お米の沼にハマってみた

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2024.07.27
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カテゴリ: 愛知県
今回紹介するのは、「大地の風」という愛知県産のお米になります。
ふるさと納税での返礼品で、「その市でしか手に入らない特産品」をとしてを希望するなら、お米の分野ではこれほどいいものは少ないかも知れません。
全国で2市、1つのJA管内でしか栽培されていない品種になります。
もっとも、岩手県越前高田市の「たかたのゆめ」のような、1市だけというものもあります。

ふるさと納税での返礼品受領になりますが、それだけで一旦​ 記事にした ​ため注文の過程は省きます。
納税額は8000円です。




愛知県のコメ作り事情
図は、愛知県の銘柄別生産量(検査量)ベースです。

愛知県の栽培状況は全国的にも特殊で、ほぼ県内でのみ生産されている銘柄の「あいちのかおり」が生産量の56%を占め、「こしひかり」と合わせて生産量の8割を占めています。あとは、

「大地の風」(←今回紹介)
「ゆめまつり」(愛知と群馬の奨励品種)
「あきたこまち」(全国区)
「なつきらり」(上級品は「愛ひとつぶ」と呼ばれる県内の品種)
「ミルキークイーン」(全国区)
「あいちのこころ」(最新の奨励品種。登録に伴い、「ゆめまつり」「あさひの夢」が廃止予定)
となっており、愛知県でのみ栽培されていたり、生産の大部分を愛知県が占めている品種が随分強い印象を受けます。

大地の風の特徴
1998年に愛知県農業試験場で開発された品種で、F1種と「祭り晴」の交配により生まれました。
栽培地は、JAあいち豊田(管轄地:豊田市・みよし市の2市)管内に限られています。
JAあいち豊田管内図(黄色:みよし市、緑:豊田市)

アグリサーチャー ​さんによると、「良食味病害虫複合抵抗性品種」という位置づけになっており、ツマグロヨコバイ耐虫性・縞葉枯病抵抗性・穂いもち抵抗性を多系交配によって導入した品種とされています。
病害虫抵抗性が高いメリットとして、低農薬・減農薬​栽培が行いやすいことがあります。低農薬というメリットから、豊田市およびみよし市では​ 学校給食
食味は、コシヒカリ等に比べてあっさりしています。今回紹介する商品ではありませんが、豊田市にある「​ はっぴー農産 ​」さんではこの品種とコシヒカリを栽培し両方販売しています。その生産者さんの星付けを見ると、「ねばり」「香り」「甘み」において、コシヒカリを5-5-5のオール5としたときに、大地の風は3-4-4となっていました。ねばりが少なく、香りと甘味もコシヒカリには及ばないということのようです。

このはっぴー農産さん、豊田市の浄水・四郷地区で栽培をされているそうなのですが、この地名を見てピンときました。この「大地の風」、近郊農業をしている地域のための品種じゃないかなと。
浄水は、みよし市のすぐ隣・名鉄豊田線の駅がある場所です。そして名鉄豊田線には、みよし市内に三好ケ丘、黒笹という駅もあります。これらの駅の特徴は、どこも豊田市にも名古屋市にも通えるベッドタウンとして、駅前にマンションが、その郊外に戸建住宅地のある都会的なニュータウンが広がっていることです。参考までに、三好ケ丘から名古屋市中心部の伏見まで、地下鉄直通電車で一本、38分だそうです。
埼玉県川越産の未検査米

開封してみました

段ボールに入っていたのはお米本体と、生産者の「農事組合法人町内会」さんからのメッセージカードのみというシンプルなものでした。
袋は、ふるさと納税を想定した袋のようです。同じパッケージを、千葉県の南房総のどこかの市の返礼品の写真でも見かけたことがあります。


農事組合法人町内会さんからのカードの内容はこれだけだったので、どのような団体なのか紹介したかったのですが、情報を集めるのにちょっと骨を折りました。
(みよし市の直売所マップなどを見て、住所等がようやくわかりました)


裏面です。販売者欄等が空欄になっていたので、町内会さんの住所がわからなかった感じです。

精米はこんな感じです

ここの所戴いていた「つぶぞろい」「ゆうだい21」がどちらも大粒を売り物にする品種だったため、見てみると「やっぱりちょっと小さいんだな」と感じました。
令和5年度産米にしては、白色部分は目立ちません。特に、高温耐性のある品種ではないんですが。
昨年8月の名古屋の気候を見ると、新潟など日本海側が水不足に苦しんでいた時期に、​ 実は結構雨が降っている ​んです。そのあたりで、品質低下があまりなかったりしたのでしょうか。

それでは、いただきます
1口食べた瞬間に分かりました。さっぱり・あっさりしているんです。中央値を叩き出すことの多い「あきたこまち」あたりと比べても同じような印象になるかと思います。いわゆるバランス系と「ピラフ・カレー・炒飯向けのお米」と言われるカテゴリの中間に当てはまるかと思います。近いのは「​ みずかがみ ​」でしょうか。
その分、他の食材と喧嘩しないことが長所なので、蟹を入れた炊き込みご飯を作ったところとても美味しかったです。あとは、予想通りですが麻婆丼の土台としても優秀でした。
このほか、いい本わさびが丁度あったんですが、これと合わせて頂くとわさびの特徴を消すことなく、両者美味しく戴けました。そういう意味でも、土台的な品種なんでしょう。
ごちそうさまでした

