると無憂はそれが容楽の返事だと気づく。「もう良い…長居した、日を改めよう」無憂は容楽公主と漫夭が同一人物だと疑ったが、別人だった。すると協力した無郁は、賢い七兄さえ例外なく愛は人を愚かにすると揶揄する。そもそも高慢で気が強く醜いと言われる公主と、愛想が良くて物分かりが良い漫夭では違い過ぎるというものだ。一方、容楽は攏月から兄の手紙を受け取っていた。…会えぬ日々に思いは募る、北臨を訪問することにした、10日後には顔が見られる…「信じられない!皇兄が来てくださるなんて!」キャア~!‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/››‹‹\( ´ω`)/›› ←喜びの舞は管理人w北臨(ホクリン)帝・宗政允赫(ソウセイインカク)の元にも西啓(セイケイ)から皇帝自ら同盟の調印に来ると国書が届いていた。すると皇弟で范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)は婚儀の遅れが障りにならないかと心配する。北臨帝は范陽王に無憂の説得を頼み、もし駄目でも公主が気に入っている無郁がいると期待した。将軍府に東宮から名剣が届いた。皇太子は黎王と結託させまいと傅筹に贈ったのだろう。すると傅筹は項影(コウエイ)に西啓帝がいつ北臨に到着するか確認した。「3日以内に着くはずです…」傅筹は項影を下げると、生け簀の亀を愛でた。范陽王は早速、黎王府を訪ねた。しかし予想通り無憂は和親の件を断固、拒絶するという。そんな2人の話を無郁が盗み聞きしていた。そこで范陽王は皇兄が同盟にまつわる心労で弱っていると心配し、無憂が嫌なら無郁がいるという。案の定、驚いた無郁は慌てて飛び出して来た。無憂は自分も無郁も断ると言ったが、范陽王は無憂に思い人がいるのではと勘ぐる。すると無郁はうっかり口を滑らせそうになり、無憂ににらまれて慌てて逃げ出した。范陽王は図星だったと気づき、皇帝にも考えがあると教える。「尉(イ)国討伐が失敗すればお前たちは南境に行け、西啓との同盟後は中書監も南境に戻る 孫家は南境では力を持つ家柄だ、南境で足場を築く助けとなる」「父上のお身体の具合は?」「お前がそう聞いたと知れば元気になるだろう」臨安(リンアン)門に西啓帝・容斉(ヨウセイ)の一行が到着した。その頃、公主府には容楽の咳を心配した昭蕓郡主が薬の差し入れにやって来る。すると容楽が木彫りの人形作りに没頭していた。昭蕓はいつになく嬉しそうな公主の姿に驚き、それほど仲のいい兄妹なのかと尋ねる。「そうよ、2人きりの兄妹だから、お互いが頼りなの♪」(*´꒳`*人<そうなの!容楽は昔は兄が自分に人形を彫ってくれたと教えると、家族がいない昭蕓は羨ましいと言った。「でも無憂哥哥と無郁哥哥がいるでしょう?」「無憂哥哥は怖いし、無郁は私をいじめるし…公主姐姐(ジェジェ)が本当の姐姐だったらいいのに~ あ、無憂哥哥に嫁げば嫂嫂(兄嫁)だわ!」しかし無憂の名前を聞いた途端、容楽は元気がなくなってしまう。昭蕓は慌てて黎王はああ見えても優しいと安心させ、無郁のことは好きにならないよう頼んだ。「女心が分からないバカですから!」容楽は昭蕓がそんな馬鹿を好きなのだと以前から気づいていた。その時、昭蕓は容楽が彫っていた人形を見て困惑する。「それは本当に姐姐の皇兄ですか?無憂哥哥にそっくりだわ」「( ̄▽ ̄;)ぁ…」その夜、容楽は兄との再会を待ちきれず、中庭に出ていた。泠月は宮中での歓迎の宴が終わってからだと笑ったが、容楽はどうにも落ち着かない。「見て?顔色は悪くない?」「はいはい、上々です、衣もお似合いですよ」そしてついに蕭煞が皇帝を連れて現れた。「皇兄~っ!会いたかったっ!」( ๑≧ꇴ≦)ホァンション!!!容楽は思わず兄に抱きついて喜んだが、ふと兄の顔色が悪いと気づく。しかし容斉は長旅のせいだとごまかし、西啓にとって重要な同盟のために来たと説明した。「そなたが冷遇されておらぬか、それも心配だった」「私なら大丈夫よ、あ、そうだ!″山河志(サンガシ)″が見つかりそうなの!」すると容斉は容楽の手を取り、容楽の無事が何にも勝ると言った。「もうしばらくの辛抱だ、今に何でも好きなことをさせてやる、好きな男にも嫁がせよう」「皇兄の気持ちは嬉しいわ、でも私を信じて、必ずやり遂げてみせる!(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑ ガシッ」つづく( ๑≧ꇴ≦)ホァンション!≡≡≡≡≡≡ギュッ(((/ ̄ー(・・。)/
