星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

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2021.02.11
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テーマ: 読書(8636)
カテゴリ: 読書 原田マハ
 原田マハ著「たゆたえども沈まず」を読み終えて、初めて小説で「ロス」感を味わっています。

​ゴッホの弟テオ、加納重吉(架空の人物)、林忠正、ゴッホ、テオの妻ヨーの葛藤や心の繋がりの中に自分ももう少し一緒にいたい気持ちです。

 本の最後の解説に大阪大学教授で美術史学者の圀府寺(こうでら)司氏が書かれた内容も「目から鱗」の箇所が多数あり、特に実在の画商「林忠正」とテオ、ゴッホが実際にパリで会ったことがあるという記録が無い中、ある証拠の品のような物を紹介していました。


「週刊美術館 ゴッホ」の中に写真がありました。下にある箱は日本の「赤漆の小箱」

 それは写真上段の楕円形の板の表にゴッホが描いた「静物画(芽生えた球根の入った籠 1887年)で、板の裏面には「起立工商会社」と刻印があります。その会社は一時、林忠正も働いていた会社でそこから原田マハ氏も林忠正とゴッホが実際に会っていたと考えたようです。

 この小説の主人公はあくまでもゴッホの弟でありパリで活躍した画商のテオで、彼を日本人ならではの心遣いで精神的に支える架空の人物「重吉」の存在は斬新でした。私の今までのテオのイメージは兄からの手紙に書かれている絵の具や画材を献身的に送り続けていた寡黙な人で、彼の思いや感情というものを想像することもありませんでしたが、「たゆたえども沈まず」の中で描かれたテオの兄を愛するがあまりの「心の声」には感動以上のものがありました。

 しばらくはテオとゴッホを偲んで画集や美術館で撮った写真を見直す日が続きそうです。








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最終更新日  2022.06.26 13:45:19
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Re:星の国ライフ 「たゆたえども沈まず」を読み終えて。(02/11)  
アストロメリア さん
お久しぶりです。
「たゆたえども沈まず」は先月の末あたりに
私も読み終えました。
史実でないのに人物の描写や背景などが
魅力あふれてまるで史実のようでした。
最後までどうなるのかという吸引力があって
今までにないくらいにこの展開に興味を持ちました。
知っている画家の名前が沢山出てきて本当に楽しかったです。

浮世絵がパリで人気だったというのが初めてしりました。
日本の絵画も世界と並ぶくらいすごいんだなぁと思いました。

お題の「たゆたえども沈まず」の意味を知って
何だか我が家の状況に似て
滞っていた問題が解決に向かって
動きだしています。
この本でとても励まされました。

けして諦めてはいけないですね・・・どんなに状況が悪化しても
沈まずに漂流していれば
この本は芸術を誰かと共有したくなるような貴重な一冊だと思います。 (2021.02.13 15:23:22)

Re[1]:星の国ライフ 「たゆたえども沈まず」を読み終えて。(02/11)  
アストロメリアさんへ
 コメント、本当に嬉しいです。滞っていた問題解決に「たゆたえども沈まず」が少なからず力を与えてくれたというのは納得です。私もゴッホを取り巻く人々の熱い思いに感動するとともに励まされる箇所が多々ありました。中心となるテーマは「信じること」だったのかなと・・テオが兄の絵の素晴らしさを、忠正や重吉がパリが世界の中心と、そしてテオの妻ヨーが義兄が描いた絵の価値を信じたこと。
 共感できる本を共有出来たこと、本当に嬉しく思います。 (2021.02.14 11:09:44)

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