ある時、行きつけの飲み屋さんで、
( 悠愛さん、聞いてくれるけ? )
と。
以下東北弁のお話を、 標準語に同時通訳
。
私は休暇を利用して、秋田の 象潟
(きさかた)に友人と、遊びに行きました。
入社して1~2年
の頃だったでしょうか。そこで、とある女性と知り合い、
若い二人はすぐに恋におちてしまいました。
潮騒の奏でる砂浜を歩きながら、月光にキラキラと輝く海に向かって、お互いの
将来の夢を、時間の
たつのも忘れて語り合ったのでした。
休暇はあっというまに終わり、私は盛岡に戻りました。
多忙な仕事と日常性に埋没した生活の中で、彼女とは連絡が途絶した日々が続き
ました。ある時
風の便りで、彼女が結婚したと。その時自分にとって、彼女が
いかに大切な人であったかを、初めて
思い知らされたのです。
それ以来、悶々とした日々が続きましたが、人間というものは不思議なもので、
時の流れがそんな
心の葛藤も、次第に薄めていったのでした。しかし、ふと我に
かえるとき、彼女との想い出が
私の心に澱のように残っており、無性に会いたく
なるときがあるのです。
セピア色に退色した写真に、愛し合ったあの時が蘇り、交わした言葉の一つ一つが
想い出され、
涙さえでてくるのです。
( 悠愛さん、こういう気持ちって、わかるけえ~~?! )
いやはや、 還暦
を迎え、お孫さんのいる方のお話とは、到底思えません。
( 今更逢ってみても、なんの意味があるのですか?!
想い出は心の宝石箱
にしまっておいて
こそ、いつまでも美しく
そして光輝くものですから。 )
( んだ・・・・)
自分自身を納得させるがごとくそう言うと、手のひらで包むように持っていた
コップのビールを、
一気に飲み干したのでした。
男はいくつになっても、 からくり時計の夢追い人 。
しかし一方男性は、相手から自己否定されたと思い、男としてのプライドを
いたく傷つけられたと
考えます。そこから逆に彼女との過去の想い出を美化し、
想い出にいつまでも浸ることによって、
現実から逃避
しようとするわけ
です。
これでは、立ち直れませんね・・・・
それではこのお話に相応しい、< 想い出の九十九里浜
>で、話を
まとめましょうか・・・
Mi-ke
が1991年、デビューシングルとして発売し、第33回日本レコード
大賞でポップスロック部門の、最優秀新人賞を受賞した曲。
歌詞の中に、ザ・スパイダース、ザ・タイガース、ザ・テンプターズ、ザ・
ワイルドワンズ、ヴィレジシンガーズなど GS
の、懐かしい楽曲名が多く
登場します。
九十九里浜
とは、千葉県房総半島東岸にある、刑部岬と太東崎の間の太平洋
に面している、全長約66キロの海岸。日本の 白砂青松100選
と、 日本の渚100選
に選定されています。
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