2020.06.29
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白发 Princess Silver第9話「密室探し」吏部尚書・余世海(ヨセイカイ)の祝宴に黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)がやって来た。恐らく李志遠(リシエン)を始末され、黎王は自分たちを懐柔せざるを得なくなったのだろう。余世海と息子・余文杰(ヨブンケツ)は上機嫌で宴を始め、攏月(ロウゲツ)楼の沈魚(チンギョ)が美しい琴の音で興を添えた。琴を聞いていた皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)は、沈魚が七弟を怒らせたので評判の″琴の舞″が見られなくなったと嫌味を言った。傅筹(フチュウ)は雅な音色と華麗な舞は分けても見事だと反論したが、皇太子は天下の事物は合すれば共に利し、争えば共に散ると当てこするすると余文杰がさも意味ありげに、何事も追求しない方が良いと言った。ドンッ!!!その時、突然、黎王が卓を叩き、沈魚は驚いて思わず手を止める。「どこが良いのか教えて欲しい、官吏が癒着し、邪魔者を排除するのに都合が良いだけだろう?」無憂は余文杰の言葉に憤慨し、席を立って前に出た。驚いた余世海が慌てて駆け寄りなだめたが、無憂はいきなり剣を抜いて余世海の首に突きつける。皇太子は私兵を呼ぶと、公衆の面前で朝臣を脅すなど謀反を起こす気かと非難した。「謀反人はどっちだ?」実は無憂が余世海の誕生祝いとして贈った名書10巻とは、官職売買に関わる証人の名簿だった。確かに李志遠は殺されたが、千百名も存在する証人を全て殺すことなど不可能、無憂はそこを逆手に取った。すると余文杰は言いがかりだと反発、父を助けるため剣を抜く。黎王の挑発だと分かっていた余世海は息子を止めたが、余文杰が思わぬ切り札を出した。「殿下はご自身の危険など顧みぬでしょう、でも攏月楼の若店主はどうでしょうか?」驚いた無憂は侍衛・冷炎(レイエン)に目配せした。漫夭(マンヨウ)を探しに向かった冷炎。すると傅筹の配下・項影(コウエイ)が漫夭の監禁場所を記した地図を冷炎の手につかませ、一瞬のうちに姿を消した。冷炎は何が起こったのか分からなかったが、ともかく無事に漫夭を解放し、黎王に合図する。すると時間稼ぎをしていた無憂は余文杰に襲い掛かり、左腕を切り落とした。これには余世海も激怒、直ちに門を閉めろと叫んだが、その時、禁衛軍がなだれ込んで来る。実は無憂はすでに手を回していた。統領・向誠(コウセイ)は皇帝の勅旨を持参し、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)と共に現れる。「″ここに命ずる、余家父子は官職を売買し君主を欺いた 官位と財産は没収し、大理寺に送れ、屋敷は黎王が処置せよ、ちんつー″」こうして無憂は7日以内に解決するという約束を無事に果たした。投獄された余父子だったが、余世海はこんなこともあろうかと皇太子に贈った金品を細かく記録していた。皇太子と何とか接触し、これを盾に命を保証してもらうつもりだ。するとまさに渡りに船、皇太子からの使いが面会に現れた。「状況を見て太子殿下があなたたちを助け出します」北臨(ホクリン)帝・宗政允赫(ソウセイインカク)は余父子に激怒し、関与していた皇太子にも辛辣だった。「戦に負けたうえ、不正にも手を染めるとは!」「父皇!私は無実です!その名簿も初めて見ました!」しかし黎王から証拠を引き継いだ范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)は、陳王から趙(チョウ)大人(ダーレン)が残した密書を皇太子に渡したと聞いたと訴える。