愛知県みよし市ってこんなところ



​名古屋市と豊田市の間にある街で、鉄道駅周辺に郊外型ニュータウンがある、それ以外は昔ながらの農地が残っており開発と自然を両立した地域です。
ニュータウンは名鉄豊田線の開業により人口の増加した地域で、景観や開発の経緯等は、こちらの「​ アートヒル三好丘物語 ​」さんをご参照ください。
都市化、ベッドタウン化が進んでいますが、開発は市内北部の丘陵部が中心で、市中央部には農地が多く残っており、稲作もこちらで行われているようです。
南側の刈谷市と合わせて、旧国の「三河国」の最西端にあり、地図の上の日進市や東郷町は「尾張国」の最東端となります。みよし市の西側の市境には、「境川」という川があり、この川が境界線となっています。
知多半島の厳しい水事情を一変させた、木曽川(犬山市)から知多半島への導水路「愛知用水」がこの町には走っており、日進市、東郷町とまたがる調整池の「 愛知池 」があります。また、地図中の「三好池」も地下水路で愛知用水と繋がる調整池です。自然と水環境に恵まれた、名古屋郊外のベッドタウンのように見えます。​

​​

話が横にそれますが、ふるさと納税の考え方が、 「財政的に厳しい自治体を応援するために、政策に賛同する自治体に寄付をする」 というコンセプトだとしたら、この市へのふるさと納税は根本的に間違っています。みよし市さん、知名度は愛知県内では比較的低いかも知れませんが、実は全国でもトップクラスの財政状況の自治体です。
南隣の刈谷市さんは一緒に仕事をしたことがあり、デンソー等トヨタ関連企業の法人税や固定資産税で財政状況が良く、子育て支援等もいいことから転入先として人気があるのを認識していました。
東隣の豊田市さんは、誰もが知る「トヨタ自動車」からの法人税で・・・(以下同文)
そのような地域状況で、中間に位置するような市が産業に恵まれない訳がありません。このことは、記事を書くまで忘れていました。
この地図は国土数値情報をベースに作っており、緑色の部分は「農地」とされている部分なのですが、市の南側には農地でも住宅地でもなさそうな白い部分が結構あります。
地図に落とすと、こんな感じです。

高岡工場は、市域を跨いで刈谷市側の方が大きいです。

「財政力指数」という言葉があります。
その市町村が一般的な行政サービスを行う場合に、地方税による税収のみでどこまで賄えるのかという数字で、1.00を超えると、使途を定められた地方交付税交付金に頼らなくても、自前の地方税税収のみで行政サービスを行えるということになります。つまり、数字が大きければ大きいほど「自由に使える余剰のお金のある自治体」ということになります。

全国の市の財政力指数ランキングです。町村はここでは一旦含みません。
1位 千葉県浦安市  1.52 (遊園地とホテル等関連産業?)⇒参考:市町村だと7位
1位 東京都武蔵野市 1.52 (富裕層居住と都市化率とすかいらーく?)
3位 愛知県豊田市  1.47 (トヨタ自動車)⇒参考:市町村だと9位
3位 愛知県みよし市   1.47 (トヨタ自動車・自動車関連工場)

奇しくも、「大地の風」を栽培している2市が同率3位です。どちらの自治体にふるさと納税をしても、ほとんどの人にとって、自分の居住地より余裕のある自治体へのふるさと納税になってしまうという結果は同じです。

これより上の6自治体はすべて町村で、何らかの要素のある自治体です。三菱重工からの税収がありながら可住地がほとんどない愛知県飛島村、原発や原子力関連施設のある青森県六ケ所村・福島県大熊町・北海道泊村、住民数よりも別荘が多く固定資産税収入が莫大な長野県軽井沢町、関西空港のある大阪府田尻町が該当します。

農業の話が殆どないので、みよし市さんの「​ 産直マップ ​」を少し紹介します。


出典URL:https://www.city.aichi-miyoshi.lg.jp/shokuiku/03chisanchisho-01map.html

図の右上、茶色いラインが東名高速道路です。ニュータウンとして都市化されているのはこれよりも北東側となります。
中央やや北側の4番が、今回の返礼品提供元、「農事組合法人 町内会」さんの直売所になります。直売所のある莇生(あざぶ)地区を中心に水田の耕作を取りまとめている団体のようです。
「​ みよし市北部地区・人・農地プラン ​」によると、3.9haの耕作地を管理されているとのことです。

購入等はこちらから
今回紹介した「大地の風」は、オンライン上ではみよし市のふるさと納税返礼品としてのみ入手可能なようです。楽天ふるさと納税へのリンクはこちらになります。​

ふるさと納税ではなくこの銘柄を試してみたいという方は、みよし市産は難しそうですが、最初にご紹介した豊田市の「はっぴー農産」さんが​ ネットショップ ​を持っています。





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Last updated  2024.07.27 10:00:10
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