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「VFなしでできる! 摂食・嚥下障害のフィジカルアセスメント」大宿茂 監修・執筆で、 嚥下補助パッド(LEAP)
が紹介されています。
摂食嚥下時に、肩甲帯から頸部にかけて位置を調整する器具です。
今まで(少なくとも私は)、喉頭挙上の障害は、舌骨・喉頭の下垂や舌骨上筋群の筋力低下などが要因として考えられていましたが、この嚥下補助パッドは、 肩甲帯の伸展により舌骨下筋群(肩甲舌骨筋)が伸長し、舌骨を引き下げてしまっている
という考え方のもとに製作されています。
つまり、肩甲帯を屈曲位に、(頸部を屈曲位に)、姿勢調整できるような構造になっています。
第19回日本摂食嚥下学会(2013年)の一般口頭でも発表がありました。
「頸部・肩甲帯のアライメントが喉頭挙上に与える影響(1)~舌骨下筋群の伸長が喉頭挙上を阻害する~」(SO2-5-3-5)
要約すると、
喉頭挙上正常群と障害群を比較。障害群の方が、肩甲骨間距離が短く、肩甲骨の前傾角が小さかった(→肩甲帯が伸展していたということ)。また、障害群の方が、喉頭が下垂していた。
リクライニング位では、姿勢調整に必要な筋活動が極度に減少するために、parking functionにより肩甲帯・頸部は伸展位となる。また、骨盤が後傾位となるために、腰椎の前彎減少、胸椎の後彎増強という運動連鎖を招き、結果的に頸部は伸展位となる。さらに、頸部伸展と肩甲帯伸展は肩甲舌骨筋や胸骨舌骨筋などの舌骨下筋群を伸長させ、喉頭挙上を阻害する。
「頸部・肩甲帯のアライメントが喉頭挙上に与える影響(2)~嚥下補助パッドの試作と効果~」(SO2-5-3-6)
要約すると、
リクライニング位で、頸部と肩甲帯が伸展しないよう調整できる「嚥下補助パッド」を作成した。
この嚥下補助パッド(LEAP)の購入有無は別として、直接嚥下訓練時には肩甲帯を屈曲位に姿勢調整することも考える必要があると思いました。
この書籍に付属しているDVDには、嚥下補助パッドの使用時・未使用時でのVFの比較映像が掲載されています。この1例では効果があるように見えます。
VFなしでできる!摂食・嚥下障害のフィジカルアセスメント [ 大宿茂 ]
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