追い詰められる皇太子、するとその時、陳(チン)太監が駆けつけた。余家の父子が牢で首を吊ったという。これで余父子の供述は取れなくなり、皇太子は結局、謹慎処分となった。余父子の牢を訪ねた皇太子の使いは天仇門(テンキュウモン)の刺客だった。宦官になりすまして東宮を訪ねた刺客は余父子を始末したと報告、また皇太子から頼まれていた帳面を渡す。皇太子は帳面が確かに余世海の自筆だと確認して安堵し、すぐその場で燃やした。しかしまさか余世海が念のため2部、作成していたとは知る由もない。すると刺客は余世海亡き今、黎王を倒すには更に有力な支持者が必要だと進言した。無憂は余家の屋敷で、早速、秦永(シンエイ)の密室探しを始めた。しかし七兄が連れて来た辛(シン)師匠の捜索に2日も付き合った無郁は、見つけられたのは武器や刑具だけだと嘆く。一方、公主府では蓮心(レンシン)の件で泠月(レイゲツ)が蕭煞(ショウサツ)を避けるようになっていた。蕭煞は仲直りしたいと厨房にいる泠月を訪ね、そもそも蓮心が公主を裏切ったせいだと訴える。「君は公主に忠実だろう?」すると泠月は茶碗を落とし、割ってしまう。その夜、容楽(ヨウラク)は攏月と2人で余家の屋敷に忍び込んだ。するとちょうど陳王が仕掛けの達人だという辛師匠に山河志(サンガシ)はいつ見つかるのか聞いている。「陳王も山河志の捜索を…」「難航しているようですね、やはり秦永は巧妙な仕掛けを作っていたようです」容楽たちは物陰に隠れて巡回中の兵士たちをやり過ごしていた。その時、中庭に飾られたいくつもの鈴が風に揺れて音を鳴らす。容楽はその音を聞いているうち、急に記憶の断片が蘇った。…風鈴の音が鳴り響く夜、戸を開けると部屋には縊死(イシ)した夫人の姿が…容楽は激しい頭痛に襲われ、立ちくらみを起こしてうっかり物音を立ててしまう。「誰だ!」無郁はすぐ兵に追跡させた。しかし辛師匠が向こうへ逃げたのなら心配無用だという。実は刺客たちが逃げた方向には余家の罠が仕掛けられていた。屋敷の中を逃げ回る容楽と攏月、すると容楽の脳裏にこの庭で遊んでいた幼い頃の記憶が蘇った。「あっちよ!」容楽と攏月は庭石が並んだ死角に逃げ込んで難を逃れる。「公主、随分お詳しいですね」「来て」容楽は庭石の裏から脱出すると、祝宴の時に通った不安定な飛び石がある細い通路に出た。そこで目をつぶって記憶を手繰り、飛び石を踏む順番があったことを思い出す。…右…左…左…右…右…「(はっ!)攏月、私と同じように踏んで!」しかし攏月は過って別の石も一緒に踏んでしまい、仕掛けが動いて落とし穴に吸い込まれて行った。容楽は咄嗟に屋根に向かって鉤縄(カギナワ)を放ち、穴に飛び込んだ。危ないところで攏月を抱きとめた容楽、しかし揺れた拍子に攏月は側面から飛び出した矢じりに背中を突き刺してしまう。「うっ!」「攏月!」「大丈夫です、公主、それより早く逃げましょう」翌朝、容楽は攏月楼を訪ねた。攏月は唯品閣の密室で療養していたが、再度、侵入することは難しいと告げる。すると容楽はなぜかあの屋敷で既視感を覚えたと漏らした。「昨夜、気がついたけど、門扉の構造は八卦(ハッケ)に基づいていた、草花や石の配置もそうよ」それにしてもなぜ公主はわざわざ忍び込んだのだろうか。攏月は思わず、公主が直接、黎王に頼めば屋敷を簡単に見せてもらえるという。しかし容楽には拭えぬ不安があった。「知っての通り私は記憶を失っている、全ての人が私にとっては初対面よ 親切にされれば仲間だと思うけれど、不親切なら敵だと考えてしまう でも分かってきたの、人の心はそんなに単純ではない 私が北臨に来たのは正しいことだと思うわ、でも時々、不安になる いつか忘れられ、ここに1人で取り残されやしないかと…」山河志のためだと分かってはいるが、容楽は漠然と感じていた。真心を捧げられない相手とは距離を置けと…。「攏月…その人のことが本当に好きなら、何の見返りも求めず、相手の幸せを願うべき?」「好きな人への想いは人それぞれです、全て捧げたり、利用したり… 何を求めるかは心にお尋ねください」「ありがとう…気が楽になったわ」そんな中、攏月楼に男装した昭蕓(ショウウン)郡主が現れた。