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asahi.comニュースより
「北九州市内で16日夜に約10万戸が停電した問題で、九州電力北九州支社は17日、事故があった到津(いとうづ)変電所(八幡東区)-槻田(つきた)系統開閉所(小倉北区)間の送電線(地中ケーブル)に絶縁油が漏れている部分があったことを明らかにした。絶縁油は漏電防止用として送電線に使われており、送電線が損傷して油漏れが発生、停電につながった可能性があるとして、この送電線部分を切断して新品と交換し、原因や停電との因果関係を調べる。
同社によると、トラブルがあったのは22万ボルトの送電線。直径約14センチで、変電所と開閉所間の約1.4キロにわたり、地下5メートルに9本埋設されている。内側に絶縁用の油や油紙が使われ、外側はアルミニウムとPVCで覆われている。
変電所と開閉所間のマンホール全5カ所を調べたところ、八幡東区松尾町のマンホール内で、送電線1本の絶縁油が外側ににじみ出ているのを発見した。同社はこの1本について、隣のマンホールとの間の250メートル部分を切り出し、新品と交換。油漏れの原因や具体的な場所、停電との因果関係を調べる。 」
2年くらい前にも220kV新小倉線(到津SS(八幡東区)~槻田SWS)で
人孔爆発を伴う漏油・絶縁破壊が発生して、送電屋の間で衝撃が走ったのですが
今回の停電も同じ回線でしょうか?
最近でも中国でOFケーブルの火災・爆発がありましたし、このケーブルは
信頼性は高いですが、トラブルが発生した場合は影響度が大きいのかも。
この地中送電線は昼と夜とで潮流差が60万kWくらいあるそうで、日間温度差と
熱伸縮がとても大きく、ケーブルにとっては過酷な使用環境なようです。
ケーブル敷設場所が洞道でしたらスネーク布設で伸縮吸収できますが、
おそらく埋設管路だと思いますので、そうなると人孔(マンホール)でいかに
ケーブル伸出しを吸収させるか、つまりオフセット設計が重要になると思われます。
ケーブルの年間伸縮量が10mm程度のオーダーならさほど大きなトラブルには
ならないのですが、この送電線のように日間伸縮が大きいと、ケーブルの
金属シースの歪と発生回数がばかになりませんし、シースに亀裂が入って
漏油する確率は高く、ケーブル寿命は一般的な送電線より短いのではないでしょうか。
九州電力さんが前回事故の対策として、マンホールの防爆措置と
ケーブルへの防災テープ巻きを実施しましたが、これはとても重要なことですし
万一の時に対策しているか否かで大きな違いが出ると思います。
何はともあれ、九州電力さんには凹まずに頑張ってほしいと思います。
あと、地中送電線は架空送電線と比べて目立ちませんし、ケーブルだから
といって簡単に考えている人が多いですが(特に変電屋)、甘く考えると
しっぺ返しが!?・ ・ ・ 。