医学誌「Archives of Internal Medicine(内科学)」3月26日号に掲載された今回の研究で、オーストラリア、シドニー大学のHidde van der Ploeg氏らは45歳以上の22万2,000人以上の自己申告データを分析。その結果、座位時間が1日合計11時間を超えると死亡リスクが急増、また8~11時間でも1日4時間未満の場合に比べて15%高かったことが明らかになった。
データは、オーストラリアで進行中の健康的な加齢に関する大規模研究 “Australia's 45 and Up Study”の一部として収集されたもの。データの分析では、全死因死亡リスクの上昇は患者の身体活動、体重、健康状態を考慮後も変わらなかった。被験者の62%は過体重または肥満であると答え、87%近くが健康状態は良好または非常に良好、4分の1は1日8時間以上を座って過ごすと答えた。
van der Ploeg氏は「長時間座ることが健康に悪影響をもたらすエビデンス(科学的根拠)はここ2~3年で築かれた。今回の研究は、被験者が多く、座って過ごす総時間を検討できた初めての研究の1つであるという点で優れている。これまでのエビデンスはほとんどが、長時間のテレビ視聴による健康リスクに関するものであった。今回の知見を再現し、座ることが糖尿病や癌(がん)、心疾患などの発症に及ぼす影響により着目する必要がある」と述べている。