昭蕓は黎王と漫夭の中を引き裂こうと誘惑するが、漫夭にあっさり見破られてしまう。仕方なく昭蕓は黎王をたぶらかすなと釘を刺し、帰って行った。無憂は昨夜の刺客の話を聞いた。身体つきから女子だと思われるが、例の天仇門の可能性もある。近年、頭角を現し始めた天仇門は高い報酬で盗みや殺しを請け負っていた。趙大人など官吏や余家父子を殺したのも天仇門の仕業だったとか…。しかし趙大人の時といい、李志遠の時といい、あまりに間が良すぎる。痕跡も残さないのは朝廷と連携しているからこそだろう。無郁はこれを機に皇太子を倒すべきだと先走ったが、無憂は自分に策があると話し、本音を隠せと戒めた。すると辛師匠が思わぬ証拠を持ってやって来る。それは西啓(セイケイ)の武器だった。「ありふれた鉤縄だが、縄の結び方が独特だ 西啓は砂嵐がひどい、だから縄の摩擦を防ぐため、特殊な方法で結んでいる しかもほどけぬよう定期的に結び直すのだ」そこへ黎王に攏月楼の若店主が来たと知らせが届いた。容楽は中庭で黎王に茶を入れた。実は新茶を入手したため、真っ先に茶道に精通する黎王に献上したかったという。すると無憂は茶受けにも詳しいと言って干し棗(ナツメ)を出した。容楽は確かに棗の香りと甘みがお茶とよく合うと気に入った様子、そこで無憂は好みなら漫夭だけに贈るという。しかし容楽は黙ったまま、何も答えなかった。「落ち着いたら招く予定だったが、そなたから先に来るとは…」「ご迷惑でしたか?」「見学したければ案内しよう、ただし気をつけよ、むやみに歩き回れば仕掛けに触れ、怪我をする」「ふふふ、殿下から離れません」容楽は余計な仕掛けがなければため息が出るほど美しい屋敷だと褒めた。すると無憂は漫音(マンイン)閣を贈った時より楽しそうだという。「かくもここに興味が?」「…黎王府は警備が厳しく、すべてが殿下に属します、安易に触れられない いきなり離れを贈られても戸惑います」「そなたを警戒などせぬ、黎王府の主にしても良いくらいだ」「そのお言葉は誤解を招きます!私など殿下とは釣り合いません」「身分の違いを気にしたことは一度もない、そなたも同じかと…」「(ハァ~)当然、気にします、殿下のお考えがどうあれご期待には沿えません」「ではなぜ会いに?屋敷への興味だけか?それとも…他に目的が?」←(^ꇴ^)そりゃそうだwそこで無憂は思わず後ろから漫夭の肩をつかんだ。驚いた容楽は咄嗟に右手を上げそうになったが、竹林でのことを思い出し、左手で黎王の手を払う。「急に何です?」「身に覚えがあるだろう?」「何の話でしょう?殿下が不愉快なら2度と来ません」容楽は慌てて帰ることにしたが、無憂が行く手を阻み、漫夭の手を取る。「永遠に変わらぬものはない、身分や立場は選べるものだ 今の信念は将来、そなたの心を刺すやもしれぬ、不可能なことが明日には可能になることもある 恩師の秦永とて信じていた、養民変法(ヨウミンヘンホウ)は失敗せぬと… 余世海がここを改修した時も、一族が滅びるとは思わなかったはず 漫夭、何事も変わる、小さな火でこの屋敷を消すことも可能だ、人は忘れやすい 一族の栄光も瞬く間に消失する、記憶にとどめるのは難しい だから目の前にあれば、私は全力でつかみ取る、何物にも邪魔はさせぬ」その時、急に雨が降り出した。2人は咄嗟に近くの軒下で雨宿りした。すると容楽は偶然、足場の石板が沈み込み、別の石板が浮き上がっていると気づく。「どうかしたか?」黎王に急に話しかけられた容楽は慌てて石板から離れると、うっかり足を滑らせた。無憂は咄嗟に漫夭を抱きとめ、2人はそのまま見つめ合う。その様子を偶然、無郁が目撃していた。「抱きしめろ!さすが七哥だ!」しかし容楽は無憂を突き放し、雨が降りしきる中を帰ってしまう。無郁は七兄のもとに駆けつけ、こんな時は帰らせては駄目だと諌めた。どうやら2人は相思相愛、すぐに心をつかんで口づけできるだろう。すると無憂は急に不機嫌になった。「(はっ)七哥、本気で惚れたのですね?あ~やっぱり!照れてる!」「うるさいっ!」つづく(^ꇴ^)また足を滑らせる容楽…そしてまたしてもうざい陳王(笑
2020.06.28
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