レベルアップ太極拳

（つづき）
24式太極拳の全体を見渡して改めてその素晴らしさに気づいたわけですが、
「祖父（傅鐘文）は24式を作ったことをとても後悔していた」
と傅清泉老師が言っていました。
簡単に言えば、太極拳が運動になってしまったという嘆きだったようです。

「それでも24式は太極拳普及に貢献した」と認めていたそうです。

さて、このblogでも24式の注意点をすごくたくさん述べて来たわけですが、その内容は、日本・中国の様々な講師や老師から学んできた内容に基づいて書いています。
…というと、すごくしっかりしたものに基づいているように聞こえるかもしれませんが、講習会に参加すると、

「前に言ってたことと話が違うんだけどなあ」
「え゛～あれだけ言っていてたのに、変えるの～」
「結局、昔やってたことに戻るのかよ」

と突っ込みたくなる場面も結構あります。

まあ、太極拳や健康や体のことを科学的にとらえて柔軟に深めてきたともいえます。

一方、伝統太極拳は「師匠を超えられないのだから内容を勝手に変えてはいけない」という厳しい掟があるようで、さすが伝統だなと言いたいところです…が、伝人（伝承者）によってけっこう違います。

本家とか元祖とかあるのか、勝手に名乗っている人のか分かりませんが、同じ種類の伝統太極拳でも見た目の動きはだいぶ違います。
もっとも「見た目は違っても中身は同じ」と納得している人もいます。

ある中国の老師に「先生のビデオでは、このような動きをしていたと思うのですが」と謙虚に聞いたら「そうです。時代の流れで変わってきました。…だから今はこうしています。」と詳しく答えてくれたことがあります。
時代の流れ？…と、意外な答えにこれまた戸惑うわけですが、最終的に誰が正しいという絶対者がいない（わからない）ところはいいなあと思っています。

そんな状況の中から、整合性があって理にかなった本質に近づいてきたいなあって思うわけです。
できれば努力しないで←あの～努力しなきゃむりでしょ。

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