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先日、仕事の関係で、古い変電所の撤去作業に立会ってきました。
私は廃止された引込架空送電線の撤去調査立会いで赴きましたが
現場が山中であり、おまけに保守通路の状況が思いのほか荒れて
いた為、辿りつくのに苦労しました。
古い設備であるがゆえ、鉄塔主材にも機銃掃射の痕跡が残っており
解体時の安全管理が重要になる印象でした。
さて、架空送電線は鉄塔で電線を支えますが、電線と鉄塔の電気的絶縁を図るため
碍子(ガイシ)を介して接続しています。この碍子についての話です。
送電線調査を終えて、山麓の廃止変電所に戻ってみると、変電所構内の
調査が終わり、倉庫保管物の整理がされてました。
「送電線用のガイシが出てきたけど、うち(変電)で処分していい?」
と言われ、三連ヨークまでついてるそのガイシを確認してみると
とても古いガイシでした。
「1942年 DAITO」。 戦前のものにしては状態が良いのが印象的でした。
ガイシの歴史は古く、1800年代後半の電気事業の創世記に海外で発明され、
大正時代になってから日本でも本格的に量産されるようになったそうです。
日本における大正・昭和初期の碍子(ガイシ)メーカーの多くはもともと
伝統工芸である陶器を作っていた会社でした。
今でこそ、日本ガイシ(株)製の碍子が多くのシェアを占めていますが、
その昔、大正・昭和時代はいくつかの碍子メーカーが凌ぎを削っていたそうです。
当時の資料によれば、主な碍子メーカーは次のとおり。
「大阪陶業(株)(DAITO)」はその後の分社化・合併により現存しませんが、
当時は市場で多くのシェアを持っていたようです。
【大阪陶業株式会社】
創業:大正9年
本社:大阪市北区宗是町大阪ビル五階
工場:大阪府泉南郡佐野
東京出張所:東京市麹町区内幸町大阪ビル6階
京城出張所:京城府三坂通二九七
(昭和11年当時)



