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2022.08.05
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テーマ: 読書(8449)

本のタイトル・作者



不倫と正義 (新潮新書) [ 中野 信子 ]

本の目次・あらすじ


第1部 不倫とバッシング
第2部 男と女の性と権力
第3部 結婚の罪
第4部 不倫の「倫」

引用


アンチフェミの男の人が恐れているのは、女性が選ばれるリソース、奪い合われるリソースだった時代から、自身がリソースでらうことを拒否し始め、女性も男性と同じ経済的リソースや社会的地位を奪い合う側に参入してきたということですよね。競合相手になるかもしれないということが怖い。


感想


2022年198冊目
★★★

世の中に溢れるバッシング、「キャンセルカルチャー」(これまでの行いを、ひとつの欠点や汚点ですべて否定し、排斥すること)。
その最たるものが「不倫」じゃないかと思って読んでみた。
内容的には女性二人が延々だべってる感じもあって、繰り返しが多いしイマイチだったんだけど、色々考えさせられるものではあった。


だからその「倫」を踏み外した奴は徹底的に攻撃する。
でもそれって、本当なんだろうか?という問い。
中野さんは、そもそも現在の一夫一妻制が最近になって出来たもので、それは一夫多妻制と違い「男があぶれない」という制度でもあるという。

口には出さないだけで、みんな心の底では思っていたりしない?
不倫ダメ、ゼッタイ。
でもバレないなら、罰せられないなら、ペナルティがないなら?
ちょっとやってみたい、なんて思ったりしない?

自分はどうかなあ、と思うと、そういう機会があったらやっちゃうかもしれない。
単純に面白そうだから、どんなもんか試してみたいからと言う理由で。
でもそれを夫にされたらというと、うーん、あかんな!(笑)

中野さんは、自身と夫を「月と地球」の関係性に喩えていらした。

それ、いいなあ。そういうのがいい。
干渉し過ぎず、でもそばにいる。

夫婦別姓については、子どもの姓を一定年齢で子供に選ばせるという提案、目から鱗。
夫婦別姓にばかり目がいっていたけど、その子どもはどちらかの姓に固定されるのが当たり前だと思っていた。
でもたぶん、それだと99%夫の姓になるよね。


結婚、姓を変えるというのが、女性には「グレート・リセット」にあたるというのも面白いと思った。
マイナスの面ばかりが取り沙汰されるけど、その逆に「実家との縁が切れる(薄くなる)」ということがあるんだよな。
男性にはそれが働かない。永遠にその「家」の息子。
ちょっと可哀想でもある。

不倫で人を叩いている時、それは「みんなちょっといいなと思ってるしやりたいと思ってるのに我慢してるんだぞ、お前はそれを破った」というバッシングもあるんだろうな。
それが集団に「こいつはルールを破ったから攻撃してもいい」と認定されて加熱する。
そうして徹底的に叩かれている誰かを見て留飲を下げるんだろう。
「自分はルールを守る側にいる」ことに安心して。

一夫一妻という固定的な関係を、昔の女系に戻すと、問題は解決するんだろうか。
浮気ではあっても、不倫ではなくなるだろうな。
あるいは不倫というのは、同性としてはどうだろう。
それでもなお叩かれるだろうか?叩かない気がするんだ。
結局それで破壊を恐れられているのは、「男系」の制度なのかもしれない。

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生贄探し 暴走する脳 [ 中野信子×ヤマザキマリ ]




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最終更新日  2022.12.03 23:50:44
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